説明

ネットワーク対応オフィスデスク及びシステム

【課題】オフィスデスクの配置換えに伴うデスク位置やその在席状況を確認可能なオフィスデスク及びシステムを提供する。
【解決手段】脚部のIDリーダにより読み取ったフロアカーペットやフロア自体に取り付けられたIDチップのID情報をネットワーク上の管理サーバへ送出することでオフィス内でのデスクの設置、増設、移設の際の位置管理を自動化する事を可能とする。さらに、天板上のIDリーダにより利用者固有のID情報を読み取り、ネットワーク上の管理サーバへ送出し、先に送付されているオフィス内のデスクレイアウト情報と関連付けされる事で利用者のオフィス内の着席場所、在席情報の検出をリアルタイムに自動化する事を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク接続機能を有するオフィスデスク及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオフィスデスクは、パーソナルコンピュータをネットワークに接続するためのLAN対応型が一般的である。
スイッチと接続して利用する情報コンセントとしてのLAN接続コネクタのみを有したオフィスデスクが一般的であり、
【特許文献1】特開平7−59130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のオフィスデスクでは、デスクの設置位置をオフィス内のレイアウト情報と自動で関連付けることが出来ず、デスクのレイアウト変更毎に人手で管理を行うために手間がかかるといった課題があった。さらにデスクのレイアウト情報と、デスク利用者の在席状況を自動で関連付ける事ができないため、オフィス内の在席状況を確認するために手間がかかるという課題があった。
本発明は、かかる課題を解消し、オフィスデスクの配置換えに伴うデスク位置やその在席状況を確認可能なオフィスデスク及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を達成するため、本発明は、オフィスデスクの例えば脚部にIDリーダを設け、フロアの例えばカーペットやフロア自体に取り付けられたIDチップのID情報の読み取り、該情報をネット上の管理装置へ送信可能する構成とした。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、フロア内に予め設置されたIDチップの情報をオフィスデスクのIDリーダで読み取り、デスクのユニークなコードとともに管理サーバへネットワークを介して情報を送信する仕組みを有する事で、デスクの新設、増設、移動にともなうレイアウト管理を自動化し管理の簡単化を実現できる。
さらに、デスクのレイアウト管理がなされている上で、デスクの天板上のIDリーダからデスク利用者のID情報を読み取り管理サーバへ送信することで、デスクのレイアウト情報とともに管理サーバ側での利用者の着座位置特定を自動化できる。これは、あらかじめ着席するデスクが固定化されていないフリーアドレス化されたオフィスでの在席管理の簡単化を図る事が可能となる
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施例について説明する。まず、従来には、オフィスデスク自体にIDリーダおよびデスク固有のコードを付加したデータをネットワーク上へ送出する機能を有するLANインタフェースを有したオフィスデスクは無かった。さらに、フロアへのデスクの新設、増設、移動にともなうレイアウト管理に関して、レイアウト管理を自動化するための仕組みを有するオフィスデスクは無かった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みなされたものである。本発明のオフィスデスクは、フロアカーペット内などフロア内に予め設置されたIDチップのIDを読取るIDリーダをデスクの脚部へ備えており、デスク内部にはデスク固有のコードを記録可能なメモリと、脚部IDリーダで読取ったフロア上のIDとデスク固有のコードを合わせてデータ化するデータ化処理部、さらにネットワークへ送信するためのLANコントローラおよびネットワークと接続するためのLANポートから構成される。これによりフロア上のどの位置にどのデスクが設置されたかを特定できるデータを管理サーバへ送出する事が可能となり、管理サーバ側での設置場所管理の自動化を実現できる。
【0008】
また、本発明のオフィスデスクは、デスクの天板にもIDリーダを備えており、このIDリーダらによりデスク利用者が所有するIDカードのIDを読み取り、デスク固有のコードと合わせたデータをネットワークへ送出する事が可能としている。これによりデスク毎のデスク利用者を特定するためのデータを管理サーバへ送出する事が可能となり、管理サーバ側でデスク毎の利用状況、利用者の特定、管理の自動化を実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のオフィスデスクの一実施例を示すブロック構成図である。
同図において、オフィスデスク101は、フロア108内に設置されたIDチップ109のIDを読取るための脚部のIDリーダ102と、デスク利用者のIDカードを読取る天板部のIDリーダ103と、デスク固有のユニークなコードを記録するメモリ104と、メモリ104内のユニークなコードと各IDリーダから読み取ったIDを合わせてデータ化する処理部105と、データをネットワークへ送信するためにパケット化するLANコントローラ106と、ネットワークと接続するためのLANポート107とから構成されている。管理装置(管理サーバ)110は、ネットワーク上の情報を受信する受信部111と、オフィスデスク101のフロア−、例えばフロア−に敷き詰められたカーペットの位置を示すID配置情報やデスク設置位置情報・利用者ID情報等を予め格納しているメモリ部112と、受信情報とメモリ情報とを照合する照合部113と、該照合部による照合結果によってデスクの設置位置を特定する位置特定部114とを含んでいる。
【0009】
図2は本発明のオフィスデスク202、203を設置したフロアの配置図である。オフィスフロア201内の各フロアカーペット204、205にあらかじめ各固有のIDが割当てられたIDチップが設置されている場合、本発明のオフィスデスク202の脚部のIDリーダにより直下のフロアカーペット205のIDを読み取り、このIDとデスク固有のユニークなコードからなるデータを管理サーバへ送出する。管理サーバでは予め登録されたフロアカーペット内のID配列情報からオフィスデスク202のオフィス内での設置場所を特定し、管理する事が可能となる。
【0010】
図3は本発明のオフィスデスクを使用した場合のデスク設置位置検出のフローチャートである。
【0011】
同図において、(1)オフィスデスクの電源を投入(S301)の後、(2)デスクの脚部IDリーダの起動がかかりフロアカーペット内のIDチップのIDを読取る(S302)。(3)S302で読取ったIDとデスク内メモリに記録されている固有のコードをあわせて、登録用データを作成する(S303)。(4)S303で作成された登録データをパケットデータ化する(S304)。(5)パケット化されたデータをネットワークへ送出する(S305)。(6)ネットワークを介して管理サーバがパケットデータを受信する(S306)。(7)306で受信したデータと管理サーバに予め登録されているフロアカーペットのID配置情報307とを比較する(S308)。(8)該当のフロアカーペットのID配置情報位置に本発明のオフィスデスクが設置されている事になり、デスク設置位置が特定されデスク固有コードを該当のID配置情報と関連付けを行い管理サーバ内に保存する。
【0012】
図4は本発明のオフィスデスクを使用した場合の利用者着席位置検出のフローチャートである。
【0013】
同図において、(1)利用者が着席した際に利用者のIDカードを検知する(S401)。(2)天板部のIDリーダにより着席者のIDカードのIDを読み取る(S402)。(3)S402で読み取ったIDとデスク内メモリに記録されている固有のコードをあわせて、登録用データを作成する(S403)。(4)S403で作成された登録データをパケットデータ化する(S404)。(5)パケット化されたデータをネットワークへ送出(S405)。(6)ネットワークを介して管理サーバがパケットデータを受信(S406)。(7)S406で受信したデータと管理サーバに予め登録されている図3のフローチャートで登録されたデスク設置位置情報および利用者特定のID情報を比較する(S408)。S408の比較により利用者が着席しているデスクおよびデスクの設置位置が特定された結果を管理サーバに保存する。
【0014】
上記実施形態によれば、例えば利用者の着席場所が固定されていないフリーアドレスのオフィスにおいてリアルタイムに在席状況、在席場所の管理を行う事の簡単化が図れる効果を期待することができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明のオフィスデスクを利用することによりオフィス内のレイアウト変更時のデスク配置管理が自動化できるとともに、デスクの配置情報とあわせて利用者の在席状況を自動的に把握、管理する事が可能となる。特に利用者の在席位置が固定で定められていないフリーアドレスのオフィスの場合、リアルタイムに利用者の在席状況、在席場所を把握、管理する事が可能となり。これにより、フリーアドレスのオフィスで問題となりがちな業務上の取次ぎ、電話の取次ぎなどがスムーズに行う事で業務の効率化が図れる事になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のオフィスデスクのブロック図
【図2】本発明のオフィスデスクのレイアウト設置図
【図3】本発明のオフィスデスクを利用した設置位置検出フローチャート
【図4】本発明のオフィスデスクを利用者着席位置検出フローチャート
【符号の説明】
【0017】
101:オフィスデスク
102:脚部IDリーダ
103:天板部IDDリーダ
104:メモリ
105:データ化処理部
106:LANコントローラ
107:LANポート
108:オフィスフロア
109:IDチップ
201:オフィス
202、203:オフィスデスク
204、205:フロアカーペット
206:オフィスチェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID情報を含むIDチップが内蔵されたフロア−に設置されるオフィスデスクであって、上記IDチップのID情報を読み取るIDリーダと、該IDリーダより読み取ったID情報をユニークなコードを付加しフロア−位置又はオフィスデスク位置を示す情報を生成するデータ化処理部と、該データ化処理部のデータをネットワーク上のオフィスデスクを管理する装置へ送出するLANインタフェースを含むLANコントローラとを備えた事を特徴としたオフィスデスク。
【請求項2】
上記IDリーダが、上記オフィスデスクの脚部に内蔵され、上記LANインターフェースが、有線又は無線LANインターフェースである請求項1記載のオフィスデスク。
【請求項3】
上記請求項1において、上記オフィスデスクの天板上には、オフィスデスク利用者のID情報を読み取るIDリーダを有し、該天板上のIDリーダにより利用者固有のIDカード又はIDタグのID情報を読み取り、上記データ化処理部が、上記読み取り情報に上記ユニークなコードを付加して利用者のオフィス内の着席場所情報を生成して上記LANコントローラを介してネットワーク上へ送出する事を特徴としたオフィスデスク。
【請求項4】
ID情報を含むIDチップが内蔵されたフロア−に設置されるオフィスデスクと、オフィスデスク設置位置を特定する管理装置と、オフィスデスクと管理装置とを接続するネットワークとからなり、オフィスデスクが、上記IDチップのID情報を読み取るIDリーダと、該IDリーダより読み取ったID情報をユニークなコードを付加しフロア−位置又はオフィスデスク位置を示す情報を生成するデータ化処理部と、該データ化処理部のデータをネットワーク上へ送出するLANインタフェースを含むLANコントローラとを含み、管理装置が、上記ネットワーク上のデータを受信する受信部と、予めフロア−のID配置情報又はデスク設置位置情報を記憶してあるメモリ部と、上記受信情報と上記メモリ部の情報とを照合する照合部と、該照合結果をもってデスク設置位置を特定する位置特定部を含む、オフィスデスク設置位置特定システム。
【請求項5】
請求項4において、さらにオフィスデスクの天板上にIDにより利用者固有のID情報を読み取るIDリーダを設け、該ID情報をネットワーク上の上記管理装置のサーバへ送出することで利用者のオフィス内の着席場所情報をリアルタイムに自動検出可能する事を特徴とするオフィスデスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−317041(P2007−317041A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147576(P2006−147576)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】