説明

ニコチン嗜癖を低減するヘテロアリール縮合アザ多環式化合物

本発明は、式(I):
【化1】


[式中、R1は、水素、(C1−C6)アルキル、非共役(C3−C6)アルケニル、ベンジル、YC(=O)(C1−C6)アルキルまたは−CH2CH2−O−(C1−C4)アルキルであり;Xは、CH2またはCH2CH2であり;Yは、(C2−C6)アルキレンであり;Zは、(CH2)m、CF2、またはC(=O)であり、ここでmは、0、1または2であり;R2およびR3は、水素、ハロゲン、1〜7個のハロゲン原子で場合により置換された−(C1−C6)アルキル、および1〜7個のハロゲン原子で場合により置換された−O(C1−C6)アルキルより独立して選択されるか、またはR2およびR3は、それぞれ接続している原子と共にC(=O)、S→O、S(=O)2、もしくはN→Oを独立して形成し;そしてHetは、ピリジニル基、ピリドン基、ピリダジニル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピロリル基、シンノリニル基、トリアジニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基およびフラザニル基より選択される5〜7員の単環式ヘテロアリール基である]の構造を有する化合物を提供する。この化合物を、神経型ニコチン性アセチルコリン特異的受容体部位により媒介される疾患状態を処置するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ヘテロアリール縮合アザ多環式化合物
本発明は、ヘテロアリール縮合アザ多環式化合物、このような化合物を含む医薬組成物、およびこのような化合物を使用して、神経型ニコチン性アセチルコリン特異的受容体部位により媒介される疾患状態、障害および状態を処置する方法に関する。詳細には、本発明は、このような誘導体を使用して、哺乳動物においてニコチン嗜癖を低減するかまたはタバコ使用の停止もしくは減少を補助することに関する。
【0002】
本発明は、以下の式I〜VIで規定される特定のヘテロアリール縮合アザ多環式化合物に関し、これらの化合物は、神経型ニコチン性アセチルコリン特異的受容体部位に結合し、そしてコリン作用性機能の調節において有用である。これらの化合物は、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病を含むがこれらに限定されない)、過敏性腸症候群、痙性失調症、慢性疼痛、急性疼痛、セリアック病、回腸嚢炎、血管狭窄、不安、恐慌性障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振、肥満症、不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、薬物依存および嗜癖(例えば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、発作、外傷性脳傷害(TBI)、強迫障害(OCD)、精神病、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、てんかん(欠神てんかん小発作を含む)、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知機能障害、統合失調症における認知向上、薬物性錐体外路症状、行為障害、反抗挑戦性障害(oppositional defined disorder)、不安喫煙者における不安、妊娠における心血管リスク、遅延射精、嘔吐、生物戦で負った傷害に起因する症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、睡眠防止、虚血、およびツレット症候群の処置において特に有用である。
【0003】
本発明の化合物はまた、AD、PD、発作、ハンティングトン舞踏病もしくは外傷性脳傷害(TBI)に関連する認知低下およびうつ病の両方を処置するために、例えば、三環系抗うつ薬またはセロトニン再取り込み阻害薬(SRI)のような抗うつ薬と組み合わせて;例えば、ALS、認知機能不全、加齢性認知低下、AD、PD、発作、ハンティングトン舞踏病およびTBIの処置のため、中枢ムスカリン性受容体およびニコチン性受容体の両方を刺激するためにムスカリン性アゴニストと組み合わせて;例えば、ALS、認知機能不全、加齢性認知低下、AD、PD 発作、ハンティングトン舞踏病およびTBIの処置のため、コリン作用増強を最大化するためにNGFのような神経栄養性因子と組み合わせて;または向知性薬、アミロイド凝集阻害薬、セクレターゼ阻害薬、タウキナーゼ阻害薬、神経性抗炎症剤およびエストロゲン様療法のようなADを遅らせるかまたは停止させる薬剤と組み合わせて、使用され得る。
【背景技術】
【0004】
神経型ニコチン性受容体部位に結合する他の化合物は、WO9818798A1(米国特許第6,235,734号)、WO9935131−A1(米国特許第6,410,550号)、米国特許第6,020,335号およびWO9955680−A1(米国特許第6,462,035号)において言及される。上記の出願は、本出願と共有に係り、そしてそれらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式I:
【化1】

[式中、R1は、水素、(C1−C6)アルキル、非共役(C3−C6)アルケニル、ベンジル、YC(=O)(C1−C6)アルキルまたは−CH2CH2−O−(C1−C4)アルキルであり;式中、Xは、CH2またはCH2CH2であり;式中、Yは、(C2−C6)アルキレンであり;
【0006】
式中、Zは、(CH2m、CF2、またはC(=O)であり、ここでmは、0、1または2であり;式中、R2およびR3は、水素、ハロゲン、1〜7個のハロゲン原子で場合により置換された−(C1−C6)アルキル、および1〜7個のハロゲン原子で場合により置換された−O(C1−C6)アルキルより独立して選択されるか、またはR2およびR3は、それぞれ接続している原子と共にC(=O)、S→O、S(=O)2、もしくはN→Oを独立して形成し;そして
【化2】

は、ピリジニル基、ピリドン基、ピリダジニル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピロリル基、シンノリニル基、トリアジニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基およびフラザニル基より選択される5〜7員の単環式ヘテロアリール基であるか;
または
【化3】

は、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾジアザピン基、インダゾリル基、インドリジニル基、フタラジニル基、イソインドリル基、プリニル基、ベンゾフラザニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ナフチリジニル基、ジヒドロキノリル基、テトラヒドキノリル基、ジヒドロイソキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、ベンゾフリル基、フロピリジニル基、ピロロピリミジニル基、およびアザインドリル基より選択される8〜11員縮合二環式ヘテロアリール基である]
の化合物に関する。
【0007】
本発明はまた、式II:
【化4】

[式中、A、B、CおよびDは、独立してC、N、OもしくはSであるが、ただし(a)A、B、CおよびDのうち少なくとも1つはN、OもしくはSであり、(b)それらの隣接する対がOのみからなることはなく、そして(c)A、BおよびCの全てがSもしくはNとなることはなく;またはここでA、B、およびCのみが存在し、それにより5員環となり;ここでXは、(C1−C3)アルキレンであり;Yは、(C1−C6)アルキレンであり;ここでZは、(CH2m、CF2、もしくはC(=O)であり、ここでmは、0、1もしくは2であり;ここで破線の円は、芳香環、1つの単独の二重結合、共役もしくは非共役のいずれかの2もしくは3つの二重結合、または完全に飽和の環のいずれかを表し;
【0008】
式中、R1は、水素、(C1−C6)アルキル、非共役(C3−C6)アルケニル、ベンジル、Y’C(=O)(C1−C6)アルキルもしくは−CH2CH2−O−(C1−C4)アルキルであり、ここでY’は、(C1−C4)アルキレンであり;
式中、R2およびR3は、水素、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロ、シアノ、−SOq(C1−C6)アルキル(ここでqは0、1、または2である)、(C1−C6)アルキルアミノ−、[(C1−C6)アルキル]2アミノ−、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13、−XC(=O)R13、アリール−(C1−C3)アルキル−もしくはアリール−(C1−C3)アルキル−O−(ここで該アリールは、フェニルおよびナフチルより選択される)、ヘテロアリール−(C1−C3)アルキル−もしくはヘテロアリール−(C1−C3)アルキル−O−(ここで、該ヘテロアリールは、酸素、窒素および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員芳香環より選択される)、X2(C1−C6)アルキル−およびX2(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−より独立して選択され、ここでX2は、存在しないか、またはX2は、(C1−C6)アルキルアミノ−もしくは[(C1−C6)アルキル]2アミノ−であり、そしてここで該X2(C1−C6)アルキル−もしくはX2(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−の(C1−C6)アルキル−もしくは(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−部分は、少なくとも1個の炭素原子を含み、そしてここで該(C1−C6)アルキル−もしくは(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−部分の1〜3個の炭素原子は、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子と場合により置き換えられ得、ただし、2個のこのようなヘテロ原子は、少なくとも2個の炭素原子だけ離れていなければならず、そしてここで該(C1−C6)アルキル−基もしくは(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−基のアルキル部分はいずれも、2〜7個のフッ素原子で場合により置換され得、そしてここで該アリール−(C1−C3)アルキル−およびヘテロアリール−(C1−C3)アルキル−のアルキル部分のそれぞれの炭素原子のうちの1つは、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で場合により置き換えられ得、そしてここで上記アリール基およびヘテロアリール基のそれぞれは、1〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルキル、2〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルコキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ−、[(C1−C6)アルキル]2アミノ−、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13、および−XC(=O)R13より独立して選択される、1またはそれ以上の置換基、好ましくは0〜2個の置換基で場合により置換され得;
【0009】
または式中、R2およびR3は、それらが結合している原子と共に、4〜7員の単環式もしくは10〜14員の二環式の、飽和もしくは不飽和であり得る炭素環式環を形成し、ここで該単環式環の非縮合炭素原子のうち1〜3個、および芳香環の一部ではない該二環式環の炭素原子のうち1〜5個は、窒素、酸素もしくは硫黄で場合により独立して置き換えられ得、そしてここで該単環式環および二環式環は、1〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルキル;1〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルコキシ;ニトロ、シアノ、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノおよび((C1−C6)アルキル)2アミノ、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13および−X’C(=O)R13より独立して選択される1またはそれ以上の置換基で場合により置換され得;
ここでR4、R5、R6、R7、R8およびR13はそれぞれ、水素および(C1−C6)アルキルより独立して選択されるか、またはR5およびR6、もしくはR7およびR8は、それらが結合している窒素と共に、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、アゼチジン環、ピペラジン環、−N−(C1−C6)アルキルピペラジン環もしくはチオモルホリン環、もしくは環硫黄がスルホキシドもしくはスルホンで置き換えられているチオモルホリン環を形成する]
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0010】
本発明はまた、式II[式中、R2およびR3が、式IIのABCD環と共に、以下:より選択される二環式環系を形成し、
式中、R10およびR17は、水素、(C1−C6)アルキル、および(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−[ここで(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−中の炭素原子の総数は6を超えず、そしてここで該アルキル部分はいずれも、1〜7個のフッ素原子で場合により置換され得る]、ニトロ、シアノ、ハロ、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ−、[(C1−C6)アルキル]2アミノ−、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13、−XC(=O)R13、フェニルおよび単環式ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、酸素、窒素および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員芳香環より選択される)より独立して選択され、そして式中、A、D、R4、R5、R6、R7、R8およびR13は、上で規定したとおりである]の化合物を提供する。特定の実施態様において、R2およびR3は、式IIのABCD環と共に二環式または三環式の環系を形成する。さらなる実施態様において、R2およびR3の一方または両方は、−C(=O)R13であり、ここでR13は、(C1−C6)アルキルである。さらに別の実施態様において、R2およびR3の一方は、−COR13であり、ここでR13は、(C1−C6)アルキルまたは1〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C3)アルキルである。別の実施態様において、R2およびR3の一方は、CF3、フルオロ、シアノ、(C2−C6)アルキニルまたはC25である。
【0011】
本発明はまた、式II[式中、R2およびR3は、式IIのABCD環と共に、以下:
【化5】

より選択される二環式環系を形成し、
ここでA、D、R10およびR17は、上で規定されたとおりであり、そしてmは、0、1または2である]の化合物を提供する。
【0012】
本発明はまた、構造:
【化6】

[式中、E、FおよびGは、独立してC、N、OまたはSであり、ただし(a)E、FおよびGの少なくとも1つはN、OまたはSであり、(b)それらの隣接する対が、Oのみからなることはなく、そして(c)E、FおよびGの全てが、SまたはNになることはなく;ここで破線の円は、芳香環、1つの単独の二重結合、共役もしくは非共役のいずれかの2つもしくは3つの二重結合、もしくは完全に飽和の環のいずれかを表し;そして式中、A、B、C、D、R1、R2、R3およびXは、上で規定されたとおりである]
を有する、式IIIまたはIVの化合物を提供する。一実施態様において、Xは、メチレンまたはエチレンである。別の実施態様において、R1は、水素、メチルまたはベンジルである。さらなる実施態様において、R2およびR3は、独立して水素またはメチルである。
【0013】
本発明はまた、構造:
【化7】

[式中、E、FおよびGは、独立してC、N、OまたはSであり、ただし(a)E、FおよびGの少なくとも1つはN、OまたはSであり、(b)それらの隣接する対が、Oのみからなることはなく、そして(c)E、FおよびGの全てが、SまたはNになることはなく;ここで破線の円は、芳香環、1つの単独の二重結合、共役もしくは非共役のいずれかの2つもしくは3つの二重結合、もしくは完全に飽和の環のいずれかを表し;そして式中、A、B、C、D、R1、R2、R3およびXは、上で規定されたとおりである]
を有する、式VまたはVIの化合物を提供する。一実施態様において、R1は、水素、メチルまたはベンジルである。別の実施態様において、R2およびR3は、独立して水素またはメチルである。
【0014】
本発明の化合物の具体例は:
(+)−4,10−ジアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−6,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−4,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イルアミン
(+)−11−メチル−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(+)−6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−5−メチル−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(+)−3−tert−ブチル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
【0015】
(+)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(+)−3−ピリジン−2−イル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(+)−4−フェニル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−4−ピリジン−4−イル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(+)−5,7−ジブロモ−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14−ベンジル−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(+)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
【0016】
以下の化合物:
【化8】

の(+)−異性体
【0017】
(−)−4,10−ジアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−6,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−4,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イルアミン
(−)−11−メチル−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(−)−6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−5−メチル−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(−)−3−tert−ブチル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
【0018】
(−)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(−)−3−ピリジン−2−イル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(−)−4−フェニル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−4−ピリジン−4−イル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(−)−5,7−ジブロモ−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14 ベンジル−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(−)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
【0019】
以下の化合物:
【化9】

の(−)−異性体、
またはその薬学的に許容しうる塩である。
【0020】
本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物におけるニコチン性受容体(単数または複数)に結合するかまたは調節する(すなわち、阻害する、部分的に阻害する、活性化するまたは部分的に活性化する)ために使用され得る。本発明の化合物は、このような結合と一致する薬理活性を示す。本発明の化合物はまた、参照物質、参照標準(較正標準を含む)として、および合成中間体としてしても使用され得る。
【0021】
本発明はまた、式I〜VIの化合物の全ての放射標識形態に関する。式I〜VIの好ましい放射標識化合物は、放射標識が、3H、11C、14C、18F、123Iおよび125Iより選択される化合物である。このような放射標識化合物は、薬物動態学研究などのような代謝研究、および動物と人間との両方における結合アッセイにおける研究ツールおよび診断ツールとして有用である。
【0022】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において、ニコチン嗜癖の低減またはタバコ使用の停止もしくは減少における補助における使用のための医薬組成物であって、ニコチン嗜癖の低減またはタバコ使用の停止もしくは減少における補助において有用な量の式I〜VIの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。
【0023】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において、ニコチン嗜癖の低減またはタバコ使用の停止もしくは減少における補助のための方法であって、ニコチン嗜癖の低減またはタバコ使用の停止もしくは減少における補助において有効な量の式I〜VIの化合物またはその薬学的に許容しうる塩を該哺乳動物に投与することからなる方法に関する。
【0024】
本発明はまた、哺乳動物において、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病を含むがこれらに限定されない)、過敏性腸症候群、痙性失調症、慢性疼痛、急性疼痛、セリアック病、回腸嚢炎、血管狭窄、不安、恐慌性障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振、肥満症、不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、薬物依存および嗜癖(例えば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、発作、外傷性脳傷害(TBI)、強迫障害(OCD)、精神病、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、てんかん(欠神てんかん小発作を含む)、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知機能障害、統合失調症における認知向上、薬物性錐体外路症状、行為障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者における不安、妊娠における心血管リスク、遅延射精、嘔吐、生物戦で負った傷害に起因する症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、睡眠防止、虚血、およびツレット症候群より選択される障害または状態を処置する方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、このような障害または状態の処置において有効な量の式I〜VIの化合物またはその薬学的に許容しうる塩を投与することからなる方法に関する。
【0025】
本発明はまた、哺乳動物において、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病を含むがこれらに限定されない)、過敏性腸症候群、痙性失調症、慢性疼痛、急性疼痛、セリアック病、回腸嚢炎、血管狭窄、不安、恐慌性障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振、肥満症、不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、薬物依存および嗜癖(例えば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、発作、外傷性脳傷害(TBI)、強迫障害(OCD)、精神病、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、てんかん(欠神てんかん小発作を含む)、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知機能障害、統合失調症における認知向上、薬物性錐体外路症状、行為障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者における不安、妊娠における心血管リスク、遅延射精、嘔吐、生物戦で負った傷害に起因する症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、睡眠防止、虚血、およびツレット症候群より選択される障害または状態を処置するための医薬組成物であって、本発明の化合物またはその薬学的に許容しうる塩、および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、嗅覚および味覚を増強するため、癌の二次的予防、渇望の離脱および遮断の見返りを補助するため、新脈管形成刺激剤として、喫煙の停止の誘導を補助するため、嗜癖の停止の誘導を補助するため、ならびに嗜癖の無い状態の長期維持のため、および下垂体腺腫におけるプロラクチンを低減するために有用である。
【0026】
本発明はまた、本発明の化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩に関する。本発明の化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩の例は、塩酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、クエン酸、琥珀酸、サリチル酸、シュウ酸、臭化水素酸、リン酸、メタンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、ジ−p−トルオイル酒石酸、およびマンデル酸の塩、ならびに塩基性化合物に対して薬学的に許容しうる酸付加塩を形成することが当業者に公知である他の酸から形成される塩である。他の可能な酸付加塩は、例えば、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩または重硫酸塩、リン酸塩または酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびパモン酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))のような薬学的に許容しうるアニオンを含む塩である。
【0027】
他に指示がなければ、用語「ハロ」は、本明細書中で使用される場合、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
【0028】
他に指示がなければ、用語「アルキル」は、本明細書中で使用される場合、直鎖部分を含み、そして炭素原子の数が十分である場合には、分枝部分および環状部分を含む。
【0029】
用語「アルコキシ」は、本明細書中で使用される場合、「−O−アルキル」または「アルキル−O−」を意味し、ここで「アルキル」は、上で定義されたとおりである。
【0030】
用語「アルキレン」は、本明細書中で使用される場合、2つの利用可能な結合部位を有するアルキルラジカル(すなわち−アルキル−)を意味し、ここで「アルキル」は、上で定義されたとおりである。
【0031】
他に指示がなければ、用語「1またはそれ以上の置換基」とは、本明細書中で使用される場合、1から、利用可能な結合部位の数に基づいて可能な置換基の最大数までを指す。
【0032】
用語「アルキル」は、本明細書中で使用される場合、他に指示がなければ、直鎖部分、環状部分または分枝部分を有する飽和一価炭化水素ラジカルを含む。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチルおよびt−ブチルが挙げられるがこれらに限定されない。文脈内での用語「アルキル」の使用はまた、アルキレン基(すなわち、モノラジカルよりもジラジカルである、アルキル基から誘導される炭化水素ラジカル)の使用を含んでも、アルキレン基を指してもよい。
【0033】
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用される場合、他に指示がなければ、非芳香族飽和環状アルキル部分を含み、ここでアルキルは、上で定義されたとおりである。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
用語「炭素環式」は、本明細書中で使用される場合、他に指示がなければ、環の原子が全て炭素原子である環式基を指す。代表的な炭素環式基としては、上記のシクロアルキル基が挙げられる。用語炭素環式は、用語アリールを包含する。
【0035】
用語「複素環式」は、本明細書中で使用される場合、他に指示がなければ、環の少なくとも1つの原子がヘテロ原子(すなわち、O、SまたはN)である環式基を指す。用語複素環式は、用語ヘテロアリールを包含する。従って、5〜7員複素環式基は、5〜7員ヘテロアリール基を包含する。
【0036】
用語「アリール」は、本明細書中で使用される場合、他に指示がなければ、フェニル、ナフチル、インデニル、およびフルオレニルのような、1つの水素を除去することにより芳香族炭化水素から誘導される有機ラジカルを含む。
【0037】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書中で使用される場合、1つ以上のヘテロ原子(O、S、またはN)、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む芳香族基を指す。1つ以上のヘテロ原子を含有する多環式基であってこの基の少なくとも1つの環が芳香族であるものが、「ヘテロアリール」基である。本発明のヘテロアリール基はまた、1つ以上のオキソ部分で置換された環系を含むことができる。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル、ピリドン、ヒダントイン、ピリダジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、トリアジニル、イソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾフリル、フロピリジニル、ピロロピリミジニル、およびアザインドリルである。上述の基は、上に列挙した化合物から誘導される場合、可能であればCで結合してもNで結合してもよい。例えば、ピロールから誘導される基は、ピロール−1−イル(Nで結合)でも、ピロール−2−イルでも、ピロール−3−イル(C結合)でもよい。基を指す用語は、全ての可能な互変異性体を包含する。
【0038】
用語「フェニル縮合」または「ヘテロアリール縮合」は、本明細書中で使用される場合、複素環式基または炭素環式基の2つの原子(炭素および/またはヘテロ原子)をフェニル基の2つの炭素原子に接合または結合させることにより環を形成する、複素環式基または炭素環式基を指す。
【0039】
用語「還元的アミノ化」とは、本明細書中で使用される場合、それによりアルデヒドもしくはケトン、またはアルデヒド等価体もしくはケトン等価体(例えば、アルデヒドの重亜硫酸塩付加複合体)が、(本発明に関連して)第一級アミン、第二級アミンもしくはアンモニア、またはアンモニア源と混合され、その結果、これらの化合物が縮合して中間体イミンまたはイミニウムイオンを生成し、これが水素添加(例えば、金属種(例えば、還元に有用な多くの形態のパラジウムまたは白金)および水素源(例えば、水素ガス、または水素ガスの任意の前駆体(ホルメート誘導体またはシクロヘキサジエンが挙げられるがこれらに限定されない))により媒介される)または一般的に理解されそして使用される機構によりそのヒドリド源からのヒドリド送達が起こる他のヒドリド源により還元を受け得る、任意のプロセスをいう。これらとしては、ホウ素またはアルミニウムのヒドリド源のようなヒドリド試薬が挙げらる。例えば、[(X)nBH4-n-(n=0、1、2、3)のようなホウ水素化物または[(X)nAlH4-n-(n=0、1、2、3)のような水素化アルミニウム(ここで、Xは、還元的アミノ化のような変換に関して一般的に列挙されるリガンドのうちのいずれでもよく、ホウ素にはアセトキシ、トリフルオロアセトキシ、アルコキシ、または低級アルキル、アルミニウムにはアルコキシまたは低級アルキルが挙げられるが限定されない)。他の水素化物を、これらの変換に等しく適応させ得る(例えば、シランまたはスタナン)。
【0040】
用語「還元」または「還元的条件」とは、本明細書中で使用される場合、脱ハロゲン化水素、水素化分解、水素添加、または不飽和結合の還元が所望の場合に起きる任意のプロセスをいう。
【0041】
用語「脱離基」とは、本明細書中で使用される場合、アルキル化反応のように、結合形成事象において、目的の炭素原子から効果的にはずれる、第一級アミン、第二級アミンまたはアンモニアもしくはアンモニア源の変換において適切な任意の基をいう。適切な基としては、ハロゲン化物(ヨウ化物、臭化物または塩化物)、スルホネート(例えば、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、またはトシル基もしくはノシル基のようなアリールスルホネート)、エポキシドもしくはアジリジンまたは当業者に周知の任意の変形が挙げられる。さらに、脱離基を含むプロセスは、求核剤Xが、酸素、硫黄または炭素を中心とする場合に他のC−X結合の形成において使用され得る。
【0042】
式I〜VIの化合物は、光学中心を有し得、従って異なるエナンチオマー配置が存在し得る。本発明は、式I〜VIの化合物の全てのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびその他の立体異性体、ならびにそれらのラセミ混合物およびその他の混合物を含む。
【0043】
用語「化合物」とは、本明細書中で使用される場合、他に指示がなければ、本明細書中に開示される任意の特定の化学化合物を指す。文脈におけるその使用の際に、この用語は、一般的に単一の化合物を指すが、特定の例においては、立体異性体および/または光学異性体(ラセミ混合物を含む)、ならびに開示された化合物の特定のエナンチオマーまたはエナンチオマーを富化した混合物も指し得る。
【0044】
用語「有効な」は、他に指示がなければ、その結果が、疾患状態、障害もしくは状態の処置に関するものでも、あるいは別の化合物、薬剤もしくは組成物を製造するために使用されても、意図される結果を生じるか、もしくは意図された結果をもたらすために文脈中で使用される、化合物の量を記載するために使用される。
【0045】
用語「処置」、「処置する」等とは、このような用語が適用される障害もしくは状態の進行、またはこのような障害もしくは状態の1つ以上の症状を、後進させるか、軽減するか、または抑制することをいう。本明細書中で使用される場合、これらの用語はまた、患者の状態に依存して、障害もしくは状態の開始、または障害もしくは状態に関連する症状の開始を防止することを含み、その障害もしくは状態に罹患する前に障害もしくは状態またはそれらに関連する症状の重篤度を低減することを含む。従って、「処置」は、本明細書中で使用される場合、障害または状態に罹患した、投与時でない被験体に、本発明の化合物を投与することを指し得る。従って「処置する」はまた、障害もしくは状態またはそれらに関連する症状の再発を防止することを含む。
【0046】
用語「処理」、「処理する」等とは、化学的変換に関して言及される場合、実験の説明または手順に記載される物質の所望の混合に適合する様式で混ぜるまたは混合する作用をいう。
【0047】
例えば、「薬物嗜癖」および「アルコール嗜癖」における用語「嗜癖」とは、本明細書中で使用される場合、他に指示がなければ、物質の不適応な使用をいい、生理学的な依存を伴ってもそうでなくてもよい。従って、用語「嗜癖」は、物質乱用(例えば、ニコチンまたはタバコのようなニコチン含有物質もしくはニコチン生成物質に対して)および物質依存(例えば、ニコチンまたはタバコのようなニコチン含有物質もしくはニコチン生成物質に対して)の両方を含む。物質使用の不適応なパターンは、物質の繰り返される使用に関連する反復性で重篤な有害な結果で現れ得る。反復性の物質使用は、有害な長期の健康結果を生じ得る。物質の不適応な使用は、持続する不利な健康結果にもかかわらず、物質を続けて使用することを含み得る。物質使用の不適応なパターンは、臨床的に重大な欠陥または困難(例えば、物質を我慢することにより現れる)、離脱症状、物質使用を低減するかもしくは制御しようとする努力の失敗、ならびに/または意図していたよりも多量の物質を摂取することおよび/またはより長い期間にわたって物質を摂取すること、ならびに物質の自傷的な継続的使用を含み得る。嗜癖が形成され得る物質としては、ニコチンおよびニコチン含有製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書における「ニコチン性受容体(単数または複数)により媒介される」疾患状態、障害および状態への言及は、その処置がニコチン性受容体(単数または複数)を調節する(すなわち、阻害する、部分的に阻害する、活性化する、または部分的に活性化する)ことにより促進することができる障害または状態を示す。その処置がニコチン性受容体(単数または複数)の調節により促進される障害および状態の例としては、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病を含むがこれらに限定されない)、過敏性腸症候群、痙性失調症、慢性疼痛、急性疼痛、セリアック病、回腸嚢炎、血管狭窄、不安、恐慌性障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振、肥満症、不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、薬物依存および嗜癖(例えば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、発作、外傷性脳傷害(TBI)、強迫障害(OCD)、精神病、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、てんかん(欠神てんかん小発作を含む)、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知機能障害、統合失調症における認知向上、薬物性錐体外路症状、行為障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者における不安、妊娠における心血管リスク、遅延射精、嘔吐、生物戦で負った傷害に起因する症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、睡眠防止、虚血、およびツレット症候群が挙げられるがこれらに限定されない。
【0049】
発明の詳細な説明
本発明の化合物(式I〜VIにおいて一般的に記載され、そして本明細書中により十分に記載される)、およびそれらの薬学的に許容しうる塩は、本明細書中に記載されるように以下の反応スキームI〜XIに従って製造することができる。他に指示がなければ、R1、R2、R3、X、Y、
【化10】

および構造式I〜VIは、上で一般的に規定したとおりである。生成物の単離および精製は、当業者である化学者に公知の標準的な手順により達成される。さらに、開示された化学にもっと包括的に従うことにより、および/または類推により、当業者は、本発明の化合物の全てを容易に提供し得る。
【0050】
本明細書中で使用される場合、表現「反応不活性溶媒」とは、成分が、出発物質、試薬、または生成物の中間体と、所望の生成物の収率に不利な影響を及ぼす様式で相互作用しない溶媒系をいう。
【0051】
以下の合成手順の間には、関心のあるいずれかの分子上の敏感または反応性の基を保護することが、必要であるかおよび/または望ましいかもしれない。これは、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Chemistry、JohnWiley&Sons、1981;ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、JohnWiley&Sons、1991に記載されるような、従来の保護基により達成され得る。
【0052】
スキームI
【化11】

【0053】
スキームIを参照して、式1の化合物のようなアルコキシピリジンを公知の方法(Comins,D.L.;LaMunyon,D.H.Tetrahedron Lett.1988,29,773−776)によりメタル化することで、式2の化合物(3−シクロペンチルカルボキシアミド)のような適切なアミドとの反応を介して、示されるような式3の化合物のようなケトンを位置選択的に製造する方法が提供される。還元(Wolff−Kishner条件)、脱メチル化およびトリフルオロメタンスルホン酸(trfluoromethanesulfonate)エステルへの変換により、US6,462,035号に記載されるようにHeck環化化学に適した前駆体を得る。そのようなものとして、系中で生成したかまたは単離されたケト−ヒドラゾン(示されていない)を、エタノールまたはグリコールのようなアルコール溶媒中のヒドラジンの作用により標準的なWolff−Kishner還元を行い、続いて水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムとエチレングリコールのような適切な溶媒中で高温、一般的には120〜220℃、好ましくは約200℃にて反応させて、式4の化合物を得る。ヨウ化物または臭化物を含むハロゲン化物のような適切な求核性基を用いて脱メチル化を行うことができる。試薬は、ヨウ化トリメチルシリル、ヨウ化水素、TMS−Cl/NaI、臭化水素、三臭化ホウ素などから選択され得る。反応は、典型的にはジクロロメタン、ジクロロエタンまたはトルエンのような不活性溶媒中、周囲温度からその溶媒の還流点まで、好ましくは0℃から溶媒の還流温度まで、好ましくは周囲温度で、アセトニトリル中TMS−Cl/NaIの作用により、行い、式5の化合物を得る。次いで式5の化合物を、ジクロロメタンのような溶媒中、−78℃から還流温度までの範囲の温度で、好ましくは−78〜0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物とピリジンまたは2,5−ジメチルピリジン(ルチジン)のような適切な塩基とを作用させて、トリフルオロメタンスルホン酸エステル6に変換し得る。これを、標準的なHeck条件により式7の化合物に変換する。これらの変換を達成する方法は、US6,462,035B1に記載される。
【0054】
再びスキーム1を参照して、式7の化合物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、trans−ベンジル(クロロ)ビス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(lI)、炭素担持パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、パラジウムトリスジベンジリデンアセトン、二塩化ビス−(トリフェニルホスフィン(phoshine))パラジウムまたはその他の配位パラジウム(0)源もしくは配位パラジウム(II)源のようなパラジウム触媒の作用による「Heck環化反応」を利用して製造し得る。6の反応を、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、N−メチルピロリドン(NMP)、エタノール、メタノール、水またはDMF、DMA、アセトニトリルまたはその他の適切な溶媒のような溶媒中、周囲温度から130℃までの温度で6〜48時間、1〜2気圧で行うことができる。あるいは、酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウムのような塩基の存在下で臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウムのような第四級アンモニウム塩と共に、DMFまたはジメチルアセトアミド(DMA)のような溶媒中で、トリフェニルホスフィンまたはトリ−o−トルイルホスフィンのようなリガンドの存在下の酢酸パラジウムまたはトリフルオロ酢酸パラジウムは、有効であり得る。あるいは、この反応は、塩を添加することなく、第二級アミン塩基またはトリエチルアミンのような第三級アミン塩基を用いる反応により行われ得る。反応は、周囲温度から溶媒の還流点までで進行し得る。しばしば、当業者に決定され得るように、脱気した反応溶液が好ましい。好ましい条件としては、式6の化合物および酢酸パラジウム、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンおよびトリエチルアミンのDMF中100℃にて約18時間の反応が挙げられる。これらの条件は、7のような二環式オレフィン性化合物を与える(これらの方法の例およびさらなる説明については、US6,462,035B1を参照のこと)。7のようなオレフィンを、適切な方法により変換して、標準的な酸化的切断/還元的アミノ化プロセスにより式Iの所望のアミンが得られ得る(Coe,J.W.Organic Lett.2000,2,4205−4208を参照のこと)。このようなものとして、まずこのオレフィンをその対応するジオール、式8の化合物へと標準的なジヒドロキシル化手順により変換する(VanRheenen,V.;Cha,D.Y.;Hartley,W.M.Org.Synth.1988,Coll.Vol.6,342−348)。NaIO4を用いた標準的な酸化的切断により、中間体ジアルデヒド(示されていない)が得られ、これがアンモニアまたは第1級アミンと縮合し得、そしてジクロロエタンまたはジクロロメタンのような溶媒中NaCNBH3またはNaBH(OAc)3のような還元剤により式9の化合物が得られる((Abdel−Magid,A.F.;Carson,K.G.;Harris,B.D.;Maryanoff,C.A.;Shah,R.D. J.Org.Chem.1966,61,3849を参照のこと)。所望の生成物がN−置換基を有していない場合、その置換基の除去は、ラジカルの選択に基づく標準的な手段により達成され得る。例えば、その基がベンジル基である場合、その除去は、標準的な還元的除去方法により達成され得る。化合物8におけるようなジオールを切断して中間体ジアルデヒドとした後、水酸化アンモニウムを導入して、炭素担持パラジウムまたは水酸化パラジウムのような適切なパラジウム水素添加触媒でその混合物を処理することにより、ラジカルを有さない窒素を導入する方法もまた有用である。混合物全体を少なくとも1〜10気圧の水素圧下に置いてもよい。このような場合、7のような中間体オレフィンを、触媒量の四酸化オスミウムおよびトリメチルアミンN−オキシドに無水ジクロロメタン中36時間室温で接触させ、続いてエタノールおよび水の混合物中で過ヨウ素酸ナトリウムで2時間処理し、そして最後に、水酸化アンモニウムまたはベンジルアミンのようなアンモニア源と共に水酸化パラジウムおよび3気圧の水素で室温にて16〜72時間還元して、式10の化合物が直接的に得られ得る。
【0055】
スキームII
【化12】

【0056】
スキームIIを参照して、異性体「3−ピリジル」メタル化の例を上に示す。「ハロゲンダンス」方法論が記載されており(Queguiner、G.;Snieckus、V.;Epsztajn、J.Adv.Heterocyclic Chem.1991,52、189−304およびBunnett、J.F.Acc.Chem.Res.1972,5、139)、そしてこの方法論により、以前のように、3−ヨード−2−フルオロピリジン12を経由して、シクロペンテニル カルボニル中間体14の導入が可能になる。これをHeck環化条件にかけて(Jeffery、T.Tetrahedron 1996,52、10113−10130およびLaRock、R.C.J.Org.Chem.1989,54、2047−50)、15のような二環式中間体を得る。アルコキシ誘導体(示されていない)への変換は、メタノール中のナトリウムメトキシドのような、アルコール中のアルコキシドに接触させることによりなされ得る。カルボニルの還元は、公知の方法((a)Caglioti、L.Tetrahedron、1966,22、487−493および(b)Kabala,G.W.;Summers、S.T.J.Org.Chem.1981、46,1217−1218を参照のこと)により達成され得、式16の化合物が得られる。16のようなオレフィン性化合物の17のようなピペリジンへの変換は、上記の方法と類似の方法、特に関連する合成において文献に記載される方法と類似の方法に従う(Coe、J.W.Organic Lett.2000,2、4205−4208を参照のこと)。一般式IおよびIIのこの生成物、式17の化合物を、所望の場合、t−ブチルオキシカルボニル部分を用いるような標準的方法により第二級窒素を保護し、続いてメチルエーテルのようなアルキルエーテルのTMSI脱アルキル化によりピリドン18にさらに変換することができる。このプロセスはまた、t−ブチルオキシカルボニル部分を除去してピリドン18を与える。あるいは、t−ブチルオキシカルボニルで保護した物質を、例えばヨウ化メチルを用いたアルキル化、続いて例えばHClを標準的な条件下で用いて脱保護することにより、式19の化合物を得、N−アルキルピリドン部分へと変換し得る。
【0057】
以下で考察する反応の各々、および上記のスキームIIに例示されるような反応において、圧力は、他に指示がなければ重大ではない。約0.5気圧〜約5気圧の圧力が一般的に許容し得、周囲圧力、すなわち約1気圧が、便宜上好ましい。
【0058】
スキームIIを参照して、式11の化合物を、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムテトラメチルピペリジドのような適切な塩基、ならびにn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、フェニルリチウムおよびメシチルリチウムのような塩基で処理することにより、式12の化合物に変換し得る。この反応は、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキシエタンまたはジオキサンのような不活性溶媒ならびにトルエンおよびヘキサンのような溶媒中、−78℃と周囲温度との間の温度で行われる。ヨウ素化を、固体ヨウ素または無水溶媒中のヨウ素溶液を用いて行い得る。N−ヨードスクシンイミドまたは一塩化ヨウ素を用いて行ってもよい。最も好ましい条件は、THF中−78℃でリチウムジイソプロピルアミド、そしてヨウ素を使用する。同様の様式で、関連する3−ブロモ−2−フルオロピリジンを、上記手順においてヨウ素の代わりに臭素を用いて製造し得、そして化合物15の製造においてヨウ化物と同様に使用され得る。
【0059】
再び上記のスキームIIを参照して、式14の化合物を、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムテトラメチルピペリジドのような塩基で処理することにより12から(または3−ブロモ−2−フルオロピリジンから)製造し得る。この反応は、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキシエタンまたはジオキサンのような不活性溶媒ならびにトルエンおよびヘキサンのような溶媒中、−78℃と周囲温度との間の温度で行われる。「ハロゲンダンス」転位により形成される得られたアニオン13を、シクロペンタ−3−エンカルボン酸メトキシメチルアミドすなわち式2、またはシクロペンタ−3−エンカルボン酸ジメチルアミド、またはシクロペンタ−3−エンカルボン酸のようなアシル化剤で−78℃と周囲温度との間の温度で処理する。最も好ましい条件は、リチウムジイソプロピルアミドを用いたアニオン13の形成、およびシクロペンタ−3−エンカルボン酸メトキシメチルアミド2をTHF中−78℃にて用いたアシル化を含む。12においてヨウ化物を置き換えるために臭化物が選択される場合、生成物14もまた、ヨウ化物の代わりに臭化物を有する。どちらの化合物も15の合成において使用し得る。
【0060】
再び上記のスキームIIを参照して、式15の化合物を、スキームIを参照して上で記載されるように「Heck環化反応」を利用して製造し得る。最も好ましい条件は、式14の化合物と、酢酸パラジウムおよびトリフェニルホスフィン臭化テトラブチルアンモニウムおよび酢酸カリウムとをDMF中100℃にて20分間反応させることを含む。
【0061】
再び上記のスキームIIを参照して、式15の化合物(ここで、フルオリド原子がアルコキシラジカルと交換されている)を、メタノールのような溶媒中の15と、ナトリウムメトキシドまたは炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムのような塩基との反応により製造することができる。異なる溶媒および塩基を選択することにより、他の脂肪族エーテルおよびベンジルエーテルが、同様のやり方で製造され得る。最も好ましい条件は、溶媒としてメタノールを含み、溶媒の還流点でナトリウムメトキシドを用いる。
【0062】
再び上記のスキームIIを参照して、式16の化合物を、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを用いて、ケト−ヒドラゾンの標準的なWolff−Kishner還元により製造し得る。あるいは、ケトンを、還流エタノール中のトシルヒドラジンの反応によりトシルヒドラゾンに変換し得る。ヒドラゾンの還元的除去を、2当量の安息香酸とTHF中のボランもしくはカテコールボランとの反応により、またはホウ水素化カリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムおよびシアノホウ水素化ナトリウムとの反応により得られた付加体を用いたトシルヒドラゾンの還元により行い得る。この還元は、クロロホルム、ジクロロメタン、およびジクロロエタンのような適切な不活性溶媒中で−25℃と周囲温度との間の温度で行うことができる。溶媒を除去し、そしてその残留物をエチレングリコールのような高沸点溶媒中に再懸濁し、そして炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような適切な塩基で処理し、そして100℃に加熱する。好ましい条件は、還流エタノール中でのトシルヒドラジンを用いたトシルヒドラゾンの形成、続いてアルコールを含まないクロロホルム中0℃でのジベンゾイルボランを用いたトシルヒドラゾンの還元を含む。還元の最終段階は、エチレングリコール中100℃に加熱された炭酸カリウムを用いて行われる。
【0063】
再び上記のスキームIIを参照して、式17の化合物を、16を四酸化オスミウムまたは過マンガン酸カリウムと反応させてジオールを得ることにより製造し得る。具体的には、四酸化オスミウムが触媒量で使用される場合、再酸化剤が必要になる。適切な再酸化剤は、N−メチルモルホリンN−オキシド、トリメチルアミンN−オキシド、および過ヨウ素酸ナトリウムである。この反応は、典型的にはジクロロメタン、THF、ジオキサンのような不活性溶媒または他の適切な不活性溶媒中で、0℃から周囲温度の温度で1〜48時間の反応時間を使用して行われる。このようにして形成された上記のジオールを、過ヨウ素酸ナトリウムまたは過ヨウ素酸テトラブチルアンモニウムでエタノールまたはメタノール中、水の存在下室温で1〜12時間処理する。これに続いて、水酸化アンモニウムを導入し、そしてこの混合物を炭素担持パラジウムまたは水酸化パラジウムのような適切なパラジウム水素添加触媒で処理した。次いで、混合物全体を少なくとも1〜10気圧の水素圧下においてもよい。最も好ましい条件は、無水ジクロロメタン中の触媒量の四酸化オスミウムおよびトリメチルアミンN−オキシドで36時間室温、続いてエタノール水中過ヨウ素酸ナトリウムで2時間処理し、そして最後に水酸化パラジウムおよび3atmの水素で室温にて16時間還元して、式17の化合物を得る。
【0064】
再び上記スキームIIを参照して、17の窒素保護を、適切な溶媒または溶媒と塩基との混合物中でCBz−クロリドを用いて完了し得る。典型的な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トルエンおよび水またはこれらと水の混合物が挙げられる。適切な塩基としては、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンが挙げられる。t−Boc基を、ジ−t−ブチルジカーボネート、ピロ炭酸ジ−t−ブチル、2−(t−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル(t−Boc−ON)、t−Boc−アジド、t−Boc−クロリド、t−Boc−フルオリドおよび2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)フタルイミドのような試薬または同様の試薬を使用して導入することができ、ここでt−Bocとは、有用な保護基である第三級ブトキシカルボニル残基を指す。この反応は、適切な溶媒または溶媒の混合物(以下が挙げられるがこれらに限定されない:ジクロロメタン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロエタンおよび水)中、適切な塩基(以下が挙げられるがこれらに限定されない:ナトリウム、リチウムおよびカリウムの炭酸塩、炭酸水素塩および水酸化物塩、イミダゾール、ジメチルアミノピリジンおよびトリエチルアミンのようなトリアルキルアミン)を用いて行われる。反応が完了するのに0.5〜24時間を要する。温度は決定的ではなく、反応は、室温と溶媒または溶媒混合物の還流温度との間で行われる。反応は、一般的には0.5気圧と2.0気圧との間、好ましくは大気圧で行われる。好ましくは、ジクロロメタンおよび水の混合物中で塩基としての炭酸水素ナトリウムと共にt−Bocジカーボネートを用いて1〜2時間還流して行われる。t−Boc保護基は、溶媒もしくは共溶媒として水を使用して、またはメタノール、エタノール、エーテル、酢酸エチル、ジクロロメタンおよびクロロホルムのような無水有機溶媒またはその混合物中で、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、硝酸、フッ化水素酸、臭化水素酸およびヨウ化水素酸のような酸で処理することにより、上記の保護された生成物から容易に除去されて遊離アミン化合物を形成することができる。生成物は、その酸塩として得られ、これは次いで適切な塩基(ナトリウム、リチウムおよびカリウムの炭酸塩、炭酸水素塩および水酸化物塩が挙げられるがこれらに限定されない)で、一般的には水中で処理されて、所望の物質を遊離塩基形態として得られ得る。
【0065】
再び上記のスキームIIを参照して、式18の化合物は、O−メチル基およびt−Boc基の同時または逐次的な脱保護により製造され得る。O−脱メチル化は、ハロゲン化物(ヨウ化物または臭化物が挙げられる)のような適切な求核性基を用いて行うことができる。この試薬は、ヨウ化トリメチルシリル、ヨウ化水素、TMS−Cl/NaI、臭化水素、三臭化ホウ素などより選択され得る。この反応は、典型的には、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはトルエンのような不活性溶媒中で、周囲温度から溶媒の還流点までの温度で行われる。あるいは、ヨウ化メチルを用いた反応により、N−メチル化化合物19がO−メチルの同時切断を伴って得られる。式18の化合物の製造に好ましい条件は、ジクロロエタン中ヨウ化トリメチルシリルで2時間還流させることを含む。ヨウ化メチルとの反応は、好ましくは封管中130℃で4時間行われ、t−Bocの脱保護後に19のような化合物を得る。
【0066】
スキームIII
【化13】

【0067】
スキームIIIを参照して、スキームIおよびIIにおいて記載された条件は、適切に置換されたピリジンの位置選択的メタル化ストラテジーによるさらなる異性体の製造に適用され得る(Winkle、M.R.;Ronald、R.C.J.Org.Chem.1982,46、2101−2108およびComins、D.L.;LaMunyon、D.H.Tetrahedron Lett.1988,29、773−776)。これらに記載される方法およびスキームIおよびIIに一般的に記載される方法に従うことにより、例えば当業者が式20および22の化合物で開始した場合、それぞれ式21および23の化合物に容易にアクセスすることが可能になる。
【0068】
スキームIV
【化14】

【0069】
スキームIVを参照して、式24の化合物を、上記のように四酢酸鉛(酸化的切断の代替試薬)を利用するか、または上記のスキームIおよびIIならびに実施例の節においてより十分に記載される方法により、式25の対応するアミンに変換し得る。脱メチル化を、ハロゲン化物(ヨウ化物または臭化物が挙げられる)のような適切な求核性基を用いて行うことができる。試薬は、ヨウ化トリメチルシリル、ヨウ化水素、TMS−Cl/NaI、臭化水素、三臭化ホウ素などより選択され得る。この反応は、典型的には、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはトルエンのような不活性溶媒中で、周囲温度から溶媒の還流点までの温度で行われる。式25の化合物からフェノール26を製造するために好ましい条件は、ジクロロメタンのような溶媒中で、−78℃から還流温度までの範囲、好ましくは−78〜0℃の範囲の温度でBCl3を作用させることによる。次いで、式26の化合物を、ジクロロメタンのような溶媒中、−78℃から還流温度までの範囲、好ましくは−78〜0℃の範囲の温度でトリフルオロメタンスルホン酸無水物およびピリジンのような適切な塩基の作用により、トリフルオロメタンスルホン酸エステル27として最初に活性化することによりケト−エステル28へと変換し得る。これを、標準的なHeckカルボニル化条件(例えば、Dolle,R.E.;Schmidt,S.J.;Kruse,L.I. J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1987,904−905を参照のこと)によりケト−エステルに変換する。これらの変換を達成する方法もまた、US6,462,035B1に記載される。
【0070】
スキームV
【化15】

【0071】
スキームVを参照して、ケト−エステル28を、NaBH4の作用により中間体ジオール29に変換し得、このジオールは、標準的プロトコル(例えば、ルテニウム触媒ベースのTPAP(過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム)/N−メチルモルホリンN−オキシド試薬系)により容易に酸化されて、中間体ケト−アルデヒド30となる(Ley、S.L.Synthesis 1994,639およびAldrichinica Acta 1990,23、13を参照のこと)。式30の化合物を、アルコール、好ましくはエタノール中、周囲温度でヒドラジンで処理することにより、式31のフタラジン化合物の有用な製造法が得られる。このような生成物は、本発明において記載されるように利用され得るか、または1−アルキル置換のない対応する生成物へと標準的な手段により変換され得る。
【0072】
再びスキームVを参照して、所望によりヒドラジンまたは一置換ヒドラジン誘導体(例えば、メチルヒドラジン)で、アルコール(好ましくはエタノール)のような溶媒中、周囲温度のような温度で直接的にケト−エステル28を処理して、水分子およびメタノール分子の損失から誘導される縮合生成物を得る。ヒドラジン自体を用いた反応の場合、ヒドラジンの既知の還元的作用であるが、アリル基の還元が起こり得、式32の対応するN−プロピル誘導体を得る。他のN−保護基を使用して、保護基を有していない32のような化合物にアクセスし得る。アルキルヒドラジン誘導体は、位置選択的に式33の2−N−アルキルフタラジン−1−オンを与える。
【0073】
再びスキームVを参照して、アリル基、または所望の場合に組み込まれ得る他の保護基の除去は、RuCl(PPh33の触媒作用およびエタノールのような溶媒によるような標準的なプロトコルで達成することができる。これは、溶媒、および一般に好まれるアルコールにより決定されるように形成されるエチルアリルエーテルまたは他のエーテルの除去を可能にする条件下で還流温度で通常行われる。当該分野で公知のパラジウム触媒を使用する条件のような、保護基の除去のための他の標準的な方法もまた適する。この脱保護は、式34の化合物の効果的な製造方法を提供する。
【0074】
スキームVI
【化16】

【0075】
上記のスキームVIを参照して、式26のフェノール性−ケトンは、例えば、NaBH4の作用により還元されて、Ritter反応によく適した式35のフェノール性アルコールを与える。例えば、これを使用して、上記のような式36のオキサジンが得られ得る。鉱酸(例えば、硫酸、メタンスルホン酸または塩酸、好ましくは硫酸)との接触のような適切な酸性条件下で、アルキルニトリルまたはアリールニトリル(例えば、アセトニトリル)の存在下で、対応するオキサジンを得る。これは、典型的には、周囲温度のような、反応を進める温度で行われるが、含まれる出発物質の実際の性質に依存して、より低い温度かまたはより高い温度を必要とするかもしれない。
【0076】
スキームVII
【化17】

【0077】
上記のスキームVIIを参照して、上に示されるフェノール性ケトン26のような化合物は、式38の対応するイソオキサゾールへの変換に有用である。これは、典型的には、式37の中間体オキシムを経由して行われる。このタイプのオキシムは、ヒドロキシルアミンまたは他の等価体(例えば、O−スルホニルヒドロキシルアミン)と、式26のケト−フェノールとを、メタノールのようなアルコール中、例えば炭酸バリウムまたは他の適切な塩基のような触媒の不在下または存在下のような、適切な条件下で接触させることにより容易に製造される。これは、室温から媒体の還流温度まで、好ましくは還流温度で行われる。一旦得られれば、37のようなオキシムは、もしそれが例えばO−スルホニルヒドロキシルアミンのように予め活性化された種から形成されたのでなければ、活性化されて、四環式環系に閉環するのに適した中間体を生じ得る。これは、例えば無水酢酸で処理してO−アセチルオキシム(示されていない)を生じることにより行われる。これは、ジクロロメタンのような不活性溶媒中周囲温度でトリエチルアミンを用いることにより行うことができる。次いで、この活性化された物質を、DMFのような双極性の非プロトン性溶媒のような極性溶媒中、塩基(例えば、NaH)に接触させるような閉環条件下に置き得る。これは、任意の温度で行われ得、この温度としては、例えば0℃から還流温度までの範囲、好ましくは室温が挙げられる。これらの条件は、式38の化合物のような所望のイソオキサゾール四環式への変換をもたらす。
【0078】
スキームVIII
【化18】

【0079】
スキームVIIIを参照して、式39のジシクロペンタジエンジオール(3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−4,7−メタノ−インデン−5,6−ジオール、Freeman、F.;Kappos、J.C.J.Org.Chem.1989,54;2730−2734を参照のこと)を、本明細書中で上で記載した標準的な酸化的切断/還元的アミノ化プロセス(Abdel−Magid、A.F.;Carson、K.G.;Harris、B.D.;Maryanoff、C.A.;Shah、R.D.J.Org.Chem.1996、61、3849)により変換して、式40のピペリジンが得られ得る。式40の化合物を、本明細書中で上に記載したように標準的ジヒドロキシル化手順(VanRheenen、V.;Cha、D.Y.;Hartley、W.M.Org.Synth.1988,Coll.VoL6,342−348)によりその対応するジオール(示されていない)に変換して、式41のジオールが得られ得る。オレフィンを上記の対応するジオールへと酸化することは、当業者に公知の他の標準的な手段(例えば、KMnO4の作用によるものが挙げられる)により達成され得る。例えばNaIO4を用いる41の標準的な酸化的切断により、中間体ジアルデヒド(示されていない)が得られる。同じく有用な、式40のような化合物の鉱酸塩または有機酸塩を、アルコール(例えば、メタノール)または水中でオゾンに接触させてもよい。これにより、中間体ヒドロペルオキシドが得られ、これをジメチルスルフィド(メチルスルフィド)のような適切な還元剤に接触させることにより還元して、中間体ジアルデヒド塩が直接的に得られ得る。中間体ジアルデヒドをヒドロキシルアミンまたはO−アルキルヒドロキシルアミンと縮合させてビスオキシム(示されていない)を得る。これらを、典型的には酸中で加温して、式42の対応するピリジンを得る。(関連する方法については、Abood,L.G.J.Am.Chem.Soc.1986,108,7864を参照のこと)。上記の標準的な方法により脱ベンジル化して式43の化合物を得る。
【0080】
スキームIX
【化19】

【0081】
スキームIXを参照して、式50および51の二環式アミノケトンの製造方法が提示される。このアプローチにより、式45の酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルエステルを、標準的な方法により製造する。例えば、44と無水酢酸と塩基(例えば、ピリジン、またはトリエチルアミンおよび触媒量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンのような第三級アミンの組み合わせ)とを、例えばジクロロメタンのような溶媒中または無溶媒で、0℃〜およそ室温まで、好ましくは室温で、そして不活性雰囲気下で接触させて、式45の化合物を生成する。次いで式45の化合物を、上記の方法により上記のような式46のジオール中間体へと変換することができる(または、Oberhauser、T.;Bodenteich、M.;Faber、K.;Penn、G.;Griengl、H.Tetrahedron 1987,43、3931−3944を参照のこと)。式50のN−ベンジルアミノ置換ケトンへの変換が提示され、これは再び、前の考察で記載したような酸化的切断/還元的アミノ化方法に従う。式50の化合物は、以下のスキームXI、XIIおよびXIIIにおいて記載されるように、本発明の化合物の有用な前駆体である。このケトンはまた、例えばジメチルホルムアミドジメチルアセタールまたは同じ試薬の他の変形(例えば、Brederick試薬(HC(NMe23)を用いて、ニートかまたは適切な溶媒(例えば、DMF、NMPまたはDMA)中のいずれかで、室温〜150℃、好ましくは100℃の温度にて処理することにより、本発明の化合物の製造のための他の有用な中間体へと変換され得、式51のジメチルアミノメチレン二環式ケトンへの変換方法を提供する。
【0082】
スキームX
【化20】

【0083】
スキームXを参照して、上記の化学は、式50aの同族のケトンの製造を可能にする。このようなものとして、ケトン50aへのアクセスは、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2−オール(J.Org.Chem.1954、19、381−384を参照のこと)(式44aの化合物)から、スキームIXに記載される方法により可能である。ケトン50aの代替の製造方法は実証されている(J.Org.Chem.1968,33、3195−3201を参照のこと)。同じように、ケトン50aはまた、例えば、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールまたは同じ試薬の他の変形(例えば、Brederick試薬(HC(NMe23))を用いて、ニートまたは適切な溶媒(例えば、DMF、NMPまたはDMA)中で、室温から150℃までの温度、好ましくは100℃で処理することにより、本発明の化合物の製造に有用な他の中間体に変換され得、式51aのジメチルアミノメチレン二環式ケトンへの変換方法を提供する。式50aおよび51aのケトンは、XがCH2CH2である本発明の化合物の製造を可能にする。類似の方法において、これらの変換は、ZがCH2である関連のケトンに対して行われて、式I〜VIの生成物を最終的にそのように誘導されるようにし得る。ケトン50bは、本発明のこれらの生成物のための有用な出発物質を提供する(Reints Bok,T.;Speckamp、W.H.;Tetrahedron 1979,35、267−272を参照のこと)。
【0084】
スキームXI
【化21】

【0085】
スキームXIを参照して、ヘテロアリール合成の標準的な方法が、式I〜IVの化合物、例えば、式53の化合物の製造に適用可能である。Friedlander合成が、式50、50aまたは50b(略して50のみを示す)の化合物からキノリン様構造を製造するために適用され得る(条件については、Organic Reactions 28,37、1982におけるCheng,C.C.;Yan,S.J.および実施例の節を参照のこと)。Fischerインドール合成は、式V〜VIのインドールの製造方法を提供する(B.Robinson、The Fischer Indole Synthesis Wiley、New York、1982を参照のこと)。式51のジメチルアミノメチレン二環式ケトンの式I〜Vlの本発明の化合物への変換は、尿素、アミジン、グアニジンおよびヒドラジンとの縮合を含む十分に確立された方法に従う。ピリジンの製造は、J.Org.Chem.2001,60、4194に記載されるような十分に確立された手段により達成され得る。
【0086】
再びスキームXIを参照して、酢酸のような適切な溶媒中の式50のケトンおよび硫酸のような触媒を、2−アミノベンズアルデヒド、またはその置換炭素環式変形体または置換複素環式変形体で処理する。この混合物を、100℃に7日間まで、典型的には60時間加熱して、式52の化合物が得られ得る。ベンジル保護基を、以前に記載した方法により除去して、式53の化合物を得る。
【0087】
再びスキームXIを参照して、エタノールのような適切な溶媒中の式51のジメチルアミノメチレン二環式ケトンを、適切な塩基(例えば、炭酸カリウム)およびアミジンもしくはグアニジンまたはそれらの塩(このようなものの一例は、例としてアセトアミジン塩酸塩である)で処理し得る。この反応混合物を、完了するまで、典型的には7日間まで、好ましくは24〜48時間加熱還流して、式54の化合物を得る。ベンジル基を、標準的な方法(例えば、エタノール中、ギ酸アンモニウムおよび炭酸ジ−t−ブチルのような適切な保護基前駆体およびパラジウム触媒または白金触媒(例えば、Pearlman触媒)のような触媒を用いる処理)により除去し得る。この混合物を、完了するまで、例えば18時間加熱還流する。この方法は、ベンジル基を式55の化合物へと変換するために役立ち、それによりt−ブチルカルボニル基として窒素が保護され、これは、当該分野で十分に確立された方法(例えば、この物質の溶液を、アルコール、塩素化溶媒、エステルまたはエーテル性溶媒中(便宜上、酢酸エチルまたはメタノールが通常使用される)、室温でHClで処理する)により容易に除去されて、式56の化合物を得る。
【0088】
再び、スキームXIを参照して、式51のジメチルアミノメチレン二環式ケトンは、ピラゾールを製造するために、ヒドラジンまたは置換ヒドラジンで処理され得る。例えば、アルコール溶媒中のフェニルヒドラジン塩酸塩を、24〜72時間加熱還流すると、式57のピラゾールが得られる。これは、上記のように脱保護されて、式58の化合物を生じ得る。これらの例は、実施例の節に記載される。
【0089】
スキームXII
【化22】

【0090】
スキームXIIを参照して、公知の方法または本明細書中に記載される方法と関連する方法により製造された50のようなケトン中間体および同族のケトン(50aおよび50b、スキームX)を、Fischerインドール合成プロトコルを元にして式V〜VIの本発明の縮合ヘテロアリール化合物へと変換し得る。溶媒を用いるかまたは用いずに(好ましくは、用いない)、混合物の成分の0.1重量%〜200重量%の範囲の量の、適切な触媒(例えば、鉱酸(硫酸を含む)もしくは有機酸(例えば、トシル酸など)、またはルイス酸(例えば、塩化亜鉛)、好ましくは塩化亜鉛または硫酸)の存在下で、密に接触させるような条件下で、式59の化合物が得られる。保護基が適切に丈夫であり、そしてこのプロトコルに耐える場合、以前に記載した方法によりこれを続けて除去することが必要となる。しかし、保護基が環化事象において失われる場合、化合物を直接単離しても、または当業者による精製を容易にする保護基を中間に用いて、そして本発明の均一な物質を続けて単離してもよい。便宜上、フェニルヒドラジンからのインドールの形成を示すが、2−、3−、または4−置換ピリジニルヒドラジンのような他のヒドラジンが、この反応に参加することは周知であり、そして式I、VおよびVIのさらなる複素環式化合物を製造するために使用され得る。
【0091】
スキームXIlI
【化23】

【0092】
スキームXIIIを参照して、本発明の縮合複素環式化合物を作製するさらなる方法は、上で言及した方法のような公知の方法により製造された50のようなケトン中間体および50aまたは50bのような同族のケトンを、Vilsmeier−Haackの条件(Huet、F.Synthesis 1985、5,496−497およびAdam、W.;Richter、M.J.J.Org.Chem.1994,59、3341−3346)で処理することにより反応性中間体に変換することによる。これらの方法としては、ジメチルホルムアミドのような適切な反応性溶媒中のケトンの溶液を、オキシ塩化リンまたは塩化チオニルもしくは塩化オキサリルのような適切な酸塩化物で処理することが挙げられるがこれに限定されない。これは、典型的には0〜100℃の温度で、最も好ましくは、変換を0℃で開始しして、そして混合物を周囲温度まで昇温させるように、変換を促進するのに十分な熱を供給して行われる。塩化物リガンドが典型的に使用されるが、他のハライドがこの変換に使用され得る。続いて、このようにして生成された中間体ハロ−アルデヒド化合物(61が示される)は、所望の場合2−、3−または4−アミノ置換ピリジニル化合物に接触させることにより本発明の生成物を生成する際に有用である。このような場合、これらの2つの成分化合物の混合は、Friedlander合成の文脈においてスキームXIにおいて上で記載したような化合物を生成するための縮合および熱環化の方法を提供する(Heterocycles 1995,41、911−19およびJ.Org.Chem.1991,56、2268−70を参照のこと)。構造61および関連の構造もまた、ピリミジン(グアニジンを用いる)およびピリミドン(尿素を用いる)への変換に適切な中間体である(J.Heterocyclic Chem.1995,32、353−4およびNippon Kagaku Kaishi 1982、5,876−9)。
【0093】
再びスキームXIIIを参照して、50のようなケトン中間体および50aまたは50bのような同族のケトンは、62のような対応するαハロ−ケトン誘導体への変換後に、本発明の縮合ヘテロアリール化合物へ変換され得る。このようなケトンまたはそのアルカリ金属塩を、臭素を用いるようなハロゲン化剤で処理することは、62へのアクセスを提供する(例えば、J.Org.Chem.1986,51、2913−27を参照のこと)。これらの中間体は、2−アミノヘテロアリール化合物で処理すると、本発明の縮合複素環式化合物に変換される。この変換は、公知の方法により行われ得る(Chem.Pharm.Bull.2000,48、935−940およびJ.Med.Chem.1999,42、3934−3941を参照のこと)。さらに、この型のハロケトンのイミダゾールへの変換は公知である(Synthesis 2000、10、1439−1443)。
【0094】
上に示したように、本明細書の全体をとおして記載される手順において代わりに使用することができる適切なアミン保護基としては、−COCF3、−COCCl3、−COOCH2CCl3、−COO(C1−C6)アルキルおよび−COOCH265が挙げられる。
これらの基は、上で言及したGreeneら、Protective Groups in Organic Chemistryにおいてそれぞれ記載される方法により除去され得る。保護基が反応条件下で変化する場合(例えば、ニトロ化の間の−COOCH265基)もなお、その変化した保護基を用いて記載されたようにその手順が作用することが可能である。保護基の組み込みの順番および/または官能基の導入もしくは変更の方法を変更することもまた、適切な場合は適用され得る。
【0095】
上で考察されたかまたは上記のスキームI〜XIにおいて例示された反応の各々において、圧力は、他に指示がなければ重大ではない。約0.5気圧〜約5気圧の圧力が、一般
的に許容され得、周囲圧力、すなわち約1気圧が、便宜上好ましい。
【0096】
本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩(本明細書で以後は「活性化合物」)は、経口、経皮(例えば、パッチの使用による)、鼻腔内、舌下、直腸、非経口または局所の経路のいずれかを介して投与することができる。経皮投与および経口投与が好ましい。これらの化合物は、最も好ましくは、1日あたり約0.01mg〜約1500mg、好ましくは1日あたり約0.1〜約300mgの範囲の投薬量で、単回用量または分割用量で投与されるが、処置される被験体の体重および状態ならびに選択された特定の投与経路に依存して、変動が必然的に生じる。しかし、1日あたり体重1kgあたり約0.001mg〜約10mgの範囲にある投薬レベルが最も望ましく使用される。それにもかかわらず、処置される個人の体重および状態ならびにその医薬に対する個々の応答に依存して、そして選択された医薬処方の型ならびにこのような投与が行われる期間および間隔に依存して、変動が生じ得る。ある場合は、上述の範囲の下限より低い投薬レベルが、十分に適正であり得、一方で、さらに多い用量が、有害な副作用を生じること無く使用され得る場合もあり得るが、ただし、このような多い用量は、その日全体にわたって投与するために最初にいくつかの少量の用量に分割される。
【0097】
活性化合物は、以前に示したいくつかの経路のいずれかにより単独かまたは薬学的に許容しうる担体もしくは希釈剤と組み合わせて投与することができる。より詳細には、活性化合物は、多種多様な異なる投薬形態で投与することができ、例えば、錠剤、カプセル、経皮パッチ、ロゼンジ、トローチ剤、硬質キャンディー、散剤、スプレー、乳剤、膏薬、坐剤、ゼリー、ゲル、ペースト、ローション剤、軟膏、水性懸濁剤、注射剤、エリキシル剤、シロップ剤などの形態で種々の薬学的に許容しうる不活性担体と組み合わせられ得る。このような担体としては、固体希釈剤または充填剤、滅菌水性媒体および種々の非毒性有機溶媒が挙げられる。さらに、経口医薬組成物は、甘みおよび/または香りを適切に付けることができる。一般的には、活性化合物は、このような投薬形態中に約5.0重量%〜約70重量%の範囲の濃度レベルで存在する。
【0098】
経口投与のために、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリシンのような種々の賦形剤を含有する錠剤は、デンプン(好ましくは、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン)、アルギニン酸および特定の複合珪酸塩のような種々の崩壊剤と共に、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアカシアのような顆粒化結合剤と一緒に使用され得る。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよび滑石のような滑沢剤を、錠剤化プロセスに使用することができる。同種の固形組成物もまた、ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る;この点についても好ましい物質としては、ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液および/またはエリキシル剤が経口投与に望まれる場合、活性成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの種々の組み合わせと共に、種々の甘味料または矯味矯臭剤、着色物質ならびに所望の場合、乳化剤および/または懸濁化剤と組み合わせられ得る。
【0099】
非経口投与には、ゴマ油もしくは落花生油のいずれか、または水性プロピレングリコール中の活性化合物の溶液を使用することができる。水溶液は、必要な場合、適切に緩衝化(好ましくは8より大きいpH)されるべきであり、そして液体希釈剤は、最初に等張化されるべきである。これらの水溶液は、静脈内注射の目的に適している。油性溶液は、関節内、筋内および皮下の注射目的に適している。これら全ての溶液の滅菌条件下での調製は、当業者に周知の標準的な製薬技術により容易に達成される。
【0100】
活性化合物を局所的に投与することも可能であり、そしてこれは、標準的な製薬の慣行に従って、乳剤、パッチ、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏などにより投与することができる。
【0101】
特定の受容体部位へのニコチンの結合の抑制における活性化合物の有効性は、Lippiello,P.M.およびFernandes,K.G.(The Binding of L−[3H]Nicotine To A Single Class of High−Affinity Sites in Rat Brain Membranes、Molecular Pharm.、29,448−54、(1986))ならびにAnderson,D.J.およびArneric、S.P.(Nicotinic Receptor Binding of 3H−Cystisine、3H−Nicotine and 3H−Methylcarmbamylcholine In Rat Brain、European J.Pharm.、253、261−67(1994))の方法の変形である以下の手順により決定される。
【0102】
特定の受容体部位へのニコチンの結合の抑制における活性化合物の有効性を、Lippiello,P.M.およびFernandes,K.G.(「The Binding of L−[3H]Nicotine To A Single Class of High−Affinity Sites in Rat Brain Membranes」、Molecular Pharm.、29,448−54、(1986))ならびにAnderson,D.J.およびArneric,S.P.(「Nicotinic Receptor Binding of 3H−Cytisine、3H−Nicotine and 3H−Methylcarmbamylcholine In Rat Brain」、European J.Pharm.、253,261−67(1994))の方法の変形である以下の手順により決定することができる。Charles Riverからの雄性Sprague−Dawleyラット(200〜300g)を、吊り下げたステンレス鋼ワイヤケージにグループ分けして入れて、そして12時間の明/暗周期(午前7時〜午後7時の明期間)で維持した。これらに、標準的なPurinaラット餌および水を自由に与えた。ラットを断頭により殺した。断頭後すぐに脳を取り出した。いくつか変更を加えたLippielloおよびFernandez(Molec.Pharmacol.、29,448−454、(1986))の方法に従って、脳組織から膜を作製した。脳全体を取り出し、氷冷緩衝液ですすぎ、そして10容量(w/v)の緩衝液中0℃でBrinkmann PolytronTM(Brinkmann Instruments Inc.、Westbury、NY)(設定6)を使用して30秒間ホモジナイズした。緩衝液は、7.5のpHで室温にて50mM TrisHClから構成された。ホモジネートを、遠心分離(10分;50,000×g;0〜4℃)により沈降させた。上清を注ぎ出し、そして膜をPolytronで穏やかに再懸濁し、そして再び遠心分離した(10分;50,000×g;0〜4℃)。2回目の遠心分離後、膜をアッセイ緩衝液に1.0g/100mLの濃度で再懸濁した。標準的なアッセイ緩衝液の組成は、50mM TrisHCl、120mM NaCl、5mM KCl、2mM MgCl2、2mM CaCl2であり、そして室温でpH7.4だった。
【0103】
慣例のアッセイを、ホウ珪酸ガラス試験管中で行った。アッセイ混合物は、典型的には、1.0mLの最終インキュベーション容積中0.9mgの膜タンパク質で構成された。3組の管を用意し、各組の管には、50μLの賦形剤、ブランクまたは試験化合物の溶液がそれぞれ含まれていた。各管に、200μLのアッセイ緩衝液中の[3H]−ニコチンを加え、続いて750μLの膜懸濁液を加えた。各管中のニコチンの最終濃度は0.9nMであった。ブランク中のシチシンの最終濃度は1μMであった。賦形剤は、水50mLあたり30μLの1N酢酸を含有する脱イオン水から構成された。試験化合物およびシチシンを、賦形剤に溶解した。膜懸濁液を管に加えた後、ボルテックスすることによりアッセイを開始した。サンプルを、氷冷した振盪水浴中で0〜4℃にてインキュベートした。BrandelTMマルチマニホルド組織ハーベスター(Brandel Biomedical Research & Development Laboratories,Inc.、Gaithersburg、MD)を使用して、WhatmanGF/BTMガラスファイバーフィルター(Brandel Biomedical Research & Development Laboratories,Inc.、Gaithersburg、MD)を通して真空下急速濾過することにより終結させた。アッセイ混合物の最初の濾過後、フィルターを氷冷アッセイ緩衝液(各5ml)で2回洗浄した。次いでフィルターを計数バイアルに入れ、そして放射活性の定量の前に20mlのReady SafeTM(Beckman,Fullerton、CA)と激しく混合した。サンプルを、LKB Wallac RackbetaTM液体シンチレーションカウンター(Wallac Inc.、Gaithersburg、MD)で40〜50%の効率で計数した。全ての測定を三重に行った。
【0104】
計算:膜に対する特異的結合(C)は、賦形剤のみおよび膜を含有するサンプルにおける全結合(A)と、膜およびシチシンを含有するサンプルにおける非特異的結合(B)との差であり、すなわち、
特異的結合=(C)=(A)−(B)。
【0105】
試験化合物の存在下における特異的結合(E)は、試験化合物の存在下における全結合(D)と、非特異的結合(B)との差であり、すなわち、(E)=(D)−(B)。
阻害%=(1−((E)/(C))×100。
【0106】
上記のアッセイにおいて試験された本発明の化合物は、100μMより小さいIC50値を示した。
【0107】
GH4C1細胞におけるニコチン性受容体に対する[125I]−ブンガロトキシンの結合:
GH4C1細胞株において発現しているニコチン性受容体用に膜を調製した。手短には、湿性重量で1gの細胞をpolytronを用いて、20mM Hepes、118mM NaCl、4.5mM KCl、2.5mM CaCl2、1.2mM MgSO4を含有する25mlの緩衝液(pH7.5)中でホモジナイズした。このホモジネートを、40,000×gで10分間4℃にて遠心分離し、得られたペレットをホモジナイズし、そして再び上記のように遠心分離した。最終のペレットを、20mlの同じ緩衝液中に再懸濁した。放射性リガンド結合を、New England Nuclear製の[125I]α−ブンガロトキシン(特異的活性約16uCi/ug)を用いて行い、96ウェルマイクロタイタープレート中0.4nMの最終濃度で使用した。プレートを、全結合について25μlの薬物または賦形剤、100μlの[125I]ブンガロトキシンおよび125μlの組織調製物と共に、37℃にて2時間インキュベートした。非特異的結合を、methyllycaconitineの存在下で1μMの最終濃度で測定した。反応を、0.5%ポリエチレンイミン処理WhatmanGF/BTMガラスファイバーフィルター(Brandel Biomedical Research & Development Laboratories,Inc.、Gaithersburg、MD)を使用して、Skatron細胞ハーベスター(Molecular Devices Corporation、Sunnyvale、CA)で氷冷した緩衝液を用いてろ過により終結させ、フィルターを終夜乾燥させ、そしてBetaplate Scint.(Wallac Inc.、Gaithersburg、MD)を使用してBetaプレートカウンターで計数した。データを、IC50(50%の特異的結合を阻害する濃度)または見かけのKi、IC50/1+[L]/KDとして表す。[L]=リガンド濃度、KD=別々の実験で決定された[125I]リガンドについての親和性定数。
【0108】
上記のアッセイで試験された本発明の化合物は、10μMより小さいIC50値を示した。
【0109】
シビレエイ電気板膜におけるα1ニコチン性受容体への[125I]−ブンガロトキシン結合
凍結したシビレエイ電気板膜(100μl)を、2mg/mlのBSAと共に20mM Hepes、118mM NaCl、4.5mM KCl、2.5mM CaCl2、1.2mM MgSO4を含有する213mlの緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。放射性リガンド結合を、New England Nuclear製の[125I]α−ブンガロトキシン(特異的活性約16uCi/ug)を用いて行い、96ウェルマイクロタイタープレート中0.4nMの最終濃度で使用した。プレートを、全結合について25μlの薬物または賦形剤、100μlの[125I]ブンガロトキシンおよび125μlの組織調製物と共に、37℃にて3時間インキュベートした。非特異的結合を、α−ブンガロトキシンの存在下で1μMの最終濃度で測定した。反応を、0.5%ポリエチレンイミン処理GF/Bフィルターを使用して、Brandel細胞ハーベスターで、氷冷した緩衝液を用いてろ過により終結させ、フィルターを終夜乾燥させ、そしてBetaplate Scintを使用するBetaプレートカウンターで計数した。
【0110】
データを、IC50(50%の特異的結合を阻害する濃度)または見かけのKi、IC50/1+[L]/KDとして表す。[L]=リガンド濃度、KD=別々の実験で決定された[125I]リガンドについての親和性定数。
【0111】
以下の実験的実施例は、本発明を例示するが、本発明の範囲を限定しない。
【実施例】
【0112】
実験手順
実施例1
3−シクロペンタ−3−エニル−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メタノンの製造
(Comins、D.L.;LaMunyon、D.H.Tetrahedron Lett.1988,29、773−776およびTrecourt、F.;Mallet、M.;Marsais、F.;Queguiner、G.J.Org.chem.1988,53、1367−1371に基づく)
ブロモ−2,4,6−トリメチルベンゼン(16.9g、85mmol)を、無水THF(340mL)中−78℃にて窒素下で撹拌し、そしてt−BuLi(100mLの1.7Mペンタン溶液、170mmol)を滴下漏斗から30分かけて滴下して処理した。黄色スラリーが形成し、そしてこれを1時間撹拌した。これに、無水THF(10mL)中の2−メトキシピリジン(8.45g、77.3mmol)を5分かけて加えた。この混合物を0℃まで昇温させ、そして1時間撹拌し、次いで周囲温度で1時間撹拌し、次いで−78℃に再び冷却し、そして無水THF(20mL)中のシクロペンタ−3−エンカルボン酸メトキシ−メチル−アミド(12.4g、80mmol)で5分かけて処理した。得られた混合物を18時間撹拌した(浴を蒸発させ、そして混合物は周囲温度に達した)。この混合物を飽和NaHCO3水溶液(250mL)に注ぎ、そして20分間撹拌した。この混合物をEt2O(3×100mL)で抽出した。有機層をH2O(2×100mL)で洗浄し、そして飽和NaCl水溶液で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、濾過して濃縮し、オイル(26g)とした。メシチレンを除去するために最初にヘキサンで溶出し、続いて10%次いで20%のEt2O/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により生成物が溶出され、これを濃縮して透明のオイル(12.2g、75%粗製物)とした。(TLC 10%Et2O/ヘキサン Rf0.36);1H NMR(400 MHz、CDCl3)δ 8.28(dd、J=4.9、2.0Hz、1H)、8.02(m,1H)、6.97(m、1H)、5.65(s、2H)、4.03(s、3H)、4.17、(m、1H)、2.67(m、4H);GCMS m/z203(M)+
【0113】
3−シクロペンタ−3−エニルメチル−2−メトキシ−ピリジンの製造
シクロペンタ−3−エニル−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−メタノン(10.0g、49.3mmol)、ヒドラジン水和物(6.33g、198mmol)および粉砕した水酸化カリウム(85% KOH)(16.8g、300mmol)を、エチレングリコール(100mL)中100℃にて溶液が生じるまで加温し、次いで180℃で18時間加温した。この混合物を室温まで冷却し、そして水(100mL)で処理し、次いで50%EtOAc/ヘキサン(3×80mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮してオイルとした。10%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィー精製により、所望の生成物をオイル(4.75g(51%))として得た。(TLC 10%Et2O/ヘキサン Rf0.80);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.01(dd、J=5.0、1.7Hz、1H)、7.37(dd、J=7.2、1.5Hz、1H)、6.81(dd、J =7.2,5.0Hz、1H)、5.66(s、2H)、3.95(s、3H)、2.61(m、3H)、2.40(m、2H)、2.03(m、2H);GCMS m/z 189(M)+。3−シクロペンタ−3−エニル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンも、4.45g(49%)単離した。
【0114】
3−シクロペンタ−3−エニルメチル−1H−ピリジン−2−オンエステルの製造
3−シクロペンタ−3−エニルメチル−2−メトキシ−ピリジン(2.1g、11.1mmol)およびNaI(4.16g、27.8mmol)を、乾燥CH3CN(25mL)中で撹拌した。得られた濁った分散を撹拌し、そして塩化トリメチルシリル(3.0g、27.8mmol)処理すると、混合物は白色分散になった。室温で30分間、次いで70℃で1時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、そしてH2O(50mL)で処理した。生成物が沈殿し、そしてEtOAc(4×50mL)で抽出した。有機層をH2O(4×50mL)、飽和NaHCO3水溶液(50mL)および飽和NaCl水溶液で洗浄した。抽出物をNa2SO4で乾燥し、濃縮して黄色固体とした、1.93g(100%)。(TLC 10%EtOAc Rf0.35);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.28(m、2H)、6.22(t、J=6.6Hz,1H)、5.65(s、2H)、2.70(m,1H)、2.58(d、J=7.5Hz、2H)、2.47(m、2H)、2.03(m、2H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 165.1,138.7,132.3,132.0,129.6,106.6,38.7,36.7,35.2;GCMS m/z175(M)+
【0115】
トリフルオロ−メタンスルホン酸3−シクロペンタ−3−エニルメチル−ピリジン−2−イルエステルの製造
3−シクロペンタ−3−エニルメチル−1H−ピリジン−2−オン(1.9g、10.9mmol)および2,6−ジメチルピリジン(2.21mL、19mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中0℃で撹拌し、そしてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.38mL、14.1mmol)を1分かけて滴下して処理した。この混合物を室温まで昇温させ、そして1時間撹拌し、次いでH2O(50mL)に注いだ。層を分離し、そして水層をジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をH2O(2×50mL)、そして飽和NaHCO3水溶液(50mL)で洗浄し、綿栓を通して乾燥し、そして濃縮してオイル(3.1g、93%)を得た。(TLC 15%EtOAc/ヘキサン Rf 0.40);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.21(d、J=4.7Hz、1H)、7.70(d、J=7.5Hz、1H)、7.29(m、1H)、5.67(s、2H)、2.74(d、J=7.5Hz、2H)、2.61(m、1H)、2.45(m、2H)、2.04(dd、J=14.3、5.0Hz、2H);13C NMR(100 MHz、CDCl3)δ 155.1、145.8、141.4、129.5、128.0、124.0,38.5,36.9,35.5,CF3炭素は観測されなかった;GCMS m/z241(M)+
【0116】
3−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5,10−テトラエンの製造
トリフルオロ−メタンスルホン酸3−シクロペンタ−3−エニルメチル−ピリジン−2−イルエステル(3.1g、10.1mmol)を、DMF(20mL)中で撹拌し、そして脱気し(N2/真空サイクルを3回)、次いでN2雰囲気下でトリエチルアミン(1.52g、15mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(334mg、0.80mmol)および酢酸パラジウム(72mg、0.32mmol)で処理した。20分後、この混合物を窒素下で100℃に18時間加温し、このとき、反応は90%完了したと考えられた。さらなるトリエチルアミン(1mL、7.2mmol)を加え、そして混合物を6時間110℃にすると、TLC分析は出発物質が完全に消費されたことを示していた。この反応混合物を冷却し、そして50%飽和NaCl水溶液(75mL)に注ぎ、次いでEtOAc(4×30mL)で抽出した。合わせた有機層をH2O(2×50mL)、飽和NaHCO3水溶液(50mL)、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過しそして濃縮してオイルとした、2.3g。この物質の1.89gを、20%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、オイル(1.07g、77%)を得た。(TLC 20%EtOAc/ヘキサン Rf0.21);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.10(dd、J=4.9、0.7Hz、1H)、7.18(d、J=7.5Hz、1H)、6.92(dd,J=7.5,4.9Hz、1H)、6.21(dd,J=5.5,2.9Hz、1H)、5.73(dd,J=5.5,2.6Hz、1H)、3.43(m,1H)、2.86(m、2H)、2.40(d、J=16.2Hz、1H)、2.21(m,1H)、1.80(d、J=10.2Hz,1H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 162.0、145.0、138.2、138.0、131.7、130.1、121.6、47.3、39.5、37.9、29.7;APCI MS m/z158.1(M)+
【0117】
3−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10,11−ジオールの製造
3−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5,10−テトラエン(960mg、6.1mmol)およびトリメチルアミンN−オキシド二水和物(748mg、6.73mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中で撹拌し、そして四酸化オスミウム(OsO4、0.2mLの15mol%t−ブタノール溶液)で処理し、そしてこの混合物を激しく撹拌した。18時間後、残留物をシリカゲルカラム(2×6インチ)に注ぎ、そしてヘキサン(100mL)次いでEtOAcで溶出して、生成物をオイルとして溶出させた(これを放置すると結晶化する)(1.16g、100%)。(TLC EtOAc Rf0.17);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.12(d、J=4.9Hz、1H)、7.40(d、J=7.5Hz、1H)、7.07(dd、J=7.5,4.9Hz、1H)、4.19(d、J=6.0Hz、1H)、3.90(d、J=6.0Hz、1H)、3.45(s、1H)、3.00(dd、J=17.3,4.8Hz、1H)、2.67(d、J=17.3Hz,1H)、2.43(m、2H)、1.59(d、J=11.6Hz,1H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 159.4、147.6、138.1、130.9、122.3、77.1、75.4、51.6、42.2、33.9、28.5;APCI MS m/z192.1(M)+
【0118】
11−ベンジル−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
3−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10,11−ジオール(1.16g、6.07mmol)を、EtOH(40mL)中で撹拌し、そしてNaIO4(1.35g、6.07mmol)のH2O(20mL)中の溶液で処理した。沈殿が形成し、そしてこの混合物は黄色スラリーになった。15分後、反応は完了したと考えられ(TLC EtOAc Rf0.62)、水で希釈し、そしてジクロロメタン(4×50mL)で抽出した。有機層をH2O(5×50mL)で洗浄し、次いで綿栓を通して乾燥し、そして濃縮してオイルとした。このオイルをDCE(50mL)中で撹拌し、ベンジルアミン(650mg、6.07mmol)で処理し、次いでトリアセトキシホウ水素化ナトリウムNaBH(OAc)3(4.12g、19.4mmol)で処理した。この混合物を7時間撹拌し、次いで飽和炭酸ナトリウム(Na2CO3)溶液およびEtOAc(それぞれ約75mL)を加えることによりクエンチした。20分間撹拌した後、層を分離し、そして水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層をH2O(50mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。濾過および濃縮して、オイル1.2gを得、これを50%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、純粋な生成物をオイルとして得た、802mg(50%)。(TLC EtOAc Rf0.68);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.30(dd、J=4.7,0.6Hz、1H)、7.40(d、J=7.7Hz,1H)、7.13−7.07(m,4H)、6.85(m,2H)、3.35(AB q,ΔAB=27.2、J=13.8Hz、2H)、3.08(s、1H)、3.02(dd、J=17.3、7.0Hz,1H)、2.92(d、J=10.6Hz,1H)、2.81(d、J=10.6Hz、1H)、2.74(d、J=17.3Hz、1H)3.34(br d、J=10.6Hz、2H)、2.17(br s、1H)、1.90(d、J=3.0Hz、2H);13C NMR(100MHz、CDCl3)δ 160.8、145.6、139.2、134.7、134.2、128.1、128.0、126.6、121.0、62.3、60.8、58.9,38.4,34.2,29.8,28.4;APCI MS m/z265.1(M)+
【0119】
3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
11−ベンジル−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン(743mg、2.8mmol)およびHCO2NH4(6g)をメタノール(35mL)に溶解し、そしてPd(OH)2/C(10wt%、210mg)で処理した。混合物を1時間加熱還流し、次いでCeliteTMを通して熱時濾過し、メタノールですすいだ。ろ液を揮散させ、そしてジクロロメタン中スラリーにし、次いでフリットガラスフィルターを通して濾過した。ろ液を濃縮し、そしてジクロロメタン(15mL)に溶解し、次いでt−Boc2O(670mg、3.1mmol)で処理し、そして18時間撹拌した。この混合物を揮散させ、そして75%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して純粋な生成物をオイルとして得た(224mg、30%)。(TLC EtOAc Rf0.53)。残りの物質はN−ホルミル誘導体、3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−11−カルバルデヒド、360mg(63%)であった。GCMS m/z 202(M)+。3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−11−カルバルデヒドおよびNaOH(800mg)をジオキサン/H2O(7/3mL)中で4時間加熱還流させた。さらなるNaOHを加え(400mg)、そして加熱を続けた。2時間後、混合物を冷却し、飽和NaHCO3水溶液(20mL)で希釈し、そしてt−Boc2O(400mg、1.83mmol)で処理し、そして2時間撹拌した。上記のように単離して、11−t−Boc−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン、245mgを得た。
【0120】
11−t−Boc−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン(194mg)をEtOAc(5mL)に溶解し、そして3N HCl EtOAc(2mL)で処理した。この溶液を加熱還流し、そして18時間撹拌した。冷却後、固体を濾過し、そしてヘキサンですすぎ、次いで真空下で乾燥して95mgの白色固体を得た。Mp295−301℃(分解);(TLC約0.2%NH3/10%CH3OH/ジクロロメタン Rf 0.25);1H NMR(400MHz、CD3OD)δ 8.72(d、J=5.5Hz、1H)、8.43(d、J=8.1Hz、1H)、7.94(dd、J=8.1、5.5Hz,1H)、3.71(s,1H)、3.58(dd、J=13.3、2.4Hz,1H)、3.51−3.40(m、3H)、3.33(m、1H)、3.18(d、J=19.1Hz、1H)、2.67(br s,1H)、2.33(d、J=13.6Hz、1H)、2.11(d,J=13.6Hz,1H);13C NMR(100MHz、CDCl3)δ 149.5、147.5、140.3、138.0、125.7、48.9、46.2、30.9、30.4、25.4、24.4;GCMS m/z174(M)+;C11142・2HClについての元素分析計算値:C,53.45;H,6.52;N,11.33;実測値 C,53.06;H,6.49;N,11.16。
【0121】
実施例2
11−メチル−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン二塩酸塩の製造
3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−11−カルバルデヒド(75mg、0.4mmol)を1M BH3・THF錯体(3mL)中で還流して18時間撹拌し、この時点でさらに1M BH3・THF錯体(3mL)を導入した。加熱を3日間続け、この時点で混合物を冷却し、そして1N HCl(5mL)および濃HCl(1mL)で処理し、そして得られた混合物を24時間還流した。この混合物を冷却し、そしてpH10に達するように固体NaOHで処理し、そしてEtOAc(4×10mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して48mgを得た。この物質をMeOHに溶解し、そして1mLの3N HCl/EtOAc溶液で処理し、撹拌し、そして濃縮した。MeOH/Et2Oから再結晶した後、生成物を濾過し、そして乾燥して白色固体(49mg 59%)を得た。Mp260−266℃;(TLC 約0.2% NH3/5%CH3OH/ジクロロメタン Rf 0.33);1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.73(d、J=5.0Hz、1H)、8.42(d、J=8.1Hz、1H)、7.95(m、1H)、3.78−3.15(m、7H)、2.82(s、3H)、2.74(brs、1H)、2.28(d、J=13.6Hz,1H)、2.09(d、J=13.6Hz,1H);GCMS m/z 188(M+)。
【0122】
実施例3
2−フルオロ−3−ヨードピリジンの製造
J.Org.Chem.1993,7832に従って製造した:リチウムジイソプロピルアミドの溶液を、n−BuLi(46.4ml、ヘキサン中2.5M、0.12mol)をジイソプロピルアミン(15ml、0.12mol)の無水THF(200ml)溶液に0℃で加えることにより用意した。10分間撹拌した後、この溶液を−78℃に冷却した。シリンジポンプを使用して2−フルオロピリジン(10ml,0.12mol)を2分かけてニートで加えた。反応混合物をこの温度で4時間撹拌した。白色沈殿が形成した。ヨウ素(29.5gm、0.12mol)の無水THF(100ml)溶液を40分かけてシリンジポンプで加え、その間反応系を−78℃に維持した。この添加の間、反応混合物は、白色から黄色、そして最終的には橙色に色が変化した。反応混合物を−78℃で水(5ml)を加えることによりクエンチし、続いてこの混合物を注意深く飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の1:1混合物に注いだ。生成物をエーテルに抽出し、そして有機層をブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、そして真空でエバポレートした。残留物22.2gm(86%)(凝固した)を9/1ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2−フルオロ−4−ヨードピリジンが混入した所望の2−フルオロ−3−ヨードピリジン(21gm)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 8.17(m、2H)、6.95(m、1H);APCI MSm/z224(M)+
【0123】
シクロペンタ−3−エニル−(2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−メタノンの製造
リチウムジイソプロピルアミドの溶液を、n−BuLi(1.79mol、ヘキサン中2.5M、4.5mmol)をジイソプロピルアミン(589 ul、4.5mmol)の無水THF 9ml)溶液に−78℃で加えることにより用意した。20分間撹拌した後、この溶液を、無水THF(1.8ml)中の2−フルオロ−3−ヨードピリジン(1gm、4.5mmol)でシリンジポンプにより10分かけて処理した。この混合物を1時間−78℃で撹拌した。褐色沈殿が形成した。この混合物に、シリンジポンプで15分間かけて無水THF(1.8ml)中のシクロペンタ−3−エンカルボン酸メトキシ−メチル−アミド(695mg、4.5mmol)を加えた。この反応混合物を、−78℃で30分間撹拌し、このとき懸濁液が溶液に変化し、続いてさらに2.5時間−78℃撹拌した。反応混合物を、−78℃で水(5ml)を加えることによりクエンチし、続いてこの混合物を注意深く飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出し、そして有機層をブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、そして真空でエバポレートした。残留物950mgを、9/1 ヘキサン/エーテルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を得た(676mg、48%)。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 7.88(d,1H,J=5Hz)、7.70(d、1H,J=5Hz)、5.67(s、2H)、3.79(m、1H)、2.79(m、2H)、2.62(m,2H)。13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 202.1、159.2、157.0、148.1、147.9、132.7、128.7、106.6、49.5、34.9;APCI MS m/z318(M+1)+。2−フルオロ−3,4−ジヨードピリジンもまた、単離した(60mg)。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 7.84(d、1H,J=5Hz)、7.64(d,1H,J=5Hz);13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 163.9,161.0、147.0、146.9、132.2、123.5、92.0;APCI MS m/z350(M+1)+
【0124】
6−フルオロ−5−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2,4,6,10−テトラエン−8−オンの製造
上で製造されたシクロペンタ−3−エニル−(2−フルオロ−4−ヨード−ピリジン−3−イル)−メタノン(110mg、0.35mmol)を、臭化テトラブチルアンモニウム(112mg、0.35mmol)、酢酸カリウム(102mg、1.04mmol)、トリフェニルホスフィン(2mg、0.009mmol)およびDMF(4ml)と混合した。反応混合物を、窒素を用いて脱酸素化し、次いで酢酸パラジウム(2mg、0.008mmol)を導入した。反応混合物を100℃の油浴で20分間加熱した。7分後、黒色沈殿が観察された。この反応混合物を室温まで冷却し、次いで酢酸エチル、ヘキサン、ブラインおよび水の1:1:1:1混合物に加えた。有機層を分離し、そしてブラインで洗浄し、次いで乾燥し、エバポレートした。残留物(60mg)を直接次の工程に使用した。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 8.15(d、1H,J=5Hz)、7.03(d、1H,J=5Hz)、6.65(m、1H)、6.19(m、1H)、3.69(br s,1H)、3.51(m、1H)、2.68(m,1H)、2.63(d、1H,J=11Hz);APCI MS m/z190(M+1)+;HRMS(m/z):(M+H)+118FNO2についての計算値:190.0668;実測値、190.0654。
【0125】
6−メトキシ−5−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2,4,6,10−テトラエン−8−オンの製造
上からの粗生成物(60mg、0.32mmol)を、メタノールに入れ、そしてナトリウムメトキシド(21mg、0.38mmol)で処理し、そして30分間加熱還流した。この反応混合物を室温まで放冷させ、そしてジクロロメタンとブラインとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空でエバポレートした。残留物を、85/15ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の物質42mg(全体で60%)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 8.10(d,1H,J=5Hz)、6.70(d、1H,J=5Hz)、6.57(dd、1H,J=6Hz、J=3Hz)、6.17(dd、1H,J=6Hz、J=3Hz)、3.97(s、3H)、3.56(br s、1H)、3.43(br s、1H)、2.57(m、2H)。13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 193.9、163.5、159.8、150.6、142.1、132.7、114.1、110.4、57.5、54.1、47.2、46.7;APCI MS m/z202(M+1)+;HRMS(m/z):(M+H)+1211NO2についての計算値:202.0868;実測値、202.0880。
【0126】
6−メトキシ−5−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2,4,6,10−テトラエンの製造
窒素注入口、磁気撹拌子および還流冷却器を有する加熱乾燥した丸底フラスコに、100%エタノール(5ml)中の6−メトキシ−5−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2,4,6,10−テトラエン−8−オン(0.58gm、2.9mmol)およびトシルヒドラジン(0.59gm、3.2mmol)を入れた。反応系を30分間加熱還流した。この混合物を室温まで放冷させ、次いで濾過した。固体をエタノールで洗浄し、次いで真空乾燥してトシルヒドラゾン(0.8gm、80%)を得た。窒素注入口および磁気撹拌子を有する2つ目の加熱乾燥した丸底フラスコに、クロロホルム(6ml、アルミナカラムに通すことによりEtOHを除いてある)、続いて安息香酸(1.1gm、8.65mmol)を入れ、そして混合物を0℃に冷却した。この反応混合物を注意深く1M BH3・THF(4.3ml、4.3mmol)で処理すると、水素ガスが激しく発生した。添加が完了すると、反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで上で製造したトシルヒドラゾン(0.8gm)で処理し、そしてさらに1時間0℃で撹拌した。この混合物に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.5gm)を入れ、次いで室温まで昇温した。この反応混合物を真空でエバポレートし、次いでエチレングリコール(5ml)に再懸濁し、そして炭酸カリウム(0.4gm、2.88mmol)で処理した。反応混合物を110℃に1時間加熱し、次いで室温まで冷却した。この混合物を水(50ml)で希釈し、そしてジクロロメタンで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空でエバポレートして、330mgの残留物を得、これをジクロロメタンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して透明なオイル(260mg 48%)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 7.84(d,1H,J=5Hz)、6.56(d,1H,J=5Hz)、6.15(dd、1H,J=6Hz、J=3Hz)、5.82(dd、1H,J=6Hz、J=3Hz)、3.89(s、3H)、3.23(t、1H,J=4Hz)、2.99(br.s、1H)、2.67(dd、1H,J=18Hz、J=5Hz)、2.34(d、1H,J=18Hz),2.17(dt,1H,J=10Hz、J=5Hz)、1.78(d,1H,J=10Hz);APCI MS m/z188(M+1)+
【0127】
6−メトキシ−5−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10,11−ジオールの製造
磁気撹拌子および窒素注入口を備えた加熱乾燥した丸底フラスコに、10mlの無水ジクロロメタン中の6−メトキシ−5−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2,4,6,10−テトラエン(230mg、1.23mmol)上で製造された)を加えた。この溶液を、トリメチルアミンN−オキシド(150mg、1.35mmol)、
続いてOsO4(10滴、t−ブタノール中2.5%)で処理した。この反応混合物を室温で36時間撹拌し、次いで直接シリカゲルカラムに加えて98/2ジクロロメタン/メタノールで溶出した。所望のジオールを得て、これを以下の工程に使用した(0.26gm、96%)。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 7.85(d、1H,J=6Hz)、6.60(d、1H,J=6Hz)、4.02(m、2H)、3.90(s、3H)、3.28(d、1H,J=4Hz)、3.00(m、2H)、2.75(dd、1H,J=18Hz、J=5Hz)、2.53(d、1H,J=18Hz)、2.45(m、1H)、2.24(dt,1H,J=12Hz、J=5Hz)、1.52(d,1H,J=12Hz);13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 143.8、117.0、116.5、112.0、77.9、77.6、53.4、48.5、42.2、30.4、28.4 ppm;APCI MS m/z222(M+1)+
【0128】
6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
250mlのParr瓶に、エタノール−水3:1(12ml)中の6−メトキシ−5−アザ−トリシクロ[7.2.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10,11−ジオール250mg(1.13mmol)を加えた。この溶液を水(1ml)中の過ヨウ素酸ナトリウム(240mg、1.13mmol)で処理し、そしてこの混合物を室温で2時間撹拌した。白色沈殿がはっきりと見えた。撹拌子を取り除き、そして反応混合物を飽和水酸化アンモニウム溶液(10ml)、およびPearlman触媒(50mg)で処理し、16時間45psiの水素圧下においた。反応混合物をガス抜きし、次いでCeliteTMを通して濾過した。ろ液を真空でエバポレートした。残留物をジクロロメタンに入れ、そしてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空でエバポレートした。残留物を、95/5ジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オイルとして所望の生成物を得た(125mg、54%)。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 7.88(d,1H,J=5Hz)、6.55(d,1H,J=5Hz)、3.94(s、3H)、3.0(dd、1H,J=14Hz、J=3Hz)、2.96(br.s、2H)、2.80(d,1H,J=7Hz)、2.76(br.s、2H)、2.56(d、1H,J=19Hz)、2.07(br.s,1H)、1.95(d、1H,J=12Hz)、1.82(d、1H,J=12Hz)。13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 161.0,150.0,143.0,121.2,116.7,53.9,53.2,51.9,34.9、29.2、28.7、27.3;APCI MS m/z 205(M+1)+
【0129】
実施例4
11−アリル−6−メトキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オンの製造
6,7−ジヒドロキシ−1−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,8−メタノ−ベンゾシクロヘプテン−9−オン(2.80g、12mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中0℃で撹拌し、そして四酢酸鉛(Pb(OAc)4、5.35g、12mmol)で処理した。30分後、この混合物をCeliteTMパッドを通して濾過し、そしてジクロロメタン(50mL)ですすいだ。撹拌したろ液に、AcOH(3.61g、60mmol)およびアリルアミン(689mg、12mmol)を加えた。15分後、混合物をNaBH(OAc)3(7.70g、36mmol)で処理し、そして18時間撹拌した。この混合物を飽和Na2CO3水溶液(100mL)に注いで30分間撹拌した。層を分離し、そしてEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を飽和Na2CO3水溶液(2×50mL)、H2O(50mL)、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮してオイルとした。5%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オイルとして生成物を得た(885mg,29%)。(TLC 30%EtOAc/ヘキサン Rf0.67)。
【0130】
11−アリル−6−ヒドロキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オンの製造
ジクロロメタン(25mL)中の11−アリル−6−メトキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オン(1.20g、4.66mmol)を−78℃に冷却し、そしてBCl3(10.3mL、ジクロロメタン中1M)で処理した。この混合物を周囲温度で18時間撹拌させた。この混合物を、半飽和NaHCO3水溶液(100mL)で処理し、層を分離し、そしてジクロロメタン(3×40mL)で抽出した。有機層をH2O(50mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、綿栓を通して乾燥し、濃縮してオイルとした。15%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オイル(500mg、44%)を得た。(TLC 25%EtOAc/ヘキサン Rf0.52);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.33(dd、J=8.3、7.5Hz,1H)、6.78(dd、J=8.3、1.0Hz、1H)、6.67(dd,J=7.5、1.0Hz、1H)、5.52(m、1H)、4.95(m、2H)、3.16(brd、J=10.8Hz,1H)、3.05(br s、1H)、2.85 br、d、J=6.0Hz、2H)、2.78(dd、J=9.5、1.3Hz,1H)、2.65(d、J=1.7Hz、1H)、2.41(dd,J=10.8、2.4Hz、1H)、2.33(m、2H)、1.86(ddd、J=12.9、5.9、2.9Hz、1H);GCMS m/z243(M)+
【0131】
トリフルオロ−メタンスルホン酸11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−6−イルエステルの製造
11−アリル−6−ヒドロキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オン(0.5g、2.05mmol)およびピリジン(326mg、4.11mmol)を、ジクロロメタン(25mL)中−78℃にてN2下で撹拌し、そしてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(870mg、3.08mmol)を1分かけて滴下して処理した。この混合物を周囲温度まで昇温させ、そして1/2時間撹拌し、次いで1N HCl水溶液に注いでそして振盪させた。層を分離し、そして水層をジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をH2O(50mL)、飽和NaHCO3水溶液(50mL)で洗浄し、綿栓を通して乾燥し、濃縮し、そして30%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製してオイル(605mg、79%)を得た。(TLC 30%EtOAc/ヘキサン Rf
0.28)。
【0132】
11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−6−カルボン酸メチルエステルの製造
トリフルオロ−メタンスルホン酸11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−6−イルエステル(600mg、1.60mmol)を、メタノール(4mL)およびDMSO(10mL)にN2雰囲気下で溶解し、トリエチルアミン(356g、3.5mmol)、酢酸カリウム(16mg、0.16mmol)および1,3−ビス(ジフェニルホスフィン)プロパン(66mg、0.16mmol)で処理した。この混合物を撹拌し、そして脱気し(3回の真空/N2パージサイクル)、次いで酢酸パラジウム(36mg、0.16mmol)で処理した。反応容器に一酸化炭素を1分間流し(シリンジを通してバブリング)、次いでバルーン下においた。10分後、混合物を70℃に2時間加温し、冷却し、そして飽和NaCl水溶液(50mL)に注いだ。得られた混合物をEtOAc(4×25ml)で抽出し、そして合わせた有機層をH2O(10mL)、飽和NaHCO3水溶液(10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして50%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、オイル(260mg、57%)を得た。(TLC 50%EtOAc/ヘキサン Rf0.30);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.46(d、J=7.5Hz,1H)、7.28(d、J=7.5Hz、1H)、7.23(dd,J=7.5、1.3Hz、1H)、5.47(m、1H)、4.93(m、2H)、3.91(s、3H)、3.16(dd、J=8.9、1.6Hz,1H)、3.11(d、J=1.9Hz、1H)、2.80(m、3H)、2.65(d、J=1.7Hz,1H)、2.45(dd、J=11.0、2.5Hz、1H)、2.31(m、2H)、1.88(ddd、J=12.8、5.5、2.7Hz、1H);GCMS m/z285(M)+;IR(cm-1)2941、2786、1732、1685、1286、1146、1142。
【0133】
【化24】

の製造
11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−6−カルボン酸メチルエステル(60mg、0.21mmol)およびヒドラジンを、エタノール(10ml)に溶解し、そして18時間撹拌した。この反応系を濃縮し、そしてメタノールから共沸させた(3×25mL)。(TLC 35%EtOAc/ヘキサン Rf0.23);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.21(dd、J=7.9、1.1Hz,1H)、7.63(t、J=7.9Hz、1H)、7.54(d、J=7.9Hz,1H)、3.18(brs、1H)、3.09(brs、1H)、3.01(d、J=10.9Hz、1H)、2.78(m、3H)、2.42(m、2H)、2.14−1.97(m、4H)、1.11(m、2H)、0.40(t、J=7.5Hz、3H);13C NMR(CDCl3、100MHz、遊離塩基)δ 161.3,149.8,142.2,139.0,138.7,129.4,126.3,124.1,59.3,59.0,58.6,36.2,35.8,31.9,19.5,11.2;APCI MS m/z270.2(M+1)+。この物質をMeOHに溶解して3N HCl EtOAcで処理することによりHCl塩に変換し、揮散させそしてMeOH/Et2Oから再結晶して結晶性固体(60mg、93%)を得た。Mp 290−292℃。
【0134】
実施例5a
【化25】

の製造
11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−6−カルボン酸メチルエステル(60mg、0.21mmol)およびメチルヒドラジンを、エタノール(10mL)に溶解し、そして70℃に1時間加温した。反応系を濃縮し、そしてメタノール(3×25mL)から共沸させ、次いでシリカゲル栓を通して濾過し、50%EtOAc/ジクロロメタンで溶出してオイルを得た(45mg、76%)。(TLC 40%EtOAc/ヘキサン Rf0.27);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.22(dd、J=7.9、1.2Hz,1H)、7.62(dd、J=7.9、7.3Hz、1H)、7.49(d、J=7.3Hz,1H)、5.39(m、1H)、4.90−4.79(m、2H)、3.81(s、3H)、3.18(brs、1H)、3.06(brs、1H)、3.00(br d、J=10.5Hz、1H)、2.80(m、3H)、2.43(m、2H)、2.04(m、2H)。
【0135】
実施例5b
【化26】

の製造
4,5−(1−アリル−ピペリジン−3,5−イル)−2−メチル−2H−フタラジン−1−オン(45mg、0.16mmol)を、等圧滴下漏斗、ガラスコックおよび蒸留塔を備えたフラスコ中のEtOH/H2O(95/5、10mL)に溶解した。EtOH/H2O(95/15、20mL)を滴下漏斗に入れ、そして溶液を脱気(排気/N2パージのサイクルを4回)した。RhCl(PPh33(6mg、0.0064mmol)を反応容器に加え、そしてこの混合物を穏やかに蒸留するように加温した。蒸留された体積を補うようにEtOH/H2Oを滴下漏斗から加えた。15mL集められた後、さらなるRhCl(PPh33(20mg、0.022mmol)を加え、そして蒸留を続けた。出発物質が完全に消費された後、溶媒をエバポレートし、そして生成物を35%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して固体を得た。Mp320−322℃;(TLC 35%EtOAc/ヘキサン Rf0.23);1H NMR(400MHz、CD3OD)δ 8.29(dd、J=7.9、1.2Hz、1H)、7.70(dd、J=7.9、7.3Hz,1H)、7.54(dd、J=7.3、1.1Hz、1H)、3.83(s、3H)、3.21(dd、J=12.5、2.7Hz、1H)、3.15(m、3H)、2.98(s、1H)、2.89(d、J=12.2Hz、1H)、2.25(m、3H);APCI MS m/z242.2(M+1)+
【0136】
実施例6
11−アリル−6−ヒドロキシメチル−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−8−オールの製造
11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−6−カルボン酸メチルエステル(109mg,0.40mmol)を、エタノール(10mL)中で撹拌し、そしてNaBH4(15mg、0.40mmol)で処理した。18時間後、反応混合物を濃縮し、そして撹拌しながら1N HCl(50mL)で処理した。30分後、水層をEt2O(3×50mL)で抽出し、飽和Na2CO3水溶液で塩基性化し、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(2×50mL)および飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮してオイル(90mg,90%)を得た。(TLC 35%EtOAc/ヘキサン Rf0.23);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.27(dd、J=7.5、1.5Hz、1H)、7.18(t、J=7.5Hz、1H)、7.01(dd、J=7.5、1.5Hz、1H)、5.62(m,1H)、5.27(t、J=4.0Hz、1H)、5.05(m、1H)、4.88(d,J=12.1Hz、1H)、4.41(d,J=12.1Hz、1H)、4.27(OH)、3.72(OH)、3.31(ddd、J=12.4、2.5、1.7Hz、1H)、2.85(m、3H)、2.52(m,1H)、2.38(m,1H)、2.05(dd、J=11.4、1.7Hz、1H)、1.80(m、2H);13C NMR(100MHz、CDCl3)δ 143.2、140.3、139.1、134.9、128.9,127.7,127.2,118.5、68.7,64.0,61.5,59.9,55.1,36.3,33.3,32.1;IR(cm-1)3376,3071、2920、2788、1642,1468、1051,796;APCI MS m/z260.2(M+1)+
【0137】
11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−6−カルバルデヒドの製造
11−アリル−6−ヒドロキシメチル−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−8−オール(93mg、0.36mmol)をジクロロメタン(8mL)に溶解し、そしてN−メチルモルホリンN−オキシド一水和物(73mg、0.54mmol)、粉末4Aモレキュラーシーブ(180mg)およびTPAP(過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム)6.0mg、0.02mmol)で処理した。18時間後、混合物を揮散させ、EtOAcに溶解し、そしてシリカゲルパッドを通して濾過した。有機層をH2O(2×30mL)、飽和NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮してオイル(75mg、81%)を得た。(TLC 30%EtOAc/ヘキサン Rf0.70);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 10.62(s,1H)、7.62(dd、J=7.9、1.4Hz、1H)、7.54(dd、J=7.9、7.3Hz、1H)、7.43(d、J=7.3Hz,1H)、5.46(m,1H)、4.93(m,2H)、3.19(m,2H)、2.82(m、3H),2.73(br s,1H)、2.48(dd、J=10.9、2.4Hz、1H)、2.35(m、2H)、1.96(ddd、J=12.8、5.4、2.7Hz,1H);13C NMR(CDCl3、100MHz、遊離塩基)δ 202.1、194.5、148.3、138.0、134.6、134.0、132.9、131.6、126.2、117.3、60.8、57.8、57.2、44.1、36.6、32.0。
【0138】
【化27】

の製造
11−アリル−8−オキソ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−6−カルバルデヒド(75mg、0.29mmol)をEtOH(5mL)中で撹拌し、そしてヒドラジン(9.0mg、0.29mmol)で処理した。18時間後、反応混合物を濃縮し、H2O(50mL)で処理し、そしてジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機層を綿栓を通して乾燥し、そして濃縮してオイルとした(40mg、55%)。(TLC 30%EtOAc/ヘキサン Rf0.14);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 9.37(s、1H)、7.73(m、2H)、7.58(dd、J=6.5、1.2Hz、1H)、5.28(m,1H)、4.81(dd、J=10.1,1.2Hz、1H)、4.72(dddd、J=17.2、5.0,3.2,1.5Hz,1H)、3.54(br s、1H)、3.29(br s、1H)、3.13(br d、J=10.8Hz、1H)、2.84(br d、J=10.8Hz、1H)、2.75(m、2H)、2.55(dd、J=10.8,2.3Hz,1H)、2.49(dd、J 10.8、2.2Hz,1H)、2.16(AB m、2H);APCI MS m/z252.2(M+1)+。サンプルをMeOHに溶解し、そして3N HCl EtOAcで処理し、濃縮してHCl塩を得た、mp233−234℃。
【0139】
実施例7
11−アリル−6−ヒドロキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オールの製造
11−アリル−6−ヒドロキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オン(420mg、1.72mmol)をEtOH(10mL)中で撹拌し、そしてNaBH4(65mg、1.73mmol)で処理した。18時間後、反応混合物を濃縮し、そして撹拌しながら1N HCl(50mL)で処理した。30分後、水層をEt2O(3×50mL)で抽出し、飽和Na2CO3水溶液で塩基性化し、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(2×50mL)および飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮してオイルを得た(350mg、1.42mmol、TLC 30%EtOAc/ヘキサン Rf0.34)。
【0140】
【化28】

の製造
11−アリル−6−ヒドロキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オール(350mg、1.42mmol)をCH3CN(10mL)に溶解し、そしてH2SO4(0.3mL)で処理し、18時間撹拌し、溶媒を揮散させ、次いで飽和Na2CO3水溶液(50mL)中で振盪した。この水層をEtOAc(3×40mL)で抽出し、そして有機層を飽和NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過しそして濃縮してオイルとした。この物質を50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出してシリカゲルで精製して200mgの固体を得、これをエーテル/ヘキサンから再結晶して、結晶性固体(150mg、40%)を得た。Mp 208−209℃;(TLC 30%EtOAc/ヘキサン Rf0.50);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 6.99(dd、J=8.1,7.5Hz、1H)、6.62(dd、J=8.1、1.0Hz、1H)、6.56(d、J=7.5Hz、1H)、5.58(m、1H)、4.90(m、2H)、3.28(br s、1H)、3.10(d、J=10.8Hz、1H)、2.84(br s,1H)、2.80(m、2H)、2.73(br d、J=10.8Hz、1H)、2.22(m、2H)、2.05(m,1H)、1.88(s、3H)、1.65(d、J=12.3Hz,1H)。
【0141】
実施例8
11−アリル−6−ヒドロキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−8−オンオキシムの製造
11−アリル−6−メトキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−8−オン(243mg、1.0mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(80mg、1.15mmol)および炭酸バリウム(227mg、1.15mmol)を撹拌し、メタノール(10mL)中で加温して18時間還流させた。さらなるヒドロキシルアミン塩酸塩(30mg、0.43mmol)および炭酸バリウム(70mg、0.35mmol)を入れて加熱を2時間続けた。この混合物を周囲温度まで冷却し、そしてCelteTMを通して濾過し、メタノールですすぎ、濃縮しそして残留物をジクロロメタン(30mL)、H2O(30mL)および飽和NaHCO3水溶液(約30mL)に溶解し、pH8.5に達した。層を分離し、そして水層をジクロロメタン(2×30mL)で抽出し、綿栓を通して乾燥し、そして濃縮して油状固体とした(275mg)。この物質を撹拌しながらジクロロメタン(20mL)に60時間トリチュレーションし、得られた橙色固体を濾過した(100mg、39%)。(TLC 20%EtOAc/Hex Rf0.28);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.10(br s、O))、7.11(dd、J=8.3、7.5Hz,1H)、6.76(dd、J=8.3、0.8Hz,1H)、6.64(dd、J=7.5、0.8Hz,1H)、5.63(m,1H)、5.02(m,2H)、3.61(br s、3H)、3.24(d、J=10.8Hz、1H)、2.97(br s、3H)、2.94−2.85(m、2H)、2.35(dd、J=10.8、2.4Hz、1H)、2.24(dd、J=10.8、2.4Hz,1H)、1.96(dd、J=12.5、1.5Hz、1H)、1.74(ddd、J=12.5、5.6、2.7Hz、1H)。
【0142】
【化29】

の製造
11−アリル−6−ヒドロキシ−11−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−8−オンオキシム(100mg、0.39mmol)およびトリエチルアミン(53mg、0.52mmol)を、ジクロロメタン(5mL)に溶解し、そして無水酢酸(48mg、0.47mmol)で処理した。3時間撹拌した後、混合物を濃縮し、そしてDMF(3mL)に溶解し、次いで窒素下でNaH(油中60%、約100mg、2.5mmol)で処理した(中間体アセテート TLC 5%EtOAc/ジクロロメタン Rf0.33)。泡状の黄色混合物を18時間撹拌し、冷却し、そして50%飽和NaCl水溶液(25mL)に注いだ。得られた混合物を50%EtOAc/ヘキサン(4×25mL)で抽出し、そして合わせた有機層を水(H2O)(10mL)、飽和NaHCO3水溶液(10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮しそして2%EtOAc/ジクロロメタンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オイルを得た(71mg、76%)。(TLC 5%EtOAc/ジクロロメタン Rf0.48);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.43(dd、J=8.3、7.5Hz、1H)、7.28(dd、J=8.3Hz,1H)、6.99(d、J=7.5Hz,1H)、5.38(m、1H)、4.88(d、J=10.2Hz,1H)、4.79(d、J=17.2Hz、1H)、3.45(t、J=10.2Hz、1H)、3.18(t、J=10.2Hz、1H)、3.08(d、J=11.0Hz、1H)、2.81(m、3H)、2.49(m、2H)、2.08(AB m、2H);GCMS m/z240(M)+。この物質のサンプルを最小量のメタノールに溶解し、次いで3N HCl EtOAcで処理し、そして濃縮してオイルとし、これを最小量のEtOAcに溶解し、次いでヘキサンで濁るまで処理し、そして18時間撹拌させた。生成物を濾過により集めた。Mp=205−206℃。
【0143】
実施例9
9−ベンジル−9−アザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−3−エンの製造
(Abdel−Magid,A.F.;Carson、K.G.;Harris、B.D.;Maryanoff、C.A.;Shah、R.D.J.Org.Chem.1996、61、3849;およびMazzocchi、P.H.;Stahly、B.C.J.Med.Chem.1979、22,455に基づく)
3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−4,7−メタノ−インデン−5,6−ジオール(15.7g、96mmol、Freeman、F.;Kappos、J.C.J.Org.Chem.1989,54;2730−2734により記載されるように製造した)をH2O(240mL)および1,2−ジクロロエタン(DCE)(80mL)中で窒素下で冷水浴(約10℃)を用いて撹拌した。これに、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)(21.4g、100mmol)および塩化トリエチルベンジルアンモニウム(Et3BnNCl)(50mg)を加えた。得られた混合物を1時間撹拌し(最初はわずかに発熱)、次いで層を分離し、そして水層をDCE(3×50mL)で抽出した。有機層をH2Oで洗浄し(5×50mL、または水性洗浄液中にヨウ化澱粉に対する反応が見られなくなるまで)、次いで綿栓を通して乾燥した。この溶液に、ベンジルアミン(11mL、100mmol)を加え、そして混合物を2分間撹拌し、次いですぐに別のフラスコ中で撹拌した0℃(氷浴)のトリアセトキシホウ水素化ナトリウムNaBH(OAc)3(64.9g、0.306mmol)のDCE(100mL)中のスラリー化混合物に40分かけて移した。得られた橙色の混合物を室温まで昇温させ、そして75分撹拌した。
【0144】
飽和Na2CO3水溶液(約100mL)を加えることにより反応を注意深くクエンチし、そして混合物を1時間撹拌した(pH9)。層分離し、そして水層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(80mL)で洗浄し、そして綿栓を通して乾燥した。この溶液に、EtOAcを加え(約10%溶液にする)、次いでこの溶液をシリカパッドに通して濾過する。さらに新鮮な10%EtOAc/ジクロロメタンで溶出してベースラインの物質を含まない生成物の溶液を得た。エバポレーションにより油性生成物(14.9g,66%)を得た。(TLC 10%EtOAc/ジクロロメタン Rf0.30);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.39−7.30(m、5H)、5.96(dd、J=5.6Hz、2.1Hz,1H)、5.67(dd、J=5.6、2.3Hz、1H)、3.42(AB q、ΔAB=43.2Hz、J=12.9Hz、2H)、3.28(m、1H)、2.78(br d、J=12.4Hz,1H)、2.87(m、1H)、2.77(br d、J=10.1Hz、1H)、2.46(m,1H)、2.37−2.14(m、5H)、1.82(br d、J=10.8Hz、1H)、1.57(d、J=10.8Hz、1H);APCI MS m/z240.3(M+1)+;C1721Nについての元素分析計算値:C,85.30;H,8.84;N,5.85;実測値C,84.74;H,8.52;N,6.17;C1721N・1/8H2Oについての計算値 C,84.51;H,8.87;N,5.80。(あるいは、ジシクロペンタジエンを上で生成されたジアルデヒドに直接変換し、次いで上記のように変換して表題化合物を得てもよい。方法についてはChem.Lett.1979,443−446を参照のこと)。
【0145】
9−ベンジル−9−アザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,4−ジオールの製造
9−ベンジル−9−アザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−3−エン(6.7g、28mmol)およびN−メチルモルホリンN−オキシド(3.45g、29.5mmol)を、アセトン(50mL)およびH2O(2mL)中で撹拌した。これに、四酸化オスミウム(OsO4、1mLの15mol%t−ブタノール溶液)を加え、そして混合物を激しく撹拌した。7時間後、黄色溶液をH2O(4mL中5g)およびNaHSO3(2g)中のフロリジルのスラリーで処理した。1時間後、スラリーをCeliteTMパッドを通して濾過し、そして濃縮した。残留物を、メタノールを加えて共沸により乾燥し、そして真空で濃縮し、これを2回行ったが2回目はシリカゲルを用い、そして残留物をシリカゲルに乾式充填し(3×5インチ)、そして50%EtOAc/ヘキサンで溶出してオイルとして純粋な生成物を得、これは放置すると結晶化した(6.2g、80%)。(TLC EtOAc Rf0.66);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.30−7.20(m、3H)、7.16(d、J=6.8Hz、2H)、4.38(m、2H)、3.34(AB q、ΔAB=26.5、J=12.6Hz、2H)、2.83−2.73(m、2H)、2.65(d、J=10.9Hz、1H)、2.43(s、1H)、2.37(s、1H)、2.22(dd、J=11.3、1.3Hz,1H)、2.13(dd、J=10.9、1.5Hz、1H)、2.01(d、J=6.2Hz、1H)、1.97−1.87(m、2H)、1.75(m,1H)、1.57(m,1H);13C NMR(100MHz、CDCl3)δ 139.4、129.2、128.1、127.1、80.3、73.7、63.1、56.0、55.4、51.9、43.3、42.3、35.2、34.1、30.6;GCMS m/z 273(M)+、256(M−OH)+
【0146】
10−ベンジル−4,10−ジアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
9−ベンジル−9−アザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,4−ジオール(6.0g、22mmol)をジオキサン(50mL)中で撹拌し、そしてNaIO4の水溶液(50mL中5.0g、23.4mmol)で処理した。どろどろとしたスラリーが形成し、そしてH2O(50mL)を撹拌を補助するために加えた。30分後、ジアルデヒドは完全に形成しており(TLC EtOAc Rf0.09)、そして混合物をH2O(150mL)および飽和Na2CO3水溶液(50mL)で希釈した。ジアルデヒドをEtOAc(2×150mL)で抽出し、そして有機層をH2O(150mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄した。Na2SO4で乾燥した後、生成物を濾過により単離し、そして濃縮して橙色オイルを得た(6.14g)。
【0147】
上記のオイルをメタノール(75mL)およびH2O(75mL)中で撹拌し、そして
2NOCH3・HCl(7.34g、87.9mmol)およびNaOAc(12.62g、154mmol)で処理した。混合物を振盪し、そして濁った混合物が透明になるまで水蒸気浴で加温した(約15分)。この溶液を周囲温度で18時間撹拌した。油性残留物を分離し、そして飽和Na2CO3水溶液(100mL)で希釈した後EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮してオイル(5.0g、69%)を得、これを次の工程で使用した。(TLC 15%EtOAc/ヘキサン Rf0.50および0.35)。
【0148】
上記のオイルをジクロロエタン(150mL)およびトリフルオロ酢酸(17mL)に溶解した。窒素下で20分撹拌した後、混合物は薄い橙色になり、次いで加温して2時間還流した。得られた褐色溶液を揮散させてオイルとし、EtOAc(100mL)に溶解し、そして飽和Na2CO3水溶液(70mL)で処理すると混合物は薄い橙色になった。層を分離し、そして有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄した。水層をEtOAc(3×30mL)で逆抽出した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮してオイルとし(4.0g)、これをEtOAcで溶出するシリカゲルで精製して、表
題化合物をオイルとして得た(1.94g,51%)。(TLC 1%NH4OH/7%MeOH/ジクロロメタン Rf0.75)(TLC EtOAc、Rf0.27);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.44(d、J=4.7Hz、1H)、8.35(s,1H)、7.25−7.07(m、4H)、6.85(d、J=7.0Hz、2H)、3.45(s、2H)、3.14(br s、1H)、3.07(br s、1H)、2.79(d、J=10.0Hz、2H)、2.41(d、J=10.0Hz、2H)、2.21(m,1H)、1.69(d、J=10.6Hz,1H);13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 155.6,148.0,142.0,138.5,128.1,127.9,126.6,117.3,61.2,55.9,55.6,43.6,41.0,38.9;GCMS m/z 250(M)+
【0149】
4,10−ジアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン二塩酸塩の製造
10−ベンジルー4,10−ジアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン(900mg、3.6mmol)およびHCO2NH4(4g)をメタノール(35ml)に溶解し、そしてPd(OH)2/C(10重量%、200mg)で処理した。混合物を撹拌し、そして加温して2時間還流し、冷却し、CeliteTMを通して濾過し、そしてメタノールですすいだ。ろ液を揮散させ、ジクロロメタン中でスラリー化し、フリットガラスフィルターを通して濾過した。ろ液を濃縮し、そしてメタノール(2×50mL)から共沸した。この物質のサンプルを単離し、そして104−105℃で溶融することがわかった。物質をメタノールに溶解し、そして3N HCl/EtOAcで処理した。これを濃縮し、そしてメタノール(2×50mL)から共沸した。この残留物を最小量のメタノール、次いで濁るまでEt2Oに溶解し、そして60時間撹拌させた。生成物を濾過により集めた(370mg,52%)。(TLC 1%NH4OH/7%MeOH/ジクロロメタン Rf0.18);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.88(s,1H)、8.83(d、J=5.9Hz,1H)、8.16(d、J=5.9Hz,1H)、3.75(m、2H)、3.60(m、2H)、3.40(d、J=12.4Hz、2H)、2.57(m、1H)、2.34(d、J=12.0Hz,1H);13C NMR(100MHz,CDCl3、遊離塩基)δ 151.4、149.5,144.5,137.7,119.7,45.8,45.2,41.0、38.4、36.4;GCMS m/z 160(M)+;C10122・2HClについての元素分析計算値:C,51.52;H,6.05;N,12.02;実測値C,51.35;H,6.05;N,12.05。
【0150】
実施例10
6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−11−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
窒素注入口および撹拌子を備えた丸底フラスコに、5mlのジクロロメタンおよび水(1ml)中の上記の6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン(100mg、0.49mmol)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(120mg、0.54mmol)NaHCO3(62mg、0.74mmol)を加えた。反応混合物を還流下で1時間激しく撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、次いで層を分離した。有機相をジクロロメタンとブラインとの間で分配し、次いでNa2SO4で乾燥し、そして真空でエバポレートして生成物(142mg、96%)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz、周囲温度)δ 7.84(d、1H,J=5Hz)、6.61(遅い回転に起因してブロードニング d、1H,J=5Hz)、4.27(d、1H,J=13Hz)、4.07(t,1H)、3.84(遅い回転に起因してブロードニング s、3H)、3.05(br.t、1H)、2.90(br.t、1H)、2.80(br.s,1H)、2.70(m、1H)、2.20(m,1H)、1.85(m、2H)、1.10(遅い回転に起因してブロードニング s,9H);13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 148.8、147.0、143.0、142.4、117.0、116.7、85.0、53.1、51.4、50.3、50.1、49.1、34.3、29.3、28.0、27.8、27.7、27.5、27.4、27.3;APCI MS m/z 305(M+1)+
【0151】
5−メチル−6−オキソ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−11−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
厚い器壁のWheatonバイアルに、6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−11−カルボン酸tert−ブチルエステル(40mg、0.13mmolおよびヨウ化メチル(5ml)を加えた。反応混合物を130℃の油浴中で4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、そして真空でエバポレートした。残留物を98/2 ジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(22mg、56%)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz、周囲温度)δ 7.05(d、1H,J=7Hz)、5.95(遅い回転に起因してブロードニング、d,1H,J=7Hz)、4.09(m、1H)、3.45(遅い回転に起因してブロードニング、s、3H)、3.0(m、1H)、2.9(m、1H)、2.65(m、3H)、2.15(m,1H)、1.8(m、2H)、1.2(遅い回転に起因してブロードニング、s、9H);13C NMR(CDCl3、100MHz)δ 134.0、107.0,51.4,50.0,49.0,47.9,37.0、34.6、29.2、27.9、27.2;APCI MS m/z305(M+1)+
【0152】
5−メチル−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オンの製造
5−メチル−6−オキソ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−11−カルボン酸tert−ブチルエステル(22mg、0.07mmol)(上で製造した)に、酢酸エチル中無水3N HClを加え、そして溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物を真空でエバポレートし、そして得られた白色固体をメタノール−エーテルから再結晶して所望の生成物(9mg、64%)を得た。1H NMR(CD3OD、400MHz)δ 7.53(d,1H,J=7Hz)、6.25(d、1H,J=7Hz)、3.54(s、3H)、3.3(不明瞭M、4H)、3.08(br.s、1H)、2.85(dd、1H,J=19Hz、J=7Hz)、2.65(d、1H,J=19Hz)、2.55(br.s,1H)、2.08(d、1H,J=13Hz)、1.89(d,1H,J=13Hz);APCI MS m/z 205(M+1)+
【0153】
実施例11
5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オンの製造
窒素注入口、磁気撹拌子および還流冷却器を有する加熱乾燥した丸底フラスコに、ジクロロエタン(5ml)中の6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−11−カルボン酸tert−ブチルエステル(73mg、0.24mmol)(上で製造した)を加えた。反応混合物をヨウ化トリメチルシリル(206uL、1.44mmol)で処理し、次いで2時間加熱還流した。室温に冷却後、溶液を真空でエバポレートし、そしてメタノールで置換した。この溶液を2時間加熱還流した後、室温に冷却し、そして真空でエバポレートした。残留物をエーテルで洗浄し、そしてエーテル相をデカンテーションした。油性残留物をメタノールに入れ、そしてNa2SO4で乾燥し、次いで真空でエバポレートして、黄色オイル(35mg、78%)を得た。このオイルをメタノールに入れ、そしてHClガスで処理し、続いてエーテルで沈殿させてHCl塩(6mg)を得た。1H NMR(CD3OD、400MHz)δ 7.56(d、1H,J=6Hz)、6.66(d、1H,J=6Hz)、3.3(不明瞭M、5H)、2.94(dd、1H,J=19Hz、J=7Hz)、2.72(d、1H,J=19Hz)、2.60(br.s,1H)、2.15(d、1H,J=13Hz)、1.95(d、1H,H,J=13Hz);APCI MS m/z191(M+1)+
【0154】
実施例12
酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルエステルの製造
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−オール(25g)の200mLの無水ジクロロメタン溶液に、トリエチルアミン(30mL)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(30mg)を加えた。室温で不活性雰囲気下で撹拌しながら、反応系を室温に維持しながら上記の反応混合物に無水酢酸(35mL)をニートで1.5時間かけて滴下した。無水物の添加が完了すると、反応系を3時間放置し、溶媒を揮散させ、そして粗製混合物を25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を定量的収率で得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 6.21(m、1H)、5.83(m,1H)、5.18(m、1H)、3.12(d、1H)、2.72(d,1H)、2.16(s、3H)、2.00(m、1H)、1.35(m、1H)、1.21(m、1H)、0.83(m、1H),APCI MS m/z153.2(M+H)+
【0155】
酢酸5,6−ジヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルエステルの製造
アセトン(50mL)および水(5mL)中の酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルエステル(10mmol)およびN−メチルモルホリンN−オキシド(22mmol)の溶液に、四酸化オスミウム(1.2mL 2.5重量%t−ブタノール溶液)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、そしてアセトンを揮散させた。酢酸エチル(50mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加えた。水層を酢酸エチル(4×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1N HCl水溶液(2×50mL)で洗浄し、そして有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して黄色オイルを得た(8.3mmol)。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 4.82(m、1H)、4.18(m,1H)、3.80−3.55(br s、3H)、2.40(m、2H)、2.00(s、3H)、1.80(s、1H)、1.19(s、2H)、0.80(m,1H);APCI MS m/z 187.3(M+H)+
【0156】
酢酸3−ベンジル−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イルエステルの製造
無水ジクロロメタン(30mL)および水(0.4mL)中の酢酸5,6−ジヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルエステル(8.3mmol)の0℃溶液に、固体NaIO4(10.8mmol)を、反応系が室温に達しないように少しずつ加えた。添加が完了して4時間激しく撹拌した後、反応混合物を室温まで昇温させ、そして終夜撹拌した。反応混合物をCeliteTMのパッドを通して濾過し、そして塩をさらなるジクロロメタン(80mL)で洗浄した。ろ液をさらに精製すること無く次の工程で使用した。
【0157】
上記の酢酸2,4−ジホルミル−シクロペンチルエステルの溶液に室温で、ベンジルアミン(5.8mmol)および酢酸(5.8mmol)を窒素下で加えた。室温にて2時間後、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(25mmol)を加え、そして反応混合物を室温で18時間撹拌させた。この反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)を加えることによりクエンチし、そして相を分離した。水層をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、そして残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、黄色オイル(3.6mmol)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz):δ 7.37(m、2H)、7.23(m、3H)、5.15−4.95(m,1H)、3.63−3.35(m、2H)、2.84−2.55(m、2H)、2.25−2.15(m、4H)、2.08(s、3H)、1.80−1.70(m、2H)、1.62−1.25(m、2H);APCI MS m/z 260.2(M+H)+
【0158】
3−ベンジル−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オールの製造
酢酸3−ベンジル−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イルエステル(8mmol)のメタノール(50mL)および水(20mL)中の溶液に、水酸化カリウム(32mmol)を加えた。反応系を室温で18時間撹拌した。メタノールを真空で除去し、そして生成物を水性ジクロロメタン(4×50mL)で抽出した。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして揮散させて定量的収率のオイルを得た。APCI MS
m/z 218.2(M+H)+
【0159】
3−ベンジル−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オンの製造
3−ベンジル−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オール(8mmol)の無水ジクロロメタン溶液を、0℃で窒素下、N−メチルモルホリンN−オキシド(12mmol)、1重量当量のオーブンで乾燥した4ÅシーブおよびTPAP(テトラプロピルアンモニウム過ルテニウム酸)(0.2mmol)で処理した。反応混合物を30分間0℃で撹拌し、次いでさらに1時間撹拌しながら室温まで昇温させた。反応系をシリカゲル栓を通して酢酸エチルで溶出してろ過し、次いで揮散させてオイルとした。15%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オイル(7.7mmol)を得た。APCl MS m/z216.2(M+H)+
【0160】
3−ベンジル−7−ジメチルアミノメチレン−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オンの製造
3−ベンジル−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オン(3.2mmol)に、Brederick試薬(トリス−(N,N−ジメチルアミノ)メタン、10mL)を入れ、そして8時間100℃に加熱した。過剰のBrederick試薬を真空で除去し、そして粗生成物をそのまま次の工程に使用した。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 7.50(m,5H)、3.56(s、3H)、2.99(s、6H)、2.40−2.20(m、4H)、1.95(m、2H)、2.56(m、2H);APCI MS m/z271.3(M+H)+
【0161】
5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14 ベンジルヘ
キサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタンの製造
3−ベンジル−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オン(2.58mmol)の酢酸(3ml)および硫酸(0.14ml)中の溶液に、2−アミノベンズアルデヒド(2.58mmol)を加えた。反応混合物を100℃に60時間加温した。溶媒を真空で除去し、そして残留物を2N NaOH水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。ジクロロメタン層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、そして揮散してオイルを得た。10%MeOH/酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.9mmol)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 8.06(m、1H)、7.74(m、2H)、7.62(m,1H)、7.48(m、1H)、7.10(m、3H)、6.80(m、2H)、3.50−3.38(m,4H)、3.20(m,1H)、2.90(m,1H)、2.60−2.50(m、2H)、2.30(m、1H)、1.84(m,1H);APCI MS m/z 301.2(M+H)+
【0162】
5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン塩酸塩の製造
5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14 ベンジルヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン(0.50mmol)のクロロギ酸クロロエチル(4ml)溶液を18時間100℃にした。過剰の溶媒を真空で除去し、そして残留物をメタノール(5mL)に溶解し、そして4時間還流させた。反応混合物を冷却し、溶媒を真空で除去して、油性固体を得た。固体をジエチルエーテルでトリチュレーションし、集めて生成物を得た(0.45mmol)。1H NMR(CD3OD、400MHz)δ 8.80(s、1H)、8.20(m、2H)、8.10(m、2H)、7.85(m、1H)、3.80(br d、2H)、2.75−2.50(m、2H)、3.45(m、2H)、2.62(m,1H)、2.40(m,1H);APCI MSm/z 211.2(M+H)+
【0163】
実施例13
10−ベンジル−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
3−ベンジル−7−ジメチルアミノメチレン−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オン(1.42mmol)のエタノール溶液に、炭酸カリウム(3.8mmol)およびアセトアミジン塩酸塩(1.6mmol)を加えた。反応混合物を終夜加熱還流した。冷却した後、溶媒を除去し、そしてジクロロメタンおよび炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。ジクロロメタン層を分離し、そして乾燥してオイルとした。酢酸エチルで溶出するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.23mmol)を得た。1H NMR(CD3OD、400MHz)δ 8.25(s,1H)、7.18(br s、3H)、6.85(br s、2H)、3.60−3.40(m,2H)、3.10(s,1H)、3.00(m、2H)、2.79(m、1H)、2.70(s、3H)、2.5(m,1H)、2.45(m、1H)、2.25(m、1H)、1.70(m、1H);APCI MSm/z 266.2(M+H)+
【0164】
4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
10−ベンジル−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン(0.23mmol)のエタノール(5ml)の溶液に、ギ酸アンモニウム(1.15mmol)、炭酸ジ−t−ブチル(2.3mmol)およびPearlman触媒(3mg)を加えた。混合物を18時間加熱還流し、冷却し、そしてCeliteTMパッドを通してろ過し、メタノールで洗浄した。ろ液から溶媒を揮散させ、そして残留物を、酢酸エチルで溶出するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.1mmol)を得た。1H NMR(CD3OD、400MHz)δ 8.35(s,1H)、4.15−3.95(m、2H)、3.30−3.00(m、4H)、2.70(s、3H)、2.35(m,1H)、1.85(m,1H)、1.25(br s、9H);APCI MSm/z 276.2(M+H)+
【0165】
4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.1mmol)のメタノール(2ml)溶液に、メタノール中1N HCl溶液(2mL)を加えた。反応混合物を3時間室温で撹拌し、そして溶媒を除去して固体(0.1mmol)が残った。1H NMR(CD3OD、400MHz)δ 8.40(s、1H)、4.20−3.80(m、2H)、3.40−3.00(m、4H)、2.60(s、3H)、2.10(m、1H)、0.80(br s、1H);APCI MS m/z176.2(M+H)+
【0166】
実施例14
9−ベンジル−3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエンの製造
3−ベンジル−7−ジメチルアミノメチレン−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オン(0.6mmol)のエタノール(3mL)溶液に、(4−フルオロ−フェニル)−ヒドラジン塩酸塩(0.7mmol)を加えた。反応混合物を終夜加熱還流し、冷却し濃縮し、そして残留物をジクロロメタンおよび炭酸水素ナトリウム水溶液で処理した。水層をジクロロメタンで抽出し、そして有機層を乾燥し、そして揮散させてオイルを得、これを20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.23mmol)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ 7.55(m,2H)、7.40(s、1H)、7.20−6.90(m、7H)、3.50(br s、2H)、3.25(br s、1H)、3.10(br s,1H)、2.95−2.6。
【0167】
3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエンの製造
9−ベンジル−3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン(0.23mmol)のメタノール(2ml)溶液に、1N HClジエチルエーテル溶液(2mL)を加えた。混合物を45分間撹拌し、そして溶媒を除去して固体を得た。別のフラスコ中で、ピペリジン(piperdine)(1.5mmol)およびギ酸(0.69mmol)をメタノール(2ml)中で混合した。この溶液に、9−ベンジル−3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエンのHCl塩のメタノール(3ml)溶液を加えた。この得られた溶液に、Pearlman触媒(8mg、10重量%炭素担時)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下で18時間加熱還流し、次いで冷却し、そしてCeliteTMの栓を通してろ過して固体を除き、そしてそのパッドをメタノールで洗浄した。得られたろ液を濃縮してガムとし、これを酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)に入れた。この混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、そして得られた有機層をMgSO4で乾燥した。固体を真空ろ過により除去し、そして溶媒を除去してオイルを得、これを10%メタノール/ジクロロメタン中の0.1%水酸化アンモニウム溶液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、オイルを得、これをエチルエーテル中1NのHClで処理した。固体をトリチュレーションしてガム状固体(0.082mol)を得た。1H NMR(CD3OD、400MHz)δ 7.60(m,2H)、7.40(s、1H)、7.20(br、2H)、3.25(m、1H)、2.90−2.60(m、5H)、2.20(m,1H)、0.80(br s,1H);APCI MS m/z244.2(M+H)+
【0168】
実施例15
5,7−ジブロモ−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14 ベンジルヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタンの製造
実施例13に記載される方法に従って、5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14 ベンジルヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタンおよび3,5−ジブロモ−2−アミノベンズアルデヒドを、全収率30%で表題化合物に変換した。APCI MS m/z369.0(M+H)+
【0169】
実施例16
3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イルアミンの製造
実施例13に記載される方法に従って、10−ベンジル−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンおよ
び酢酸ホルムアミジンを、全収率18%で表題化合物に変換した。APCI MS m/z177.1(M+H)+
【0170】
実施例17
4−フェニル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
実施例13に記載される方法に従って、10−ベンジル−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンおよびフェニルアミジンを、全収率9%で表題化合物に変換した。APCI MS m/z238.1(M+H)+
【0171】
実施例18
4−ピリジン−4−イル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンの製造
実施例13に記載の方法に従って、10−ベンジル−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンおよびイソニコチンアミジンを、全収率7.5%で表題化合物に変換した。APCI MS m/z239.1(M+H)+
【0172】
実施例19
3−tert−ブチル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエンの製造
実施例14に記載される方法に従って、3−ベンジル−7−ジメチルアミノメチレン−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オンおよびt−ブチルヒドラジンを、全収率7.5%で表題化合物に変換した。APCI MS m/z206.2(M+H)+
【0173】
実施例20
3−ピリジン−2−イル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエンの製造
実施例14に記載される方法に従って、3−ベンジル−7−ジメチルアミノメチレン−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−6−オンおよび2−ピリジルヒドラジンを、全収率7.6%で表題化合物に変換した。APCI MSm/z227.2(M+H)+

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、R1は、水素、(C1−C6)アルキル、非共役(C3−C6)アルケニル、ベンジル、YC(=O)(C1−C6)アルキルまたは−CH2CH2−O−(C1−C4)アルキルであり;Xは、CH2またはCH2CH2であり;Yは、(C2−C6)アルキレンであり;Zは、(CH2)m、CF2、またはC(=O)であり、ここでmは、0、1または2であり;
2およびR3は、水素、ハロゲン、1〜7個のハロゲン原子で場合により置換された−(C1−C6)アルキル、および1〜7個のハロゲン原子で場合により置換された−O(C1−C6)アルキルより独立して選択されるか、またはR2およびR3は、それぞれ接続している原子と共にC(=O)、S→O、S(=O)2、もしくはN→Oを独立して形成し;そして
【化2】

は、ピリジニル基、ピリドン基、ピリダジニル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピロリル基、シンノリニル基、トリアジニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基およびフラザニル基より選択される5〜7員の単環式ヘテロアリール基であるか;
または
【化3】

は、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾジアザピン基、インダゾリル基、インドリジニル基、フタラジニル基、イソインドリル基、プリニル基、ベンゾフラザニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ナフチリジニル基、ジヒドロキノリル基、テトラヒドキノリル基、ジヒドロイソキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、ベンゾフリル基、フロピリジニル基、ピロロピリミジニル基、およびアザインドリル基より選択される8〜11員縮合二環式ヘテロアリール基である]
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
式II:
【化4】

[式中、A、B、CおよびDは、独立してC、N、OもしくはSであるが、ただし(a)A、B、CおよびDのうち少なくとも1つはN、OもしくはSであり、(b)それらの隣接する対がOのみからなることはなく、そして(c)A、BおよびCの全てがSもしくはNとなることはなく;またはここでA、B、およびCのみが存在し、それにより5員環となり;ここで破線の円は、芳香環、1つの単独の二重結合、2もしくは3つの二重結合、共役もしくは非共役のいずれかもしくは完全に飽和の環のいずれかを表し;ここでXは、(C1−C3)アルキレンであり;Yは、(C1−C6)アルキレンであり;ここでZは、(CH2)m、CF2、もしくはC(=O)であり、ここでmは、0、1もしくは2であり;
式中、R1は、水素、(C1−C6)アルキル、非共役(C3−C6)アルケニル、ベンジル、Y’C(=O)(C1−C6)アルキルもしくは−CH2CH2−O−(C1−C4)アルキルであり、ここでY’は、(C1−C4)アルキレンであり;
式中、R2およびR3は、水素、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロ、シアノ、−SOq(C1−C6)アルキル(ここでqは0、1、または2である)、(C1−C6)アルキルアミノ−、[(C1−C6)アルキル]2アミノ−、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13、−XC(=O)R13、アリール−(C1−C3)アルキル−もしくはアリール−(C1−C3)アルキル−O−(ここで該アリールは、フェニルおよびナフチルより選択される)、ヘテロアリール−(C1−C3)アルキル−もしくはヘテロアリール−(C1−C3)アルキル−O−(ここで、該ヘテロアリールは、酸素、窒素および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員芳香環より選択される)、X2(C1−C6)アルキル−およびX2(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−より独立して選択され、ここでX2は、存在しないか、またはX2は、(C1−C6)アルキルアミノ−もしくは[(C1−C6)アルキル]2アミノ−であり、そしてここで該X2(C1−C6)アルキル−もしくはX2(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−の(C1−C6)アルキル−もしくは(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−部分は、少なくとも1個の炭素原子を含み、そしてここで該(C1−C6)アルキル−もしくは(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−部分の1〜3個の炭素原子は、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子と場合により置き換えられ得、ただし、2個のこのようなヘテロ原子は、少なくとも2個の炭素原子だけ離れていなければならず、そしてここで該(C1−C6)アルキル−基もしくは(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−基のアルキル部分はいずれも、2〜7個のフッ素原子で場合により置換され得、そしてここで該アリール−(C1−C3)アルキル−およびヘテロアリール−(C1−C3)アルキル−のアルキル部分のそれぞれの炭素原子のうちの1つは、酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で場合により置き換えられ得、そしてここで上記アリール基およびヘテロアリール基のそれぞれは、1〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルキル、2〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルコキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ−、[(C1−C6)アルキル]2アミノ−、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13、および−XC(=O)R13より独立して選択される、1またはそれ以上の置換基、好ましくは0〜2個の置換基で場合により置換され得;
または式中、R2およびR3は、それらが結合している原子と共に、4〜7員の単環式もしくは10〜14員の二環式の、飽和もしくは不飽和であり得る炭素環式環を形成し、ここで該単環式環の非縮合炭素原子のうち1〜3個、および芳香環の一部ではない該二環式環の炭素原子のうち1〜5個は、窒素、酸素もしくは硫黄で場合により独立して置き換えられ得、そしてここで該単環式環および二環式環は、1〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルキル;1〜7個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルコキシ;ニトロ、シアノ、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノおよび((C1−C6)アルキル)2アミノ、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13および−X’C(=O)R13より独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換され得;
ここでR4、R5、R6、R7、R8およびR13はそれぞれ、水素および(C1−C6)アルキルより独立して選択されるか、またはR5およびR6、もしくはR7およびR8は、それらが結合している窒素と共に、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、アゼチジン環、ピペラジン環、−N−(C1−C6)アルキルピペラジン環もしくはチオモルホリン環、もしくは環硫黄がスルホキシドもしくはスルホンで置き換えられているチオモルホリン環を形成する]
の構造を有する請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項3】
式中、R2およびR3が、式IIのABCD環と共に、以下:
【化5】

[式中、R10およびR17は、水素、(C1−C6)アルキル、および(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−[ここで(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−中の炭素原子の総数は6を超えず、そしてここで上記アルキル部分はいずれも、1〜7個のフッ素原子で場合により置換され得る]、ニトロ、シアノ、ハロ、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ−、[(C1−C6)アルキル]2アミノ−、−CO24、−CONR56、−SO2NR78、−C(=O)R13、−XC(=O)R13、フェニルおよび単環式ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、酸素、窒素および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員芳香環より選択される)より独立して選択される]
より選択される二環式環系を形成し、そして式中、A、D、R4、R5、R6、R7、R8およびR13は、請求項2において規定されたとおりである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
2およびR3が、式IIのABCD環と共に、二環式または三環式の環系を形成する、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
2およびR3が、式IIのABCD環と共に、以下:
【化6】

[式中、A、D、R10およびR17は、請求項2において規定されるとおりであり、そしてmが0、1または2である]
より選択される二環式環系を形成する、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
【化7】

[式中、E、FおよびGは、独立してC、N、OまたはSであり、ただし(a)E、FおよびGの少なくとも1つはN、OまたはSであり、(b)それらの隣接する対が、Oのみからなることはなく、そして(c)E、FおよびGの全てが、SまたはNになることはなく;ここで破線の円は、芳香環、1つの単独の二重結合、2つもしくは3つの二重結合、共役もしくは非共役、もしくは完全に飽和の環のいずれかを表し;そして式中、A、B、C、D、R1、R2、R3およびXは、請求項2において規定されたとおりである]
より選択される構造を有する、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
【化8】

[式中、D、E、FおよびGは、独立してC、N、OまたはSであり、ただし(a)D、EおよびFの少なくとも1つはN、OまたはSであり、(b)それらの隣接する対が、Oのみからなることはなく、そして(c)EおよびFは、両方SまたはNではなく;ここで破線の円は、芳香環、1つの単独の二重結合、2つまたは3つの二重結合、共役もしくは非共役、または完全に飽和の環のいずれかを表し;そして式中、A、B、C、D、R1、R2、R3およびXは、請求項2において規定されたとおりである]
の構造を有する請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
1が、水素、メチルまたはベンジルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
2およびR3が、独立して水素またはメチルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
(+)−4,10−ジアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−6,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−4,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イルアミン
(+)−11−メチル−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(+)−6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−5−メチル−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(+)−3−tert−ブチル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(+)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(+)−3−ピリジン−2−イル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(+)−4−フェニル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−4−ピリジン−4−イル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(+)−5,7−ジブロモ−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14−ベンジル−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(+)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
以下の化合物:
【化9】

の(+)−異性体
(−)−4,10−ジアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−6,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−4,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−4−メチル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イルアミン
(−)−11−メチル−3,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(−)−6−メトキシ−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−5−メチル−5,11−ジアザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3−ジエン−6−オン
(−)−3−tert−ブチル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(−)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(−)−3−ピリジン−2−イル−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(−)−4−フェニル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−4−ピリジン−4−イル−3,5,10−トリアザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン
(−)−3−(4−フルオロ−フェニル)−3,4,9−トリアザ−トリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカ−2(6),4−ジエン
(−)−5,7−ジブロモ−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−14 ベンジル−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
(−)−3,14−ジアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタン
以下の化合物:
【化10】

の(−)−異性体
からなる群より選択される、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項11】
ニコチン嗜癖の低減またはタバコ使用の停止もしくは減少の補助において有効な量の請求項1〜10に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を含む、哺乳動物における、ニコチン嗜癖の低減またはタバコ使用の停止もしくは減少の補助における使用のための医薬組成物。
【請求項12】
哺乳動物に、ニコチン嗜癖の低減またはタバコ使用の停止もしくは減少の補助において有効な量の請求項1〜10に記載の化合物を投与することからなる、哺乳動物における、ニコチン嗜癖の低減のためまたはタバコ使用の停止もしくは減少の補助のための方法。
【請求項13】
哺乳動物において、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性失調症、慢性疼痛、急性疼痛、セリアック病、回腸嚢炎、血管狭窄、不安、恐慌性障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振、肥満症、不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、薬物依存および嗜癖、ニコチン(またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、発作、外傷性脳傷害(TBI)、強迫障害(OCD)、精神病、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、てんかん、欠神てんかん小発作、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知機能障害、統合失調症における認知向上、薬物性錐体外路症状、行為障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者における不安、妊娠における心血管リスク、遅延射精、嘔吐、生物戦で負った傷害に起因する症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、睡眠防止、虚血、およびツレット症候群より選択される障害または状態の処置において有効な量の請求項1〜10に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を含む、上記障害または状態を処置するための医薬組成物。
【請求項14】
哺乳動物における、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性失調症、慢性疼痛、急性疼痛、セリアック病、回腸嚢炎、血管狭窄、不安、恐慌性障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振、肥満症、不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、薬物依存および嗜癖、ニコチン(またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、発作、外傷性脳傷害(TBI)、強迫障害(OCD)、精神病、ハンティングトン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、てんかん、欠神てんかん小発作、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知機能障害、統合失調症における認知向上、薬物性錐体外路症状、行為障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者における不安、妊娠における心血管リスク、射精遅延、嘔吐、生物戦で負った傷害に起因する症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、睡眠防止、虚血、およびツレット症候群より選択される障害または状態の処置において有効な量の請求項1〜10に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体を該哺乳動物に投与することからなる、上記障害または状態を処置するための方法。

【公表番号】特表2006−528169(P2006−528169A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520918(P2006−520918)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002261
【国際公開番号】WO2005/007655
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】