説明

ニトロスルフィド染料

【課題】ニトロスルフィド染料を提供すること。
【解決手段】開示されるのは、式
【化1】


(1)
で表されるニトロスルフィド染料、それらの塩、異性体、水和物及び他の溶媒化合物であり
[上記式中、
1、R2、R3は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ
−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し
得る、炭素原子数1ないし20のアルキル基又は炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル
基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数
1ないし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基;又は
式(1a)−NR45
(式中、R4及びR5は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ヒドロキシ基又は−(CO)−Hによって置換し得る、炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル基部分が1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ない
し5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2、カ
ルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基;又は式
【化2】


で表される基を表す。)で表される基を表し;
少なくとも基R1、R2又はR3の1つはNO2を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;
1は、直接結合;
【化3】


;
又は飽和、芳香族もしくは複素環式芳香族基のカチオン性二価基を表し;
1は、−C(O)−;−−C(O)O−;−OCO−;−N(R6)−X2−;−CON
(R6)−;−(R6)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;又は−S(O)2
−を表し;
1及びX2は、互いに独立して、直接結合;炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;及び
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基
;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
mは1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子;又はmが2を表す場合、直接結合を表す。]、但し
、方法は毛髪と蛋白質ジスルフィドイソメラーゼ(EC5.3.4.1)型の酵素とを接触することを含まない。
さらに、本発明は新規なスルフィド化合物、特に他の染料を含む、その組成物、及びそれらの調製のための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なニトロスルフィド染料、その組成物、それらの調製のための方法及びケラチン繊維、羊毛、革、絹、セルロース又はポリアミド、特にケラチン含有繊維、綿又はナイロン、及び好ましくは毛髪、より好ましくはヒトの毛髪のような有機材料の染色のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カチオン性染料が有機材料、例えばケラチン、絹、セルロース又はセルロース誘導体、及びまた合成繊維、例えばポリアミドの染色のために使用され得ることが特許文献1から既知である。カチオン性染料は、非常に鮮やかな色調を示す。欠点は洗浄に対する不満足な堅牢度である。
技術的課題は、洗浄、光、シャンプー及び摩擦に関して優れた堅牢性を有する深い染色によって特徴付けられる染料を与えることである。
【特許文献1】国際公開第95/01772号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
従って、本発明はケラチン含有繊維の染色方法に関するものであって、該方法は該繊維を少なくとも1種の式
【化1】

[上記式中、R1、R2、R3は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルア
ミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によ
って置換し得る、炭素原子数1ないし20のアルキル基又は炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;1つ以上の炭素原子数1ないし5
のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−
炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基;又は
式(1a)−NR45
(式中、R4及びR5は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ヒドロキシ基又は−(CO)−Hによって置換し得る、炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル基部分が1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ない
し5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2、カ
ルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基;又は式
【化2】

で表される基を表す。)で表される基を表し、
少なくとも基R1、R2又はR3の1つはNO2を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し、
1は、直接結合;
【化3】

又は飽和、芳香族もしくは複素環式芳香族基のカチオン性二価基を表し、
1は、−C(O)−;−−C(O)O−;−OCO−;−N(R6)−X2−;−CON
(R6)−;−(R6)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;又は−S(O)2
−を表し;
1及びX2は、互いに独立して、直接結合;炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;及び
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基
;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
mは1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子;又はmが2を表す場合、直接結合を表す。]、で表
されるニトロスルフィド染料、それらの塩、異性体、水和物及び他の溶媒和化合物で処理することを含む染色方法に関するが、但し該方法は毛髪と蛋白質ジスルフィドイソメラーゼ(EC5.3.4.1)型の酵素とが接触することを含まない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
好ましくはY1は、未置換の又は置換されている直鎖又は枝分かれ状の中断された又は
中断されていない炭素原子数1ないし10のアルキレン基;又は炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基、及び最も好ましくは炭素原子数1ないし5のアルキレン基である。
式(1)[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;NO2;又は式(1
a)−NR45(式中、R4及びR5は互いに独立して、水素原子;又は1つ以上のヒドロキシ基によって置換し得る炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)H;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、−NH2、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ炭素原子数1ないし
5のアルキルアミノ基、−NO2、カルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換し得るフ
ェニル基を表す。)で表される基を表す。]で表される化合物が好ましくは使用される。
最も好ましいR1、R2及びR3は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし5の
アルキル基;NO2;又は式(1a)−NR45(式中、R4及びR5は、互いに独立して
水素原子;−(CO)H;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;又は−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表す。)で表される基である。
本発明の方法において最も好ましいのは、式(1)
(式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキ
ル基;NO2;−NH(CO)−CH3;又は−C(O)OHを表す。)で表される化合物である。
式(1)で表される化合物において好ましいのは、Z1が直接結合;又は
【化4】

(式中、R7及びR8は式(1)において定義される通りである。)で表される化合物である。
式(1)において好ましいのは、mが2である。
【0005】
最も好ましいニトロスルフィド染料は、式
【化5】

(式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし5のアル
キル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;NO2;又は−NH(CO)−
CH3を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数5ないし10のアルキレン)基を表し;
Xは、直接結合;又は炭素原子数1ないし5のアルキレン基を表し;
1は、直接結合;又は
【化6】

を表し;及び
7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表す。)に相当する。
式(2)において好ましいのは、
1、R2及びR3が、互いに独立して、水素原子;NO2;NH2;カルボキシ基;−C(
O)OH又は−NH(CO)−CH3を表し;
1が炭素原子数1ないし5のアルキレン基を表し;
1が直接結合又は
【化7】

を表し;及び
7及びR8が、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表すニトロスルフィド染料である。
【0006】
本発明において使用されるニトロスルフィド染料は、ニトロ染料に由来する、すなわち、フェニル基部分
【化8】

は文献において良く知られているニトロ染料、例えば以下の表に記載された下記のニトロ染料に相当する:
【表1】

【表2】

【0007】
アルキレン基は、一般に炭素原子数1ないし10のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、第二−ブチレン基、第三−ブチレン基、n−ペンチレン基、2−ペンチレン、3−ペンチレン基、2,2’−ジメチルプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、n−ヘキシレン基、n−オクチレン基、1,1’,3,3’−テトラメチルブチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基又はデシレン基である。
アルキレン基は、直鎖、枝分かれ状、又は、炭素原子数5以上のアルキル基、単環式又は多環式であり得、及びO、S、−CO−、N、NH、NR54、−OCO−、−CO(OR4)−、−CONR4−、−(R5)NC(O)−のようなヘテロ原子によって中断され
得;例えば炭素原子数1ないし10のアルキレン基は−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、又は−CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2CH2−O−CH2−、
−CH2−O−CH2−、−CH2CH2−CH2CH2−O−CH2−CH2−、−CH2CH2−CH(N(CH32)−CH2−CH2−、CH2−NH2−CH2−CH2、又は−CH2
CH2−NH−CH2CH2−、−CH2CH2−NCH3−CH2CH2−、又は−CO−CH2−、又は−CH2CO−、又は−CH2CH2−NHCO−CH2CH2−、又は−CH2
2−CONH−CH3−CH2CH2−、−CH2CH2−NCH3CO−CH2CH2−、又
は−CH2CH2−CONCH3−CH3−CH2CH2−、又は−CH2−NHCO−CH2CH2−、又は−CH2CH2−NHCO−CH2−、又は−CH2CH2−CONH−CH2
又は−CH2−CONH−CH2CH2−のような残基であり得る。
アリーレン基は、一般に炭素原子数6ないし10のアリーレン基;例えばフェニル基又はナフチル基であり;
アリール−アルキレン基は、例えば炭素原子数5ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし2のアルキレン基であり、アルキル−アリーレン基は、例えば炭素原子数1ないし10のアルキル−炭素原子数5ないし10のアリーレン基又は炭素原子数1ないし2のアルキル−炭素原子数6ないし10のアリーレン基である。
炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基は、例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、モルホリレン基又はピペリジニレン基である。
炭素原子数1ないし16のアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2’−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1’,3,3’−テトラメチルブチル基又は2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基又はヘキサデシル基である。
炭素原子数1ないし6のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基又はペンチルオキシ基である。
炭素原子数5ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキレン基は、例えば、フェニル−炭素原子数1ないし10のアルキレン基又はナフチル−炭素原子数1ないし10のアルキレン基である。
ハロゲン化物は、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物、特に塩化物及びフッ化物である。
【0008】
“アニオン”は、例えば、有機又は無機アニオン、例えばハロゲン化物、好ましくは塩化物及びフッ化物、スルフェート、硫酸水素塩、ホスフェート、四フッ化臭素、炭酸塩、重炭酸塩、オキサレート又は炭素原子数1ないし8のアルキルスルフェート、特にメチルスルフェート又はエチルスルフェートを示し;アニオンはまた、ラクテート、ホルミエート(formiate)、アセテート、プロピオネート又は錯体アニオン、例えば塩化亜鉛複塩を示す。
アニオンは、特にハロゲン化物、好ましくは塩化物又はフッ化物、スルフェート、硫酸水素塩、メチルスルフェート、エチルスルフェート、ホスフェート、ホルミエート、アセテート又はラクテートである。
アニオンは、より特にフッ化物、塩化物、メチルスルフェート、エチルスルフェート、ホルミエート又はアセテートである。
【0009】
複素環式化合物の二価基又は基は、例えばチオフェニル基、1,3−チアゾリル基、1,2−チアゾリル基、1,3−ベンゾチアゾリル基、2,3−ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,5−チアジアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ピリジニル基、キノリニル基、ピリミジニル基及びイソキサゾリル基の二価基又は基である。
好ましい複素環式化合物の二価基又は基は、例えば1,3−チアゾリル基、1,2−チアゾリル基、1,3−ベンゾチアゾリル基、2,3−ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,5−チアジアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ピリジニル基、キノリニル基、ピリミジニル基及びイソキサゾリル基である。より好ましいカチオン性複素環式化合物は、イミダゾリル基、ピリジニル基、1,3,4−トリアゾリル基及び1,3−チアゾリル基である。
【0010】
本発明において芳香族化合物の二価基又は基は、例えばフェニル基、ナフチル基、チオフェニル基、1,3−チアゾリル基、1,2−チアゾリル基、1,3−ベンゾチアゾリル基、2,3−ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,5−チアジアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ピリジニル基、キノリニル基、ピリミジニル基及びイソキサゾリル基、アミノジフェニル基、アミノジフェニルエーテル基又はアゾベンゼニル基である。
【0011】
複素環式又は芳香族化合物の二価基又は基は、未置換であるか又は、例えば炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、ハロゲン原子、例えばフッ素原子、臭素原子又は塩素原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基、CN、SCN、炭素原子数1ないし4のアルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノスルホニル基、炭素原子数1ないし4のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシスルホニル基によって又はジ−(ヒドロキシ−炭素原子数1ないし4のアルキル)−アミノスルホニル基によって一又は多置換されている。
【0012】

【化9】

[式中、R1、R2、R3は、互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミ
ノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によっ
て置換し得る炭素原子数1ないし20のアルキル基又は炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基:−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;1つ以上の炭素原子数1ないし5のア
ルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素
原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し得るフェニル基;又は式(1a)−NR45
式中、R4及びR5は、互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ヒドロキシ基又は−(CO)−Hによって置換し得る炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル基部分が1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ないし
5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2、カル
ボキシ基又はヒドロキシ基によって置換し得るフェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基;又は式
【化10】

で表される基を表す。)で表される基を表し、
基R1、R2又はR3の少なくとも1つはNO2を表し、
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;
1は、直接結合;
【化11】

又は飽和、芳香族もしくは複素環式芳香族基のカチオン性二価基を表し;
1は、−C(O)−;−C(O)O−;−OCO−;−N(R6)−X2−;−CON(
6)−;−(R6)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;又は−S(O)2
を表し;
1及びX2は、互いに独立して、直接結合;炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭
素原子数5ないし10のシクロアルキレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;及び
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基
;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
mは1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子;mが2を表す場合、直接結合を表す。]に相当する
本発明の方法のために使用される染料は、新規である。
それらは、本発明の更なる対象である。
【0013】
本発明の更なる態様は、式(1)で表される染料の調製のための方法に関する。
反応は、一般に出発化合物を一緒に混合することによって又はある出発化合物を別の出発化合物に滴下添加することによって始まる。
通常、温度は出発化合物の混合の間、273ないし300K、好ましくは290ないし300Kの範囲内である。
反応時間は、一般に前記出発化合物の反応性に、選択される反応温度に及び要求される転化率に依存する。選ばれる反応時間は、通常1時間ないし3日間の範囲内である。
前記反応温度は、好ましくは273ないし340K、特に273ないし335Kである。
選択される反応圧力は、一般に70kPaないし10MPa、特に90kPaないし5MPa、及びより特に大気圧である。
【0014】
触媒の存在下で反応を実施することが望ましいだろう。
式(1a)で表される化合物と触媒のモル比は、一般に10:1ないし1:5の範囲で、特に10:1ないし1:1の範囲で選択される。
適する触媒は、例えばアルカリ金属炭素原子数1ないし6のアルコキシド、例えばナトリウム−、カリウム−又はリチウム炭素原子数1ないし6のアルキルオキシド、好ましくはナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド又はリチウムメトキシド、又はナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド又はリチウムエトキシド;又は例えばチヌクリジン(chinuclidine)、N−メチルピペリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、1,4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン、チヌクリジン(chinuclidine)、N−メチルピペリジンのような第三アミン;又は例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、又は酢酸リチウムのようなアルカリ金属酢酸塩である。
酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ピリジン及び1,4−ジアザビシクロ[2.2
.2]−オクタンが好ましい。
【0015】
加えて、前記反応は、溶媒の有無にかかわらず行うことができるが、しかし反応は溶媒、好ましくは有機溶媒又は溶媒混合物の存在下で行うことが好ましい。
溶媒は、有機溶媒及び水、又は有機溶媒の混合物又は有機溶媒及び水の混合物である。
有機溶媒は、例えばプロトン性又は非プロトン性極性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はグリコール、特にイソプロパノールのようなアルコール、又はアセトニトリル又はピロピオニトリルのようなニトリル、又はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド、又はN−メ
チルピリジン、N−メチルピロリドン、又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド、又はそれらの混合物である。
【0016】
本発明の方法に従い調製された生成物は、有利に生成され及び分離し得、及び必要に応
じて精製し得る。
通常、前記生成は280ないし300Kの範囲に、特に290ないし300Kの範囲に反応混合物の温度を下げることによって開始する。
温度をゆっくり、すなわち数時間かけて下げることが好都合だろう。
一般に、反応生成物は濾取され、そして次に水又は食塩水で洗浄され、続いて乾燥される。
濾過は、通常、標準的な濾過装置、例えばブフナー漏斗、フィルタープレス、加圧吸込フィルタ、好ましくは真空下で行われる。
乾燥のための温度は、適用圧力に依存する。乾燥は通常、真空下、50ないし200mbarで行われる。
乾燥は、通常、313ないし363K、特に323ないし353Kの範囲で、及びより特に328ないし348Kの範囲で行われる。
有利に生成物は分離後、再結晶化によって精製される。
有機溶媒及び溶媒混合物、好ましくは、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール又はブタノール、特に2−プロパノールのようなアルコールが再結晶化に適する。
【0017】
本発明に従う式(1)で表される染料は、ケラチン含有繊維、毛、皮、絹、セルロース又はポリアミド、綿又はナイロン、及び好ましくはヒトの毛髪のような有機材料の染色に適する。得られた染色は、それらの色調の深み、及び例えば光、シャンプー及び摩擦に対する堅牢度のような洗浄に対する優れた堅牢性によって特徴付けられる。安定性、特に本発明に従う染料の貯蔵安定性は優れている。
【0018】
一般に、合成ベースのヘア染色剤は3つの類に分類される:
−一時的な染色剤
−半永久的な染色剤、及び
−永久的な染色剤。
【0019】
染料の色調の多様性は、他の染料との組み合わせによって増加し得る。
従って、本発明の式(1)で表される染料は、同じ類の又は他の類の染料と、特に直接染料、酸化染料;カップラー化合物並びに末端閉鎖されたジアゾ化化合物、又はジアゾ化化合物の染料前駆物質の組合せ;及び/又はカチオン性反応染料と組み合わし得る。
【0020】
直接染料は、天然由来のものであるか、又は合成によって調製され得る。それらは、非電荷、カチオン性又はアニオン性、例えば酸性染料である。
式(1)で表される染料は、式(1)で表される染料とは異なる少なくとも1種の単一直接染料との組合せで使用し得る。
直接染料は、それらの染色効果を顕色させるためのいかなる酸化剤の添加も必要としない。それ故に、染色結果は永久染色組成物で得られるものと比べると永久的でない。従って、直接染料は望ましくは半永久的なヘアの染色のために使用される。
直接染料の例は、“Dermatology”,Ch.Culnan,H.Maibach編,Verlag Marcel Dekker Inc.,New York,Basle,1986年,第7巻,Ch.Zviak著,The Science of Hair Care,第7章,248ないし250頁、及びThe European Commissionにより出版され,MannheimにあるThe Bundesverband der deutschen Industrie und Handelsunternehmen fur Arzneimittel, Reformwa
ren und Korperpflegemittelからディスケット形態で得られ
る“Europaisches Inventar der Kosmetikrohs
toffe”,1996年において記載される。
特に半永久的な染色のための式(1)で表される少なくとも1種の単一染料との組み合
わせのために有用であるより好ましい直接染料は、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノ−アニソールスルフェート、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチレン−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−ピクラミン酸、2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3−イル)−アゾ)ピリジン、2−ニトロ−5−グリセリル−メチルアニリン、3−メチルアミノ−4−ニトロ−フェノキシエタノール、4−アミノ−2−ニトロジフェニレンアミン−2’−カルボン酸、6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、4−N−エチル−1,4−ビス(2’−ヒドロキシエチルアミノ−2−ニトロベンゼン ヒドロクロリド、1−メチル−3−ニトロ−4−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノベンゼン、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチル−アミノフェノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミン−3−ニトロフェノール、ヒドロキシアントリルアミノプロピルメチル モルホリノ メトスルフェート、4−ニトロフェニル−アミノエチルウレア、6−ニトロ−p−トルイジン、アシッドブルー62、アシッドブルー9、アシッドレッド35、アシッドレッド87(エオシン)、アシッドバイオレット43、アシッドイエロー1、ベーシックブルー3、ベーシックブルー6、ベーシックブルー7、ベーシックブルー9、ベーシックブルー12、ベーシックブルー26、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックレッド2、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックバイオレット14、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー9、ディスパースブルー3、ディスパースオレンジ3、ディスパースレッド17、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブラック9、ファストグリーンFCF、HCブルー2、HCブルー7、HCブルー8、HCブルー12、HCオレンジ1、HCオレンジ2、HCレッド1、HCレッド10−11、HCレッド13、HCレッド16、HCレッド3、HCレッドBN、HCレッド7、HCバイオレット1、HCバイオレット2、HCイエロー2、HCイエロー5、HCイエロー5、HCイエロー6、HCイエロー7、HCイエロー9、HCイエロー12、HCレッド8、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、HCバイオレッドBS、ピクラミン酸、ソルベントグリーン7である。
【0021】
さらに、式(1)で表される染料は少なくとも1種のカチオン性アゾ染料、例えば、英国特許出願公開第2319776号明細書において開示される化合物並びに独国特許出願公開第29912327号明細書において記載されるオキサジン染料及びそこで言及される他の直接染料との混合物、及びさらに好ましいのはベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31又はベーシックレッド51のようなカチオン性染料と、又は国際公開第01/66646号パンフレット、特に実施例4に記載されるカチオン性染料と、又は国際公開第02/31056号パンフレット、特に実施例6に記載されるカチオン性染料(式106で表される化合物)と、又は欧州特許出願公開第714954号明細書に記載される式(3)で表されるカチオン性染料、又は式
【化12】

(式中、R1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数1ないし8のアルキル基;又は置換されていないもしくは置換されたベンジル基を表し;
3は、水素原子;炭素原子数1ないし8のアルキル基;炭素原子数1ないし8のアルコ
キシ基;シアニド基;又はハロゲン化物;好ましくは水素原子を表し;及び
-はアニオンを表す。)で表される黄色のカチオン性染料;及び好ましくは式(DD1
)(式中、R1はメチル基を表し、R2はベンジル基を表し、R3は水素原子を表し、及び
-はアニオンを表すか;又は式中、R1はベンジル基を表し、R2はベンジル基を表し、
3は水素原子を表し;及びX-はアニオンを表すか;又は式中、R1はベンジル基を表し
、R2はメチル基を表し、R3は水素原子を表し;及びX-はアニオンを表す。)で表され
る化合物と組み合わし得る。
【0022】
さらに、カチオン性ニトロアニリン及びアントラキノン染料は、式(1)で表される染料との組み合わせのために有用であり、例えば、下記の特許明細書に記載される染料:米国特許第5298029号明細書、特に2欄、33行ないし5欄、38行;米国特許第5360930号明細書、特に2欄、38行ないし5欄、49行;米国特許5169403号明細書、特に2欄、30行ないし5欄38行;米国特許第5256823号明細書、特に4欄、23行ないし5欄、15行;米国特許第5135543号明細書、特に4欄、24行ないし5欄、16行;欧州特許出願公開第818193号明細書、特に2頁、40行ないし3頁、26行;米国特許第5486629号明細書、特に2欄34行ないし5欄29行及び欧州特許出願公開758547号明細書、特に7頁、48行ないし8頁、19行。
【0023】
式(1)で表される染料は、酸染料、例えば国際名称(色指数)、又は商標名から知られる染料とも混合し得る。
式(1)で表される染料との組み合わせのために有用な好ましい酸染料は、米国特許第6,248,314号明細書に記載される。それらは赤色120号、黄色4号、黄色5号、赤色201号、赤色227号、オレンジ色205号、茶色201号。赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、オレンジ色402号、黄色402号、黄色406号、黄色407号、赤色213号、赤色214号、赤色3号、赤色104号、赤色105(1)号、赤色106号、緑色2号、緑色3号、オレンジ色207号、黄色202(1)号、黄色202(2)号、青色202号、青色203号、青色205号、青色2号、黄色203号、青色201号、緑色201号、青色1号、赤色230(1)号、赤色231号、赤色232号、緑色204号、緑色205、赤色401号、黄色403(1)、緑色401号、緑色402号、黒色401号及び紫色401号、特に黒色401号、紫色401号、オレンジ色205号を含む。
それらの酸染料は、単一成分として又はそれらのいかなる組み合わせにおいても使用し得る。
【0024】
酸染料を含むヘア染料組成物は既知である。それらは例えば“Dermatology”,Ch.Culnan,H.Maibach編,Verlag Marcel Dekker Inc.,New York,Basle,1986年,第7巻,Ch.Zviak著,The Science of Hair Care,第7章,248頁−250頁,特に253頁及び254頁に記載される。
酸染料を含むヘア染料組成物は、2ないし6、好ましくは2ないし5、より好ましくは2.5ないし4.0のpHを有する。
【0025】
本発明に従う式(1)で表される染料は、また酸染料及び/又は補助剤、例えば
−米国特許第6,248,314号明細書、特に実施例1及び2に記載される、酸染料及びアルキレンカーボネート;
−日本国特許出願の特開1986−210023号公報及び特開1995−101841号公報において記載される、浸透溶媒としてベンジルアルコールによって代表される様々な種類の有機溶剤が毛髪への優れた浸透性を有することからなる酸性ヘア染料組成物;
−日本国特許出願の特開1998−87450号公報、特開1997−255540号公報及び特開1996−245348号公報に記載される、ヘア染料組成物が垂れるのを防
ぐ水溶性ポリマー又は同種のものを有する酸性染料組成物;
−日本国特許出願の特開1998−53970号公報及び特願1973−23911に記載される芳香族アルコール、低アルキレンカーボネート、又は同種のものの水溶性ポリマーを有する酸性ヘア染料組成物
との組み合わせにおいて容易に使用し得る。
【0026】
式(1)で表される染料は、非電荷染料、例えばニトロアニリン、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アントラキノン、インドフェノール、フェナジン、フェノチアジン、ビスピラゾロン、ビスピラゾールアザ誘導体及びメチンと組み合わせ得る。
【0027】
さらに、式(1)で表される染料は酸化染料系との組み合わせにおいて使用し得る。
初期状態における酸化染料は染料ではないが、染料前駆物質が顕色剤及びカップラー化合物に対してそれらの化学的性質に従い分類される。
適する酸化染料は例えば
−独国特許第19959479号明細書、特に2欄、6行ないし3欄、11行、
−“Dermatology”,Ch.Culnan,H.Maibach編, Verlag Marcel Dekker Inc.,New York,Basle,1986年,第7巻,Ch.Zviak著,The Science of Hair Care,8章,264頁−267頁(酸化染料)
に記載される。
好ましい顕色剤化合物は、置換されたもしくは未置換のヒドロキシ残基又はアミノ残基でパラ位又はオルト位で置換された、例えば第1級芳香族アミン、又はジアミノピリジン誘導体、複素環式ヒドラゾン、4−アミノピラゾール誘導体、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン誘導体、又は独国特許第19717224号明細書、特に2頁50行ないし66行及び3頁8行ないし12行に記載される不飽和のアルデヒド、又は国際公開第00/43367号パンフレット、特に2頁27行ないし8頁24行、特に9頁22行ないし11頁6行に記載されるカチオン性顕色剤化合物である。
さらに、顕色剤化合物の生理学的適合性のある酸付加塩形態における顕色剤化合物、例えばヒドロクロリド又はスルフェート硫酸塩が使用し得る。芳香族OH基を有する顕色剤化合物は、また塩基、例えばアルカリ金属フェノレートとともにそれらの塩形態において適する。
好ましい顕色剤化合物は、独国特許第19959479号明細書、2頁8行ないし29行において開示される。
より好ましい顕色剤化合物は、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンスルフェート、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソールスルフェート、ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシアニリン、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノ−ピリジン、ヒドロキシプロピル−ビス−(N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン)ヒドロクロリド、ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンスルフェート、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−メチルアミノフェノールスルフェート、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール、4−アミノ−m−クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、5−アミノ−6−クロロ−クレゾール、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン又は4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジンスルフェートである。
【0028】
好ましいカップラー化合物は、m−フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシン及びレゾルシン誘導体、ピラゾロン及びm−アミノフェノール誘導体、及び最も好まし
くは独国特許第19959479号明細書、1頁33行ないし3頁11行に記載されるカップラー化合物である。
【0029】
式(1)で表される染料は、また直接染料として使用し得る独国特許第19717224号明細書(2頁50行ないし66行及び3頁8行ないし12行)に記載される未置換のアルデヒドとともに又は、代わりに酸化染料前駆物質とともに使用し得る。
式(1)で表される染料との組み合わせのために更に好ましいのは、下記の酸化染料前駆物質である:
−赤の色調評価のための顕色剤/カップラーの組み合わせ2,4,5,6−テトラアミノピリミジン及び2−メチルレゾルシン;
−青−バイオレットの色調評価のためのp−トルエンジアミン及び4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン;
−青の色調評価のためのp−トルエンアジミン及び2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール;
−青の色調評価のためのp−トルエンジアミン及び2,4−ジアミノ−フェノキシエチノール;
−オレンジの色調評価のためのメチル−4−アミノフェノール及び4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン;
−茶−緑の色調評価のためのp−トルエンジアミン及びレゾルシン;
−青−バイオレットの色調評価のためのp−トルエンジアミン及び1−ナフトール、又は−茶−金の色調評価のためのp−トルエンジアミン及び2−メチルレゾルシン。
【0030】
さらに、自己酸化化合物は式(1)で表される染料との組み合わせにおいて使用し得る。
自己酸化可能な化合物は、芳香族環において2つ以上の置換基を有する芳香族化合物であり、非常に低い酸化還元電位を有し、及びそれ故に空気にさらされたとき酸化される。それらの化合物により得られる染色は非常に安定で及びシャンプーに耐性がある。
自己酸化可能な化合物は、例えばベンゼン、インドール、又はインドリン、特に国際公開第99/20234号パンフレット、特に26頁10行ないし28頁15行、又は国際公開第00/28957号パンフレットの2頁、3段落に記載される5,6−ジヒドロキシインドール又は5,6−ジヒドロキシインドリンである。
好ましい自己酸化可能なベンゼン誘導体は、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1−メチル−2,4,5−トリヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルアミノフェノール、2,5−ジアミノ−4−メチル−フェノール、2,6−ジアミノ−4−ジエチルアミノフェノール、2,6−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、及びそれらの化合物の塩であり、酸とともに使用される。
好ましい自己酸化可能なインドール誘導体は、5,6−ジヒドロキシインドール、2−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、3−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、1−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、2,3−ジメチル−5,6−ジヒドロキシインドール、5−メトキシ−6−ジヒドロキシインドール、5−アセトキシ−6−ヒドロキシインドール、5,6−ジアセトキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸の酸、それらの化合物の塩であり、酸とともに使用し得る。
【0031】
式(1)で表される染料は、天然染料、例えばヘナレッド、ヘナニュートラル、ヘナブラック、カモミールブロッサム、サンダルウッド、紅茶、ラムナスフラングラ樹皮(Rhamnus frangula bark)、セージ、カンペチェウッド、アカネ根、アセンヤクノキ、セードル及びアルカンナ根とも組み合わせ得る。そのような染色は、例えば欧州特許出願公開第404868号明細書、特に3頁55行ないし4頁9行に記載される。
【0032】
さらに、式(1)で表される染料は末端閉鎖された化合物との組み合わせにおいても使用し得る。
適するジアゾ化化合物は、例えば国際公開第2004/019897号パンフレット(ページ1及び2に掛けて)において式(1)ないし(4)で表される化合物及び同文献3頁からに開示されるような対応する水溶性カップリング成分(I)ないし(IV)である。
【0033】
本発明に従う式(1)で表される染料との組み合わせのために有用な更なる好ましい染料又は染料の組み合わせは、以下に記載される。
(DC−01):国際公開第95/01772号明細書、ここでは少なくとも2種のカチオン性染料の混合物が開示されるが、特に2頁7行ないし4頁1行、好ましくは4頁35行ないし8頁21行;配合物11頁、最終章ないし28頁19行;
(DC−02):米国特許第6,843,256号明細書、ここではカチオン性染料が開示されるが、特に式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される化合物(1欄27行ないし3欄20行)、及び好ましくは実施例1ないし4において調製される化合物(10欄42行ないし13欄37行);配合物13欄38行ないし15欄8行;
(DC−03):欧州特許第970685号明細書、ここでは直接染料が記載される、特に2頁44行ないし9頁56行及び好ましくは9頁58行ないし48頁12行;ケラチン含有繊維の染色のための方法は、特に50頁15ないし43行;配合物50頁46行ないし51頁40行;
(DC−04):独国特許出願公開第19713698号明細書、ここでは直接染料が記載されるが、特に2頁61行ないし3頁43行;配合物5頁26行ないし60行;
(DC−05):米国特許第6,368,360号明細書、ここでは直接染料(4欄1行ないし6欄31行)及び酸化剤(6欄37ないし39行)が開示される;配合物7欄47行ないし9欄4行;
(DC−06):欧州特許第1166752号明細書、ここではカチオン性染料(3頁22行ないし4頁15行)及びアニオン性UV吸収剤(4頁27ないし30行)が開示される;配合物7頁50行ないし9頁56行;
(DC−07):欧州特許第998,908号明細書、ここではカチオン性直接染料及びピラゾロ−[1,5−a]−ピリミジンを含む酸化染料が開示される(2頁48行ないし4頁1行);染色配合物47頁25行ないし50頁29行;
(DC−08):仏国特許第2788432号明細書、ここではアリアノルズ(Arianors)とカチオン性染料の組み合わせが開示される、特に53頁1行ないし63頁23行、より特に51ないし52頁、最も特にベーシックブラウン17、ベーシックブラウン16、ベーシックレッド76及びベーシックレッド118、及び/又は少なくとも1種のベーシックイエロー57、及び/又は少なくとも1種のベーシックブルー99;又はアリアノレン(arianoren)及び/又は酸化染料との組み合わせ、特に2頁16行ないし3頁16行;染色配合物53頁1行ないし63頁23行;
(DC−09):独国特許出願公開第19713698号明細書、ここでは酸化剤、酸化染料及び直接染料を含む直接染料とパーマネントウェーブ固定剤の組み合わせが開示される;特に4頁65行ないし5頁59行;
(DC−10):欧州特許第850638号明細書、ここでは顕色剤化合物及び酸化剤が開示される;特に2頁27行ないし7頁46行及び好ましくは7頁20行ないし9頁26行;染色配合物が2頁3行ないし12行及び30行ないし14頁、及び28頁35行ないし30頁20行;好ましくは30頁25行ないし32頁30行;
(DC−11):米国特許第6,190,421号明細書、ここでは(A)1種以上の酸化染料前駆物質及び所望により1種以上のカップラーを含有する組成物、(B)所望により有機粉末腑形剤及び/又は鉱物粉末腑形剤に分散した1種以上の直接染料(5欄40行ないし7欄14行)を含有する粉末形態の組成物、及び(C)1種以上の酸化剤を含有する組成物の三種直前混合の混合物が開示される;配合物8欄60行ないし9欄56行;
(DC−12):米国特許第6,228,129号明細書、ここでは1種の酸化基剤(oxidation base)、少なくとも1種のカチオン性直接染料及び2−電子酸化還元型酵素のために少なくとも1種の供与体の存在下、少なくとも1種の2−電子酸化還元酵素型酵素を含むすぐに使用できる組成物が、特に8欄17行ないし13欄65行に開示される;染色配合物2欄16行ないし25欄55行、多区画染色装置が26欄13ないし24行に記載される;
(DC−13):国際公開第99/20235号パンフレット、ここではカチオン直接染料及びニトロベンゼン直接染料を有する少なくとも一種のカチオン性染料及び少なくとも1種のニトロ化ベンゼン染料の組成物が、2頁1行ないし7頁9行、及び39頁1行ないし40頁11行、好ましくは8頁12行ないし25頁6行、26頁7行ないし30頁15行;1頁25行ないし8頁5行、30頁17行ないし34頁25行、8頁12行ないし25頁6行、35頁21行ないし27行に、特に36頁1行ないし37頁に記載される;
(DC−14):国際公開第99/20234号パンフレット、ここでは少なくとも1種の直接カチオン性染料及び少なくとも1種の自己酸化可能な染料、特にベンゼン、インドール及びインドール誘導体を含有する組成物、好ましくは2頁19行ないし26頁4行に直接染料、及び特に26頁10行ないし28頁15行に記載されるような自己酸化可能な染料;34頁5行ないし35頁18行に染色配合物が開示される;
(DC−15):欧州特許第850636号明細書、ここでは少なくとも1種の直接染料及びカップラー成分として少なくとも1種のメタ−アミノフェノール誘導体及び少なくとも1種の顕色剤化合物及び酸化剤を含有する酸化染色組成物が、特に5頁41行ないし7頁52行に記載される、染色配合物19頁50行ないし22頁12行;
(DC−16):欧州特許出願公開第850637号明細書、ここではパラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン、及びその酸付加塩から選ばれる少なくとも1種の酸化基剤、メタ−ジフェノール及びその酸付加塩から選ばれる少なくとも1種のカップラー、少なくとも1種のカチオン性直接染料、及び少なくとも1種の酸化剤を含む酸化染色組成物が、特に6頁50行ないし8頁44行に開示される;染色配合物21頁30行ないし22頁57行;
(DC−17):国際公開第99/48856号パンフレット、ここではカチオン性カップラーを含む酸化染色組成物が開示される、特に9頁16行ないし13頁8行、及び11頁20行ないし12頁13行;染色配合物36頁7行ないし39頁24行;
(DC−18):独国特許第19717224号明細書、ここでは不飽和アルデヒド及びカップラー化合物並びに第一及び第二アミノ基化合物、窒素含有複素環式化合物、アミノ酸、オリゴペプチド、芳香族ヒドロキシ化合物、及び/又は少なくとも1種のCH活性化合物を含む染色剤が3頁42行ないし5頁25行に開示される;染色配合物8頁25行ないし9頁61行。
上記の文献(DC−01ないしDC−18)に開示される染料の組み合わせにおいて、本発明に従う式(1)で表される染料は、染料の組み合わせ又は染色配合物に加えられ得るか、又はそれらの文献において開示される少なくとも1種の染料は式(1)で表される少なくとも1種の染料で置き換えられ得る。
【0034】
本発明はまた、少なくとも1種の式(1)で表される染料を含む、有機材料、好ましくはケラチン含有繊維、及び最も好ましくはヒトの毛髪の染色のために使用される配合物に関する。
【0035】
本発明はまた、少なくとも
(a)少なくとも1種の式(1)で表される染料0.001ないし5、好ましくは0.005ないし4、より特に0.2ないし3質量%;
(b)溶媒1ないし40、好ましくは5ないし30質量%;及び
(c)補助剤0.01ないし20質量%
を含む、有機材料、好ましくはケラチン含有繊維、及び最も好ましくはヒトの毛髪の染色
のために使用される配合物に関する。
前記配合物は、異なる技術的形態においてケラチン含有繊維、好ましくはヒトの毛髪に適用され得る。
配合物の技術的形態は、例えば溶液、特に濃度の高い水溶液又はアルコール水溶液、クリーム、フォーム、シャンプー、パウダー、ジェル又はエマルジョンである。
【0036】
通例、染色組成物は、50ないし100gの量でケラチン含有繊維に適用される。
本発明の染色組成物は、25ないし200、好ましくは18ないし80、及び最も好ましくは20ないし40℃の温度範囲において毛髪に適用される。
好ましい配合物形態は、すぐに使用できる組成物又は多区画染色装置又は‘キット’又は例えば米国特許第6,190,421号明細書、2欄16行ないし31行に記載されるような区画を有する多区画包装系である。
すぐに使用できる染色組成物のpH値は、通常、2ないし11、好ましくは5ないし10である。
好ましくは還元に対して安定でない染色組成物は、染色処理の直前に酸化剤を含まない組成物とともに調製される。
【0037】
本発明の1つの好ましい態様は、式(1)で表される染料が粉体形状である染料の配合物に関する。
粉体配合物は、例えば独国特許出願公開第19713698号明細書、2頁26行ないし54行及び3頁51行ないし4頁25行、及び4頁41行ないし5頁59行に記載されるような安定性及び/又は溶解性の問題が起きても、好ましくは使用される。
【0038】
適する化粧品のヘア−ケア配合物は、ヘアトリートメント製剤、例えばシャンプー及びコンディショナーの形態における洗髪製剤、ヘア−ケア製剤、例えばスプレー、クリーム、ジェル、ローション、ムース及びオイルのような前処理製剤又は着けたままにする製品、ヘアートニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強いヘアトリートメント、毛髪構築製剤、例えばパーマネントウェーブのためのヘアウェーブ製剤(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、ヘアストレートニング製剤、液体ヘアセット製剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー、脱色製剤、例えば過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、脱色クリーム、脱色パウダー、脱色ペースト又はオイル、一時的な、半永久的な又は永久的なヘア着色料、自己酸化染料を含有する製剤、又はヘナ又はカモミールのような天然ヘア着色料である。
【0039】
ヒトの毛髪に使用するために、本発明の染色組成物は、通常、水溶性化粧品キャリアに配合され得る。適する水溶性化粧品キャリアは、ケラチン含有繊維に使用するために適する、例えばW/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及び全てのミクロエマルジョン、クリーム、スプレー、エマルジョン、ジェル、パウダー及びまた界面活性剤含有発泡溶液、例えばシャンプー又は他の製剤を含む。そのような使用の形態は、Research Disclosure 42448(1999年8月)に詳細に記載される。必要ならば、例えば米国特許第3369970号明細書、特に1欄70行ないし3欄55行に記載されるように無水キャリアに染色組成物を配合することもまた可能である。本発明に従う染色組成物はまた、独国特許出願公開第3829870号明細書に記載される染色くし又は染色ブラシを使用する染色方法に素晴らしく適する。
水溶性キャリアの構成成分は、慣用の量で本発明の染色組成物に存在し、例えば乳化剤は染色組成物中に総染色組成物の0.5ないし30質量%の濃度で、及び増粘剤は0.1ないし25質量%の濃度で存在し得る。
染色組成物のための更なるキャリアは、例えば“Dermatology”、Ch.Culnan,H.Maibach編、Verlag Marcel Dekker Inc.、New York,Basel、1986年、第7巻、Ch.Zviak著、Th
e Science of Hair Care、第7章、248頁ないし250頁、特に243頁1行ないし244頁12行に記載される。
【0040】
シャンプーは、例えば、下記の組成物を有する:
式(1)で表される染料0.01ないし5質量%;
PEG−5ラウリルシトレートスルホコハク酸二ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム8質量%;
ココアンホ酢酸ナトリウム20質量%;
メトキシPEG/PPG−7/3アミノプロピルジメチコーン0.5質量%;
ヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピトリモニウムクロリド0.3質量%;
PEG−200水素化グリセリルパルメート、PEG−7グリセリルココエート2.5質量%;
PEG−150ジステアレート0.5質量%;
クエン酸2.2質量%;
香料、保存料;及び
100%まで水。
【0041】
式(1)で表される染料は、液体ないしペースト状製剤(水溶性又は非水溶性)において、又は乾燥パウダーの形態で貯蔵され得る。
染料及び補助剤が液体製剤中に一緒に貯蔵される場合、該製剤は化合物の反応を低減するために実質的に無水であるべきである。
【0042】
本発明に従う染色組成物は、いかなる有効成分、添加剤又はこの様なそのような製剤に対して知られている補助剤、例えば界面活性剤、溶媒、基質、酸、香料、高分子補助剤、増粘剤及び光安定剤を含み得る。
下記の補助剤は、本発明のヘア染色組成物において好ましく使用される:
−非イオン性ポリマー、例えばビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー及びポリシロキサン;
−カチオン性ポリマー、例えば四級化セルロースエーテル、第四級基を有するポリシロキサン、塩化ジメチルジアリルアンモニウムポリマー、メルクアット(登録商標:Merquat)280の名の下で商業上入手可能であり及び毛髪染色におけるその使用が、例えば独国特許出願公開第4421031号明細書、特に2頁20行ないし49行、又は欧州特許出願公開第953334号明細書に記載されている塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とのコポリマー;
−アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチル−スルフェート−第四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー;
−四級化ポリビニルアルコール;
−双性イオン性及び両性ポリマー、例えばアクリルアミド−プロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー及びオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/第三ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマーなど、
−アニオン性ポリマー、例えばポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、酢酸ビニル/ブチルマレアート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/エチルアクリレート/N−第三ブチルアクリルアミドターポリマーなど、
−増粘剤、例えば寒天、グァーゴム、アルギン酸塩、キサンタンゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーン粉、アマニガム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば
メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、でんぷん画分及び誘導体、例えばアミロース、アミロペクチン及びデキストリン、クレー、例えばベントナイト又は完全合成親水コロイド例えばポリビニルアルコールなど、
−構造剤、例えばグルコース及びマレイン酸、
−ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えば大豆レシチン、卵レシチン、セファリン、シリコーン油、及びコンディショニング化合物、例えば独国特許出願公開第19729080号明細書、特に2頁20行ないし49行、欧州特許出願公開第834303号明細書、特に2頁18行ないし3頁2行、又は欧州特許出願公開第312343号明細書、特に2頁59行ないし3頁11行に記載されるものなど、
−タンパク質加水分解物、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質及び小麦タンパク質加水分解物、脂肪酸とのその縮合生成物及びまた四級化タンパク質加水分解物、
−香油、ジメチルイソソルビトール及びシクロデキストリン、
−可溶化剤、例えばエタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びジエチレングリコール、
−ふけ防止有効成分、例えばピロクトン、オラミン及び亜鉛オマジン(zinc Omadine)、
−pH値を調整するための物質、
−パンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、植物抽出物及びビタミン、
−コレステロール、
−以下の表に記載される光安定剤及びUV吸収剤
【表3】

【表4】

【表5】

【0043】
UV吸収剤の使用は、効果的に太陽光の有害線から天然の及び染色された毛髪を保護し、及び染色された毛髪の洗浄堅牢度を高める。
【0044】
さらに、下記のUV吸収剤又は組み合わせは本発明に従う染色組成物において使用し得る:
−例えば国際公開第01/36396号パンフレットに、特に1頁20行ないし2頁24行に、及び好ましくは3頁ないし5頁に、及び26頁ないし37頁に記載されるようなカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤;
−国際公開第01/36396号パンフレットに、特に11ページ14行ないし18頁に記載されるような酸化防止剤と組み合わされるカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤;
−米国特許第5922310号明細書に、特に2欄1行ないし3行に記載されるような酸化防止剤と組み合わされるUV吸収剤;
−米国特許第4786493号明細書に、特に1欄42行ないし2欄7行に、及び好まし
くは3欄43行ないし5欄20行に記載されるような酸化防止剤と組み合わされるUV吸収剤;
−米国特許第5830441号明細書に、特に4欄53行ないし56行に記載されるようなUV吸収剤の組み合わせ;
−国際公開第01/36396号明細書に、特に11頁9行ないし13行に記載されるようなUV吸収剤の組み合わせ;又は
−国際公開第98/22447号明細書に、特に1頁23行ないし2頁4行に、及び好ましくは2頁11行ないし3頁15行に、及び最も好ましくは6頁ないし7頁、及び12頁ないし16頁に記載されるようなトリアジン誘導体。
適する化粧品調合物は、組成物の総質量に基づき、1種以上のUV吸収剤を通常0.05ないし40質量%、好ましくは0.1ないし20質量%を含有し得る。
−粘調剤、例えば糖エステル、ポリオールエステル又はポリオールアルキルエーテル;
−脂肪及びワックス、例えば鯨ろう、みつろう、モンタンろう、パラフィン、脂肪アルコール及び脂肪酸エステル、
−脂肪アルカノールアミド、
−欧州特許出願公開第801942号明細書、特に3頁44行ないし55行に記載されるもののような、150ないし50000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、
−錯化剤、例えばEDTA、NTA及びホスホン酸、
−膨潤及び浸透物質、例えば欧州特許出願公開第962219号明細書、特に27頁18行ないし38行に広範囲にわたり記載されているようなポリオール及びポリオールエーテル、例えばグリセロール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチルグリコール、ベンジルアルコール、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、ウレア及びまた第一、第二及び第三ホスフェート、イミダゾール、タンニン、ピロール、
−乳白剤、例えばラテックス、
−真珠光沢化剤、例えばエチレングリコールモノ−及びジステアレート、
−液体発泡剤、例えばプロパンブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2及び空気、
−酸化防止剤;好ましくはip.com(IPCOM#000033153D)において開示されるフェノール系酸防止剤及びヒンダードニトロキシル化合物、
−欧州特許出願公開第970687号明細書に記載されるような糖含有ポリマー;
−国際公開第00/10517号パンフレットに記載されるような第四級アンモニウム塩;
−グラム陽性菌に対して特異作用を有する防腐剤のようなバクテリア阻害剤、例えば、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)。多数の芳香族物質及び精油はまた抗微生物性を有する。典型例は、丁子油、ハッカ油及びサイム油における有効成分オイゲノール、メントール及びチモールである。興味深い天然脱臭剤は、ライムブロッサム油(lime blossom oil)中に存在するテルペンアルコールファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエノ−1−オール)である。グリセロールモノラウレートは、また細菌静育剤であることが証明されている。付加的なバクテリア阻害剤の存在量は、通常、調合物の固体含有量に基づき、0.1ないし2質量%である。
【0045】
本発明に従う染色組成物は、一般に少なくとも1種の界面活性剤を含む。
適する界面活性剤は、双性イオン性又は両性、又はより好ましくはアニオン性、非イオン性及び/又はカチオン性界面活性剤である。
【0046】
本発明に従う染色組成物において適するアニオン性界面活性剤は、ヒトの身体に使用の
ために適する全てのアニオン性界面活性物質を含む。そのような物質は、水溶性を与えるアニオン性基、例えばカルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基又はホスフェート基、及びおよそ10ないし22個の炭素原子を有する親油アルキル基によって特徴付けられる。加えて、グリコール又はポリグリコールエーテル基、エステル基、エーテル基及びアミド基並びにまたヒドロキシ基が分子中に存在し得る。下記は、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム塩又はアルカノール基中に2個又は3個の炭素原子を有するモノ−、ジ−又はトリ−アルカノールアンモニウム塩の形態における適する界面活性剤の例である:
−10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪酸(石けん)、
−式R−O−(CH2−CH2−O)x−CH2−COOH(式中、Rは10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表し、及びx=0又は1ないし16を表す。)で表されるエーテルカルボン酸、
−アシル基において10ないし18個の炭素原子を有するアシルサルコシド、
−アシル基において10ないし18個の炭素原子を有するアシルタウリド、
−アシル基において10ないし18個の炭素原子を有するアシルイソチオネート、−アルキル基において8ないし18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノ−及びジアルキルエステル及びアルキル基において8ないし18個の炭素原子及び1ないし6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状アルカンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状α−オレフィンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する脂肪酸のα−スルホ脂肪酸メチルエステル、
−式R’−O(CH2−CH2−O)x'−SO3H(式中、R’は好ましくは10ないし1
8個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表し、及びx’=0又は1ないし12を表す。)で表されるアルキルスルフェート及びアルキルポリグリコールエーテルスルフェート、
−独国特許出願公開第3725030号明細書に従う界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物、
−独国特許出願公開第3723354号明細書、特に4頁42行ないし62行に従うスルフェート化ヒドロキシアルキルポリエチレン及び/又はヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル、
−独国特許出願公開第3926344号明細書、特に2頁36行ないし54行に従う12ないし24個の炭素原子及び1ないし6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート、
−およそ2ないし15個の分子の酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンと8ないし22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとの付加生成物である、酒石酸及びクエン酸とアルコールとのエステル
−国際公開第00/10518号パンフレット、特に45頁11行ないし48頁3行に記載されるアニオン性界面活性剤。
【0047】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル基において10ないし18個の炭素原子及び分子中に12個までのグリコールエーテル基を有するアルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェート及びエーテルカルボン酸、及びまた特に飽和及び特に不飽和の炭素原子数8ないし22のカルボン酸、例えばオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びパルミチン酸の塩である。
【0048】
分子中に少なくとも1つの第四級アンモニウム基及び少なくとも1つの−COO-又は
−SO3-基が有る界面活性化合物は、末端双生イオン性界面活性剤である。いわゆるベタイン、例えばN−アルキルN,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばアルキル基又はアシル基において8ないし18個の炭
素原子を有するココアシルアミノピロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、及びまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートが好ましい。好ましい双性イオン性界面活性剤がCTFA名ココアミドプロピルベタインによって知られている脂肪酸アミド誘導体である。
【0049】
両性界面活性剤は、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はアシル基に加えて、分子中に少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの−COOH又は−SO3H基を
含有し、また内部塩を形成することが可能である界面活性化合物である。適する両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプ
ロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸を含み、それぞれアルキル基においておよそ8ないし18個の炭素原子を有する。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプ
ロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及び炭素原子数12ないし18のアシルサルコシンである。
【0050】
適する非イオン性界面活性剤は、国際公開第00/10519号パンフレット、特に45頁11行ないし50頁12行に記載される。非イオン性界面活性剤は、親水基として、例えばポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基又はポリオール及びポリグリコールエーテル基の組み合わせを含有する。そのような化合物は、例えば下記のものである。
−2ないし30モルの酸化エチレン及び/又は0ないし5モルの酸化プロピレンと8ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコールとの、12ないし22個の炭素原子を有する脂肪酸との及びアルキル基において8ないし15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、
−1ないし30モルの酸化エチレンとグリセロールとの付加生成物の炭素原子数12ないし22の脂肪酸モノ−及びジエステル、
−炭素原子数8ないし22のアルキル−モノ−及び−オリゴ−グルコシド並びにそのエトキシ化類似体、
−5ないし60モルの酸化エチレンとひまし油及び水素化ひまし油との付加生成物、
−酸化エチレンとソルビタン脂肪酸エステルとの付加生成物、
−酸化エチレンと脂肪酸アルカノールアミドとの付加生成物。
【0051】
酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンと脂肪アルコールの付加生成物又はそのような付加生成物の誘導体である界面活性剤は、“通常の”同族体分布を有する生成物であるか、又は制限された同族体分布を有する生成物であり得る。“通常の”同族体分布は、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属ヒドロキシド又はアルカリ金属アルコレートを用いた脂肪アルコール及び酸化アルキレンの反応において得られる同族体の混合物である。他方で、制限された同族体分布は、例えば、ハイドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ金属塩、酸化アルカリ金属、ヒドロキシド又はアルコラートが触媒として使用される場合に得られる。
制限された同族体分布を有する生成物の使用が好ましいだろう。
【0052】
本発明に従う染色組成物において使用し得るカチオン性界面活性剤の例は、特に第四級アンモニウム化合物である。アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリドのようなハロゲン化アンモニウム、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチ
ルメチルアンモニウムクロリドが好ましい。本発明に従い使用し得る更なるカチオン性界面活性剤は、四級化蛋白加水分解物である。
また、適するのはカチオン性シリコーン油、例えば商業上入手可能な製品Q2−7224(製造元:ダウコーニング社;安定化トリメチルシリルアモジメチコン)、ダウコーニング929エマルジョン(ヒドロキシルアミノ変性シリコーンを含み、アモジメチコーンとも称される)、SM−2059(製造元:ゼネラルエレクトリック社)、SLM−55067(製造元:ワッカー社)及びまたアビル(登録商標:Abil)−クアット3270及び3272(製造元:Th.ゴールドシュミット社;ジ第4級ポリジメチルシロキサン、クオタニウム−80)、又は国際公開第00/12057号パンフレット、特に45頁9行ないし55頁2行に記載されるシリコーンである。
【0053】
アルキルアミドアミン、特に脂肪酸アミドアミン、例えばテゴアミド(登録商標:Tego Amid)の名のもと入手可能なステアリルアミドプロピルジメチルアミンがまた本発明の染色組成物における界面活性剤として好ましい。それらは、優れたコンディショニング作用だけでなく、特にそれらの優れた生分解性によって区別される。
【0054】
第四級エステル化合物、いわゆる“エステルクアッツ(esterquats)”、例えば登録商標ステパンテックス(登録商標:Stepantex)のもと市販されているメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェートもまた、非常に容易に生分解可能である。
カチオン性界面活性剤として使用し得る第四級糖誘導体の例は、CTFA名“ラウリルメチルグルセス−10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド”である商品グルクアット(登録商標:Gluquat)100である。
【0055】
界面活性剤として使用されるアルキル基含有化合物は単一物質であり得るが、植物又は動物由来の天然材料の使用は一般にそのような物質の調製において好ましく、その結果得られる物質混合物は、使用される特定の出発原料に従い異なるアルキル鎖長を有する。
【0056】
式(1)で表される染料は、有機材料、好ましくはケラチン含有繊維の染色のために適する。
本発明のさらに好ましい態様は、式(1)で表されるスルフィド染料を用いてケラチン含有繊維を処理する方法に関する。
該方法は、還元剤の存在下、髪を処理することを含む。
【0057】
好ましい還元剤は、例えばチオグリコール酸又はその塩、グリセリンモノチオグリコレート、システイン、ホモシステイン、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエチルアミン、チオ乳酸及びその塩、チオグリセリン、亜硫酸ナトリウム、ジチオナイト、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ヒドロキノン又はホスフィットである。
【0058】
加えて、本発明は以下の方法に関する。
a.ケラチン含有繊維を式(1)で表される化合物で処理する工程、
b.望ましい期間で着色した毛髪を保持する工程、
c.染料分子を、毛髪繊維から解離させるために染料分子と毛髪繊維表面の間の−S−S−結合を破断可能な還元剤含有水溶性ベースの色除去組成物と毛髪を接触させることによって毛髪から前記a)工程で適用された色を脱色する工程。
【0059】
さらに、本発明は毛髪を
a)還元剤、及び
b)上記に記載されているように式(1)で表される少なくとも1種の単一スルフィド染
料、及び所望により
c)酸化剤で
毛髪を処理することからなる方法に関する。
一連の反応段階は一般に重要ではなく;還元剤が最初又は最後の工程に適用し得る。
【0060】
毛髪を処理する方法は、
1)式(1)で表される少なくとも1種の単一染料で、及び
1)次に還元剤で、又は
毛髪を処理することを含む方法は、
2)還元剤で、及び
2)次に上記に記載されているように、式(1)で表される少なくとも1種の単一スル
フィド染料で
毛髪を処理することからなる方法が好ましい。
【0061】
本発明においては毛髪が
a)還元剤と、
b)次に式(1)で表される少なくとも1種の染料と、及び
c)次に酸化剤
と接触することからなる方法がさらに好ましい。
【0062】
本発明の更なる方法は、毛髪を
a)式(1)で表される少なくとも1種の単一染料で、
b)そして還元剤で、及び
c)次に酸化剤で
処理することを含む。
【0063】
通常、酸化剤は酸又は塩基とともに適用される。
酸は、例えばクエン酸、リン酸又は酒石酸である。
塩基は、例えば水酸化ナトリウム、アンモニア及びモノエタノールアミンである。
通常、染色組成物は50ないし100gの量でケラチン含有繊維に適用される。
式(1)で表される染料は、毛髪の全ての染色、すなわち毛髪を最初の機会に染色するとき、及びまた次の再染色のために、又は毛髪の房又は部分の染色に適する。
式(1)で表される染料は、例えば手、くし、ブラシ、又は瓶、又はくし又はノズルと組み合わされた瓶を用いたマッサージによって適用される。
本発明に従う染色のための方法において、染色が更なる染料の存在下行われるか否かは望ましい色の色調に依存するであろう。
ケラチン含有繊維を少なくとも1種の式(1)で表される染料、塩基及び酸化剤で処理することを含むケラチン含有繊維を染色するための方法が更に好ましい。
【0064】
酸化染色法は、通常、淡くすることを含み、すなわちそれはケラチン含有繊維に塩基性のpHで塩基性及び水溶性の過酸化水素水溶液を適用すること、適用した混合物を毛髪上に放置すること、そして次に毛髪をすすぐことを含む。特に毛髪染色の場合、メラニンが淡色化し、そして毛髪が染色される。
メラニンを淡色化することは、灰色の毛髪の場合、及び、天然色素性毛髪の場合において色を引き立たせての統合染色を生み出す、すなわち色をより目立たせる有利な効果を有する。
【0065】
一般に、酸化剤含有組成物は15ないし45℃で、通常30ないし200gの量で0ないし15分間、特に0ないし5分間繊維上にそのままにされる。
酸化剤は例えば、過硫酸塩又は希釈過酸化水素溶液、過酸化水素エマルジョン又は過酸
化水素ジェル、アルカリ土類金属過酸化物、有機過酸化物、例えば過酸化尿素、過酸化メラミンであり、又はアルカリ金属ブロメート固定剤はまた半永久的な、直接ヘア染料のベースである色調パウダーが使用される場合でも適用できる。
さらに好ましい酸化剤は、
−国際公開第97/20545号明細書、特に9頁、5行ないし9行に記載されるような明るい着色を得るための酸化剤、
−独国特許出願公開第19713698号明細書、特に4頁、52行ないし55行並びに60行及び61行、又は欧州特許出願公開第1062940号明細書、特に6頁、41行ないし47行に記載(及び国際公開第99/40985号パンフレットに同等)されるような永久的なウェーブ固定溶液の形態にある酸化剤
である。
最も好ましい酸化剤は過酸化水素であり、好ましくは相当する組成物の約2ないし30質量%、より好ましくは約3ないし20質量%、及び最も好ましくは6ないし12質量%の濃度で使用される。
前記酸化剤は本発明に従う染色組成物において、総染色組成物に基づき、好ましくは0.01%ないし6%、特に0.01%ないし1%の量で存在し得る。
一般に、酸化剤を用いた染色は塩基、例えばアンモニア、アルカリ金属カーボネート、土類金属(カリウム又はリチウム)カーボネート、モノ−、ジ−又はトリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、アルカリ金属(ナトリウム)の水酸化物、土類金属水酸化物又は式
【化13】

(式中、RはOH又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換し得るプロピレン残基を表し、
3、R4、R5及びR6は互いに独立して又は従属して水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はヒドロキシ−(炭素原子数1ないし4)アルキル基を表す。)で表される化合物の存在下で行われる。
酸化剤含有組成物のpH値は、通常約2ないし7、及び特に約2ないし5である。
【0066】
式(1)で表される染料を含む配合物をケラチン含有繊維、好ましくは毛髪に適用する1つの好ましい方法は、例えば国際公開第97/20545号パンフレット、4頁、19行ないし27行に記載される多区画染色装置又は“キット”又はあらゆる他の多区画梱包系を使用することによる。
最初の区画は、例えば少なくとも1種の式(1)で表される染料、及び所望により更なる直接染料及び塩基性化剤、及び2つ目の区画において酸化剤;又は最初の区画において少なくとも1種の式(1)で表される染料及び所望により更なる直接染料、2つ目の区画において塩基性化剤及び3つ目の区画において酸化剤を含有する。
【0067】
一般に毛髪は染色溶液及び/又はパーマネントウェーブ溶液で処理した後にすすがれる。
【0068】
本発明の更なる好ましい態様は、酸化染料で毛髪を染色する方法であって、該方法が
a.少なくとも1種の式(1)で表される染料及び所望により少なくとも1種のカップラー化合物及び少なくとも1種の顕色剤化合物、及び所望により少なくとも1種の更なる染料を含有する酸化剤を混合する工程、及び
b.ケラチン含有繊維を工程aにおいて調製される混合物と接触する工程
を含む。
【0069】
酸化剤を含まない組成物のpH値は、通常3ないし11、及び特に5ないし10、及び最も特に約9ないし10である。
【0070】
好ましくは、すぐに使用できる組成物は、一方では、染色のために適する媒体において、特にパラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン、及びそのそれらの酸付加塩から選ばれる少なくとも1種の顕色剤化合物、特にメタ−フェニレンアジミン及びその酸付加塩から選ばれる少なくとも1種のカップラー、並びに少なくとも1種の式(1)で表される染料を含む組成物(A)、他方では染色のために適する媒体において、少なくとも1種の酸化剤を含有する組成物(B)を別々に保存する準備工程並びに(A)及び(B)の混合物をケラチン含有繊維に適用する直前に(A)及び(B)を混合する工程を含む方法により、第一の好ましい態様に従い調製される。
すぐに使用できる染料組成物の調製のための第二の好ましい態様によれば、一方で該方法は染色のために適する媒体において、特にパラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン、及びそのそれらの酸付加塩から選ばれる少なくとも1種の顕色剤化合物、特にメタ−フェニレンアジミン及びその酸付加塩から選ばれる少なくとも1種のカップラー化合物を含む組成物(A);他方では染色のために適する媒体において、少なくとも1種の式(1)で表される染料を含む組成物(A’)、及び最後に染色のために適する媒体において、上記で定義される通りの少なくとも1種の酸化剤を別々に保存する準備工程、並びにその後この混合物をケラチン含有繊維に適用する直前の時間にそれらを一緒に混合する工程を含む方法である。
【0071】
この第二の態様に従い使用される組成物(A’)は、所望により粉体形態、この場合、式(1)で表される染料(自体)が組成物(A’)の全てであるか、又は所望により有機及び/又は無機腑形剤中に分散され得る。
前記組成物(A’)中に存在する場合、有機付形剤は合成又は天然由来のものであり得、及び特に架橋及び未架橋合成ポリマー、セルロース及び変性又は未変性の澱粉のようなポリサッカリド、並びに大鋸屑及び植物ゴム(グァーガム、カロブガム(carob gum)、キサンタンガム等)のような天然物から選ばれる。
前記組成物(A’)中に存在する場合、無機腑形剤は酸化チタニウム、酸化アルミニウム、カオリン、タルク、シリケート、マイカ及びシリカのような金属酸化物を含有し得る。
本発明に従う染色組成物において非常に適する腑形剤は、大鋸屑である。
粉末状組成物(A’)は、また好ましくは組成物(A’)の総質量に関しておよそ約3質量%を超えない量でバインダ又は被膜生成物を含有し得る。それらのバインダは、好ましくは無機、合成、動物又は植物由来の油及び液体脂肪物質から選ばれる。
【0072】
さらに、本発明は式(1)で表される染料と自己酸化化合物及び所望により更なる染料とのケラチン含有繊維の染色方法に関する。
【0073】
さらに、本発明は式(1)で表される染料及び末端閉鎖されたジアゾ化化合物を用いてケラチン含有繊維の染色のための方法であって、該方法は
a.少なくとも1種の末端閉鎖されたジアゾ化化合物及びカップラー化合物、及び所望により顕色剤化合物、及び所望により酸化剤を用いて、及び所望により更なる染料の存在下で、及び所望により少なくとも1種の式(1)で表される染料を用いてアルカリ条件下ケラチン含有繊維を処理する工程;及び
b.酸、所望により更なる染料の存在下で、及び所望により少なくとも1種の式(1)で表される染料を用いた処理によって6ないし2の範囲にpHを調整する工程を含むが、但
し、少なくとも工程a.又はb.の1つにおいて少なくとも1種の式(1)で表される染料が存在する方法に関する。
【0074】
末端閉鎖されたジアゾ化化合物及びカップラー化合物及び所望により酸化剤及び顕色剤化合物は、連続するあらゆる望ましい順序、又は、同時に適用し得る。
好ましくは、末端閉鎖されたジアゾ化化合物及びカップラー化合物は、単一組成物中で同時に適用される。
“アルカリ条件”は、塩基、例えば炭酸ナトリウム、アンモニア又は水酸化ナトリウムの添加によって達成される、8ないし10、好ましくは9ないし10、特に9.5ないし10の範囲のpHを示す。
塩基は毛髪、染料前駆物質、末端閉鎖されたジアゾ化化合物及び/又は水溶性カップラー成分に、又は染料前駆物質を含む染色組成物に加えられ得る。
酸は、例えば酒石酸又はクエン酸、クエン酸ジェル、所望により酸染料を含む適する緩衝液である。
最初の工程において適用されるアルカリ性染色組成物の量と第二の工程において適用される酸性染料組成物の量の比は、好ましくは約1:3ないし3:1、特に約1:1である。
【0075】
さらに、本発明はケラチン含有繊維を式(1)で表される染料及び少なくとも1種の酸性染料を用いて染色するための方法に関する。
【実施例】
【0076】
下記の実施例は、それに方法を限定することなく染色のための方法を説明する。特に定めがない限り、部及びパーセンテージは質量に関する。特定された染料の量は着色される物質に関連する。
【0077】
実施例A−新規化合物の調製
実施例1:式
【化14】

で表される化合物の調製

4−クロロ−3,5−ジニトロ安息香酸2.0g(8.1mmol)をアセトン6mL中に入れた。H2O10mL中に溶解しているシステアミンヒドロクロリド0.092g
(8.1mmol)を、結果として生じた溶液に加えた。この混合物のpH値を10N水酸化ナトリウムで9に調整した。該反応溶液を、窒素雰囲気下室温で攪拌した。pH値を10N水酸化ナトリウムの添加による明確な間隔で調整し、及び9に調整した。6時間の反応後、該混合物を2NのHClで酸性にし、そして沈殿物を濾取した。濾過ケーキをHCl(10N)で、そして次に蒸留水で洗浄した。
固体を水/アセトンから再結晶化させた。
黄−オレンジ固体1.5gを得た。
Mp:253−255℃。
【0078】
実施例2:式
【化15】

で表される化合物の調製

シスタミンジヒドロクロリド5.66g(25.2mmol)を、ジメチルスルホキシド40mL中に入れた。炭酸水素ナトリウム8.46g(100.8)を段階的に加えた。次に、ジメチルスルホキシド100mLに溶解した4−フルオロ−3−ニトロフェニルアセトアミド10.0g(50.4mmol)を、45℃で滴下添加した。該反応混合物を80℃で7時間攪拌し、そして室温まで冷却した。反応混合物を水/氷の混合物上に置き、そして濃縮HClの添加によってpH3に調整した。
結果として生じた沈殿物を濾取し、数回水で洗浄し、そして真空で乾燥した。
赤色染料12.4g(97%)を得た。
Mp:199−201℃。
【0079】
実施例3:式
【化16】

で表される化合物の調製
ジ2−[4−アセトアミノ−2−ニトロフェニル]エチルジスルフィド5.00g(9.8mmol)を20%の塩酸50mL中に入れた。
得られた懸濁液を4時間還流したところ、反応混合物の色が赤からオレンジに変わる。
次に異種反応混合物を室温まで冷却し、及びpHを20%のNaOHで4に調整した。
沈殿物を濾取し、そして10%の炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、そして次に水で中和した。
バイオレット染料3.5g(84%)を得た。
Mp.:193−195℃
【0080】
実施例4:式
【化17】

で表される化合物の調製
a.4−フルオロ−3−ニトロフェニルアセトアミド20g、炭酸カリウム8.48g及びN,N−ジメチル−エチレンジアミン9.07gを、ジメチルスルホキシド50mL中に溶解した。該反応混合物を80℃で3日間攪拌し、そして次に室温まで冷却した。その結果生じた懸濁液を氷300mLに注ぎ、そして濾過した。集められた固体を60℃で一晩真空乾燥し、赤色粉末23.79gを得た。

MS(ES−):m/z265(M−1)。UV/VIS[nm](水):λ最大458
【化18】

b.式(104a)で表される化合物34g及び(2−ヒドロキシエチル)−ジスルフィドのビス(トルオスルホネート)(RN69981−39−1;Delacroix et al.,Bull.Soc.Chim.フランス(1978年)、(9−10、パート2)、481−4頁において記載されるように調製される)をNMP80mL中で懸濁し、そして45℃で3日間攪拌した。次に第三ブチルメチルエーテル1Lを反応混合物にゆっくり加え、そして結果として生じた沈殿物を濾過により回収した。次に粗生成物をエタノール200mL中に再溶解し、そして第三ブチルメチルエーテル150mLの添加により再沈殿した。固体を濾過により回収し、真空下で乾燥し、そして式(104)で表される化合物に相当するオレンジ色の粉末22.6gを得た。

MS(ES+):m/z326(M2+)、UV/VIS[nm](水):λ最大466。
【0081】
実施例B/応用例
下記の応用例において下記に与えられた定義の範囲内の組成物が使用される:

溶液1(パーマネントローション、pH8.2):
水、アンモニウムチオグレコレート、アンモニウムビカルボネート、エトキシジグリコ
ール、ヘキシレングリコール、チオグリコール酸;チオ乳酸、PEG−60水素化ひまし油、グリシン、エチドロン酸、イソセテス−20、ポリシリコーン−9、スチレン/PVPコポリマー、トリデセス−12、アモジメチコーン、セトリモニウムクロリド、水酸化アンモニウム、ポリクオタニウム−6、イソプロピルアルコール、変性アルコール、シメチコーン、パルファム

溶液2(パーマネント固定剤、pH3.9):
水、過酸化水素、プロピレングリコール、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦蛋白質、PEG−5コカミド、ココアンホ酢酸ナトリウム、ポリクオタニウム−35、ココベタイン、アセトアミノフェン、リン酸、塩化ナトリウム、パルファム
をベースとする

溶液3(染色溶液):
染料0.1%を、クエン酸又はモノエタノールアミンを用いてpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(ヘンケル社製、プランタケア200UP)の10%溶液中に溶解した。
【0082】
実施例B1:
式(104)で表される化合物0.1%を含む溶液3を、乾いた毛髪(金髪2試料、中程度の金髪2試料及び傷んだ毛髪の房2試料)に室温で適用し、そして室温で20分間そのまま放置した。
次に、該房を水道水下(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5ないし6L/分)です
すぎ、そして12時間乾燥した。
【表6】

【0083】
実施例B2:
溶液1(パーマネントローション)を、シャンプーした毛髪(金髪2試料、中程度の金髪2試料及び2つの傷んだ毛髪の房2試料)に室温で適用し、そして10分間そのまま放置した。次に該房を水道水下(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5ないし6L/分)
ですすぎ、タオルドライした房を式(104)で表される化合物を含む着色物質溶液0.1質量%で処理して20分間放置し、そして次に水道水下(水温:37℃+/−1℃;水流:5ないし6L/分)ですすいだ。次にタオルドライした房を室温で溶液2(パーマネ
ント固定剤)で処理し、そして10分間そのまま放置した。
次に該房を水道水下(水温:37℃+/−1℃;水流:5ないし6L/分)ですすぎ、
そして室温で12時間乾燥した。
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン含有繊維を染色する方法であって、該繊維を少なくとも1種の式
【化1】

で表されるスルフィド染料、それらの塩、異性体、水和物及び他の溶媒和化合物で処理することを含み
[上記式中、
1、R2、R3は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ
−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し
得る、炭素原子数1ないし20のアルキル基又は炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル
基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数
1ないし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基;又は
式(1a)−NR45
(式中、R4及びR5は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ヒドロキシ基又は−(CO)−Hによって置換し得る、炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル基部分が1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ない
し5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2、カ
ルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基;又は式
【化2】

で表される基を表す。)で表される基を表し;
少なくとも基R1、R2又はR3の1つはNO2を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;
1は、直接結合;
【化3】

又は飽和、芳香族もしくは複素環式芳香族基のカチオン性二価基を表し;
1は、−C(O)−;−−C(O)O−;−OCO−;−N(R6)−X2−;−CON
(R6)−;−(R6)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;又は−S(O)2
−を表し;
1及びX2は、互いに独立して、直接結合;炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;及び
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基
;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
mは1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子;又はmが2を表す場合、直接結合を表す。]、但し
該方法は毛髪と蛋白質ジスルフィドイソメラーゼ(EC5.3.4.1)型の酵素とを接触することを含まない方法。
【請求項2】
前記式中、Y1が炭素原子数1ないし10のアルキレン基;又は炭素原子数5ないし10
のシクロアルキレン基を表す、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記式中、Y1が炭素原子数1ないし5のアルキレン基を表す、請求項1又は請求項2記
載の方法。
【請求項4】
前記式中、R1、R2及びR3が、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20の
アルキル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;NO2;又は
式(1a)−NR45
(式中、R4及びR5は互いに独立して、水素原子;又は1つ以上のヒドロキシ基によって置換し得る、炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)H;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、−NH2
、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2、カルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基を
表す。)で表される基を表す、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記式中、R1、R2及びR3が、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし5のア
ルキル基;NO2;又は
式(1a)−NR45
(式中、R4及びR5は互いに独立して、水素原子;−(CO)H;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;又は−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表す。)で表される基を表す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記式中、R1、R2及びR3が、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし5のア
ルキル基:NO2;−NH(CO)−CH3;又は−C(O)OHを表す、請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記式中、Z1が直接結合;又は
【化4】

(式中、R7及びR8は請求項1において定義される通りである。)を表す、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記式中、mが2を表す、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】

【化5】

(式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし5のアル
キル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;NO2;又は−NH(CO)−
CH3を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数5ないし10のアルキレン)基を表し;
Xは、直接結合;又は炭素原子数1ないし5のアルキレン基を表し;
1は、直接結合;又は
【化6】

を表し;及び
7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表す。)で表される化合物が使用される、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記式(2)において、
1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子;NO2;NH2;カルボキシ基;−C(
O)OH;又は−NH(CO)−CH3を表し;
1は、炭素原子数1ないし5のアルキレン基を表し;
1は、直接結合;又は
【化7】

を表し;及び
7及びR8は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表す、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記染色が還元剤の存在下行われる、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記還元剤が、チオグリコール酸又はその塩、グリセリンモノチオグリコレート、システイン、ホモシステイン、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエチルアミン、チオ乳酸及びその塩、チオグリセリン、亜硫酸ナトリウム、ジチオナイト、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ヒドロキノン及びホスフィットから選ばれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ケラチン含有繊維を、
a)所望により還元剤で、及び
b)少なくとも1種の請求項1において定義される式(1)で表される単一ニトロスルフィド染料、及び
c)所望により酸化剤で
処理することを含む、請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
(a)少なくとも1種の請求項1において定義される式(1)で表される染料0.001ないし5質量%、
(b)溶媒1ないし40質量%、及び
(c)補助剤0.01ないし20質量%
を含む毛髪染色組成物。
【請求項15】
シャンプー、コンディショナー、ジェル又はエマルジョンの形態にある、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1種の請求項1において定義される式(1)で表される単一染料、及び直接染料及び/又は反応性染料を含む、請求項14又は請求項15記載の組成物。
【請求項17】

【化8】

[式中、
1、R2、R3は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ
−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し
得る、炭素原子数1ないし20のアルキル基又は炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基;−C(O)H;−C(O)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;−C(O)OH;−C(O)O−炭素原子数1ないし5のアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル
基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数
1ないし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基;又は
式(1a)−NR45
(式中、R4及びR5は互いに独立して、水素原子;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ヒドロキシ基又は−(CO)−Hによって置換し得る、炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル基部分が1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH2、モノ−炭素原子数1ない
し5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO2、カ
ルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換し得る、フェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基;又は式
【化9】

で表される基を表す。)で表される基を表し;
少なくとも基R1、R2又はR3の1つはNO2を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;
1は、直接結合;
【化10】

又は飽和、芳香族もしくは複素環式芳香族基のカチオン性二価基を表し;
1は、−C(O)−;−−C(O)O−;−OCO−;−N(R6)−X2−;−CON
(R6)−;−(R6)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;又は−S(O)2
−を表し;
1及びX2は、互いに独立して、直接結合;炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;及び
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基
;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
mは1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子;又はmが2を表す場合、直接結合を表す。]で表さ
れる化合物。


【公表番号】特表2008−546734(P2008−546734A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517466(P2008−517466)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063181
【国際公開番号】WO2006/136518
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】