ナビゲーション装置、サーバ装置、ナビゲーションシステムおよびプログラム
【課題】 本発明の目的は、経路案内を受けるユーザ以外の者が対話処理を通じてナビゲーション装置を操作することを可能とするナビゲーション技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、本体の操作スイッチの操作やリモートコントローラのスイッチ操作を入力情報として受け付けることで、ナビゲーション装置による経路案内を受けるユーザからの入力を受け付けて経路案内処理を行う技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−143373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなナビゲーション装置は、経路案内を受けるユーザ以外のユーザからの入力情報を、対話処理を通じて受け付けることは難しい。例えば、ユーザからの要請を受けた遠隔地にある情報センターから当該ユーザが使用するナビゲーション装置の目的地の設定を遠隔操作する技術があるが、そのような技術はナビゲーション装置のインターフェイスと操作単位が異なり、対話処理を通じて処理を行うものではない。
【0005】
本発明の目的は、経路案内を受けるユーザ以外の者が対話処理を通じてナビゲーション装置を操作できるナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るサーバ装置は、ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた操作の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した操作の指示を送信する操作指示手段と、前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記操作の指示の結果の出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置と、サーバ装置と、クライアント計算機と、を備えるナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、通信網を介して前記サーバ装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記サーバ装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を、前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信する出力送信手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記通信網を介して前記ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、前記クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた処理の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した処理の指示を送信する処理指示手段と、前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、を備え、前記クライアント計算機は、ユーザからの入力を受け付ける入力受付手段と、ユーザへの出力を行う出力処理手段と、前記通信網を介して前記サーバ装置と通信を行うサーバ装置通信手段と、前記入力受付手段により受け付けたユーザからの遠隔操作に関する入力情報を前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置に送信する遠隔操作送信手段と、を備え、前記出力処理手段は、前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置から受信した前記出力情報を出力する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るナビゲーション装置のプログラムは、ナビゲーション装置のプログラムであって、前記ナビゲーション装置は、制御手段を備え、前記制御手段に対して、外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付ステップと、前記指示受付ステップにより受け付けた指示に応じた処理を実行する処理ステップと、前記処理ステップにより実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力ステップと、を実施させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、ナビ機種情報テーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、遠隔操作変換テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、操作履歴テーブルの構成を示す図である。
【図5】図5は、テレマティクスサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図6】図6は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図7】図7は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図8】図8は、コマンド変換テーブルの構成を示す図である。
【図9】図9は、演算処理部の機能構成図である。
【図10】図10は、遠隔操作処理のフロー図である。
【図11】図11は、遠隔操作処理の画面表示例である。
【図12】図12は、操作中断チェック処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーションシステムについて、図面を参照して説明する。
【0012】
図1に、ナビゲーションシステム1000の全体構成図を示す。
【0013】
ナビゲーションシステム1000は、ナビゲーション装置100と、第一のネットワーク500を介してナビゲーション装置100と接続可能なテレマティクスサーバ600と、第二のネットワークネットワーク510を介してテレマティクスサーバ600と接続可能な計算機700と、を備えるシステムである。
【0014】
なお、第一のネットワーク500は、携帯電話網等の広域無線通信網である(以降、第一のネットワーク500をナビ通信網500と称呼)。第二のネットワーク510は、広域無線通信網、または例えばインターネット等のオープンなネットワークと接続可能な広域通信網であり、携帯電話通信網やインターネットプロバイダのネットワークを含む(以降、第二のネットワーク510を通信網510と称呼)。もちろん、ナビ通信網500および通信網510は、各種のLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の特定者が使用可能な通信網であってもよい。また、ナビ通信網500と通信網510とは、互いに接続されたネットワークであってもよいし、同一のネットワークであってもよい。
【0015】
ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報とを示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。なお、ナビゲーション装置100は、ナビ通信網500を介してテレマティクスサーバ600と通信を行うことが可能であり、テレマティクスサーバ600に対して、ナビゲーション装置100の使用状態等の情報を送信することができる。また、テレマティクスサーバ600からの接続要求に応じて、遠隔操作のための接続を開始し、遠隔操作に応じて処理を行い、処理結果の画面等を含む出力情報をテレマティクスサーバ600に送信する。
【0016】
テレマティクスサーバ600は、ナビゲーション装置100と計算機700との間の入出力情報を仲介する。具体的には、テレマティクスサーバ600は、計算機700から通信網510を介してナビゲーション装置100への接続指示を受け付けると、ナビ通信網500を介してナビゲーション装置100へ接続する。テレマティクスサーバ600は、操作画面等の出力情報をナビゲーション装置100から取得すると、計算機700へ当該出力情報を送信し、計算機700からナビゲーション装置100への遠隔操作を受け付ける。そして、テレマティクスサーバ600は、遠隔操作に応じた指示を特定してナビゲーション装置100へ送信し、ナビゲーション装置100から指示の結果の出力情報を取得して計算機700へ送信する。また、その際、ナビゲーション装置100から遠隔操作が不可能である旨の情報を受信すると、計算機700に対して当該情報を送信することで、遠隔操作を中断させる。
【0017】
テレマティクスサーバ600は、記憶部620と、制御部630と、ナビ通信網接続部640と、通信網接続部650と、を備える。記憶部620には、ナビ機種情報記憶領域621と、遠隔操作変換情報記憶領域622と、操作履歴記憶領域623と、を備える。
【0018】
記憶部620には、通信先のナビゲーション装置100の機種に応じた入出力インターフェイス情報の加工方式が格納されるナビ機種情報テーブル621と、遠隔操作と指示との具体的な変換情報を特定する遠隔操作変換テーブル622と、受け付けた遠隔操作についての履歴情報が格納される操作履歴テーブル623と、が格納される。
【0019】
ナビ機種情報テーブル621は、図2に示すナビ機種情報テーブル400により構成される。具体的には、ナビ機種情報テーブル400は、通信を行うナビゲーション装置100を特定する情報を格納する通信先401と、通信先のナビゲーション装置100の機種を特定する情報を格納する機種ID402と、計算機700から送信される遠隔操作から通信先のナビゲーション装置100に対する指示情報へ変換するルールの集合である操作変換パターンを特定する操作変換パターン403と、ナビゲーション装置100から送信された画面を計算機700において表示させるための表示画面の情報を特定する表示画面デザイン404と、を格納する。
【0020】
例えば、通信先401には、ナビゲーション装置100の固体番号あるいはナビゲーション装置100に接続される通信装置の固有番号(携帯電話番号等)を特定する情報が格納される。また、機種ID402には、ナビゲーション装置100のインターフェイスを特定するための情報である型番等の情報が格納される。なお、通常は、操作変換パターン403と、表示画面パターン404と、には機種ID402に応じて予め対応付けられた値が格納される。
【0021】
遠隔操作変換テーブル622は、図3に示す遠隔操作変換テーブル410により構成される。具体的には、遠隔操作変換テーブル410は、計算機700から送信される遠隔操作から通信先のナビゲーション装置100に対する指示情報へ変換するルールのパターンを特定する操作変換パターン411と、操作変換パターン411に対応付けられる遠隔操作ID412と指示ID413の対の情報と、を格納する。
【0022】
遠隔操作ID412と指示ID413の対の情報は、それぞれ、遠隔操作ID412に格納された遠隔操作IDから指示ID413への変換ルールを特定する情報である。遠隔操作ID412には、計算機700から送信される操作を特定する情報が格納され、指示ID413は、ナビゲーション装置100に送信する指示を特定する情報が格納される。
【0023】
操作履歴テーブル623は、図4に示す操作履歴テーブル420により構成される。具体的には、操作履歴テーブル420には、テレマティクスサーバ600が計算機700から受け付けた遠隔操作内容を特定する情報である遠隔操作IDを特定する受付遠隔操作ID421と、当該遠隔操作時に付加されたパラメータ情報を特定する受付パラメータ422と、遠隔操作ID421により特定される遠隔操作を変換したナビゲーション装置100に対する指示を特定する指示ID423と、を格納する。
【0024】
例えば、受付遠隔操作ID421には「画面上方向に地図をスクロールさせる」旨の遠隔操作を特定する遠隔操作IDが格納され、受付パラメータ422には「スクロール量は一画面分」である旨のパラメータ(例えば、「1ページ」)が格納される。その場合、指示ID423には、受付遠隔操作ID421に対応するナビゲーション装置100への指示(例えば、遠隔操作IDに対応する「上スクロール」)が格納される。
【0025】
制御部630は、ナビ接続指示受付部631と、遠隔操作受付部632と、操作指示部633と、ナビ出力取得部634と、出力処理部635と、ナビ監視部636と、遠隔操作禁止部637と、を備える。
【0026】
ナビ接続指示受付部631は、ナビゲーション装置100に対する遠隔操作を開始する指示情報を計算機700から受信すると、ナビゲーション装置100に対して接続開始要求を送信する。遠隔操作受付部632は、計算機700からナビゲーション装置100に対する遠隔操作とそのパラメータとを受け付ける。操作指示部633は、遠隔操作受付部632にて受け付けた遠隔操作をナビゲーション装置100が実行可能な指示に変換し、変換した指示をナビゲーション装置100に対して送信する。
【0027】
ナビ出力取得部634は、ナビゲーション装置100から送信された出力情報を受信する。出力処理部635は、ナビ出力取得部634が受信した出力情報を、計算機700が再生可能なように変換し、変換した出力情報を計算機700に送信する。当該変換処理において、出力処理部635は、計算機700に表示すべき出力情報を埋め込んだ表示情報、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)等の画面表示、音声表示、操作とそのパラメータとを受け付けるスクリプト等を埋め込んだ表示情報を作成する。
【0028】
ナビ監視部636は、ナビゲーション装置100の状態を定期的にモニタリングする。例えば、ナビゲーション装置100との接続を行っている間は、ナビゲーション装置100に対して通信可能な状況にあるか否かを問い合わせる情報を定期的に送信(ポーリング)し、応答情報を受信して通信可能な状況にあるか否かを判定するための情報とする。
【0029】
遠隔操作禁止部637は、ナビ監視部636によってナビゲーション装置100が通信可能な状況にないと判定されると、計算機700に対して、遠隔操作を中断させる。具体的には、遠隔操作禁止部637は、ナビゲーション装置100からポーリングの応答情報が受信できなかった場合には、トンネル走行中等の通信障害のために遠隔操作ができない旨のメッセージ情報を計算機700の画面に表示させて、遠隔操作の入力を禁止する。なお、例えば、ポーリングの応答情報が、「交差点案内中」や「ユーザ(搭乗者)が操作中」等のようにナビゲーション装置100の遠隔操作が不適切である場合についても、同様にメッセージ情報を計算機700の画面に表示させる。
【0030】
ナビ通信網接続部640は、ナビ通信網500に対する通信を開始させ、終了させ、送受信を行う。
【0031】
通信網接続部650は、通信網510に対する通信を開始させ、終了させ、送受信を行う。
【0032】
図5は、テレマティクスサーバ600のハードウェア構成を示す図である。テレマティクスサーバ600は、入力装置611と、出力装置612と、ナビゲーション装置通信装置613と、演算装置614と、主記憶装置615と、外部記憶装置616と、通信装置617と、それぞれの装置を互いに接続するバス618と、を備える。
【0033】
入力装置611は、例えばキーボードやマウス、あるいはタッチペン、その他ポインティングデバイスなどの入力を受け付ける装置である。
【0034】
出力装置612は、例えばディスプレイなどの、表示を行う装置である
ナビゲーション装置通信装置613は、ナビ通信網500のネットワークを介してナビゲーション装置100と通信を行う装置である。なお、ナビゲーション装置通信装置613は、ナビゲーション装置100のみならず他の装置であっても、ナビ通信網500に接続された装置と通信を行うことができる。
【0035】
演算装置614は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0036】
主記憶装置615は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0037】
外部記憶装置616は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0038】
通信装置617は、通信網510のネットワークを介して計算機700と通信を行う装置である。なお、通信装置617は、計算機700のみならず他の装置であっても、通信網510に接続された装置と通信を行うことができる。
【0039】
テレマティクスサーバ600のナビ接続指示受付部631と、遠隔操作受付部632と、操作指示部633と、ナビ出力取得部634と、出力処理部635と、ナビ監視部636と、遠隔操作禁止部637とは、テレマティクスサーバ600の演算装置614に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0040】
このプログラムは、主記憶装置615または外部記憶装置616内に記憶され、実行にあたって主記憶装置615上にロードされ、演算装置614により実行される。
【0041】
また、テレマティクスサーバ600の記憶部620は、テレマティクスサーバ600の主記憶装置615または外部記憶装置616により実現される。
【0042】
テレマティクスサーバ600のナビ通信網接続部640は、テレマティクスサーバ600のナビゲーション装置通信装置613によって実現される。
【0043】
テレマティクスサーバ600の通信網接続部650は、テレマティクスサーバ600の通信装置617によって実現される。
【0044】
計算機700は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であって、ナビゲーション装置100へ接続するようテレマティクスサーバ600に依頼することが可能である。また、計算機700は、テレマティクスサーバ600から送信されるナビゲーション装置100の出力情報に基づいて出力を行い、ナビゲーション装置100への遠隔操作を入力情報として受け付けることができる。
【0045】
計算機700は、図1に示すように、記憶部720と、制御部730と、通信網接続部740と、入力部741と、出力部742と、を有する。
【0046】
記憶部720は、各種の電子情報を格納する。
【0047】
制御部730は、ブラウザ部731を備える。ブラウザ部731は、後述する通信網接続部740を介して通信網510に接続し、通信網510に接続された他の装置と通信を行う。また、ブラウザ部731は、使用者の操作入力を、入力部741を介して受け付け、使用者に提示する情報を出力部742に依頼して出力する。例えば、ブラウザ部731は、HTML等の修飾表示情報を有するWebページ等を受信すると表示し、当該Webページ上に使用者から入力された情報をリンク先のサーバ等に送信することができる。
【0048】
通信網接続部740は、通信網510を介して他の機器に接続し、接続した他の機器に対して情報の送信を行い、接続した他の機器から送信された情報の受信を行う。入力部741は、使用者からの情報の入力を受け付ける。出力部742は、使用者に対して、各種の情報を出力する。なお、図示しないが、計算機700についても、テレマティクスサーバ600と同様のハードウェア構成を備える。ただし、テレマティクスサーバ600のナビゲーション装置通信装置613に対応する通信装置を備える必要はない。
【0049】
また、計算機700のブラウザ部731は、計算機700の演算装置714に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0050】
このプログラムは、主記憶装置715または外部記憶装置716内に記憶され、実行にあたって主記憶装置715上にロードされ、演算装置714により実行される。
【0051】
また、計算機700の記憶部720は、計算機700の主記憶装置715または外部記憶装置716により実現される。計算機700の通信部740は、計算機700の通信装置717によって実現される。また、計算機700の入力部741は、計算機700の入力装置711によって実現される。計算機700の出力部742は、計算機700の出力装置712によって実現される。
【0052】
図6に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12と、を備えている。
【0053】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0054】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0055】
また、演算処理部1は、後述するように、遠隔に存在するテレマティクスサーバ600から接続要求を受け付けると、遠隔操作接続を開始する処理を行う。また、遠隔操作接続を開始すると、遠隔操作接続を終了するまでの間は、演算処理部1は、テレマティクスサーバ600から指示を受け付ける。そして、演算処理部1は、当該指示に応じた処理を実施し、処理の結果を示す出力情報(例えば画面出力情報)をディスプレイ2に表示させるとともに、テレマティクスサーバ600に出力情報を送信する。
【0056】
なお、演算処理部1は、当該遠隔操作接続中であっても、例えばナビゲーション装置100が交差点等の詳細な経路を誘導中である場合や、経路案内を受けるユーザからの操作を受け付けて処理している場合には、遠隔操作を受け付けるのが不適切であると判定して、遠隔操作を受け付けないように制御する。
【0057】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0058】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0059】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0060】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、遠隔から受け付けた指示と実施するコマンドとが対応付けられた情報等が格納されるコマンド変換テーブル250と、が記憶されている。
【0061】
図7は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0062】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。
【0063】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0064】
図8は、コマンド変換テーブル250の構成を示す図である。コマンド変換テーブル250は、テレマティクスサーバ600等からナビ通信網500を介して受け付ける指示のIDを特定する情報である指示ID251と、指示ID251に格納された情報に対応付けられた演算処理部1が実施するコマンドを特定する情報である実施コマンド252と、を格納する。
【0065】
指示ID251には、テレマティクスサーバ600等からナビ通信網500を介して受け付ける指示のIDを特定する情報を特定する識別子が格納される。また、実施コマンド252には、指示ID251に格納された情報に対応付けられた演算処理部1が実施するコマンドを特定する情報が格納される。例えば、指示ID251に「上スクロール」とあり、実施コマンド252に「ページスクロール上」とある場合には、当該操作IDに応じた処理を実施するコマンドは「ページスクロール上」であることを指定している。
【0066】
なお、指示IDとともにテレマティクスサーバ600からパラメータ(例えば「1ページ」等の指示の詳細や度合い)が送信される場合があるが、当該パラメータはコマンド変換テーブル250においては変換する対応付け情報を備えない。すなわち、当該パラメータは実施コマンドのパラメータとしてそのまま取り扱われる。
【0067】
なお、コマンド変換テーブル250に格納される情報は、予め定められた情報であってもよいし、通信装置12等を介してテレマティクスサーバ600から送信された情報を受信し受信情報に基づいて随時更新して維持される情報であってもよい。
【0068】
図6に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0069】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0070】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0071】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0072】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0073】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0074】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0075】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0076】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0077】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0078】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0079】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0080】
通信装置12は、ナビ通信網500に接続する。このような通信装置12は、例えば携帯電話網に接続してナビ通信網500を介して他の装置とデータ通信を行う装置であり、例えばユーザの携帯電話機を取り付けられて通信が可能となるものを含む。
【0081】
図9は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、通信装置制御部104と、指示受付部105と、コマンド変換部106と、コマンド実行部107と、出力送信部108と、状況報知部109と、を有する。
【0082】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。また、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。また、実施コマンドに対応する処理を各処理部から受け付けて、処理を行う。
【0083】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。
【0084】
出力処理部103は、例えばポリゴン情報等の表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0085】
通信装置制御部104は、通信装置12の制御を行う。具体的には、通信装置制御部104は、通信装置12を介して遠隔操作の接続依頼を他の装置から受け付けると、ナビゲーション装置100の機種を特定する情報を送信するとともに、遠隔操作の開始処理を行う。また、通信制御装置104は、遠隔操作の接続依頼を受け付けると、現在ディスプレイ2に表示されている画面の情報を取得して当該依頼元の装置に対して送信するために、出力送信部108に依頼して出力情報を作成させ、出力情報を送信する。
【0086】
指示受付部105は、ナビゲーション装置100に対する遠隔操作の指示と、遠隔操作のパラメータと、を受け付ける。
【0087】
コマンド変換部106は、指示受付部105により受け付けた指示に応じて、遠隔操作の指示を実行可能な実施コマンドに変換する。その際、コマンド変換部106は、コマンド変換テーブル250を用いて、受け付けた指示に対応する実施コマンドを特定する。
【0088】
コマンド実行部107は、コマンド変換部106により変換された実施コマンドを、遠隔操作のパラメータを指定して実行する。具体的には、コマンド実行部107は、コマンド変換部106により変換された実施コマンドを、主制御部101に受け渡してコマンドを実行指示する。
【0089】
出力送信部108は、コマンド実行部107によるコマンドの実行の結果得られる出力を出力処理部103からコピーして取得して、遠隔操作元であるテレマティクスサーバ600に対して送信する。
【0090】
状況報知部109は、遠隔操作の開始から終了までの間において、ナビゲーション装置100の動作状態を監視し、遠隔操作を受け付けるのに適切ではない状況、例えば経路案内を受ける者に対し注意を喚起すべき交差点を案内中や、経路案内を受ける者から入力受付部102を介して操作を受け付けている状況においては、テレマティクスサーバ600に対して遠隔操作を中止するよう喚起し、遠隔操作を中断させる。
【0091】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、通信装置制御部104、指示受付部105、コマンド変換部106、コマンド実行部107、出力送信部108、状況報知部109は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0092】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0093】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0094】
[動作の説明]
次に、遠隔操作を実施する状況におけるテレマティクスサーバ600と、ナビゲーション装置100と、計算機700と、の動作について説明する。
【0095】
図10は、計算機700から遠隔操作の指示を受け付けてナビゲーション装置100に処理を仲介するテレマティクスサーバのテレマティクスサーバ処理と、ナビゲーション装置100のナビゲーション装置処理とを示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100とテレマティクスサーバ600とが稼働している状態において、計算機700から所定の操作、例えばブラウザ部731からテレマティクスサーバ600への遠隔操作メニュー等の起動指示を受け付けることで開始される。
【0096】
まず、テレマティクスサーバ600のナビ接続指示受付部631は、計算機700のブラウザ部731を介して、ユーザから入力された遠隔操作対象のナビゲーション装置の指定を受け付ける(ステップS001)。具体的には、ナビ接続指示受付部631は、接続するナビゲーション装置100を特定する情報、例えばナビゲーション装置100の接続先を特定する情報あるいはナビゲーション装置100に取り付けられた通信装置12の通信先を接続する情報(携帯電話番号等)を受け付ける。
【0097】
次に、テレマティクスサーバ600のナビ接続指示受付部631は、指定を受け付けたナビゲーション装置100に対して、接続開始要求を送信する(ステップS002)。
【0098】
次に、ナビゲーション装置100の通信装置制御部104は、通信装置12を介して接続開始要求を受け付けると、ナビゲーション装置100の機種を特定する情報と、画面(ディスプレイ2)に表示されている情報をテレマティクスサーバ600へ送信する(ステップS101)。続けて、ナビゲーション装置100の出力処理部103は、ディスプレイ2の所定の領域に、「遠隔操作中」である旨のメッセージを表示させる(ステップS102)。この表示により、ナビゲーション装置100は、経路案内を受ける者に対して、ナビゲーション装置100が遠隔操作を受け付けている旨を知らせることができる。
【0099】
ナビ接続指示受付部631は、ナビゲーション装置100から機種を特定する情報を受信して、機種に応じて操作変換パターンと画面デザインとを特定する。具体的には、ナビ接続指示受付部631は、ナビ機種情報テーブル400を参照して、通信先の機種ID402に応じた操作変換パターン403と、表示画面デザイン404と、を特定する。
【0100】
次に、テレマティクスサーバ600の出力処理部635は、受信したナビ画面情報を表示画面デザイン404に沿って埋め込んだ表示画面を計算機700のブラウザ部731に対して送信する(ステップS004)。
【0101】
次に、テレマティクスサーバ600の遠隔操作受付部632は、遠隔操作IDとパラメータとの指定を計算機700のブラウザ部731から受け付ける(ステップS005)。例えば、遠隔操作受付部632は、遠隔操作IDとして「画面上方向に地図をスクロールさせる」旨の内容に相当する遠隔操作IDを受け付けて、パラメータとして「スクロール量は一画面分」である旨のパラメータ(例えば、「1ページ」)を受け付ける。
【0102】
次に、テレマティクスサーバ600の操作指示部633は、遠隔操作IDを指示IDに変換して、パラメータと共にナビゲーション装置100に送信する(ステップS006)。具体的には、操作指示部632は、ステップS003にて特定した操作変換パターンに対応する遠隔操作変換テーブル410の操作変換パターン411にしたがって、遠隔操作ID412を、対応付けられた指示ID413に変換する。そして、変換した指示IDとパラメータとをナビゲーション装置100に対して送信する。そして、遠隔操作IDと、パラメータと、指示IDとを、操作履歴テーブル420に格納して履歴を残す。
【0103】
ナビゲーション装置100の指示受付部105は、指示IDとパラメータとを受け付ける(ステップS111)。
【0104】
次に、ナビゲーション装置100のコマンド変換部106は、受け付けた指示IDをコマンドに読み替える(ステップS112)。具体的には、コマンド変換部106は、コマンド変換テーブル250を参照して指示ID251に対応付けられた実施コマンド252を特定し、受け付けた指示IDを実施コマンド252により特定されるコマンドに読み替える。例えば、指示IDが「上スクロール」である場合、実施コマンドである「ページスクロール上」に読み替える。
【0105】
次に、ナビゲーション装置100のコマンド実行部107は、読み替えたコマンドを実行する(ステップS113)。具体的には、コマンド実行部107は、読み替えたコマンドとパラメータとを主制御部101に送信してコマンドに応じた処理を行わせる。例えば、「ページスクロール上」コマンドを、パラメータとして「1ページ」を指定して実行させる。
【0106】
次に、ナビゲーション装置100の出力送信部108は、主制御部101が処理した結果得られる出力情報を出力処理部103から取得し、ナビゲーション装置100に表示されている画面の画面情報とあわせてテレマティクスサーバ600に送信する(ステップS114)。例えば、出力送信部108は、上方向に画面を1ページ分スクロールした地図画面を取得して、テレマティクスサーバ600に送信する。
【0107】
次に、テレマティクスサーバ600のナビ出力取得部634は、ナビゲーション装置から受信した出力情報を受信すると、出力処理部635は表示画面を構成して、計算機700に表示させる(ステップS007)。具体的には、ナビ出力取得部634は、ナビゲーション装置100の出力情報を含む表示画面をステップS003にて特定した表示画面デザインにあわせて構成する。そして、出力処理部635は、計算機700のブラウザ部731に対して構成した表示画面を送信する。例えば、図11に示す画面800の構成情報を送信する。
【0108】
図11は、出力処理部635が構成した画面800の例を示す図である。画面800は、ナビゲーション装置出力画面表示領域810と、ナビゲーション装置操作入力領域820と、ナビゲーション装置設定入力領域830と、を備える。
【0109】
ナビゲーション装置出力画面表示領域810には、ナビゲーション装置100の出力処理部103が構成した画面情報、例えば自己位置表示を含む周辺の地図情報等が表示される。ナビゲーション装置出力画面表示領域810に表示される画面は、ナビゲーション装置100の表示画面が変化すると、基本的に連動し、同様の画面情報が表示される。
【0110】
ナビゲーション装置操作入力領域820には、ナビゲーション装置100に備え付けられたダイヤルスイッチ等の本体に備え付けてあるハードウェア入力装置に対応付けられた操作入力を受け付けることができる入力用のソフトウェアスイッチ等が表示される。例えば、ナビゲーション装置100のリモートコントローラのボタンを模したデザインのソフトウェアスイッチ等である。なお、当該ソフトウェアスイッチ等は、ナビゲーション装置100のハードウェア入力装置と同様の操作単位を有する。すなわち、使用者は、ハードウェア入力装置の操作と同様の操作でナビゲーション装置100を遠隔操作可能である。
【0111】
ナビゲーション装置設定入力領域830には、ナビゲーション装置100についての設定情報を簡単に切り替えるためのコマンドを遠隔から発行するためのソフトウェアスイッチ等が表示される。例えば、地図ビューを変更するための変更スイッチ831や、地図表示の縮尺を変更するための縮尺変更スイッチ832等が表示される。
【0112】
次に、テレマティクスサーバ600の遠隔操作受付部632は、計算機700のブラウザ部731を介して、遠隔操作の終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS008)。
【0113】
終了指示を受け付けていない場合(ステップS008にて「No」)、遠隔操作受付部632は、処理をステップS005に戻す。
【0114】
終了指示を受け付けた場合(ステップS008にて「Yes」)、ナビ接続指示受付部631は、ナビゲーション装置100に対して遠隔操作の終了要求を送信すると共に、処理を終了させる(ステップS009)。
【0115】
終了要求を受け付けたナビゲーション装置100の通信装置制御部104は、遠隔操作に関するテレマティクスサーバ600との通信を終了させて、処理を終了させる。
【0116】
以上が、遠隔操作処理の処理内容である。上記の遠隔操作処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、経路案内を行う者以外の者からの遠隔操作を受け付けることができる。
【0117】
なお、遠隔操作処理においては、テレマティクスサーバ600において、遠隔操作IDを指示IDに変換して、指示IDをナビゲーション装置100に送信しているが、これに限られるものではない。例えば、ナビゲーション装置100がステップS113において実行する実施コマンドそのものが遠隔操作IDと一致するようにして、変換する必要がないようにしても良い。すなわち、ナビゲーション装置100が実行する処理のコマンドがナビ通信網を介してクライアント計算機700からテレマティクスサーバ600へ送信され、そのまま変換されること無く当該コマンドがテレマティクスサーバ600からナビゲーション装置100に送信されるようにしてもよい。または、ナビゲーション装置100がステップS113において実行する実施コマンドがパラメータに含まれるようにしてもよい。このようにすることで、実施コマンドの変換処理にかかる処理負担を軽減することができる。
【0118】
図12は、遠隔操作処理の接続開始から終了までの間、所定の間隔(例えば10秒間隔)にて、テレマティクスサーバ600とナビゲーション装置100との間において実施される操作中断チェック処理の詳細の処理内容を示すフロー図である。
【0119】
まず、テレマティクスサーバ600のナビ監視部636は、接続中のナビゲーション装置に対して状況報知依頼を送信する(ステップS201)。具体的には、ナビ監視部636は、遠隔操作処理による通信を開始しているナビゲーション装置100に対して、状況を報知するよう依頼する情報を送信する。なお、テレマティクスサーバ600が複数のナビゲーション装置100と接続している場合には、一部のナビゲーション装置あるいは全てのナビゲーション装置に対して当該依頼情報を送信する。
【0120】
次に、図示しないが、ナビゲーション装置100の状況報知部109は、当該状況報知依頼情報を通信装置12を介して受け付けると、主制御部101に対して処理状況を問い合わせて、遠隔操作を受け付けられる状況にあるか否かを判定し、受け付けられるか否かの情報と、受け付けられない状況にある場合にはその理由と、をテレマティクスサーバ600に対して状況報知情報として送信する。なお、遠隔操作を受け付けられない状況にある理由としては、例えば、交差点付近で経路案内中の者に対して交差点案内を行っている最中である場合や、経路案内中の者がナビゲーション装置100の操作を行っている場合等である。
【0121】
次に、テレマティクスサーバ600のナビ監視部636は、状況報知情報を受信したか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、ナビ監視部636は、所定の時間(例えば5秒間)、ナビゲーション装置100からの送信情報を監視し、当該時間内に状況報知情報を受信したか否かにより状況報知情報を受信したか否かを判定する。
【0122】
状況報知情報を受信した場合(ステップS202にて「Yes」)、ナビ監視部636は、当該ナビゲーション装置が遠隔操作可能な状況にあるか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、ナビ監視部636は、状況報知情報を受信した場合、遠隔操作を受け付けられる状況にあるという情報を受信した場合には、遠隔操作可能な状況にあると判定する。そうでない場合には、遠隔操作可能な状況にないと判定する。
【0123】
遠隔操作可能な状況にある場合(ステップS203にて「Yes」)、ナビ監視部636は、遠隔操作の処理を中断する必要はないものと判定して、操作中断チェック処理を終了させる。また、遠隔操作禁止部637は、操作中断中であれば、中断画面の表示を解除して、通常の遠隔操作の受付が可能な画面情報を構成して計算機700に送信して、操作中断チェック処理を終了させる(ステップS204)。
【0124】
遠隔操作可能な状況にない場合(ステップS203にて「No」)、遠隔操作禁止部637は、受信した遠隔操作を受け付けられない理由の情報を含むメッセージを表示する操作不可画面情報を作成し、当該ナビゲーション装置600を遠隔操作する計算機700に対して表示を行うよう、送信する(ステップS205)。そして、操作中断チェック処理を終了させる。なお、計算機700のブラウザ部731は、当該メッセージを含む操作不可画面情報を受信すると、遠隔操作の受付を行う画面に換えて当該操作不可画面情報を表示させる。そのため、遠隔操作を受け付けることが不可能となる。
【0125】
状況報知情報を受信しない場合(ステップS202にて「No」)、ナビ監視部636は、当該ナビゲーション装置が遠隔操作不可能な状況、例えばトンネル内などの通信不可能な場所にあると判定し、上述したステップS205の処理を実施する。ただし、ステップS205の処理に際しては、遠隔操作禁止部637は、遠隔操作を受け付けられない理由の情報として、「通信不可能」であることを表示する。
【0126】
以上が、操作中断チェック処理の処理内容である。なお、当該操作中断チェック処理は、所定の間隔で実施されるものであるが、これに限られず、ナビゲーション装置100からテレマティクスサーバ600に対して必要に応じて状況情報が送信され、ステップS203〜ステップS205までの処理を実行するものであってもよい。例えば、トンネル等のナビ通信網500の通信状態が悪い地域へ進入することが予想される場合には、ナビゲーション装置100は、当該地域においては通信不良が発生する虞があるため、遠隔操作を中断する旨の情報をテレマティクスサーバ600に送信するようにしてもよい。このようにすることで、より精度の高い細やかな遠隔操作の制御が可能となる。
【0127】
また、ナビゲーション装置100からテレマティクスサーバ600に対して状況情報が送信されて、テレマティクスサーバ600においてクライアント計算機700からの遠隔操作を抑制させる方法に限らず、ナビゲーション装置100は、受け付けた指示IDに応じた処理の開始を、状況に応じて遅らせるようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置100は、交差点案内中等、遠隔操作に応答するのが適切でない場合(予め定められているものとする)には、適切な状況に回復してから処理を開始させるようにしてもよい。このようにすることで、ナビゲーション装置100による経路案内を妨げてしまうことを回避しやすくすることができる。
【0128】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【0129】
本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、経路案内を受ける者でない他の遠隔地にいるユーザがナビゲーション装置100を遠隔から操作することが可能となる。つまり、経路案内を受ける者に代わって、他のユーザがナビゲーション装置の操作を行うことができるようになる。このことは、例えば、レンタカーやカーシェアリングのシステムにおいて、車両を借りた運転者がナビゲーション装置の操作に不慣れな場合等に、他のユーザ、例えば貸主や運転者の知人等によってナビゲーション操作を代行することができるようになり、ナビゲーション装置による経路案内をスムーズに受けることが可能となる。または、タクシー会社等が、運行管理下にある車両に配車指示を行う場合等に、具体的な目的地等を設定することが可能となり、タクシー利用客の便利に供することを可能とすることができる。
【0130】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、第一の実施形態の遠隔操作処理においては、ナビゲーション装置100が実施するステップS101〜ステップS121の間には、ナビゲーション装置100のディスプレイ2には、遠隔操作の結果出力される画面が表示されるが、これに限られず、激しい画面遷移を伴う場合には、当該画面の表示を抑制するようにしてもよい。具体的には、特定のコマンドを実行する場合、ナビゲーション装置100のディスプレイ2に表示される画面表示の変更を抑制するようにしてもよい。または、特定のコマンドを実行する場合にのみ、画面表示を変更するようにしてもよい。例えば、地図画面のスクロールを行う遠隔操作のコマンド実行に際しては、出力送信部108は、出力処理部103に対してディスプレイ2へ画面の表示をしないように指示するようにしてもよい。このようにすることにより、経路案内を受けているユーザが、遠隔操作により激しく遷移する画面に気を取られて注意を削がれることを回避しやすくできる。
【0131】
また、上記第一の実施形態においては、ナビゲーション装置100は、ステップS111においてナビ通信網500を介して指示IDとパラメータとを受け付けているが、これに限られない。例えば、ナビゲーション装置100は、例えば図示しない不揮発性の外部記憶媒体読取装置等を用いて、指示IDとパラメータとが格納された外部記憶媒体を読み込むことで、当該指示IDとパラメータとを受け付けるようにしてもよい。その場合には、ナビゲーション装置100の指示受付部105は、当該外部記憶媒体から指示IDとパラメータとを読み出して、当該読み出した内容に従ってコマンドを実行し、実行した結果の画面表示情報をディスプレイ2に表示させる。
【0132】
また、当該外部記憶媒体に格納されるパラメータには、指示IDにより指定される処理の実行条件(位置や時刻、あるいはイベントの発生等)が含まれるものであってもよい。このようにすることで、例えば、目的地が設定されていることを実行条件とする経由地設定指示などを実行させることができる。
【0133】
また、上記第一の実施形態においては、ナビゲーション装置100は、ステップS114において、実行したコマンドの処理結果である出力情報をテレマティクスサーバ600へ送信しているが、当該出力情報の送信と共に、ナビゲーション装置100が管理する制御情報等を併せて送信するようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置100が車両に搭載される場合には、当該車両の状態(例えばエアコンの設定温度等の制御の状態)を示す情報を制御情報として送信するようにしてもよい。そして、テレマティクスサーバ600は、ステップS007において構成する画面800の表示情報に当該制御情報を含めるようにするとともに、当該制御情報に関する設定を変更するためのソフトウェアスイッチを表示するようにして、当該ソフトウェアスイッチの操作を受け付けることにより遠隔操作IDを受け付けるようにしてもよい。このようにすることで、ナビゲーション装置100が管理する対象(機器)についても、遠隔操作処理において操作を行うことが可能となる。
【0134】
また、上記第一の実施形態においては、ナビゲーション装置100は、
さらに、上記したそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつかを組み合わせるようにしてもよい。
【0135】
また、上記第一の実施形態においては、クライアント計算機700とテレマティクスサーバ600は異なる装置としているが、これに限られない。例えば、クライアント計算機700が、テレマティクスサーバ600と同様の構成を備え、同様の機能を発揮できるようにしてもよい。
【0136】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【0137】
なお、上記の実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、移動体の経路案内を行う装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0138】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・通信装置制御部、105・・・指示受付部、106・・・コマンド変換部、107・・・コマンド実行部、108・・・出力送信部、109・・・状況報知部、200・・・リンクテーブル、250・・・コマンド変換テーブル、400・・・ナビ機種情報テーブル、410・・・遠隔操作変換テーブル、420・・・操作履歴テーブル、500・・・ナビ装置通信網、510・・・通信網、600・・・テレマティクスサーバ、620・・・記憶部、630・・・制御部、631・・・ナビ接続指示受付部、632・・・遠隔操作受付部、633・・・操作指示部、634・・・ナビ出力取得部、635・・・出力処理部、636・・・ナビ監視部、637・・・遠隔操作禁止部、640・・・ナビ通信網接続部、641・・・通信網接続部、700・・・計算機、720・・・記憶部、730・・・制御部、731・・・ブラウザ部、740・・・通信網接続部、741・・・入力部、742・・・出力部、1000・・・ナビゲーションシステム
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、本体の操作スイッチの操作やリモートコントローラのスイッチ操作を入力情報として受け付けることで、ナビゲーション装置による経路案内を受けるユーザからの入力を受け付けて経路案内処理を行う技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−143373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなナビゲーション装置は、経路案内を受けるユーザ以外のユーザからの入力情報を、対話処理を通じて受け付けることは難しい。例えば、ユーザからの要請を受けた遠隔地にある情報センターから当該ユーザが使用するナビゲーション装置の目的地の設定を遠隔操作する技術があるが、そのような技術はナビゲーション装置のインターフェイスと操作単位が異なり、対話処理を通じて処理を行うものではない。
【0005】
本発明の目的は、経路案内を受けるユーザ以外の者が対話処理を通じてナビゲーション装置を操作できるナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るサーバ装置は、ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた操作の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した操作の指示を送信する操作指示手段と、前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記操作の指示の結果の出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置と、サーバ装置と、クライアント計算機と、を備えるナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、通信網を介して前記サーバ装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記サーバ装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を、前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信する出力送信手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記通信網を介して前記ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、前記クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた処理の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した処理の指示を送信する処理指示手段と、前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、を備え、前記クライアント計算機は、ユーザからの入力を受け付ける入力受付手段と、ユーザへの出力を行う出力処理手段と、前記通信網を介して前記サーバ装置と通信を行うサーバ装置通信手段と、前記入力受付手段により受け付けたユーザからの遠隔操作に関する入力情報を前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置に送信する遠隔操作送信手段と、を備え、前記出力処理手段は、前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置から受信した前記出力情報を出力する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るナビゲーション装置のプログラムは、ナビゲーション装置のプログラムであって、前記ナビゲーション装置は、制御手段を備え、前記制御手段に対して、外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付ステップと、前記指示受付ステップにより受け付けた指示に応じた処理を実行する処理ステップと、前記処理ステップにより実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力ステップと、を実施させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、ナビ機種情報テーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、遠隔操作変換テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、操作履歴テーブルの構成を示す図である。
【図5】図5は、テレマティクスサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図6】図6は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図7】図7は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図8】図8は、コマンド変換テーブルの構成を示す図である。
【図9】図9は、演算処理部の機能構成図である。
【図10】図10は、遠隔操作処理のフロー図である。
【図11】図11は、遠隔操作処理の画面表示例である。
【図12】図12は、操作中断チェック処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーションシステムについて、図面を参照して説明する。
【0012】
図1に、ナビゲーションシステム1000の全体構成図を示す。
【0013】
ナビゲーションシステム1000は、ナビゲーション装置100と、第一のネットワーク500を介してナビゲーション装置100と接続可能なテレマティクスサーバ600と、第二のネットワークネットワーク510を介してテレマティクスサーバ600と接続可能な計算機700と、を備えるシステムである。
【0014】
なお、第一のネットワーク500は、携帯電話網等の広域無線通信網である(以降、第一のネットワーク500をナビ通信網500と称呼)。第二のネットワーク510は、広域無線通信網、または例えばインターネット等のオープンなネットワークと接続可能な広域通信網であり、携帯電話通信網やインターネットプロバイダのネットワークを含む(以降、第二のネットワーク510を通信網510と称呼)。もちろん、ナビ通信網500および通信網510は、各種のLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の特定者が使用可能な通信網であってもよい。また、ナビ通信網500と通信網510とは、互いに接続されたネットワークであってもよいし、同一のネットワークであってもよい。
【0015】
ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報とを示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。なお、ナビゲーション装置100は、ナビ通信網500を介してテレマティクスサーバ600と通信を行うことが可能であり、テレマティクスサーバ600に対して、ナビゲーション装置100の使用状態等の情報を送信することができる。また、テレマティクスサーバ600からの接続要求に応じて、遠隔操作のための接続を開始し、遠隔操作に応じて処理を行い、処理結果の画面等を含む出力情報をテレマティクスサーバ600に送信する。
【0016】
テレマティクスサーバ600は、ナビゲーション装置100と計算機700との間の入出力情報を仲介する。具体的には、テレマティクスサーバ600は、計算機700から通信網510を介してナビゲーション装置100への接続指示を受け付けると、ナビ通信網500を介してナビゲーション装置100へ接続する。テレマティクスサーバ600は、操作画面等の出力情報をナビゲーション装置100から取得すると、計算機700へ当該出力情報を送信し、計算機700からナビゲーション装置100への遠隔操作を受け付ける。そして、テレマティクスサーバ600は、遠隔操作に応じた指示を特定してナビゲーション装置100へ送信し、ナビゲーション装置100から指示の結果の出力情報を取得して計算機700へ送信する。また、その際、ナビゲーション装置100から遠隔操作が不可能である旨の情報を受信すると、計算機700に対して当該情報を送信することで、遠隔操作を中断させる。
【0017】
テレマティクスサーバ600は、記憶部620と、制御部630と、ナビ通信網接続部640と、通信網接続部650と、を備える。記憶部620には、ナビ機種情報記憶領域621と、遠隔操作変換情報記憶領域622と、操作履歴記憶領域623と、を備える。
【0018】
記憶部620には、通信先のナビゲーション装置100の機種に応じた入出力インターフェイス情報の加工方式が格納されるナビ機種情報テーブル621と、遠隔操作と指示との具体的な変換情報を特定する遠隔操作変換テーブル622と、受け付けた遠隔操作についての履歴情報が格納される操作履歴テーブル623と、が格納される。
【0019】
ナビ機種情報テーブル621は、図2に示すナビ機種情報テーブル400により構成される。具体的には、ナビ機種情報テーブル400は、通信を行うナビゲーション装置100を特定する情報を格納する通信先401と、通信先のナビゲーション装置100の機種を特定する情報を格納する機種ID402と、計算機700から送信される遠隔操作から通信先のナビゲーション装置100に対する指示情報へ変換するルールの集合である操作変換パターンを特定する操作変換パターン403と、ナビゲーション装置100から送信された画面を計算機700において表示させるための表示画面の情報を特定する表示画面デザイン404と、を格納する。
【0020】
例えば、通信先401には、ナビゲーション装置100の固体番号あるいはナビゲーション装置100に接続される通信装置の固有番号(携帯電話番号等)を特定する情報が格納される。また、機種ID402には、ナビゲーション装置100のインターフェイスを特定するための情報である型番等の情報が格納される。なお、通常は、操作変換パターン403と、表示画面パターン404と、には機種ID402に応じて予め対応付けられた値が格納される。
【0021】
遠隔操作変換テーブル622は、図3に示す遠隔操作変換テーブル410により構成される。具体的には、遠隔操作変換テーブル410は、計算機700から送信される遠隔操作から通信先のナビゲーション装置100に対する指示情報へ変換するルールのパターンを特定する操作変換パターン411と、操作変換パターン411に対応付けられる遠隔操作ID412と指示ID413の対の情報と、を格納する。
【0022】
遠隔操作ID412と指示ID413の対の情報は、それぞれ、遠隔操作ID412に格納された遠隔操作IDから指示ID413への変換ルールを特定する情報である。遠隔操作ID412には、計算機700から送信される操作を特定する情報が格納され、指示ID413は、ナビゲーション装置100に送信する指示を特定する情報が格納される。
【0023】
操作履歴テーブル623は、図4に示す操作履歴テーブル420により構成される。具体的には、操作履歴テーブル420には、テレマティクスサーバ600が計算機700から受け付けた遠隔操作内容を特定する情報である遠隔操作IDを特定する受付遠隔操作ID421と、当該遠隔操作時に付加されたパラメータ情報を特定する受付パラメータ422と、遠隔操作ID421により特定される遠隔操作を変換したナビゲーション装置100に対する指示を特定する指示ID423と、を格納する。
【0024】
例えば、受付遠隔操作ID421には「画面上方向に地図をスクロールさせる」旨の遠隔操作を特定する遠隔操作IDが格納され、受付パラメータ422には「スクロール量は一画面分」である旨のパラメータ(例えば、「1ページ」)が格納される。その場合、指示ID423には、受付遠隔操作ID421に対応するナビゲーション装置100への指示(例えば、遠隔操作IDに対応する「上スクロール」)が格納される。
【0025】
制御部630は、ナビ接続指示受付部631と、遠隔操作受付部632と、操作指示部633と、ナビ出力取得部634と、出力処理部635と、ナビ監視部636と、遠隔操作禁止部637と、を備える。
【0026】
ナビ接続指示受付部631は、ナビゲーション装置100に対する遠隔操作を開始する指示情報を計算機700から受信すると、ナビゲーション装置100に対して接続開始要求を送信する。遠隔操作受付部632は、計算機700からナビゲーション装置100に対する遠隔操作とそのパラメータとを受け付ける。操作指示部633は、遠隔操作受付部632にて受け付けた遠隔操作をナビゲーション装置100が実行可能な指示に変換し、変換した指示をナビゲーション装置100に対して送信する。
【0027】
ナビ出力取得部634は、ナビゲーション装置100から送信された出力情報を受信する。出力処理部635は、ナビ出力取得部634が受信した出力情報を、計算機700が再生可能なように変換し、変換した出力情報を計算機700に送信する。当該変換処理において、出力処理部635は、計算機700に表示すべき出力情報を埋め込んだ表示情報、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)等の画面表示、音声表示、操作とそのパラメータとを受け付けるスクリプト等を埋め込んだ表示情報を作成する。
【0028】
ナビ監視部636は、ナビゲーション装置100の状態を定期的にモニタリングする。例えば、ナビゲーション装置100との接続を行っている間は、ナビゲーション装置100に対して通信可能な状況にあるか否かを問い合わせる情報を定期的に送信(ポーリング)し、応答情報を受信して通信可能な状況にあるか否かを判定するための情報とする。
【0029】
遠隔操作禁止部637は、ナビ監視部636によってナビゲーション装置100が通信可能な状況にないと判定されると、計算機700に対して、遠隔操作を中断させる。具体的には、遠隔操作禁止部637は、ナビゲーション装置100からポーリングの応答情報が受信できなかった場合には、トンネル走行中等の通信障害のために遠隔操作ができない旨のメッセージ情報を計算機700の画面に表示させて、遠隔操作の入力を禁止する。なお、例えば、ポーリングの応答情報が、「交差点案内中」や「ユーザ(搭乗者)が操作中」等のようにナビゲーション装置100の遠隔操作が不適切である場合についても、同様にメッセージ情報を計算機700の画面に表示させる。
【0030】
ナビ通信網接続部640は、ナビ通信網500に対する通信を開始させ、終了させ、送受信を行う。
【0031】
通信網接続部650は、通信網510に対する通信を開始させ、終了させ、送受信を行う。
【0032】
図5は、テレマティクスサーバ600のハードウェア構成を示す図である。テレマティクスサーバ600は、入力装置611と、出力装置612と、ナビゲーション装置通信装置613と、演算装置614と、主記憶装置615と、外部記憶装置616と、通信装置617と、それぞれの装置を互いに接続するバス618と、を備える。
【0033】
入力装置611は、例えばキーボードやマウス、あるいはタッチペン、その他ポインティングデバイスなどの入力を受け付ける装置である。
【0034】
出力装置612は、例えばディスプレイなどの、表示を行う装置である
ナビゲーション装置通信装置613は、ナビ通信網500のネットワークを介してナビゲーション装置100と通信を行う装置である。なお、ナビゲーション装置通信装置613は、ナビゲーション装置100のみならず他の装置であっても、ナビ通信網500に接続された装置と通信を行うことができる。
【0035】
演算装置614は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0036】
主記憶装置615は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0037】
外部記憶装置616は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0038】
通信装置617は、通信網510のネットワークを介して計算機700と通信を行う装置である。なお、通信装置617は、計算機700のみならず他の装置であっても、通信網510に接続された装置と通信を行うことができる。
【0039】
テレマティクスサーバ600のナビ接続指示受付部631と、遠隔操作受付部632と、操作指示部633と、ナビ出力取得部634と、出力処理部635と、ナビ監視部636と、遠隔操作禁止部637とは、テレマティクスサーバ600の演算装置614に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0040】
このプログラムは、主記憶装置615または外部記憶装置616内に記憶され、実行にあたって主記憶装置615上にロードされ、演算装置614により実行される。
【0041】
また、テレマティクスサーバ600の記憶部620は、テレマティクスサーバ600の主記憶装置615または外部記憶装置616により実現される。
【0042】
テレマティクスサーバ600のナビ通信網接続部640は、テレマティクスサーバ600のナビゲーション装置通信装置613によって実現される。
【0043】
テレマティクスサーバ600の通信網接続部650は、テレマティクスサーバ600の通信装置617によって実現される。
【0044】
計算機700は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であって、ナビゲーション装置100へ接続するようテレマティクスサーバ600に依頼することが可能である。また、計算機700は、テレマティクスサーバ600から送信されるナビゲーション装置100の出力情報に基づいて出力を行い、ナビゲーション装置100への遠隔操作を入力情報として受け付けることができる。
【0045】
計算機700は、図1に示すように、記憶部720と、制御部730と、通信網接続部740と、入力部741と、出力部742と、を有する。
【0046】
記憶部720は、各種の電子情報を格納する。
【0047】
制御部730は、ブラウザ部731を備える。ブラウザ部731は、後述する通信網接続部740を介して通信網510に接続し、通信網510に接続された他の装置と通信を行う。また、ブラウザ部731は、使用者の操作入力を、入力部741を介して受け付け、使用者に提示する情報を出力部742に依頼して出力する。例えば、ブラウザ部731は、HTML等の修飾表示情報を有するWebページ等を受信すると表示し、当該Webページ上に使用者から入力された情報をリンク先のサーバ等に送信することができる。
【0048】
通信網接続部740は、通信網510を介して他の機器に接続し、接続した他の機器に対して情報の送信を行い、接続した他の機器から送信された情報の受信を行う。入力部741は、使用者からの情報の入力を受け付ける。出力部742は、使用者に対して、各種の情報を出力する。なお、図示しないが、計算機700についても、テレマティクスサーバ600と同様のハードウェア構成を備える。ただし、テレマティクスサーバ600のナビゲーション装置通信装置613に対応する通信装置を備える必要はない。
【0049】
また、計算機700のブラウザ部731は、計算機700の演算装置714に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0050】
このプログラムは、主記憶装置715または外部記憶装置716内に記憶され、実行にあたって主記憶装置715上にロードされ、演算装置714により実行される。
【0051】
また、計算機700の記憶部720は、計算機700の主記憶装置715または外部記憶装置716により実現される。計算機700の通信部740は、計算機700の通信装置717によって実現される。また、計算機700の入力部741は、計算機700の入力装置711によって実現される。計算機700の出力部742は、計算機700の出力装置712によって実現される。
【0052】
図6に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12と、を備えている。
【0053】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0054】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0055】
また、演算処理部1は、後述するように、遠隔に存在するテレマティクスサーバ600から接続要求を受け付けると、遠隔操作接続を開始する処理を行う。また、遠隔操作接続を開始すると、遠隔操作接続を終了するまでの間は、演算処理部1は、テレマティクスサーバ600から指示を受け付ける。そして、演算処理部1は、当該指示に応じた処理を実施し、処理の結果を示す出力情報(例えば画面出力情報)をディスプレイ2に表示させるとともに、テレマティクスサーバ600に出力情報を送信する。
【0056】
なお、演算処理部1は、当該遠隔操作接続中であっても、例えばナビゲーション装置100が交差点等の詳細な経路を誘導中である場合や、経路案内を受けるユーザからの操作を受け付けて処理している場合には、遠隔操作を受け付けるのが不適切であると判定して、遠隔操作を受け付けないように制御する。
【0057】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0058】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0059】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0060】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、遠隔から受け付けた指示と実施するコマンドとが対応付けられた情報等が格納されるコマンド変換テーブル250と、が記憶されている。
【0061】
図7は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0062】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。
【0063】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0064】
図8は、コマンド変換テーブル250の構成を示す図である。コマンド変換テーブル250は、テレマティクスサーバ600等からナビ通信網500を介して受け付ける指示のIDを特定する情報である指示ID251と、指示ID251に格納された情報に対応付けられた演算処理部1が実施するコマンドを特定する情報である実施コマンド252と、を格納する。
【0065】
指示ID251には、テレマティクスサーバ600等からナビ通信網500を介して受け付ける指示のIDを特定する情報を特定する識別子が格納される。また、実施コマンド252には、指示ID251に格納された情報に対応付けられた演算処理部1が実施するコマンドを特定する情報が格納される。例えば、指示ID251に「上スクロール」とあり、実施コマンド252に「ページスクロール上」とある場合には、当該操作IDに応じた処理を実施するコマンドは「ページスクロール上」であることを指定している。
【0066】
なお、指示IDとともにテレマティクスサーバ600からパラメータ(例えば「1ページ」等の指示の詳細や度合い)が送信される場合があるが、当該パラメータはコマンド変換テーブル250においては変換する対応付け情報を備えない。すなわち、当該パラメータは実施コマンドのパラメータとしてそのまま取り扱われる。
【0067】
なお、コマンド変換テーブル250に格納される情報は、予め定められた情報であってもよいし、通信装置12等を介してテレマティクスサーバ600から送信された情報を受信し受信情報に基づいて随時更新して維持される情報であってもよい。
【0068】
図6に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0069】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0070】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0071】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0072】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0073】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0074】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0075】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0076】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0077】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0078】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0079】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0080】
通信装置12は、ナビ通信網500に接続する。このような通信装置12は、例えば携帯電話網に接続してナビ通信網500を介して他の装置とデータ通信を行う装置であり、例えばユーザの携帯電話機を取り付けられて通信が可能となるものを含む。
【0081】
図9は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、通信装置制御部104と、指示受付部105と、コマンド変換部106と、コマンド実行部107と、出力送信部108と、状況報知部109と、を有する。
【0082】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。また、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。また、実施コマンドに対応する処理を各処理部から受け付けて、処理を行う。
【0083】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。
【0084】
出力処理部103は、例えばポリゴン情報等の表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0085】
通信装置制御部104は、通信装置12の制御を行う。具体的には、通信装置制御部104は、通信装置12を介して遠隔操作の接続依頼を他の装置から受け付けると、ナビゲーション装置100の機種を特定する情報を送信するとともに、遠隔操作の開始処理を行う。また、通信制御装置104は、遠隔操作の接続依頼を受け付けると、現在ディスプレイ2に表示されている画面の情報を取得して当該依頼元の装置に対して送信するために、出力送信部108に依頼して出力情報を作成させ、出力情報を送信する。
【0086】
指示受付部105は、ナビゲーション装置100に対する遠隔操作の指示と、遠隔操作のパラメータと、を受け付ける。
【0087】
コマンド変換部106は、指示受付部105により受け付けた指示に応じて、遠隔操作の指示を実行可能な実施コマンドに変換する。その際、コマンド変換部106は、コマンド変換テーブル250を用いて、受け付けた指示に対応する実施コマンドを特定する。
【0088】
コマンド実行部107は、コマンド変換部106により変換された実施コマンドを、遠隔操作のパラメータを指定して実行する。具体的には、コマンド実行部107は、コマンド変換部106により変換された実施コマンドを、主制御部101に受け渡してコマンドを実行指示する。
【0089】
出力送信部108は、コマンド実行部107によるコマンドの実行の結果得られる出力を出力処理部103からコピーして取得して、遠隔操作元であるテレマティクスサーバ600に対して送信する。
【0090】
状況報知部109は、遠隔操作の開始から終了までの間において、ナビゲーション装置100の動作状態を監視し、遠隔操作を受け付けるのに適切ではない状況、例えば経路案内を受ける者に対し注意を喚起すべき交差点を案内中や、経路案内を受ける者から入力受付部102を介して操作を受け付けている状況においては、テレマティクスサーバ600に対して遠隔操作を中止するよう喚起し、遠隔操作を中断させる。
【0091】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、通信装置制御部104、指示受付部105、コマンド変換部106、コマンド実行部107、出力送信部108、状況報知部109は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0092】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0093】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0094】
[動作の説明]
次に、遠隔操作を実施する状況におけるテレマティクスサーバ600と、ナビゲーション装置100と、計算機700と、の動作について説明する。
【0095】
図10は、計算機700から遠隔操作の指示を受け付けてナビゲーション装置100に処理を仲介するテレマティクスサーバのテレマティクスサーバ処理と、ナビゲーション装置100のナビゲーション装置処理とを示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100とテレマティクスサーバ600とが稼働している状態において、計算機700から所定の操作、例えばブラウザ部731からテレマティクスサーバ600への遠隔操作メニュー等の起動指示を受け付けることで開始される。
【0096】
まず、テレマティクスサーバ600のナビ接続指示受付部631は、計算機700のブラウザ部731を介して、ユーザから入力された遠隔操作対象のナビゲーション装置の指定を受け付ける(ステップS001)。具体的には、ナビ接続指示受付部631は、接続するナビゲーション装置100を特定する情報、例えばナビゲーション装置100の接続先を特定する情報あるいはナビゲーション装置100に取り付けられた通信装置12の通信先を接続する情報(携帯電話番号等)を受け付ける。
【0097】
次に、テレマティクスサーバ600のナビ接続指示受付部631は、指定を受け付けたナビゲーション装置100に対して、接続開始要求を送信する(ステップS002)。
【0098】
次に、ナビゲーション装置100の通信装置制御部104は、通信装置12を介して接続開始要求を受け付けると、ナビゲーション装置100の機種を特定する情報と、画面(ディスプレイ2)に表示されている情報をテレマティクスサーバ600へ送信する(ステップS101)。続けて、ナビゲーション装置100の出力処理部103は、ディスプレイ2の所定の領域に、「遠隔操作中」である旨のメッセージを表示させる(ステップS102)。この表示により、ナビゲーション装置100は、経路案内を受ける者に対して、ナビゲーション装置100が遠隔操作を受け付けている旨を知らせることができる。
【0099】
ナビ接続指示受付部631は、ナビゲーション装置100から機種を特定する情報を受信して、機種に応じて操作変換パターンと画面デザインとを特定する。具体的には、ナビ接続指示受付部631は、ナビ機種情報テーブル400を参照して、通信先の機種ID402に応じた操作変換パターン403と、表示画面デザイン404と、を特定する。
【0100】
次に、テレマティクスサーバ600の出力処理部635は、受信したナビ画面情報を表示画面デザイン404に沿って埋め込んだ表示画面を計算機700のブラウザ部731に対して送信する(ステップS004)。
【0101】
次に、テレマティクスサーバ600の遠隔操作受付部632は、遠隔操作IDとパラメータとの指定を計算機700のブラウザ部731から受け付ける(ステップS005)。例えば、遠隔操作受付部632は、遠隔操作IDとして「画面上方向に地図をスクロールさせる」旨の内容に相当する遠隔操作IDを受け付けて、パラメータとして「スクロール量は一画面分」である旨のパラメータ(例えば、「1ページ」)を受け付ける。
【0102】
次に、テレマティクスサーバ600の操作指示部633は、遠隔操作IDを指示IDに変換して、パラメータと共にナビゲーション装置100に送信する(ステップS006)。具体的には、操作指示部632は、ステップS003にて特定した操作変換パターンに対応する遠隔操作変換テーブル410の操作変換パターン411にしたがって、遠隔操作ID412を、対応付けられた指示ID413に変換する。そして、変換した指示IDとパラメータとをナビゲーション装置100に対して送信する。そして、遠隔操作IDと、パラメータと、指示IDとを、操作履歴テーブル420に格納して履歴を残す。
【0103】
ナビゲーション装置100の指示受付部105は、指示IDとパラメータとを受け付ける(ステップS111)。
【0104】
次に、ナビゲーション装置100のコマンド変換部106は、受け付けた指示IDをコマンドに読み替える(ステップS112)。具体的には、コマンド変換部106は、コマンド変換テーブル250を参照して指示ID251に対応付けられた実施コマンド252を特定し、受け付けた指示IDを実施コマンド252により特定されるコマンドに読み替える。例えば、指示IDが「上スクロール」である場合、実施コマンドである「ページスクロール上」に読み替える。
【0105】
次に、ナビゲーション装置100のコマンド実行部107は、読み替えたコマンドを実行する(ステップS113)。具体的には、コマンド実行部107は、読み替えたコマンドとパラメータとを主制御部101に送信してコマンドに応じた処理を行わせる。例えば、「ページスクロール上」コマンドを、パラメータとして「1ページ」を指定して実行させる。
【0106】
次に、ナビゲーション装置100の出力送信部108は、主制御部101が処理した結果得られる出力情報を出力処理部103から取得し、ナビゲーション装置100に表示されている画面の画面情報とあわせてテレマティクスサーバ600に送信する(ステップS114)。例えば、出力送信部108は、上方向に画面を1ページ分スクロールした地図画面を取得して、テレマティクスサーバ600に送信する。
【0107】
次に、テレマティクスサーバ600のナビ出力取得部634は、ナビゲーション装置から受信した出力情報を受信すると、出力処理部635は表示画面を構成して、計算機700に表示させる(ステップS007)。具体的には、ナビ出力取得部634は、ナビゲーション装置100の出力情報を含む表示画面をステップS003にて特定した表示画面デザインにあわせて構成する。そして、出力処理部635は、計算機700のブラウザ部731に対して構成した表示画面を送信する。例えば、図11に示す画面800の構成情報を送信する。
【0108】
図11は、出力処理部635が構成した画面800の例を示す図である。画面800は、ナビゲーション装置出力画面表示領域810と、ナビゲーション装置操作入力領域820と、ナビゲーション装置設定入力領域830と、を備える。
【0109】
ナビゲーション装置出力画面表示領域810には、ナビゲーション装置100の出力処理部103が構成した画面情報、例えば自己位置表示を含む周辺の地図情報等が表示される。ナビゲーション装置出力画面表示領域810に表示される画面は、ナビゲーション装置100の表示画面が変化すると、基本的に連動し、同様の画面情報が表示される。
【0110】
ナビゲーション装置操作入力領域820には、ナビゲーション装置100に備え付けられたダイヤルスイッチ等の本体に備え付けてあるハードウェア入力装置に対応付けられた操作入力を受け付けることができる入力用のソフトウェアスイッチ等が表示される。例えば、ナビゲーション装置100のリモートコントローラのボタンを模したデザインのソフトウェアスイッチ等である。なお、当該ソフトウェアスイッチ等は、ナビゲーション装置100のハードウェア入力装置と同様の操作単位を有する。すなわち、使用者は、ハードウェア入力装置の操作と同様の操作でナビゲーション装置100を遠隔操作可能である。
【0111】
ナビゲーション装置設定入力領域830には、ナビゲーション装置100についての設定情報を簡単に切り替えるためのコマンドを遠隔から発行するためのソフトウェアスイッチ等が表示される。例えば、地図ビューを変更するための変更スイッチ831や、地図表示の縮尺を変更するための縮尺変更スイッチ832等が表示される。
【0112】
次に、テレマティクスサーバ600の遠隔操作受付部632は、計算機700のブラウザ部731を介して、遠隔操作の終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS008)。
【0113】
終了指示を受け付けていない場合(ステップS008にて「No」)、遠隔操作受付部632は、処理をステップS005に戻す。
【0114】
終了指示を受け付けた場合(ステップS008にて「Yes」)、ナビ接続指示受付部631は、ナビゲーション装置100に対して遠隔操作の終了要求を送信すると共に、処理を終了させる(ステップS009)。
【0115】
終了要求を受け付けたナビゲーション装置100の通信装置制御部104は、遠隔操作に関するテレマティクスサーバ600との通信を終了させて、処理を終了させる。
【0116】
以上が、遠隔操作処理の処理内容である。上記の遠隔操作処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、経路案内を行う者以外の者からの遠隔操作を受け付けることができる。
【0117】
なお、遠隔操作処理においては、テレマティクスサーバ600において、遠隔操作IDを指示IDに変換して、指示IDをナビゲーション装置100に送信しているが、これに限られるものではない。例えば、ナビゲーション装置100がステップS113において実行する実施コマンドそのものが遠隔操作IDと一致するようにして、変換する必要がないようにしても良い。すなわち、ナビゲーション装置100が実行する処理のコマンドがナビ通信網を介してクライアント計算機700からテレマティクスサーバ600へ送信され、そのまま変換されること無く当該コマンドがテレマティクスサーバ600からナビゲーション装置100に送信されるようにしてもよい。または、ナビゲーション装置100がステップS113において実行する実施コマンドがパラメータに含まれるようにしてもよい。このようにすることで、実施コマンドの変換処理にかかる処理負担を軽減することができる。
【0118】
図12は、遠隔操作処理の接続開始から終了までの間、所定の間隔(例えば10秒間隔)にて、テレマティクスサーバ600とナビゲーション装置100との間において実施される操作中断チェック処理の詳細の処理内容を示すフロー図である。
【0119】
まず、テレマティクスサーバ600のナビ監視部636は、接続中のナビゲーション装置に対して状況報知依頼を送信する(ステップS201)。具体的には、ナビ監視部636は、遠隔操作処理による通信を開始しているナビゲーション装置100に対して、状況を報知するよう依頼する情報を送信する。なお、テレマティクスサーバ600が複数のナビゲーション装置100と接続している場合には、一部のナビゲーション装置あるいは全てのナビゲーション装置に対して当該依頼情報を送信する。
【0120】
次に、図示しないが、ナビゲーション装置100の状況報知部109は、当該状況報知依頼情報を通信装置12を介して受け付けると、主制御部101に対して処理状況を問い合わせて、遠隔操作を受け付けられる状況にあるか否かを判定し、受け付けられるか否かの情報と、受け付けられない状況にある場合にはその理由と、をテレマティクスサーバ600に対して状況報知情報として送信する。なお、遠隔操作を受け付けられない状況にある理由としては、例えば、交差点付近で経路案内中の者に対して交差点案内を行っている最中である場合や、経路案内中の者がナビゲーション装置100の操作を行っている場合等である。
【0121】
次に、テレマティクスサーバ600のナビ監視部636は、状況報知情報を受信したか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、ナビ監視部636は、所定の時間(例えば5秒間)、ナビゲーション装置100からの送信情報を監視し、当該時間内に状況報知情報を受信したか否かにより状況報知情報を受信したか否かを判定する。
【0122】
状況報知情報を受信した場合(ステップS202にて「Yes」)、ナビ監視部636は、当該ナビゲーション装置が遠隔操作可能な状況にあるか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、ナビ監視部636は、状況報知情報を受信した場合、遠隔操作を受け付けられる状況にあるという情報を受信した場合には、遠隔操作可能な状況にあると判定する。そうでない場合には、遠隔操作可能な状況にないと判定する。
【0123】
遠隔操作可能な状況にある場合(ステップS203にて「Yes」)、ナビ監視部636は、遠隔操作の処理を中断する必要はないものと判定して、操作中断チェック処理を終了させる。また、遠隔操作禁止部637は、操作中断中であれば、中断画面の表示を解除して、通常の遠隔操作の受付が可能な画面情報を構成して計算機700に送信して、操作中断チェック処理を終了させる(ステップS204)。
【0124】
遠隔操作可能な状況にない場合(ステップS203にて「No」)、遠隔操作禁止部637は、受信した遠隔操作を受け付けられない理由の情報を含むメッセージを表示する操作不可画面情報を作成し、当該ナビゲーション装置600を遠隔操作する計算機700に対して表示を行うよう、送信する(ステップS205)。そして、操作中断チェック処理を終了させる。なお、計算機700のブラウザ部731は、当該メッセージを含む操作不可画面情報を受信すると、遠隔操作の受付を行う画面に換えて当該操作不可画面情報を表示させる。そのため、遠隔操作を受け付けることが不可能となる。
【0125】
状況報知情報を受信しない場合(ステップS202にて「No」)、ナビ監視部636は、当該ナビゲーション装置が遠隔操作不可能な状況、例えばトンネル内などの通信不可能な場所にあると判定し、上述したステップS205の処理を実施する。ただし、ステップS205の処理に際しては、遠隔操作禁止部637は、遠隔操作を受け付けられない理由の情報として、「通信不可能」であることを表示する。
【0126】
以上が、操作中断チェック処理の処理内容である。なお、当該操作中断チェック処理は、所定の間隔で実施されるものであるが、これに限られず、ナビゲーション装置100からテレマティクスサーバ600に対して必要に応じて状況情報が送信され、ステップS203〜ステップS205までの処理を実行するものであってもよい。例えば、トンネル等のナビ通信網500の通信状態が悪い地域へ進入することが予想される場合には、ナビゲーション装置100は、当該地域においては通信不良が発生する虞があるため、遠隔操作を中断する旨の情報をテレマティクスサーバ600に送信するようにしてもよい。このようにすることで、より精度の高い細やかな遠隔操作の制御が可能となる。
【0127】
また、ナビゲーション装置100からテレマティクスサーバ600に対して状況情報が送信されて、テレマティクスサーバ600においてクライアント計算機700からの遠隔操作を抑制させる方法に限らず、ナビゲーション装置100は、受け付けた指示IDに応じた処理の開始を、状況に応じて遅らせるようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置100は、交差点案内中等、遠隔操作に応答するのが適切でない場合(予め定められているものとする)には、適切な状況に回復してから処理を開始させるようにしてもよい。このようにすることで、ナビゲーション装置100による経路案内を妨げてしまうことを回避しやすくすることができる。
【0128】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【0129】
本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、経路案内を受ける者でない他の遠隔地にいるユーザがナビゲーション装置100を遠隔から操作することが可能となる。つまり、経路案内を受ける者に代わって、他のユーザがナビゲーション装置の操作を行うことができるようになる。このことは、例えば、レンタカーやカーシェアリングのシステムにおいて、車両を借りた運転者がナビゲーション装置の操作に不慣れな場合等に、他のユーザ、例えば貸主や運転者の知人等によってナビゲーション操作を代行することができるようになり、ナビゲーション装置による経路案内をスムーズに受けることが可能となる。または、タクシー会社等が、運行管理下にある車両に配車指示を行う場合等に、具体的な目的地等を設定することが可能となり、タクシー利用客の便利に供することを可能とすることができる。
【0130】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、第一の実施形態の遠隔操作処理においては、ナビゲーション装置100が実施するステップS101〜ステップS121の間には、ナビゲーション装置100のディスプレイ2には、遠隔操作の結果出力される画面が表示されるが、これに限られず、激しい画面遷移を伴う場合には、当該画面の表示を抑制するようにしてもよい。具体的には、特定のコマンドを実行する場合、ナビゲーション装置100のディスプレイ2に表示される画面表示の変更を抑制するようにしてもよい。または、特定のコマンドを実行する場合にのみ、画面表示を変更するようにしてもよい。例えば、地図画面のスクロールを行う遠隔操作のコマンド実行に際しては、出力送信部108は、出力処理部103に対してディスプレイ2へ画面の表示をしないように指示するようにしてもよい。このようにすることにより、経路案内を受けているユーザが、遠隔操作により激しく遷移する画面に気を取られて注意を削がれることを回避しやすくできる。
【0131】
また、上記第一の実施形態においては、ナビゲーション装置100は、ステップS111においてナビ通信網500を介して指示IDとパラメータとを受け付けているが、これに限られない。例えば、ナビゲーション装置100は、例えば図示しない不揮発性の外部記憶媒体読取装置等を用いて、指示IDとパラメータとが格納された外部記憶媒体を読み込むことで、当該指示IDとパラメータとを受け付けるようにしてもよい。その場合には、ナビゲーション装置100の指示受付部105は、当該外部記憶媒体から指示IDとパラメータとを読み出して、当該読み出した内容に従ってコマンドを実行し、実行した結果の画面表示情報をディスプレイ2に表示させる。
【0132】
また、当該外部記憶媒体に格納されるパラメータには、指示IDにより指定される処理の実行条件(位置や時刻、あるいはイベントの発生等)が含まれるものであってもよい。このようにすることで、例えば、目的地が設定されていることを実行条件とする経由地設定指示などを実行させることができる。
【0133】
また、上記第一の実施形態においては、ナビゲーション装置100は、ステップS114において、実行したコマンドの処理結果である出力情報をテレマティクスサーバ600へ送信しているが、当該出力情報の送信と共に、ナビゲーション装置100が管理する制御情報等を併せて送信するようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置100が車両に搭載される場合には、当該車両の状態(例えばエアコンの設定温度等の制御の状態)を示す情報を制御情報として送信するようにしてもよい。そして、テレマティクスサーバ600は、ステップS007において構成する画面800の表示情報に当該制御情報を含めるようにするとともに、当該制御情報に関する設定を変更するためのソフトウェアスイッチを表示するようにして、当該ソフトウェアスイッチの操作を受け付けることにより遠隔操作IDを受け付けるようにしてもよい。このようにすることで、ナビゲーション装置100が管理する対象(機器)についても、遠隔操作処理において操作を行うことが可能となる。
【0134】
また、上記第一の実施形態においては、ナビゲーション装置100は、
さらに、上記したそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつかを組み合わせるようにしてもよい。
【0135】
また、上記第一の実施形態においては、クライアント計算機700とテレマティクスサーバ600は異なる装置としているが、これに限られない。例えば、クライアント計算機700が、テレマティクスサーバ600と同様の構成を備え、同様の機能を発揮できるようにしてもよい。
【0136】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【0137】
なお、上記の実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、移動体の経路案内を行う装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0138】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・通信装置制御部、105・・・指示受付部、106・・・コマンド変換部、107・・・コマンド実行部、108・・・出力送信部、109・・・状況報知部、200・・・リンクテーブル、250・・・コマンド変換テーブル、400・・・ナビ機種情報テーブル、410・・・遠隔操作変換テーブル、420・・・操作履歴テーブル、500・・・ナビ装置通信網、510・・・通信網、600・・・テレマティクスサーバ、620・・・記憶部、630・・・制御部、631・・・ナビ接続指示受付部、632・・・遠隔操作受付部、633・・・操作指示部、634・・・ナビ出力取得部、635・・・出力処理部、636・・・ナビ監視部、637・・・遠隔操作禁止部、640・・・ナビ通信網接続部、641・・・通信網接続部、700・・・計算機、720・・・記憶部、730・・・制御部、731・・・ブラウザ部、740・・・通信網接続部、741・・・入力部、742・・・出力部、1000・・・ナビゲーションシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、
前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
通信網を介して他の機器と通信を行う通信手段を備え、
前記指示受付手段は、
前記通信手段を介して前記機器から処理の指示を受け付け、
前記出力手段は、
前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を、前記通信手段を介して前記機器に送信する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記機器からの処理の指示を受け付けることが可能な状況にあるか否かを特定する情報を前記機器に送信する状況報知手段を備える、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
入力指示を受け付ける入力受付手段を備え、
前記指示受付手段が受け付ける前記処理の指示は、前記入力受付手段が受け付ける入力指示に対応する指示である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
表示手段を備え、
前記出力手段が送信する前記出力情報は、画面表示に関する情報であり、
前記出力手段は、所定の条件を満たす場合には、前記出力情報を前記表示手段に表示させ、前記所定の条件を満たさない場合には、前記出力情報を前記表示手段に表示させない、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置であって、
前記所定の条件は、前記画面表示の遷移が激しくないこと、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記処理手段は、
所定の条件を満たさない場合には、前記所定の条件を満たすまで前記処理の実行を待機し、前記所定の条件を満たす場合には、前記処理を実行する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記通信手段による通信が不能となる地域に進入する場合に、通信が不能となる旨の情報を前記機器に通知する通信不能通知手段、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、
クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、
前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、
前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた操作の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した操作の指示を送信する操作指示手段と、
前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記操作の指示の結果の出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバ装置であって、
前記ナビゲーション装置通信手段と、前記クライアント通信手段と、は、互いに異なる通信網を介して前記ナビゲーション装置および前記クライアント計算機と通信を行う、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載のサーバ装置であって、
前記出力処理手段は、前記ナビゲーション装置から操作の指示を受け付けることが不可能である旨の情報を受信すると、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
請求項11に記載のサーバ装置であって、さらに、
前記ナビゲーション装置に対して状況を報知する情報を送信するよう依頼し、前記状況を報知する情報を受信する監視手段を備え、
前記出力処理手段は、前記監視手段が前記状況を報知する情報を前記ナビゲーション装置から受信しない場合には、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項13】
ナビゲーション装置と、サーバ装置と、クライアント計算機と、を備えるナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
通信網を介して前記サーバ装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して前記サーバ装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、
前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を、前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信する出力送信手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記通信網を介して前記ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、
前記クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、
前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、
前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた処理の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した処理の指示を送信する処理指示手段と、
前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、
を備え、
前記クライアント計算機は、
ユーザからの入力を受け付ける入力受付手段と、
ユーザへの出力を行う出力処理手段と、
前記通信網を介して前記サーバ装置と通信を行うサーバ装置通信手段と、
前記入力受付手段により受け付けたユーザからの遠隔操作に関する入力情報を前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置に送信する遠隔操作送信手段と、を備え、
前記出力処理手段は、前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置から受信した前記出力情報を出力する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置の前記処理手段は、
所定の条件を満たさない場合には、前記所定の条件を満たすまで前記処理の実行を待機し、前記所定の条件を満たす場合には、前記処理を実行する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項15】
請求項13または14に記載のナビゲーションシステムであって、
前記サーバ装置は、さらに、
前記ナビゲーション装置に対して状況を報知する情報を送信するよう依頼し、前記状況を報知する情報を受信する監視手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、さらに、
前記サーバ装置からの処理の指示を受け付けることが可能な状況にあるか否かを特定する状況を報知する情報を前記サーバ装置に送信する状況報知手段を備え、
前記サーバ装置の前記出力処理手段は、前記ナビゲーション装置から操作の指示を受け付けることが不可能である旨の情報を受信すると、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムであって、
前記サーバ装置の前記出力処理手段は、さらに、
前記監視手段が前記状況を報知する情報を前記ナビゲーション装置から受信しない場合には、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項17】
ナビゲーション装置のプログラムであって、
前記ナビゲーション装置は、
制御手段を備え、
前記制御手段に対して、
外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記指示受付ステップにより受け付けた指示に応じた処理を実行する処理ステップと、
前記処理ステップにより実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力ステップと、
を実施させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、
前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
通信網を介して他の機器と通信を行う通信手段を備え、
前記指示受付手段は、
前記通信手段を介して前記機器から処理の指示を受け付け、
前記出力手段は、
前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を、前記通信手段を介して前記機器に送信する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記機器からの処理の指示を受け付けることが可能な状況にあるか否かを特定する情報を前記機器に送信する状況報知手段を備える、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
入力指示を受け付ける入力受付手段を備え、
前記指示受付手段が受け付ける前記処理の指示は、前記入力受付手段が受け付ける入力指示に対応する指示である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
表示手段を備え、
前記出力手段が送信する前記出力情報は、画面表示に関する情報であり、
前記出力手段は、所定の条件を満たす場合には、前記出力情報を前記表示手段に表示させ、前記所定の条件を満たさない場合には、前記出力情報を前記表示手段に表示させない、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置であって、
前記所定の条件は、前記画面表示の遷移が激しくないこと、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記処理手段は、
所定の条件を満たさない場合には、前記所定の条件を満たすまで前記処理の実行を待機し、前記所定の条件を満たす場合には、前記処理を実行する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記通信手段による通信が不能となる地域に進入する場合に、通信が不能となる旨の情報を前記機器に通知する通信不能通知手段、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、
クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、
前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、
前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた操作の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した操作の指示を送信する操作指示手段と、
前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記操作の指示の結果の出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバ装置であって、
前記ナビゲーション装置通信手段と、前記クライアント通信手段と、は、互いに異なる通信網を介して前記ナビゲーション装置および前記クライアント計算機と通信を行う、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載のサーバ装置であって、
前記出力処理手段は、前記ナビゲーション装置から操作の指示を受け付けることが不可能である旨の情報を受信すると、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
請求項11に記載のサーバ装置であって、さらに、
前記ナビゲーション装置に対して状況を報知する情報を送信するよう依頼し、前記状況を報知する情報を受信する監視手段を備え、
前記出力処理手段は、前記監視手段が前記状況を報知する情報を前記ナビゲーション装置から受信しない場合には、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項13】
ナビゲーション装置と、サーバ装置と、クライアント計算機と、を備えるナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
通信網を介して前記サーバ装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して前記サーバ装置から処理の指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段により受け付けた指示に応じた処理を実行する処理手段と、
前記処理手段により実行された処理の結果得られる出力情報を、前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信する出力送信手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記通信網を介して前記ナビゲーション装置と通信を行うナビゲーション装置通信手段と、
前記クライアント計算機と通信を行うクライアント通信手段と、
前記クライアント計算機から前記クライアント通信手段を介して遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、
前記遠隔操作受付手段により受け付けた遠隔操作に応じた処理の指示を特定し、前記ナビゲーション装置通信手段を介して前記ナビゲーション装置に対して前記特定した処理の指示を送信する処理指示手段と、
前記ナビゲーション装置通信手段を介して、前記出力情報を受信し、前記クライアント通信手段を介して、前記出力情報を前記クライアント計算機に送信する出力処理手段と、
を備え、
前記クライアント計算機は、
ユーザからの入力を受け付ける入力受付手段と、
ユーザへの出力を行う出力処理手段と、
前記通信網を介して前記サーバ装置と通信を行うサーバ装置通信手段と、
前記入力受付手段により受け付けたユーザからの遠隔操作に関する入力情報を前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置に送信する遠隔操作送信手段と、を備え、
前記出力処理手段は、前記サーバ装置通信手段を介して前記サーバ装置から受信した前記出力情報を出力する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置の前記処理手段は、
所定の条件を満たさない場合には、前記所定の条件を満たすまで前記処理の実行を待機し、前記所定の条件を満たす場合には、前記処理を実行する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項15】
請求項13または14に記載のナビゲーションシステムであって、
前記サーバ装置は、さらに、
前記ナビゲーション装置に対して状況を報知する情報を送信するよう依頼し、前記状況を報知する情報を受信する監視手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、さらに、
前記サーバ装置からの処理の指示を受け付けることが可能な状況にあるか否かを特定する状況を報知する情報を前記サーバ装置に送信する状況報知手段を備え、
前記サーバ装置の前記出力処理手段は、前記ナビゲーション装置から操作の指示を受け付けることが不可能である旨の情報を受信すると、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムであって、
前記サーバ装置の前記出力処理手段は、さらに、
前記監視手段が前記状況を報知する情報を前記ナビゲーション装置から受信しない場合には、前記出力情報に代えて、遠隔操作を中断させる情報を前記クライアント計算機に送信する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項17】
ナビゲーション装置のプログラムであって、
前記ナビゲーション装置は、
制御手段を備え、
前記制御手段に対して、
外部の装置から処理の指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記指示受付ステップにより受け付けた指示に応じた処理を実行する処理ステップと、
前記処理ステップにより実行された処理の結果得られる出力情報を出力する出力ステップと、
を実施させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−33446(P2011−33446A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179148(P2009−179148)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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