説明

ドライブレコーダー

【課題】 前方車両の挙動に応じて撮像カメラにより撮像された画像データを記録する「ドライブレコーダー」を提供する。
【解決手段】 ドライブレコーダー1は、自車の少なくとも前方を撮像し、画像データを生成する撮像カメラ10、データを記録する記録装置14、ジャイロセンサ18、加速度センサ20、前方車両との車間距離を算出するレーダー測位部32、前方車両との車間距離に基づき前方車両の挙動に異常があるか否かを判定する判定手段16、異常があると判定されたとき、画像データを記録相違14に記録する記録制御手段16を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の事故原因等を解析するために車両の走行状態に関するデータを記録するドライブレコーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周囲に撮像カメラを搭載し、車両の急な加速度の変化や振動を検知したとき、これをトリガとして、トリガ前後の一定期間の撮像カメラによる画像データを記録するドライブレコーダーが実用化されている。記録された画像データは、事故原因を解明するための情報として利用される。
【0003】
図9は、従来のドライブレコーダーの構成を示す図である。ドライブレコーダーは、車両の前方を撮像するための撮像カメラ10、撮像カメラ10により撮像された画像データをMPEG等のデータに圧縮する画像圧縮部12、一定の記憶容量をもつ記録装置14、各部を制御するマイクロコントローラユニット(MPU)16、車両の振動を検知するジャイロセンサ18、および加速度センサ20を備えている。
【0004】
車両の走行中に、撮像カメラ10により撮像が開始されると、圧縮された画像データが記録装置14に記録される。記録装置14は、一定の記憶容量を有し、これを超えると、画像データは順次上書きされていく。MPU16は、ジャイロセンサ18または加速度センサ20のセンサ出力を監視し、センサ出力がしきい値を越えたとき(以下、トリガという)、画像データの記録を停止させる。これにより、トリガより一定期間前の画像データからトリガ直後の画像データが記録装置14に記録される。同時に、MPU16は、ジャイロセンサ18および加速度センサ20のセンサ出力を走行情報として併せて記録装置14に記録する。
【0005】
このようなドライブレコーダーは、事故を起こした車両において撮像した画像データしか記録しないため、情報としては不完全であり、必ずしも事故の全容を解析することができない場合がある。このために、特許文献1は、車両の映像取得手段が撮影した映像に映っている他車両に関するデータを取得することで、他車両が事故を起こした場合、事故を起こしていない車両の映像データを事故解析に供する車両情報記録システムを開示している。
【0006】
【特許文献1】特開2003−21524号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドライブレコーダーが自車単独の画像データのみを記録している場合、例えば、追突事故を起こしたときなど、前方車両が急な減速や停止をしたことは判明しても、前方車両が何故そのような操作(挙動)を取ったかを解析することが難しいという課題を抱えている。仮に、記憶装置14の記憶容量を大きくし、事故等の発生する時点よりもかなり以前から画像データをすべて記録しておき、そこから前方車両の挙動を推測することも可能であるが、この方法だと、無駄が多すぎ、大容量の記録媒体を必要とし非常に不経済である。また、記録された大容量の画像データから事故を解析することは非効率的である。一方、特許文献1は、映像に映っている他車両に関するデータを取得しているけれども、他車両のデータを取得する最適なタイミング等について示唆していない。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたもので、前方車両の挙動に応じて撮像された画像データを記録する走行状態記録装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、車車通信により他車が保有する画像データと自車が保有する画像データを併せて記録することができる走行状態記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のドライブレコーダーでは、好ましくは、以下のようなトリガにより、記録モードへ移行したとき、画像データの記録を行う。画像データは、自車で撮像されたもの、および車車間通信などにより受信した他車が撮像した画像データを含む。
(1)自車の追突防止用のレーダーで測位された車間距離を取得し、車間距離の急激な変化またはある閾値を下回った場合
(2)イメージレーダーにより前方画像中に車両を認識していた場合に、自車の加速度や衝撃に異常と認められる変化が発生した場合
(3)車車間通信によるデータ受信がある場合(この場合、他車位置情報のみでも記録を行う)
【0010】
本発明に係る、車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録装置は、データを記録する記録手段と、自車の少なくとも前方を撮像し、画像データを生成する撮像手段と、自車の前方車両との車間距離を算出する車間距離算出手段と、前方車両との車間距離に基づき前方車両の挙動に異常があるか否かを判定する判定手段と、異常があると判定されたとき、画像データを記録手段に記録する記録制御手段とを有するものである。
【0011】
走行状態記録装置はさらに、自車の走行状態の挙動を検知する検知手段を含み、記録制御手段は、画像データとともに検知手段から得られた検知結果を記録する。検知手段は、例えばジャイロセンサや加速度センサである。
【0012】
好ましくは、判定手段は、車間距離の変化率が一定値を越えたとき、または車間距離が一定値よりも小さくなったとき、前方車両の挙動に異常があると判定する。これらの判定基準は、予め設定することも可能であるし、ユーザー等が適宜変更できるようにしてもよい。
【0013】
さらに本発明に係る、車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録装置、データを記録する記録手段と、自車の少なくとも前方を撮像し、画像データを生成する撮像手段と、自車の前方車両を認識する車両認識手段と、自車の走行状態の挙動を検知する検知手段と、前方車両が認識されている最中に、検知手段からの検知結果に基づき自車の走行状態の挙動に異常があるか否かを判定する判定手段と、異常があると判定されたとき、画像データを記録手段に記録する記録制御手段とを有するものである。
【0014】
好ましくは走行状態記録装置はさらに、他車とのデータ通信を行うデータ通信手段を含み、記録制御手段は、自車が保有する画像データを記録するとき、データ通信手段を介して受信された他車が保有する画像データを併せて記録装置に記録する。他車は、自車の前方車両、対向車両等を含み、好ましくは自車から車車間通信可能な範囲に存在する車両である。
【0015】
さらに本発明に係る、車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録方法は、自車の少なくとも前方を撮像し画像データを生成するステップと、自車の前方車両との車間距離を算出するステップと、車間距離の変化率が一定値を越えるとき、または車間距離が一定値よりも小さくなったとき、前方車両の挙動に異常があると判定するステップと、異常があると判定されたとき、画像データの記録を開始するステップとを有する。
【0016】
さらに本発明に係る、車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録方法は、自車の少なくとも前方を撮像し画像データを生成するステップと、自車の前方車両を認識するステップと、前方車両が認識されている最中に、自車の走行状態の挙動に異常があるか否かを判定するステップと、異常があると判定されたとき、画像データの記録を開始するステップとを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、前方車両の走行状態の挙動に異常があるか否かを判定し、異常があると判定したときに、これをトリガに画像データを記録するようにしたので、画像データの記録するタイミングを最適化し、画像データの記録の無駄をなくすことができる。また、事故等の発生の前兆が表された時点から画像データを記録するので、前方車両の挙動の解析に役に立つデータを提供することが可能となる。さらに、前方車両や対向車等の他車からの画像データを車車間通信により取得することで、自車のみならず複数の車両の画像データを用いて客観的に、かつより正確に事故等の発生の原因の究明、解析を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の最良の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の実施例に係るドライブレコーダーの構成を示すブロック図である。本実施例に係るドライブレコーダー1は、自車の前方を撮像するための撮像カメラ10、撮像カメラ10により撮像された画像データをMPEG等のデータに圧縮する画像圧縮部12、圧縮された画像データを記憶するHDDや半導体メモリ等の記録装置15、各部を制御するMPU16、自車の振動を検知するジャイロセンサ18、加速度センサ20を含み、さらに、本実施例では、他車と車車間通信を行う車車間通信部30、および前方車両等の障害物までの距離を測位するレーダー測位部32を備えている。
【0020】
撮像カメラ10は、所定の視野角で自車前方の空間を撮像する。撮像カメラ10の取り付け位置や、取り付け個数に制限はない。例えば、自車の中央に撮像カメラを取り付けたり、自車の左右に撮像カメラを取り付け画像を合成するようにしてもよい。あるいは、撮像カメラ10を運転席のフロントガラス近傍に取り付けるようにしてもよい。
【0021】
MPU16は、ドライブレコーダーに必要なプログラムやデータを格納するROM、RAM等を含むマイクロコンピュータから構成される。MPU16は、ジャイロセンサ18や加速度センサ20の出力を受け取り、この出力結果に基づき画像データの記録を開始したり、車車間通信部30を制御する。車車間通信部30は、他車が同様の車車間通信機能を備えているとき、当該他車との間でデータの送受信を可能にする。レーダー測位部32は、自車の前方にある車両までの距離をレーダーの反射波により測位し、その結果をインターフェース(I/F)34を介してMPU16へ出力する。
【0022】
次に、本実施例のドライブレコーダーの動作例について図2のフローを参照して説明する。自車の走行が開始されると(ステップS101)、これに応答して撮像カメラ10による撮像が開始される(ステップS102)。あるいは撮像カメラ10は、ユーザーからの指示に応答して撮像を開始するようにしてもよい。撮像カメラ10により撮像された画像データは、画像圧縮部12に供給され、そこで、MPEG等のフォーマットで圧縮される(ステップS103)。この時点で、圧縮された画像データは、記録装置15に記録されない。
【0023】
MPU16は、レーダー測位部32により自車の前方に車両があるか否かを判定する(ステップS104)。レーダー測位部32は、例えば一定の角度でレーダーをスキャンし、物体からの反射波を受け取ることで前方車両の有無を判定する。MPU16は、レーダー測位部32による測位可能な距離内に車両が存在するとき、前方車両があると判定する。
【0024】
前方車両があるとき、MPU16は、レーダー測位部32の測位結果から車間距離を算出し(ステップS105)、この車間距離を監視することで前方車両の挙動に異常があるか否かを判定する(ステップS106)。MPU16は、前方車両との車間距離が急激に変化したとき、または車間距離が一定値よりも小さくなったとき、前方車の挙動に異常ありと判定する。例えば、一定時間内に車間距離が10メートルから5メートルに接近したとき、または前方車両との車間距離が3メートルを下回ったとき、前方車両の挙動に異常があると判定する。なお、判定基準である、車間距離の変化率や車間距離の大きさは、道路種別(高速道路や一般道路等)や自車の走行速度に応じて適宜選択することができる。例えば、高速道路のときと、一般道のときでは、車間距離の変化率や車間距離の大きさを異ならせたり、自車が高速(例えば、80km/h)のときと低速(例えば、40km/h)のときで異ならせることができる。
【0025】
MPU16は、前方車両の挙動に異常があると判定すると、これをトリガにして、圧縮された画像データの記録を開始させる(ステップS107)。同時に、MPU16は、走行情報として、ジャイロセンサ18および加速度センサ20のセンサ出力を記録装置14に記録する。
【0026】
MPU16はさらに、ジャイロセンサ18および加速度センサ20の出力を監視し、振動または加速度がしきい値を越えるか否かを判定する(ステップS108)。このしきい値は、自車が事故等に遭遇し、非常に大きな衝撃を受けたことを意味する。このため、MPU16は、しきい値を超えたとき、画像データの記録を停止し、かつセンサ出力の記録を停止する(ステップS109)。また、MPU16は、しきい値を超えないときでも、トリガから一定時間が経過したとき(ステップS110)、画像データおよびセンサ出力の記録を停止する(ステップS109)。
【0027】
このように本実施例によれば、前方車両の挙動に異常が認められた場合には、それを事故等の前兆と判定し、これをトリガにして画像データおよびセンサ出力を記録するようにしたので、事故等の原因を解析するために必要な画像データ等の記録のタイミングを最適化し、効率的で無駄の少ない記録を行うことができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施例について図3の動作フローを参照して説明する。ステップS101からステップS107までの動作は、第1の実施例と同様であるが、第2の実施例は、前方車両が自車と同様に撮像カメラおよび車車間通信機能を備えているとき、前方車両が撮像した画像データを取得するものである。
【0029】
MPU16は、自車が保有する画像データの記録を開始した後(ステップS107)、車車間通信部30を介して前方車両に対して画像データの送信をリクエストする(ステップS201)。前方車両から画像データが送信されると、車車間通信部30はこれを受信し(ステップS202)、MPU16は、受信した画像データを記録装置14に記録する(ステップS203)。好ましくは、自車が記録した画像データと前方車両の画像データを時間的に整合するように記録する。さらに、MPU16は、前方車両の画像データに加えて、走行情報として前方車両の速度および加速度センサ等のデータと前方車両の位置情報の送信を要求し、受信したデータを画像データとともに記録するようにしてもよい。なお、ここでいう前方車両は、自車からみて直前の車両のみならず、それよりも前方の車両も含む。第2の実施例によれば、自車が保有する画像データ等に加えて、前方車両が保有する画像データ等を記録するため、前方車両の異常な挙動をより正確に解析することができる。
【0030】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第2の実施例では、前方車両からの画像データの受信例を示したが、第3の実施例では、図4(a)に示すように、自車100の前方車両Aが異常な挙動を示したとき、その前方車両Bの後方視界W1を撮像した画像データを取得するものである。この場合、前方車両Bは、車車間通信機能を備えるとともに、後方を撮像する撮像カメラを備えている。
【0031】
MPU16は、車車間通信部30を介して前方車両Bに対して、後方を撮像した画像データと前方車両Bの位置情報の送信を要求し、受信した画像データおよび位置情報を記録装置14に記録する。位置情報は、前方車両Bがどの位置から前方車両Aを撮像したかを特定するものである。これにより、前方車両Aの異常な挙動の解析をより正確に行うことができる。
【0032】
一方、前方車両Aまたは前方車両Bから自車に対して、画像データ、位置情報、自車の走行状態を示すセンサ結果について送信要求があったときは、自車は、車車間通信部30を介してそれらのデータを前方車両AまたはBに送信することができる。
【0033】
さらに、MPU16は、図4(b)に示すように、車車間通信可能な範囲に、対向車Cが存在するとき、対向車に対して画像データおよび位置情報の送信を要求し、これを記録装置15に記録するようにしてもよい。対向車Cは、前方車両Aを異なる視界W2から撮像するため、前方車両Aの異常な挙動の解析をより正確に行うことができる。さらにMPU16は、前方車両Aの挙動に異常があると判定したとき、自車から車車間通信可能な範囲にある車両が保有する画像データ、位置情報、センサ出力等の取得可能なデータを取得するようにしてもよい。これらのデータは、事故等の発生の原因を解析するときに役に立つ可能性がある。
【0034】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。例えば図5に示すように、交差点に侵入する自車100の前方を車両A、車両Bが走行し、対向車Cが同じく交差点に侵入し、車両D1、D2が信号待ちをしている場合に、自車100が車両D1、D2と車車間通信しているとする。自車100が車両D1、車両D2と車車間通信をしている最中に、自車100が急激に加速度を変化させた場合、MPU16は、車車間通信部30を介して車両D1、D2から画像データ、他車位置情報、加速度センサやジャイロセンサ等の情報の送信をリクエストする。そして、取得されたデータを記録する。車車間通信を行っている車両D1、D2が、原因解析に結びつくデータを保持している可能性があるためである。勿論、自車100が、車両A、B、Cと車車間通信を行っていれば、それらの車両に対してもデータの送信をリクエストする。
【0035】
次に、本発明の第5の実施例について図6の動作フローを参照して説明する。自車が走行を開始し(ステップS301)、撮像カメラ10による画像データとレーダー測位部32による測位結果から、MPU16は、自車の前方に車両があることを認識する(ステップS302)。例えば、自車から一定の距離内に物体が存在すること、物体が車両であることの条件を満足してとき、MPU16は、前方車両を認識したと判定する。これらの判定条件は、予め設定することができる。
【0036】
次に、MPU16は、前方車両を認識している状態から、自車の走行状態の挙動に異常があるか否かを判定する(ステップS303)。MPU16は、ジャイロセンサ18および加速度センサ20の出力から、自車の加速度および/または振動が急に変化したとき、自車の挙動に異常があると判定することができる。異常があるか否かの判定基準は、自車が前方車両に衝突をするときよりも緩く、言い換えれば、前方車両の挙動の異常を判定する基準に等しいものである。MPU16は、自車の挙動に大きな変化または異常が生じたと判定すると、画像データおよびセンサ出力を記録装置14に記録する(ステップS304)。以後の処理は、第1の実施例のときの図2に示す動作フローと同様である。
【0037】
本実施例では、前方車両を認識している状態で、自車の走行状態の挙動に大きな変化が生じたことをトリガにして画像データを記録しているが、これは、実質的に、前方車両の挙動に異常が生じたことに等しい。本実施例の場合にも、上記した各実施例のときと同様に、車車間通信が可能である、前方車両や他の車両から画像データ等を受信し、これらを記録装置15に記録するようにしてもよい。
【0038】
次に本発明の第6の実施例について説明する。上記実施例では、前方車両の挙動の異常をトリガにして画像データ等を記録装置15に記録する例を示したが、事故が発生したとき記録装置15が破損することがある。このため、第6の実施例では、記録と同時に画像データ等を他のデータ記録センター等へ送信する。
【0039】
ドライブレコーダー1は、図7に示すように、車外のネットワークと通信を行うためのデータ通信部40を有する。MPU16は、撮像カメラ10による画像データを記録すると同時に、その画像データをデータ通信部40を介して送信する。送信先は、ネットワークに接続されたデータ記録センターであってもよいし、車両や家庭のデータ通信機能を備えたコンピュータなどであってもよい。これにより、少なくとも事故等の衝撃が発生し、記録装置が破損する直前までに蓄積された画像データ等を確実に保存することができる。
【0040】
次に本発明の第7の実施例について図8を参照して説明する。第7の実施例に係るドライブレコーダー1は、運転者に警報を与える警報出力部50を備えている。MPU16は、前方車両の挙動に異常があると判定したとき、画像データの記録を開始するとともに、警報を与える。警報は、音声出力したり、ディスプレイに表示することが可能である。ドライバーは、この警報により注意を喚起されることになる。
【0041】
警報を与えるタイミングは、運転者の反応のバラツキに対応して行うことが可能である。例えば、前方車両との車間距離が10メートルのときに警報を出力するように設定してもよいし、7メートルのときに警報を出力するように設定してもよい。さらに、運転者が前方車両とどのくらいの車間距離でブレーキを操作するのかといった操作履歴情報を蓄積することで、学習効果を持たせることが可能である。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る走行状態記録装置は、自動車等の車両に搭載されるドライブレコーダーとして利用されるほか、ナビゲーション装置や他のコンピュータ等の電子装置と併せて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例に係るドライブレコーダーの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例のドライブレコーダーの動作フローを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例のドライブレコーダーの動作フローを示す図である。
【図4】第3の実施例における車車間通信により他車から画像データを受信し記録する例を説明する図である。
【図5】第4の実施例における車車間通信により他車から画像データを受信し記録する例を説明する図である。
【図6】第5の実施例のドライブレコーダーの動作フローを示す図である。
【図7】本発明の第6の実施例に係るドライブレコーダーの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明第7の実施例に係るドライブレコーダーの構成を示すブロック図である。
【図9】従来のドライブレコーダーの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1:ドライブレコーダー 10:撮像カメラ
12:画像圧縮部 14、15:記録装置
16:MPU 18:ジャイロセンサ
20:加速度センサ 30:車車間通信部
32:レーダー測位部 40:データ通信部
50:警報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録装置であって、
データを記録する記録手段と、
自車の少なくとも前方を撮像し、画像データを生成する撮像手段と、
自車の前方車両との車間距離を算出する車間距離算出手段と、
前方車両との車間距離に基づき前方車両の挙動に異常があるか否かを判定する判定手段と、
異常があると判定されたとき、画像データを記録手段に記録する記録制御手段と、
を有する走行状態記録装置。
【請求項2】
走行状態記録装置はさらに、自車の走行状態の挙動を検知する検知手段を含み、記録制御手段は、画像データとともに検知手段から得られた検知結果を記録する、請求項1に記載の走行状態記録装置。
【請求項3】
判定手段は、車間距離の変化率が一定値を越えたとき、前方車両の挙動に異常があると判定する、請求項1または2に記載の走行状態記録装置。
【請求項4】
判定手段は、車間距離が一定値よりも小さくなったとき、前方車両の挙動に異常があると判定する、請求項1または2に記載の走行状態記録装置。
【請求項5】
車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録装置であって、
データを記録する記録手段と、
自車の少なくとも前方を撮像し、画像データを生成する撮像手段と、
自車の前方車両を認識する車両認識手段と、
自車の走行状態の挙動を検知する検知手段と、
前方車両が認識されている最中に、検知手段からの検知結果に基づき自車の走行状態の挙動に異常があるか否かを判定する判定手段と、
異常があると判定されたとき、画像データを記録手段に記録する記録制御手段と、
を有する走行状態記録装置。
【請求項6】
検知手段は、自車の速度、加速度、振動の少なくとも1つを検知するセンサを含む、請求項5に記載の走行状態記録装置。
【請求項7】
走行状態記録装置はさらに、他車とデータ通信を行うデータ通信手段を含み、記録制御手段は、自車が保有する画像データを記録するとき、データ通信手段を介して受信された他車が保有する画像データを併せて記録装置に記録する、請求項1ないし6いずれか1つに記載の走行状態記録装置。
【請求項8】
記録制御手段はさらに、他車の位置情報を記録装置に記録する、請求項1ないし6いずれか1つに記載の走行状態記録装置。
【請求項9】
前記他車は、自車から車車間通信が可能な車両である、請求項7または8に記載の走行状態記録装置。
【請求項10】
走行状態記録装置はさらに、記録装置に記録された画像データを含むデータを通信手段を介して車外に送信する送信手段を有する、請求項1ないし9いずれか1つに記載の走行状態記録装置。
【請求項11】
車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録方法であって、
撮像カメラにより自車の少なくとも前方を撮像し、画像データを生成するステップと、
自車の前方車両との車間距離を算出するステップと、
車間距離の変化率が一定値を越えるとき、または車間距離が一定値よりも小さくなったとき、前方車両の挙動に異常があると判定するステップと、
異常があると判定されたとき、画像データの記録を開始するステップと、
を有する走行状態記録方法。
【請求項12】
車両の走行状態に関するデータを記録する走行状態記録方法であって、
撮像カメラにより自車の少なくとも前方を撮像し、画像データを生成するステップと、
自車の前方車両を認識するステップと、
前方車両が認識されている最中に、自車の走行状態の挙動に異常があるか否かを判定するステップと、
異常があると判定されたとき、画像データの記録を開始するステップと、
を有する走行状態記録方法。
【請求項13】
走行状態記録方法はさらに、自車とデータ通信可能な他車があるとき、自車が保有する画像データの記録の開始とともに他車が保有する画像データを受信するステップと、受信した画像データを記録するステップとを有する、請求項11または12に記載の走行状態記録方法。
【請求項14】
走行状態記録方法はさらに、記録した画像データを通信手段を介して車外へ送信するステップを含む、請求項11ないし13いずれか1つに記載の走行状態記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−347493(P2006−347493A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179391(P2005−179391)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】