説明

ナビゲーションシステム

【課題】 車両に搭載される車載ナビゲーション装置と利用者の携帯可能な携帯ナビゲーション装置とを備えたナビゲーションシステムにおいて、広範囲の広告情報をより多く得て、前記携帯ナビゲーション装置の利用者が広告情報を効率良く活用できるようにする。
【解決手段】 車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に周辺店舗3から受信した広告情報を記憶する(ステップSA4)。利用者の車両Vからの降車が降車検出部20によって検出された際(ステップSA11)に、前記車載ナビゲーション装置1から携帯ナビゲーション装置2に所定の広告情報を送信し、該携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37に記憶させる(ステップSA16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載ナビゲーション装置及び利用者の携帯可能な携帯ナビゲーション装置が近距離無線通信によって互いに通信可能に構成されたナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、移動体に搭載されたナビゲーション装置に対して情報センターに設けられたサーバから必要な情報を転送するように構成されたナビゲーションシステムが知られている。このものでは、例えば、特許文献1に開示されるように、旅行計画などの情報が記憶されたサーバと移動体に搭載されたナビゲーション装置とがネットワーク網等を介して通信可能に構成されていて、ナビゲーション装置からサーバへ操作情報等が送信される一方、その操作情報に応じて該サーバからナビゲーション装置へ旅行計画等の情報が転送されるようになっている。
【0003】
ところで、近年、通信可能範囲が数mから数100mであるDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)などの近距離無線通信技術が開発されており、この技術を応用したものとして、飲食店などの各店舗が、その周辺に位置するナビゲーション機能付きの携帯電話などのような携帯ナビゲーション装置に対して広告情報等を配信するシステムが考えられている。このようなシステムを構築することにより、周辺施設の宣伝効果及び利用者の利便性の向上が期待されている。
【特許文献1】特開平11−143358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、携帯ナビゲーション装置によって周辺施設の広告情報を受信する場合、該携帯ナビゲーション装置の利用者が徒歩で移動していると、広告情報の得られる範囲は、該携帯ナビゲーション装置を携帯して移動する利用者が徒歩で移動可能な行動範囲に限定されるため、多くの広告情報を得ることは難しい。
【0005】
また、前記携帯ナビゲーション装置によって周辺施設の広告情報を受信して、随時、その広告情報の検索及び閲覧ができるようにしようとすると、その受信した広告情報を該携帯ナビゲーション装置に記憶させておく必要があるが、携帯性の観点からコンパクトであることが要求される携帯ナビゲーション装置では、記憶容量が制限されるため、周辺の施設から受信できる広告情報が制限されてしまい、広告情報を十分に活用できない可能性がある。
【0006】
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両に搭載される車載ナビゲーション装置と利用者の携帯可能な携帯ナビゲーション装置とを備えたナビゲーションシステムにおいて、該車載ナビゲーション装置が車両とともに広範囲を移動すること及び該車載ナビゲーション装置の記憶容量が相対的に大容量であることに着目し、広範囲の広告情報をより多く得て、前記携帯ナビゲーション装置の利用者が広告情報を効率良く活用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係るナビゲーションシステムでは、車両に搭載された車載ナビゲーション装置で周辺施設の広告情報を受信して記憶するとともに、利用者が車両から降車する際に、前記車載ナビゲーション装置に記憶された広告情報のうち、所定の広告情報を携帯ナビゲーション装置に送信するようにした。
【0008】
すなわち、請求項1の発明では、車両に搭載された車載ナビゲーション装置と、該車載ナビゲーション装置と通信するための携帯通信手段を有する携帯ナビゲーション装置と、を備えたナビゲーションシステムを対象とする。
【0009】
そして、前記車載ナビゲーション装置は、周辺施設から送信される広告情報を受信するとともに、前記携帯ナビゲーション装置との間で情報を送受信するための車載通信手段と、前記車載通信手段によって受信した広告情報を記憶するための記憶手段と、前記携帯ナビゲーション装置の利用者の車両からの降車状態を検出する降車状態検出手段と、前記降車状態検出手段によって利用者の車両からの降車状態が検出された場合に、前記記憶手段に記憶された広告情報のうち、所定の広告情報を前記車載通信手段によって前記携帯ナビゲーション装置に送信する広告情報送信手段とを備えているものとする。一方、前記携帯ナビゲーション装置は、前記広告情報送信手段から送信された広告情報を記憶する携帯ナビ記憶手段と、前記携帯ナビ記憶手段によって記憶されている広告情報を表示するための表示手段とを備えているものとする。
【0010】
この構成により、車載ナビゲーション装置が車両の周辺施設からの広告情報を受信して記憶装置に記憶するとともに、その記憶した広告情報のうち、所定の広告情報を利用者が車両から降車する際に携帯ナビゲーション装置に送信するようにしたため、車両とともに比較的、広範囲を移動する車載ナビゲーション装置によって、より多くの広告情報を入手することができるとともに、その入手した広告情報の中から利用者が必要とする所定の情報のみを携帯ナビゲーション装置に送信することができる。したがって、携帯ナビゲーション装置に膨大な広告情報を記憶させるための大容量の記憶装置を設ける必要がなくなり、携帯ナビゲーション装置の携帯性を確保するうえで有利になるとともに、広範囲で得られた多くの広告情報の中から利用者に提供する情報を選択することで、利用者の嗜好や目的等に合致した情報をより多く提供することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0011】
しかも、広告情報は、車載ナビゲーション装置によって直接、受信されて、記憶されるため、携帯ナビゲーション装置を携帯した利用者が車両に乗車していない場合でも、前記車載ナビゲーション装置によって、より多くの広告情報を集めることができる。
【0012】
ここで、所定の広告情報とは、携帯ナビゲーション装置の記憶容量内で記憶することができるように選別された広告情報のことであり、車載ナビゲーション装置の記憶手段に記憶された広告情報の中から、例えば情報の種別や施設の位置等によって選別するのが好ましい。
【0013】
具体的には、前記所定の広告情報は、車載ナビゲーション装置の現在位置周辺、携帯ナビゲーション装置の現在位置周辺、該携帯ナビゲーション装置に設定された目的地周辺及び該目的地までの経路周辺のうち、少なくとも一つの範囲の広告情報を含むのが好ましい(請求項2の発明)。これにより、車載ナビゲーション装置に記憶された広告情報のうち、利用者が必要とするであろう現在位置周辺、目的地周辺若しくは目的地までの経路周辺の情報のみが携帯ナビゲーション装置に送信されるため、該携帯ナビゲーション装置の限られた記憶容量内で広告情報を記憶することができるとともに、携帯ナビゲーション装置での広告情報の検索時間等を短縮することができ、利用者の利便性をより向上することができる。
【0014】
また、車載ナビゲーション装置は、該車載ナビゲーション装置に設定された目的地から所定距離以上、離れた周辺施設の広告情報が、記憶手段に記憶されるのを規制する記憶規制手段を備えているのが好ましい(請求項3の発明)。ここで、所定距離とは、例えば、目的地で車両から降りた利用者が徒歩で移動できないほど長い距離など、利用者が広告情報を利用する可能性の低い範囲までの距離を意味している。こうすることで、利用者が利用する可能性の低い広告情報を車載ナビゲーション装置に記憶しないようにして、該車載ナビゲーション装置の記憶容量を無駄に消費するのを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
以上より、本発明に係るナビゲーションシステムによれば、車載ナビゲーション装置が周辺施設からの広告情報を受信して記憶するとともに、その記憶した広告情報のうち、所定の広告情報を携帯ナビゲーション装置に送信するようにしたため、広範囲を移動する車載ナビゲーション装置によって多くの広告情報を入手することができるとともに、利用者の必要とする情報のみを携帯ナビゲーション装置に表示させることができる。したがって、携帯ナビゲーション装置の携帯性を確保しつつ、利用者の利便性を向上することができる。
【0016】
また、広告情報を配信する周辺施設が車載ナビゲーション装置に設定された目的地から所定距離以上、離れていて、その広告情報を利用者が利用する可能性が低い場合には、車載ナビゲーション装置の記憶手段への広告情報の記憶を規制することで、該車載ナビゲーション装置の記憶容量を無駄に消費することなく、利用者の利用する可能性が高い情報をより多く記憶させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0018】
(ナビゲーションシステムの全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムAの全体構成を示し、このナビゲーションシステムAは、少なくとも、車両Vに搭載された車載ナビゲーション装置1と、携帯電話やPDAなどの携帯端末としての携帯ナビゲーション装置2とを備え、さらに、この実施形態では、前記車載ナビゲーション装置1及び携帯ナビゲーション装置2に、それぞれ、数メートルから数百メートルの短距離間で通信可能に構成された近距離無線通信機が設けられていて、該車載ナビゲーション装置1と携帯ナビゲーション装置2との間で通信可能なように、また飲食店などの周辺店舗3(周辺施設)の近距離無線通信機から発信される広告情報を受信可能なように構成されている。
【0019】
すなわち、本実施形態におけるナビゲーションシステムAでは、図2に示すように、周辺の店舗3,3,…から広告情報が配信されている場合に、その受信可能範囲内(図中に点線で示す範囲内)に位置する車載ナビゲーション装置1若しくは携帯ナビゲーション装置2が前記広告情報を受信するようになっている。また、前記ナビゲーションシステムAでは、詳しくは後述するが、比較的、記憶容量の大きい車載ナビゲーション装置1に多くの広告情報を記憶しておくとともに、利用者が車両Vから降車する際には、車載ナビゲーション装置1から必要な情報のみを送信して携帯ナビゲーション装置2に記憶するようになっている。
【0020】
前記車載ナビゲーション装置1は、車両Vに搭載され、予め設定された目的地まで経路誘導を行うナビゲーション機能を有するものであり、各種信号の制御処理を行うコントローラとしての車載ナビCPU11を備えている。この車載ナビCPU11には、GPS信号やジャイロセンサからの出力信号等に基づいて車両Vの現在地を検出する現在地検出センサ12と、地図情報が記憶された地図メモリ13と、車両Vの現在地や周辺地図等の各種情報を画面上に表示するディスプレイ14と、各種設定操作等を行うための操作スイッチ15とが接続されている。なお、前記車載ナビCPU11は、ナビゲーション専用のものに限らず、汎用性のあるものであってもよい。
【0021】
この構成により、前記車載ナビゲーション装置1は、通常のナビゲーション機能として、地図データ上に前記現在地検出センサ12によって検出した車両Vの現在地を重畳表示することで該車両Vの経路誘導を行えるようになっている。
【0022】
また、前記車載ナビCPU11には、携帯ナビゲーション装置2や周辺の店舗3と通信を行うための車載通信手段としての近距離無線通信機16と、該近距離無線通信機16によって受信した広告情報を記憶しておく記憶手段としての広告情報メモリ17と、前記近距離無線通信機16によって携帯ナビゲーション装置2と通信する際に該ナビゲーション装置2を認識するためのID番号や携帯ナビゲーション装置2毎に設定される各種条件データが記憶された携帯ナビメモリ18と、利用者の車両Vへの乗車状態を検出する乗車検出部19と、該利用者の車両Vからの降車状態を検出する降車検出部20(降車状態検出手段)と、が接続されている。
【0023】
そして、前記車載ナビCPU11は、前記近距離無線通信機16によって、周辺店舗3の広告情報を直接、受信するとともに、携帯ナビゲーション装置2との間で広告情報の送受信を行い、それらの広告情報を前記広告情報メモリ17に記憶して、ディスプレイ14に表示される地図データ上に重畳表示するように構成されている。すなわち、前記乗車検出部19によって利用者が車両Vに乗車する状態であると検出されたときには、携帯ナビゲーション装置2に対して広告情報を送信するように命令する信号を送り、これに応じて該携帯ナビゲーション装置2から送信される広告情報を受信する。
【0024】
一方、前記降車検出部20によって利用者が車両Vから降車する状態であると検出された際には、前記携帯ナビメモリ18に設定されている条件に基づいて携帯ナビゲーション装置2に利用者の必要とする所定の広告情報を送信して、該携帯ナビゲーション装置2に記憶させる。なお、前記携帯ナビゲーション装置2との通信は、前記携帯ナビメモリ18に登録された携帯ナビゲーション装置2との間でのみ行われ、前記携帯ナビメモリ18に複数の携帯ナビゲーション装置2,2,…が登録されている場合には、各携帯ナビゲーション装置2に対して設定された条件に応じて所定の広告情報を送信するようになっている。
【0025】
ここで、利用者の車両Vからの降車状態が降車検出部20によって検出された際に、携帯ナビゲーション装置2に所定の広告情報を送信する車載ナビCPU11が広告情報送信手段に対応している。
【0026】
一方、前記携帯ナビゲーション装置2は、例えばナビゲーション機能付きの携帯電話などのように、予め設定された目的地までの経路誘導を行うナビゲーション機能を有する携帯端末であって、各種信号の制御処理を行うコントローラとしての携帯ナビCPU31を備えている。この携帯ナビCPU31には、図1に示すように、携帯ナビゲーション装置2の現在地を検出する現在地検出センサ32と、地図情報が記憶された地図メモリ33と、現在地や周辺地図等を表示する表示手段としてのディスプレイ34と、各種設定操作を行うための操作スイッチ35とが接続されていて、前記ディスプレイ34において地図データ上に現在地を重畳表示することで目的地まで経路誘導できるようになっている。
【0027】
そして、前記携帯ナビゲーション装置2の携帯ナビCPU31にも、上述の車載ナビゲーション装置1の場合と同様に、該車載ナビゲーション装置1や周辺店舗3と通信を行うための携帯通信手段としての近距離無線通信機36と、周辺店舗3から受信した広告情報や、前記車載ナビゲーション1から受信した情報を記憶するための携帯ナビ記憶手段としての広告情報メモリ37とが接続されている。
【0028】
すなわち、前記携帯ナビゲーション装置2の携帯ナビCPU31でも、前記近距離無線通信機36によって周辺店舗3から広告情報を受信して、該広告情報を広告情報メモリ37に記憶するとともに、前記車載ナビゲーション装置1から送信された広告情報も前記近距離無線通信機36を介して受信し、広告情報メモリ37に記憶し、これらの記憶した広告情報を前記ディスプレイ34に表示された地図データ上に重畳表示するように構成されている。
【0029】
また、前記携帯ナビCPU31は、前記車載ナビゲーション装置1からの信号を受けて広告情報メモリ37に記憶された広告情報を前記車載ナビゲーション装置1に送信するとともに、送信後は、該車載ナビゲーション装置1から携帯ナビゲーション装置2に送信される指示(信号)に従って、前記携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37に記憶された全て若しくは所定の情報を消去するように構成されている。なお、携帯ナビゲーション装置2に記憶されている広告情報のうち、どの情報を消去するかは、後述するように、前記車載ナビゲーション装置1の携帯ナビメモリ18に予め設定されている。
【0030】
上述のように、車載ナビゲーション装置1で広告情報を受信して記憶することで、携帯ナビゲーション装置2の利用者が車両Vに乗車していない場合でも、広告情報を集めることができるとともに、携帯ナビゲーション装置2に大容量の記憶装置を設けることなく、車両Vの移動する比較的、広い範囲の広告情報を得ることができる。しかも、多くの広告情報が記憶されている車載ナビゲーション装置1から携帯ナビゲーション装置2に利用者の必要とする情報のみが送信されるため、利用者が携帯ナビゲーション装置2上で情報検索する時間を短縮することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0031】
なお、前記車載ナビゲーション装置1と携帯ナビゲーション装置2との間の通信は、近距離無線通信機16,36を用いたものではなく、ネットワーク網を介して通信するようにしてもよい。この場合には、図1に示すように、前記車載ナビゲーション装置1及び携帯ナビゲーション装置2に、それぞれ、車載通信機21及び携帯通信機38を設けるようにすればよい。
【0032】
次に、前記車載ナビゲーション装置1及び携帯ナビゲーション装置2の構成要素のうち、広告情報の制御に関する各構成要素(広告情報メモリ17,37、携帯ナビメモリ18、乗車検出部19及び降車検出部20)について以下で詳細に説明する。
【0033】
前記広告情報メモリ17,37は、図4(a)に示すような広告情報を記憶するためのものであり、広告情報の名称、ディスプレイ14,34に表示するアイコンの種別、広告情報の対象である施設の種別、その施設の位置情報(緯度、経度など)、その広告情報の対象期間、その他の詳細情報や画像などが記憶される。そして、広告情報が前記車載ナビゲーション装置1及び携帯ナビゲーション装置2のディスプレイ14,34に表示される場合には、図6に示すように、地図データ上に広告情報の名称や、施設種別等を示すアイコン、詳細情報を表示させるためのアイコン等が表示される。なお、前記図6は、携帯ナビゲーション装置2のディスプレイ34に表示される画面の一例を示しており、該携帯ナビゲーション装置2の現在位置は携帯電話の形状をしたアイコンによって表示されている。
【0034】
そして、前記車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17では、図4(b)に示すように、記憶させる広告情報の種別(図4(b)における記憶可能ジャンル)を予め設定できるようになっている。詳しくは、操作スイッチ15によって所定の操作を行うことで、ディスプレイ14に前記図4(b)に示すような広告情報メモリ内容登録という画面が表示され、その画面上で、前記広告情報メモリ17に記憶させる広告情報の種別について全て若しくは指定のどちらか一方を選択することができるとともに、種別を指定する場合には具体的な種別(例えばレストラン等)も設定できるようになっている。
【0035】
また、前記広告情報メモリ17には、記憶する広告情報種別の設定とは別に、記憶する広告情報の距離範囲(図4(b)における記憶可能範囲)やディスプレイ14に表示する広告情報の種別(図4(b)における表示可能ジャンル)も予め設定できるようになっている。具体的には、記憶可能範囲について全て若しくは指定のどちらか一方を選択することができるとともに、範囲を指定する場合には、車載ナビゲーション装置1に設定されている目的地若しくは経由地からどのくらいの範囲内を記憶可能にするかを設定することができるようになっている。ここで、このように設定された範囲の外側が、目的地(若しくは経由地)から所定距離以上、離れていて、利用者の利用可能性の低い範囲であり、前記記憶可能範囲の設定は、当然のことながら、車載ナビゲーション装置1に目的地等が設定されている場合のみ有効となる。なお、前記表示可能ジャンルについては、上述の記憶可能ジャンルと同様の項目が設定できるようになっているため、詳細な説明は省略する。
【0036】
さらに、前記図4(b)に示すように、車載ナビゲーション装置1のディスプレイ14に表示される広告情報メモリ内容登録画面において、携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37に記憶する広告情報の種別及びディスプレイ34に表示する広告情報の種別も設定できるようになっている。このように車載ナビゲーション装置1で設定された情報は、携帯ナビゲーション装置2と通信可能なときに該携帯ナビゲーション装置2に送信される。なお、携帯ナビゲーション装置2に記憶若しくは表示させる広告情報の種別の設定は、該携帯ナビゲーション装置2で設定操作を行えるようにしてもよい。
【0037】
このように、前記広告情報メモリ17,37に記憶する広告情報の種別や該広告情報メモリ17に記憶する広告情報の範囲、及びディスプレイ14,34に表示する広告情報の種別を予め設定できるようにすることで、前記ナビゲーション装置1,2が受信した広告情報のうち、必要なものだけを前記広告情報メモリ17,37に記憶させることができ、限られた記憶容量を有効利用することができるとともに、ディスプレイ14,34上に表示される広告情報も必要なものだけを表示させることができ、利用者の視認性を向上することができる。特に、携帯ナビゲーション装置2の場合には、メモリの記憶容量やディスプレイの表示部分が相対的に小さいため、記憶若しくは表示する情報の種別を設定できるようにすることで、装置全体を大型化することなく、利用者の利便性を向上することができる。
【0038】
また、記憶する情報の種別と表示する情報の種別とを別々に設定することができるので、より多くの広告情報を蓄積したうえで、利用者の嗜好の変化にも対応させて、適宜必要な情報を表示させることが可能となり、利用者の利便性をさらに向上することができる。
【0039】
前記携帯ナビメモリ18は、携帯ナビゲーション装置2と通信する際に携帯ナビゲーション装置2を識別するためのID番号等が予め設定されたもので、図5(a)に示すように、例えば、携帯ナビゲーション装置2のID番号や利用者が降車する際に携帯ナビゲーション装置2に送信する広告情報の範囲を決める広告送信エリア、該携帯ナビゲーション装置2に送信する広告情報の種別(図5(a)に示す広告送信種別)、携帯ナビゲーション装置2から車載ナビゲーション装置1に広告情報を送信した後の該携帯ナビゲーション装置2に対する制御内容(図5(a)に示す転送後制御)等が記憶される。
【0040】
そして、このような各種設定は、携帯ナビメモリ18に登録される携帯ナビゲーション装置2毎に設定されるもので、図5(b)に示すような携帯ナビ登録画面において登録される。すなわち、前記車載ナビゲーション装置1に対して複数の携帯ナビゲーション装置2,2,…を使用する場合でも、前記携帯ナビメモリ18に各携帯ナビゲーション装置2のID番号や各種設定情報をそれぞれ記憶させておくことで、各利用者の嗜好や目的等に応じて、該各利用者の降車の際に車載ナビゲーション装置1から送信される広告情報の種別を変えることが可能となる。
【0041】
また、上述のように、複数の携帯ナビゲーション装置2,2,…が携帯ナビメモリ18に登録されている場合には、該携帯ナビメモリ18に登録された携帯ナビゲーション装置2であれば、車載ナビゲーション装置1から広告情報を受信することができるようになっている。すなわち、前記車載ナビゲーション装置1は、受信した携帯ナビゲーション装置2とは別の登録済み携帯ナビゲーション装置に対しても広告情報を送信することができる。これにより、より多くの広告情報を前記車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶させることができるとともに、その情報を複数の携帯ナビゲーション2,2,…間で共有することができる。
【0042】
ここで、前記携帯ナビメモリ18に登録される広告送信エリアは、携帯ナビゲーション装置2の現在地周辺、携帯ナビゲーション装置2に設定されている目的地の周辺、その目的地までの経路周辺など、任意の範囲を設定することができるようになっている。これにより、利用者の必要な情報のみが車載ナビゲーション装置1から携帯ナビゲーション装置2に送信されるため、情報送信量を低減することができるとともに、該携帯ナビゲーション装置2での情報検索が容易になり、利便性を向上することができる。なお、前記現在地周辺とは、携帯ナビゲーション装置2の現在地周辺に限らず、車載ナビゲーション装置1の現在地周辺であってもよい。
【0043】
また、前記携帯ナビメモリ18に登録された携帯ナビゲーション装置2への広告情報送信後の制御内容(図5(b)に示す転送後制御)として、携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37から広告情報を全て消去するか指定された種別を残して消去するかが設定されるようになっており、この設定内容に応じて、該携帯ナビゲーション装置2から車載ナビゲーション装置1に広告情報が送信された後、該携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37の記憶内容が全て消去若しくは特定の種別の広告情報のみを残して消去されるようになっている。これにより、携帯ナビゲーション装置2の限られた記憶容量を効率良く利用することができるとともに、該携帯ナビゲーション装置2から車載ナビゲーション装置1へ広告情報を転送した後も、必要な広告情報だけは消去せずに残しておくことができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0044】
前記乗車検出部19は、携帯ナビゲーション装置2の利用者の車両Vへの乗車状態を検出するものであり、例えば、ドアロックが解除された場合やドアが開状態になった場合、エンジンが始動した場合、車載ナビゲーション装置1が携帯ナビゲーション装置2と通信可能な状態になった場合などを検出するように構成されている。ここで、利用者の車両Vへの乗車状態とは、実際に車両V内へ乗り込む場合だけなく、利用者が車両Vに近づいている場合も含むものとし、利用者が近づいているかどうかは、上述のように、車載ナビゲーション装置1と携帯ナビゲーション装置2とが通信可能な状態にあるかどうかによって判断される。
【0045】
前記降車検出部20は、乗車検出部19とは反対に、前記利用者による車両Vからの降車状態を検出するものであり、例えば、ドアがロックされた場合やドアが閉状態になった場合、エンジンが停止状態になった場合、イグニッションキーがOFFの位置になった場合などを検出するように構成されている。
【0046】
このように、利用者の車両Vへの乗車状態若しくは降車状態を検出して、上述のように、携帯ナビゲーション装置2との間で広告情報の送受信を行うことで、利用者による広告情報の送受信動作が不要となる。
【0047】
(ナビゲーションシステムの動作)
前記ナビゲーションシステムAの動作フローの一例を図7及び図8に示し、以下で詳しく説明する。本実施形態に係るナビゲーションシステムAの動作フローは、車載ナビゲーション装置1及び携帯ナビゲーション装置2の動作フローからなるため、まず、図7及び図8の左側に示す車載ナビゲーション装置1の動作フローについて説明する。
【0048】
前記車載ナビゲーション装置1の動作フローがスタートすると、まず、ステップSA1において、携帯ナビメモリ18に携帯ナビゲーション装置2に関する各種データを登録する操作があったかどうかを判定する。具体的には、このステップSA1では、図5(b)に示すような携帯ナビ登録画面をディスプレイ14に表示させる操作があったかどうかによって判定される。前記ステップSA1において、携帯ナビメモリ18への登録操作がないと判定された場合(NOの場合)は、続くステップSA3へ進んで周辺店舗3から新たな広告情報を受信したかどうかを判定する一方、登録操作があったと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA2へ進み、前記携帯ナビ登録画面で設定された各種条件を携帯ナビメモリ18に登録した後、前記ステップSA3へと進む。
【0049】
前記ステップSA3において、新しい広告情報を受信していないと判定された場合(NOの場合)には、続くステップSA5へ進んで、広告情報メモリ17に記憶されている既存の広告情報のうち、対象期間外のものを消去する。一方、前記ステップSA3で新たな広告情報を受信したと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA4へ進み、受信した広告情報を広告情報メモリ17に記憶し、前記ステップSA5で対象期間外の広告情報を消去する。
【0050】
このように、比較的、広範囲を移動する車載ナビゲーション装置1によって広告情報を受信して、広告情報メモリ17に記憶させることで、携帯ナビゲーション装置2の利用者が車両Vに乗車していない場合でも広告情報を集めることができるとともに、携帯ナビゲーション装置2に大容量の記憶装置を設けることなく、広範囲の広告情報を蓄積することができる。また、前記ステップSA5において対象期間の経過した古い広告情報を消去することによって、対象期間内の広告情報のみを広告情報メモリ17に残すことができるため、車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ16の容量を無駄にすることなく、効率良く使うことができる
なお、図5(b)に示す広告情報メモリ内容登録画面において、広告情報メモリ17に記憶可能な広告情報の種別や範囲が設定されていた場合には、その設定された種別や範囲の広告情報のみが前記ステップSA4で該広告情報メモリ17に記憶される。すなわち、指定された種別の広告情報のみを記憶するとともに、前記車載ナビゲーション装置1に目的地や経由地が設定されている場合には、その目的地や経由地から所定距離以上、離れた店舗3からの広告情報は記憶しないようにする。ここで、設定された目的地や経由地から所定距離以上、離れているとは、利用者による広告情報の利用の可能性が低い範囲を意味しており、例えば、徒歩で移動可能な範囲よりも遠い場所等が該当する。
【0051】
続いてステップSA6では、ナビゲーションの制御中であるかどうか、すなわちディスプレイ14に地図データを表示しているかどうかを判定する。このステップSA6において、ナビゲーションの制御中ではないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA8に進んで、乗車検出部19によって利用者の乗車状態が検出されたかどうかを判定する。一方、前記ステップSA6でナビゲーションの制御中であると判定された場合(YESの場合)には、ステップSA7へ進み、地図データ上に車両Vの現在地を重畳表示するとともに、広告情報メモリ17において車載ナビゲーション装置1で表示可能と設定されている種別の広告情報のみを重畳表示する。このように車載ナビゲーション装置1のディスプレイ14に広告情報等を重畳表示した後は、前記ステップSA8に進んで乗車検出がされたかどうかの判定を行う。
【0052】
そして、前記ステップSA8において、利用者が車両Vに乗車する状態でないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA11へ進んで、今度は利用者が車両Vから降車するかどうかを判定する。一方、前記ステップSA8で利用者の車両Vへの乗車状態が検出されたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA9に進んで、携帯ナビメモリ18に登録されている携帯ナビゲーション装置2と通信可能な状態にあるかどうかを判定し、通信可能な状態にあれば(YESの場合)、続くステップSA10へ進み、通信可能な状態でなければ(NOの場合)、前記ステップSA11へ進む。なお、前記ステップSA9では、携帯ナビゲーション装置2と通信可能な状態にあるかどうかを検出するとともに、該携帯ナビゲーション装置2をID番号によって識別するようにしている。
【0053】
前記ステップSA9で携帯ナビゲーション装置2と通信可能な状態であると判定された場合(YESの場合)に進むステップSA10では、携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37に一時記憶された広告情報を読み出して、車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶する。そして、携帯ナビメモリ18に”転送後制御”として設定されている内容(例えば、図5に示すように、レストランのみ記憶維持し、他は一括消去など)に応じて前記携帯ナビゲーション装置2に対して広告情報メモリ37の広告情報を消去するように命令を出す。このような制御をした後は、前記ステップSA11へ進む。
【0054】
ここで、前記携帯ナビゲーション装置2から読み込まれる広告情報は、すべて車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶されるわけではなく、該広告情報メモリ17に記憶可能な情報の種別(図4(b)に示す記憶可能ジャンル)や記憶可能範囲が設定されている場合には、該記憶可能な種別の情報や記憶可能な範囲の情報のみが記憶される。
【0055】
前記ステップSA11では、利用者による車両Vからの降車状態が降車検出部20によって検出されたかどうか、すなわち利用者が車両Vから降車するかどうかを判定する。このステップSA9で降車しないと判定された場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する一方、車両Vから降車状態であると判定された場合(YESの場合)には、ステップSA12へ進んで、携帯ナビメモリ18に登録された携帯ナビゲーション装置2と通信可能な状態にあるかどうかを判定する。なお、このステップSA12では、前記ステップSA9と同様、ID番号による携帯ナビゲーション装置2の識別も行うようにしている。
【0056】
前記ステップSA12で携帯ナビゲーション装置2と通信可能な状態にないと判定された場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する一方、通信可能な状態にあると判定された場合(YESの場合)には、続くステップSA13で携帯ナビゲーション装置2の現在位置の情報を該携帯ナビゲーション装置2から受信するとともに、携帯ナビゲーション装置2に目的地が設定されている場合には、その設定された目的地の情報についても受信する。このように、前記ステップSA13で携帯ナビゲーション装置2の現在位置及び目的地を検出した後、続くステップSA14で、現在地周辺、目的地周辺若しくは目的地までの経路周辺において広告情報の送信範囲を求める。この広告情報の送信範囲は、携帯ナビメモリ18に記憶されている広告送信エリアの設定範囲によって決められる。
【0057】
そして、続くステップSA15において、前記ステップSA14で求めた送信範囲内の広告情報のうち、携帯ナビメモリ18に設定されている広告送信種別に該当する広告情報のみを広告情報メモリ17から読み出す。このようにして広告情報を読み出した後、ステップSA16で携帯ナビゲーション装置2に該広告情報を送信し、その後、スタートに戻り(リターン)、再びこのフローを開始する。
【0058】
次に、図7及び図8の右側に示す携帯ナビゲーション装置2の動作フローについて以下で説明する。
【0059】
まず、フローがスタートすると、上述の車載ナビゲーション装置1のステップSA3〜SA7と同様の制御を行う。具体的には、ステップSB1で新たな広告情報を受信したかどうかを判定し、受信している場合(YESの場合)には、ステップSB2で、受信した広告情報のうち、広告情報メモリ37に記憶するように設定されている情報のみ(図4(b)に示す記憶可能ジャンル)を該広告情報メモリ37に記憶する。続いてステップSB3では、前記広告情報メモリ37に記憶された広告情報のうち、対象期間外のものを消去し、続くステップSB4でナビゲーションの制御中であるかどうかを判定して、ナビゲーションの制御中であれば(YESの場合)、ステップSB5で地図データ上に現在位置検出センサ21で検出された現在位置を表示するとともに、広告情報メモリ26で表示可能と設定された種別(図4(b)に示す表示可能ジャンル)の広告情報も併せて重畳表示する。
【0060】
そして、ステップSB6では、上述の車載ナビゲーション装置1におけるステップSA10の動作(携帯ナビゲーション装置2の広告情報を読み出す)に対応して、広告情報メモリ37に記憶されていた広告情報を該車載ナビゲーション装置1に送信する。この送信動作は、上述の車載ナビゲーション装置1の動作フローに示すように、乗車検出時に車載ナビゲーション装置1からの指示によって行われるもので、車載ナビゲーション装置1に送信される広告情報は、該車載ナビゲーション装置1には未送信のものとする。
【0061】
また、前記ステップSB6では、車載ナビゲーション装置1に広告情報を送信した後、該車載ナビゲーション装置1から転送後制御の指示(車載ナビゲーション装置1のフローにおけるステップSA10)を受けて、転送後の制御を実行する。これにより、携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37に記憶された広告情報が全て若しくは所定の範囲のみ消去される。すなわち、例えば、図5(a)に示すように、転送後制御として携帯ナビメモリ18にレストランのみ記憶維持して他は一括削除という条件が記憶されている場合には、レストランの広告情報のみが前記広告情報メモリ37に残されるようになっている。これにより、必要な情報のみを携帯ナビゲーション装置2に残すことができるため、利用者の利便性を向上することができる。ここで、前記所定の範囲とは、例えば携帯ナビゲーション装置2において設定された目的地周辺(半径100m以内等)を意味する。
【0062】
このように、携帯ナビゲーション装置2が受信した広告情報を車載ナビゲーション装置1に送信し、且つ送信後に、携帯ナビゲーション装置2の広告情報メモリ37に記憶されている広告情報を消去することで、相対的に記憶容量の大きい車載ナビゲーション装置1に広告情報を蓄積することができるとともに、携帯ナビゲーション装置2に記憶容量の大きい記憶装置を設ける必要がなくなる。したがって、該携帯ナビゲーション装置2の携帯性を確保しつつ、多くの広告情報を得ることができる。
【0063】
続いてステップSB7では、上述の車載ナビゲーション装置1の動作フローにおいて、降車検出時に該車載ナビゲーション装置1から送信される(ステップSA16)広告情報を受信し、広告情報メモリ37に記憶する。その後は、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する。なお、前記広告情報メモリ37に新たに記憶された情報は、車載ナビゲーション装置1においてステップSA14及びSA15で抽出された広告情報、すなわち携帯ナビゲーション装置2の現在地周辺、目的地周辺若しくは目的地までの経路周辺で、且つ携帯ナビメモリ18において予め指定された種別(図5に示す広告送信種別)の広告情報であり、この広告情報は、前記ステップSB5で携帯ナビゲーション装置2のディスプレイ34において地図データ上に重畳表示される。
【0064】
このように、利用者が車両Vから降車する際に、該利用者の必要とする情報のみを車載ナビゲーション装置1から受信して携帯ナビゲーション装置2に記憶することによって、該車載ナビゲーション装置1に記憶された膨大な広告情報の中から、利用者は携帯ナビゲーション装置2上で有益な情報のみを利用することができるため、該携帯ナビゲーション装置2に大容量の記憶装置が不要になって携帯性を確保することができるとともに、情報検索の時間を短縮することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0065】
ここで、車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶された広告情報のうち、所定の広告情報を携帯ナビゲーション装置2に送信するステップSA16が広告情報送信手段に対応している。
【0066】
また、車載ナビゲーション装置1に目的地や経由地が設定されている場合、該車載ナビゲーション装置1が受信した広告情報のうち、前記目的地及び経由地から所定距離以上、離れた店舗3からの広告情報が前記車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶されるのを規制するステップSA4が記憶規制手段に対応している。
【0067】
したがって、上記の実施形態によれば、車両Vに搭載される車載ナビゲーション装置1と携帯端末としての携帯ナビゲーション装置2とを備えたナビゲーションシステムAにおいて、比較的、広範囲を移動する車載ナビゲーション装置1で周辺店舗3からの広告情報を受信して記憶するようにしたため、携帯ナビゲーション装置2の利用者が車両Vに乗車していなくても周辺店舗3からの広告情報を入手することができるとともに、携帯ナビゲーション装置2に大容量の記憶装置を設けることなく、広範囲の広告情報を車載ナビゲーション装置1により多く蓄積することができる。
【0068】
しかも、利用者が車両Vから降車する際に、車載ナビゲーション装置1から携帯ナビゲーション装置2に利用者の必要とする情報のみを送信するようにしたため、該携帯ナビゲーション装置2での情報検索時間等を短縮することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0069】
さらに、前記車載ナビゲーション装置1に目的地や経由地が設定されている場合には、該車載ナビゲーション装置1が受信した広告情報のうち、前記目的地及び経由地から所定距離以上、離れた店舗3からの広告情報が前記車載ナビゲーション装置1に記憶されるのを規制するようにしたため、利用者の利用可能性の低い広告情報が該車載ナビゲーション装置1に記憶されるのを防止することができ、該車載ナビゲーション装置1の記憶容量の無駄な消費を防止することができる。この結果、利用者に有益な情報をより多く前記車載ナビゲーション装置に記憶させることができ、利用者の利便性をさらに向上することができる。
【0070】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、車載ナビゲーション装置1の携帯ナビメモリ18に携帯ナビゲーション装置2のID番号等を記憶して、該携帯ナビゲーション装置2との通信時に識別するようにしているが、この限りではなく、各携帯ナビゲーション装置2を識別することなく、該各携帯ナビゲーション装置2と通信できるようにしてもよい。この場合には、携帯ナビゲーション装置2毎に各種条件を変更することはできないが、車載ナビゲーション装置1により多くの広告情報を集めることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明したように、本発明におけるナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション装置の携帯性を確保しつつ、広範囲の広告情報を得ることができるから、例えば、携帯電話のような小型の携帯ナビゲーション装置を備えたものに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの全体構成を示す概略図である。
【図2】店舗から広告情報を発信している様子を示す説明図である。
【図3】車載ナビゲーション装置及び携帯ナビゲーション装置が広告情報を取得する様子を示す説明図である。
【図4】(a)広告情報メモリの記憶内容、(b)広告情報メモリ内容登録画面をそれぞれ示す図である。
【図5】(a)携帯ナビメモリの記憶内容、(b)携帯ナビ登録画面をそれぞれ示す図である。
【図6】広告情報の表示画面の一例を示す図である。
【図7】ナビゲーションシステムの動作フローの一例(前半)を示す図である。
【図8】ナビゲーションシステムの動作フローの一例(後半)を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
A ナビゲーションシステム
V 車両
1 車載ナビゲーション装置
2 携帯ナビゲーション装置
3 周辺店舗(周辺施設)
11 車載ナビCPU(広告情報送信手段)
16 近距離無線通信機(車載通信手段)
17 広告情報メモリ(記憶手段)
18 携帯ナビメモリ
19 乗車検出部
20 降車検出部(降車状態検出手段)
31 携帯ナビCPU
34 ディスプレイ(表示手段)
36 近距離無線通信機(携帯通信手段)
37 広告情報メモリ(携帯ナビ記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載ナビゲーション装置と、該車載ナビゲーション装置と通信するための携帯通信手段を有する携帯ナビゲーション装置と、を備えたナビゲーションシステムであって、
前記車載ナビゲーション装置は、
周辺施設から送信される広告情報を受信するとともに、前記携帯ナビゲーション装置との間で情報を送受信するための車載通信手段と、
前記車載通信手段によって受信した広告情報を記憶するための記憶手段と、
前記携帯ナビゲーション装置の利用者の車両からの降車状態を検出する降車状態検出手段と、
前記降車状態検出手段によって利用者の車両からの降車状態が検出された場合に、前記記憶手段に記憶された広告情報のうち、所定の広告情報を前記車載通信手段によって前記携帯ナビゲーション装置に送信する広告情報送信手段とを備え、
前記携帯ナビゲーション装置は、
前記広告情報送信手段から送信された広告情報を記憶する携帯ナビ記憶手段と、
前記携帯ナビ記憶手段によって記憶されている広告情報を表示するための表示手段とを備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1において、
所定の広告情報は、車載ナビゲーション装置の現在位置周辺、携帯ナビゲーション装置の現在位置周辺、該携帯ナビゲーション装置に設定された目的地周辺及び該目的地までの経路周辺のうち、少なくとも一つの範囲の広告情報を含むことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一つにおいて、
車載ナビゲーション装置は、該車載ナビゲーション装置に設定された目的地から所定距離以上、離れた周辺施設の広告情報が、記憶手段に記憶されるのを規制する記憶規制手段を備えていることを特徴とするナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−133141(P2006−133141A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324206(P2004−324206)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】