説明

ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤、並びにこれらに用いるコクリロ抽出物

【課題】ドーパオキシダーゼ活性を効果的に抑制し、かつ、アルカロイド成分の含有量の低いドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】アルカロイド成分の含有量がオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下であるコクリロ(Veratrum nigrum L.)抽出物を有効成分として含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤、並びにこれらに用いるコクリロ抽出物に関する。
【背景技術】
【0002】
日焼け後の色素沈着やシミ・ソバカスは、一般に皮膚の紫外線暴露による刺激やホルモンの異常又は遺伝的要素等によって皮膚内に存在する色素細胞(メラノサイト)が活性化されメラニン産生が亢進した結果生じるものと考えられている。生体内において、色素メラニンは色素細胞(メラノサイト)内のメラノソームにおいて、前駆体であるチロシンから生合成される。このメラニン生合成に関わる酵素であるチロシナーゼに変異が生じると、皮膚、毛髪のメラニン色素の形成が異常となることが報告されている(非特許文献1参照)。
メラニン生合成におけるチロシナーゼの重要度の高さから、チロシナーゼは美白素材のターゲットとしても古くから注目されてきた。チロシナーゼはチロシンヒドロキシラーゼ活性、ドーパオキシダーゼ活性及びDHI活性を有し、チロシンを前駆体としたメラニン合成反応を触媒する。チロシナーゼ酵素活性はドーパオキシダーゼ活性を指標として評価することができ、メラニン産生抑制素材のドーパオキシダーゼ活性阻害作用を評価することで、そのチロシナーゼ酵素活性阻害作用を評価することができる(非特許文献2参照)。メラノサイト内ドーパオキシダーゼ活性を抑制することができれば、最終的な生合成産物であるメラニンの産生を抑制することができる。
従来から、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン産生を抑制する物質や、産生したメラニンを減少させる物質の使用が検討され、アスコルビン酸、アルブチン、コウジ酸、グルタチオン等に当該作用があることが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。また、ある種の植物抽出物がチロシナーゼ阻害作用を有することも知られている。
【0003】
一般に植物はアルカロイドと呼ばれる含窒素塩基性成分を含有する。アルカロイドは、顕著で特有の生物活性を示すことが多く、植物分類から見て、ある植物の特徴的な成分であることが多い。マオウ科植物に含まれるエフェドリン、ヒガンバナ科植物に含まれるリコリン、ユリ科植物に含まれるネオゲルミジンなどがその例である。アルカロイドには人体に対して毒性を示すものが多いため、アルカロイド成分の含有量が高い植物抽出物を化粧料や薬剤等の成分として使用する際には、アルカロイド成分の含量を低減させる必要がある。しかしながら、植物抽出物の活性成分はアルカロイドそのものであることが多く、この場合にはアルカロイド成分の除去工程で植物抽出物の活性が失われてしまう。また、活性成分がアルカロイドではない場合であっても、アルカロイド成分の除去工程でアルカロイドと共に活性成分も同時に除去されてしまうことも多い。
目的とする生理活性を有するアルカロイド高含有植物由来の抽出物を化粧料等の有効成分として実用化するために、目的の活性成分を保持したままアルカロイド成分を除去した抽出物の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】King RA.Oetting WS.Hearing VJ.In Metabolic bases of inherited disease(Scriver CR.Beaudet AL.Sly WS.Valle D.,eds.),McGraw−Hill,New York,4353−4392,1995
【非特許文献2】Wrathall JR.et al.,JCB 1973 57:406−423
【非特許文献3】美白戦略(南江堂)IV.,美白剤の薬理と臨床,p95−115
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、アルカロイド成分の含有量が非常に高い、ユリ科植物のコクリロ(Veratrum nigrum L.)の抽出物が優れたドーパオキシダーゼ活性抑制作用(ドーパオキダーゼ阻害作用)を有することを見出した。
本発明は、ドーパオキシダーゼ活性を効果的に抑制し、かつ、アルカロイド成分の含有量の低いドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤を提供することを課題とする。また、本発明は、前記のドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤に好適に用いることができる植物抽出物及びその製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、特定の処理を施してアルカロイド成分を除去したコクリロ抽出物が、ドーパオキシダーゼ活性を効果的に抑制することを見出した。本発明はこの知見に基づき完成するに至ったものである。
【0007】
本発明は、アルカロイド成分の含有量がオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下であるコクリロ(Veratrum nigrum L.)抽出物を有効成分として含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤に関する。
また、本発明は、アルカロイド成分の含有量がオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下であるコクリロ(Veratrum nigrum L.)抽出物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドーパオキシダーゼ活性を効果的に抑制し、アルカロイド成分の含有量が低減されたドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤が提供される。また、本発明によれば、上記のドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤に用いられるコクリロ抽出物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるコクリロ抽出物は、コクリロ粗抽出物を原料して、これに所定の処理を施して、該コクリロ粗抽出物のアルカロイド成分の含有量を低減することで得られる抽出物であり、ドーパオキシダーゼ阻害作用を有する抽出物である。
【0010】
本発明におけるコクリロは、ユリ科(Liliaceae)のシュロソウ属(Veratrum属)に属する植物である。
【0011】
本発明におけるコクリロ粗抽出物は、コクリロの全ての任意の部位から抽出することができる。コクリロ粗抽出物が抽出される部位として、例えば、植物体全体又は根、根茎、茎、葉、花、果実、種子等もしくはこれらの組み合わせが挙げられるが、根茎から抽出することが好ましく、コクリロを基原植物として得られた生薬(黒藜蘆(コクリロ)や藜蘆(リロ、レイロ))から抽出することもできる。
【0012】
本発明におけるコクリロ粗抽出物は、適当な溶媒を用いた常法の抽出方法によって調製することができる。当該粗抽出物の調製には、上記植物部位をそのまま、又は乾燥粉砕して用いることもできるが、その水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いることもでき、これらは精油等、より精製したものを用いることもでき、また市販品を利用することもできる。上記植物又はその水蒸気蒸留物若しくは圧搾物は、いずれかを単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0013】
抽出に用いる溶媒としては、植物成分の抽出に通常用いられるもの、例えば水、石油エーテル、n−ヘキサン、トルエン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル、アセトン、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等、又はこれらの組み合わせが挙げられ、水、アルコール、プロピレングリコールもしくはブチレングリコール又はこれらの組み合わせが好ましく、水もしくはエタノール又はこれらの組合わせがより好ましい。
抽出条件も通常の条件を適用でき、例えば上記植物を5〜80℃で2時間〜60日間浸漬又は加熱還流すればよい。
【0014】
本発明においてコクリロ粗抽出物は、溶液状態であっても、溶媒を留去した濃縮状態、半固形状態又は乾燥状態であってもよい。
【0015】
本発明におけるコクリロ抽出物は、上記コクリロ粗抽出物をそのままの状態で、あるいは適当な溶媒や添加剤を添加した後に、以下で説明するアルカロイド成分含量を低減させる処理に付することで得ることができる。また、上記コクリロ粗抽出物をさらに適当な分離手段、例えばゲル濾過、クロマトグラフィー、精密蒸留、活性炭処理等に付して、ドーパオキシダーゼ阻害活性の比活性を高めた分画を以下で説明するアルカロイド成分含量を低減させる処理に付すことで得ることもできる。
上記コクリロ粗抽出物を以下に説明するアルカロイド成分含量を低減させる処理に付することによって、本発明に用いるコクリロ抽出物を得ることができる。また、上記処理を施すことにより、コクリロ粗抽出物の色調や匂いを改善することができる。本発明において「アルカロイド成分」とは、植物中に存在するアルカリ性を呈する窒素含有化合物で生理活性を示す成分を意味する。本発明における「アルカロイド成分」としては、ユリ科のシュロソウ属(Veratrum)由来のジェルベルトラム(jerveratrum)型アルカロイドが挙げられ、当該ジェルベルトラム型アルカロイドの具体例としては、下記式(1)〜(7)で表される化合物が挙げられる。
【0016】
【化1】

【0017】
【化2】

【0018】
【化3】

【0019】
【化4】

【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
【化7】

【0023】
アルカロイド成分含量を低減させる処理として、以下に2つの態様を例示して説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
第1の態様は、コクリロ粗抽出物と陽イオン交換樹脂とを接触させて該陽イオン交換樹脂にアルカロイド成分を吸着(結合)させる工程と、該陽イオン交換樹脂に吸着しない非吸着成分を回収する工程とを含む態様である。
コクリロ粗抽出物は、溶媒に溶解している状態(溶液の状態)で陽イオン交換樹脂に接触させる。当該溶媒に特に制限はなく、使用する陽イオン交換樹脂の性質とコクリロ粗抽出物の溶解性を考慮して適宜決定することができるが、水もしくはアルコール又はこれらの組み合わせであることが好ましく、水とエタノールの組み合わせであることがより好ましい。また、溶媒は通常の方法により所望のpHに調整したものを用いてもよい。
【0024】
本発明における陽イオン交換樹脂に特に制限はなく、強酸性陽イオン交換樹脂であっても、弱酸性陽イオン交換樹脂であってもよいが、強酸性陽イオン交換樹脂であることが好ましい。強酸性陽イオン交換樹脂は交換基としてスルホン酸基を有することが好ましい。強酸性陽イオン交換樹脂の具体例として、ダイヤイオン(登録商標)SKシリーズ、UBシリーズ、PKシリーズ、HPK25・RCPシリーズ、クロマト分離用UBK500シリーズ(三菱化学株式会社製)、イオン交換樹脂アンバーライト等が挙げられる。
【0025】
コクリロ粗抽出物と陽イオン交換樹脂とを接触させる方法に特に制限はなく、例えば、コクリロ粗抽出液に陽イオン交換樹脂を分散させる方法や、陽イオン交換樹脂をカラムに充填し、このカラムにコクリロ粗抽出液を通過させる方法等が挙げられる。前記陽イオン交換樹脂としては、通常には所定の溶液で膨潤させ、洗浄したものが用いられる。陽イオン交換樹脂は、コクリロ粗抽出液と同じ組成の溶媒で平衡化しておくことが好ましい。
【0026】
コクリロ粗抽出物を陽イオン交換樹脂に接触させた後に、陽イオン交換樹脂への非吸着成分を含む溶液を回収することで、ドーパオキシダーゼ阻害成分を含有し、かつアルカロイド含量が低減されたコクリロ抽出物を得ることができる。コクリロ粗抽出液に陽イオン交換樹脂を分散させることでコクリロ粗抽出物と陽イオン交換樹脂とを接触させた場合には、遠心操作や自然沈降により陽イオン交換樹脂を沈殿させたり、分散液をろ過したりすることで、陽イオン交換樹脂を溶液から分離し、陽イオン交換樹脂への非吸着成分を回収することができる。また、陽イオン交換樹脂をカラムに充填し、このカラムにコクリロ粗抽出液を通過させることでコクリロ粗抽出物と陽イオン交換樹脂とを接触させた場合には、カラムを通過してくる画分を回収することで陽イオン交換樹脂への非吸着成分を回収することができる。
【0027】
上記第1の態様で説明した処理により、コクリロ粗抽出液に含まれるアルカロイドを除去することができ、しかも、ドーパオキダーゼ阻害成分は、主に陽イオン交換樹脂への非吸着成分として回収することができる。陽イオン交換樹脂に吸着するアルカロイド成分の量は、上記粗抽出物の濃度や体積、陽イオン交換樹脂の体積、溶媒組成等を適宜調整することで調節することができる。上記第1の態様による処理により調製したコクリロ抽出物において、アルカロイド成分の含有量はオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下である。
【0028】
本発明におけるアルカロイド成分含量を低減させる処理の第2の態様は、コクリロ粗抽出物と、水と有機溶媒とを含む混合溶媒とを混合し、液液分配により水層にアルカロイド成分を分配する工程と、ドーパオキシダーゼ阻害成分を含む有機溶媒を回収する工程とを含む態様である。有機溶媒としては、水と混和しない疎水性有機溶媒が好ましく、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、ブタノールが好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
【0029】
水と有機溶媒とを含む混合溶媒は酸性側に調整することがこのましい。したがって、当該混合溶媒は、酢酸や塩酸等の酸性成分を添加することでpH1〜4に調節されることが好ましい。水と有機溶媒との混合比率に特に制限はなく、粗抽出物の濃度や量に合わせて適宜調節することができるが、有機溶媒として酢酸エチルを用いる場合には、体積比で水1に対して酢酸エチル0.1〜10であることが好ましく、水1に対して酢酸エチル0.5〜2であることがより好ましい。
【0030】
コクリロ粗抽出物は、溶液の状態で上記混合溶媒と混合してもよいし、溶媒を留去してから上記混合溶媒と混合してもよい。コクリロ粗抽出物を溶液の状態で上記混合溶媒に混合する場合において、コクリロ粗抽出物を溶解する溶媒に特に制限はないが、水もしくはアルコール又はこれらの組み合わせであることが好ましく、水とエタノールの組み合わせであることがより好ましい。コクリロ粗抽出物と、水と有機溶媒とを含む混合溶媒との混合比率についても特に制限はなく適宜調節することができる。
水と有機溶媒とを含む混合溶媒と、コクリロ粗抽出物との混合液を攪拌することでアルカロイド成分を水中に分配することができる。攪拌後の混合液を静置あるいは遠心することで、有機溶媒層と水層とを分離することができ、この有機溶媒層を回収することでアルカロイド成分の含量が低減されたコクリロ抽出物を得ることができる。また、回収した有機溶媒層に水を加えて攪拌し、液液分配をさらに行うことで、有機溶媒層に含まれる余分な成分を洗浄除去してもよい。
【0031】
上記第2の態様で説明した処理により、コクリロ粗抽出液に含まれるアルカロイド成分が除去された、ドーパオキダーゼ阻害成分を含む抽出物を得ることができる。上記第2の態様による処理により調製したコクリロ抽出物において、アルカロイド成分の含有量はオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下である。
【0032】
上記で説明したアルカロイド含量を除去するための処理は、通常には10〜60℃で行われる。
【0033】
コクリロ抽出物中のアルカロイド成分の含有量の確認は、種々のクロマトグラフィー法により実施することができる。例えば、クロロホルム・メタノール・水溶媒系を用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った後、ドラーゲンドルフ試薬によりアルカロイド成分を定量することができる。
【0034】
オキシレスベラトロールは、下記式(8)で表される化合物である。
【0035】
【化8】

【0036】
コクリロ抽出物中のオキシレスベラトロールの含有量の確認は、種々のクロマトグラフィー法により実施することができる。例えば、コクリロ粗抽出物を水と酢酸エチルとの混合溶媒により液液分配し、この酢酸エチル層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、ODSカラムクロマトグラフィー等に順次付することでオキシレスベラトロールを精製し、この精製オキシレスベラトロールを標準品として、ODSカラムを用いた液体クロマトグラフィーによりコクリロ抽出物中のオキシレスベラトロールの含有量を定量することができる。
【0037】
本発明のコクリロ抽出物の形態について特に制限はなく、上記のように調製した抽出物そのものであってもよいし、これを希釈、濃縮又は乾燥した後、粉末又はペースト状にしたものであってもよい。
【0038】
本発明のコクリロ抽出物は、原料であるコクリロ粗抽出物に比べてアルカロイド成分の含有量が大幅に低減されているので、人体に与える毒性の懸念が少なく、化粧料や薬剤等の有効成分として安全に使用することができる。
【0039】
本発明のコクリロ抽出物は、コクリロ粗抽出物よりもアルカロイド含量が低減された抽出物であり、ドーパオキシダーゼ阻害作用を有する。本発明のコクリロ抽出物植物の抽出物を有効成分として含有させることで、本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤が得られる。ここで、「美白(作用)」とは、メラニン色素の生成を抑え、余分なメラニンのない本来の透明な肌色に戻すこと、又は皮膚の黒化若しくはシミ・ソバカス等の色素沈着を防止もしくは抑制することを意味する。
本発明において、前記コクリロ抽出物はそのままドーパオキシダーゼ活性抑制剤、美白剤及び皮膚外用剤として用いてもよい。又は、上記抽出物に、例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、蒸留水、乳糖、デンプン等の適当な液体又は固体の賦形剤又は増量剤を加えて用いてもよい。この場合、コクリロ抽出物の量は特に制限されないが、前記抽出物が固形分換算で0.00001〜0.1重量%含まれるのが好ましく、0.0001〜0.01重量%含まれるのが特に好ましい。
【0040】
本発明において、「皮膚外用剤」とは、皮膚化粧料、外用医薬品、外用医薬部外品、等として皮膚に適用されるものを意味する。従って、その剤型も水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、ゲル系、軟膏系、クリーム、水−油2層系、水−油−粉末3層系など、幅広い形態をとり得る。例えば、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック、マスク、ファンデーション、軟膏、シート状製品等の形態が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤には、前記抽出物の他、通常の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば界面活性剤、油性物質、保湿剤、皮膚老化防止剤、前記以外の美白剤、高分子化合物、防腐剤、薬効成分、紛体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤等を適宜配合できる。
【0041】
本発明の皮膚外用剤の使用量は、有効成分の含有量により異なるが、例えばクリーム状、軟膏状の場合、皮膚面1cm当たり0.1μg〜5μg、液状製剤の場合、同じく0.1μg〜10μg使用するのが好ましい。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
(製造例1) 陽イオン交換樹脂を用いたコクリロ抽出物の調製
コクリロを基原植物とする生薬レイロ(藜蘆)(新和物産社製)143.5gを細切し、50%エタノール1435mLを加え、室温で6日間抽出後、濾過して粗抽出物Aを得た(収量1250mL、蒸発残分2.22w/v%)。
この粗抽出物Aをダイヤイオン(登録商標)SK1B(三菱化学製)200mLに通液し、さらに50%エタノール(v/v)1000mLで洗浄した。通過液及び洗浄液を混合した後、濃縮し、エタノール625mL、及び水625mLを加えて、コクリロ抽出物Aを得た(蒸発残分1.71w/w%)。
【0044】
(製造例2) 液液分配によるコクリロ抽出物の調製
コクリロを基原植物とする生薬レイロ(藜蘆)(新和物産社製)100gを細切し、50%エタノール1000mLを加え、室温で6日間抽出後、濾過して粗抽出物Bを得た(収量870mL、蒸発残分2.22w/v%)。
この粗抽出物Bの溶媒を留去し、水435mL、酢酸エチル435mL、酢酸8mLを加え、液液分配を行った。得られた酢酸エチル層に水300mLを加え、洗浄、分液した(同様の操作を2回繰り返した)。得られた酢酸エチル溶液を濃縮し、酢酸エチルを除き、エタノール435mL及び水435mLを加え、コクリロ抽出物Bを得た(蒸発残分0.10w/v%)。
【0045】
(試験例1) ドーパオキシダーゼ活性の測定
96穴プレートにヒト新生児包皮由来のメラノサイト100μLを1×10cell/wellの細胞密度となるように各穴に播種した。培地はMedium254にPMAを除くHMGS(Human Melanocyte Growth Supplement)(いずれもCascade Biologics社製)を添加したものを用いた。
24時間の培養後、メラノサイト活性化因子エンドセリン−1(ET−1)、幹細胞増殖因子(SCF)、αメラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、ヒスタミン及びプロスタグランジンE(PGE)を、それぞれ培地中終濃度で10×10−7mol/mになるように添加した。
【0046】
続いて、コクリロ抽出物A又はコクリロ抽出物Bを0.20体積%となるように添加した。最終的に培地量は200μL/wellで、37℃、5%COの条件下で3日間培養を行った。
【0047】
なお、培地には、以下の添加物も添加されている。
bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子) 3ng/mL
BPE(ウシ脳下垂体抽出液) 0.2体積%
FBS(ウシ胎児血清) 0.5体積%
ハイドロコーチゾン 5×10−4mol/m
インスリン 5μg/mL
トランスフェリン 5μg/mL
ヘパリン 5μg/mL
【0048】
培養終了後、各ウェルにアラマーブルー(Alamar Blue、商品名、インビトロジェン社製)試薬20μlを添加し、2〜3時間培養後、培地の蛍光強度(励起波長;544nm、蛍光波長;590nm)を測定して細胞増殖活性を測定した。その結果を表1に示す。
続いて、細胞増殖活性を測定したメラノサイトをCa2+及びMg2+を除去したPhosphate−buffered saline(PBS)で洗浄し、抽出バッファー(0.1M Tris−HCL(pH7.2)、1%Nonidet P−40、0.01%SDS、100μM PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオライド)、1μg/mlアプロチニン)を20μl/well、Assay buffer(4%ジメチルホルムアミドを含有する100mM Sodium phosphate−buffered(pH7.1))を20μL/well添加し、4℃、3時間で細胞を可溶化し、ドーパオキシターゼ活性の測定を行った。ドーパオキシターゼ活性測定は、MBTH法(例えば、Winder A.J.,Harris H.,Eur.J.Biochem.,198,317−326,1991参照)を参考に、以下のように行った。
【0049】
可溶化した細胞溶液の各wellに、Assay bufferを80μL/well、20.7mM MBTH(3−メチル−2−ベンゾチアゾリノン ヒドラゾン)溶液を60μL、基質として5mM L−ドーパ(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)溶液を40μl、それぞれ加え、37℃で30〜60分反応させた後、その呈色反応を490nmの吸光度で測定した。
その結果を表1に示す。なお、表1の細胞増殖活性の値は、コクリロ抽出物を添加しなかった場合の蛍光強度に対する相対値で示している。また、ドーパオキシダーゼ活性の値は、コクリロ抽出物を添加しなかった場合の吸光度に対する相対値で示している。
【0050】
【表1】

【0051】
表1に示したとおり、コクリロ抽出物A及びコクリロ抽出物Bは、共にドーパオキシダーゼ活性を抑制することが認められた。前述のように、ドーパオキシダーゼ活性はメラニン生合成にするチロシナーゼの酵素活性の指標として用いられている。したがって、表1の結果から、本発明の製造方法で製造したコクリロ抽出物は、ドーパオキシダーゼ活性を抑制することでメラニン産生を抑制し、その結果、美白作用を有することがわかる。
また、表1の結果から、前記製造例及び2のアルカロイド低減コクリロ抽出液は、細胞増殖活性を低下させる作用(すなわち、細胞増殖能を低下させる作用)を有しないことがわかった。したがって、製造例1のコクリロ抽出液及び製造例2のコクリロ抽出液は、共に細胞増殖活性を抑制することなく、ドーパオキシダーゼ活性を抑制できる性質を有するといえる。
【0052】
(試験例2) アルカロイドの定量
コクリロ抽出物A及びコクリロ抽出物Bのそれぞれ10mLを濃縮した後、メタノールで1mLに希釈し、最終的に10倍濃縮液とした。この希釈液2μLをTLC(シリカゲル60F254、メルク株式会社製)にスポットし、クロロホルム:メタノール:水=60:20:3(体積比)の混合液で展開した。その後ドラーゲンドルフ試薬を用いてアルカロイド成分の検出を行ったところ、コクリロ抽出物A及びコクリロ抽出物Bのいずれからもアルカロイド成分は検出されなかった。
【0053】
対照として、粗抽出物A及び粗抽出物Bについて、同様にアルカロイド成分の検出を行ったところ、粗抽出物A及び粗抽出物Bのいずれからもアルカロイド成分が検出された。
また、前記TLC分析によるアルカロイド成分の検出限界の指標として、コクリロから単離精製した前記例示化合物(1)(Neogermidine)のTLC分析を行った。その結果、検出限界は100ppmであった。
【0054】
したがって、上記の結果より、10倍に濃縮した本発明のコクリロ抽出物に含まれるアルカロイド成分の濃度は100ppm以下である。すなわち、本発明のコクリロ抽出物に含まれるアルカロイド成分濃度は共に10ppm以下であることがわかる。一方、コクリロの粗抽出物のアルカロイド成分の濃度は、共に100ppm以上である。上記の結果は、本発明の製造方法により、コクリロ粗抽出物のアルカロイド成分の少なくとも90質量%以上を簡便に除去できることを示す。
なお、上記ドラーゲンドルフ試薬は、Neogermidineだけでなく、コクリロに含まれるアルカロイド成分全般を広く検出できる試薬であるため、上記Neogermidineの検出結果に基づいてコクリロ抽出物のアルカロイド成分全般の含量を評価することができる。
【0055】
(試験例3) オキシレスベラトロールに対するアルカロイド成分の含量
後述する方法でコクリロから単離精製したオキシレスベラトロールを標準品として用い、下記条件の高速液体クロマトグラフィーによりピーク面積と濃度の関係を示す検量線を作成した。この検量線に基づきコクリロ抽出物に含まれるオキシレスベラトロールを定量することで、製造例1及び2で調製したコクリロ抽出物中のオキシレスベラトロールに対するアルカロイド成分の質量比を算出した。
【0056】
[高速液体クロマトグラフ条件]
カラム:GLサイエンス社 Inertsil ODS−3 5μm、3.0×150mm
検出(UV):310nm
流速:0.5mL/min
溶出条件:0.1%ギ酸水溶液(A液)とメタノール(B液)を用いて、0分(A液80%、B液20%)から30分(A液0%、B液100%)のリニアグラジェント
【0057】
[コクリロからのオキシレスベラトロール単離]
コクリロを基原植物とする生薬レイロ(藜蘆)(新和物産社製)160gを細切し、50%エタノール1600mLを加え、室温で6日間抽出後、濾過して粗抽出物を得た。この粗抽出液を濃縮し、水、酢酸エチルをそれぞれ1000mL加え、液液分配し、酢酸エチル層を濃縮し、酢酸エチル画分3.02gを得た。得られた酢酸エチル層をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム、山善株式会社製)を用いて分画し(溶出条件:100%ヘキサンから100%酢酸エチルへのリニアグラジェント)、さらに、オキシレスベラトロールを含む画分をODSカラム(Inertsil ODS−3、GLサイエンス社製)にかけてオキシレスベラトロールを精製し(溶出条件:0.1%ギ酸を含む10%アセトニトリル水溶液から100%アセトニトリルへのリニアグラジェント)、オキシレスベラトロール0.69gを得た。得られたオキシレスベラトロールをNMR解析した結果を表2に示す。
【0058】
【表2】

【0059】
表2の結果から、単離精製したオキシレスベラトロールの値は文献値(Chem.Pharm.Bull.33(3)1088−1096(1985))と一致することが確認できた。
【0060】
[オキシレスベラトロールに対するアルカロイド成分の含量]
コクリロ抽出物A及びBにおけるオキシレスベラトロールに対するアルカロイド成分の質量比を下記表3に示す。なお、粗抽出物A及びBにおけるオキシレスベラトロールに対するアルカロイド成分の質量比についても併せて表3に示す。
【0061】
【表3】

【0062】
表3に示すように、本発明のコクリロ抽出物に含まれるアルカロイド成分の含量は、オキシレスベラトロールの含量に対して、質量比(ppm/ppm)で0.05以下に減少していた。
【0063】
(試験例4) 色の評価
製造例1のコクリロ抽出物A、コクリロ抽出物B及び粗抽出物Aをそれぞれ水で10倍希釈し、450nmの吸光度を測定した。
結果を表4に示す。
【0064】
【表4】

【0065】
表4に示すように、本発明のコクリロ抽出物は、粗抽出物に比べて吸光度が低く、色調が改善されていることがわかった。
【0066】
(試験例5) 匂いの評価
製造例1のコクリロ抽出物A、製造例2のコクリロ抽出物B及び粗抽出物Aについて、その匂いの官能評価を行った。その結果、粗抽出物Aでは生薬に由来する匂いを強く感じたのに対し、本発明のコクリロ抽出物では、生薬に由来する匂いが大幅に低減されていた。
【0067】
(処方例)
前記製造例1及び2で得られた抽出物を有効成分として、下記に示す組成のローション、乳液、美容液、クリーム及びパックを常法により各々調製した。
【0068】
1.ローションの調製
(組成) (配合:質量%)
1,3−ブチレングリコール 8.0
グリセリン 5.0
エタノール 3.0
コクリロ抽出物A 3.0
カミツレエキス 3.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸二水素ナトリウム 0.1
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【0069】
2.ローションの調製
(組成) (配合:質量%)
1,3−ブチレングリコール 8.0
グリセリン 5.0
エタノール 3.0
コクリロ抽出物B 3.0
カミツレエキス 3.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸二水素ナトリウム 0.1
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【0070】
3.ローションの調製
(組成)
コクリロ抽出液物A 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 3.0
プロピレングリコール 3.0
エタノール 3.0
カミツレエキス 2.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸二水素ナトリウム 0.1
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【0071】
4.ローションの調製
(組成)
コクリロ抽出物B 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 3.0
プロピレングリコール 3.0
エタノール 3.0
カミツレエキス 2.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸二水素ナトリウム 0.1
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【0072】
5.乳液の調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物A 5.0
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
アルテアエキス 2.0
スクワラン 3.0
オリブ油 3.0
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:40) 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
キサンタンガム 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.02
精製水 残部
防腐剤 適量
【0073】
6.乳液の調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物B 5.0
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
アルテアエキス 2.0
スクワラン 3.0
オリブ油 3.0
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:40) 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
キサンタンガム 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.02
精製水 残部
防腐剤 適量
【0074】
7.美容液の調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物A 5.0
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
水酸化カリウム 0.2
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.15
クエン酸 0.03
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エデト酸二ナトリム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0075】
8.美容液の調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物B 5.0
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
水酸化カリウム 0.2
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.15
クエン酸 0.03
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エデト酸二ナトリム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0076】
9.美容液の調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物A 3.0
カミツレエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
キサンタンガム 0.2
カルボキシメチルセルロース 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.15
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール(分子量1500) 1.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0077】
10.美容液の調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物B 3.0
カミツレエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
キサンタンガム 0.2
カルボキシメチルセルロース 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.15
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール(分子量1500) 1.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0078】
11.クリームの調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物A 3.0
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 2.0
チョウジエキス 2.0
メチルポリシロキサン 3.0
スクワラン 2.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0
ステアリルアルコール 1.5
セタノール 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:60) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
水酸化カリウム 0.15
キサンタンガム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0079】
12.クリームの調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物B 3.0
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 2.0
チョウジエキス 2.0
メチルポリシロキサン 3.0
スクワラン 2.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0
ステアリルアルコール 1.5
セタノール 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:60) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
水酸化カリウム 0.15
キサンタンガム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0080】
13.クリームの調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出液A 2.0
カミツレエキス 3.0
キキョウエキス 3.0
ポリオキシエチレンアルキルエーテル変性シリコーン 3.0
メチルポリシロキサン 5.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 10
スクワラン 5.0
硫酸マグネシウム 0.5
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0081】
14.クリームの調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物B 2.0
カミツレエキス 3.0
キキョウエキス 3.0
ポリオキシエチレンアルキルエーテル変性シリコーン 3.0
メチルポリシロキサン 5.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 10
スクワラン 5.0
硫酸マグネシウム 0.5
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0082】
15.パックの調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物A 3.0
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 1.0
ジプロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール(平均分子量1500) 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 5.0
クエン酸ナトリウム 0.5
ポリビニルアルコール 10
乳酸 0.3
ポリオキシエチレンデシルテトレデシルエーテル 0.5
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【0083】
16.パックの調製
(組成) (配合:質量%)
コクリロ抽出物B 3.0
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 1.0
ジプロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール(平均分子量1500) 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 5.0
クエン酸ナトリウム 0.5
ポリビニルアルコール 10
乳酸 0.3
ポリオキシエチレンデシルテトレデシルエーテル 0.5
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカロイド成分の含有量がオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下であるコクリロ(Veratrum nigrum L.)抽出物を有効成分として含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤。
【請求項2】
アルカロイド成分の含有量がオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下であるコクリロ(Veratrum nigrum L.)抽出物を有効成分として含有する美白剤。
【請求項3】
アルカロイド成分の含有量がオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下であるコクリロ(Veratrum nigrum L.)抽出物を有効成分として含有する皮膚外用剤。
【請求項4】
前記アルカロイド成分がジェルベルトラム型アルカロイドである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項5】
アルカロイド成分の含有量がオキシレスベラトロールに対して質量比で0.05以下であるコクリロ(Veratrum nigrum L.)抽出物。
【請求項6】
コクリロ(Veratrum nigrum L.)粗抽出物と陽イオン交換樹脂とを接触させて、該粗抽出物のアルカロイド成分を該陽イオン交換樹脂に吸着させる工程、及び
該陽イオン交換樹脂への非吸着成分を回収する工程
を含む方法により製造されうる、請求項5に記載のコクリロ抽出物。
【請求項7】
コクリロ(Veratrum nigrum L.)粗抽出物と、水と有機溶媒とを含む混合溶媒とを混合し、該粗抽出物のアルカロイド成分を水層に分配する工程、及び
有機溶媒を回収する工程
を含む方法により製造されうる、請求項5に記載のコクリロ抽出物。
【請求項8】
前記アルカロイド成分がジェルベルトラム型アルカロイドである、請求項5〜7のいずれか1項に記載のコクリロ抽出物。

【公開番号】特開2011−256135(P2011−256135A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132074(P2010−132074)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】