ナビゲーションシステムおよびルート案内シミュレーションの速度設定方法
【課題】ルート案内シミュレーションの表示速度をそのルート中で可変にでき、しかもその可変作業にわずらわしさが伴わないルート案内シミュレーションの表示速度の変更を可能とする。
【解決手段】表示部110に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された紙地図5と、紙地図5上をカーナビゲーションシステム1によりルート検索された設定ルートに沿ってなぞった際の紙地図5の表面をなぞる速さを検出する電子ペン4とを備え、ルート案内シミュレーションを行う際に、電子ペン4にて表面を速くなぞった区間では擬似車両の移動速度を速くし、遅くなぞった区間ではその移動速度を遅くする。
【解決手段】表示部110に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された紙地図5と、紙地図5上をカーナビゲーションシステム1によりルート検索された設定ルートに沿ってなぞった際の紙地図5の表面をなぞる速さを検出する電子ペン4とを備え、ルート案内シミュレーションを行う際に、電子ペン4にて表面を速くなぞった区間では擬似車両の移動速度を速くし、遅くなぞった区間ではその移動速度を遅くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムおよびルート案内シミュレーションの速度設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の車両に搭載されるナビゲーションシステムにおいて、実走行前に、現在地(スタート地点)から目的地(ゴール地点)までのルート案内シミュレーション等を行う機能を有するものが知られている。この種の装置では、ルート案内シミュレーションを行う際の擬似車両の擬似走行速度を2倍速、3倍速等に変更可能としている。
【0003】
また、ルート案内シミュレーション中において、擬似走行速度を可変することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、右左折する交差点の無いルートが長く続く場合等、ユーザが冗長と感じるルートにおいては、ルート案内シミュレーションを早送り(擬似車両の走行速度を高速に)表示したり、逆に、複雑な交差点や分かりづらいインターチェンジ周辺等では、ルート案内シミュレーションを遅送り(擬似車両の走行速度を低速に)表示することにより、ユーザの必要性に応じ、ユーザが快適にルート案内シミュレーションを見ることを可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−021373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2倍速、3倍速等に変更可能なナビゲーションシステムでは、特定の道路状況におけるルート案内シミュレーションの表示速度(擬似車両の走行速度)を全ルートを通して一定に可変するのみであり、任意のルート上において、ユーザ所望のルート案内シミュレーションの表示速度の変更ができない。また、特許文献1記載の発明では、ユーザは、画面を見ながら走行速度を変更することになり注意力を要するものとなる。また、走行速度の変更のたびに操作が必要となり、非常にわずらわしいものとなる。
【0006】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたもので、ルート案内シミュレーションの表示速度をそのルート中で可変にでき、しかもその可変作業にわずらわしさが伴わないナビゲーションシステムおよびルート案内シミュレーションの速度設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、地図媒体上をなぞることで地図媒体を読み取り、地図媒体の表面をなぞる速さの検出を行う携帯入力装置と、を備え、ルート案内シミュレーションを行う際に、携帯入力装置にて地図媒体の表面を速くなぞった区間では所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くする制御を行うものである。
【0008】
また、本発明のナビゲーションシステムは、表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、地図媒体上を、ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルートに沿ってなぞることで、地図媒体を読み取り、地図媒体の表面をなぞる速さを検出する携帯入力装置と、を備え、ルート案内シミュレーションを行う際に、携帯入力装置にて地図媒体の表面を速くなぞった区間では所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くする制御を行うものである。
【0009】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、携帯入力装置により読み取られた軌跡情報に含まれる座標情報からナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報を生成する緯度経度生成手段と、緯度経度生成手段により生成された緯度経度情報が、ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルート上の各ノードに対応する緯度経度と一致した際に、軌跡情報に含まれる時刻情報を、各ノード毎にその緯度経度と対応付けて記憶するノードトレース時刻記憶部と、ノードトレース時刻記憶部に記憶されたノードの緯度経度と、隣接するノードであるか否かを判断する隣接ノード判定手段と、を備えるものである。
【0010】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、隣接ノード判定手段によりお互い隣接するノードであると判断された第1および第2の各ノードが隣接する区間であるリンクに対し、所定の識別情報をそれぞれ生成する識別情報生成手段と、第1および第2のノードそれぞれの時刻情報とから、携帯入力装置によるリンクの筆記速度を算出し、識別情報生成手段により生成された各識別情報と対応付けて記憶する速度情報記憶部と、ルート案内シミュレーションが開始されると、表示部に表示された設定ルートのスタート地点からゴール地点までの間に存在する所定の識別情報の付与された各リンク上を移動する所定のマークの移動速度を、速度情報記憶部に記憶された当該リンクの所定の識別情報に対応する筆記速度に比例して設定する移動速度設定手段と、を備えるものである。
【0011】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、携帯入力装置にて地図媒体をなぞることにより得られた軌跡情報を順次に全て記憶し、記憶された軌跡情報から設定ルートの設定を行い、設定ルートが設定されることによりノードの緯度経度が決定された段階で、各リンクの筆記速度の算出を行うことが好ましい。
【0012】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、各リンクは、各ノード以外の任意の地点により区切られることが好ましい。
【0013】
また、本発明のルート案内シミュレーションの速度設定方法は、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面をなぞることで、地図媒体を読み取り、地図媒体の表面をなぞる速さを検出するステップと、ルート案内シミュレーションを行う際に、地図媒体の表面を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くするステップと、を含むものである。
【0014】
また、本発明のルート案内シミュレーションの速度設定方法は、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面を、ナビゲーションシステムによりルート選択された設定ルートに沿ってなぞることで、該表面をなぞる速さを検出するステップと、ルート案内シミュレーションを行う際に、地図媒体を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くするステップと、を含むものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ルート案内シミュレーションの表示速度をそのルート中で可変にでき、しかもその可変作業にわずらわしさが伴わないルート案内シミュレーションの表示速度の変更が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムおよびルート案内シミュレーションの速度設定方法を、図面に基づいて説明する。ナビゲーションシステムは、車両の一種である自動車に設置されて、自動車の道路案内に用いられるカーナビゲーションシステムを例に説明する。ルート案内シミュレーションの速度設定方法は、カーナビゲーションシステムの動作の一部として説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステム1を示す構成図である。カーナビゲーションシステム1は、自動車に設置されるナビゲーション装置としてのナビゲーション本体2と、ナビゲーション本体2とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3により接続可能な、携帯入力装置としての電子ペン4と、印刷物としての特殊なパターンと地図が印刷された地図媒体となる紙地図5と、を有する。USBケーブル3は、通信ケーブルの一種である。
【0018】
図2は、図1中の紙地図5中の1ページを示す図である。紙地図5は、複数のページで構成されていても良い。図3は、図2の特殊なパターンと地図が印刷された紙地図5である専用シートの部分断面図である。
【0019】
紙地図5は、図3に示すように、シート11の紙面に、赤外線を吸収するインク12aからなるドット12と、赤外線を透過するインク12bからなる地図とが印刷されたものである。シート11には、まず、赤外線を吸収するインク12aが印刷され、その上に、赤外線を透過するインク12bにより地図などの情報が印刷される。
【0020】
紙地図5のページには、赤外線を吸収するインク12aにより、複数の座標パターン13が印刷される。座標パターン13は、電子ペン4により読み取り可能な解像度のパターンであり、例えば、6×6個のドット12により構成されている。
【0021】
図4は、シート11に対する複数の座標パターン13の印刷状態の一例を示す説明図である。図4において、複数の座標パターン13を構成する複数のドット12は、略0.3ミリメートル間隔で、縦横に配列されている。そして、1つの座標パターン13は、6×6個のドット12により構成される。座標パターン13内におけるその複数のドット12の配置は、少なくともその紙面中の複数の座標パターン13において互いが区別できるように、座標パターン13毎に互いに異なる。
【0022】
座標パターン13は、左右上下に1列または1行ずれることで異なる座標パターン13となる。また、斜め上、斜め下に1ます分ずれることで異なる座標パターン13となる。図4で示す座標パターン13は、その座標パターン13の中心のます目である中心ます目13aの位置を示すパターンとなる。他の座標パターン13もそれぞれ中心位置を示すものとなる。
【0023】
具体的にはたとえば、各ドット12は、図4中の所定の一定間隔毎の縦基準線と横基準線とからなる直交格子16の交点の位置を基準として、上下左右のいずれか1つの方向(すなわち、4つの方向の中の1つの方向)へ少しずれた位置に印刷される。そして、各座標パターン13における6×6個の合計36個のドット12のずれ方向の組合せは、複数の座標パターン13の中で唯一なものとなっている。これにより、複数のドット12の中から6×6個のドット12を選んだとき、その36個のドット12のずれ方向の組合せは、他のすべての36個のドット12によるずれ方向の組合せと異なるものとすることができる。この組み合わせは4の36乗とおりとなる。
【0024】
この複数の座標パターン13の中で唯一となる36個のドット12のずれ方向の組合せにより、各座標パターン13には、ユニークな座標値を対応付けることができる。
【0025】
複数の座標パターン13は、図2の紙面の略全面に印刷される(図示せず)。しかし、地図画像21の箇所のみに座標パターン13を配置させても良い。複数の座標パターン13上には、地図画像21が重ねて印刷される。しかし、地図画像21の上に座標パターン13を印刷しても良い。
【0026】
シート11の略全面に印刷される複数の座標パターン13は、それぞれのユニークなドット12の配列に基づいて、電子ペン4により互いに異なる座標値の座標データへ変換される。地図画像21と重ねて印刷される複数の座標パターン13は、紙面上の位置に応じて互いに異なるものとなる。複数の座標パターン13は、たとえば紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換される。図2の紙面では、紙面の横方向がX軸であり、紙面の縦方向がY軸である。
【0027】
なお、複数の座標パターン13は、たとえば1冊の紙地図5のすべてのページを1つの大きな紙面上に並べたと仮定した状態において、その大きな紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換されるものであってもよい。この変形例の場合、二次元の座標データにより、ページ内の読取位置のみならず、紙地図5中のページも特定することが可能である。この二次元座標データは、上述したように、直交格子16の交点から少しずれた6×6の36個のドット群から絶対アドレスを算出するようになっている。これにより、この座標パターン13が印刷された位置や、どの紙(何ページ目の紙)であるかが判断される。
【0028】
紙地図5の各ページには、図3に示すように、赤外線を吸収するインク12aの上に、赤外線を透過するインク12bにより、自動車が通行可能な複数の道路を含む四角形の地図画像21や、各種の長方形のマーク22,23とが印刷される。地図画像21および複数の電子ペン用マーク22,23は、シート11の別々の領域に、互いに重ることがないように領域を分けて印刷される。
【0029】
赤外線を透過するインク12aによりシート11に形成される電子ペン用マーク22,23は、電子ペン4を制御するためのものである。電子ペン用マーク22,23には、たとえばリセットマーク22、決定マーク23などがある。なお、シート11には、電子ペン用マーク22,23の他にも、たとえば、目的地設定マーク、ランドマーク取得マークなどの、電子ペン4により読み取った座標パターン13の利用を制御するためのコマンドマークなどを印刷してもよい。
【0030】
図5は、図1中の電子ペン4の構成を示すブロック図である。電子ペン4は、ペン軸31、筆圧センサ32、赤外線LED(Light Emitting Diode)33、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ34、USBケーブル3が接続されるUSBI/F(USBインタフェース)35、時刻情報を生成するタイマ36、不揮発性メモリ37、マイクロコンピュータ38などを有する。電子ペン4は、図1に示すように、細長い棒形状のハウジング39を有する。
【0031】
なお、電子ペン4や後述するナビゲーション本体2は、USBI/F35の代わりに、たとえばブルートゥースなどの無線通信I/Fを備えるものであってもよい。また、タイマ36は、電子ペン4がたとえばリセットされてからの経過時間などを時刻として計測するものであってもよい。
【0032】
また、不揮発性メモリ37は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などで構成されるが、省略することも可能である。この場合、すなわち、不揮発性メモリ37が電子ペン4内部に設けられている場合には、例えば、読取データ(サンプリングデータ)の読み取りが終了するまで、不揮発性メモリ37に一旦読取データを記憶しておき、電子ペン4に設けられたスイッチ(図示せず)等を操作することにより、或いはナビゲーション本体2にて何らかの操作が行われることにより、不揮発性メモリ37に記憶された読取データがナビゲーション本体2の軌跡情報解析部(後述)100に軌跡情報として送信されることとなる。一方、不揮発性メモリ37が設けられていない場合には、例えば、電子ペン4にて読み取られた読取データがサンプリングされる度に、ナビゲーション本体2の軌跡情報解析部(後述)100に軌跡情報として送信されることとなる。
【0033】
ペン軸31は、この細長い棒形状のハウジング39の一端部に、突出して配設される。筆圧センサ32は、ペン軸31に作用する筆圧を検出する。筆圧センサ32は、検出した筆圧値をマイクロコンピュータ38へ出力する。電子ペン4は、このペン軸31を利用して画や文字を描くことができるようになっているが、文字等を描くことができず、紙地図5を単になぞるだけのスタイラスペンとしてもよい。
【0034】
赤外線LED33およびCMOSセンサ34は、ハウジング39の一端部において、ボールペン軸31の配設位置の周囲に配設される。赤外線LED33は、ボールペン軸31の先端が紙面に触れるとき、その接触部位およびその周囲の部位へ赤外線を照射する。CMOSセンサ34は、紙面のその接触部位およびその周囲の部位により反射される赤外線を受光する。CMOSセンサ34は、受光した赤外線の強度分布データを、マイクロコンピュータ38へ出力する。
【0035】
マイクロコンピュータ38は、メモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポート(図示せず)などを有する。入出力ポートには、筆圧センサ32、赤外線LED33、CMOSセンサ34、USBI/F35、タイマ36、不揮発性メモリ37などが接続される。電子ペン4のCPUは、不図示のメモリなどから制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、電子ペン4のマイクロコンピュータ38には、読取データ生成部41と、読取データ送信部42と、が実現される。
【0036】
読取データ生成部41は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13を紙面中の座標値へ変換し、図6に示す読取データ46を生成する。すなわち、座標値の読取座標データ(読取座標情報)51などを有する読取データ(読取情報)46を生成する。読取データ(情報)生成部41は、生成した読取データ46を不揮発性メモリ37に記憶させる。
【0037】
図6は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される所定時間内の読取データ46のデータ構造の一例を示す図である。読取データ46は、通常、複数のレコードで構成される。図6では、横一列が1つのレコードに相当する。読取データ46の各レコードは、少なくとも、読取座標データ(情報)51と、ペン圧レベルデータ(情報)52と、読取時刻データ(情報)53と、を有する。読取座標データ51は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13から得られる座標値を有する座標データであり、X,Yの二次元の座標データである。ペン圧レベルデータ52は、筆圧センサ32が検出した筆圧値を有するデータである。読取時刻データ53は、ある1つの座標パターン13が得られたときの、タイマ36が計測する時刻を有するデータである。なお、ペン圧レベルデータ(情報)52は省略しても良い(本実施の形態では必須ではない)。
【0038】
図2中のリセットマーク22や決定マーク23の部分は、各マーク22,23印刷されている位置を示す読取座標データに、「リセット」や「決定」の各機能を紐付けすることで、各機能を実現するようにしている。なお、本実施の形態において、リセットマーク22および決定マーク23は省略することが可能である。
【0039】
読取データ送信部42は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を、USBI/F35を介してUSBケーブル3により接続される機器へ送信する。図1のカーナビゲーションシステム1では、電子ペン4のUSBI/F35には、USBケーブル3によりナビゲーション本体2が接続される。読取データ送信部42は、ナビゲーション本体2へ、不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を送信する。
【0040】
図7は、カーナビゲーションシステム1の構成を示すブロック図である。カーナビゲーションシステム1は、軌跡情報解析部100、変換DB(データベース)101、ルート設定部102、地図DB(データベース)103、入力部104、制御部105、ノードトレース時刻記憶部106、速度情報記憶部107、ルート案内シミュレーション部108、設定ルート記憶部109、表示部110、RAM(Random Access Memory)111、ROM(Read Only Memory)112、およびシステムバス113により構成される。なお、図7では、本実施の形態に関わる部分のみの構成を示しており、カーナビゲーションシステムの構成全体を示したものではない。また、図7では、説明を簡単にするため、1つの制御部(制御部105)によりカーナビゲーションシステム1の制御を行うものとしているが、これに限定されることは無く、各機能ブロック毎に制御部を有するユニット構成とすることも可能である。
【0041】
電子ペン4は、特殊なパターンが印刷された専用の紙地図5をなぞる(例えば、所定のペン圧レベル以上にてトレースする)ことにより、所定の間隔にて紙地図5の軌跡情報(読取座標情報および読取時刻情報)を読み取り、軌跡情報解析部100に供給する。
【0042】
緯度経度生成手段である軌跡情報解析部100は、電子ペン4より供給された軌跡情報に含まれる座標情報を、変換DB101に記憶された、座標情報を緯度経度情報に変換するテーブルを参照することで、ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報に変換(生成)し、軌跡情報に含まれる時刻情報と共に制御部105に供給する。
【0043】
変換DB101は、座標情報を緯度経度情報に変換するテーブル等を記憶する。なお、これらのテーブルは、例えば、外部より提供されるものとしてもよい。また、変換DB101の情報と地図DB103と紙地図5の情報は整合が取れているものとする。また、電子ペン4側で行っている座標パターン13を座標情報すなわち読取座標情報51に変換するテーブルを変換DB101が持つようにしても良い。
【0044】
ルート設定部102は、入力部104より入力されたスタート地点およびゴール地点に基づき、制御部105の制御のもと、地図DB103を参照して設定ルートを検索・設定する。検索・設定された設定ルートは設定ルート記憶部109に記憶される。なお、設定ルートは、候補となるルートが複数検索され、ユーザ選択によって最終的な設定ルートが決定されるようにしてもよい。また、設定ルートは表示部110に表示される。
【0045】
地図DB103は、地図情報を記憶する。入力部104は、図示しない所定の操作手段の操作内容に基づいた所定の信号を制御部105に供給する。
【0046】
識別情報生成手段(リンクIDを生成する手段)、隣接ノード判定手段および移動速度設定手段である制御部105は、プロセッサ等から構成され、カーナビゲーションシステム1全体の動作を制御する。
【0047】
制御部105は、軌跡情報解析部100より供給された緯度経度が、設定ルート記憶部109に記憶されている設定ルート上の交差点などの分岐点であるノードに対応する緯度経度と一致した際に、供給された時刻情報を、各ノード毎にその緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶する。
【0048】
また、制御部105は、ノードが隣接する区間(経路)であるリンク全てに対し、リンクID(識別情報とも称する)を生成し付与する。なお、このリンクIDは、設定ルートのスタート地点からゴール地点に向けて、順番に、昇順に番号を付与することが好ましいが、ランダムに付与しても構わない。
【0049】
また、制御部105は、上述のリンクの両端のノード(隣接するノード:トレース開始時はスタート地点とその次のノードでトレース終了時は最後のノードとゴール地点)それぞれに、その緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶された各ノードの時刻情報とリンク(経路)の距離から、当該リンクを電子ペン4にてなぞった速度(筆記速度)を演算により求め、上述のリンクIDと対応付けて速度情報記憶部107に記憶する。なお、上述の隣接するノードは、ノードトレース時刻記憶部106に記憶された各ノードの緯度経度情報に基づいて、制御部(隣接ノード判定手段)105により判断される。
【0050】
また、制御部105は、表示部110に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションが開始されると、表示部110に表示された設定ルートのスタート地点からゴール地点までの各リンク上を移動する上述の所定のマークの移動速度を、速度情報記憶部107に記憶された当該リンクの所定のリンクIDに対応する筆記速度に比例させて設定する。
【0051】
また、制御部105は、入力部104より所定の信号が供給されると、ルート案内シミュレーション部108を制御し、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションを開始し、表示部110に表示する。
【0052】
さらに、制御部105は、設定ルートの電子ペン4によるトレースが終了したか否かを判断する。この判断(トレース終了の判断)は、例えば、軌跡情報解析部100より供給される緯度経度情報が、設定ルートのゴール地点の緯度経度と一致した場合に行われる。
【0053】
ノードトレース時刻記憶部106は、電子ペン4が各ノードをなぞった(トレースした)時刻情報と、当該ノードの緯度経度とが対応付けられた情報(ノードトレース情報)を記憶する。
【0054】
速度情報記憶部107は、設定ルートのスタート地点からゴール地点までの全てのリンクの筆記速度を、所定のリンクIDと共に記憶する。速度情報の例を図8に示す。ここで、リンクID1は、開始地点から最初のノードまでを示し、リンクID2は、最初のノードから次のノードまでを示す。このように、ノード間を示すものがリンクIDとなる。筆記速度は、スタート地点からゴール地点までの速度を相対化し、5段階に分けて表示される。この筆記速度は、10段階表示としたりなど、他の段階表示としても良い。
【0055】
ルート案内シミュレーション部108は、制御部105の制御のもとで、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションを行い、表示部110に出力(画像表示)する。
【0056】
表示部110は、地図情報や設定ルートやルート案内シミュレーション等の表示を行う。
【0057】
RAM111は、制御部105のワークエリアとして機能する。ROM112は、このカーナビゲーションシステム1全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)や動作プログラムや各種のデータを記憶する。
【0058】
システムバス113は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0059】
次に、本実施の形態におけるカーナビゲーションシステム1の動作の一例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
まず、カーナビゲーションシステム1のルート設定部102は、入力部104より入力されたスタート地点およびゴール地点に基づき、制御部105の制御のもと、地図DB103を参照して設定ルートを検索・設定し、表示部110に表示し(ステップS1:設定ルートの取得)、処理をステップS2に移す。
【0061】
ステップS2に移行し、電子ペン4により設定ルートのトレース(ルート案内シミュレーションの速度設定)が開始されると、電子ペン4は、軌跡情報解析部100に対し、紙地図5から所定の間隔で読み取った軌跡情報(座標情報および時刻情報)の供給を開始(軌跡情報の取得)し、処理をステップS3に移す。
【0062】
ステップS3に移行すると、軌跡情報解析部100は、制御部105の制御のもと、電子ペン4より供給された軌跡情報に含まれる座標情報を、変換DB101に記憶された座標情報を緯度経度情報に変換するテーブルを参照することで、ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報に変換し、軌跡情報に含まれる時刻情報と共に制御部105に供給し、処理をステップS4に移す。
【0063】
ステップS4に移行すると、制御部105は、ノードを検出したか否か、すなわち、軌跡情報解析部100より供給された緯度経度が、設定ルート記憶部109に記憶されている設定ルート上のノードに対応する緯度経度と一致するか否かを判断し、一致していないと判断された場合(NO:ノードが検出されない場合)には処理をステップS2に戻し、一致していると判断された場合(YES:ノードが検出された場合)には処理をステップS5に移す。
【0064】
ステップS5に移行すると、制御部105は、当該ノードをなぞった(緯度経度が一致)時に供給された時刻情報を、その緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶し、処理をステップS6に移す。なお、トレース開始時はスタート地点が最初のノードとなり、トレース終了時はゴール地点が最後のノードとなる。
【0065】
ステップS6に移行すると、制御部105は、現在のノードと1つ前のノードとの区間(経路)であるリンクに対し、所定のリンクIDを生成し付与する。そして、上述の現在のノードと1つ前のノードそれぞれに、その緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶された各ノードの時刻情報とリンク(経路)の距離から、当該リンクを電子ペン4にてなぞった速度(筆記速度)を演算により求め、上述のリンクIDと対応付けて速度情報記憶部107に記憶し、処理をステップS7に移す。この時に記憶される速度は絶対速度である。
【0066】
ステップS7に移行すると、制御部105は、設定ルートの電子ペン4によるトレースが終了したか否かを判断する。トレースが終了していないと判断された場合(NO)には処理をステップS2に戻し、トレースが終了したと判断された場合(YES)には処理をステップS8に移す。
【0067】
ステップS8に移行すると、制御部105は、入力部104より所定の信号(ルート案内シミュレーション開始の信号)が供給されたか否かを判断する。信号が確認されなかった場合には、所定時間後にステップS8を再度行い、確認された場合には、処理をステップS9に移す。このステップS9では、ステップS6で記録された絶対速度の最低と最高の範囲とシミュレーション可能な速度範囲とから、リンクID毎に5段階表示の速度を生成する。筆記速度1は、シミュレーション時の最も遅い速度で、筆記速度5は、シミュレーション時に可能となる速度中、最も速い速度となる。このステップS9の処理は、ステップS7の後に行うようにしても良い。
【0068】
ステップS9の後、ステップS10に移行すると、制御部105は、ルート案内シミュレーション部108を制御し、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションを開始し、表示部110に表示する。この際、制御部105は、表示部110に表示された、設定ルートのスタート地点からゴール地点までの各リンク上を移動する上述の所定のマークの移動速度を、速度情報記憶部107に記憶された当該リンクの所定のリンクIDに対応する5段階の相対速度となる筆記速度に比例させて設定する。そして、ルート案内シミュレーションが終了すると一連の処理を終了する。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、上述のフローチャートによる動作の説明では、設定ルートのスタート地点からゴール地点まで電子ペン4によって紙地図5上をトレースする場合において、ノードが検出される度に、各リンク毎の筆記速度を、求めて(演算して)いる。しかし、電子ペン4が各ノードをなぞった(検出した)際の時刻情報と、当該ノードの緯度経度とを対応付けた全ての情報(ノードトレース情報)を、一旦ノードトレース時刻記憶部106に記憶しておき、電子ペン4による設定ルートのトレースが終了した時点で、ノードトレース時刻記憶部106より上述の緯度経度と対応付けられた各ノード毎の時刻情報を読み出すことにより、各リンク毎の筆記速度を一度に求めて、速度情報記憶部107に記憶するようにしても良い。
【0070】
また、本実施の形態では、電子ペン4が、紙地図5をなぞる速さ(筆記速度)を、ナビゲーション本体2により求めて(演算して)いるが、例えば、電子ペン4内の読取データ生成部41等にて演算により求め、不揮発性メモリ37内(エリアは図示せず)に記憶しておき、制御部105が、ルート案内シミュレーション時に、電子ペン4内の不揮発性メモリ37より読み出すことでルート案内シミュレーションを行うようにしても良い。
【0071】
また、本実施の形態では、シミュレーション時の擬似車両(所定のマーク)の走行速度を筆速により可変させているが、これに限られることは無く、例えば、読取データ46にペン圧レベル情報52を設け、このペン圧レベル情報52から得られるペン圧に基づいて可変するようにしてもよいし、或いは、道路の状態によって変えてるようにしても良い。
【0072】
また、シミュレーション時の擬似車両の走行速度を5段階に分けているが、この段階はシミュレーション開始時にユーザが自由に設定できるようにしても良い。たとえば、3段階として指示された場合、制御部15は、記憶されている絶対速度または時刻の情報を取得し、3段階に区分し、図8に示す速度情報を書き直すことになる。
【0073】
また、本実施の形態では、予めカーナビゲーションシステム1の案内ルート(設定ルート)が事前(電子ペン4が、紙地図5をなぞる前)に設定されているものとして説明を行っているが、ルート設定(この場合、電子ペン4がなぞった紙地図5上のルートを設定ルートとする)と筆記速度(速度情報)の記録を同時に行うようにしても良い。この場合、入力時(紙地図5のトレース時)においては、設定ルートのノードが不定であるので、全ての軌跡情報について時刻情報を記録しておき、カーナビゲーションシステムにルートが設定された段階で、各リンクの速度(筆記速度)の算出を行うようにすればよい。
【0074】
また、本実施の形態では、デモ走行(ルート案内シミュレーション)のシミュレーションについてのみ記載しているが、電子ペン4が紙地図5をトレースしている際に、その読取速度(トレース速度)に対応させて、リアルタイムにその状況(ルート案内シミュレーション等)を表示部110に表示するようにしても良い。なお、表示部110を、電子ペン4に設けるようにしてもよい。
【0075】
また、本実施の形態における各リンクは、ノードによって区切られているとして説明したが、設定ルート上の各ノード以外の任意の地点にて区切られるようにしても良い。
【0076】
また、携帯入力装置としては、赤外線使用の電子ペン4に限らない。
【0077】
また、特殊なパターン(座標パターン)としては、6×6の36ドットで1つのパターンを示すものではなく、8×8の64ドットで1つのパターンを示すものとしたり、ドット自体の形状を変えてパターンの継続を増やすパターン形状など他のパターンとしても良い。また、光学パターンではなく、磁気パターン等としても良い。
【0078】
また、印刷媒体としては、紙の他に、セルロイド樹脂などの樹脂材、金属材など他の印刷媒体としても良い。
【0079】
また、上述の実施の形態のカーナビゲーションシステム1が持つ各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。例えば、制御部105における処理の全部またはその一部は、1又は複数のプログラムによりコンピュータ上で実現しても良く、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。
【0080】
また、上記実施の形態はあくまでも説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、ナビゲーション本体2の全部又は一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、例えば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計などにインストールし、ナビゲーション本体2として動作させ、あるいは、ナビゲーション本体2が行う工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ナビゲーション本体2となるコンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。
【図2】図1に示される紙地図の1ページを示す図である。
【図3】図2に示される紙地図の専用シートの部分断面図である。
【図4】図3に示されるシートに対する複数の座標パターンの印刷状態の一例を示す説明図である。
【図5】図1中の電子ペンの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図5中の不揮発性メモリに記憶される読取データのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図1中に示されるナビゲーション本体の構成を示すブロック図である。
【図8】図7中に示される速度情報記憶部が記憶する設定ルートのスタート地点からゴール地点までのリンクIDと対応付けられた全てのリンクの筆記速度を記憶する記憶テーブルの一例を示す図である。
【図9】本実施の形態におけるカーナビゲーションシステムの動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 カーナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
2 ナビゲーション本体
3 USBケーブル(通信ケーブル)
4 電子ペン(携帯入力装置)
5 紙地図(印刷媒体)
13 座標パターン
46 読取データ
51 読取座標データ
100 軌跡情報解析部
101 変換DB
102 ルート設定部
103 地図DB
104 入力部
105 制御部
106 ノードトレース時刻記憶部
107 速度情報記憶部
108 ルート案内シミュレーション部
109 設定ルート記憶部
110 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムおよびルート案内シミュレーションの速度設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の車両に搭載されるナビゲーションシステムにおいて、実走行前に、現在地(スタート地点)から目的地(ゴール地点)までのルート案内シミュレーション等を行う機能を有するものが知られている。この種の装置では、ルート案内シミュレーションを行う際の擬似車両の擬似走行速度を2倍速、3倍速等に変更可能としている。
【0003】
また、ルート案内シミュレーション中において、擬似走行速度を可変することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、右左折する交差点の無いルートが長く続く場合等、ユーザが冗長と感じるルートにおいては、ルート案内シミュレーションを早送り(擬似車両の走行速度を高速に)表示したり、逆に、複雑な交差点や分かりづらいインターチェンジ周辺等では、ルート案内シミュレーションを遅送り(擬似車両の走行速度を低速に)表示することにより、ユーザの必要性に応じ、ユーザが快適にルート案内シミュレーションを見ることを可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−021373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2倍速、3倍速等に変更可能なナビゲーションシステムでは、特定の道路状況におけるルート案内シミュレーションの表示速度(擬似車両の走行速度)を全ルートを通して一定に可変するのみであり、任意のルート上において、ユーザ所望のルート案内シミュレーションの表示速度の変更ができない。また、特許文献1記載の発明では、ユーザは、画面を見ながら走行速度を変更することになり注意力を要するものとなる。また、走行速度の変更のたびに操作が必要となり、非常にわずらわしいものとなる。
【0006】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたもので、ルート案内シミュレーションの表示速度をそのルート中で可変にでき、しかもその可変作業にわずらわしさが伴わないナビゲーションシステムおよびルート案内シミュレーションの速度設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、地図媒体上をなぞることで地図媒体を読み取り、地図媒体の表面をなぞる速さの検出を行う携帯入力装置と、を備え、ルート案内シミュレーションを行う際に、携帯入力装置にて地図媒体の表面を速くなぞった区間では所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くする制御を行うものである。
【0008】
また、本発明のナビゲーションシステムは、表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、地図媒体上を、ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルートに沿ってなぞることで、地図媒体を読み取り、地図媒体の表面をなぞる速さを検出する携帯入力装置と、を備え、ルート案内シミュレーションを行う際に、携帯入力装置にて地図媒体の表面を速くなぞった区間では所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くする制御を行うものである。
【0009】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、携帯入力装置により読み取られた軌跡情報に含まれる座標情報からナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報を生成する緯度経度生成手段と、緯度経度生成手段により生成された緯度経度情報が、ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルート上の各ノードに対応する緯度経度と一致した際に、軌跡情報に含まれる時刻情報を、各ノード毎にその緯度経度と対応付けて記憶するノードトレース時刻記憶部と、ノードトレース時刻記憶部に記憶されたノードの緯度経度と、隣接するノードであるか否かを判断する隣接ノード判定手段と、を備えるものである。
【0010】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、隣接ノード判定手段によりお互い隣接するノードであると判断された第1および第2の各ノードが隣接する区間であるリンクに対し、所定の識別情報をそれぞれ生成する識別情報生成手段と、第1および第2のノードそれぞれの時刻情報とから、携帯入力装置によるリンクの筆記速度を算出し、識別情報生成手段により生成された各識別情報と対応付けて記憶する速度情報記憶部と、ルート案内シミュレーションが開始されると、表示部に表示された設定ルートのスタート地点からゴール地点までの間に存在する所定の識別情報の付与された各リンク上を移動する所定のマークの移動速度を、速度情報記憶部に記憶された当該リンクの所定の識別情報に対応する筆記速度に比例して設定する移動速度設定手段と、を備えるものである。
【0011】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、携帯入力装置にて地図媒体をなぞることにより得られた軌跡情報を順次に全て記憶し、記憶された軌跡情報から設定ルートの設定を行い、設定ルートが設定されることによりノードの緯度経度が決定された段階で、各リンクの筆記速度の算出を行うことが好ましい。
【0012】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記発明において、各リンクは、各ノード以外の任意の地点により区切られることが好ましい。
【0013】
また、本発明のルート案内シミュレーションの速度設定方法は、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面をなぞることで、地図媒体を読み取り、地図媒体の表面をなぞる速さを検出するステップと、ルート案内シミュレーションを行う際に、地図媒体の表面を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くするステップと、を含むものである。
【0014】
また、本発明のルート案内シミュレーションの速度設定方法は、表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面を、ナビゲーションシステムによりルート選択された設定ルートに沿ってなぞることで、該表面をなぞる速さを検出するステップと、ルート案内シミュレーションを行う際に、地図媒体を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では所定のマークの移動速度を遅くするステップと、を含むものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ルート案内シミュレーションの表示速度をそのルート中で可変にでき、しかもその可変作業にわずらわしさが伴わないルート案内シミュレーションの表示速度の変更が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムおよびルート案内シミュレーションの速度設定方法を、図面に基づいて説明する。ナビゲーションシステムは、車両の一種である自動車に設置されて、自動車の道路案内に用いられるカーナビゲーションシステムを例に説明する。ルート案内シミュレーションの速度設定方法は、カーナビゲーションシステムの動作の一部として説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステム1を示す構成図である。カーナビゲーションシステム1は、自動車に設置されるナビゲーション装置としてのナビゲーション本体2と、ナビゲーション本体2とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3により接続可能な、携帯入力装置としての電子ペン4と、印刷物としての特殊なパターンと地図が印刷された地図媒体となる紙地図5と、を有する。USBケーブル3は、通信ケーブルの一種である。
【0018】
図2は、図1中の紙地図5中の1ページを示す図である。紙地図5は、複数のページで構成されていても良い。図3は、図2の特殊なパターンと地図が印刷された紙地図5である専用シートの部分断面図である。
【0019】
紙地図5は、図3に示すように、シート11の紙面に、赤外線を吸収するインク12aからなるドット12と、赤外線を透過するインク12bからなる地図とが印刷されたものである。シート11には、まず、赤外線を吸収するインク12aが印刷され、その上に、赤外線を透過するインク12bにより地図などの情報が印刷される。
【0020】
紙地図5のページには、赤外線を吸収するインク12aにより、複数の座標パターン13が印刷される。座標パターン13は、電子ペン4により読み取り可能な解像度のパターンであり、例えば、6×6個のドット12により構成されている。
【0021】
図4は、シート11に対する複数の座標パターン13の印刷状態の一例を示す説明図である。図4において、複数の座標パターン13を構成する複数のドット12は、略0.3ミリメートル間隔で、縦横に配列されている。そして、1つの座標パターン13は、6×6個のドット12により構成される。座標パターン13内におけるその複数のドット12の配置は、少なくともその紙面中の複数の座標パターン13において互いが区別できるように、座標パターン13毎に互いに異なる。
【0022】
座標パターン13は、左右上下に1列または1行ずれることで異なる座標パターン13となる。また、斜め上、斜め下に1ます分ずれることで異なる座標パターン13となる。図4で示す座標パターン13は、その座標パターン13の中心のます目である中心ます目13aの位置を示すパターンとなる。他の座標パターン13もそれぞれ中心位置を示すものとなる。
【0023】
具体的にはたとえば、各ドット12は、図4中の所定の一定間隔毎の縦基準線と横基準線とからなる直交格子16の交点の位置を基準として、上下左右のいずれか1つの方向(すなわち、4つの方向の中の1つの方向)へ少しずれた位置に印刷される。そして、各座標パターン13における6×6個の合計36個のドット12のずれ方向の組合せは、複数の座標パターン13の中で唯一なものとなっている。これにより、複数のドット12の中から6×6個のドット12を選んだとき、その36個のドット12のずれ方向の組合せは、他のすべての36個のドット12によるずれ方向の組合せと異なるものとすることができる。この組み合わせは4の36乗とおりとなる。
【0024】
この複数の座標パターン13の中で唯一となる36個のドット12のずれ方向の組合せにより、各座標パターン13には、ユニークな座標値を対応付けることができる。
【0025】
複数の座標パターン13は、図2の紙面の略全面に印刷される(図示せず)。しかし、地図画像21の箇所のみに座標パターン13を配置させても良い。複数の座標パターン13上には、地図画像21が重ねて印刷される。しかし、地図画像21の上に座標パターン13を印刷しても良い。
【0026】
シート11の略全面に印刷される複数の座標パターン13は、それぞれのユニークなドット12の配列に基づいて、電子ペン4により互いに異なる座標値の座標データへ変換される。地図画像21と重ねて印刷される複数の座標パターン13は、紙面上の位置に応じて互いに異なるものとなる。複数の座標パターン13は、たとえば紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換される。図2の紙面では、紙面の横方向がX軸であり、紙面の縦方向がY軸である。
【0027】
なお、複数の座標パターン13は、たとえば1冊の紙地図5のすべてのページを1つの大きな紙面上に並べたと仮定した状態において、その大きな紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換されるものであってもよい。この変形例の場合、二次元の座標データにより、ページ内の読取位置のみならず、紙地図5中のページも特定することが可能である。この二次元座標データは、上述したように、直交格子16の交点から少しずれた6×6の36個のドット群から絶対アドレスを算出するようになっている。これにより、この座標パターン13が印刷された位置や、どの紙(何ページ目の紙)であるかが判断される。
【0028】
紙地図5の各ページには、図3に示すように、赤外線を吸収するインク12aの上に、赤外線を透過するインク12bにより、自動車が通行可能な複数の道路を含む四角形の地図画像21や、各種の長方形のマーク22,23とが印刷される。地図画像21および複数の電子ペン用マーク22,23は、シート11の別々の領域に、互いに重ることがないように領域を分けて印刷される。
【0029】
赤外線を透過するインク12aによりシート11に形成される電子ペン用マーク22,23は、電子ペン4を制御するためのものである。電子ペン用マーク22,23には、たとえばリセットマーク22、決定マーク23などがある。なお、シート11には、電子ペン用マーク22,23の他にも、たとえば、目的地設定マーク、ランドマーク取得マークなどの、電子ペン4により読み取った座標パターン13の利用を制御するためのコマンドマークなどを印刷してもよい。
【0030】
図5は、図1中の電子ペン4の構成を示すブロック図である。電子ペン4は、ペン軸31、筆圧センサ32、赤外線LED(Light Emitting Diode)33、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ34、USBケーブル3が接続されるUSBI/F(USBインタフェース)35、時刻情報を生成するタイマ36、不揮発性メモリ37、マイクロコンピュータ38などを有する。電子ペン4は、図1に示すように、細長い棒形状のハウジング39を有する。
【0031】
なお、電子ペン4や後述するナビゲーション本体2は、USBI/F35の代わりに、たとえばブルートゥースなどの無線通信I/Fを備えるものであってもよい。また、タイマ36は、電子ペン4がたとえばリセットされてからの経過時間などを時刻として計測するものであってもよい。
【0032】
また、不揮発性メモリ37は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などで構成されるが、省略することも可能である。この場合、すなわち、不揮発性メモリ37が電子ペン4内部に設けられている場合には、例えば、読取データ(サンプリングデータ)の読み取りが終了するまで、不揮発性メモリ37に一旦読取データを記憶しておき、電子ペン4に設けられたスイッチ(図示せず)等を操作することにより、或いはナビゲーション本体2にて何らかの操作が行われることにより、不揮発性メモリ37に記憶された読取データがナビゲーション本体2の軌跡情報解析部(後述)100に軌跡情報として送信されることとなる。一方、不揮発性メモリ37が設けられていない場合には、例えば、電子ペン4にて読み取られた読取データがサンプリングされる度に、ナビゲーション本体2の軌跡情報解析部(後述)100に軌跡情報として送信されることとなる。
【0033】
ペン軸31は、この細長い棒形状のハウジング39の一端部に、突出して配設される。筆圧センサ32は、ペン軸31に作用する筆圧を検出する。筆圧センサ32は、検出した筆圧値をマイクロコンピュータ38へ出力する。電子ペン4は、このペン軸31を利用して画や文字を描くことができるようになっているが、文字等を描くことができず、紙地図5を単になぞるだけのスタイラスペンとしてもよい。
【0034】
赤外線LED33およびCMOSセンサ34は、ハウジング39の一端部において、ボールペン軸31の配設位置の周囲に配設される。赤外線LED33は、ボールペン軸31の先端が紙面に触れるとき、その接触部位およびその周囲の部位へ赤外線を照射する。CMOSセンサ34は、紙面のその接触部位およびその周囲の部位により反射される赤外線を受光する。CMOSセンサ34は、受光した赤外線の強度分布データを、マイクロコンピュータ38へ出力する。
【0035】
マイクロコンピュータ38は、メモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポート(図示せず)などを有する。入出力ポートには、筆圧センサ32、赤外線LED33、CMOSセンサ34、USBI/F35、タイマ36、不揮発性メモリ37などが接続される。電子ペン4のCPUは、不図示のメモリなどから制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、電子ペン4のマイクロコンピュータ38には、読取データ生成部41と、読取データ送信部42と、が実現される。
【0036】
読取データ生成部41は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13を紙面中の座標値へ変換し、図6に示す読取データ46を生成する。すなわち、座標値の読取座標データ(読取座標情報)51などを有する読取データ(読取情報)46を生成する。読取データ(情報)生成部41は、生成した読取データ46を不揮発性メモリ37に記憶させる。
【0037】
図6は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される所定時間内の読取データ46のデータ構造の一例を示す図である。読取データ46は、通常、複数のレコードで構成される。図6では、横一列が1つのレコードに相当する。読取データ46の各レコードは、少なくとも、読取座標データ(情報)51と、ペン圧レベルデータ(情報)52と、読取時刻データ(情報)53と、を有する。読取座標データ51は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13から得られる座標値を有する座標データであり、X,Yの二次元の座標データである。ペン圧レベルデータ52は、筆圧センサ32が検出した筆圧値を有するデータである。読取時刻データ53は、ある1つの座標パターン13が得られたときの、タイマ36が計測する時刻を有するデータである。なお、ペン圧レベルデータ(情報)52は省略しても良い(本実施の形態では必須ではない)。
【0038】
図2中のリセットマーク22や決定マーク23の部分は、各マーク22,23印刷されている位置を示す読取座標データに、「リセット」や「決定」の各機能を紐付けすることで、各機能を実現するようにしている。なお、本実施の形態において、リセットマーク22および決定マーク23は省略することが可能である。
【0039】
読取データ送信部42は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を、USBI/F35を介してUSBケーブル3により接続される機器へ送信する。図1のカーナビゲーションシステム1では、電子ペン4のUSBI/F35には、USBケーブル3によりナビゲーション本体2が接続される。読取データ送信部42は、ナビゲーション本体2へ、不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を送信する。
【0040】
図7は、カーナビゲーションシステム1の構成を示すブロック図である。カーナビゲーションシステム1は、軌跡情報解析部100、変換DB(データベース)101、ルート設定部102、地図DB(データベース)103、入力部104、制御部105、ノードトレース時刻記憶部106、速度情報記憶部107、ルート案内シミュレーション部108、設定ルート記憶部109、表示部110、RAM(Random Access Memory)111、ROM(Read Only Memory)112、およびシステムバス113により構成される。なお、図7では、本実施の形態に関わる部分のみの構成を示しており、カーナビゲーションシステムの構成全体を示したものではない。また、図7では、説明を簡単にするため、1つの制御部(制御部105)によりカーナビゲーションシステム1の制御を行うものとしているが、これに限定されることは無く、各機能ブロック毎に制御部を有するユニット構成とすることも可能である。
【0041】
電子ペン4は、特殊なパターンが印刷された専用の紙地図5をなぞる(例えば、所定のペン圧レベル以上にてトレースする)ことにより、所定の間隔にて紙地図5の軌跡情報(読取座標情報および読取時刻情報)を読み取り、軌跡情報解析部100に供給する。
【0042】
緯度経度生成手段である軌跡情報解析部100は、電子ペン4より供給された軌跡情報に含まれる座標情報を、変換DB101に記憶された、座標情報を緯度経度情報に変換するテーブルを参照することで、ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報に変換(生成)し、軌跡情報に含まれる時刻情報と共に制御部105に供給する。
【0043】
変換DB101は、座標情報を緯度経度情報に変換するテーブル等を記憶する。なお、これらのテーブルは、例えば、外部より提供されるものとしてもよい。また、変換DB101の情報と地図DB103と紙地図5の情報は整合が取れているものとする。また、電子ペン4側で行っている座標パターン13を座標情報すなわち読取座標情報51に変換するテーブルを変換DB101が持つようにしても良い。
【0044】
ルート設定部102は、入力部104より入力されたスタート地点およびゴール地点に基づき、制御部105の制御のもと、地図DB103を参照して設定ルートを検索・設定する。検索・設定された設定ルートは設定ルート記憶部109に記憶される。なお、設定ルートは、候補となるルートが複数検索され、ユーザ選択によって最終的な設定ルートが決定されるようにしてもよい。また、設定ルートは表示部110に表示される。
【0045】
地図DB103は、地図情報を記憶する。入力部104は、図示しない所定の操作手段の操作内容に基づいた所定の信号を制御部105に供給する。
【0046】
識別情報生成手段(リンクIDを生成する手段)、隣接ノード判定手段および移動速度設定手段である制御部105は、プロセッサ等から構成され、カーナビゲーションシステム1全体の動作を制御する。
【0047】
制御部105は、軌跡情報解析部100より供給された緯度経度が、設定ルート記憶部109に記憶されている設定ルート上の交差点などの分岐点であるノードに対応する緯度経度と一致した際に、供給された時刻情報を、各ノード毎にその緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶する。
【0048】
また、制御部105は、ノードが隣接する区間(経路)であるリンク全てに対し、リンクID(識別情報とも称する)を生成し付与する。なお、このリンクIDは、設定ルートのスタート地点からゴール地点に向けて、順番に、昇順に番号を付与することが好ましいが、ランダムに付与しても構わない。
【0049】
また、制御部105は、上述のリンクの両端のノード(隣接するノード:トレース開始時はスタート地点とその次のノードでトレース終了時は最後のノードとゴール地点)それぞれに、その緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶された各ノードの時刻情報とリンク(経路)の距離から、当該リンクを電子ペン4にてなぞった速度(筆記速度)を演算により求め、上述のリンクIDと対応付けて速度情報記憶部107に記憶する。なお、上述の隣接するノードは、ノードトレース時刻記憶部106に記憶された各ノードの緯度経度情報に基づいて、制御部(隣接ノード判定手段)105により判断される。
【0050】
また、制御部105は、表示部110に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションが開始されると、表示部110に表示された設定ルートのスタート地点からゴール地点までの各リンク上を移動する上述の所定のマークの移動速度を、速度情報記憶部107に記憶された当該リンクの所定のリンクIDに対応する筆記速度に比例させて設定する。
【0051】
また、制御部105は、入力部104より所定の信号が供給されると、ルート案内シミュレーション部108を制御し、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションを開始し、表示部110に表示する。
【0052】
さらに、制御部105は、設定ルートの電子ペン4によるトレースが終了したか否かを判断する。この判断(トレース終了の判断)は、例えば、軌跡情報解析部100より供給される緯度経度情報が、設定ルートのゴール地点の緯度経度と一致した場合に行われる。
【0053】
ノードトレース時刻記憶部106は、電子ペン4が各ノードをなぞった(トレースした)時刻情報と、当該ノードの緯度経度とが対応付けられた情報(ノードトレース情報)を記憶する。
【0054】
速度情報記憶部107は、設定ルートのスタート地点からゴール地点までの全てのリンクの筆記速度を、所定のリンクIDと共に記憶する。速度情報の例を図8に示す。ここで、リンクID1は、開始地点から最初のノードまでを示し、リンクID2は、最初のノードから次のノードまでを示す。このように、ノード間を示すものがリンクIDとなる。筆記速度は、スタート地点からゴール地点までの速度を相対化し、5段階に分けて表示される。この筆記速度は、10段階表示としたりなど、他の段階表示としても良い。
【0055】
ルート案内シミュレーション部108は、制御部105の制御のもとで、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションを行い、表示部110に出力(画像表示)する。
【0056】
表示部110は、地図情報や設定ルートやルート案内シミュレーション等の表示を行う。
【0057】
RAM111は、制御部105のワークエリアとして機能する。ROM112は、このカーナビゲーションシステム1全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)や動作プログラムや各種のデータを記憶する。
【0058】
システムバス113は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0059】
次に、本実施の形態におけるカーナビゲーションシステム1の動作の一例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
まず、カーナビゲーションシステム1のルート設定部102は、入力部104より入力されたスタート地点およびゴール地点に基づき、制御部105の制御のもと、地図DB103を参照して設定ルートを検索・設定し、表示部110に表示し(ステップS1:設定ルートの取得)、処理をステップS2に移す。
【0061】
ステップS2に移行し、電子ペン4により設定ルートのトレース(ルート案内シミュレーションの速度設定)が開始されると、電子ペン4は、軌跡情報解析部100に対し、紙地図5から所定の間隔で読み取った軌跡情報(座標情報および時刻情報)の供給を開始(軌跡情報の取得)し、処理をステップS3に移す。
【0062】
ステップS3に移行すると、軌跡情報解析部100は、制御部105の制御のもと、電子ペン4より供給された軌跡情報に含まれる座標情報を、変換DB101に記憶された座標情報を緯度経度情報に変換するテーブルを参照することで、ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報に変換し、軌跡情報に含まれる時刻情報と共に制御部105に供給し、処理をステップS4に移す。
【0063】
ステップS4に移行すると、制御部105は、ノードを検出したか否か、すなわち、軌跡情報解析部100より供給された緯度経度が、設定ルート記憶部109に記憶されている設定ルート上のノードに対応する緯度経度と一致するか否かを判断し、一致していないと判断された場合(NO:ノードが検出されない場合)には処理をステップS2に戻し、一致していると判断された場合(YES:ノードが検出された場合)には処理をステップS5に移す。
【0064】
ステップS5に移行すると、制御部105は、当該ノードをなぞった(緯度経度が一致)時に供給された時刻情報を、その緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶し、処理をステップS6に移す。なお、トレース開始時はスタート地点が最初のノードとなり、トレース終了時はゴール地点が最後のノードとなる。
【0065】
ステップS6に移行すると、制御部105は、現在のノードと1つ前のノードとの区間(経路)であるリンクに対し、所定のリンクIDを生成し付与する。そして、上述の現在のノードと1つ前のノードそれぞれに、その緯度経度と対応付けてノードトレース時刻記憶部106に記憶された各ノードの時刻情報とリンク(経路)の距離から、当該リンクを電子ペン4にてなぞった速度(筆記速度)を演算により求め、上述のリンクIDと対応付けて速度情報記憶部107に記憶し、処理をステップS7に移す。この時に記憶される速度は絶対速度である。
【0066】
ステップS7に移行すると、制御部105は、設定ルートの電子ペン4によるトレースが終了したか否かを判断する。トレースが終了していないと判断された場合(NO)には処理をステップS2に戻し、トレースが終了したと判断された場合(YES)には処理をステップS8に移す。
【0067】
ステップS8に移行すると、制御部105は、入力部104より所定の信号(ルート案内シミュレーション開始の信号)が供給されたか否かを判断する。信号が確認されなかった場合には、所定時間後にステップS8を再度行い、確認された場合には、処理をステップS9に移す。このステップS9では、ステップS6で記録された絶対速度の最低と最高の範囲とシミュレーション可能な速度範囲とから、リンクID毎に5段階表示の速度を生成する。筆記速度1は、シミュレーション時の最も遅い速度で、筆記速度5は、シミュレーション時に可能となる速度中、最も速い速度となる。このステップS9の処理は、ステップS7の後に行うようにしても良い。
【0068】
ステップS9の後、ステップS10に移行すると、制御部105は、ルート案内シミュレーション部108を制御し、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーションを開始し、表示部110に表示する。この際、制御部105は、表示部110に表示された、設定ルートのスタート地点からゴール地点までの各リンク上を移動する上述の所定のマークの移動速度を、速度情報記憶部107に記憶された当該リンクの所定のリンクIDに対応する5段階の相対速度となる筆記速度に比例させて設定する。そして、ルート案内シミュレーションが終了すると一連の処理を終了する。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、上述のフローチャートによる動作の説明では、設定ルートのスタート地点からゴール地点まで電子ペン4によって紙地図5上をトレースする場合において、ノードが検出される度に、各リンク毎の筆記速度を、求めて(演算して)いる。しかし、電子ペン4が各ノードをなぞった(検出した)際の時刻情報と、当該ノードの緯度経度とを対応付けた全ての情報(ノードトレース情報)を、一旦ノードトレース時刻記憶部106に記憶しておき、電子ペン4による設定ルートのトレースが終了した時点で、ノードトレース時刻記憶部106より上述の緯度経度と対応付けられた各ノード毎の時刻情報を読み出すことにより、各リンク毎の筆記速度を一度に求めて、速度情報記憶部107に記憶するようにしても良い。
【0070】
また、本実施の形態では、電子ペン4が、紙地図5をなぞる速さ(筆記速度)を、ナビゲーション本体2により求めて(演算して)いるが、例えば、電子ペン4内の読取データ生成部41等にて演算により求め、不揮発性メモリ37内(エリアは図示せず)に記憶しておき、制御部105が、ルート案内シミュレーション時に、電子ペン4内の不揮発性メモリ37より読み出すことでルート案内シミュレーションを行うようにしても良い。
【0071】
また、本実施の形態では、シミュレーション時の擬似車両(所定のマーク)の走行速度を筆速により可変させているが、これに限られることは無く、例えば、読取データ46にペン圧レベル情報52を設け、このペン圧レベル情報52から得られるペン圧に基づいて可変するようにしてもよいし、或いは、道路の状態によって変えてるようにしても良い。
【0072】
また、シミュレーション時の擬似車両の走行速度を5段階に分けているが、この段階はシミュレーション開始時にユーザが自由に設定できるようにしても良い。たとえば、3段階として指示された場合、制御部15は、記憶されている絶対速度または時刻の情報を取得し、3段階に区分し、図8に示す速度情報を書き直すことになる。
【0073】
また、本実施の形態では、予めカーナビゲーションシステム1の案内ルート(設定ルート)が事前(電子ペン4が、紙地図5をなぞる前)に設定されているものとして説明を行っているが、ルート設定(この場合、電子ペン4がなぞった紙地図5上のルートを設定ルートとする)と筆記速度(速度情報)の記録を同時に行うようにしても良い。この場合、入力時(紙地図5のトレース時)においては、設定ルートのノードが不定であるので、全ての軌跡情報について時刻情報を記録しておき、カーナビゲーションシステムにルートが設定された段階で、各リンクの速度(筆記速度)の算出を行うようにすればよい。
【0074】
また、本実施の形態では、デモ走行(ルート案内シミュレーション)のシミュレーションについてのみ記載しているが、電子ペン4が紙地図5をトレースしている際に、その読取速度(トレース速度)に対応させて、リアルタイムにその状況(ルート案内シミュレーション等)を表示部110に表示するようにしても良い。なお、表示部110を、電子ペン4に設けるようにしてもよい。
【0075】
また、本実施の形態における各リンクは、ノードによって区切られているとして説明したが、設定ルート上の各ノード以外の任意の地点にて区切られるようにしても良い。
【0076】
また、携帯入力装置としては、赤外線使用の電子ペン4に限らない。
【0077】
また、特殊なパターン(座標パターン)としては、6×6の36ドットで1つのパターンを示すものではなく、8×8の64ドットで1つのパターンを示すものとしたり、ドット自体の形状を変えてパターンの継続を増やすパターン形状など他のパターンとしても良い。また、光学パターンではなく、磁気パターン等としても良い。
【0078】
また、印刷媒体としては、紙の他に、セルロイド樹脂などの樹脂材、金属材など他の印刷媒体としても良い。
【0079】
また、上述の実施の形態のカーナビゲーションシステム1が持つ各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。例えば、制御部105における処理の全部またはその一部は、1又は複数のプログラムによりコンピュータ上で実現しても良く、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。
【0080】
また、上記実施の形態はあくまでも説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、ナビゲーション本体2の全部又は一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、例えば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計などにインストールし、ナビゲーション本体2として動作させ、あるいは、ナビゲーション本体2が行う工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ナビゲーション本体2となるコンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。
【図2】図1に示される紙地図の1ページを示す図である。
【図3】図2に示される紙地図の専用シートの部分断面図である。
【図4】図3に示されるシートに対する複数の座標パターンの印刷状態の一例を示す説明図である。
【図5】図1中の電子ペンの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図5中の不揮発性メモリに記憶される読取データのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図1中に示されるナビゲーション本体の構成を示すブロック図である。
【図8】図7中に示される速度情報記憶部が記憶する設定ルートのスタート地点からゴール地点までのリンクIDと対応付けられた全てのリンクの筆記速度を記憶する記憶テーブルの一例を示す図である。
【図9】本実施の形態におけるカーナビゲーションシステムの動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 カーナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
2 ナビゲーション本体
3 USBケーブル(通信ケーブル)
4 電子ペン(携帯入力装置)
5 紙地図(印刷媒体)
13 座標パターン
46 読取データ
51 読取座標データ
100 軌跡情報解析部
101 変換DB
102 ルート設定部
103 地図DB
104 入力部
105 制御部
106 ノードトレース時刻記憶部
107 速度情報記憶部
108 ルート案内シミュレーション部
109 設定ルート記憶部
110 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、
上記表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、
上記地図媒体上をなぞることで上記地図媒体を読み取り、上記地図媒体の表面をなぞる速さの検出を行う携帯入力装置と、
を備え、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記携帯入力装置にて上記地図媒体の表面を速くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、
上記表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、
上記地図媒体上を、上記ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルートに沿ってなぞることで、上記地図媒体を読み取り、上記地図媒体の表面をなぞる速さを検出する携帯入力装置と、
を備え、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記携帯入力装置にて上記地図媒体の表面を速くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記携帯入力装置により読み取られた軌跡情報に含まれる座標情報から前記ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報を生成する緯度経度生成手段と、
上記緯度経度生成手段により生成された緯度経度情報が、前記ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルート上の各ノードに対応する緯度経度と一致した際に、上記軌跡情報に含まれる時刻情報を、上記各ノード毎にその緯度経度と対応付けて記憶するノードトレース時刻記憶部と、
上記ノードトレース時刻記憶部に記憶されたノードの緯度経度と、隣接するノードであるか否かを判断する隣接ノード判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記隣接ノード判定手段によりお互い隣接するノードであると判断された第1および第2の各ノードが隣接する区間であるリンクに対し、所定の識別情報をそれぞれ生成する識別情報生成手段と、
上記第1および第2のノードそれぞれの時刻情報とから、前記携帯入力装置による上記リンクの筆記速度を算出し、上記識別情報生成手段により生成された各識別情報と対応付けて記憶する速度情報記憶部と、
前記ルート案内シミュレーションが開始されると、前記表示部に表示された前記設定ルートのスタート地点からゴール地点までの間に存在する所定の識別情報の付与された前記各リンク上を移動する前記所定のマークの移動速度を、上記速度情報記憶部に記憶された当該リンクの所定の識別情報に対応する上記筆記速度に比例して設定する移動速度設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記携帯入力装置にて前記地図媒体をなぞることにより得られた軌跡情報を順次に全て記憶し、
前記記憶された軌跡情報から前記設定ルートの設定を行い、
前記設定ルートが設定されることにより前記ノードの緯度経度が決定された段階で、前記各リンクの筆記速度の算出を行う、
ことを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記各リンクは、前記各ノード以外の任意の地点により区切られることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面をなぞることで、上記地図媒体を読み取り、上記地図媒体の表面をなぞる速さを検出するステップと、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記地図媒体の表面を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くするステップと、
を含むことを特徴とするルート案内シミュレーションの速度設定方法。
【請求項8】
表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面を、ナビゲーションシステムによりルート選択された設定ルートに沿ってなぞることで、該表面をなぞる速さを検出するステップと、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記地図媒体を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くするステップと、
を含むことを特徴とするルート案内シミュレーションの速度設定方法。
【請求項1】
表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、
上記表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、
上記地図媒体上をなぞることで上記地図媒体を読み取り、上記地図媒体の表面をなぞる速さの検出を行う携帯入力装置と、
を備え、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記携帯入力装置にて上記地図媒体の表面を速くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
表示部に表示された地図上で、移動体の走行位置を示す所定のマークを移動させ、擬似走行によるルート案内を行うルート案内シミュレーション機能を有するナビゲーションシステムであって、
上記表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体と、
上記地図媒体上を、上記ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルートに沿ってなぞることで、上記地図媒体を読み取り、上記地図媒体の表面をなぞる速さを検出する携帯入力装置と、
を備え、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記携帯入力装置にて上記地図媒体の表面を速くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記携帯入力装置により読み取られた軌跡情報に含まれる座標情報から前記ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度情報を生成する緯度経度生成手段と、
上記緯度経度生成手段により生成された緯度経度情報が、前記ナビゲーションシステムによりルート検索された設定ルート上の各ノードに対応する緯度経度と一致した際に、上記軌跡情報に含まれる時刻情報を、上記各ノード毎にその緯度経度と対応付けて記憶するノードトレース時刻記憶部と、
上記ノードトレース時刻記憶部に記憶されたノードの緯度経度と、隣接するノードであるか否かを判断する隣接ノード判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記隣接ノード判定手段によりお互い隣接するノードであると判断された第1および第2の各ノードが隣接する区間であるリンクに対し、所定の識別情報をそれぞれ生成する識別情報生成手段と、
上記第1および第2のノードそれぞれの時刻情報とから、前記携帯入力装置による上記リンクの筆記速度を算出し、上記識別情報生成手段により生成された各識別情報と対応付けて記憶する速度情報記憶部と、
前記ルート案内シミュレーションが開始されると、前記表示部に表示された前記設定ルートのスタート地点からゴール地点までの間に存在する所定の識別情報の付与された前記各リンク上を移動する前記所定のマークの移動速度を、上記速度情報記憶部に記憶された当該リンクの所定の識別情報に対応する上記筆記速度に比例して設定する移動速度設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記携帯入力装置にて前記地図媒体をなぞることにより得られた軌跡情報を順次に全て記憶し、
前記記憶された軌跡情報から前記設定ルートの設定を行い、
前記設定ルートが設定されることにより前記ノードの緯度経度が決定された段階で、前記各リンクの筆記速度の算出を行う、
ことを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記各リンクは、前記各ノード以外の任意の地点により区切られることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面をなぞることで、上記地図媒体を読み取り、上記地図媒体の表面をなぞる速さを検出するステップと、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記地図媒体の表面を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くするステップと、
を含むことを特徴とするルート案内シミュレーションの速度設定方法。
【請求項8】
表示部に表示された地図の位置を特定できる特殊なパターンとが印刷された地図媒体の表面を、ナビゲーションシステムによりルート選択された設定ルートに沿ってなぞることで、該表面をなぞる速さを検出するステップと、
ルート案内シミュレーションを行う際に、上記地図媒体を速くなぞった区間では、移動体の走行位置を示す所定のマークの移動速度を速くし、遅くなぞった区間では上記所定のマークの移動速度を遅くするステップと、
を含むことを特徴とするルート案内シミュレーションの速度設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−229143(P2009−229143A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72411(P2008−72411)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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