ネットワーク装置、ネットワーク装置の制御方法、及び、プログラム
【課題】ホストとなる端末装置の稼動状況に応じ、柔軟に、ネットワーク装置に対する電力を停止して、ユーザ環境において消費される電力量を削減すること。
【解決手段】ネットワーク装置(MFP)のCPU301は、一定期間に受信したパケットに基づいて、複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントし、該カウントされた端末装置の数が有効ホスト数閾値(Th)を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する構成を特徴とする。
【解決手段】ネットワーク装置(MFP)のCPU301は、一定期間に受信したパケットに基づいて、複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントし、該カウントされた端末装置の数が有効ホスト数閾値(Th)を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する構成を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置の電源制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりもあり、稼動中でない場合に、機器の不要な部分に対する電力供給を停止する省電力モードを有する機器が一般的となっている。
ただ、省電力状態にあるといっても、再度稼動状態に復帰するために必要な部分に対する電力供給は行っているのが一般的であり、完全に電力消費が停止しているわけではない。
【0003】
つまり、上記省電力モードは再度使用されることを想定し、消費電力の少ない状態に移行する。ユーザによる使用が長時間ない場合、機器に対する電力を停止した方が、より環境に対する負荷が小さくなるといえる。
これに対し、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、ネットワーク上にパケットを送出し、有効なホストが存在しない場合に、機器への電源供給を停止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−25757号公報
【特許文献2】特開2002−63006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、一般的なオフィスにおいて、パーソナルコンピュータ(以下、PC)や印刷装置等のオフィス機器は、ユーザとなる社員が帰宅した際などオフィスに不在の際には、使用するユーザがいない状態となる。
【0006】
基本的にPCは使用ユーザが限られるため、帰宅時に電源をオフする処理を使用するユーザ自身が実行する。
しかし、ネットワークに接続可能な印刷装置は、複数のユーザから共有して使用されることが一般的である。このため、ユーザとなる社員が帰宅などをし、オフィスに使用するユーザがいない状態であっても、電源をオフされないままであることが多く、無駄な電力が消費されてしまっている。
【0007】
また、特許文献1及び特許文献2に記載の従来技術では、多くのユーザから共有される状態となっている機器において、1台でもユーザがいた際には、機器に対する電源をオフすることができない。
つまり、PCの電源をオフし忘れたまま帰宅したユーザがいた際には、無駄な電力を消費することになってしまう。多くのユーザにより使用される印刷装置の場合、全てのユーザがPCの電源を落としていくことは現実的とはいえない。
【0008】
また、企業の規模が大きくなると、ユーザも多くなり、共有となる印刷装置を複数台保有することも考えられる。このような複数台機器を保有する環境においては、ユーザが減少していくのに応じて、稼動する機器を減少させることが望まれる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、ホストとなる端末装置の稼動状況に応じ、柔軟に、ネットワーク装置に対する電力を停止することが可能となる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置であって、前記複数の端末装置からパケットを受信する受信手段と、前記受信手段が一定期間に受信したパケットに基づいて、前記複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する制御手段と、前記所定の閾値を設定する閾値設定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホストとなる端末装置の稼動状況に応じ、柔軟に、ネットワーク装置に対する電力を停止することが可能となり、ユーザ環境において消費される電力量を削減することが可能となる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ネットワーク装置を適用可能な印刷装置(MFP)のブロック図である。
【図2】図1に示した操作部40の構成の一例を示す平面図である。
【図3】図1のMFPを適用したネットワークシステムの構成を示す図である。
【図4】図3のMFP1の内部にて保有するホストIPリストを示す図である。
【図5】ホストIPリストの変化を示した図である。
【図6】ホストIPカウント処理を示すフローチャートである。
【図7】主電源制御処理を示すフローチャートである。
【図8】時間帯毎に有効ホスト数閾値(Th)を設定した例を示す図である。
【図9】有効ホスト数閾値変更処理を示すフローチャートである。
【図10】起動時の処理を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態のネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
【図12】第2実施形態の監視印刷装置登録画面の表示例を示した図である。
【図13】スレーブ確認処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】登録スレーブリストの追加又は編集処理を示すフローチャートである。
【図15】第2実施形態の監視印刷装置入力画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
[構成]
図1は、本発明の一実施形態を示すネットワーク装置を適用可能な印刷装置の一例を示すMFP(Multi Function Printer)の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1において、10はスキャナ部であり、ユーザにより置かれた原稿を読み取り画像データを生成する画像読取部である。スキャナ部10は、例えば、ハロゲンランプから構成される原稿照明ランプにより、原稿台ガラスに載置された原稿を露光し、原稿からの反射光をCCDセンサにて受光し、画像信号として出力する。
プリンタ部20は、画像データに基づいて感光体を露光して静電潜像を形成し、該形成された静電潜像を現像剤(トナー)により現像し、記録用紙に転写して画像を形成する画像形成部である。
なお、スキャナ部10及びプリンタ部20は、公知のプリンタやスキャナの一般的な構成や機能を備えていればよく、画像処理装置としての一般的な機能や構造について、詳細な説明は省略する。
【0015】
コントローラ部30は、画像読取デバイスであるスキャナ部10や画像形成デバイスであるプリンタ部20、ユーザインタフェースである操作部40、LANなどの外部I/Fと接続され、画像情報やデバイス情報を処理し、制御する部分である。
コントローラ部30において、CPU301は、後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラムを実行する。ROM302には、CPU301が動作するための起動プログラムや後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラムなどが記憶されている。
【0016】
RAM303は、CPU301が各種プログラムを実行する際に、ワークエリアや画像データの一時的な記憶場所である画像メモリなどとして用いられる。NVRAM304は、各種制御用パラメータを記憶する不揮発性のRAMである。
【0017】
ネットワークI/F(Network)305は、LANに接続され、電子メールの送受信やホストからのPDLデータの入出力など各種ネットワーク制御を行う。また、Network305には、NVRAM(不図示)が接続されており、MACアドレスなどNetwork305に関する各種パラメータを保持している。
【0018】
操作部I/F306は、後述する操作部40との通信を行うI/Fである。スキャナ・プリンタ通信I/F307は、前述のスキャナ部10およびプリンタ部20のCPU301と通信を行うためのI/F部である。
【0019】
電源制御I/F308は、CPU301からの命令により、電源制御部50に対し、各種電源の停止を指示する。タイマ部309は、内部にて現在時刻を保持したり、設定された時間が経過したかどうかを監視したりする。以上のデバイスがシステムバス300上に配置される。
【0020】
イメージバスインタフェース(ImageBus I/F)310は、システムバス300と画像信号を転送する画像バス311を接続するブリッジである。
画像バス311には、以下のブロックが配置される。画像圧縮部312は、JPEG、JBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。画像回転部313は、画像データの回転処理を行う。ラスターイメージプロセッサ(RIP)部314は、PDLコードをビットマップのラスターイメージに展開する。
【0021】
スキャナI/F部315は、スキャナ部10からの入力データに対し、補正、加工、編集などスキャナ用の画像処理を行う。プリンタI/F部316では、プリント出力用画像データに対し、プリンタの補正、解像度変換など、プリンタ用の画像処理を行い、プリンタ部20に、印刷データを転送する。以上、コントローラ部30の説明を終了する。
【0022】
電源制御部50は、商用電源から入力されるAC電源から各種DC電源を生成し、コントローラ部30の電源制御I/F308からの指示に応じ、スキャナ部10、プリンタ部20、コントローラ部30、操作部40へ電源供給を行う。
【0023】
図2は、図1に示した操作部40の構成の一例を示す平面図である。
図2に示すように、操作部40は、ユーザからの入力を受ける各種キー入力部として、ON/OFFキー402、スタートキー403、テンキー404、設定キー405などを備えている。
ON/OFFキー402は、UI表示・非表示の指示を行うためのキーである。スタートキー403は、コピー開始などの指示を行うためのキーである。テンキー404は、数字を入力するためのキーである。設定キー405は、各種設定画面へと表示を切り替えるためのキーである。
【0024】
また、操作部40は、ユーザに対する画像を表示したり、ユーザからのタッチ入力を受け付けるタッチパネル式ディスプレイ(以下、タッチパネル)401などを備えている。
【0025】
以下に、本発明の処理に関して、想定される環境における処理の概要を説明した後、各部処理についてフローチャートを用いて説明する。
図3は、本発明のネットワーク装置として図1に示したMFPを適用したネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
図3に示すように、MFP1(101)は、本発明のネットワーク装置としての印刷装置であり、図1に示した構成を有する。SFP1(102)は、単機能の印刷装置(Single Function Printer)である。MFP1(101),SFP1(102)は、ネットワークI/F305を通じ、各ホストPC(PC1〜PC5等の端末装置)と通信可能に接続されている。
【0026】
各ホストPC(PC1〜PC5等)は、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、印刷指示のパケットを送信可能である。また、Windows(登録商標)などの一般的なOS(Operating System)がインストールされたPCは、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、ステータス確認のパケットを送信している。
【0027】
MFP1(101)は、後述する図6に示すホストIPカウント処理にて、図4に示すようなホストIPリストを内部にて生成し、MFP1(101)に接続されているホストPCを管理する。
【0028】
図4は、図3に示したMFP1(101)の内部にて保有するホストIPリストの一例を示す図である。
図4に示すように、ホストIPリストは、ホストのIPアドレス(IP Adress)と、最終受信時刻(Tr)といった項目から構成される。なお、このホストIPリストは、MFP1(101)のRAM303又はNVRAM304に記憶されているものとする。
【0029】
図5は、図4に示したホストIPリストの変化を示した図である。
MFP1(101)は、一定時間毎に、後述する図7に示す主電源制御処理を実行する。この主電源制御処理では、ホストPCの電源がオフされると(図中「Zzz」で示す)、有効となるホスト数と予め機器に設定されている所定の閾値(有効ホスト数の閾値(Th))と比較を行い、所定の閾値を下回った際に、MFP1(101)の主電源をオフする制御(主電源OFF制御)を行う。
【0030】
この際、MFP1(101)は、上記主電源制御処理を行った時刻(Tfin)を不揮発性のメモリデバイス(NVRAM304)に保持しておく。この時刻(Tfin)は、後述する図10に示す起動時監視処理にて用いられる。
【0031】
起動時監視処理では、MFP1(101)は、起動時に上記時刻(Tfin)と現在時刻との時間差から、有効なホストPCを操作しているユーザ内に、まだ機器を使用するユーザがいるか判断する。そして、まだ機器を使用するユーザがいると判断した場合には、MFP1(101)は、上記有効ホスト数の閾値(Th)を変更する。
【0032】
[ホストIPカウント処理]
以下、図6に示すフローチャートを用い、本発明におけるホストIPカウント処理について説明する。
図6は、本発明のネットワーク装置におけるホストIPカウント処理について示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0033】
MFP1(101)のCPU301は、ステップS1001において、ネットワークから特定のパケットを受信した確認した際には(S1001でYes)、ステップS1002以降の処理を実行する。このように、全パケットに対し処理を実行する必要はなく、特定のパケットの受信状態に基づいて(特定のパケットの受信を確認した際に)ステップS1002以降の処理を実行することで本機能は達成可能である。なお、特定のパケットとは、例えば、ARP(Address Resolution Protocol)パケットやSNMP(Simple Network Management Protocol)によるホストPCからのプリンタデバイスのステータス確認パケットなどが対象となる。
【0034】
ステップS1002では、MFP1(101)のCPU301は、受信したパケットの送信元IPアドレスを取得し、ステップS1003において、該送信元IPアドレスに対して応答パケットを送信する。
【0035】
次に、ステップS1004において、MFP1(101)のCPU301は、ホストIPリスト(図4)をメモリ(RAM303)上から取得する。
次に、ステップS1005において、MFP1(101)のCPU301は、上記S1002にて確認した送信元IPアドレスが、上記S1004で取得したホストIPリストに存在するかどうかを確認する。
【0036】
そして、上記送信元IPアドレスが上記ホストIPリストに存在しないと判断した場合には(S1005でNo)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS1006において、上記ホストIPリストに上記送信元のIPアドレスを追加する。そして、ステップS1007に処理を進める。
【0037】
一方、上記送信元IPアドレスが上記ホストIPリストに存在すると判断した場合には(S1005でYes)、MFP1(101)のCPU301は、そのままステップS1007に処理を進める。
【0038】
そして、ステップS1007では、MFP1(101)のCPU301は、上記S1002にて確認した送信元IPアドレスに対応する最終受信時刻(Tr)を、上記特定のパケットを受信した時刻に更新し、本フローチャートの処理を終了する。
以上の処理により、MFP1(101)に対するホストのIPリストと最後に上記特定のパケットを受信した時刻を参照可能となる。
【0039】
[主電源制御処理]
以下、図7に示すフローチャートを用い、本発明における主電源制御処理について説明する。
図7は、本発明のネットワーク装置における主電源制御処理について示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0040】
まず、ステップS2001において、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309からの割り込みを確認し、割り込みが来ていた際にのみ、以下のS2002以降の処理を行う。なお、タイマ部309は、予め設定されているホスト監視時間(Ts)毎に上記割り込みを行うものとする。
【0041】
まず、ステップS202では、MFP1(101)のCPU301は、有効ホスト数を示す変数n(RAM303に格納される)を「0」に初期化し、ステップS2003に処理を進める。
【0042】
次に、ステップS2003では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309から現在時刻(Tc)を取得し、ステップS2003では、RAM303からホストIPリストを取得する。
【0043】
次に、ステップS2005において、MFP1(101)のCPU301は、ホストIPリストのn番目の最終受信時刻(Tr)を取得する。
次に、ステップS2006において、MFP1(101)のCPU301は、現在時刻(Tc)と最終受信時刻(Tr)との時間差(Tc−Tr)と、予め設定されNVRAM304に記憶されているホスト監視時間(Ts)とを比較する。そして、上記時間差(Tc−Tr)がホスト監視時間(Ts)を越えたと判断した場合(S2006でYes)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2008において、n番目のIPリストをホストIPリストから削除する。そして、ステップS2009に処理を進める。
【0044】
一方、上記S2006において、上記時間差(Tc−Tr)がホスト監視時間(Ts)以下であると判断した場合(S2006でNo)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2007において、変数nをインクリメントする。そして、ステップS2009に処理を進める。
【0045】
次に、ステップS2009では、MFP1(101)のCPU301は、上記S2005〜S2008の処理がホストIPリストの最後まで行われたか判定する。そして、まだホストIPリストの最後まで行われていないと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2005に処理を戻す。
【0046】
一方、上記S2009において、上記S2005〜S2008の処理がホストIPリストの最後まで行われたと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2010に処理を進める。
【0047】
次に、ステップS2010では、MFP1(101)のCPU301は、有効ホスト数閾値(Th)を取得する。なお、有効ホスト数閾値(Th)は、管理者による操作部40からの閾値設定操作により予め設定され、NVRAM304の有効ホスト数閾値記憶領域に記憶されているものとする。
【0048】
次に、ステップS2011において、MFP1(101)のCPU301は、上記S2010で取得した有効ホスト数閾値(Th)と、上記処理により得られたホストIPリストの要素数(有効ホスト数)nと比較する(有効ホスト数閾値比較処理)。
【0049】
そして、上記S2011において、ホストIPリストの要素数nが有効ホスト数閾値(Th)以上であると判断した場合には(S2011でNo)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2012に処理を進める。
【0050】
ステップS2012では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309に再度、ホスト監視時間(Ts)の設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、タイマ部309は、ここで再設定されるホスト監視時間(Ts)に基づいて、上記S2001の割り込みを行う。これにより、一定期間に、ホストIPカウント手段により、ホストIPリストに登録された、有効なホスト数をカウントすることができる。
【0051】
一方、上記S2011において、ホストIPリストの要素数nが有効ホスト数閾値(Th)を下回った(S2011でYes)と判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2013に処理を進める。
【0052】
ステップS2013では、MFP1(101)のCPU301は、機器に設定されている主電源制御開始時間(Tstart)を取得し、ステップS2014では、主電源制御終了時間(Tend)を取得する。なお、主電源制御開始時間(Tstart)及び主電源制御終了時間(Tend)は、管理者による操作部40からの期間設定操作により予め設定され、NVRAM304の期間記憶領域に記憶されているものとする。
【0053】
次に、ステップS2015において、MFP1(101)のCPU301は、上記S2003で取得した現在時刻(Tc)が、主電源制御開始時間(Tstart)から主電源制御終了時間(Tend)の間にあるか確認する。
【0054】
そして、上記S2015において、MFP1(101)のCPU301は、現在時刻(Tc)が主電源制御開始時間(Tstart)から主電源制御終了時間(Tend)の間にないと判断した場合(S2005でNo)、ステップS2012に処理を進める。そして、タイマ部309に再度タイマ設定を行い(S2012)、本フローチャートの処理を終了する。
【0055】
一方、上記S2015で、MFP1(101)のCPU301は、前記現在時刻(Tc)が主電源制御開始時間(Tstart)から主電源制御終了時間(Tend)の間にあると判断した場合(S2015でYes)、ステップS2016に処理を進める。
【0056】
ステップS2016では、MFP1(101)のCPU301は、主電源制御フラグを不揮発性メモリ(NVRAM304)にセットする(主電源制御フラグをONにして不揮発性メモリ(NVRAM304)に記憶する)。
【0057】
さらに、ステップS2017において、MFP1(101)のCPU301は、現在の時刻(Tc)(即ち主電源制御処理を行った時刻)を終了処理時間(Tfin)として不揮発性メモリ(NVRAM304)に保存する(終了時間記憶処理)。
【0058】
次に、ステップS2018において、MFP1(101)のCPU301は、MFP1(101)の電源制御部50に対して、主電源をOFFするように通知(指示)し(主電源OFF制御処理)、本フローチャートの処理を終了する。
【0059】
なお、電源制御部50は、電源制御I/F308を介してCPU301から上記の主電源をOFFする指示を受けとると、スキャナ部10、プリンタ部20、コントローラ部30、操作部40への電源供給を遮断(OFF)する。
【0060】
なお、上記フローチャートの処理では、主電源制御期間は主電源制御開始時間(Tstart)と主電源制御終了時間(Tend)のみの設定であった。しかし、図8に示すように、24時間を細かく分割し、前記有効ホスト数閾値(Th)を変更するようにすることで、電源制御と時間との関係を制御するように構成してもよい。
【0061】
図8は、本発明の実施形態のネットワーク装置において時間帯毎に有効ホスト数閾値(Th)を設定した例を示す図である。
図8に示した例では、00:00〜08:30では、有効ホスト数閾値(Th)を「20」と設定されている。また、08:30〜17:00では、有効ホスト数閾値(Th)を「0」と設定されている。また、17:00〜22:00では、有効ホスト数閾値(Th)を「10」と設定されている。また、22:00〜24:00では、有効ホスト数閾値(Th)を「20」と設定されている。このように複数の有効ホスト数閾値(Th)がそれぞれ複数の時間帯のいずれかに対応付けられて設定されている。
【0062】
このように、ユーザ数が少ないと予想される時間帯では有効ホスト数閾値(Th)を大きくし、ユーザ数が多いと予想される時間帯では有効ホスト数閾値(Th)を小さくすることにより、稼動する印刷装置の電源制御を細かく行うことができる。
【0063】
[閾値変更処理]
以下、図9に示すフローチャートを用い、本発明における有効ホスト数閾値変更処理について説明する。
【0064】
図9は、本発明のネットワーク装置における有効ホスト数閾値変更処理について示したフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0065】
MFP1(101)のCPU301は、ステップS3001において、有効ホスト数閾値(Th)の変更要求を確認した際には(S3001でYes)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS3002以降の処理を実行する。
【0066】
なお、有効ホスト数閾値(Th)の変更要求(設定要求)は、MFP1(101)の操作部40で設定キー405を押下することにより、操作部40のタッチパネル401に表示される変更画面から行うことができる。この変更画面により、閾値を設定変更することができる。なお、図8に示したような、時間帯毎の閾値を有する構成の場合、この変更画面により、時間帯(開始時刻及び終了時刻)と、時間帯に対応付けられた閾値を設定変更することができる。また、各ホストPCからリモートで閾値(や時間帯)の変更を行うようにしてもよい。
【0067】
ステップS3002では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309の割り込みが発生しないように、タイマの停止処理を行う。
次に、ステップS3003において、MFP1(101)のCPU301は、要求された閾値に前記有効ホスト数閾値(Th)を変更・記憶する。
次に、ステップS3004において、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309に再度、ホスト監視時間(Ts)の設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、タイマ部309は、ここで設定されるホスト監視時間(Ts)に基づいて、上述した図7のS2001の割り込みを行う。
【0068】
[起動時処理]
MFP1(101)に電源が投入されると、MFP1(101)のCPU301は、ROM302からプログラムを読み出し、RAM303へと展開し、各種起動時に必要な処理を行う。
【0069】
以下、図10に示すフローチャートを用い、本発明に関する起動時の処理について説明する。
図10は、本発明のネットワーク装置における起動時の処理について示したフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。なお、以下の処理は、各種デバイスの初期化後、起動完了するまでに行えばよい。
【0070】
まず、ステップS4001において、MFP1(101)のCPU301は、不揮発性のメモリ(NVRAM304)から主電源制御フラグを取得する。なお、この主電源制御フラグは、図7に示した主電源制御処理にて不揮発性のメモリ(NVRAM304)に格納されたものであり、上記主電源制御処理にて主電源OFF制御処理を行ったか否かを示すものである。
【0071】
次に、ステップS4002において、MFP1(101)のCPU301は、上記S4001で取得した主電源制御フラグがセットされている(ON)か否かを判断する。そして、主電源制御フラグがセットされていない(OFF)と判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、本フローチャートの処理を終了する。
【0072】
一方、上記S4002において、主電源制御フラグがセットされている(ON)と判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS4003に処理を進める。
【0073】
ステップS4003では、MFP1(101)のCPU301は、不揮発性メモリ(NVRAM304)上の主電源制御フラグをクリア(OFF)し、ステップS4004に処理を進める。
【0074】
次に、ステップS4004では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309から現在の時刻(Tc)を取得し、ステップS4005では、NVRAM304から終了処理時間(Tfin)を取得する。
【0075】
そして、ステップS4006において、MFP1(101)のCPU301は、主電源制御処理から起動処理まで時間に対する閾値を示す起動時間監視閾値(Tb)を取得し、ステップS4007に処理を進める。なお、起動時間監視閾値(Tb)は、管理者による操作部40からの設定操作により予め設定され、NVRAM304の起動時間監視閾値記憶領域に記憶されているものとする。
【0076】
ステップS4007では、MFP1(101)のCPU301は、主電源OFF制御処理から現在までの経過時間(Tc−Tfin)を算出し、経過時間(Tc−Tfin)が起動時間監視閾値(Tb)を越えているか否か比較する(起動時間監視閾値比較処理)。
【0077】
そして、上記S4007において、MFP1(101)のCPU301は、経過時間(Tc−Tfin)が起動時間監視閾値(Tb)を越えていないと判断した場合には、ステップS4009に処理を進める。この場合、上述の主電源制御処理で主電源をOFFされてから直ぐに、現在有効なホストのユーザにより起動されたと判断可能である。
【0078】
ステップS4009では、MFP1(101)のCPU301は、不揮発性のメモリ(NVRAM304)に格納された前記有効ホスト数閾値(Th)を設定されているより小さな値である閾値(Ths)に変更し、ステップS4010に処理を進める。
【0079】
一方、上記S4007において、MFP1(101)のCPU301は、経過時間(Tc−Tfin)が起動時間監視閾値(Tb)を越えていると判断した場合には、そのままステップS4010に処理を進める。
【0080】
ステップS4010では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309にホスト監視時間(Ts)の設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、タイマ部309は、ここで設定されるホスト監視時間(Ts)に基づいて、上述した図7のS2001の割り込みを行う。
【0081】
以上により、ネットワーク装置(MFP)を使用するホスト全てが完全に電源オフの状態でなくても、ネットワーク装置の主電源をオフすることが可能となる。また、PCの電源が入ったまま帰宅したユーザが少数いても、ネットワーク装置の電源をオフすることが可能となり、無駄な電力消費を抑えることが可能となる。
【0082】
また、複数台のネットワーク装置が稼働する環境において、前記有効ホスト数に関する閾値を各ネットワーク装置にて段階的に設定するようにしてもよい。このように設定することにより、ネットワーク装置を使用するユーザが減少する中、ネットワーク装置の稼働台数を減少させることが可能となり、さらに消費電力を削減可能となる。
【0083】
なお、図3に示したSFP1(102)もMFP1(101)と同様に電源制御する構成としてもよい。即ち、SFP1(102)内の不揮発性メモリに予め有効ホスト数閾値(Th)を記憶させておき、有効ホスト数が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、SFP1(102)の主電源をOFFするように構成してもよい。
【0084】
〔第2実施形態〕
次に本発明を利用した複数の印刷装置の主電源制御に関する処理について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態を示すネットワーク装置を適用したネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
図11に示すように、MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、本発明のネットワーク装置としての印刷装置であり、図1に示した構成を有する。
MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、ネットワークI/F305を通じ、各ホストPC(PC1〜PC5等の端末装置)と通信可能に接続されている。
各ホストPC(PC1〜PC5等)は、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、印刷指示のパケットを送信可能である。また、Windows(登録商標)などの一般的なOS(Operating System)がインストールされたPCは、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、ステータス確認のパケットを送信している。
【0085】
MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、第1実施形態で説明したように、各装置にて、ホストとなるIPアドレスをカウントし、内部にて保持する有効ホスト数閾値と比較した結果、閾値を下回った場合には主電源をオフする制御を行っている。即ち、MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、上述した第1実施形態のMFP1(101)と同一の機能を備えるものとする。
【0086】
ここで、MFP1(1101)は、他のMFPに対するマスタの役割を担っており、スレーブであるMFP2(1102)及びMFP3(1103)に対し、前記有効ホスト数閾値を変更指示できるような構成をさらに有する。この構成により、1台のMFPから各MFPの閾値をまとめて管理可能となる。
【0087】
[印刷装置登録画面]
図12は、本発明の第2実施形態を示すネットワーク装置における監視印刷装置登録画面の表示例を示した図である。
【0088】
MFP1(1101)のCPU301は、操作部40の設定キー405の押下を検知すると、図12に示す監視印刷装置登録画面を操作部40のタッチパネル401に表示し、スレーブとして監視される印刷装置のIPアドレスと有効ホスト数を登録可能とする。
【0089】
図12において、1200は監視印刷装置登録の表示例を示し、自装置に設定されている情報(IPアドレス,有効ホスト数閾値)と監視印刷装置に設定されている情報(後述する登録スレーブリスト)の情報が含まれる。
【0090】
1201は追加ボタンであり、監視する印刷装置を追加する際にタッチ指示する。1202は削除ボタンであり、監視する印刷装置を削除する際にタッチ指示する。1203は編集ボタンであり、監視する印刷装置の情報を編集する際にタッチ指示する。
【0091】
なお、上記監視印刷装置登録画面(図12)から登録された監視印刷装置のリストは、MFP1(1101)の不揮発性メモリ(NVRAM304)の監視装置有効ホスト数閾値記憶領域に登録スレーブリストとして記憶保持される。
【0092】
図13は、本発明のネットワーク装置におけるスレーブ確認処理の一例を示すフローチャートであり、図12に示した登録画面を表示する際に実行される。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(1101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0093】
また、図12に示した登録画面を表示する際、MFP1(1101)のCPU301は、本フローチャートの処理を開始する。
まず、ステップS5001において、MFP1(1101)のCPU301は、自身に設定されている閾値の取得する。
次に、ステップS5002において、MFP1(1101)のCPU301は、RAM303に記憶される変数iを「0」に初期化する。
【0094】
次に、ステップS5003において、MFP1(1101)のCPU301は、登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置のIPアドレスを取得する。
次に、ステップS5004において、上記S5003で取得したIPアドレスに応答要求パケットを送信する。
【0095】
次に、ステップS5005において、MFP1(1101)のCPU301は、上記S5004で送信した応答要求パケットに対する応答があるかどうかでステータスを確認し、応答があったと判断した場合には、ステップS507に処理を進める。
【0096】
ステップS5007では、MFP1(1101)のCPU301は、上記登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置(応答のあった印刷装置)のステータスをFIND(稼働中)に変更して登録スレーブリストを更新する。
さらに、ステップS5008では、MFP1(1101)のCPU301は、上記登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置(応答のあった印刷装置)の有効ホスト数閾値を取得して登録スレーブリストを更新し、ステップS5009に処理を進める。
【0097】
一方、上記S5005において、上記i番目の装置から応答がなかったと判断した場合には、MFP1(1101)のCPU301は、ステップS5006に処理を進める。
ステップS5006では、MFP1(1101)のCPU301は、上記登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置(応答のあった印刷装置)のステータスをLOST(停止中)に変更して登録スレーブリストを更新する。そして、ステップS5009に処理を進める。
【0098】
ステップS5009では、MFP1(1101)のCPU301は、変数iをインクリメントし、ステップS5010に処理を進める。
ステップS5010では、MFP1(1101)のCPU301は、上記S5003〜S5009の処理が登録スレーブリストの最後まで行われたか判定する。そして、まだ登録スレーブリストの最後まで行われていないと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS5003に処理を戻す。
【0099】
一方、上記S5010において、上記S5003〜S5009の処理が登録スレーブリストの最後まで行われたと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、本フローチャートの処理を終了する。そして、MFP1(101)のCPU301は、S5001で取得した自装置の情報(IPアドレス,有効ホスト数閾値)と登録スレーブリストに基づいて、監視印刷装置登録の表示(図12の1200)を操作部40のタッチパネル401に行う。
【0100】
[印刷装置登録・変更処理]
以下、図14に示すフローチャートを用い、前記印刷装置登録画面より、登録スレーブリストに対する追加または編集処理について説明する。
【0101】
図14は、本発明のネットワーク装置における登録スレーブリストに対する追加または編集処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(1101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0102】
図12に示した印刷装置登録画面の追加ボタン1201、又は、編集ボタン1203が指示されると、MFP1(1101)のCPU301は、本フローチャートの処理を開始する。
【0103】
まず、ステップS6001において、MFP1(1101)のCPU301は、図15に示すような監視印刷装置入力画面を操作部40に表示して、ユーザから、追加又は編集する機器のIPアドレス及び閾値の入力を受け付ける。
【0104】
図15は、本発明の第2実施形態のネットワーク装置における監視印刷装置入力画面の表示例を示した図である。
ユーザは、図15に示すように、監視印刷装置入力画面のIPアドレス入力欄1501及び有効ホスト数入力欄1502にIPアドレス及び閾値が入力され、登録ボタン1503が押下する。すると、MFP1(1101)のCPU301は、これを検知し、ユーザ入力画面からIPアドレス及び閾値を取得し、ステップS6002に処理を進める。
【0105】
ステップS6002では、MFP1(1101)のCPU301は、上記S6001で取得したIPアドレスに対し、応答要求のパケットを送信する。
次に、上記S6002で送信したパケットの応答があったか否かを判断し、応答があったと判断した場合には、MFP1(1101)のCPU301は、ステップS6004に処理を進める。
【0106】
ステップS6004では、MFP1(1101)のCPU301は、登録スレーブの有効ホスト数閾値を、上記S6001で取得した閾値に変更するように、上記S6001で取得したIPアドレスに対して要求する。
【0107】
次に、ステップS6005において、MFP1(1101)のCPU301は、上記S6004の閾値変更要求に対して、閾値変更要求が成功した旨の応答を受信したか否かにより、上記S6004の閾値変更要求が成功したか否かを判断する。
【0108】
そして、上記S6005において、上記S6004の閾値変更要求が成功したと判断した場合には、MFP1(1101)のCPU301は、ステップS6007に処理を進める。
【0109】
ステップS6007では、MFP1(1101)のCPU301は、スレーブ登録・変更処理が成功した旨をユーザに通知し(操作部40のタッチパネル401に表示し)、本フローチャートの処理を終了する。
【0110】
一方、ステップS6005において、MFP1(1101)のCPU301は、上記S6004の閾値変更要求が失敗したと判断した場合には、ステップS6006に処理を進める。
【0111】
ステップS6006では、MFP1(1101)のCPU301は、スレーブ登録・変更処理が失敗した旨をユーザに通知し(操作部40のタッチパネル401に表示し)、本フローチャートの処理を終了する。
【0112】
以上の処理により、大企業のように、ネットワークに接続されるPCや共有となる印刷装置の数が多い環境であっても、ユーザが減少していく(稼働しているPCが減少していく)のに応じて、稼動している印刷装置を減少させることができる。従って、ユーザの利便性を維持しつつ、ユーザ環境において消費される電力量を削減することが可能となる。
【0113】
なお、本実施形態においても、各ネットワーク装置(MFP)において、図8に示したように時間帯に応じて、有効ホスト数閾値(Th)を変更するように構成してもよい。この場合、もちろん、マスタから各MFPに記憶される時間帯の有効ホスト数閾値を変更可能とする。
【0114】
なお、上記実施形態では、電源ON状態で接続されるホスト数(有効ホスト数)が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、装置の主電源をOFFする(図7のS2018)構成について説明した。しかし、有効ホスト数が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、装置を省電力モード等の省電力状態に移行させるように構成してもよい。この構成の場合、図10の起動時処理を、省電力モードからの復帰時にも行うように構成する。
【0115】
さらに、第1の有効ホスト数閾値(以下、第1の閾値(Th1))と、第2の有効ホスト数閾値(以下、第2の閾値(Th2))とを予めNVRAM304に格納しておく。なお、第1の閾値(Th1)>第2の閾値(Th2)とする。そして、有効ホスト数が第1の閾値(Th1)を下回った場合に、装置を省電力モードに移行させ、さらに、有効ホスト数が第2の閾値(Th2)を下回った場合に、装置の主電源をOFFするように構成してもよい。もちろん、この構成においても、図8に示したように時間帯に応じて第1の閾値(Th1)及び第2の閾値(Th2)を変更するように構成してもよい。
【0116】
また、有効ホスト数が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、一旦、省電力モードに移行し、その後、一定の時間、アクセスがなかった場合に、装置の主電源をOFFするように構成してもよい。また、以上の構成を組み合わせた構成であってもよい。
【0117】
以上の構成により、ユーザの利便性を損ねることなく、ネットワーク装置の電源をより詳細に制御して、確実に省電力を実現することができる。
なお、上記各実施形態及びその変形例では、本発明のネットワーク装置をMFP等の印刷装置とする例を説明したが、LAN等のネットワークに接続可能なネットワーク装置であればどのようなネットワーク装置であっても本発明を適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータ等の情報処理装置であってもよい。
【0118】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0119】
以上示したように、少数のユーザがPCを稼働させたままの状態であっても、ネットワーク装置の電源をオフすることが可能であり、無駄な電力消費を抑えることができる。
また、予め主電源制御開示時刻(Tstart)と、予め主電源制御終了時刻(Tend)とを設定しておくことにより、主電源OFF制御処理(図7のS2018)を一定の期間内でのみ行うことができる。これにより、ユーザがいない可能性の高い時間には、より確実に主電源OFF制御処理(図7のS2018)を行うことが可能となる。
【0120】
図10に示した起動監視処理により、主電源OFF制御処理(図7のS2018)を行う条件を適切に変更して、不用意にネットワーク装置の主電源がOFFされるといった事態が頻発しないようにできる。よって、ユーザによる電源投入の負担を最低限に軽減することができる。
【0121】
また、マスタとなるネットワーク装置を置くことで、複数台機器を保有するユーザによる前記閾値の設定・管理の負荷を軽減することができる。
本実施形態における図6,図7,図9,図10,図13,図14に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROM等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0122】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0123】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0124】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0125】
30 コントローラ部
50 電源制御部
301 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置の電源制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりもあり、稼動中でない場合に、機器の不要な部分に対する電力供給を停止する省電力モードを有する機器が一般的となっている。
ただ、省電力状態にあるといっても、再度稼動状態に復帰するために必要な部分に対する電力供給は行っているのが一般的であり、完全に電力消費が停止しているわけではない。
【0003】
つまり、上記省電力モードは再度使用されることを想定し、消費電力の少ない状態に移行する。ユーザによる使用が長時間ない場合、機器に対する電力を停止した方が、より環境に対する負荷が小さくなるといえる。
これに対し、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、ネットワーク上にパケットを送出し、有効なホストが存在しない場合に、機器への電源供給を停止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−25757号公報
【特許文献2】特開2002−63006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、一般的なオフィスにおいて、パーソナルコンピュータ(以下、PC)や印刷装置等のオフィス機器は、ユーザとなる社員が帰宅した際などオフィスに不在の際には、使用するユーザがいない状態となる。
【0006】
基本的にPCは使用ユーザが限られるため、帰宅時に電源をオフする処理を使用するユーザ自身が実行する。
しかし、ネットワークに接続可能な印刷装置は、複数のユーザから共有して使用されることが一般的である。このため、ユーザとなる社員が帰宅などをし、オフィスに使用するユーザがいない状態であっても、電源をオフされないままであることが多く、無駄な電力が消費されてしまっている。
【0007】
また、特許文献1及び特許文献2に記載の従来技術では、多くのユーザから共有される状態となっている機器において、1台でもユーザがいた際には、機器に対する電源をオフすることができない。
つまり、PCの電源をオフし忘れたまま帰宅したユーザがいた際には、無駄な電力を消費することになってしまう。多くのユーザにより使用される印刷装置の場合、全てのユーザがPCの電源を落としていくことは現実的とはいえない。
【0008】
また、企業の規模が大きくなると、ユーザも多くなり、共有となる印刷装置を複数台保有することも考えられる。このような複数台機器を保有する環境においては、ユーザが減少していくのに応じて、稼動する機器を減少させることが望まれる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、ホストとなる端末装置の稼動状況に応じ、柔軟に、ネットワーク装置に対する電力を停止することが可能となる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置であって、前記複数の端末装置からパケットを受信する受信手段と、前記受信手段が一定期間に受信したパケットに基づいて、前記複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する制御手段と、前記所定の閾値を設定する閾値設定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホストとなる端末装置の稼動状況に応じ、柔軟に、ネットワーク装置に対する電力を停止することが可能となり、ユーザ環境において消費される電力量を削減することが可能となる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ネットワーク装置を適用可能な印刷装置(MFP)のブロック図である。
【図2】図1に示した操作部40の構成の一例を示す平面図である。
【図3】図1のMFPを適用したネットワークシステムの構成を示す図である。
【図4】図3のMFP1の内部にて保有するホストIPリストを示す図である。
【図5】ホストIPリストの変化を示した図である。
【図6】ホストIPカウント処理を示すフローチャートである。
【図7】主電源制御処理を示すフローチャートである。
【図8】時間帯毎に有効ホスト数閾値(Th)を設定した例を示す図である。
【図9】有効ホスト数閾値変更処理を示すフローチャートである。
【図10】起動時の処理を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態のネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
【図12】第2実施形態の監視印刷装置登録画面の表示例を示した図である。
【図13】スレーブ確認処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】登録スレーブリストの追加又は編集処理を示すフローチャートである。
【図15】第2実施形態の監視印刷装置入力画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
[構成]
図1は、本発明の一実施形態を示すネットワーク装置を適用可能な印刷装置の一例を示すMFP(Multi Function Printer)の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1において、10はスキャナ部であり、ユーザにより置かれた原稿を読み取り画像データを生成する画像読取部である。スキャナ部10は、例えば、ハロゲンランプから構成される原稿照明ランプにより、原稿台ガラスに載置された原稿を露光し、原稿からの反射光をCCDセンサにて受光し、画像信号として出力する。
プリンタ部20は、画像データに基づいて感光体を露光して静電潜像を形成し、該形成された静電潜像を現像剤(トナー)により現像し、記録用紙に転写して画像を形成する画像形成部である。
なお、スキャナ部10及びプリンタ部20は、公知のプリンタやスキャナの一般的な構成や機能を備えていればよく、画像処理装置としての一般的な機能や構造について、詳細な説明は省略する。
【0015】
コントローラ部30は、画像読取デバイスであるスキャナ部10や画像形成デバイスであるプリンタ部20、ユーザインタフェースである操作部40、LANなどの外部I/Fと接続され、画像情報やデバイス情報を処理し、制御する部分である。
コントローラ部30において、CPU301は、後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラムを実行する。ROM302には、CPU301が動作するための起動プログラムや後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラムなどが記憶されている。
【0016】
RAM303は、CPU301が各種プログラムを実行する際に、ワークエリアや画像データの一時的な記憶場所である画像メモリなどとして用いられる。NVRAM304は、各種制御用パラメータを記憶する不揮発性のRAMである。
【0017】
ネットワークI/F(Network)305は、LANに接続され、電子メールの送受信やホストからのPDLデータの入出力など各種ネットワーク制御を行う。また、Network305には、NVRAM(不図示)が接続されており、MACアドレスなどNetwork305に関する各種パラメータを保持している。
【0018】
操作部I/F306は、後述する操作部40との通信を行うI/Fである。スキャナ・プリンタ通信I/F307は、前述のスキャナ部10およびプリンタ部20のCPU301と通信を行うためのI/F部である。
【0019】
電源制御I/F308は、CPU301からの命令により、電源制御部50に対し、各種電源の停止を指示する。タイマ部309は、内部にて現在時刻を保持したり、設定された時間が経過したかどうかを監視したりする。以上のデバイスがシステムバス300上に配置される。
【0020】
イメージバスインタフェース(ImageBus I/F)310は、システムバス300と画像信号を転送する画像バス311を接続するブリッジである。
画像バス311には、以下のブロックが配置される。画像圧縮部312は、JPEG、JBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。画像回転部313は、画像データの回転処理を行う。ラスターイメージプロセッサ(RIP)部314は、PDLコードをビットマップのラスターイメージに展開する。
【0021】
スキャナI/F部315は、スキャナ部10からの入力データに対し、補正、加工、編集などスキャナ用の画像処理を行う。プリンタI/F部316では、プリント出力用画像データに対し、プリンタの補正、解像度変換など、プリンタ用の画像処理を行い、プリンタ部20に、印刷データを転送する。以上、コントローラ部30の説明を終了する。
【0022】
電源制御部50は、商用電源から入力されるAC電源から各種DC電源を生成し、コントローラ部30の電源制御I/F308からの指示に応じ、スキャナ部10、プリンタ部20、コントローラ部30、操作部40へ電源供給を行う。
【0023】
図2は、図1に示した操作部40の構成の一例を示す平面図である。
図2に示すように、操作部40は、ユーザからの入力を受ける各種キー入力部として、ON/OFFキー402、スタートキー403、テンキー404、設定キー405などを備えている。
ON/OFFキー402は、UI表示・非表示の指示を行うためのキーである。スタートキー403は、コピー開始などの指示を行うためのキーである。テンキー404は、数字を入力するためのキーである。設定キー405は、各種設定画面へと表示を切り替えるためのキーである。
【0024】
また、操作部40は、ユーザに対する画像を表示したり、ユーザからのタッチ入力を受け付けるタッチパネル式ディスプレイ(以下、タッチパネル)401などを備えている。
【0025】
以下に、本発明の処理に関して、想定される環境における処理の概要を説明した後、各部処理についてフローチャートを用いて説明する。
図3は、本発明のネットワーク装置として図1に示したMFPを適用したネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
図3に示すように、MFP1(101)は、本発明のネットワーク装置としての印刷装置であり、図1に示した構成を有する。SFP1(102)は、単機能の印刷装置(Single Function Printer)である。MFP1(101),SFP1(102)は、ネットワークI/F305を通じ、各ホストPC(PC1〜PC5等の端末装置)と通信可能に接続されている。
【0026】
各ホストPC(PC1〜PC5等)は、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、印刷指示のパケットを送信可能である。また、Windows(登録商標)などの一般的なOS(Operating System)がインストールされたPCは、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、ステータス確認のパケットを送信している。
【0027】
MFP1(101)は、後述する図6に示すホストIPカウント処理にて、図4に示すようなホストIPリストを内部にて生成し、MFP1(101)に接続されているホストPCを管理する。
【0028】
図4は、図3に示したMFP1(101)の内部にて保有するホストIPリストの一例を示す図である。
図4に示すように、ホストIPリストは、ホストのIPアドレス(IP Adress)と、最終受信時刻(Tr)といった項目から構成される。なお、このホストIPリストは、MFP1(101)のRAM303又はNVRAM304に記憶されているものとする。
【0029】
図5は、図4に示したホストIPリストの変化を示した図である。
MFP1(101)は、一定時間毎に、後述する図7に示す主電源制御処理を実行する。この主電源制御処理では、ホストPCの電源がオフされると(図中「Zzz」で示す)、有効となるホスト数と予め機器に設定されている所定の閾値(有効ホスト数の閾値(Th))と比較を行い、所定の閾値を下回った際に、MFP1(101)の主電源をオフする制御(主電源OFF制御)を行う。
【0030】
この際、MFP1(101)は、上記主電源制御処理を行った時刻(Tfin)を不揮発性のメモリデバイス(NVRAM304)に保持しておく。この時刻(Tfin)は、後述する図10に示す起動時監視処理にて用いられる。
【0031】
起動時監視処理では、MFP1(101)は、起動時に上記時刻(Tfin)と現在時刻との時間差から、有効なホストPCを操作しているユーザ内に、まだ機器を使用するユーザがいるか判断する。そして、まだ機器を使用するユーザがいると判断した場合には、MFP1(101)は、上記有効ホスト数の閾値(Th)を変更する。
【0032】
[ホストIPカウント処理]
以下、図6に示すフローチャートを用い、本発明におけるホストIPカウント処理について説明する。
図6は、本発明のネットワーク装置におけるホストIPカウント処理について示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0033】
MFP1(101)のCPU301は、ステップS1001において、ネットワークから特定のパケットを受信した確認した際には(S1001でYes)、ステップS1002以降の処理を実行する。このように、全パケットに対し処理を実行する必要はなく、特定のパケットの受信状態に基づいて(特定のパケットの受信を確認した際に)ステップS1002以降の処理を実行することで本機能は達成可能である。なお、特定のパケットとは、例えば、ARP(Address Resolution Protocol)パケットやSNMP(Simple Network Management Protocol)によるホストPCからのプリンタデバイスのステータス確認パケットなどが対象となる。
【0034】
ステップS1002では、MFP1(101)のCPU301は、受信したパケットの送信元IPアドレスを取得し、ステップS1003において、該送信元IPアドレスに対して応答パケットを送信する。
【0035】
次に、ステップS1004において、MFP1(101)のCPU301は、ホストIPリスト(図4)をメモリ(RAM303)上から取得する。
次に、ステップS1005において、MFP1(101)のCPU301は、上記S1002にて確認した送信元IPアドレスが、上記S1004で取得したホストIPリストに存在するかどうかを確認する。
【0036】
そして、上記送信元IPアドレスが上記ホストIPリストに存在しないと判断した場合には(S1005でNo)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS1006において、上記ホストIPリストに上記送信元のIPアドレスを追加する。そして、ステップS1007に処理を進める。
【0037】
一方、上記送信元IPアドレスが上記ホストIPリストに存在すると判断した場合には(S1005でYes)、MFP1(101)のCPU301は、そのままステップS1007に処理を進める。
【0038】
そして、ステップS1007では、MFP1(101)のCPU301は、上記S1002にて確認した送信元IPアドレスに対応する最終受信時刻(Tr)を、上記特定のパケットを受信した時刻に更新し、本フローチャートの処理を終了する。
以上の処理により、MFP1(101)に対するホストのIPリストと最後に上記特定のパケットを受信した時刻を参照可能となる。
【0039】
[主電源制御処理]
以下、図7に示すフローチャートを用い、本発明における主電源制御処理について説明する。
図7は、本発明のネットワーク装置における主電源制御処理について示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0040】
まず、ステップS2001において、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309からの割り込みを確認し、割り込みが来ていた際にのみ、以下のS2002以降の処理を行う。なお、タイマ部309は、予め設定されているホスト監視時間(Ts)毎に上記割り込みを行うものとする。
【0041】
まず、ステップS202では、MFP1(101)のCPU301は、有効ホスト数を示す変数n(RAM303に格納される)を「0」に初期化し、ステップS2003に処理を進める。
【0042】
次に、ステップS2003では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309から現在時刻(Tc)を取得し、ステップS2003では、RAM303からホストIPリストを取得する。
【0043】
次に、ステップS2005において、MFP1(101)のCPU301は、ホストIPリストのn番目の最終受信時刻(Tr)を取得する。
次に、ステップS2006において、MFP1(101)のCPU301は、現在時刻(Tc)と最終受信時刻(Tr)との時間差(Tc−Tr)と、予め設定されNVRAM304に記憶されているホスト監視時間(Ts)とを比較する。そして、上記時間差(Tc−Tr)がホスト監視時間(Ts)を越えたと判断した場合(S2006でYes)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2008において、n番目のIPリストをホストIPリストから削除する。そして、ステップS2009に処理を進める。
【0044】
一方、上記S2006において、上記時間差(Tc−Tr)がホスト監視時間(Ts)以下であると判断した場合(S2006でNo)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2007において、変数nをインクリメントする。そして、ステップS2009に処理を進める。
【0045】
次に、ステップS2009では、MFP1(101)のCPU301は、上記S2005〜S2008の処理がホストIPリストの最後まで行われたか判定する。そして、まだホストIPリストの最後まで行われていないと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2005に処理を戻す。
【0046】
一方、上記S2009において、上記S2005〜S2008の処理がホストIPリストの最後まで行われたと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2010に処理を進める。
【0047】
次に、ステップS2010では、MFP1(101)のCPU301は、有効ホスト数閾値(Th)を取得する。なお、有効ホスト数閾値(Th)は、管理者による操作部40からの閾値設定操作により予め設定され、NVRAM304の有効ホスト数閾値記憶領域に記憶されているものとする。
【0048】
次に、ステップS2011において、MFP1(101)のCPU301は、上記S2010で取得した有効ホスト数閾値(Th)と、上記処理により得られたホストIPリストの要素数(有効ホスト数)nと比較する(有効ホスト数閾値比較処理)。
【0049】
そして、上記S2011において、ホストIPリストの要素数nが有効ホスト数閾値(Th)以上であると判断した場合には(S2011でNo)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2012に処理を進める。
【0050】
ステップS2012では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309に再度、ホスト監視時間(Ts)の設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、タイマ部309は、ここで再設定されるホスト監視時間(Ts)に基づいて、上記S2001の割り込みを行う。これにより、一定期間に、ホストIPカウント手段により、ホストIPリストに登録された、有効なホスト数をカウントすることができる。
【0051】
一方、上記S2011において、ホストIPリストの要素数nが有効ホスト数閾値(Th)を下回った(S2011でYes)と判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS2013に処理を進める。
【0052】
ステップS2013では、MFP1(101)のCPU301は、機器に設定されている主電源制御開始時間(Tstart)を取得し、ステップS2014では、主電源制御終了時間(Tend)を取得する。なお、主電源制御開始時間(Tstart)及び主電源制御終了時間(Tend)は、管理者による操作部40からの期間設定操作により予め設定され、NVRAM304の期間記憶領域に記憶されているものとする。
【0053】
次に、ステップS2015において、MFP1(101)のCPU301は、上記S2003で取得した現在時刻(Tc)が、主電源制御開始時間(Tstart)から主電源制御終了時間(Tend)の間にあるか確認する。
【0054】
そして、上記S2015において、MFP1(101)のCPU301は、現在時刻(Tc)が主電源制御開始時間(Tstart)から主電源制御終了時間(Tend)の間にないと判断した場合(S2005でNo)、ステップS2012に処理を進める。そして、タイマ部309に再度タイマ設定を行い(S2012)、本フローチャートの処理を終了する。
【0055】
一方、上記S2015で、MFP1(101)のCPU301は、前記現在時刻(Tc)が主電源制御開始時間(Tstart)から主電源制御終了時間(Tend)の間にあると判断した場合(S2015でYes)、ステップS2016に処理を進める。
【0056】
ステップS2016では、MFP1(101)のCPU301は、主電源制御フラグを不揮発性メモリ(NVRAM304)にセットする(主電源制御フラグをONにして不揮発性メモリ(NVRAM304)に記憶する)。
【0057】
さらに、ステップS2017において、MFP1(101)のCPU301は、現在の時刻(Tc)(即ち主電源制御処理を行った時刻)を終了処理時間(Tfin)として不揮発性メモリ(NVRAM304)に保存する(終了時間記憶処理)。
【0058】
次に、ステップS2018において、MFP1(101)のCPU301は、MFP1(101)の電源制御部50に対して、主電源をOFFするように通知(指示)し(主電源OFF制御処理)、本フローチャートの処理を終了する。
【0059】
なお、電源制御部50は、電源制御I/F308を介してCPU301から上記の主電源をOFFする指示を受けとると、スキャナ部10、プリンタ部20、コントローラ部30、操作部40への電源供給を遮断(OFF)する。
【0060】
なお、上記フローチャートの処理では、主電源制御期間は主電源制御開始時間(Tstart)と主電源制御終了時間(Tend)のみの設定であった。しかし、図8に示すように、24時間を細かく分割し、前記有効ホスト数閾値(Th)を変更するようにすることで、電源制御と時間との関係を制御するように構成してもよい。
【0061】
図8は、本発明の実施形態のネットワーク装置において時間帯毎に有効ホスト数閾値(Th)を設定した例を示す図である。
図8に示した例では、00:00〜08:30では、有効ホスト数閾値(Th)を「20」と設定されている。また、08:30〜17:00では、有効ホスト数閾値(Th)を「0」と設定されている。また、17:00〜22:00では、有効ホスト数閾値(Th)を「10」と設定されている。また、22:00〜24:00では、有効ホスト数閾値(Th)を「20」と設定されている。このように複数の有効ホスト数閾値(Th)がそれぞれ複数の時間帯のいずれかに対応付けられて設定されている。
【0062】
このように、ユーザ数が少ないと予想される時間帯では有効ホスト数閾値(Th)を大きくし、ユーザ数が多いと予想される時間帯では有効ホスト数閾値(Th)を小さくすることにより、稼動する印刷装置の電源制御を細かく行うことができる。
【0063】
[閾値変更処理]
以下、図9に示すフローチャートを用い、本発明における有効ホスト数閾値変更処理について説明する。
【0064】
図9は、本発明のネットワーク装置における有効ホスト数閾値変更処理について示したフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0065】
MFP1(101)のCPU301は、ステップS3001において、有効ホスト数閾値(Th)の変更要求を確認した際には(S3001でYes)、MFP1(101)のCPU301は、ステップS3002以降の処理を実行する。
【0066】
なお、有効ホスト数閾値(Th)の変更要求(設定要求)は、MFP1(101)の操作部40で設定キー405を押下することにより、操作部40のタッチパネル401に表示される変更画面から行うことができる。この変更画面により、閾値を設定変更することができる。なお、図8に示したような、時間帯毎の閾値を有する構成の場合、この変更画面により、時間帯(開始時刻及び終了時刻)と、時間帯に対応付けられた閾値を設定変更することができる。また、各ホストPCからリモートで閾値(や時間帯)の変更を行うようにしてもよい。
【0067】
ステップS3002では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309の割り込みが発生しないように、タイマの停止処理を行う。
次に、ステップS3003において、MFP1(101)のCPU301は、要求された閾値に前記有効ホスト数閾値(Th)を変更・記憶する。
次に、ステップS3004において、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309に再度、ホスト監視時間(Ts)の設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、タイマ部309は、ここで設定されるホスト監視時間(Ts)に基づいて、上述した図7のS2001の割り込みを行う。
【0068】
[起動時処理]
MFP1(101)に電源が投入されると、MFP1(101)のCPU301は、ROM302からプログラムを読み出し、RAM303へと展開し、各種起動時に必要な処理を行う。
【0069】
以下、図10に示すフローチャートを用い、本発明に関する起動時の処理について説明する。
図10は、本発明のネットワーク装置における起動時の処理について示したフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。なお、以下の処理は、各種デバイスの初期化後、起動完了するまでに行えばよい。
【0070】
まず、ステップS4001において、MFP1(101)のCPU301は、不揮発性のメモリ(NVRAM304)から主電源制御フラグを取得する。なお、この主電源制御フラグは、図7に示した主電源制御処理にて不揮発性のメモリ(NVRAM304)に格納されたものであり、上記主電源制御処理にて主電源OFF制御処理を行ったか否かを示すものである。
【0071】
次に、ステップS4002において、MFP1(101)のCPU301は、上記S4001で取得した主電源制御フラグがセットされている(ON)か否かを判断する。そして、主電源制御フラグがセットされていない(OFF)と判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、本フローチャートの処理を終了する。
【0072】
一方、上記S4002において、主電源制御フラグがセットされている(ON)と判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS4003に処理を進める。
【0073】
ステップS4003では、MFP1(101)のCPU301は、不揮発性メモリ(NVRAM304)上の主電源制御フラグをクリア(OFF)し、ステップS4004に処理を進める。
【0074】
次に、ステップS4004では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309から現在の時刻(Tc)を取得し、ステップS4005では、NVRAM304から終了処理時間(Tfin)を取得する。
【0075】
そして、ステップS4006において、MFP1(101)のCPU301は、主電源制御処理から起動処理まで時間に対する閾値を示す起動時間監視閾値(Tb)を取得し、ステップS4007に処理を進める。なお、起動時間監視閾値(Tb)は、管理者による操作部40からの設定操作により予め設定され、NVRAM304の起動時間監視閾値記憶領域に記憶されているものとする。
【0076】
ステップS4007では、MFP1(101)のCPU301は、主電源OFF制御処理から現在までの経過時間(Tc−Tfin)を算出し、経過時間(Tc−Tfin)が起動時間監視閾値(Tb)を越えているか否か比較する(起動時間監視閾値比較処理)。
【0077】
そして、上記S4007において、MFP1(101)のCPU301は、経過時間(Tc−Tfin)が起動時間監視閾値(Tb)を越えていないと判断した場合には、ステップS4009に処理を進める。この場合、上述の主電源制御処理で主電源をOFFされてから直ぐに、現在有効なホストのユーザにより起動されたと判断可能である。
【0078】
ステップS4009では、MFP1(101)のCPU301は、不揮発性のメモリ(NVRAM304)に格納された前記有効ホスト数閾値(Th)を設定されているより小さな値である閾値(Ths)に変更し、ステップS4010に処理を進める。
【0079】
一方、上記S4007において、MFP1(101)のCPU301は、経過時間(Tc−Tfin)が起動時間監視閾値(Tb)を越えていると判断した場合には、そのままステップS4010に処理を進める。
【0080】
ステップS4010では、MFP1(101)のCPU301は、タイマ部309にホスト監視時間(Ts)の設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、タイマ部309は、ここで設定されるホスト監視時間(Ts)に基づいて、上述した図7のS2001の割り込みを行う。
【0081】
以上により、ネットワーク装置(MFP)を使用するホスト全てが完全に電源オフの状態でなくても、ネットワーク装置の主電源をオフすることが可能となる。また、PCの電源が入ったまま帰宅したユーザが少数いても、ネットワーク装置の電源をオフすることが可能となり、無駄な電力消費を抑えることが可能となる。
【0082】
また、複数台のネットワーク装置が稼働する環境において、前記有効ホスト数に関する閾値を各ネットワーク装置にて段階的に設定するようにしてもよい。このように設定することにより、ネットワーク装置を使用するユーザが減少する中、ネットワーク装置の稼働台数を減少させることが可能となり、さらに消費電力を削減可能となる。
【0083】
なお、図3に示したSFP1(102)もMFP1(101)と同様に電源制御する構成としてもよい。即ち、SFP1(102)内の不揮発性メモリに予め有効ホスト数閾値(Th)を記憶させておき、有効ホスト数が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、SFP1(102)の主電源をOFFするように構成してもよい。
【0084】
〔第2実施形態〕
次に本発明を利用した複数の印刷装置の主電源制御に関する処理について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態を示すネットワーク装置を適用したネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
図11に示すように、MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、本発明のネットワーク装置としての印刷装置であり、図1に示した構成を有する。
MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、ネットワークI/F305を通じ、各ホストPC(PC1〜PC5等の端末装置)と通信可能に接続されている。
各ホストPC(PC1〜PC5等)は、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、印刷指示のパケットを送信可能である。また、Windows(登録商標)などの一般的なOS(Operating System)がインストールされたPCは、プリンタドライバがインストールされているプリンタデバイスに対し、ステータス確認のパケットを送信している。
【0085】
MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、第1実施形態で説明したように、各装置にて、ホストとなるIPアドレスをカウントし、内部にて保持する有効ホスト数閾値と比較した結果、閾値を下回った場合には主電源をオフする制御を行っている。即ち、MFP1(1101)〜MFP3(1103)は、上述した第1実施形態のMFP1(101)と同一の機能を備えるものとする。
【0086】
ここで、MFP1(1101)は、他のMFPに対するマスタの役割を担っており、スレーブであるMFP2(1102)及びMFP3(1103)に対し、前記有効ホスト数閾値を変更指示できるような構成をさらに有する。この構成により、1台のMFPから各MFPの閾値をまとめて管理可能となる。
【0087】
[印刷装置登録画面]
図12は、本発明の第2実施形態を示すネットワーク装置における監視印刷装置登録画面の表示例を示した図である。
【0088】
MFP1(1101)のCPU301は、操作部40の設定キー405の押下を検知すると、図12に示す監視印刷装置登録画面を操作部40のタッチパネル401に表示し、スレーブとして監視される印刷装置のIPアドレスと有効ホスト数を登録可能とする。
【0089】
図12において、1200は監視印刷装置登録の表示例を示し、自装置に設定されている情報(IPアドレス,有効ホスト数閾値)と監視印刷装置に設定されている情報(後述する登録スレーブリスト)の情報が含まれる。
【0090】
1201は追加ボタンであり、監視する印刷装置を追加する際にタッチ指示する。1202は削除ボタンであり、監視する印刷装置を削除する際にタッチ指示する。1203は編集ボタンであり、監視する印刷装置の情報を編集する際にタッチ指示する。
【0091】
なお、上記監視印刷装置登録画面(図12)から登録された監視印刷装置のリストは、MFP1(1101)の不揮発性メモリ(NVRAM304)の監視装置有効ホスト数閾値記憶領域に登録スレーブリストとして記憶保持される。
【0092】
図13は、本発明のネットワーク装置におけるスレーブ確認処理の一例を示すフローチャートであり、図12に示した登録画面を表示する際に実行される。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(1101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0093】
また、図12に示した登録画面を表示する際、MFP1(1101)のCPU301は、本フローチャートの処理を開始する。
まず、ステップS5001において、MFP1(1101)のCPU301は、自身に設定されている閾値の取得する。
次に、ステップS5002において、MFP1(1101)のCPU301は、RAM303に記憶される変数iを「0」に初期化する。
【0094】
次に、ステップS5003において、MFP1(1101)のCPU301は、登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置のIPアドレスを取得する。
次に、ステップS5004において、上記S5003で取得したIPアドレスに応答要求パケットを送信する。
【0095】
次に、ステップS5005において、MFP1(1101)のCPU301は、上記S5004で送信した応答要求パケットに対する応答があるかどうかでステータスを確認し、応答があったと判断した場合には、ステップS507に処理を進める。
【0096】
ステップS5007では、MFP1(1101)のCPU301は、上記登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置(応答のあった印刷装置)のステータスをFIND(稼働中)に変更して登録スレーブリストを更新する。
さらに、ステップS5008では、MFP1(1101)のCPU301は、上記登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置(応答のあった印刷装置)の有効ホスト数閾値を取得して登録スレーブリストを更新し、ステップS5009に処理を進める。
【0097】
一方、上記S5005において、上記i番目の装置から応答がなかったと判断した場合には、MFP1(1101)のCPU301は、ステップS5006に処理を進める。
ステップS5006では、MFP1(1101)のCPU301は、上記登録スレーブリストのi番目に登録されている印刷装置(応答のあった印刷装置)のステータスをLOST(停止中)に変更して登録スレーブリストを更新する。そして、ステップS5009に処理を進める。
【0098】
ステップS5009では、MFP1(1101)のCPU301は、変数iをインクリメントし、ステップS5010に処理を進める。
ステップS5010では、MFP1(1101)のCPU301は、上記S5003〜S5009の処理が登録スレーブリストの最後まで行われたか判定する。そして、まだ登録スレーブリストの最後まで行われていないと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、ステップS5003に処理を戻す。
【0099】
一方、上記S5010において、上記S5003〜S5009の処理が登録スレーブリストの最後まで行われたと判断した場合には、MFP1(101)のCPU301は、本フローチャートの処理を終了する。そして、MFP1(101)のCPU301は、S5001で取得した自装置の情報(IPアドレス,有効ホスト数閾値)と登録スレーブリストに基づいて、監視印刷装置登録の表示(図12の1200)を操作部40のタッチパネル401に行う。
【0100】
[印刷装置登録・変更処理]
以下、図14に示すフローチャートを用い、前記印刷装置登録画面より、登録スレーブリストに対する追加または編集処理について説明する。
【0101】
図14は、本発明のネットワーク装置における登録スレーブリストに対する追加または編集処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、MFP1(1101)のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0102】
図12に示した印刷装置登録画面の追加ボタン1201、又は、編集ボタン1203が指示されると、MFP1(1101)のCPU301は、本フローチャートの処理を開始する。
【0103】
まず、ステップS6001において、MFP1(1101)のCPU301は、図15に示すような監視印刷装置入力画面を操作部40に表示して、ユーザから、追加又は編集する機器のIPアドレス及び閾値の入力を受け付ける。
【0104】
図15は、本発明の第2実施形態のネットワーク装置における監視印刷装置入力画面の表示例を示した図である。
ユーザは、図15に示すように、監視印刷装置入力画面のIPアドレス入力欄1501及び有効ホスト数入力欄1502にIPアドレス及び閾値が入力され、登録ボタン1503が押下する。すると、MFP1(1101)のCPU301は、これを検知し、ユーザ入力画面からIPアドレス及び閾値を取得し、ステップS6002に処理を進める。
【0105】
ステップS6002では、MFP1(1101)のCPU301は、上記S6001で取得したIPアドレスに対し、応答要求のパケットを送信する。
次に、上記S6002で送信したパケットの応答があったか否かを判断し、応答があったと判断した場合には、MFP1(1101)のCPU301は、ステップS6004に処理を進める。
【0106】
ステップS6004では、MFP1(1101)のCPU301は、登録スレーブの有効ホスト数閾値を、上記S6001で取得した閾値に変更するように、上記S6001で取得したIPアドレスに対して要求する。
【0107】
次に、ステップS6005において、MFP1(1101)のCPU301は、上記S6004の閾値変更要求に対して、閾値変更要求が成功した旨の応答を受信したか否かにより、上記S6004の閾値変更要求が成功したか否かを判断する。
【0108】
そして、上記S6005において、上記S6004の閾値変更要求が成功したと判断した場合には、MFP1(1101)のCPU301は、ステップS6007に処理を進める。
【0109】
ステップS6007では、MFP1(1101)のCPU301は、スレーブ登録・変更処理が成功した旨をユーザに通知し(操作部40のタッチパネル401に表示し)、本フローチャートの処理を終了する。
【0110】
一方、ステップS6005において、MFP1(1101)のCPU301は、上記S6004の閾値変更要求が失敗したと判断した場合には、ステップS6006に処理を進める。
【0111】
ステップS6006では、MFP1(1101)のCPU301は、スレーブ登録・変更処理が失敗した旨をユーザに通知し(操作部40のタッチパネル401に表示し)、本フローチャートの処理を終了する。
【0112】
以上の処理により、大企業のように、ネットワークに接続されるPCや共有となる印刷装置の数が多い環境であっても、ユーザが減少していく(稼働しているPCが減少していく)のに応じて、稼動している印刷装置を減少させることができる。従って、ユーザの利便性を維持しつつ、ユーザ環境において消費される電力量を削減することが可能となる。
【0113】
なお、本実施形態においても、各ネットワーク装置(MFP)において、図8に示したように時間帯に応じて、有効ホスト数閾値(Th)を変更するように構成してもよい。この場合、もちろん、マスタから各MFPに記憶される時間帯の有効ホスト数閾値を変更可能とする。
【0114】
なお、上記実施形態では、電源ON状態で接続されるホスト数(有効ホスト数)が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、装置の主電源をOFFする(図7のS2018)構成について説明した。しかし、有効ホスト数が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、装置を省電力モード等の省電力状態に移行させるように構成してもよい。この構成の場合、図10の起動時処理を、省電力モードからの復帰時にも行うように構成する。
【0115】
さらに、第1の有効ホスト数閾値(以下、第1の閾値(Th1))と、第2の有効ホスト数閾値(以下、第2の閾値(Th2))とを予めNVRAM304に格納しておく。なお、第1の閾値(Th1)>第2の閾値(Th2)とする。そして、有効ホスト数が第1の閾値(Th1)を下回った場合に、装置を省電力モードに移行させ、さらに、有効ホスト数が第2の閾値(Th2)を下回った場合に、装置の主電源をOFFするように構成してもよい。もちろん、この構成においても、図8に示したように時間帯に応じて第1の閾値(Th1)及び第2の閾値(Th2)を変更するように構成してもよい。
【0116】
また、有効ホスト数が有効ホスト数閾値(Th)を下回った場合に、一旦、省電力モードに移行し、その後、一定の時間、アクセスがなかった場合に、装置の主電源をOFFするように構成してもよい。また、以上の構成を組み合わせた構成であってもよい。
【0117】
以上の構成により、ユーザの利便性を損ねることなく、ネットワーク装置の電源をより詳細に制御して、確実に省電力を実現することができる。
なお、上記各実施形態及びその変形例では、本発明のネットワーク装置をMFP等の印刷装置とする例を説明したが、LAN等のネットワークに接続可能なネットワーク装置であればどのようなネットワーク装置であっても本発明を適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータ等の情報処理装置であってもよい。
【0118】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0119】
以上示したように、少数のユーザがPCを稼働させたままの状態であっても、ネットワーク装置の電源をオフすることが可能であり、無駄な電力消費を抑えることができる。
また、予め主電源制御開示時刻(Tstart)と、予め主電源制御終了時刻(Tend)とを設定しておくことにより、主電源OFF制御処理(図7のS2018)を一定の期間内でのみ行うことができる。これにより、ユーザがいない可能性の高い時間には、より確実に主電源OFF制御処理(図7のS2018)を行うことが可能となる。
【0120】
図10に示した起動監視処理により、主電源OFF制御処理(図7のS2018)を行う条件を適切に変更して、不用意にネットワーク装置の主電源がOFFされるといった事態が頻発しないようにできる。よって、ユーザによる電源投入の負担を最低限に軽減することができる。
【0121】
また、マスタとなるネットワーク装置を置くことで、複数台機器を保有するユーザによる前記閾値の設定・管理の負荷を軽減することができる。
本実施形態における図6,図7,図9,図10,図13,図14に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROM等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0122】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0123】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0124】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0125】
30 コントローラ部
50 電源制御部
301 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置であって、
前記複数の端末装置からパケットを受信する受信手段と、
前記受信手段が一定期間に受信したパケットに基づいて、前記複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する制御手段と、
前記所定の閾値を設定する閾値設定手段と、
を有することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記カウント手段は、前記一定期間に受信したパケットに含まれる特定のパケットの受信状態に基づいて前記端末装置の数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
期間を設定する期間設定手段を有し、
前記制御手段は、前記期間設定手段により設定された期間において、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が前記所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記期間設定手段により設定された期間が終了した時刻を示す終了時間を記憶する終了時間記憶手段と、
前記ネットワーク装置の起動時に前記終了時間と現在時刻との時間差を算出する算出手段とを有し、
前記閾値設定手段は、前記算出手段により算出された時間差に基づいて前記所定の閾値を設定することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記所定の閾値は、複数の時間帯のいずれかに対応付けられており、
前記制御手段は、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が現在時刻に対応する時間帯の前記所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項6】
前記所定の閾値は、第1の閾値と、第2の閾値とを含み、
前記制御手段は、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が前記第1の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させ、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が前記第2の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置の電源を遮断するよう制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項7】
ネットワークを介して通信可能な他のネットワーク装置に対して、前記他のネットワーク装置における前記所定の閾値を変更させるための変更要求を指示する指示手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項8】
複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置の制御方法であって、
受信手段が、前記複数の端末装置からパケットを受信する受信ステップと、
カウント手段が、前記受信ステップにて一定期間に受信したパケットに基づいて、前記複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントするカウントステップと、
制御手段が、前記カウントステップにてカウントされた端末装置の数が所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する制御ステップと、
を有することを特徴とするネットワーク装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載されたネットワーク装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置であって、
前記複数の端末装置からパケットを受信する受信手段と、
前記受信手段が一定期間に受信したパケットに基づいて、前記複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する制御手段と、
前記所定の閾値を設定する閾値設定手段と、
を有することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記カウント手段は、前記一定期間に受信したパケットに含まれる特定のパケットの受信状態に基づいて前記端末装置の数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
期間を設定する期間設定手段を有し、
前記制御手段は、前記期間設定手段により設定された期間において、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が前記所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記期間設定手段により設定された期間が終了した時刻を示す終了時間を記憶する終了時間記憶手段と、
前記ネットワーク装置の起動時に前記終了時間と現在時刻との時間差を算出する算出手段とを有し、
前記閾値設定手段は、前記算出手段により算出された時間差に基づいて前記所定の閾値を設定することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記所定の閾値は、複数の時間帯のいずれかに対応付けられており、
前記制御手段は、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が現在時刻に対応する時間帯の前記所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項6】
前記所定の閾値は、第1の閾値と、第2の閾値とを含み、
前記制御手段は、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が前記第1の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させ、前記カウント手段によりカウントされた端末装置の数が前記第2の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置の電源を遮断するよう制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項7】
ネットワークを介して通信可能な他のネットワーク装置に対して、前記他のネットワーク装置における前記所定の閾値を変更させるための変更要求を指示する指示手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項8】
複数の端末装置とネットワークを介して通信可能なネットワーク装置の制御方法であって、
受信手段が、前記複数の端末装置からパケットを受信する受信ステップと、
カウント手段が、前記受信ステップにて一定期間に受信したパケットに基づいて、前記複数の端末装置のうち前記ネットワーク装置と通信可能な端末装置の数をカウントするカウントステップと、
制御手段が、前記カウントステップにてカウントされた端末装置の数が所定の閾値を下回る場合に、前記ネットワーク装置を省電力状態に移行させるよう制御する制御ステップと、
を有することを特徴とするネットワーク装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載されたネットワーク装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−198486(P2010−198486A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44630(P2009−44630)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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