説明

ナビゲーションシステムおよびナビゲーション方法

【課題】目的地に到着するための経路を、適切にユーザに提示可能なナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】道路上で生じた交通阻害要因による交通阻害時間に関する情報を、交通阻害情報として記憶する記憶手段130と、ユーザの現在位置から目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段と、道路上で現在生じている交通阻害要因を検出する検出手段と、推奨経路上で交通阻害要因が検出された場合に、推奨経路以外の迂回経路を探索する迂回経路探索手段と、記憶手段130により記憶された交通阻害情報に基づいて、推奨経路および迂回経路のうちユーザが目的地に早く到着する経路を判断する判断手段と、判断手段によりユーザが目的地に早く到着すると判断された経路を、ユーザを誘導するための誘導経路として設定する設定手段と、を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムおよびナビゲーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
推奨経路上に交通規制あるいは渋滞などの交通障害が生じた場合に、迂回経路をユーザに提示する技術が知られている。このような技術において、ユーザに迂回経路を提示している場合において、推奨経路上の交通障害が解消された際には、ユーザを誘導するための誘導経路を迂回経路から推奨経路に戻す場合と、誘導経路を迂回経路のままとする場合とを比較し、誘導経路を迂回経路から推奨経路に戻し、推奨経路を通ったほうが、ユーザが目的地に早く到着できると判断する場合は、誘導経路を迂回経路から推奨経路に戻す技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−119055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、推奨経路上の交通障害が解消する時間によっては、推奨経路を通っても、交通障害による影響を受けない場合がある。これに対して、従来技術では、推奨経路上の交通障害が解消して初めて、誘導経路を迂回経路から推奨経路に戻す場合と、誘導経路を迂回経路のままとする場合とを比較するため、推奨経路上の交通障害が解消する前に、ユーザが既に迂回経路を通っている場合には、迂回経路を通った分だけ、目的地に到着するまでの所要時間が増大する可能性があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、目的地に到着するための経路を、適切にユーザに提示可能なナビゲーションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、推奨経路上に交通阻害要因がある場合に、推奨経路以外の迂回経路を探索し、道路上で生じた交通阻害要因による交通阻害時間に関する情報に基づいて、推奨経路および迂回経路のうちいずれが目的地により早く到着できる経路かを判断し、目的地により早く到着できると判断された経路を、ユーザを誘導するための誘導経路として設定することで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目的地に到着するための経路を、適切にユーザに提示することができ、ユーザが目的地に到着するまでの所要時間の増大を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】情報センタに蓄積される交通規制情報の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る制御部の構成図である。
【図4】推奨経路上の交通規制に対応する対応規制情報の解除時間および渋滞解消情報に基づいて、誘導経路を設定する手法例を説明するための図である。
【図5】第1実施形態に係るナビゲーション処理のフローチャートである。
【図6】第2実施形態に係るナビゲーション処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
≪第1実施形態≫
図1は、本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るナビゲーションシステムは、車両外部に設置され交通規制に関する情報を収集する情報センタ100と、この情報センタ100と情報の授受が可能な車両に搭載される車載装置200とから構成される。
【0011】
情報センタ100は、例えば、車両外部に設置されるサーバなどであり、図1に示すように、情報収集部110、記憶部120、データベース130、情報分析部140、および送受信部150を備える。
【0012】
情報収集部110は、道路上において現在行われている交通規制に関する情報を交通規制情報として収集し、収集した交通規制情報を記憶部120に送信する。記憶部120は、情報収集部110から送信される交通規制情報を、現在行われている交通規制の交通規制情報として記憶する。
【0013】
また、情報収集部110は、交通規制が現在行われている区間である交通規制区間を通過する複数の車両と通信し、交通規制区間を通過するために実際に必要とされた時間を通過所要時間として収集し、記憶部120に送信する。記憶部120は、情報収集部110から送信される通過所要時間について、交通規制ごとの通過所要時間の平均を求め、求めた通過所要時間を、後述する交通規制情報の時間情報として記憶する。
【0014】
さらに情報収集部110は、現在行われている交通規制について、交通規制が解除されたことを示す規制解除情報、および交通規制に起因する渋滞が解消されたことを示す渋滞解消情報を収集し、収集した規制解除情報および渋滞解消情報を記憶部120に送信する。なお、情報収集部110は、現在行われている交通規制、および交通規制による渋滞の情報を周期的に収集し、交通規制または渋滞の情報を収集できなくなった場合に、規制解除情報または渋滞解消情報を生成してもよい。
【0015】
記憶部120は、情報収集部110から交通規制の規制解除情報を取得した場合、交通規制の開始時刻から交通規制が解除された時刻までの時間を規制解除時間として記憶する。また、交通規制が解除された後も、解除された交通規制を起因とする渋滞が生じる場合がある。そこで、記憶部120は、情報収集部110から渋滞解消情報を取得した場合、交通規制が解除された時刻から、解除された交通規制による渋滞が解消された時刻までの時間を渋滞解消時間として記憶する。そして、記憶部120は、規制解除時間および渋滞解消時間を追加した交通規制の交通規制情報をデータベース130に格納する。それとともに、記憶部120は、規制解除時間および渋滞解消時間を記憶した交通規制の交通規制情報を、記憶部120から消去する。すなわち、記憶部120は、交通規制が解除され、かつ交通規制に起因する渋滞が解消された場合、対応する交通規制情報を、現在行われている交通規制に関する情報を記憶するための記憶部120から消去する一方、規制解除情報および渋滞解消情報とともに、過去に行われた交通規制の交通規制情報として、データベース130に格納する。
【0016】
ここで、図2は、データベース130に蓄積される交通規制情報の一例を示す図である。図2に示すように、交通規制情報には、交通規制が行われた場所、交通規制が行われた道路、交通規制が行われた時間、交通規制が行われた状況、および交通規制の解消緩和に関する各種情報が含まれる。また、これら交通規制情報に含まれる場所情報、道路情報、時間情報、状況情報、および解除緩和情報は、さらに複数の情報から構成される。
【0017】
例えば、交通規制が行われた場所を示す場所情報(本発明の「交通阻害要因が生じた場所に関する情報」に相当する)は、交通規制が行われた場所を特定するための道路リンク番号などから構成される。なお、図中においては、不特定の道路リンク番号を、例えば「×××」、「○○○」のように記号で表している。
【0018】
また、交通規制が行われた道路の属性を示す道路情報(本発明の「交通阻害要因が生じた道路に関する情報」に相当する)は、一般道路であるか高速道路であるかを示す道路種別、道路の片側車線数、路肩の有無、道路周辺の迂回路の有無などの情報から構成される。
【0019】
さらに、交通規制が行われた時間を示す時間情報(本発明の「交通阻害要因が生じた時間に関する情報」に相当する)は、交通規制が行われた時間帯、平日、土曜日、または日曜日などのように交通規制が行われた日を示す日種別、交通規制が行われた区間を通過するための通過所要時間などの情報から構成される。なお、通過所要時間は、上述したように、交通規制区間を実際に通過した複数の車両から、交通規制区間を通過するために必要とされた所要時間を取得し、取得した所要時間の平均を求めたて得た時間である。
【0020】
また、交通規制が行われた状況を示す状況情報(本発明の「交通阻害要因に起因する阻害態様に関する情報」に相当する)は、一車線閉鎖または車線幅減などの交通規制の内容を示す規制種類、交通事故または道路工事などの交通規制の原因を示す規制原因、および備考などの情報から構成される。
【0021】
さらに、交通規制の解消緩和情報(本発明の「交通阻害要因による交通阻害時間に関する情報」に相当)は、交通規制が開始されてから交通規制が解除されるまでに要した規制解除時間、交通規制が解除された後から交通規制により生じた渋滞が解消するまでに要した時間である渋滞解消時間などの情報から構成される。
【0022】
情報分析部140は、現在行われているそれぞれの交通規制について、これらの交通規制に一致する度合いの高い交通規制情報を対応規制情報としてデータベース130から抽出する。情報分析部140は、交通規制が現在行われている場所、道路、時間、および状況と、データベース130に格納されている交通規制情報の場所情報、道路情報、時間情報、および状況情報とをそれぞれ比較することで、現在行われている交通規制に一致する度合いの高い交通規制情報を対応規制情報としてデータベース130から抽出する。このように、現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を抽出することで、後述するように、交通規制情報と対応規制情報とを受信した車載装置200は、対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間を参照して、現在行われている交通規制が解除する時間、および現在行われている交通規制による渋滞が解消する時間を予測することができる。なお、一致の度合いを算出する際には、データベース130に格納されている交通規制情報の場所情報、道路情報、時間情報、および状況情報に適宜重み付けをすることが好適である。例えば、交通規制の規制解除時間および渋滞解消時間に大きく影響すると想定される規制種類については重く設定し、一方、交通規制の規制解除時間および渋滞解消時間にあまり影響しないと想定される状況情報の備考については軽く設定することで、現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を適切に抽出することができる。
【0023】
具体的には、情報分析部140は、例えば、現在行われている交通規制が「一車線閉鎖」である場合、図2に示すデータベース130に格納された交通規制情報のうち、同じ「一車線閉鎖」を規制種類とする交通規制データ1、交通規制データ3が、現在行われている交通規制と一致する度合いが高い交通規制情報であると判断し、一方、「道路閉鎖」を規制種類とする交通規制データ4は、現在行われている交通規制と一致する度合いの低い交通規制情報であると判断する。また、情報分析部140は、現在行われている交通規制が、さらに、高速道路で行われている場合には、道路種別が「高速道路」である交通規制データ1、交通規制データ4、および交通規制データnは、現在行われている交通規制と一致する度合いが高い交通規制情報であると判断し、一方、道路種別が「一般道路」である交通規制データ2および交通規制データ3は、現在行われている交通規制と一致する度合いの低い交通規制情報であると判断する。このように、交通規制情報の場所情報、道路情報、時間情報、および状況情報のそれぞれについて、現在行われている交通規制の場所、道路、時間、および状況と比較し、総合的に、現在行われている交通規制と一致する度合いの高い交通規制情報を対応規制情報としてデータベース130から抽出する。
【0024】
そして、情報分析部140は、現在行われている交通規制の交通規制情報と、交通規制情報に対応する対応規制情報を、送受信部150に送信する。送受信部150は、情報分析部140から送信される現在行われている交通規制の交通規制情報および現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を車載装置200に送信する。
【0025】
なお、情報センタ100は、現在行われている交通規制の交通規制情報の収集、交通規制が解除され、また交通規制による渋滞が解消された際の交通規制情報のデータベース化、現在行われている交通規制に対応する対応規制情報の抽出、および、車載装置200への交通規制情報の送信を所定の周期で行う。
【0026】
車載装置200は、例えば、車両に搭載され、ユーザの位置情報、ユーザの現在位置周辺の地図情報、または目的地までの誘導経路などの情報を、ユーザに提示するためのナビゲーション装置であり、図1に示すように、送受信部210、制御部220、記憶部230、GPS(Global Positioning System)240、操作部250、および提示部260を備える。
【0027】
送受信部210は、情報センタ100から、現在行われている交通規制の交通規制情報、および現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を周期的に受信する。また、送受信部210は、自車両が交通規制区間を通過した場合に、交通規制区間を通過するために要した時間を情報センタ100に送信する。
【0028】
記憶部230は、誘導経路探索および誘導経路案内に用いる地図データ、道路データ、地図上に表示させるアイコンデータなどの地図情報を含む各種情報を記憶する。記憶部230は、ナビゲーション処理に際して、地図情報を制御部220に送信する。
【0029】
GPS240は、図示しないGPSアンテナを介して、測位衛星から発信される電波を受信することで、ユーザの現在位置を取得する。そして、GPS240は、取得したユーザの現在位置を、制御部220に送信する。
【0030】
操作部250は、目的地の設定などのナビゲーション処理に必要となる情報を、ユーザに入力させるための装置であり、例えば、操作スイッチ、ディスプレイ261上に配置されるタッチパネル、あるいはジョイスティックなどが挙げられる。
【0031】
提示部260は、ディスプレイ261およびスピーカ262を含み、後述するユーザを誘導するための誘導情報を制御部220から受信し、誘導情報をユーザに提示する。すなわち、ディスプレイ261は、ディスプレイ261が備える画面上に誘導情報を表示し、またスピーカ262は誘導情報を音声として出力する。
【0032】
制御部220は、ユーザを誘導するための誘導経路を設定するため、図3に示すように、推奨経路探索部221、入力部222、検出部223、迂回経路検出部224、判断部225、および設定部226を有する。図3は、制御部220の構成を示す図である。
【0033】
推奨経路探索部221は、GPS240から送信されたユーザの現在位置と、記憶部230に記憶された地図情報と、操作部250を介してユーザにより設定された目的地とに基づいて、ユーザの現在位置から目的地までの推奨経路を探索する。なお、本実施形態において、推奨経路探索部221は、推奨経路として、例えば、ユーザの現在位置から目的地まで最も早く到着できる経路を探索する。
【0034】
入力部222は、送受信部210を介して、情報センタ100から現在行われている交通規制の交通規制情報および現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を取得し、検出部223に送信する。また、入力部222は、GPS240からユーザの現在位置、記憶部230から地図情報、および操作部250からユーザにより設定された目的地を取得し、これらの情報を推奨経路探索部221、検出部223、および迂回経路探索部224に送信する。
【0035】
検出部223は、推奨経路探索部221により探索された推奨経路、および入力部222により入力された現在行われている交通規制の交通規制情報に基づいて、推奨経路上で現在行われている交通規制を検出する。推奨経路上で現在行われている交通規制が検出された場合、検出部223は、迂回経路探索命令を、迂回経路探索部224に送信するとともに、推奨経路上で行われている交通規制の交通規制情報および推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報を、判断部225に送信する。
【0036】
迂回経路探索部224は、検出部223が推奨経路上で現在行われている交通規制を検出した場合に、検出部223から送信される迂回経路探索命令に従い、入力部222から送信されるユーザの現在位置、地図情報、目的地の他、現在行われている交通規制の交通規制情報に基づいて、交通規制区間を通過しない迂回経路を探索する。
【0037】
判断部225は、検出部223から送信される推奨経路上で行われている交通規制の交通規制情報および推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報と、推奨経路探索部221から送信される推奨経路と、迂回経路探索部224から送信される迂回経路とに基づいて、交通規制が行われている推奨経路を通った場合と、交通規制が行われていない迂回経路を通った場合とのいずれが目的地により早く到着できるかを判断する。なお、具体的な判断手法については後述する。
【0038】
設定部226は、判断部225により、推奨経路および迂回経路のうち目的地により早く到着できると判断された経路を誘導経路として設定する。なお、検出部223により推奨経路上で行われている交通規制が検出されない場合、設定部226は、推奨経路を誘導経路として設定する。また、設定部226は、設定された誘導経路に基づいて、ユーザに提示するための誘導経路を含む誘導情報を生成し、生成した誘導情報を提示部260に送信する。
【0039】
図4は、推奨経路上で交通規制が検出された場合における誘導経路を設定する手法例を説明するための図である。まず図4(A)に示すように、推奨経路探索部221により、ユーザの現在位置から目的地までの推奨経路が探索される。また、検出部223は、情報センタ100から、現在行われている交通規制の交通規制情報および現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を入力部222から取得する。そして、検出部223は、取得した現在行われている交通規制の交通規制情報報に基づいて、推奨経路上で行われている交通規制を検出する。図4(A)の時点においては、推奨経路上で交通規制が検出されず、検出部223は、推奨経路上において交通規制は行われていないと判断し、推奨経路を誘導経路として設定する。
【0040】
次に、図4(A)の場面例から一定時間経過した後の図4(B)の場面において、検出部223は、再度、入力部222から、現在行われている交通規制の交通規制情報および現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を取得する。図4(B)の時点では、推奨経路上で交通規制が既に開始されており、検出部223は、現在行われている交通規制情報に基づいて、推奨経路上で行われている交通規制を検出する。
【0041】
推奨経路上で行われている交通規制が検出された場合、迂回経路探索部224は、図4(C)に示すように、交通規制区間を通らない迂回経路を探索する。また、判断部225は、推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報から、規制解除時間および渋滞解消時間を取得する。そして、判断部225は、取得された規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、交通規制が行われている推奨経路および交通規制が行われていない迂回経路のうち、いずれの経路を通るほうが目的地により早く到着できるかを判断する。
【0042】
なお、対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、交通規制が行われている推奨経路および交通規制が行われていない迂回経路のうち、いずれの経路が目的地により早く到着できるかを判断する手法は、特に限定されず、例えば、本実施形態では、以下に説明する手法を用いることができる。
【0043】
すなわち、まず、制御部220の迂回経路探索部224により、入力部222から送信されるユーザの現在位置、目的地、および地図情報と、現在行われている交通規制の交通情報とに基づいて、交通規制区間を通らない迂回経路が探索される。続いて、制御部220の判断部225により、迂回経路を通った場合の目的地到着時刻が予測される。なお、迂回経路の探索手法、および迂回経路を通った場合の目的地到着時刻の予測手法は、一般のナビゲーション装置において用いられる手法を用いればよい。
【0044】
続いて、判断部225は、交通規制が行われている推奨経路を通った場合の目的地到着時刻を予測する。そのため、判断部225により、検出部223から送信される推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間が取得される。そして、判断部225により、取得された規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、推奨経路上で現在行われている交通規制が解除する時刻、および推奨経路上で現在行われている交通規制による渋滞が解消する時刻が予測される。
【0045】
例えば、推奨経路上で行われている交通規制が、図2に示す交通規制データ2と一致する度合いが高く、交通規制データ2が、推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報として取得された場合、判断部225は、検出部223から交通規制データ2の規制解除時間50分、および交通規制データ2の渋滞解消時間50分を取得する。そして、例えば、推奨経路上において現在行われている交通規制が、10時20分に開始された場合、判断部225は、この交通規制が解除されるのが、交通規制が開始された10時20分から規制解除時間である50分後の11時10分であり、さらにこの交通規制による渋滞が解消するのが、交通規制が解除された11時10分から、渋滞解消時間である50分後の12時00分であると予測する。
【0046】
次に、判断部225は、ユーザの現在位置と、推奨経路上の交通規制区間の位置情報とに基づいて、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達する時刻を予測する。なお、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達する時刻を予測する手法は、一般のナビゲーション装置において用いられる手法を用いればよい。
【0047】
そして、判断部225は、交通規制が解除されると予測される時刻が、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻よりも早いか否かを判断する。ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻が、交通規制が解除されると予測される時刻よりも早いと判断される場合には、交通規制が行われていないと仮定した推奨経路を通った場合の目的地到着時刻に、推奨経路上の交通規制区間を通過するための通過所要時間を追加した時刻を、交通規制が行われている推奨経路を通った場合における目的地到達時刻として予測する。なお、通過所要時間は、推奨経路上で行われている交通規制の交通規制情報に含まれており、推奨経路上で行われている交通規制区間を実際に通過した先行車両から収集したこの交通規制区間を通過するための所要時間の平均時間である。また、現在行われている推奨経路上の交通規制区間を先行車両が通過しておらず、推奨経路上の交通規制区間の通過所要時間を取得できない場合には、推奨経路上の交通規制区間に対応する対応規制情報の通過所要時間を参照してもよい。
【0048】
一方、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻が、推奨経路上の交通規制が解除されると予測される時刻よりも遅いまたは同じ場合、さらに、判断部225は、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻が、この交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻よりも早いか否かを判断する。例え、交通規制が解除された後であっても、この交通規制による渋滞が解消されていない場合があるためである。ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻が、この交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻よりも早い場合、判断部225は、ユーザが、交通規制が行われていないと仮定した推奨経路を通った場合の目的地到着時刻に、渋滞解消時間を加味した時刻を、交通規制が行われている推奨経路を通った場合の目的地到着時刻として予測する。
【0049】
反対に、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻が、この交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻よりも遅い、または同じ場合には、ユーザが交通規制による渋滞が生じている推奨経路を通ったとしても、推奨経路上で行われている交通規制に起因した渋滞により目的地に到着する時刻が遅延されることはないものと想定されるため、判断部225は、交通規制が行われていないと仮定した推奨経路を通った場合の目的地到着時刻を、交通規制が行われている推奨経路を通った場合の目的地到達時刻として予測する。
【0050】
図4(D)は、ユーザが、交通規制が行われている推奨経路を通り目的地に到着した場面例を示した図である。また図4(D)においては、ユーザが推奨経路を通って目的地に到着した時刻において、推奨経路を通った場合のユーザの位置(すなわち目的地の位置となる)と、ユーザが迂回経路を通ったと仮定した場合のユーザの位置とを示している。すなわち、図4(D)に示す場面例では、推奨経路上の交通規制が短時間で解除されたなどの理由により、推奨経路を通ったほうが、迂回経路を通ったよりも、目的地により早く到着できる状況であり、推奨経路を通った場合にユーザが目的地に到着できる時刻において、仮にユーザが迂回経路を通った場合には、図4(D)に示す迂回経路上の位置にユーザが位置することを示している。判断部225は、図4(D)に示すように、推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、ユーザが、交通規制が行われている推奨経路を通るほうが、交通規制が行われていない迂回経路を通るよりも、目的地により早く到着できると判断した場合、推奨経路を誘導経路として設定する。
【0051】
一方、図4(E)は、ユーザが、交通規制の行われていない迂回経路を通り目的地に到着した場面例を示す図である。また図4(E)において、ユーザが迂回経路を通って目的地に到着した時刻において、迂回経路を通った場合のユーザの位置(すなわち目的地の位置となる)と、推奨経路を通ったと仮定した場合のユーザの位置とを示している。すなわち、図4(E)に示す場面例では、推奨経路上の交通規制が長時間解除されないなどの理由により、迂回経路を通ったほうが、推奨経路を通ったよりも、目的地により早く到着できる状況であり、迂回経路を通った場合にユーザが目的地に到着できる時刻において、仮にユーザが推奨経路を通った場合に、図4(E)に示す推奨経路上の位置にユーザが位置することを示している。判断部225は、図4(E)に示すように、推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、ユーザが、交通規制が行われていない迂回経路を通って目的地に到着するほうが、交通規制が行われている推奨経路を通って目的地に到着するよりも、目的地により早く到着できると判断した場合は、迂回経路を誘導経路として設定する。
【0052】
続いて、本実施形態に係るナビゲーション処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るナビゲーション処理を示すフローチャートである。なお、図5に示すナビゲーション処理は、車載装置200の制御部220により、一定時間間隔で行われる。
【0053】
まず、ステップS101では、制御部200の入力部222により、現在行われている交通規制の交通規制情報と、現在行われている交通規制に対応する対応規制情報とが取得される。なお、現在行われている交通規制の交通規制情報は、情報センタ100の情報収集部110により収集された情報であり、また現在行われている交通規制に対応する対応規制情報は、情報センタ100の情報分析部140により、現在行われている交通規制に一致する度合いが高い交通規制情報を対応規制情報としてデータベース130から抽出した情報である。これらの情報は、情報センタ100の送受信部150により、車載装置200に対して一定周期で送信され、入力部222は、これらの情報を、車載装置200の送受信部210を介して、一定周期で取得する。
【0054】
次に、ステップS102では、制御部200の推奨経路探索部221により、GPS240で取得されたユーザの現在位置、操作部250を介してユーザにより入力された目的地、記憶部230に記憶された地図情報に基づいて、推奨経路が探索される。
【0055】
そして、ステップS103では、制御部200の検出部223により、ステップS101において取得された現在行われている交通規制の交通規制情報と、ステップS102で探索された推奨経路とに基づいて、推奨経路上において現在行われている交通規制が検出される。推奨経路上において現在行われている交通規制が検出された場合、ステップS104に進む。一方、推奨経路上において現在行われている交通規制が検出されてない場合は、ステップS108に進み、制御部220の設定部226により推奨経路が誘導経路として設定される。
【0056】
ステップS104では、制御部220の判断部225により、推奨経路上で現在行われている交通規制に対応する対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、交通規制が行われている推奨経路を通った場合の目的地到着時刻が予測される。
【0057】
ステップS105では、制御部220の迂回経路探索部224により、入力部222から送信されるユーザの現在位置、目的地、および地図情報と、現在行われている交通規制の交通情報とに基づいて、交通規制区間を通らない迂回経路が探索される。続くステップS106では、判断部225により、ユーザが迂回経路を通った場合の目的地到着時刻が予測される。
【0058】
次に、ステップS107では、判断部225により、ステップS104で予測された推奨経路を通った場合の目的地到着時刻と、ステップS106で予測された迂回経路を通った場合の目的地到着時刻とが比較され、いずれの経路を通ったほうが、目的地により早く到着できるか判断される。推奨経路を通った場合の目的地到着時刻が、迂回経路を通った場合の目的地到着時刻よりも早い、または同じ場合は、ステップS108に進み、設定部226により、交通規制が行われている推奨経路が誘導経路として設定される。一方、迂回経路を通った場合の目的地到着時刻が、推奨経路を通った場合の目的地到着時刻よりも早い場合は、ステップS109に進み、設定部226により、交通規制が行われていない迂回経路が誘導経路として設定される。
【0059】
ステップS110では、設定部226により、設定された誘導経路に基づいて誘導情報が生成され、生成された誘導情報が提示部260に送信される。これにより、提示部260のディスプレイ261、スピーカ262を介して、誘導経路を含む誘導情報がユーザに提示される。
【0060】
以上のように、本実施形態は、情報センタ100において、現在行われている交通規制の交通規制情報を収集するとともに、交通規制が解除され、かつ交通規制による渋滞が解消された交通規制の交通規制情報を、この交通規制の規制解除時間および渋滞解消時間とともにデータベース130に格納する。そして、現在行われている交通規制に対応する交通規制情報を、データベース130に格納された交通規制情報の中から対応規制情報として抽出し、現在行われている交通規制の交通規制情報および現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を車載装置200に送信する。一方、車載装置200においては、情報センタ100から送信された現在行われている交通規制の交通規制情報および現在行われている交通規制に対応する対応規制情報に基づいて、推奨経路上で交通規制または交通規制による渋滞を検知した場合、推奨経路上の交通規制に対応する対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、交通規制が行われている推奨経路、および交通規制が行われていない迂回経路のうち、目的地により早く到着できる経路を判断し、目的地に早く到着できる経路を誘導経路として設定する。これにより、例え、推奨経路上で交通規制が行われている場合であっても、交通規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、推奨経路を通るほうが迂回経路を通るよりも目的地に早く到着できると判断される場合には、推奨経路を誘導経路に設定することで、目的地により早く到着できる誘導経路を、適切に、ユーザに提示できる。
【0061】
また、本実施形態では、現在行われている交通規制に一致する度合いの高い交通規制情報を対応規制情報として、データベース130から抽出し、抽出された対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、推奨経路上で行われている交通規制が解除される時刻および交通規制による渋滞が解消される時刻を予測する。これにより、推奨経路上で行われている交通規制が解除される時刻、および経路上で行われている交通規制による渋滞が解消される時刻を適切に予測することができ、交通規制が行われている推奨経路と交通規制が行われていない迂回経路とのいずれが目的地により早く到着できるかを適切に判断することができる。
【0062】
また、情報センタ100のデータベース130に格納される交通規制情報は、交通規制が行われた場所に関する場所情報、交通規制が行われた道路に関する道路情報、交通規制が行われた時間に関する時間情報、および交通規制が行われた状況に関する状況情報から構成され、情報センタ100は、データベース130に格納された交通規制情報の場所情報、道路情報、時間情報、および状況情報と、現在行われている交通規制の場所、道路、時間、および状況とを比較することで、現在行われている交通規制と一致する度合いの高い対応規制情報を適切にデータベース130から抽出できる。その結果、推奨経路で行われている交通規制に対応する対応規制情報に基づいて、推奨経路で行われている交通規制が解除される時刻、および経路上で行われている交通規制による渋滞が解消される時刻の予測精度を向上でき、結果として、交通規制が行われている推奨経路と交通規制が行われていない迂回経路とのいずれが目的地により早く到着できるかを適切に判断できる。
【0063】
さらに、本実施形態では、交通規制が解除されるまでの規制解除時間に加えて、交通規制による渋滞が解除されるまでの渋滞解消時間を用いて、交通規制が行われている推奨経路および交通規制が行われていない迂回経路のうち、目的地により早く到着できる経路を判断する。例え、交通規制が解除された後であっても、直ちに交通規制により生じた渋滞が解消されない場合があり、交通規制による渋滞が解消するまでの時間を考慮することで、交通規制が行われている推奨経路および交通規制が行われていない迂回経路のうち、目的地により早く到着できる経路をより適切に判断できる。
【0064】
≪第2実施形態≫
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様のナビゲーションシステムにおいて、推奨経路上で行われている交通規制が検出された場合、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻と、推奨経路上の交通規制が解除され、かつ交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻とを予測し、推奨経路上で行われている交通規制が解除され、かつ交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻が、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻よりも早い、または同じであると判断される場合に、迂回経路を探索することなく、推奨経路を誘導経路として設定すること以外は、第1実施形態と同様である。以下において、第2実施形態に係るナビゲーション処理について説明する。
【0065】
図6は、第2実施形態に係るナビゲーション処理のフローチャートである。第2実施形態に係るナビゲーション処理は、第1実施形態に係るナビゲーション処理に加えて、ステップS204〜ステップS206の処理が行われる。以下において、第1実施形態と異なるステップS204〜ステップS206の処理について説明する。
【0066】
ステップS203で、制御部220の検出部223により、推奨経路上で行われている交通規制が検出された場合、ステップS204に進む。ステップS204では、制御部220の判断部225により、現在の時刻、ユーザの現在位置、および推奨経路上の交通規制の位置情報に基づいて、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達する時刻が予測され、続いて、ステップS205では、判断部225により、推奨経路上で行われている交通規制に対応する対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、推奨経路上の交通規制が解除され、および交通規制による渋滞が解消する時刻が予測される。
【0067】
続いてステップS206では、推奨経路上で行われている交通規制が解除され、かつ交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻が、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻よりも早いか否か判断される。推奨経路上で行われている交通規制が解除され、かつ交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻が、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻よりも早いまたは同じ場合は、例え、ユーザが、交通規制が行われている推奨経路を通る場合であっても、この交通規制により、目的地に到着する時刻が遅延されることはないものと想定される。そのため、判断部225は、交通規制が行われている推奨経路を通るほうが、交通規制が行われていない迂回経路を通るよりも早く目的地に到着できると判断し、ステップS212に進み、制御部220の設定部226により、推奨経路が誘導経路として設定される。
【0068】
一方、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻が、推奨経路上の交通規制が解除し、かつ交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻よりも早いと判断された場合には、仮に、ユーザが、交通規制が行われている推奨経路を通る場合、この交通規制によりユーザが目的地に到達する時刻は遅延されると想定される。そのため、ステップS207以降に進み、第1実施形態と同様に、交通規制区間を通らない迂回経路を探索し、交通規制が行われている推定経路を通った場合の目的地到着時刻と、交通規制が行われていない迂回経路を通った場合の目的地到着時刻とを予測し、目的地に早く到着できる経路を誘導経路として設定する。
【0069】
以上のように、第2実施形態では、推奨経路上の交通規制が解除され、および交通規制による渋滞が解消する時刻と、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達する時刻とを予測し、推奨経路上で行われている交通規制が解除され、かつ交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻が、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻よりも早い、または同じであると判断される場合には、迂回経路を探索することなく、推奨経路を誘導経路に設定する。これにより、第1実施形態の効果に加え、ナビゲーションシステム全体の処理負担を軽減することができるとともに、目的地により早く到着できる経路を適切にユーザに提示できる。
【0070】
なお、第2実施形態において、ユーザが推奨経路上の交通規制区間に到達すると予測される時刻が、推奨経路上の交通規制が解除し、かつ交通規制による渋滞が解消すると予測される時刻よりも早いと判断された場合に、交通規制が行われている推定経路を通った場合の目的地到着時刻と、交通規制が行われていない迂回経路を通った場合の目的地到着時刻とを予測することなく、迂回経路を誘導経路として設定してもよい。
【0071】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0072】
例えば、本実施形態では、推奨経路上で交通規制が行われている場合に、交通規制区間を通らない迂回経路を探索しているが、交通規制区間を通るか否かに関わらず迂回経路を探索し、推奨経路および迂回経路上の交通規制に対応する対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間に基づいて、推奨経路および迂回経路のいずれが目的地により早く到着することができかを判断してもよい。また、探索される迂回経路は1つに限られず、複数の迂回経路を探索し、推奨経路および複数の迂回経路のうち、目的地により早く到着できる経路を判断してもよい。
【0073】
さらに、本実施形態では、推奨経路上で交通規制が行われている場合を例に説明をしたが、本発明は、推奨経路上で行われている交通規制のみに限定されるものではなく、例えば、推奨経路上で生じている渋滞を検出し、情報センタ100のデータベース130に道路上で生じていた渋滞情報を格納しておき、推奨経路上で生じている渋滞と一致する度合いの高い渋滞情報をデータベース130から抽出し、抽出された渋滞情報の渋滞解消時間に基づいて、渋滞が現在生じている推奨経路および渋滞が生じていない迂回経路のいずれが目的地により早く到着できるかを判断することで、目的地により早く到着できる経路を、適切に、ユーザに提示できる。
【0074】
加えて、情報センタ100のデータベース130から抽出される現在行われている交通規制と一致する度合いの高い対応規制情報は、例えば、現在行われている交通規制に最も一致する度合いの高い交通規制情報としてもよいし、あるいは現在行われている交通規制に一致する度合いの高い複数の交通規制情報としてもよい。現在行われている交通規制に対応する対応規制情報を、現在行われている交通規制に一致する度合いの高い複数の交通規制情報とする場合に、対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間を求める際には、例えば、これら複数の交通規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間の平均を求め、求めた規制解除時間の平均時間および渋滞解消時間の平均時間を、対応規制情報の規制解除時間および渋滞解消時間としてもよい。
【0075】
なお、上述した実施形態の情報センタ100の記憶部120およびデータベース130は本発明の記憶手段に、車載装置200の制御部220の推奨経路探索部221は本発明の推奨経路探索手段に、同じく制御部220の検出部223は本発明の検出手段に、同じく制御部220の迂回経路探索部224は本発明の迂回経路探索手段に、同じく制御部220の判断部225は本発明の判断手段、算出手段、および予測手段に、同じく制御部220の設定部226は本発明の設定手段にそれぞれ相当する。
【符号の説明】
【0076】
100…情報センタ
110…情報収集部
120…記憶部
130…データベース
140…情報分析部
150…送受信部
200…車載装置
210…送受信部
220…制御部
221…推奨経路探索部
222…入力部
223…検出部
224…迂回経路探索部
225…判断部
226…設定部
230…記憶部
240…GPS
250…操作部
260…提示部
261…ディスプレイ
262…スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上で生じた交通阻害要因による交通阻害時間に関する情報を、交通阻害情報として記憶する記憶手段と、
ユーザの現在位置から目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段と、
道路上で現在生じている交通阻害要因を検出する検出手段と、
前記推奨経路上で前記交通阻害要因が検出された場合に、推奨経路以外の迂回経路を探索する迂回経路探索手段と、
前記記憶手段により記憶された前記交通阻害情報に基づいて、前記推奨経路および前記迂回経路のうちいずれが目的地により早く到着できる経路かを判断する判断手段と、
前記判断手段により目的地により早く到着できると判断された経路を、ユーザを誘導するための誘導経路として設定する設定手段と、を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムであって、
前記記憶手段は、前記交通阻害情報をデータベース化して記憶することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムであって、
前記交通阻害情報には、前記交通阻害要因が生じた場所に関する情報、前記交通阻害要因が生じた道路に関する情報、前記交通阻害要因が生じた時間に関する情報、および前記交通阻害要因に起因する阻害態様に関する情報のうち少なくても1つの情報がさらに含まれていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のナビゲーションシステムであって、
前記検出手段は、道路リンクごとに、前記交通阻害要因を検出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のナビゲーションシステムであって、
前記迂回経路探索手段は、前記迂回経路として、前記交通阻害要因の発生箇所を通らない経路を探索することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のナビゲーションシステムであって、
前記推奨経路上で前記交通阻害要因が検出された場合に、前記記憶手段により記憶された前記交通阻害情報に基づいて、前記推奨経路を通った場合の所要時間、および前記迂回経路を通った場合の所要時間を算出する算出手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記推奨経路を通った場合の所要時間、および前記迂回経路を通った場合の所要時間のうち、所要時間が短い経路を、前記誘導経路として設定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のナビゲーションシステムであって、
前記推奨経路上で前記交通阻害要因が検出された場合に、前記記憶手段により記憶された前記交通阻害情報に基づいて、ユーザが前記交通阻害要因の発生地点に到達する前に、前記推奨経路上で現在生じている前記交通阻害要因が解消するかを予測する予測手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記予測手段により、ユーザが前記交通阻害要因の発生箇所に到達する前に、前記推奨経路上で現在生じている前記交通阻害要因が解消すると予測された場合、前記迂回経路探索手段により前記迂回経路の探索をすることなく、前記推奨経路を前記誘導経路として設定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
推奨経路上に交通阻害要因がある場合に、前記推奨経路以外の迂回経路を探索し、道路上で生じた交通阻害要因による交通阻害時間に関する情報に基づいて、前記推奨経路および前記迂回経路のうちいずれが目的地により早く到着できる経路かを判断し、目的地により早く到着できると判断された経路を、ユーザを誘導するための誘導経路として設定することを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−286277(P2010−286277A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138406(P2009−138406)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】