説明

ナビゲーションシステム

【課題】ナビゲーションシステムおよびナビゲーションシステム上に地図を表示するための方法を提供する。
【解決手段】ナビゲーションシステムは、地図メモリ11、プロセッシングユニット13、およびディスプレイ15を含む。プロセッシングユニット13は、第一視点を使用する、地図メモリ11に記憶された地図の第一部分と、第一視点と異なる第二視点を使用する地図の第二部分とを、ディスプレイ15上に同時に表示するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本出願は、ナビゲーションシステム、およびナビゲーションシステム上に地図を表示するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
昨今のナビゲーションシステムは、特定の場所への行き方を探すことを補助するように一般的に使用される。このようなナビゲーションシステムは、例えば、乗用車または他の自動車に使用されるが、飛行機のような他の車両、または歩行者にも使用され得る。
【0003】
多くのナビゲーションシステムは、(例えば車両の)ナビゲーションシステムのユーザーの周囲の地図がある態様で表示され、取ろうとされるルートが地図でハイライトされ得るディスプレイを含む。このような地図を表示するための1つの一般的な手段は、2次元での表示である(すなわち、地図が鳥瞰図で表示される)。このような場合、ユーザーの周囲のむしろ大きな部分が示され得、より長い距離に対するプレビューが可能である。
【0004】
地図を表示するための別の手段は、例えば、ナビゲーションシステムのユーザーの実際の視点に少なくとも近い視点からの3次元での視野である。このような地図を表示する手段は、より直観的であり、ユーザーの周りの道、建物、および/または興味深い地点についてのより詳細な情報をユーザーに提供することに通常よりもよく適合する。一方、ユーザーの周辺の通常さらに小さい部分が表示され得る。より長い走行距離に対するプレビューは、実現することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、ナビゲーションシステム上に地図を表示する向上された手段、および対応するナビゲーションシステムに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(本発明の短い概要)
実施形態に従って、この必要性は、独立請求項に定義されるような方法およびナビゲーションシステムにより対処される。従属請求項は、実施形態を定義する。
【0007】
実施形態に従った方法は、第一視点を使用する、地図の第一部分を表示すること、および第一視点と異なる第二視点を使用する、地図の第二部分を表示することを同時に行うことを含む。
【0008】
異なる視点を使用する地図の異なる部分を表示することにより、例えば全体像を提供する能力、または地図の直観的な表示に関する異なる視点の利点が組み合わされ得る。
【0009】
第一部分および第二部分は、地図の隣接する部分であり得、実質的に単一の地図が異なる視点で表示されるように互いに隣接して、特に共通の境界で溶け合わされるように表示され得る。
【0010】
第一視点は3Dの視点であり得、第二視点は2Dの視点であり得る。このような実施形態では、2Dの視点は、より大きなエリアにわたる全体像を提供するために使用され得、3Dの視点は、ユーザーの周囲の直観的なイメージを提供するために使用され得る。
【0011】
別の実施形態では、第一視点は、第二視点の仰角より小さい仰角からの視点であり得る。この点では、90°の仰角は、垂直方向に下への視野、すなわち実質的に2Dの視点に対応し、0°の仰角は、地上レベルからの視野に対応する。
【0012】
本方法の実施形態では、第一部分と第二部分との間の境界領域は、第一地図部分から第二地図部分への円滑な変化を提供するために、第一視点から第二視点へと徐々に変移する視点で表示され得る。
【0013】
第二地図部分は、ユーザーの近隣の周囲を示す地図部分であり得る。
【0014】
実施形態では、ユーザーが取ろうとするルートは、第二地図部分から第一地図部分へと、またはその逆に、伸びて表示され得る。そのため、両方の地図部分がルートを示すために、例えばナビゲーションシステムで使用され得る。
【0015】
表示されたルートは、それぞれの視点で地図要素により隠される場合にさえルートが少なくとも部分的に可視であることを維持する態様で表示され得る。例えば、半透明部分が、3Dの視点の場合、ルートの上に表示され得る。
【0016】
追加的な情報を提供する追加的な要素が表示され得る。例えば、このような追加的な要素は、ラジオ局を受信すること、またはCDもしくはMP3の歌をプレーすることのような音楽の再生に関し得るか、またはインターネット情報にも関し得る。
【0017】
実施形態に従ったナビゲーションシステムは、ディスプレイ、プロセッシングユニット、および少なくとも1つの地図を記憶する地図メモリを含む。プロセッシングユニットは、ディスプレイ上に地図メモリに記憶された地図の第一視点を使用する一部分を表示し、同時に地図メモリに記憶された地図の第二視点を使用する第二部分を表示するように構成される。異なる視点を有する地図の異なる部分を表示することを通して、異なる視点の利点が組み合わせられ得る。
【0018】
注意すべきは、“ナビゲーションシステム”という用語は、車両に固定的に組み込まれたナビゲーションシステムと携帯ナビゲーションシステムとの両方に適用することである。さらに、用語は、専用ナビゲーションシステムだけでなく、ナビゲーションシステムとして使用可能な多目的デバイスにも適用する。例えば、多くの現代の携帯電話は、ナビゲーションシステムとして使用され得る。“ナビゲーションシステム”という用語は、陸上ベースのシステムだけでなく、海洋システムおよび航空システムにも適用し得る。
【0019】
第一部分および第二部分は、地図で互いに隣接し得、ディスプレイ上に互いに隣接して表示され得る。この場合、第一部分および第二部分は、実質的に単一の地図として使用され得る。
【0020】
第一視点は、3Dの視点であり得、第二視点は、2Dの視点であり得る。このような実施形態では、第一部分は、より広いエリアにわたる全体像を提供する役割を果たし得、第二部分は、ナビゲーションシステムのユーザーの周囲のイメージを提供する役割を果たし得る。他の実施形態では、第一視点および第二視点は、両方とも、異なる仰角を有する3Dの視点であり得る。
【0021】
実施形態では、ナビゲーションシステムは、ナビゲーションシステムの位置を決定するように構成された測位デバイスを含む。このような実施形態では、プロセッシングユニットは、ナビゲーションシステムの現在の位置から目的地の位置までのルートを算定し、第一地図部分および第二地図部分上にルートの少なくとも一部を表示するように構成され得る。ルートを表示することは、このような実施形態では、第一地図部分および第二地図部分にわたって途切れなくあり得る。
【0022】
ルートは、建物のような地図要素によりルートが隠されるときでさえ、ルートを識別可能にするような態様で表示され得る。例えば、半透明部分が、それぞれ第一視点または第二視点が3Dの視点のときに、ルートの上部に表示され得る。
【0023】
プロセッシングユニットは、追加的な情報を提供する追加的な要素をディスプレイ上に表示するように構成され得る。
【0024】
本発明は例えば以下を提供する。
(項目1) ナビゲーションシステム上に地図を表示するための方法であって、該方法は、
第一視点を使用する、地図の第一部分(20、30、40、50)を表示することと、
該第一視点と異なる第二視点を使用する、該地図の第二部分(21、31、41、51)を表示することと
を同時に行うことを含む、方法。
(項目2) 上記第一視点は、上記第二視点の視野の仰角よりも小さい視野の仰角を有する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3) 上記第二視点は、2次元の視点である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4) 上記第一地図部分(20、30、40、50)と上記第二地図部分(21、31、41、51)とは、上記地図で隣接する地図部分であり、互いに隣接して表示される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5) 上記第一地図部分(20、30、40、50)と上記第二地図部分(21、31、41、51)とは、共通の境界でシームレスな態様で溶け合わされる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6) 視点は、上記第一視点から上記第二視点へ上記共通の境界で徐々に変化する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7) 上記第一地図部分と上記第二地図部分にルート(25、33、47、53)の少なくとも一部を表示することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8) 上記ルートの一部を表示することは、地図要素により隠されるとき、該ルートを識別可能にするために、該ルートの上に表示される印づけ部分(26)と共に該ルートを表示することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9) ユーザーに追加的な情報を提供する追加的な要素を表示することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10) ナビゲーションシステムであって、該ナビゲーションシステムは、
地図を記憶するように構成される地図メモリ(11)と、
プロセッシングユニット(13)と、
ディスプレイ(15)と
を含み、該プロセッシングユニット(13)は、第一視点を使用する、該地図メモリ(11)に記憶された地図の第一部分(20、30、40、50)と、該第一視点と異なる第二視点を使用する、該地図の第二部分(21、31、41、51)とを同時に該ディスプレイ(15)上に表示するように構成される、ナビゲーションシステム。
(項目11) 上記第一視点は、上記第二視点の視野の仰角より小さい視野の仰角を有する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12) 上記第一地図部分(20、30、40、50)と上記第二地図部分(21、31、41、51)は、上記地図で隣接する地図部分であり、
上記プロセッシングユニット(13)は、該第一地図部分(20、30、40、50)と該第二地図部分(21、31、41、51)を、互いに隣接して、共通の境界でシームレスな態様で溶け合わされるように上記ディスプレイ(15)上に表示されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13) 上記プロセッシングユニットは、上記共通の境界で、徐々に変化する視点をもって上記第一地図部分と上記第二地図部分とを表示するように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14) 上記ナビゲーションシステムの位置を決定するように構成された測位デバイス(12)をさらに含み、上記プロセッシングユニット(13)は、上記地図と該決定された位置に基づいて目的地へのルートを算定し、上記第一地図部分(20、30、40、50)と上記第二地図部分(21、31、41、51)とに該ルートの少なくとも一部を表示するようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15) 上記項目のいずれかに記載のナビゲーションシステムを含む、車両。
【0025】
(摘要)
ナビゲーションシステムは、地図メモリ(11)、プロセッシングユニット(13)、およびディスプレイ(15)を含む。プロセッシングユニット(13)は、第一視点を使用する、地図メモリ(11)に記憶された地図の第一部分と、第一視点と異なる第二視点を使用する地図の第二部分とを、ディスプレイ(15)上に同時に表示するように構成される。
【0026】
本発明の実施形態は、添付の図面への参照と共に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、実施形態に従ったナビゲーションシステムの基本ブロック図である。
【図2】図2は、実施形態に従って表示されている地図の描写的な例である。
【図3】図3は、別の実施形態に従って表示されている地図のさらなる描写的な例である。
【図4】図4は、別の実施形態に従って表示されている地図の描写的な例である。
【図5】図5は、さらなる実施形態に従って表示されている地図の描写的な例である。
【図6】図6は、実施形態に従った方法のフローチャートでの描出である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(最良実施形態の詳細な説明)
本発明の実施形態は、図面への参照と共に記述される。注意すべきは、記述された異なる実施形態の特徴部は、そうでないと特に明示されない限り、相互に組み合わせられ得ることである。
【0029】
以下にナビゲーションシステムの様々な実施形態、およびそれらに地図を表示するための方法が記述される。注意すべきは、この出願の文脈において、“ナビゲーションシステム”という用語は、専用ナビゲーションシステムに関するだけでなく、通常、ナビゲーションシステムとして使用可能であるデバイスにも関することである。例えば、多くの現代の携帯電話またはコンピューターもナビゲーションシステムとして使用され得る。“ナビゲーションシステム”という用語は、陸上ベースのシステムだけでなく、海洋システムおよび航空システムにも適用され得る。そのため、“ナビゲーションシステム”という用語は、通常、特定の目的地への行き方を探すことにおいてユーザーを補助し得る任意の種類の電子デバイスに関する。
【0030】
このようなナビゲーションシステム上に、地図が対応するディスプレイにしばしば示され得る。地図は、特定の視点、例えば、真上からの視野に対応する2次元の視点(2D)、または地面に対して鋭いビューイングアングルからの視野に対応する3次元の視点(3D)で示され得る。地面に対するビューイングアングルは、ときどき仰角とも呼ばれる。そのため、90°の仰角は、2Dの視点、すなわち真上からの視野に対応し、0°の仰角は、地上レベルからの視野に対応する。
【0031】
図1は、実施形態に従ったナビゲーションシステムの基本ブロック図である。
【0032】
図1に示されるナビゲーションシステムは、ユーザーインターフェイス10、地図メモリ11、GPSモジュール12、プロセッシングユニット13、音声出力14、およびディスプレイ15を含む。プロセッシングユニット13は、ユーザーインターフェイス10、地図メモリ11、GPSモジュール12、音声出力14、およびディスプレイ15を制御かつ整合し、以下に記述された機能を実行するために、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、リードオンリーメモリもしくはランダムアクセスメモリのようなメモリ、および/またはロジック回路網を含み得る。
【0033】
ユーザーインターフェイス10は、ユーザーがデバイスにデータを入力することを可能にする。ユーザーインターフェイス10は、例えば、音声インターフェイス(すなわち、ナビゲーションシステムが、ユーザーから発せられた言葉に反応するような)、および/またはキーを含み得る。一部の実施形態では、ディスプレイ15は、タッチ感応型であり得、この点で、また、完全なユーザーインターフェイス10の一部である得るか、または完全なユーザーインターフェイス10を形成し得、この場合ユーザーは、適切な場所でディスプレイをタッチすることによりデータを入力することができる。例えば、ユーザーは、所望される目的地を入力するためにユーザーインターフェイス10を使用し得る。
【0034】
地図メモリ11に、1つ以上の地図が記憶される。地図メモリ11は、地図を記憶するための適当な任意の種類の記憶デバイスであり得、例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、および/またはCDもしくはDVDのようなデータ搬送体を含み得る。注意すべきは、メモリチップは、ナビゲーションシステムに組み込まれ得るが、ナビゲーションシステムから取り外し可能である(例えば、メモリカードの形式にある)ようにも構成され得ることである。GPSモジュール12は、測位デバイスの例であり、GPS(全地球測位システム)信号を受信するように、かつ、図1のナビゲーションシステムの位置を決定するように構成される。地図メモリ11に記憶された1つ以上の地図からのデータ、およびGPSモジュールにより決定された現在位置を使用することにより、プロセッシングユニット13は、ユーザーインターフェイス10を介してユーザーにより入力された前述の目的地へのルートを算定し得る。プロセッシングユニット13は、次に、ディスプレイ15上に、算定されたルートの少なくとも一部と共に、地図メモリ11に記憶された1つ以上の地図の一部を表示する。実施形態では、以下により詳細に説明されるように、地図の異なる一部分が、異なる視点で表示される。例えば、ナビゲーションシステムの周囲を示す地図の一部分は、3次元(3D)の態様で表示され得るのに対し、現在の目的地からさらに離れた算定されたルートの一部に関する地図の一部分は、2次元(2D)の態様で表示され得る。表示された一部分は、GPSモジュール12により決定されるような位置の変化に基づいて継続的に更新され得る。ディスプレイ15上にルートを表示することに加えて、プロセッシングユニット13は、音声出力14を介してユーザーに指示、例えば、“右に曲がれ”、“左に曲がれ”、および同様のものをも与え得る。
【0035】
注意すべきは、図1の図面は、本発明の実施形態の理解のために役立つ要素を示す透視図にのみならず、ナビゲーションシステムの全ての可能である要素を網羅的に示すものとしてみなされるものではないということである。特に、ナビゲーションシステムが多目的デバイス(例えば、携帯電話、または同様なナビゲーションシステム/音楽再生デバイスの複合デバイス)として実装される場合、追加的な機能を実装するための追加的な要素が存在し得る。“ナビゲーションシステム”という用語は、陸上ベースのシステムだけではなく、海洋システムおよび航空システムにも適用し得る。また、ナビゲーションシステムの位置を決定するためのGPSモジュール12が示されるが、他の実施形態では、位置を決定するための他のコンポーネント、例えば、ガリレオ信号のような他の衛星ナビゲーション信号に基づいて位置を決定するためのデバイス、携帯電話信号のような信号に基づいて位置を決定するためのデバイス、および/またはナビゲーションシステムが組み込まれる車両からのデータ(例えば、速度データ)に基づいて位置を決定するためのデバイスがそれに加えて、またはその代わりに存在し得る。
【0036】
次に、図2−5への参照と共に、2つの異なる視点を有する2つの異なる地図部分を表示するための様々な可能性が説明される。これらの可能性は、例えば、図1の実施形態に実装され得るが、この実施形態に制限されず、通常のナビゲーションシステムに使用され得る。
【0037】
図2では、一部の実施形態に従って表示されている地図の描写的な例が示される。図2に示される地図は、3次元の態様で表示される第一部分20、および実質的に2次元の態様で表示される第二部分21を含む。第一部分20と第二部分21との間の境界部にある部分21は、視点が徐々に変化するように設計され、これはカーブの印象を与える。言い換えれば、部分22では、仰角が、部分20に対して使用される仰角(例えば、これは5°と40°の間であり得る)から、部分21で使用される仰角(これは約90°であり得る)まで徐々に変化する。
【0038】
ユーザーの目的地に到達するためにナビゲーションシステムのユーザーにより取ろうとされるルートの部分は、通常25と名称付けされ、部分20および部分21の両方で示される。第一部分20および第二部分21が、互いに隣接してシームレスな溶け合わされた態様で提供されるため、取ろうとされるルートは、ディスプレイの全体にわたって辿られ得る。
【0039】
さらに、例に示されるナビゲーションシステムを組み込む車両の位置に対応するナビゲーションシステムの位置が、カーソル24として表される。
【0040】
特に、第一部分20(すなわち3D部分)で、ルート25が建物のような地図要素の後ろに“隠される”ことがあり得る。このような場合にもルートを可視にさせるために、図2の例では、“発光”26(すなわち半透明部分26)がルート25の“上に”提供され、発光26は、ルートの少なくともだいたいのコースが識別され得るように、例えば建物の後ろでも可視状態を維持する。
【0041】
図2の例では、カーソル24により印づけされたナビゲーションシステムの位置が変化するにつれ、表示される地図部分も変化する。例えば、カーソル24がルート25に沿って動くとき、カーソル24の周囲がいつも3次元の態様で第一部分20に示され、ルート25上のさらに離れた部分は二次元の態様で第二部分21に示されるように、地図部分がそれに応じて変化し得る。
【0042】
図2の例では、ルートと共に地図部分のみが表示される。他の実施形態では、追加的な情報がディスプレイ上に示され得る。このような追加的な情報の描写的な例は、図3に示される。
【0043】
図3では、また地図の第一部分30が3次元の態様で示され、地図の第二部分31が2次元の態様で示され、第一部分30および第二部分31は互いに隣接し、シームレスな態様でそれらの境界で溶け合わされる。取ろうとされるルート33も、図2への参照と共に説明されたような“発光”がルートの上に追加されて表示される。その上、例えば、ラジオ局、音楽が(例えば)CDまたは記憶されたMP3ファイルから再生可能であること、システム情報およびインターネット情報、コンタクトに関する情報、ならびにメールまたは他のインターネットサービスに関する情報に関する追加的な情報を提供する立方体32が示される。これらのタイプの情報は、例としてのみの役割を果たし、任意の所望される情報が表され得る。
【0044】
地図部分を表示することのさらなる描写的な例が図4に示される。図4では、第一部分40が3次元の態様で表示され、第二部分41が2次元の態様で表示される。図4に示される例では、第一部分40と第二部分41との間の42と名称付けされる領域の変遷は、比較的遅い(すなわち視点の変化は、徐々に例えば図2または図3のエリアよりも広いエリアにわたり、変化に対するむしろ大きな半径の印象を与える)。
【0045】
図4で描写的な態様で示されるようなディスプレイには、地図のほかには、例えば交通情報、温度に関する情報、および受信されたラジオ局に関する情報が下部分45に示され、地図の左の部分44にはコンタクトが示される。さらに、部分43は半透明の態様で地図を覆い、受信されたメッセージ、例えばSMS(ショートメッセージサービス)を示すために使用される。
【0046】
第一地図部分40および第二地図部分41にはルート47が示され、カーソル46は、ナビゲーションシステムを組み込む車両の位置に対応するナビゲーションシステムの現在位置を示す。
【0047】
図5では、本発明の一部の実施形態に従って地図を表示することのさらなる描写的な例を示す。第一部分では、第一地図部分50が、低い仰角、例えば5°と40°の間の仰角で3次元の態様で示される。この場合第二地図部分51も、例えば60°と90°の間の値域の仰角、好ましくは70°と85°の間のより高い仰角で3次元の視点で示される。
【0048】
さらに、第一部分と第二部分の異なる位置付けの例を挙げると、図5の例では、第二部分のサイズが第一部分のサイズより有意に大きいのに対し、例えば図4の例では第一部分のサイズが第二部分のサイズを超え、位置付けは任意の所望される態様で選択され得る。取ろうとされるルートは第一部分50および第二部分51に示され、通常、図5で53と名称付けされる。
【0049】
第一地図部分50と第二地図部分51の両側に、追加的な情報52が、想像された円筒状の表面上のタブの形式で示される。追加的な情報は、例えば、インターネット、メール、電話通話、ラジオ局、音楽再生、ビデオ再生、またはシステム情報に関し得る。さらに、オーバーレイ54は、交通情報を示す。
【0050】
図2−5に示される例からわかるように、異なる視点を有する異なる地図部分は、様々な態様で表示され得る。また、注意すべきは、示された例は網羅的ではなく、他の配置が同じく可能であることである。
【0051】
図6では、実施形態に従った方法を表すフローチャートが示される。60では、第一視点を使用する第一地図部分が表示される。第一視点は、3Dの視点、特に5°と40°の間の仰角を有する3Dの視点であり得る。
【0052】
61では、第二視点を使用する第二地図部分が同時に表示される。第二視点は、第一視点の仰角より高い仰角、例えば60°と90°(90°は2Dの視点に対応する)の間を使用し得る。第一地図部分および第二地図部分は、共通の境界で溶け合うように、オプション的に視点が徐々に変化する変遷領域と共に表示され得る。
【0053】
62では、ルートが、第一地図部分および第二地図部分の上に表示される。
【0054】
上記の実施形態は、本発明の範囲を制限するように解釈されるものでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションシステム上に地図を表示するための方法であって、該方法は、
第一視点を使用する、地図の第一部分(20、30、40、50)を表示することと、
該第一視点と異なる第二視点を使用する、該地図の第二部分(21、31、41、51)を表示することと
を同時に行うことを含む、方法。
【請求項2】
前記第一視点は、前記第二視点の視野の仰角よりも小さい視野の仰角を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第二視点は、2次元の視点である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一地図部分(20、30、40、50)と前記第二地図部分(21、31、41、51)とは、前記地図で隣接する地図部分であり、互いに隣接して表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第一地図部分(20、30、40、50)と前記第二地図部分(21、31、41、51)とは、共通の境界でシームレスな態様で溶け合わされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
視点は、前記第一視点から前記第二視点へ前記共通の境界で徐々に変化する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第一地図部分と前記第二地図部分にルート(25、33、47、53)の少なくとも一部を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ルートの一部を表示することは、地図要素により隠されるとき、該ルートを識別可能にするために、該ルートの上に表示される印づけ部分(26)と共に該ルートを表示することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ユーザーに追加的な情報を提供する追加的な要素を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ナビゲーションシステムであって、該ナビゲーションシステムは、
地図を記憶するように構成される地図メモリ(11)と、
プロセッシングユニット(13)と、
ディスプレイ(15)と
を含み、該プロセッシングユニット(13)は、第一視点を使用する、該地図メモリ(11)に記憶された地図の第一部分(20、30、40、50)と、該第一視点と異なる第二視点を使用する、該地図の第二部分(21、31、41、51)とを同時に該ディスプレイ(15)上に表示するように構成される、ナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記第一視点は、前記第二視点の視野の仰角より小さい視野の仰角を有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第一地図部分(20、30、40、50)と前記第二地図部分(21、31、41、51)は、前記地図で隣接する地図部分であり、
前記プロセッシングユニット(13)は、該第一地図部分(20、30、40、50)と該第二地図部分(21、31、41、51)を、互いに隣接して、共通の境界でシームレスな態様で溶け合わされるように前記ディスプレイ(15)上に表示されるように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッシングユニットは、前記共通の境界で、徐々に変化する視点をもって前記第一地図部分と前記第二地図部分とを表示するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ナビゲーションシステムの位置を決定するように構成された測位デバイス(12)をさらに含み、前記プロセッシングユニット(13)は、前記地図と該決定された位置に基づいて目的地へのルートを算定し、前記第一地図部分(20、30、40、50)と前記第二地図部分(21、31、41、51)とに該ルートの少なくとも一部を表示するようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
請求項10に記載のナビゲーションシステムを含む、車両。

【図1】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−108099(P2012−108099A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179582(P2011−179582)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】