説明

ハイドロフォビンポリペプチドおよび活性かつ有効な物質を有するハイドロフォビンポリペプチド由来のコンジュゲートの使用、ならびにその製造および化粧品工業におけるその使用

本発明は、ケラチンを含有する物質、粘膜および歯を処置するための化粧用組成物であって、少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を含有する組成物に関する。
Xn-C1-X1〜50-C2-X0〜5-C3-Xp-C4-X1〜100-C5-X1〜50-C6-X0〜5-C7-X1〜50-C8-Xm (I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行技術
ハイドロフォビンは、糸状菌に特徴的な、他の生物では存在しない約100アミノ酸の小さいタンパク質である。最近、Streptomyces coelicolorにおいてハイドロフォビン様タンパク質が発見された。それは「チャプリン(Chaplins)」と称され、同様に高い界面活性特性を有する。チャプリンは水と空気の界面で集合してアミロイド様原繊維を生じさせることがある(Classen et al. 2003 Genes Dev 1714-1726; Elliot et al. 2003, Genes Dev. 17, 1727-1740)。
【0002】
ハイドロフォビンは、種々の真菌構造、例えば気菌糸、胞子、子実体等の表面に水不溶性形態で分布している。ハイドロフォビンの遺伝子は、子嚢菌類、不完全菌類および担子菌類から単離された。いくつかの真菌は2種以上のハイドロフォビン遺伝子を含み、その例は、Schizophyllum commune、Coprinus cinereus、Aspergillus nidulansである。明らかに、種々のハイドロフォビンが真菌発生の異なる段階に関与している。該ハイドロフォビンはおそらく異なる機能を担っている(van Wetter et al., 2000, Mol. Microbiol., 36, 201-210; Kershaw et al. 1998, Fungal Genet. Biol, 1998, 23, 18-33)。
【0003】
気菌糸を生じさせるために水の表面張力を低下させることに加えて報告されているハイドロフォビンの生物学的機能は胞子の疎水化である(Woesten et al. 1999, Curr. Biol., 19, 1985-88; Bell et al. 1992, Genes Dev., 6, 2382-2394)。さらにまた、ハイドロフォビンは、地衣類の子実体における気道(gas channels)の内張りのために、ならびに真菌病原体が植物表面を識別するシステムの成分として、使用される(Lugones et al. 1999, Mycol. Res., 103, 635-640; Hamer & Talbot 1998, Curr. Opinion Microbiol., Volume 1, 693-697)。
【0004】
相補実験では、ハイドロフォビンを、単一クラス内で、ある程度までは機能的に置換できることが実証されている。
【0005】
以前に開示されているハイドロフォビンは、通例のタンパク質化学的な精製および単離方法を使用して、中程度の収量および純度でしか製造することができない。遺伝的方法により大量のハイドロフォビンを提供する試みも現在まで成功していない。
【0006】
US 20030217419A1では、化粧用調製物のための、Schizophyllumg commune由来のハイドロフォビンSC3の使用が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
目的
本発明の目的は、ケラチンまたはケラチン含有物質、例えば皮膚、爪または毛ならびに/あるいは粘膜および/または歯に対して高い親和性を有する新規ポリペプチドを提供することであった。そのようなポリペプチドは、ケラチン含有構造、特に毛、爪および皮膚、または粘膜もしくは歯の、化粧用処置および医薬品処置に好適であり、ならびに多数の活性物質および有効物質のアンカーとして好適である。
【0008】
さらに、本発明の目的は、ケラチンまたはケラチン含有物質、例えば皮膚または毛に対して高親和性の結合性ペプチドを有し、該ペプチドに特定のエフェクター分子が結合している新規ケラチン結合性エフェクター分子を提供することであった。そのようなケラチン結合性エフェクター分子は、ケラチンに対するエフェクター分子の高い局所濃度、いわゆるケラチンに対する「ターゲティング」、または長い作用期間を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の説明
本発明は、ケラチン含有物質、粘膜および歯を処置するための化粧用組成物であって、以下の一般構造式(I)で示される少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を化粧品適合性溶媒中に含む組成物を提供する。
構造式(I):
Xn-C1-X1〜50-C2-X0〜5-C3-Xp-C4-X1〜100-C5-X1〜50-C6-X0〜5-C7-X1〜50-C8-Xm (I)
[式中、Xは20種の天然アミノ酸(Phe、Leu、Ser、Tyr、Cys、Trp、Pro、His、Gln、Arg、Ile、Met、Thr、Asn、Lys、Val、Ala、Asp、Glu、Gly)のいずれかであってよく、Xの変数はアミノ酸の数を示し、かつ変数nおよびmは、0〜500の範囲、好ましくは15〜300の範囲の数であり、pは、1〜250の範囲、好ましくは1〜100の範囲の数であり、Cは、システイン、アラニン、セリン、グリシン、メチオニンまたはトレオニンであり、かつCによって指定される残基のうち少なくとも4つはシステインである]
のポリペプチドであって、ただし、XnまたはXmまたはXpとして略記されるペプチド配列の少なくとも1つは、天然にはハイドロフォビンと連結していない少なくとも20アミノ酸長のペプチド配列である、ガラス表面のコーティング後にその接触角を少なくとも20°変化させる前記ポリペプチド。
【0010】
C1〜C8によって指定されるアミノ酸は、好ましくはシステインであるが、それらを他の同様にかさ高いアミノ酸、好ましくはアラニン、セリン、トレオニン、メチオニンまたはグリシンによって置き換えてもよい。しかしながら、C1〜C8位のうち少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、特に好ましくは少なくとも6つ、および特には少なくとも7つはシステインを含むべきである。システインは還元型であってよく、あるいは本発明のタンパク質中で互いにジスルフィド架橋を形成してもよい。C-C架橋の分子内形成、特に、少なくとも1つ、好ましくは2つ、特に好ましくは3つ、および非常に特に好ましくは4つの分子内ジスルフィド架橋を有するものが特に好ましい。好都合には、上記のように同様にかさ高いアミノ酸でシステインを置き換える場合、分子内ジスルフィド架橋をその間で形成可能なC位の対を置き換える。
【0011】
Xによって指定される位置に、システイン、セリン、アラニン、グリシン、メチオニンまたはトレオニンがさらに用いられる場合、前記一般式中の個々のシステインの位置の番号付けは適宜変化しうる。
【0012】
特に有益なポリペプチド(i)は以下の一般式(II):
Xn-C1-X3〜25-C2-X0〜2-C3-X5〜50-C4-X2〜35-C5-X2〜15-C6-X0〜2-C7-X3〜35-C8-Xm (II)
[式中、Xは20種の天然アミノ酸(Phe、Leu、Ser、Tyr、Cys、Trp、Pro、His、Gln、Arg、Ile、Met、Thr、Asn、Lys、Val、Ala、Asp、Glu、Gly)のいずれかであってよく、Xの変数はアミノ酸の数を示し、かつ変数nおよびmは2〜300の範囲の数であり、Cは、システイン、アラニン、セリン、グリシン、メチオニンまたはトレオニンであり、かつCによって指定される残基のうち少なくとも4つはシステインである]
のポリペプチドであって、ただし、XnまたはXmとして略記されるペプチド配列の少なくとも1つは、天然にはハイドロフォビンと連結していない少なくとも35アミノ酸長のペプチド配列である、ガラス表面のコーティング後にその接触角を少なくとも20°変化させる前記ポリペプチドである。
【0013】
以下の一般式(III):
Xn-C1-X5〜9-C2-C3-X11〜39-C4-X2〜23-C5-X5〜9-C6-C7-X6〜18-C8-Xm (III)
[式中、Xは20種の天然アミノ酸(Phe、Leu、Ser、Tyr、Cys、Trp、Pro、His、Gln、Arg、Ile、Met、Thr、Asn、Lys、Val、Ala、Asp、Glu、Gly)のいずれかであってよく、Xの変数はアミノ酸の数を示し、かつ変数nおよびmは0〜200の範囲の数であり、Cは、システイン、アラニン、セリン、グリシン、メチオニンまたはトレオニンであり、かつCによって指定される残基のうち少なくとも6つはシステインである]
のポリペプチドであって、ただし、XnまたはXmとして略記されるペプチド配列の少なくとも1つは、天然にはハイドロフォビンと連結していない少なくとも40アミノ酸長のペプチド配列である、ガラス表面のコーティング後にその接触角を少なくとも20°変化させる前記ポリペプチド(i)が、特に非常に有益である。
【0014】
記載される発明の好ましい実施形態は、一般構造式(I)、(II)または(III)を有するポリペプチドであり、その構造式は、少なくとも1個のクラスIハイドロフォビン、好ましくは少なくとも1個のdewA、rodA、hypA、hypB、sc3、basf1、basf2、ハイドロフォビン、またはその部分もしくは誘導体を含む。該ハイドロフォビンは後述の配列表において構造的に特徴付けられる。複数の、好ましくは2または3個の、構造的に同一または異なるハイドロフォビンを、互いに、そして天然にはハイドロフォビンと連結されていない対応する好適なポリペプチド配列と、連結することも可能である。
【0015】
本発明の特に好ましい実施形態は、配列番号20、22、24に記載のポリペプチド配列を有する新規タンパク質、およびそれらをコードする核酸配列(特に配列番号19、21、23に記載の配列)である。特に好ましい実施形態は、さらに、配列番号22、22、または24に記載のポリペプチド配列から出発して少なくとも1個、10個まで、好ましくは5個、特に好ましくは全体の5%、のアミノ酸の置換、挿入または欠失によって生じ、かつ出発タンパク質の生物学的特性の少なくとも50%を依然として有するタンパク質である。本明細書中でのタンパク質の生物学的特性とは、実施例10に記載のような、接触角の変化を意味する。
【0016】
本発明のタンパク質は、XnまたはXmまたはXpとして略記される少なくとも1つの位置に、少なくとも20個、好ましくは少なくとも35個、特に好ましくは少なくとも50個、および特には少なくとも100個のアミノ酸(以下融合パートナーとも称される)を含むポリペプチド配列であって天然にはハイドロフォビンと連結していないポリペプチド配列を有する。このことは、本発明のタンパク質が、天然にはその形態で一緒に存在することはない、ハイドロフォビン部分と融合パートナー部分からなるという事実を表すものとして意図される。
【0017】
融合パートナー部分は多数のタンパク質から選択してよい。1個のハイドロフォビン部分に対して、例えば該ハイドロフォビン部分のアミノ末端(Xn)およびカルボキシ末端(Xm)に、複数の融合パートナーを連結することも可能である。しかし、例えば、2個の融合パートナーを本発明のタンパク質の1つの位置(XnまたはXm)に連結することも可能である。
【0018】
特に好ましい融合パートナーは、本発明のタンパク質によってガラス表面をコーティングすると、そのタンパク質処理されたガラス表面が、実験セクション(実施例10)に詳細に記載されるように界面活性剤での処理(例えば1% SDS/80℃/10分)に対して抵抗性になるようにすることができる、ポリペプチド配列である。
【0019】
特に好適な融合パートナーは、微生物、特にE. coliまたはBacillus subtilis中に天然に存在するポリペプチドである。そのような融合パートナーの例は、配列yaad(配列番号15および16)、yaae(配列番号17および18)およびチオレドキシンである。また、該配列の部分、好ましくは10〜90%、特に好ましくは25〜75%のみを含む該配列の断片または誘導体も非常に有用である。その場合、C末端での欠失、例えば最初の75個のN末端アミノ酸のみからなるyaad断片、または、個々のアミノ酸またはヌクレオチドが該配列と比べて改変されているものが好ましい。例えば、追加アミノ酸、特に2個の追加アミノ酸、好ましくはアミノ酸Arg、Serをyaadおよびyaae配列のC末端に付加してよい。天然に存在する配列と比べて、追加アミノ酸、例えば配列番号17および18のアミノ酸番号2(Gly)をyaae配列に挿入することが好ましいこともありうる。
【0020】
さらに好適な融合パートナーは、ケラチン結合性ドメイン、例えばヒト線維形成(desmoplacin)において生じるもの、またはアミノ酸の置換、挿入もしくは欠失のような通常の遺伝子工学法によりそれから得られるものである。
【0021】
ケラチンへの結合は実験セクションに記載する実験を用いて容易に確認されうる。
【0022】
さらにまた、核酸レベルで制限酵素の認識部位を新たに創出または不活性化することにより、2個の融合パートナーの連結部に追加アミノ酸を挿入することも可能である。
【0023】
さらに、本発明のタンパク質のポリペプチド配列を、例えばグリコシル化、アセチル化または化学的架橋によって、例えばグルタルジアルデヒド(glutardialdehyde)を用いて修飾することも可能である。
【0024】
本発明のタンパク質の1つの特性は、表面が該タンパク質でコーティングされた場合の表面特性の変化である。表面特性の該変化は、本発明のタンパク質で表面をコーティングする前およびその後に、水滴の接触角を測定し、その2つの測定値の差異を決定することによって実験的に決定することができる。
【0025】
接触角を測定するための厳密な実験条件は実施例10の実験セクションで言及する。これらの条件下で、本発明のタンパク質は、接触角を、少なくとも20、好ましくは25、特に好ましくは30度、増加させる特性を有する。
【0026】
以前に開示されているハイドロフォビンのハイドロフォビン部分中の極性および非極性アミノ酸の位置は保存されていて、その結果、特徴的な疎水性プロットが得られる。生物物理学的特性および疎水性の差異に起因して、以前に開示されているハイドロフォビンがIおよびIIの2クラスに分けられた(Wessels et al. 1994, Ann. Rev. Phytopathol., 32, 413-437)。
【0027】
クラスIハイドロフォビンの会合膜は、(高温の1% SDSに関してさえ)高度に不溶性であり、濃縮トリフルオロ酢酸(TFA)またはギ酸によってのみ再び解離させることができる。対照的に、会合型のクラスIIハイドロフォビンは安定性が低い。それらは、60%強度エタノールまたは1% SDS(室温)によってさえ再び溶解しうる。この溶媒および界面活性剤に対する高い安定性はハイドロフォビンの格別の特性であり、該安定性によって、本発明のポリペプチドでのコーティングは、表面上で多数のタンパク質によって形成される「非特異的な」タンパク質コーティングとは区別される。
【0028】
アミノ酸配列の比較によって、クラスIハイドロフォビンよりもクラスIIハイドロフォビンにおいてシステインC3およびC4の間の領域の長さが明らかに短いことが示される。
【0029】
さらにまた、クラスIIハイドロフォビンはクラスIより多数の荷電アミノ酸を有する。
【0030】
本発明は、さらに、以下のものからなるハイドロフォビンを含むエフェクター分子を提供する:
(i)少なくとも1種のハイドロフォビン、
(ii)天然にはハイドロフォビン(i)と連結していない1種のエフェクター分子。
【0031】
ハイドロフォビン(i)は、すべての公知のハイドロフォビンポリペプチドによって代表されうる。特に好適なハイドロフォビン(i)は一般構造式(I)、(II)または(III)で示される上述のポリペプチド(i)である。
【0032】
好ましいハイドロフォビンポリペプチド配列(i)は、配列番号1〜24に記載のアミノ酸配列を含む。
【0033】
同様に、本発明には、具体的に開示されているハイドロフォビンポリペプチド配列(i)の「機能的等価物」および本発明の方法におけるその使用が含まれる。
【0034】
具体的に開示されているポリペプチド(i)の「機能的等価物」またはアナログとは、本発明の目的では、該ポリペプチド(i)とは異なっているが、さらに所望の生物学的活性、例えばケラチン結合性などを有するポリペプチドである。ゆえに、例えば、「機能的等価物」とは、実施例12/13に記載の結合試験の1つにしたがって、実施例12/13に記載の結合試験において配列番号1〜24のハイドロフォビンが示す結合性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは75%、非常に特に好ましくは90%の結合性を示すハイドロフォビンポリペプチド配列を意味すると理解される。
【0035】
好適なアミノ酸置換の例を以下の表に挙げる:

【0036】
本発明で「機能的等価物」とは、特に、上述のアミノ酸配列の少なくとも1個の配列位置において、具体的に記載されているアミノ酸以外のアミノ酸を有するが、それにもかかわらず、上述の生物学的活性の1つを有する突然変異タンパク質をも意味すると理解される。ゆえに、「機能的等価物」には、1個以上のアミノ酸の付加、置換、欠失および/または逆位(inversion)によって得られる突然変異タンパク質が含まれ、該改変は、それらが本発明に記載の特性プロファイルを有する突然変異タンパク質を生じさせる限り、任意の配列位置に施すことが可能である。
【0037】
上記意味での「機能的等価物」は、上記ポリペプチドの「前駆体」、および該ポリペプチドの「機能的誘導体」および「塩」でもある。
【0038】
本明細書中で「前駆体」とは、所望の生物学的活性を有するか、あるいは有さない、前記ポリペプチドの天然または合成の前駆体である。
【0039】
用語「塩」とは、本発明のタンパク質分子のカルボキシル基の塩およびアミノ基の酸付加塩の両者を意味すると理解される。カルボキシル基の塩は、それ自体公知の方法で調製することができ、それには、無機塩、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄および亜鉛の塩、および有機塩基との塩、例えばアミン(トリエタノールアミンなど)、アルギニン、リシン、ピペリジン等との塩が含まれる。酸付加塩、例えば鉱酸、例えば塩酸または硫酸との塩、および有機酸、例えば酢酸およびシュウ酸との塩も、本発明によって同様に提供される。
【0040】
本発明のポリペプチドの「機能的誘導体」は、その官能性アミノ酸側鎖基またはNまたはC末端において、公知の技術を用いて同様に調製することができる。そのような誘導体には、例えばアンモニアまたは一級もしくは二級アミンとの反応によって得られるカルボン酸基の脂肪族エステル、カルボン酸基のアミド;アシル基との反応によって調製される遊離アミノ基のN-アシル誘導体;またはアシル基との反応によって調製される遊離ヒドロキシ基のO-アシル誘導体が含まれる。
【0041】
「機能的等価物」には、天然には、他の生物から得られるポリペプチド、および天然に存在する変異体も含まれる。例えば、配列の比較によって相同配列領域の範囲を確立し、本発明の特定の要件に基づいて等価な酵素を突き止めることが可能である。
【0042】
「機能的等価物」には、例えば所望の生物学的機能を有する、本発明のポリペプチドの断片、好ましくは単一ドメインまたは配列モチーフが同様に含まれる。
【0043】
「機能的等価物」とは、上述のハイドロフォビンポリペプチド配列またはそれに由来する機能的等価物の1種と、それとは機能的に異なり機能的にNまたはC末端に連結されている(すなわち、該融合タンパク質の各部分の重大な相互の機能的障害を伴わない)少なくとも1種の追加の異種性配列とを含む、融合タンパク質でもある。そのような異種性配列の非限定的な例は、例えばシグナルペプチドまたは酵素である。
【0044】
本発明で同様に「機能的等価物」に含まれるのは、具体的に開示されているタンパク質のホモログである。これらは、具体的に開示されているアミノ酸配列の1つと少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、特に少なくとも85%、例えば90%、95%または99%ホモロジーを有し、それはPearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 85(8), 1988, 2444-2448のアルゴリズムによって算出される。本発明の相同ポリペプチドのホモロジーパーセントとは、特に、本明細書中で具体的に記載されているアミノ酸配列のうちの1つの全長に基づくアミノ酸残基の同一性パーセントを意味する。
【0045】
タンパク質グリコシル化が起こりうる場合、本発明の「機能的等価物」には、脱グリコシル化またはグリコシル化形態、およびグリコシル化パターンを改変することによって得られる改変形態の上記タイプのタンパク質が含まれる。
【0046】
本発明のポリペプチド(i)のホモログは、タンパク質の突然変異誘発、例えば点突然変異またはトランケーションによって作製することができる。
【0047】
本発明のポリペプチドのホモログは、突然変異体、例えばトランケーション突然変異体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって同定することができる。例えば、タンパク質変異体のライブラリーは、核酸レベルでのコンビナトリアル突然変異誘発によって、例えば合成オリゴヌクレオチドの混合物を酵素によってライゲーションすることによって作製することができる。縮重オリゴヌクレオチド配列からホモログ候補のライブラリーを調製するために使用できる多数の方法が存在する。自動DNA合成機で縮重遺伝子配列の化学合成を実行することができ、そしてその合成遺伝子を好適な発現ベクターにライゲートすることができる。縮重セットの遺伝子の使用により、1混合物中に可能性のあるタンパク質配列の所望のセットをコードするすべての配列を提供することが可能になる。縮重オリゴヌクレオチドを合成するための方法は当業者に公知である(例えばNarang, S.A. (1983) Tetrahedron 39:3; Itakura et al. (1984) Annu. Rev. Biochem. 53:323; Itakura et al., (1984) Science 198:1056; Ike et al. (1983) Nucleic Acids Res. 11:477)。
【0048】
点突然変異またはトランケーションによって生成されたコンビナトリアルライブラリーにおいて遺伝子産物をスクリーニングするための、および選択された特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするための、いくつかの技術が先行技術において公知である。これらの技術は、本発明のホモログのコンビナトリアル突然変異誘発によって作製された遺伝子ライブラリーの高速スクリーニングに適合させることができる。ハイスループット解析の対象である大規模な遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための最も一般的に使用される技術は、複製可能発現ベクターへの遺伝子ライブラリーのクローニング、得られたベクターライブラリーでの好適な細胞の形質転換、および所望の活性の検出によりその産物が検出される遺伝子をコードするベクターの単離を容易にする条件下での組み合わせた遺伝子の発現を含む。ライブラリー中の機能的突然変異体の頻度を増加させる技術である帰納的集合突然変異誘発(REM)をスクリーニング試験と併用してホモログを同定することができる(Arkin and Yourvan (1992) PNAS 89:7811-7815; Delgrave et al. (1993) Protein Engineering 6(3):327-331)。
【0049】
本発明の特に有益な実施形態は、ハイドロフォビンを含むエフェクター分子であって、ハイドロフォビンが以下のハイドロフォビンポリペプチド配列の少なくとも1種を含むポリペプチド配列(i)によって表されるものである:
a)一般構造式(I)のポリペプチド配列、
b)(a)と比較して60%まで、好ましくは75%まで、特に好ましくは90%までのアミノ酸位置が改変されているポリペプチド配列、
ただし、ハイドロフォビンポリペプチド配列(b)のケラチン結合性が、実施例12および13に記載の試験においてハイドロフォビンポリペプチド配列(a)について測定された値の少なくとも10%である。
【0050】
本明細書中で、アミノ酸の改変とは、アミノ酸の置換、挿入および欠失、または、これらの3つの可能性の任意の組み合わせを意味する。
【0051】
所望の生物に高度に特異的な親和性を有するハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を使用することが好ましい。したがって、皮膚化粧品における使用では、ヒト皮膚ケラチンに対して特に高い親和性を有するハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を使用することが好ましい。毛化粧品における使用では、ヒト毛ケラチンに対して特に高い親和性を有するハイドロフォビンポリペプチド配列が好ましい。
【0052】
ペット部門における使用では、対応するケラチン、例えばイヌケラチンまたはネコケラチンに対して特に高い親和性を有するハイドロフォビンポリペプチド配列(i)がそれゆえに好ましい。
【0053】
しかし、本発明のエフェクター分子中で2種以上のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を使用することも可能である。複数コピーの同一ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を直列に連結して、例えばより高い結合性を達成することもできる。
【0054】
ケラチン結合特性を有する本発明のハイドロフォビンは、ヒト化粧品、特にスキンケアおよびヘアケア、および動物のケアにおける広い用途分野を有する。
【0055】
本発明のハイドロフォビンポリペプチド(i)は、好ましくは、毛化粧品および皮膚化粧品に使用される。それにより、スキンケア物質または皮膚保護用エフェクター物質の濃度を高くし、かつ作用期間を長くすることが可能になる。
【0056】
エフェクター分子(ii)
以下の本文では、エフェクター分子(ii)とは、特定の予測できる効果を有する分子を意味すると理解される。これらは、タンパク質様分子、例えば酵素、または非タンパク質原性(non-proteinogenic)分子、例えば染料(dye)、光防護剤、ビタミンおよび脂肪酸、または金属イオンを含む化合物であってよい。
【0057】
タンパク質様エフェクター分子のうち、酵素および抗体が好ましい。酵素のうち、以下の酵素がエフェクター分子(ii)として好ましい:オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、チロシナーゼ、金属結合性酵素、ラクトペルオキシダーゼ、リゾチーム、アミログリコシダーゼ(amyloglycosidase)、グルコースオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、フォトリアーゼ、カララーゼ(calalase)。
【0058】
非常に好適なタンパク質様エフェクター分子(ii)は、植物および動物供給源由来のタンパク質の加水分解産物、例えば海洋起源のタンパク質の加水分解産物または絹の加水分解産物でもある。
【0059】
非タンパク質様エフェクター分子(ii)のうち、染料、例えば半永久染料または酸化染料が好ましい。反応染料の場合、1成分は、好ましくは、エフェクター分子(ii)としてケラチン結合性ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)に連結され、次いで、作用部位で、すなわち毛への結合後に、第二の染料成分に酸化的に結合される。
【0060】
好適な染料は、本発明の分子についてすべての通例の毛染料である。好適な染料は、化粧品ハンドブック、例えばSchrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and Formulations of Cosmetics], Huethig Verlag, Heidelberg, 1989, ISBN 3-7785-1491-1から当業者に公知である。
【0061】
他の好適なエフェクター分子(ii)はカロテノイドである。本発明では、カロテノイドとは、以下の化合物を意味すると理解される:個別の、あるいは混合物としての、β-カロテン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、シトラナキサンチン、カンタキサンチン、ビキシン、β-アポ-4-カロテナール、β-アポ-8-カロテナール、β-アポ-8-カロテン酸エステル。好ましく使用されるカロテノイドは、β-カロテン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、シトラナキサンチンおよびカンタキサンチンである。
【0062】
本発明の目的では、レチノイドとは、ビタミンAアルコール(レチノール)およびその誘導体、例えばビタミンAアルデヒド(レチナール)、ビタミンA酸(レチノイン酸)およびビタミンAエステル(例えば酢酸レチノール、プロピオン酸レチノールおよびパルミチン酸レチノール)を意味する。本明細書中のレチノイン酸という用語には、オールトランスレチノイン酸およびさらに13-シスレチノイン酸の両者が含まれる。レチノールおよびレチナールという用語には、好ましくは、オールトランス化合物が含まれる。本発明の懸濁液に関して使用される好ましいレチノイドは、オールトランスレチノールであり、以下レチノールと称される。
【0063】
他の好ましいエフェクター分子(ii)は、ビタミン、特にビタミンAおよびそのエステルである。
【0064】
A、C、EおよびF群由来のビタミン、プロビタミンおよびビタミン前駆体、特に3,4-ジデヒドロレチノール、β-カロテン(ビタミンAのプロビタミン)、アスコルビン酸(ビタミンC)、およびアスコルビン酸のパルミチン酸エステル、グルコシドまたはホスファート、トコフェロール、特にα-トコフェロールおよびそのエステル、例えばアセタート、ニコチナート、ホスファートおよびスクシナート;さらにビタミンF(それは必須脂肪酸、特にリノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸を意味すると理解される)。
ビタミンAおよびその誘導体およびプロビタミンは、好都合に、特定の皮膚を滑らかにする(skin-smoothing)効果を示す。
【0065】
本発明で好ましく使用されるビタミンB群のビタミン、プロビタミンもしくはビタミン前駆体またはその誘導体、および2-フラノンの誘導体には、とりわけ以下の物質が含まれる。
【0066】
ビタミンB1、慣用名チアミン、化学名3-[(4'-アミノ-2'-メチル-5'-ピリミジニル)メチル]-5-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルチアゾリウムクロライド。
【0067】
ビタミンB2、慣用名リボフラビン、化学名7,8-ジメチル-10-(1-D-リビチル)-ベンゾ[g]プテリジン-2,4(3H,10H)-ジオン。リボフラビンは、例えば乳清中に、遊離型で存在し、他のリボフラビン誘導体は細菌および酵母から単離することができる。本発明で同様に好適なリボフラビンの1つの立体異性体はリキソフラビンである。リキソフラビンは魚粉または肝臓から単離することができ、D-リビチルの代わりにD-アラビチル基を保持する。
【0068】
ビタミンB3。この名称の下に、化合物ニコチン酸およびニコチンアミド(ナイアシンアミド)が列挙されることが多い。本発明では、ニコチンアミドが好ましい。
【0069】
ビタミンB5(パントテン酸およびパンテノール)。パンテノールを使用することが好ましい。本発明で使用できるパンテノールの誘導体は、特に、パンテノールのエステルおよびエーテル、およびカチオン的に誘導体化されたパンテノールである。本発明の他の好ましい実施形態では、パントテン酸またはパンテノールに加えて2-フラノンの誘導体を使用することもできる。特に好ましい誘導体は、同様に市販されている物質、ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-2(3H)-フラノン、慣用名パントラクトン(Merck)、4-ヒドロキシメチル-γ-ブチロラクトン(Merck)、3,3-ジメチル-2-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン(Aldrich)および2,5-ジヒドロ-5-メトキシ-2-フラノン(Merck)(すべての立体異性体が明示的に含まれる)である。
【0070】
これらの化合物は、好都合に、本発明のケラチン結合性エフェクター分子に保湿および皮膚沈静(skin-calming)特性を与える。
【0071】
ビタミンB6。ビタミンB6は、均一の物質ではないが、慣用名ピリドキシン、ピリドキサミンおよびピリドキサールの下に知られている5-ヒドロキシメチル-2-メチルピリジン-3-オールの誘導体であると理解される。
【0072】
ビタミンB7(ビオチン)。ビタミンB7は、ビタミンHまたは「皮膚ビタミン」とも称される。ビオチンは、(3aS,4S, 6aR)-2-オキソヘキサヒドロチエノール[3,4-d]イミダゾール-4-吉草酸である。
【0073】
パンテノール、パントラクトン、ニコチンアミドおよびビオチンは本発明で非常に特に好ましい。
【0074】
本発明では、好適な誘導体(塩、エステル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)が使用可能である。この群由来の親油性の油溶性酸化防止剤としては、トコフェロールおよびその誘導体、没食子酸エステル、フラボノイドおよびカロテノイド、およびブチルヒドロキシトルエン/アニソールが好ましい。水溶性酸化防止剤としては、アミノ酸、例えばチロシンおよびシステインならびにその誘導体、およびタンニン、特に植物起源のタンニンが好ましい。
【0075】
トリテルペン、特にトリテルペノイド酸、例えばウルソル酸、ローズマリー酸、ベツリン酸、ボスウェリア酸およびブリオノール酸。
【0076】
他の好ましいエフェクター分子(ii)はUV光防護性フィルターである。これらは、紫外線を吸収し、その吸収エネルギーを、より長波の放射物、例えば熱の形態で再び放出することができる有機物質を意味すると理解される。該有機物質は油溶性または水溶性であってよい。
【0077】
使用してよい油溶性UV-Bフィルターの例は以下の物質である:
3-ベンジリデンカンファーおよびその誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)カンファー;
4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルおよび4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;
桂皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、4-メトキシ桂皮酸プロピル、4-メトキシ桂皮酸イソアミル、4-メトキシ桂皮酸イソペンチル、2-シアノ-3-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシル(オクトクリレン);
サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;
ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4-メトキシベンズマロン酸ジ-2-エチルヘキシル;
トリアジン誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン(オクチルトリアゾン)およびジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB):
プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン。
【0078】
好適な水溶性物質は以下の物質である:
2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウム(glucammonium)塩;
ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;
3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸およびその塩。
【0079】
桂皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、4-メトキシ桂皮酸イソペンチル、2-シアノ-3-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシル(オクトクリレン)の使用が特に好ましい。
【0080】
さらにまた、ベンゾフェノンの誘導体、特に2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンの使用、およびプロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンの使用が好ましい。
【0081】
好適な典型的UV-Aフィルターは以下の物質である:
ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンまたは1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン;
ベンゾフェノンのアミノヒドロキシ置換誘導体、例えばN,N-ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルn-ヘキシルベンゾアート。
【0082】
当然、UV-AおよびUV-Bフィルターを混合物として使用することもできる。
【0083】
しかし、使用してよい他の光防護性フィルターには、さらに、他の不溶性色素、例えば微細分散した金属酸化物および塩、例えば二酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛がある。該粒子は、100 nm未満、好ましくは5〜50 nmの範囲および特に15〜30 nmの範囲の平均の直径を有するべきであろう。
【0084】
上記2群の一次光防護性物質に加えて、酸化防止剤タイプの二次光防護剤を使用することも可能であり、該二次光防護剤は、UV照射が皮膚内に浸透したときに引き起こされる光化学反応連鎖を中断させる。その典型例は、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、トコフェロール(ビタミンE)およびアスコルビン酸(ビタミンC)である。
【0085】
別の群は、UV光によって損傷した皮膚に対する抗炎症性効果を有する抗刺激剤である。そのような物質は、例えばビサボロール、フィトールおよびフィタントリオールである。
【0086】
エフェクター分子(ii)とケラチン結合性ハイドロフォビン-ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)の連結
エフェクター分子(ii)は、ケラチンに対する結合親和性を有するハイドロフォビンポリペプチド配列(i)に結合される。(i)と(ii)の間の結合は、共有結合性であるか、あるいはイオン性またはファンデルワールス相互作用に基づく結合であってよい(図3)。
【0087】
共有結合による連結が好ましい。この連結は、例えばハイドロフォビンポリペプチド配列(i)の側鎖、特にアミノ官能基またはカルボン酸官能基またはチオール官能基を介して生じうる。1個以上のリシン残基のアミノ官能基、1個以上のシステイン残基のチオール基またはハイドロフォビンポリペプチド(i)のN末端またはC末端官能基を介する連結が好ましい。エフェクター分子(ii)とハイドロフォビンポリペプチド配列(i)の連結は、直接連結、すなわち(i)および(ii)中に予め存在する2つの化学官能基の共有結合による連結であってよく、例えば(i)のアミノ官能基を(ii)のカルボン酸官能基と連結して酸アミドを得る。しかし該連結は、いわゆるリンカー、すなわち少なくとも二官能性の分子を介しても生じうる。該分子は、一方の官能基で(i)との結合に加わり、別の官能基で(ii)に連結する。
【0088】
エフェクター分子(ii)が同様にポリペプチド配列からなる場合、(i)と(ii)の連結は、いわゆる融合タンパク質、すなわち2つの部分の配列(i)および(ii)からなる共通ポリペプチド配列として生じうる。
【0089】
(i)と(ii)の間に、いわゆるスペーサーエレメント、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、ホスファターゼ、加水分解酵素の潜在的な切断部位を有するポリペプチド配列、または融合タンパク質の容易な精製を可能にするポリペプチド配列、例えばいわゆるHisタグ、すなわちオリゴヒスチジン残基、を組み込むことも可能である。
【0090】
非タンパク質様エフェクター分子とハイドロフォビンポリペプチド配列(i)の場合の連結は、好ましくは、エフェクター分子の化学官能基との共有結合に加わるハイドロフォビンポリペプチド(i)上の官能化可能な基(側鎖基)で生じる。
【0091】
本発明では、ハイドロフォビンポリペプチド(i)のアミノ、チオールまたはヒドロキシ官能基を介する結合性連結が好ましい。該官能基は、例えば、適切であれば活性化後に、エフェクター分子(ii)のカルボキシル官能基との対応するアミド、チオエステルまたはエステル結合に加わりうる。
【0092】
ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)とエフェクター分子(ii)の他の好ましい連結は、あつらえた(tailored)リンカーの使用である。そのようなリンカーは、2以上のいわゆるアンカー基を有し、該アンカー基によって、該リンカーはハイドロフォビンポリペプチド配列(i)と1以上のエフェクター分子(ii)を連結することができる。例えば、(i)についてのアンカー基はチオール官能基であってよく、該官能基を利用して、リンカーはポリペプチド(i)のシステイン残基とのジスルフィド結合に加わりうる。(ii)のアンカー基は、例えば、カルボキシル官能基であってよく、該官能基を利用して、リンカーはエフェクター分子(ii)のヒドロキシル官能基とのエステル結合に加わりうる。
【0093】
そのようなあつらえたリンカーの使用によって、その連結を所望のエフェクター分子に厳密に適合させることが可能になる。さらに、それによって、2以上のエフェクター分子をハイドロフォビンポリペプチド配列(i)と規定の様式で連結することが可能である。
【0094】
使用されるリンカーは、結合対象の官能基によって影響される。例えば、スルフヒドリル反応基、例えばマレイミド、ピリジルジスルフィド、α-ハロアセチル、ビニルスルホンを利用してポリペプチド(i)と結合し、かつ以下の基を利用してエフェクター分子(ii)と結合する分子が好適である:
- スルフヒドリル反応基(例えばマレイミド、ピリジルジスルフィド、α-ハロアセチル、ビニルスルホン)、アミン反応基(例えばスクシンイミジルエステル、カルボジイミド、ヒドロキシメチルホスフィン、イミドエステル、PFPエステル等)
- 糖および酸化糖反応基(例えばヒドラジド等)
- カルボキシ反応基(例えばカルボジイミド等)
- ヒドロキシル反応基(例えばイソシアナート等)
- チミン反応基(例えばソラレン等)
- 非選択性基(例えばアリールアジド等)
- 光活性化基(例えばペルフルオロフェニルアジド等)
- 金属錯化基(例えばEDTA、ヘキサHis、フェリチン)
- 抗体および抗体断片(例えば一本鎖鎖抗体、抗体のF(ab)断片、触媒抗体)。
【0095】
あるいは、例えばカルボジイミド、グルタルジアルデヒドまたは当業者に公知の他の架橋剤を用いて活性物質/有効物質とケラチン結合性ドメイン間の直接結合させることもできる。
【0096】
リンカーは、安定であって、熱切断性、光切断性、または酵素によって(特にリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、ホスファターゼ、加水分解酵素等によって)切断可能であってよい。対応する化学構造は当業者に公知であり、それは分子部分(i)と(ii)の間に組み込まれる。
【0097】
本発明の分子とともに使用できる、酵素によって切断可能なリンカーの例は、例えばWO 98/01406で特定されている。該文献の全開示内容は、参照により本明細書に明示的に組み入れられる。
【0098】
本発明のケラチン結合性ハイドロフォビンエフェクター分子は、ヒト化粧品、特にスキンケアおよびヘアケア、動物のケアにおいて広い適用分野を有する。
【0099】
好ましくは、本発明のケラチン結合性ハイドロフォビンエフェクター分子は、皮膚化粧品、爪化粧品および毛髪化粧品に使用される。それにより、スキンケア、ネイルケアおよびヘアケア、または皮膚保護、爪保護および毛保護用のエフェクター物質の濃度を高くし、かつ作用期間を長くすることが可能になる。
【0100】
毛化粧用または皮膚化粧用調製物の製造に好適な補助剤および添加物は当業者に公知であり、化粧品ハンドブック、例えばSchrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and Formulations of Cosmetics], Huethig Verlag, Heidelberg, 1989, ISBN 3-7785-1491-1に見出せる。
【0101】
本発明の化粧用組成物は、皮膚化粧用、毛化粧用、皮膚科学的、衛生用または医薬組成物であってよい。
【0102】
好ましくは、本発明の組成物は、ゲル、フォーム、スプレー、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁液、ローション、ミルクまたはペーストの剤形である。所望であれば、リポソームまたはミクロスフェアを使用してもよい。
【0103】
本発明の化粧用または医薬用の活性組成物には、化粧用および/または皮膚科学的活性物質および補助剤をさらに含ませることができる。
【0104】
好ましくは、本発明の化粧用組成物は、上記で規定される少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)、およびそれと異なる少なくとも1種の成分を含み、該成分は、化粧用活性物質、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香油、増粘剤、毛ポリマー、毛および皮膚コンディショナー、グラフト重合体、水溶性または分散性シリコーン含有ポリマー、光防護剤、漂白剤、ゲル形成剤、ケア剤、着色剤、毛染料、日焼け剤、染料、色素、構成剤、湿潤剤、補油剤、コラーゲン、タンパク質加水分解産物、脂質、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、エモリエント剤および皮膚軟化剤から選択される。
【0105】
そのような製剤中の通例の増粘剤は、架橋型ポリアクリル酸およびその誘導体、多糖類およびその誘導体、例えばキサンタンガム、寒天(agar-agar)、アルギナートまたはチローゼ、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、モノグリセリドおよび脂肪酸、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。非イオン性増粘剤を使用することが好ましい。
【0106】
好適な化粧用および/または皮膚科学的活性物質は、例えば着色活性物質、皮膚および毛色素沈着剤、毛染料、日焼け剤、漂白剤、ケラチン硬化剤、抗菌活性物質、光フィルター活性物質、忌避活性物質、充血性物質(hyperemic substances)、角質溶解および角質形成効果を有する物質、フケ取り活性物質、消炎剤、角化効果を有する物質、酸化防止活性物質または、フリーラジカルスカベンジャーとして作用する活性物質、皮膚保湿または湿潤物質、補油活性物質、抗紅斑性または抗アレルギー性活性物質ならびにそれらの混合物である。
【0107】
人工的に皮膚を日焼けさせ、紫外線を天然または人工的に照射することなく皮膚を日焼けさせるために好適である活性物質は、例えばジヒドロキシアセトン、アロキサンおよびクルミ殻抽出物である。好適なケラチン硬化剤は、通常、制汗剤においても使用される活性物質、例えば硫酸カリウムアルミニウム、アルミニウムヒドロキシクロライド、乳酸アルミニウム、等である。
【0108】
抗菌活性物質は、微生物を破壊するか、あるいはその生育を阻害するために使用され、ゆえに、保存剤として、およびさらに、体臭の生成または強度を低減する脱臭剤としても役立つ。これらには、例えば、当業者に公知の通例の保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エステル、イミダゾリジニル尿素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸、等が含まれる。そのような脱臭剤は、例えばリシノール酸亜鉛、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキルオールアミド、クエン酸トリエチル、クロルヘキシジン等である。
【0109】
好適な光フィルター活性物質は、UV-Bおよび/またはUV-A領域において紫外線を吸収する物質である。好適なUVフィルターは、例えば2,4,6-トリアリール-1,3,5-トリアジンであり、そのアリール基は、それぞれ好ましくはヒドロキシ、アルコキシ、特にメトキシ、アルコキシカルボニル、特にメトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルおよびその混合物から選択される少なくとも1個の置換基を保持してよい。さらに、紫外線を阻止するp-アミノ安息香酸エステル、桂皮酸エステル、ベンゾフェノン、カンファー誘導体、および色素、例えば二酸化チタン、タルクおよび酸化亜鉛が好適である。
【0110】
好適な忌避活性物質は、特定の動物、特に昆虫を追い払うか、あるいはヒトに寄せ付けないようにすることができる化合物である。これらには、例えば2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、N,N-ジエチル-m-トルアミド等が含まれる。皮膚を通って血流を刺激する充血活性を有する好適な物質は、例えば精油、例えば矮化マツ抽出物(dwarf pine extract)、ラベンダー抽出物、ローズマリー抽出物、ジュニパーベリー抽出物、焼きクリ抽出物、カバノキ葉抽出物、ヘイフラワー抽出物、酢酸エチル、カンファー、メントール、ペパーミント油、ローズマリー抽出物、ユーカリ油、等である。好適な角質溶解および角質形成物質は、例えばサリチル酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸およびその塩、硫黄等である。好適なフケ取り活性物質は、例えば硫黄、サルファーポリエチレングリコールソルビタンモノオレアート、サルファーリシノールポリエトキシラート、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオン、等である。皮膚刺激に対抗する好適な消炎剤は、例えばアラントイン、ビサボロール、ドラゴサントール、カミツレ抽出物、パンテノール、等である。
【0111】
本発明の化粧用組成物には、化粧用および/または医薬活性物質として(およびさらに、適切であれば、補助剤として)、本発明で使用される多価電解質複合体を形成するポリマーと異なる少なくとも1種の化粧用または製薬的に許容されるポリマーを含ませることができる。これらには、かなり一般的には、カチオン性、両性および中性ポリマーが含まれる。
【0112】
好適なポリマーは、例えばINCI名ポリクオタニウムのカチオン性ポリマー、例えばビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat FC, Luviquat HM, Luviquat MS, Luviquat&commat, Care)、硫酸ジエチルで四級化されたN-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリラートのコポリマー(Luviquat PQ 11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat E Hold)、カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4および-10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)およびキトサンである。
【0113】
好適なカチオン性(四級化)ポリマーは、さらに、Merquat(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドベースのポリマー)、Gafquat(ポリビニルピロリドンを四級アンモニウム化合物と反応させることによって製造される四級ポリマー)、Polymer JR(カチオン基を有するヒドロキシエチルセルロース)および植物ベースのカチオン性ポリマー、例えばRhodiaのJaguarグレード等のグアーポリマーである。
【0114】
他の好適なポリマーは、さらに、中性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルおよび/またはプロピオン酸ビニルのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタムおよびN-ビニルピロリドンを含む他のコポリマー、ポリエチレンイミンおよびその塩、ポリビニルアミンおよびその塩、セルロース誘導体、ポリアスパラギン酸塩および誘導体である。これらには、例えばLuviflex 0 Swing(ポリ酢酸ビニルおよびポリエチレングリコールの部分けん化コポリマー、BASF)が含まれる。
【0115】
好適なポリマーは、さらに、非イオン性、水溶性または水分散性ポリマーまたはオリゴマー、例えばポリビニルカプロラクタム、例えばLuviskol 0 Plus(BASF)、またはポリビニルピロリドンおよびその、特にビニルエステル、例えば酢酸ビニルとのコポリマー、例えばLuviskol 0 VA 37(BASF)、例えばDE-A-43 33 238に記載の、例えばイタコン酸および脂肪族ジアミンベースのポリアミドである。
【0116】
好適なポリマーは、さらに、両性または双性イオン性ポリマー、例えばオクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert-ブチルアミノエチルメタクリラート/ヒドロキシプロピルメタクリラートコポリマー(名称Amphomer(National Starch)の下に入手可能)、および例えばドイツ特許出願DE39 29 973、DE 21 50 557、DE28 17 369およびDE 3708 451で開示されている双性イオン性ポリマーである。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーおよびそのアルカリ金属およびアンモニウム塩は好ましい双性イオン性ポリマーである。他の好適な双性イオン性ポリマーは、メタクリルエチルベタイン/メタクリラートコポリマー(名称Amersette(AMERCHOL)の下に市販されている)、およびヒドロキシエチルメタクリラート、メタクリル酸メチル、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリラートおよびアクリル酸のコポリマー(Jordapon (D))である。
【0117】
好適なポリマーは、さらに、非イオン性、シロキサン含有、水溶性または水分散性ポリマー、例えばポリエーテルシロキサン、例えばTegopren 0(Goldschmidt)またはBesi&commat(Wacker)である。
【0118】
本発明の医薬組成物の製剤ベースは、好ましくは、製薬的に許容される補助剤を含む。製薬的に許容される補助剤は、製薬、食品技術の分野および関連分野での使用に関して公知の補助剤、特に関連の薬局方(例えばDAB Ph. Eur. BP NF)に列挙されている補助剤および、その特性が生理的適用を妨げない他の補助剤である。
【0119】
好適な補助剤は以下の補助剤であってよい:滑沢剤、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、抗刺激剤、キレート剤、乳化安定剤、フィルム形成剤、ゲル形成剤、臭気マスキング剤、樹脂、親水コロイド、溶媒、溶解促進剤、中和剤、浸透促進剤、色素、四級アンモニウム化合物、補油および過脂肪剤;軟膏;クリーム;または油をベースとする物質、シリコーン誘導体、安定剤、滅菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤、増粘剤、ワックス、軟化剤、白色油。この関連での製剤化は、例えばFiedler, H.P. Lexikon der Hilfsstoffe fuer Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete [Lexicon of Auxiliaries for Pharmacy, Cosmetics and related fields], 4th ed., Aulendorf: ECV-Editio-Kantor-Verlag, 1996で教授されている専門知識に基づく。
【0120】
本発明の皮膚科学的組成物を調製するために、活性物質を好適な補助剤(賦形剤)と混合するか、あるいはそれで希釈することができる。賦形剤は、活性物質のビヒクル、担体または溶媒として機能しうる、固形、半固形または液状物質であってよい。所望であれば当業者に公知の様式で追加の補助剤が加えられる。さらに、ポリマーおよび分散剤は、製薬分野における補助剤として、好ましくは固形薬物剤形用のコーティング剤または結合剤として、あるいはそのコーティング剤または結合剤中の補助剤として好適である。それらは、クリーム中で、ならびに錠剤コーティングおよび錠剤結合剤として使用することもできる。
【0121】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は皮膚クレンジング用組成物である。
【0122】
好ましい皮膚クレンジング用組成物は、液体〜ゲル様粘度のセッケン、例えば透明セッケン、高級セッケン、デオドラントセッケン、クリームセッケン、ベビーセッケン、皮膚保護セッケン、磨セッケンおよび合成洗剤、のり状セッケン、軟セッケンおよび洗剤ペースト、液体洗剤、シャワー剤および浴剤、例えば洗浄ローション、シャワー浴剤およびゲル剤、フォーム浴剤、油浴剤およびスクラブ剤、シェービングフォーム、ローションおよびクリームである。
【0123】
他の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、皮膚を手入れおよび保護するための化粧用組成物、ネイルケア用組成物または装飾化粧品用の調製物である。
【0124】
好適な皮膚化粧用組成物は、例えばフェイストニック、フェイスマスク、デオドラント剤および他の化粧用ローションである。装飾用化粧品で使用するための組成物には、例えば、コンシーラースティック、舞台化粧品、マスカラおよびアイシャドウ、リップスティック、コールペンシル、アイライナー、ほお紅、パウダーおよびアイブロウペンシルが含まれる。
【0125】
さらにまた、ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)は、毛穴清浄用ノーズストリップ、抗ざ瘡組成物、忌避剤、シェービング用組成物、脱毛用組成物、個人ケア用組成物、フットケア用組成物、およびベビーケアにおいて使用することができる。
【0126】
本発明のスキンケア用組成物は、特にW/OまたはO/Wスキンクリーム、昼用および夜用クリーム、アイクリーム、フェイスクリーム、しわ取りクリーム、保湿クリーム、漂白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローションおよび保湿ローションである。
【0127】
上記多価電解質複合体ベースの皮膚化粧用および皮膚科学的組成物は有益な効果を示す。該ポリマーは、とりわけ、皮膚の保湿およびコンディショニングならびに皮膚の感触の改善に寄与しうる。該ポリマーは、さらに、製剤中の増粘剤として機能しうる。本発明のポリマーを加えることによって、特定の製剤中で、皮膚適合性の相当な改善が達成できる。
【0128】
皮膚化粧用および皮膚科学的組成物は、好ましくは、組成物の総重量に基づいて約0.000001〜10重量%、好ましくは0.0001〜1重量%の量の少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を含む。
【0129】
特に、ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)ベースの光防護組成物は、通例の補助剤、例えばポリビニルピロリドンと比較してUV吸収成分の滞留時間を増加させる特性を有する。
【0130】
用途分野に応じて、本発明の組成物は、スキンケアに好適な剤形で、例えばクリーム、フォーム、ゲル、スティック、ムース、ミルク、スプレー(ポンプスプレーまたは噴射剤含有スプレー)またはローションとして適用することができる。
【0131】
ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)および好適な担体に加えて、皮膚化粧用調製物には、上記のような皮膚化粧品において通例の追加の活性物質および補助剤をさらに含ませることもできる。これらには、好ましくは、乳化剤、保存剤、香油、化粧用活性物質、例えばフィタントリオール、ビタミンA、EおよびC、レチノール、ビサボロール、パンテノール、光防護剤、漂白剤、着色剤、毛染料、日焼け剤、コラーゲン、タンパク質加水分解産物、安定剤、pH調整剤、染料、塩、増粘剤、ゲル形成剤、粘度調節剤、シリコーン、保湿剤、補油剤および追加の通例の添加物が含まれる。
【0132】
皮膚化粧用および皮膚科学的組成物の好ましい油および脂肪成分は、上述の鉱油および合成油、例えばパラフィン、シリコーン油および8個を超える炭素原子を有する脂肪族炭化水素、動物および植物油、例えばヒマワリ油、ヤシ油、アボカド油、オリーブ油、ラノリン、またはワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、例えばC6-C30-脂肪酸のトリグリセリド、ワックスエステル、例えばホホバ油、脂肪アルコール、ワセリン、水添ラノリンおよびアセチル化ラノリン、およびその混合物である。
【0133】
本発明のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)は、特定の特性を確立しようとする場合には慣用のポリマーと混合することもできる。
【0134】
特定の特性、例えば手触りの感触、のび挙動、耐水性および/または活性物質と補助剤(例えば色素)の結合の改善を確立するために、皮膚化粧用および皮膚科学的調製物には、シリコーン化合物ベースのコンディショニング剤をさらに含ませることもできる。
【0135】
好適なシリコーン化合物は、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサンまたはシリコーン樹脂である。
【0136】
該化粧用または皮膚科学的調製物は、当業者に公知の通例の方法によって調製される。
【0137】
好ましくは、該化粧用および皮膚科学的組成物は、エマルジョン、特に油中水(W/O)または水中油(O/W)エマルジョンの形態である。
【0138】
しかし、他のタイプの製剤、例えば水分散物、ゲル、油、オレオゲル、例えばW/O/WまたはO/W/Oエマルジョンの形態の多層エマルジョン、無水軟膏または軟膏基剤、等を選択することも可能である。
【0139】
エマルジョンは公知の方法によって調製される。少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)に加えて、該エマルジョンは、一般に、通例の成分、例えば脂肪アルコール、脂肪酸エステルおよび、特に、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸、ラノリンおよびその誘導体、天然または合成油またはワックスおよび乳化剤を水の存在下で含む。エマルジョンの種類に特異的な添加物の選択および好適なエマルジョンの調製は、例えばSchrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and Formulations of Cosmetics], Huethig Buch Verlag, Heidelberg, 2nd edition, 1989, third partに記載されている。該文献は参照によりここに明示的に組み入れられる。
【0140】
例えばスキンクリーム等に好適なエマルジョンは、概して、油または脂肪相中の好適な乳化剤系を用いて乳化されている水相を含む。水相を提供するために、多価電解質複合体を使用することができる。
【0141】
該エマルジョンの脂肪相中に存在しうる好ましい脂肪成分は:炭化水素油、例えばパラフィン油、ピュアセリン油、ペルヒドロスクアレンおよびこれらの油中の微結晶ワックスの溶液;動物油または植物油、例えば甘扁桃油、アボカド油、カロフィラム油(calophylum oil)、ラノリンおよびその誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、カリテ油(karite oil)、hoplostethus油、大気圧下で蒸留出発点が約250℃であり、蒸留終点が410℃である鉱油、例えばワセリン油、飽和または不飽和脂肪酸のエステル、例えばミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチルまたはミリスチン酸セチル、ステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸エチルまたはパルミチン酸イソプロピル、オクタン酸またはデカン酸トリグリセリドおよびリシノール酸セチルである。
【0142】
脂肪相は、他の油に可溶性のシリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンおよびシリコーングリコールコポリマー、脂肪酸および脂肪アルコールを含みうる。
【0143】
ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)に加えて、ワックス、例えばカルナバワックス、カンデリラワックス、蜜ろう、微結晶ワックス、オゾケライトワックス、ならびにCa、MgおよびAlオレアート、ミリスタート、リノレアートおよびステアラートを使用することも可能である。
【0144】
さらに、本発明のエマルジョンはO/Wエマルジョンの形態であってよい。そのようなエマルジョンは、通常、油相、水相中で油相を安定化する乳化剤、および水相を含み、通常、濃化形態で存在する。好適な乳化剤は、好ましくは、O/W乳化剤、例えばポリグリセロールエステル、ソルビタンエステルまたは部分エステル型グリセリドである。
【0145】
他の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、シャワーゲル、シャンプー製剤または浴剤である。
【0146】
そのような製剤は、少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)および通例の、基礎界面活性剤であるアニオン性界面活性剤および共界面活性剤である両性および/または非イオン性界面活性剤を含む。他の好適な活性物質および/または補助剤は、通常、脂質、香油、染料、有機酸、保存剤および酸化防止剤、および増粘剤/ゲル形成剤、皮膚コンディショニング剤および保湿剤から選択される。
【0147】
これらの製剤は、製剤の総重量に基づいて、好ましくは2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜30重量%の界面活性剤を含む。
【0148】
洗剤、シャワー剤および浴剤では、身体清浄用組成物中で慣用されるすべてのアニオン性、中性、両性またはカチオン性界面活性剤を使用することが可能である。
【0149】
好適なアニオン性界面活性剤は、例えばアルキルサルファート、アルキルエーテルサルファート、アルキルスルホナート、アルキルアリールスルホナート、アルキルスクシナート、アルキルスルホスクシナート、N-アルコイルサルコシナート、アシルタウラート、アシルイソチオナート、アルキルホスファート、アルキルエーテルホスファート、アルキルエーテルカルボキシラート、アルファ-オレフィンスルホナート、特にそのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテルサルファート、アルキルエーテルホスファートおよびアルキルエーテルカルボキシラートは、その分子中に、1〜10個の範囲の酸化エチレンまたは酸化プロピレン単位、好ましくは1〜3個の酸化エチレン単位を有しうる。これらには、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンが含まれる。
【0150】
好適な両性界面活性剤は、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシナート、アルキルカルボキシグリシナート、アルキルアンホアセタートまたはアンホプロピオナート、アルキルアンホジアセタートまたはアンホジプロピオナートである。
【0151】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインまたはナトリウムコカンホプロピオナートを使用することができる。
【0152】
好適な非イオン性界面活性剤は、例えば直鎖状または分岐状であってよいアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはアルキルフェノールと酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンの反応産物である。酸化アルキレンの量はアルコール1モル当たり約6〜60モルである。さらに、酸化アルキルアミン、モノ-またはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエーテルエステルが好適である。
【0153】
さらにまた、洗剤、シャワー剤および浴剤には、通例のカチオン性界面活性剤、例えば四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロライドを含ませることができる。
【0154】
さらに、シャワーゲル/シャンプー製剤には、増粘剤、例えば塩化ナトリウム、PEG-55、プロピレングリコールオレアート、PEG-120メチルグルコースジオレアート等、および保存剤、追加の活性物質および補助剤および水を含ませることができる。
【0155】
他の好ましい実施形態では、本発明の組成物はヘアトリートメント組成物である。
【0156】
本発明のヘアトリートメント組成物は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは、約0.000001〜10重量%、好ましくは0.00001〜1重量%の範囲の量の少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を含む。
【0157】
好ましくは、本発明のヘアトリートメント組成物は、セッティングフォーム、ヘアムース、ヘアジェル、シャンプー、ヘアスプレー、ヘアフォーム、仕上げ液、パーマ用の中和剤、ヘアカラーおよびブリーチまたはホットオイルトリートメントの形態である。使用分野に応じて、毛化粧用調製物は、(エアロゾル)スプレー、(エアロゾル)フォーム、ジェル、ジェルスプレー、クリーム、ローションまたはワックスとして適用することができる。本発明のヘアスプレーには、エアロゾルスプレーおよびさらに噴射剤ガスを含まないポンプスプレーの両者が含まれる。ヘアフォームには、エアロゾルフォームおよびさらに噴射剤ガスを含まないポンプフォームの両者が含まれる。ヘアスプレーおよびヘアフォームは、好ましくは、主として、あるいはもっぱら水溶性または水分散性成分を含む。本発明のヘアスプレーおよびヘアフォーム中で使用される化合物が水分散性である場合、それらは、通常1〜350 nm、好ましくは1〜250 nmの粒径の水性微粒分散物の形態で適用することができる。本発明では、これらの調製物の固形物含量は、通常、約0.5〜20重量%の範囲である。これらの微粒分散物は、概して、安定化のための乳化剤または界面活性剤を必要としない。
【0158】
好ましい実施形態では、本発明の毛化粧用製剤は、a)0.000001〜10重量%の少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)、b)20〜99.95重量%の水および/またはアルコール、c)0〜50重量%の少なくとも1種の噴射剤ガス、d)0〜5重量%の少なくとも1種の乳化剤、e)0〜3重量%の少なくとも1種の増粘剤、および25重量%までの追加の成分を含む。
【0159】
アルコールとは、化粧品において一般的なすべてのアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、n-プロパノールを意味すると理解される。
【0160】
追加の成分とは、化粧品において一般的な添加物、例えば噴射剤、消泡剤、界面活性化合物、すなわち界面活性剤、乳化剤、発泡剤および可溶化剤を意味すると理解される。使用される界面活性化合物は、アニオン性、カチオン性、両性または中性であってよい。追加の一般的な成分は、例えば保存剤、香油、乳白剤、活性物質、UVフィルター、手入れ用物質、例えばパンテノール、コラーゲン、ビタミン、タンパク質加水分解産物、アルファ-およびベータ-ヒドロキシカルボン酸、安定剤、pH調整剤、染料、粘性調節剤、ゲル形成剤、塩、保湿剤、補油剤、錯化剤および追加の一般的な添加物であってもよい。
【0161】
これらには、さらに、ごく具体的な特性を確立しようとする場合に本発明のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)と併用できる、化粧品において公知のすべてのスタイリングおよびコンディショナーポリマーが含まれる。
【0162】
好適な慣用の毛化粧用ポリマーは、例えば上述のカチオン性、アニオン性、中性、非イオン性および両性ポリマーであり、それらは参照によりここに組み入れられる。
【0163】
特定の特性を確立するために、該調製物には、シリコーン化合物ベースのコンディショニング剤をさらに含ませることもできる。好適なシリコーン化合物は、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂またはジメチコーンコポリオール(CTFA)およびアミノ官能性シリコーン化合物、例えばアモジメチコーン(CTFA)である。
【0164】
本発明のポリマーは、ヘアスタイリング剤、特にヘアスプレー(エアロゾルスプレーおよび噴射剤ガスを含まないポンプスプレー)およびヘアフォーム(エアロゾルフォームおよび噴射剤ガスを含まないポンプフォーム)中のセッティング剤として特に好適である。
【0165】
好ましい実施形態では、スプレー調製物は、a)0.000001〜10重量%の少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)、b)90〜99.9重量%の水および/またはアルコール、c)0〜70重量%の少なくとも1種の噴射剤、d)0〜20重量%の追加の成分を含む。
【0166】
噴射剤は、ヘアスプレーまたはエアロゾルフォームに関して慣用される噴射剤である。プロパン/ブタンの混合物、ペンタン、ジメチルエーテル、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152 a)、二酸化炭素、窒素または圧縮空気が好ましい。
【0167】
本発明の好ましいエアロゾルヘアフォーム用の製剤は、a)0.000001〜10重量%の少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)、b)90〜99.9重量%の水および/またはアルコール、c)5〜20重量%の噴射剤、d)0.1〜5重量%の乳化剤、e)0〜10重量%の追加の成分を含む。
【0168】
使用できる乳化剤は、ヘアフォームにおいて慣用されるすべての乳化剤である。好適な乳化剤は、非イオン性、カチオン性またはアニオン性または両性であってよい。
【0169】
非イオン性乳化剤の例(INCI命名法)は、ラウレス、例えばラウレス-4;セテス、例えばセテス-1、ポリエチレングリコールセチルエーテル、セテアレス、例えばセテアレス-25、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、水酸化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドである。
【0170】
カチオン性乳化剤の例は、リン酸二水素セチルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウム、セチルトリモニウムクロライド、セチルトリモニウムブロミド、ココトリモニウムメチルサルファート、クオタニウム-1〜x(INCI)である。
【0171】
アニオン性乳化剤は、例えば、アルキルサルファート、アルキルエーテルサルファート、アルキルスルホナート、アルキルアリールスルホナート、アルキルスクシナート、アルキルスルホスクシナート、N-アルコイルサルコシナート、アシルタウラート、アシルイセチオナート、アルキルホスファート、アルキルエーテルホスファート、アルキルエーテルカルボキシラート、アルファ-オレフィンスルホナート、特にそのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩の群から選択することができる。アルキルエーテルサルファート、アルキルエーテルホスファートおよびアルキルエーテルカルボキシラートは、その分子中に、1〜10個の範囲の酸化エチレンまたは酸化プロピレン単位、好ましくは1〜3個の酸化エチレン単位を有しうる。
【0172】
スタイリングジェルに好適な本発明の調製物は、例えば、以下の組成を有しうる:a)0.000001〜10重量%の少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)、b)80〜99.85重量%の水および/またはアルコール、c)0〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%のゲル形成剤、d)0〜20重量%の追加の成分。
【0173】
一般に、本発明で使用されるハイドロフォビンポリペプチド配列(i)は、もとより「自己増粘」効果を有し、それは、多くの場合、ゲル調製時にゲル形成剤を使用せずに済ますことができることを意味する。しかし、その使用は、ゲルの特定のレオロジー特性または他の適用特性を確立するために有益であることがある。使用してよいゲル形成剤は、化粧品において一般的なすべてのゲル形成剤である。これらには、わずかに架橋されたポリアクリル酸、例えばカルボマー(INCI)、セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン的に改変されたセルロース、多糖類、例えばキサンタンガム、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー、ポリクオタニウム-32(および)流動パラフィン(INCI)、アクリル酸ナトリウムコポリマー(および)流動パラフィン(および)PPG-1 トリデセス-6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド/アクリルアミドコポリマー、ステアレス-10アリルエーテル、アクリル酸コポリマー、ポリクオタニウム-37(および)流動パラフィン(および)PPG-1 トリデセス-6、ポリクオタニウム 37(および)プロピレングリコールジカプラートジカプリラート(および)PPG-1 トリデセス-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-44が含まれる。
【0174】
本発明のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)は、化粧用調製物中のコンディショナーとして使用することができる。
【0175】
本発明のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を含む調製物は、好ましくは、シャンプー製剤中でセッティング剤および/またはコンディショナーとして使用することができる。好ましいシャンプー製剤は、a)0.000001〜10重量%の少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)、b)25〜94.95重量%の水、c)5〜50重量%の界面活性剤、c)0〜5重量%の追加のコンディショナー、d)0〜10重量%の追加の化粧用成分を含む。
【0176】
シャンプー製剤では、シャンプーに慣用されるすべてのアニオン性、中性、両性またはカチオン性界面活性剤を使用することが可能である。
【0177】
好適なアニオン性界面活性剤は、例えばアルキルサルファート、アルキルエーテルサルファート、アルキルスルホナート、アルキルアリールスルホナート、アルキルスクシナート、アルキルスルホスクシナート、N-アルコイルサルコシナート、アシルタウラート、アシルイソチオナート、アルキルホスファート、アルキルエーテルホスファート、アルキルエーテルカルボキシラート、アルファ-オレフィンスルホナート、特にそのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテルサルファート、アルキルエーテルホスファートおよびアルキルエーテルカルボキシラートは、その分子中に、1〜10個の範囲の酸化エチレンまたは酸化プロピレン単位、好ましくは1〜3個の酸化エチレン単位を有しうる。
【0178】
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンが好適である。
【0179】
好適な両性界面活性剤は、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシナート、アルキルカルボキシグリシナート、アルキルアンホアセタートまたはアンホプロピオナート、アルキルアンホジアセタートまたはアンホジプロピオナートである。
【0180】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインまたはナトリウムコカンホプロピオナートを使用することができる。
【0181】
好適な非イオン性界面活性剤は、例えば、直鎖状または分岐状であってよいアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはアルキルフェノールと酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンとの反応産物である。酸化アルキレンの量は、アルコール1モル当たり約6〜60モルである。さらに、酸化アルキルアミン、モノ-またはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエーテルエステルが好適である。
【0182】
さらにまた、シャンプー製剤には、通例のカチオン性界面活性剤、例えば四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロライドを含ませることができる。
【0183】
シャンプー製剤では、通例のコンディショナーをハイドロフォビンポリペプチド配列(i)と併用して、特定の効果を達成することができる。
【0184】
これらには、例えばINCI名ポリクオタニウムを有する上述のカチオン性ポリマー、特にビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat FC, Luviquat&commat, HM, Luviquat MS, Luviquat Care)、硫酸ジエチルで四級化された、N-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリラートのコポリマー(Luviquat D PQ 11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat D Hold)、カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4および-10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)が含まれる。さらに、タンパク質加水分解産物、ならびにシリコーン化合物ベースのコンディショニング剤、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサンまたはシリコーン樹脂を使用することができる。他の好適なシリコーン化合物は、ジメチコーンコポリオール(CTFA)およびアミノ官能性シリコーン化合物、例えばアモジメチコーン(CTFA)である。さらに、カチオン性グアー誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(INCI)を使用することができる。
【0185】
他の実施形態では、この毛化粧用または皮膚化粧用調製物は、皮膚または毛の手入れまたは保護に有用であり、エマルジョン、分散物、懸濁液、水性界面活性剤調製物、ミルク、ローション、クリーム、バルサム、軟膏、ゲル、顆粒、粉末、スティック調製物、例えばリップスティック、フォーム、エアロゾルまたはスプレーの形態である。そのような製剤は局所用調製物に非常に好適である。好適なエマルジョンは、水中油エマルジョンおよび油中水エマルジョンまたはマイクロエマルジョンである。
【0186】
一般に、毛化粧用または皮膚化粧用調製物は、皮膚(局所)または毛への適用に使用される。本発明では、局所用調製物とは、活性物質を皮膚に微細分布で適用するために好適な調製物であって、好ましくは皮膚によって吸収可能な形態の調製物を意味すると理解される。この目的では、例えば水性および水性-アルコール性溶液、スプレー、フォーム、フォームエアロゾル、軟膏、水性ゲル、O/WまたはW/O型のエマルジョン、マイクロエマルジョンまたは化粧用スティック調製物が好適である。
【0187】
本発明の化粧用組成物の好ましい実施形態では、該組成物は担体を含む。好ましい担体は、水、ガス、水ベースの液体、油、ゲル、エマルジョンまたはマイクロエマルジョン、分散物またはその混合物である。指定される担体は皮膚と良好な適合性を示す。水性ゲル、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンは局所用調製物に特に有益である。
【0188】
使用できる乳化剤は、非イオノゲン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはアニオン性乳化剤である。該乳化剤は、本発明の組成物中に、該組成物に基づいて0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量で存在させてよい。
【0189】
非イオノゲン性界面活性剤として、例えば以下の群の少なくとも1つからの界面活性剤を使用することが可能である:
8〜22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸およびアルキル基中に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールに対する2〜30モルの酸化エチレンおよび/または0〜5モルの酸化プロピレンの付加生成物;
グリセロールに対する1〜30モルの酸化エチレンの付加生成物のC12/18-脂肪酸モノ-およびジエステル;
6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノ-およびジエステルおよびソルビタンモノ-およびジエステル、およびその酸化エチレン付加生成物;
アルキル基中に8〜22個の炭素原子を有するアルキルモノ-およびオリゴグリコシド、およびそのエトキシル化アナログ;
ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油に対する15〜60モルの酸化エチレンの付加生成物;
ポリオールおよび特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリセロールポリリシノレアート、ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアラートまたはポリグリセロールダイメラート。これらのクラスの物質の2以上から得られる化合物の混合物も同様に好適である;
ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油に対する2〜15モルの酸化エチレンの付加生成物;
直鎖状、分岐状、不飽和または飽和C6/22-脂肪酸、リシノール酸および12-ヒドロキシステアリン酸およびグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)ベースの部分エステル;
モノ-、ジ-およびトリアルキルホスファート、およびモノ-、ジ-および/またはトリ-PEGアルキルホスファートおよびその塩;
羊毛脂アルコール;
ポリシロキサン、ポリアルキル、ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
DE-C 1165574に記載のようなペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、および/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール、およびポリアルキレングリコールおよびベタインの混合エステル。
【0190】
さらに、使用してよい乳化剤は双性イオン性界面活性剤である。双性イオン性界面活性剤とは、その分子中に少なくとも1個の四級アンモニウム基および少なくとも1個のカルボン酸基またはスルホン酸基を保持する界面活性化合物を説明するために使用される用語である。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシナート、例えばココナツアルキルジメチルアンモニウムグリシナート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシナート、例えばココナツアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシナート、および2-アルキル-3-カルボキシルメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれについてアルキルまたはアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する)、およびココナツアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシナートである。CTFA名コカミドプロピルベタインの下に知られている脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
【0191】
同様に好適な乳化剤は両性界面活性剤である。両性界面活性剤とは、分子中のC8,18-アルキルまたは-アシル基以外に、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の-COOHまたは-SO3H基を含み、内部塩を形成可能な界面活性化合物を意味すると理解される。好適な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミド-プロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(それぞれアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有する)である。
【0192】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココナツ-アルキルアミノプロピオナート、ココナツアシルアミノエチルアミノプロピオナートおよびC12/18-アシルサルコシンである。両性乳化剤に加えて、四級乳化剤も好適であり、エステルクアット(ester quat)型の四級乳化剤、好ましくはメチル四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。さらにまた、使用してよいアニオン性乳化剤は、アルキルエーテルサルファート、モノグリセリドサルファート、脂肪酸サルファート、スルホスクシナートおよび/またはエーテルカルボン酸である。
【0193】
好適な油体は、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールベースのGuerbetアルコール、直鎖状C6-C22-脂肪酸と直鎖状C6-C22-脂肪アルコールのエステル、分岐状C6-C13-カルボン酸と直鎖状C6-C22-脂肪アルコールのエステル、直鎖状C6-C22-脂肪酸と分岐状アルコール(特に2-エチルヘキサノール)のエステル、直鎖状および/または分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、ダイマージオールまたはトライマートリオール)および/またはGuerbetアルコールのエステル、C6-C10-脂肪酸ベースのトリグリセリド、C6-C18-脂肪酸ベースの液状モノ-/ジ-、トリグリセリド混合物、C6-C22-脂肪アルコールおよび/またはGuerbetアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)のエステル、C2-C12-ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールのエステル、植物油、分岐状一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状C6-C22-脂肪アルコールカルボナート、Guerbetカルボナート、安息香酸と直鎖状および/または分岐状C6-C22-アルコールのエステル(例えばFinsolv(登録商標)TN)、ジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールの開環産物、シリコーン油および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素である。使用してよい他の油体は、さらに、シリコーン化合物、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、およびアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、アルキル-および/またはグリコシド-修飾型シリコーン化合物(室温で、液体として、あるいは樹脂形態で存在する)である。該油体は、本発明の組成物中に、該組成物に基づいて1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%、および特に10〜50重量%の量で存在させてよい。
【0194】
対応する化合物をハイドロフォビンポリペプチド(i)と結合することによって、皮膚に対する有効期間を大きく延長することが可能である。該結合は上記のように行われ、製剤化および適用は当業者に公知の方法によって行われる。特にデオドラントに関して、好適なエフェクター分子(ii)は:香油、シクロデキストリン、イオン交換体、リシノール酸亜鉛、抗菌性/静菌性化合物(例えばDCMX、Irgasan DP 300、TCC)である。
【0195】
制汗剤では、タンニン、および亜鉛/アルミニウム塩が好適である。
【0196】
本発明の物質に関する他の用途分野は、皮膚および粘膜の特定の疾患に対する治療的または予防的使用である。特に口腔、咽頭腔および鼻腔では、増加の程度および長期生存の程度まで、ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を介して治療/予防用の活性物質と結びつけることが有益である。その用途分野は、特に、以下のものである:
- ウイルス性疾患(例えばヘルペス、コクサッキー、水痘帯状疱疹、サイトメガロウイルス等)
- 細菌性疾患(例えばTB、梅毒等)
- 真菌性疾患(例えばカンジダ、クリプトコッカス、ヒストプラスマ症、アスペルギルス、ムーコル症等)
- 腫瘍疾患(例えば黒色腫、腺腫等)
- 自己免疫疾患(例えば尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、全身性エリテマトーデス等)
- 日焼け
- 寄生虫攻撃(例えばマダニ、ダニ、ノミ等)
- 昆虫接触(例えば吸血昆虫、例えばハマダラカ等)。
【0197】
治療または予防に好適な物質(例えばコルチコイド、免疫抑制化合物、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス性化合物、昆虫忌避剤等)を、上記リンカー(結合対象の官能基に応じて最適化されるリンカー)を介してケラチン結合性ポリペプチド(i)に結合することができる。
【実施例】
【0198】
実験セクション
実施例1
yaad-His6/yaaE-His6クローニングの準備
オリゴヌクレオチドHal570およびHal571(Hal 572/Hal 573)を用いてポリメラーゼ連鎖反応を実行した。使用した鋳型DNAは細菌Bacillus subtilisに由来するゲノムDNAであった。得られたPCR断片は、Bacillus subtilis yaaD/yaaE遺伝子のコード配列およびNcoIまたはBglII制限切断部位を末端に含んでいた。PCR断片を精製し、制限酵素NcoIおよびBglIIで切断した。このDNA断片を挿入物として使用し、事前に制限酵素NcoIおよびBglIIで直鎖化されたQiagen pQE60ベクター中にクローニングした。このように得られたベクターpQE60YAAD#2/pQE60YaaE#5を、それぞれYAAD::HIS6およびYAAE::HIS6からなるタンパク質の発現に使用できる。
【0199】
Hal570: gcgcgcccatggctcaaacaggtactga
Hal571: gcagatctccagccgcgttcttgcatac
Hal572: ggccatgggattaacaataggtgtactagg
Hal573: gcagatcttacaagtgccttttgcttatattcc。
【0200】
実施例2
yaad-ハイドロフォビンDewA-His6のクローニング
オリゴヌクレオチドKaM 416およびKaM 417を用いてポリメラーゼ連鎖反応を実行した。使用した鋳型DNAはカビAspergillus nidulansに由来するゲノムDNAであった。得られたPCR断片は、ハイドロフォビン遺伝子dewAのコード配列およびN末端の因子Xaプロテイナーゼ切断部位を含んでいた。PCR断片を精製し、制限酵素BamHIで切断した。このDNA断片を挿入物として使用し、事前に制限酵素BglIIで直線化されたpQE60YAAD#2ベクター中にクローニングした。
【0201】
こうして得られたベクター#508を、YAAD::Xa::dewA::HIS6からなる融合タンパク質の発現に使用できる。
【0202】
KaM416: GCAGCCCATCAGGGATCCCTCAGCCTTGGTACCAGCGC
KaM417: CCCGTAGCTAGTGGATCCATTGAAGGCCGCATGAAGTTCTCCGTCTCCGC。
【0203】
実施例3
yaad-ハイドロフォビンRodA-His6のクローニング
プラスミド#508と同様にして、オリゴヌクレオチドKaM 434およびKaM 435を使用してプラスミド#513をクローニングした。
【0204】
KaM434: GCTAAGCGGATCCATTGAAGGCCGCATGAAGTTCTCCATTGCTGC
KaM435: CCAATGGGGATCCGAGGATGGAGCCAAGGG。
【0205】
実施例4
yaad-ハイドロフォビンBASF1-His6のクローニング
プラスミド#508と同様にして、オリゴヌクレオチドKaM 417およびKaM 418を使用してプラスミド#507をクローニングした。
【0206】
使用した鋳型DNAは人工的に合成されたDNA配列、ハイドロフォビンBASF1(添付資料を参照のこと)であった。
【0207】
KaM417: CCCGTAGCTAGTGGATCCATTGAAGGCCGCATGAAGTTCTCCGTCTCCGC
KaM418: CTGCCATTCAGGGGATCCCATATGGAGGAGGGAGACAG。
【0208】
実施例5
yaad-ハイドロフォビンBASF2-His6のクローニング
プラスミド#508と同様にして、オリゴヌクレオチドKaM 417およびKaM 418を使用してプラスミド#506をクローニングした。
【0209】
使用した鋳型DNAは人工的に合成されたDNA配列、ハイドロフォビンBASF2(添付資料を参照のこと)であった。
【0210】
KaM417: CCCGTAGCTAGTGGATCCATTGAAGGCCGCATGAAGTTCTCCGTCTCCGC
KaM418: CTGCCATTCAGGGGATCCCATATGGAGGAGGGAGACAG。
【0211】
実施例6
yaad-ハイドロフォビンSC3-His6のクローニング
プラスミド#508と同様にして、オリゴヌクレオチドKaM 464およびKaM 465を使用してプラスミド#526をクローニングした。
【0212】
使用した鋳型DNAはSchyzophyllum commune cDNA(添付資料を参照のこと)であった。
【0213】
KaM464: CGTTAAGGATCCGAGGATGTTGATGGGGGTGC
KaM465: GCTAACAGATCTATGTTCGCCCGTCTCCCCGTCGT。
【0214】
実施例7
組換えE. coli株yaad-ハイドロフォビンDewA-His6の発酵
15 mlのグライナー管中に入れた3 mlのLB液体培地に、yaad-ハイドロフォビンDewA-His6を発現するE. coli株を植え付ける。37℃でシェーカー上で200 rpmで8時間、培養物をインキュベートする。それぞれについて、250 mlのLB培地(+ 100μg/mlアンピシリン)を含有する2つの1L バッフル付き三角フラスコに、それぞれ1 mlの前培養物を接種し、37℃でシェーカー上で180 rpmで9時間インキュベートする。
【0215】
20 Lの発酵槽中に入れた13.5 LのLB培地(+ 100μg/ml アンピシリン)に、0.5 Lの前培養物(OD600nm 1:10(H2Oに対して測定))を接種する。約3.5のOD60nmの時点で140 mlの100 mM IPTGを加える。3時間後、発酵槽を10℃に冷却し、発酵ブロスを遠心分離によって除去する。細胞ペレットを以後の精製に使用する。
【0216】
実施例8
組換えハイドロフォビン融合タンパク質の精製
(C末端His6タグを有するハイドロフォビン融合タンパク質の精製)
100 gの細胞ペレット(100〜500 mgのハイドロフォビン)を50 mMリン酸ナトリウムバッファー(pH 7.5)と混合して総量200 mlにし、再懸濁する。懸濁液をUltraturrax type T25(Janke and Kunkel; IKA-Labortechnik)で10分間処理した後、500単位のBenzonase(Merck, Darmstadt, Germany; order No. 1.01697.0001)と共に室温で1時間インキュベートし、核酸を分解する。細胞を破壊する前に、ガラスカートリッジ(P1)を使用してろ過を実行する。細胞を破壊し、かつ残留ゲノムDNAを剪断するために、1500 barで2回のホモジナイザーの運転を実行する(M-110EHマイクロフルイダイザー;Microfluidics Corp.)。ホモジネートを遠心分離し(Sorvall RC-5B, GSAローター, 250 ml遠心分離ボトル, 60分, 4℃, 12 000 rpm, 23 000 g)、その後、上清を氷上に置き、ペレットを100 mlのリン酸ナトリウムバッファー(pH 7.5)中に再懸濁する。遠心分離および再懸濁を3回反復し、3回目の反復時には、リン酸ナトリウムバッファーに1% SDSを含ませる。再懸濁後、混合物を1時間撹拌し、最終の遠心分離を実行する(Sorvall RC-5B, GSAローター, 250 ml遠心分離ボトル, 60分, 4℃, 12 000 rpm, 23 000 g)。SDS PAGE解析では、最終の遠心分離後にハイドロフォビンが上清中に存在することが示される(図1)。実験では、ハイドロフォビンが、おそらく、対応するE. coli細胞中の封入体の形態で存在することが示される。50 mlのハイドロフォビン含有上清を50 mlニッケル-Sepharose High Performance 17-5268-02カラム(Amersham)にアプライする。該カラムは50 mM Tris-Clバッファー(pH 8.0)で平衡化しておく。カラムを50 mM Tris-Clバッファー(pH 8.0)で洗浄した後、200 mMイミダゾールを含む50 mM Tris-Clバッファー(pH 8.0)でハイドロフォビンを溶出させる。50 mM Tris-Clバッファー(pH 8.0)に対して溶液を透析することによって該イミダゾールを除去する。
【0217】
図1は、本発明のハイドロフォビンの精製を示す:
レーン1: ニッケル-Sepharoseカラムにアプライした溶液(1:10希釈)
レーン2: 流出液=洗浄ステップの溶出物
レーン3〜5: OD 280ピークの溶出画分
図1の本発明のハイドロフォビンは約53 kDの分子量を有する。いくつかのより小さいバンドは該ハイドロフォビンの分解産物である。
【0218】
実施例9
ハイドロフォビンによる表面のコーティング/評価
ハイドロフォビンまたはハイドロフォビン融合タンパク質のコーティング特性を、好ましくは、それぞれ親水性および疎水性表面のモデルであるガラスおよびテフロン(Teflon)上で評価する。
【0219】
標準コーティング実験
ガラス:
- ハイドロフォビンの濃度: 1〜100μg/mL
- 50 mM酢酸ナトリウム(pH 4)+ 0.1% Tween 20中で一晩(温度: 80℃)、ガラスプレートをインキュベートする
- コーティング後、蒸留水中で洗浄する
- その後、80℃で1% SDSで10分間インキュベートする
- 蒸留水中で洗浄する。
【0220】
テフロン:
- 濃度: 1〜100μg/mL
- 10 mM Tris(pH 8)中で一晩(温度: 80℃)、テフロンプレートをインキュベートする
- コーティング後、蒸留水中で洗浄する
- 80℃で0.1% Tween 20で10分間インキュベートする
- 蒸留水中で洗浄する
- その後、80℃で1% SDSで10分間インキュベートする
- 蒸留水中で洗浄する。
【0221】
サンプルを空気乾燥し、5μlの水滴の接触角(度)を測定する。その結果、例えば以下の値が得られる。
【0222】

【0223】
実施例10
ハイドロフォビンによる表面のコーティング/評価
ガラス(窓ガラス, Sueddeutsche Glas, Mannheim, Germany):
- ハイドロフォビンの濃度: 100μg/mL
- 50 mM酢酸ナトリウム(pH 4)+ 0.1% Tween 20中で一晩(温度: 80℃)、ガラスプレートをインキュベートする
- コーティング後、蒸留水中で洗浄する
- その後、80℃で蒸留水中の1% SDS溶液中で10分間インキュベートする
- 蒸留水中で洗浄する。
【0224】
サンプルを空気乾燥し、5μlの水滴の接触角(度)を測定する。
【0225】
接触角は、Dataphysics Contact Angle System OCA 15+, Software SCA 20.2.0.(November 2002)機器で測定した。製造元の使用説明書にしたがって測定を実行した。
【0226】
無処理のガラスでは、30±5°の接触角が得られ、一方、実施例8に記載の機能的ハイドロフォビン(yaad-dewA-his6)によるコーティングにより、75±5°の接触角がもたらされた。
【0227】
実施例11
皮膚に対する結合性1(定性的)
ハイドロフォビンが皮膚に結合するかどうかを試験するための視覚的定性的試験を開発した。
【0228】
使用する溶液:
ブロッキング溶液: TBS中に希釈されたDIG Wash+Bufferset 1585762 Boehringer MA(10×溶液)
TBS: 20mM Tris; 150mM NaCl pH 7.5
TTBS: TBS + 0.05% Tween 20。
【0229】
第一ステップでは、皮膚由来の外側ケラチン層を安定な担体上に移す。そのために、脱毛済みヒト皮膚に透明な接着片をしっかり貼り付け、再び除去した。該試験は、その透明な接着片上で直接実行することができ、あるいは接着しているケラチン層をスライドガラスにもう一度貼り付けることによって移してもよい。以下のように結合性の実証を行った:
- 種々の試薬とインキュベートするために、Falcon容器に移す
- 適切であれば脱脂のためにエタノールを加え、エタノールを除去し、スライドを乾燥させる
- ブロッキングバッファーと室温で1時間インキュベートする
- 2×5分間TTBSで洗浄する
- 1×5分間TBSで洗浄する
- TBS / 0.05% Tween 20中の試験対象のハイドロフォビン(タグ、例えばHis6、HA等に結合されている)またはコントロールタンパク質と室温で2〜4時間インキュベートする
- 上清を取り出す
- TBSで3回洗浄する
- TBS + 0.01%ブロッキング中で1:2000希釈されたモノクローナル抗ポリヒスチジン抗体と室温で1時間インキュベートする
- 2×5分間TTBSで洗浄する
- 1×5分間TBSで洗浄する
- TBS + 0.01%ブロッキング中で1:5000希釈された抗マウスIgGアルカリホスファターゼコンジュゲートと室温で1時間インキュベートする
- 2×5分間TTBSで洗浄する
- 1×5分間TBSで洗浄する
- ホスファターゼ基質を加える(NBT-BCIP; Boehringer MA 1錠/ 40 mlの水で2.5分; 水で停止)
- 裸眼で、あるいは顕微鏡を使用して着色沈殿を光学検出する。青色沈殿は、ハイドロフォビンが皮膚に結合していることを示す。
【0230】
実施例12
皮膚に対する結合性2(定量的)
ハイドロフォビンの毛/皮膚結合強度を非特異的タンパク質と比較することを可能にする定量的試験を開発した(図2)。
【0231】
5 mm穿孔器を使用して、毛のない皮膚(ヒトまたはブタ)の解凍済み乾燥片から得られる切片に孔をあけた(あるいは、表面試験の場合は、皮膚の切片をFalcon蓋に挿入した)。そして該皮膚サンプルを2〜3 mmの厚さにして、存在するすべての組織を除去した。そして該皮膚サンプルをエッペンドルフ容器(タンパク質低結合性)に移し、結合の実証を行った(同様に図2を参照のこと):
- PBS / 0.05% Tween 20で2回洗浄する
- PBS中の1% BSA 1 mlを加え、室温で1時間インキュベートし、穏やかに振とう運動させる(900 rpm)
- 上清を取り出す
- PBS+0.05% Tween 20中の100μgのハイドロフォビンを加え;室温で2時間インキュベートし、穏やかに振とう運動させる(900 rpm)
- 上清を取り出す
- PBS / 0.05% Tween 20で3回洗浄する
- 1 mlのモノクローナルマウス抗タグ(His6またはHAまたは特異的KBD)抗体とペルオキシダーゼのコンジュゲート(PBS / 0.05% Tween 20中に1:2000希釈)[Monoclonal AntipolyHistidin Peroxidase Conjugate, マウスで製造, 凍結乾燥粉末, Sigma]と共に室温で2〜4時間インキュベートし、穏やかに振とう運動させる(900 rpm)
- PBS / 0.05% Tween 20で3回洗浄する
- ペルオキシダーゼ基質(1ml / エッペンドルフ容器;組成は下記参照のこと)を加える
- 青色の呈色が得られるまで反応を進行させる(約1:30分)
- 100μlの2 M H2SO4で反応を停止させる
- 405 nmで吸光度を測定した。
【0232】
ペルオキシダーゼ基質(直前に調製):
0.1 mlのTMB溶液(DMSO中の42 mM TMB)
+ 10 ml基質バッファー(0.1 M 酢酸ナトリウムpH 4.9)
+ 14.7μl H2O2 3%強度。
【0233】
実施例13
毛髪に対する結合性(定量的)
さらに、他のタンパク質と比較して、毛髪に対するハイドロフォビンの結合強度を実証可能にするために、定量的アッセイを開発した(図2)。この試験では、まず、毛髪をハイドロフォビンとインキュベートし、過剰のハイドロフォビンを洗い落とした。そして該ハイドロフォビンのHisタグを介して、抗体-ペルオキシダーゼコンジュゲートを結合した。未結合の抗体-ペルオキシダーゼコンジュゲートを同様に洗い落とした。結合した抗体-ペルオキシダーゼコンジュゲート[Monoclonal Antipoly-Histidin Peroxidase Conjugate, マウスで製造, 凍結乾燥粉末, Sigma]は、無色の基質(TMB)を着色産物に変換することができる。405 nmでの光度測定によって該産物を測定した。吸光の強度は、結合したハイドロフォビンまたは比較タンパク質の量を示す。選択された比較タンパク質は、例えばB. subtilis由来のYaaDであった。該タンパク質は(この試験に必要なので)検出用のHisタグを同様に有していた。Hisタグの代わりに、ペルオキシダーゼとコンジュゲートされた他の特異的抗体を使用することも可能である。
【0234】
5 mgの毛髪(ヒト)を長さ5 mmの断片にカットし、エッペンドルフ容器(タンパク質低結合性)に移して、結合の実証を行った:
- 脱脂のために1 mlのエタノールを加える
- 遠心分離し、エタノールを除去し、毛髪をH2Oで洗浄する
- PBS中の1% BSA 1 mlを加え、室温で1時間インキュベートし、穏やかに振とう運動させる
- 遠心分離し、上清を取り出す
- 1 mlのPBS / 0.05% Tween 20中の試験対象のハイドロフォビン(タグ、例えばHis6、HA等に結合されている)またはコントロールタンパク質を加え;穏やかに振とう運動させながら4℃で16時間(または室温で少なくとも2時間)インキュベートする
- 遠心分離し、上清を取り出す
- PBS / 0.05% Tween 20で3回洗浄する
- 1 mlのモノクローナルマウス抗タグ(His6またはHA)抗体とペルオキシダーゼのコンジュゲート(PBS / 0.05% Tween 20中に1:2000希釈)[Monoclonal AntipolyHistidin Peroxidase Conjugate, マウスで製造, 凍結乾燥粉末, Sigma]と共に室温で2〜4時間インキュベートし、穏やかに振とう運動させる
- PBS / 0.05% Tween 20で3回洗浄する
- ペルオキシダーゼ基質(1ml / エッペンドルフ容器)を加える
- 青色の呈色が得られるまで反応を進行させる(約2分)
- 100μlの2 M H2SO4で反応を停止させる
- 405 nmで吸光度を測定する。
【0235】
ペルオキシダーゼ基質(直前に調製):
0.1 ml TMB溶液(DMSO中の42 mM TMB)
+ 10 ml基質バッファー(0.1 M酢酸ナトリウムpH 4.9)
+ 14.7μl H2O2 3%強度

BSA = ウシ血清アルブミン
PBS = リン酸緩衝食塩水
Tween 20 = ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレアート, n:約20
TMB = 3,5,3',5'-テトラメチルベンジジン。
【0236】
ハイドロフォビンに関して例示的に行った毛髪に対する結合試験では、比較タンパク質YaaDの非常に低い結合性と比較して、毛髪に対するハイドロフォビンの結合性について相当な優位性が実証された。
【0237】

表1:毛髪に対する定量的ハイドロフォビン活性試験:1)バッファー;2)比較タンパク質yaad;3)ハイドロフォビン。この表は、405 nmで測定された吸光度を示す。
【0238】
実施例11(皮膚に対する結合性)と同様に、透明な接着片を使用して粘膜(例えばヒト口腔粘膜)のサンプルを取り出すことによって、粘膜に対する結合性を測定することもできる。そして、結合効果に関して該サンプルを調査することができる。
【0239】
歯に対する結合性は、調査対象のポリペプチド配列を歯の表面(例えばウシ歯)と直接インキュベートし、実施例11にしたがって測定を実行することによって決定することができる。
【0240】
実施例14
「Alexa」染料を用いるハイドロフォビンの誘導体化および毛髪に対する結合性
活性物質または有効物質をタンパク質に結合する一方法(全般的原理を図3に示す)はシステインのSH基を介する結合である。染料Alexa Fluor 532を結合する前に、ハイドロフォビンのジスルフィド架橋を切断する。
【化1】

【0241】
1 mgハイドロフォビン
0.5 mlバッファー(75 mM Tris pH 8.0
2.5 mM EDTA
1 mM DTT)
37℃で30分間インキュベートする。
【0242】
製造元の使用説明書にしたがって該染料を結合させる(Alexa 532 Protein Labeling Kit; Molecular Probes; MP-A-10236)。
【0243】
Alexa結合済みハイドロフォビンでのヒト毛髪のコーティングは、以下のように実行する:
- 10 mgのヒト毛髪を、バッファーTBS中の50μg/mlのAlexaハイドロフォビンまたはコントロールタンパク質yaadまたは非結合染料Alexa 532と室温で24時間インキュベートする
- TBS / 0.05% Tween 20で2回洗浄する
- TBSで1回洗浄する
- TBS/1% SDSで1回洗浄する
- 蛍光顕微鏡で検出する(図4)。
【0244】
実施例15
デイケア用エマルジョン - O/W型中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 1.7 セテアレス-6, ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
2.0 PEG-14ジメチコーン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセリン
0.2 EDTA二ナトリウム
1.0 パンテノール
適量 保存剤
67.8 脱塩水
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, ナトリウムアクリラートコポリマー
D 0.2 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, アスコルビン酸ナトリウム, トコフェロール, レチノール
1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
E 適量 水酸化ナトリウム。
【0245】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 1.7 セテアレス-6, ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
2.0 PEG-14ジメチコーン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセリン
0.2 EDTA二ナトリウム
1.0 パンテノール
適量 保存剤
63.8 脱塩水
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, ナトリウムアクリラートコポリマー
D 0.2 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
1.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, アスコルビン酸ナトリウム, トコフェロール, レチノール
5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
E 適量 水酸化ナトリウム。
【0246】
調製:AおよびB相を互いに別々に約80℃に加熱する。B相を撹拌してA相に入れ、ホモジナイズする。C相を撹拌してAおよびBの混合相に入れ、再びホモジナイズする。撹拌しながら約40℃に冷却し、D相を加え、E相を用いてpHを約6.5に調整し、ホモジナイズし、撹拌しながら室温に冷却する。
【0247】
注記:該製剤は保護ガスを用いずに調製する。酸素不透過性パッケージング、例えばアルミニウムチューブ中でびん詰めを行う必要がある。
【0248】
実施例16
昼用保護クリーム - O/W型中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 1.7 セテアレス-6, ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
2.0 PEG-14ジメチコーン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセリン
0.2 EDTA二ナトリウム
1.0 パンテノール
適量 保存剤
68.6 脱塩水
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, ナトリウムアクリラートコポリマー
D 1.0 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
E 適量 水酸化ナトリウム。
【0249】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 1.7 セテアレス-6, ステアリルアルコール
0.7 セテアレス-25
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
2.0 PEG-14ジメチコーン
3.6 セテアリルアルコール
6.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 アジピン酸ジブチル
B 5.0 グリセリン
0.2 EDTA二ナトリウム
1.0 パンテノール
適量 保存剤
64.6 脱塩水
C 4.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, ナトリウムアクリラートコポリマー
D 1.0 アスコルビルリン酸ナトリウム
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
E 適量 水酸化ナトリウム。
【0250】
調製:AおよびB相を互いに別々に約80℃に加熱する。B相を撹拌してA相に入れ、ホモジナイズする。C相をAおよびBの混合相に組み入れてホモジナイズする。撹拌しながら約40℃に冷却する。D相を加え、E相を用いてpHを約6.5に調整し、ホモジナイズする。撹拌しながら室温に冷却する。
【0251】
実施例17
フェイスクレンジングローション - O/W型中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノアート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
2.0 PEG-40硬化ヒマシ油
B 3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, ナトリウムアクリラートコポリマー
C 1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
適量 保存剤
適量 香油
D 3.0 ポリクオタニウム-44
0.5 ココトリモニウムメトサルファート
0.5 セテアレス-25
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
0.1 EDTA二ナトリウム
1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
60.7 脱塩水。
【0252】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノアート
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
2.0 PEG-40硬化ヒマシ油
B 3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, ナトリウムアクリラートコポリマー
C 1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
適量 保存剤
適量 香油
D 3.0 ポリクオタニウム-44
0.5 ココトリモニウムメトサルファート
0.5 セテアレス-25
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
0.1 EDTA二ナトリウム
5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
56.7 脱塩水。
【0253】
調製:A相を溶解する。B相を撹拌してA相に入れ、C相をAおよびBの混合相に組み入れる。D相を溶解し、撹拌してA、BおよびCの混合相に入れ、ホモジナイズする。その後、15分撹拌する。
【0254】
実施例18
デイリーケアボディースプレー中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 3.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
1.0 ポリクオタニウム-44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 C12-15アルキルベンゾアート
3.0 グリセリン
1.0 酢酸トコフェロール
0.3 ビサボロール
1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
59.2 アルコール。
【0255】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 3.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
1.0 ポリクオタニウム-44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 C12-15アルキルベンゾアート
3.0 グリセリン
1.0 酢酸トコフェロール
0.3 ビサボロール
5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
55.2 アルコール。
【0256】
調製:A相の成分を量り取り、溶解して透明な溶液を得る。
【0257】
実施例19
スキンケア用ゲル中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 3.6 PEG-40硬化ヒマシ油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 酢酸トコフェロール
適量 香油
B 3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
75.4 脱塩水
C 0.8 トリエタノールアミン。
【0258】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 3.6 PEG-40硬化ヒマシ油
15.0 アルコール
0.1 ビサボロール
0.5 酢酸トコフェロール
適量 香油
B 3.0 パンテノール
0.6 カルボマー
5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
71.4 脱塩水
C 0.8 トリエタノールアミン。
【0259】
調製:A相を溶解して透明な溶液を得る。B相を増加させ、C相で中和する。A相を撹拌してホモジナイズ済みのB相に入れ、ホモジナイズする。
【0260】
実施例20
アフターシェーブローション中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノアート
5.0 酢酸トコフェロール
1.0 ビサボロール
0.1 香油
0.3 アクリラート/C10-30アルキルアクリラートクロスポリマー
B 15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセリン
1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
0.1 トリエタノールアミン
63.5 脱塩水。
【0261】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 10.0 セテアリルエチルヘキサノアート
5.0 酢酸トコフェロール
1.0 ビサボロール
0.1 香油
0.3 アクリラート/C10-30アルキルアクリラートクロスポリマー
B 15.0 アルコール
1.0 パンテノール
3.0 グリセリン
5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
0.1 トリエタノールアミン
59.5 脱塩水。
【0262】
調製:A相の成分を混合する。B相を溶解し、A相に組み入れ、ホモジナイズする。
【0263】
実施例21
アフターサンローション中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 0.4 アクリラート/C10-30アルキルアクリラートクロスポリマー
15.0 セテアリルエチルヘキサノアート
0.2 ビサボロール
1.0 酢酸トコフェロール
適量 香油
B 1.0 パンテノール
15.0 アルコール
3.0 グリセリン
1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
63.2 脱塩水
C 0.2 トリエタノールアミン
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 0.4 アクリラート/C10-30アルキルアクリラートクロスポリマー
15.0 セテアリルエチルヘキサノアート
0.2 ビサボロール
1.0 酢酸トコフェロール
適量 香油
B 1.0 パンテノール
15.0 アルコール
3.0 グリセリン
5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
59.2 脱塩水
C 0.2 トリエタノールアミン。
【0264】
調製:A相の成分を混合する。B相を撹拌してA相に入れ、ホモジナイズする。C相で中和し、再びホモジナイズする。
【0265】
実施例22
日焼け止めローション中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 4.5 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
3.0 オクトクリレン
2.5 ジ-C12-13アルキルマラート
0.5 酢酸トコフェロール
4.0 ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアラート
B 3.5 セテアリルイソノナノアート
1.0 VP/エイコセンコポリマー
5.0 イソヘキサデカン
2.5 ジ-C12-13アルキルマラート
3.0 二酸化チタン, トリメトキシカプリリルシラン
C 5.0 グリセリン
1.0 ナトリウムセテアリルサルファート
0.5 キサンタンガム
59.7 脱塩水
D 1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
1.0 フェノキシエタノール, メチルパラベン, エチルパラベン, ブチルパラベン, プロピルパラベン, イソブチルパラベン
0.3 ビサボロール。
【0266】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 4.5 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
3.0 オクトクリレン
2.5 ジ-C12-13アルキルマラート
0.5 酢酸トコフェロール
4.0 ポリグリセリル-3 メチルグルコースジステアラート
B 3.5 セテアリルイソノナノアート
1.0 VP/エイコセンコポリマー
5.0 イソヘキサデカン
2.5 ジ-C12-13アルキルマラート
3.0 二酸化チタン, トリメトキシカプリリルシラン
C 5.0 グリセリン
1.0 ナトリウムセテアリルサルファート
0.5 キサンタンガム
55.7 脱塩水
D 5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
1.0 フェノキシエタノール, メチルパラベン, エチルパラベン, ブチルパラベン, プロピルパラベン, イソブチルパラベン
0.3 ビサボロール。
【0267】
調製:AおよびB相の成分を互いに別々に約80℃に加熱する。B相を撹拌してA相に入れ、ホモジナイズする。C相を約80℃に加熱し、撹拌してAおよびBの混合相に入れ、ホモジナイズする。撹拌しながら約40℃に冷却し、D相を加え、再びホモジナイズする。
【0268】
実施例23
日焼け止めローション - O/W型中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 2.0 セテアレス-6, ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
3.0 トリベヘニン
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セテアリルエチルヘキサノアート
5.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
1.0 エチルヘキシルトリアゾン
1.0 VP/エイコセンコポリマー
7.0 ミリスチン酸イソプロピル
B 5.0 酸化亜鉛, トリエトキシカプリリルシラン
C 0.2 キサンタンガム
0.5 アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー, スクアラン, ポリソルベート60
0.2 EDTA二ナトリウム
5.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
60.9 脱塩水
D 1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
0.5 フェノキシエタノール, メチルパラベン, ブチルパラベン, エチルパラベン, プロピルパラベン, イソプロピルパラベン
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール。
【0269】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 2.0 セテアレス-6, ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
3.0 トリベヘニン
2.0 セテアリルアルコール
2.0 セテアリルエチルヘキサノアート
5.0 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
1.0 エチルヘキシルトリアゾン
1.0 VP/エイコセンコポリマー
7.0 ミリスチン酸イソプロピル
B 5.0 酸化亜鉛, トリエトキシカプリリルシラン
C 0.2 キサンタンガム
0.5 アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー, スクアラン, ポリソルベート60
0.2 EDTA二ナトリウム
5.0 プロピレングリコール
0.5 パンテノール
56.9 脱塩水
D 5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
0.5 フェノキシエタノール, メチルパラベン, ブチルパラベン, エチルパラベン, プロピルパラベン, イソプロピルパラベン
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール。
【0270】
調製:A相を約80℃に加熱する。B相を撹拌し、3分間ホモジナイズする。同様にC相を80℃に加熱し、撹拌してAおよびBの混合相に入れ、ホモジナイズする。約40℃に冷却し、D相中で撹拌し、再びホモジナイズする。
【0271】
実施例24
日焼け止めローション - O/W型中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 3.5 セテアレス-6, ステアリルアルコール
1.5 セテアレス-25
7.5 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
2.0 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
0.5 蜜ろう
3.0 セテアリルアルコール
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
B 5.0 二酸化チタン, シリカ, メチコーン, アルミナ
C 3.0 グリセリン
0.2 EDTA二ナトリウム
0.3 キサンタンガム
1.0 デシルグルコシド
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
56.3 脱塩水
D 1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
適量 香油
適量 保存剤。
【0272】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 3.5 セテアレス-6, ステアリルアルコール
1.5 セテアレス-25
7.5 メトキシ桂皮酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート
2.0 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
0.5 蜜ろう
3.0 セテアリルアルコール
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
B 5.0 二酸化チタン, シリカ, メチコーン, アルミナ
C 3.0 グリセリン
0.2 EDTA二ナトリウム
0.3 キサンタンガム
1.0 デシルグルコシド
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
52.3 脱塩水
D 5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
適量 香油
適量 保存剤。
【0273】
調製:A相を約80℃に加熱し、B相中で撹拌し、3分間ホモジナイズする。同様にC相を80℃に加熱し、撹拌してAおよびBの混合相に入れ、ホモジナイズする。約40℃に冷却し、D相中で撹拌し、再びホモジナイズする。
【0274】
実施例25
フットバルサム中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 2.0 セテアレス-6, ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
5.0 セテアリルエチルヘキサノアート
4.0 セチルアルコール
4.0 ステアリン酸グリセリル
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンファー
B 69.3 脱塩水
適量 保存剤
C 1.0 ビサボロール
1.0 酢酸トコフェロール
D 1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
5.0 ウイッチヘーゼル抽出物。
【0275】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 2.0 セテアレス-6, ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
5.0 セテアリルエチルヘキサノアート
4.0 セチルアルコール
4.0 ステアリン酸グリセリル
5.0 鉱油
0.2 メントール
0.5 カンファー
B 65.3 脱塩水
適量 保存剤
C 1.0 ビサボロール
1.0 酢酸トコフェロール
D 5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
5.0 ウイッチヘーゼル抽出物。
【0276】
調製:AおよびB相の成分を互いに別々に約80℃に加熱する。B相を撹拌してA相に入れ、ホモジナイズする。撹拌しながら約40℃に冷却し、CおよびD相を加えた後、短時間ホモジナイズする。撹拌しながら室温に冷却する。
【0277】
実施例26
ビサボロールを含むW/Oエマルジョン中でのハイドロフォビンの使用
WS 1%:
% 成分(INCI)
A 6.0 PEG-7硬化ヒマシ油
8.0 セテアリルエチルヘキサノアート
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
B 5.0 グリセリン
0.7 硫酸マグネシウム
55.6 脱塩水
C 1.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
0.5 酢酸トコフェロール
0.6 ビサボロール。
【0278】
WS 5%:
% 成分(INCI)
A 6.0 PEG-7硬化ヒマシ油
8.0 セテアリルエチルヘキサノアート
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
B 5.0 グリセリン
0.7 硫酸マグネシウム
51.6 脱塩水
C 5.0 約5%ハイドロフォビンを含む水性溶液
0.5 酢酸トコフェロール。
【0279】
調製:AおよびB相を互いに別々に約85℃に加熱する。B相を撹拌してA相に入れ、ホモジナイズする。撹拌しながら約40℃に冷却し、C相を加え、再び短時間ホモジナイズする。撹拌しながら室温に冷却する。
【0280】

【図面の簡単な説明】
【0281】
【図1】ハイドロフォビン融合タンパク質のSDS-PAGE精製を示す。
【図2】ハイドロフォビンの毛/皮膚結合強度の定量的アッセイの模式図を示す。
【図3】ハイドロフォビンの毛髪への結合性の試験原理の模式図を示す。
【図4】毛髪に結合したハイドロフォビンの蛍光顕微鏡での検出結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン含有物質、粘膜および歯を処置するための化粧用組成物であって、少なくとも1種の以下のハイドロフォビンポリペプチド配列(i):
Xn-C1-X1〜50-C2-X0〜5-C3-Xp-C4-X1〜100-C5-X1〜50-C6-X0〜5-C7-X1〜50-C8-Xm (I)
[式中、Xは20種の天然アミノ酸のいずれかであってよく、Xの変数はアミノ酸の数を示し、かつ変数nおよびmは、0〜500の範囲の数であり、Cは、システイン、アラニン、セリン、グリシン、メチオニンまたはスレオニンであり、かつCによって指定される残基のうち少なくとも4つはシステインである]
であって、ただし、XnまたはXmまたはXpと略されるペプチド配列の少なくとも1つは、天然にはハイドロフォビンと連結していない少なくとも20アミノ酸長のペプチド配列であり、前記ポリペプチド配列は、ガラス表面のコーティング後にその接触角を少なくとも20°変化させる、前記ポリペプチド、
を化粧品適合性溶媒中に含む、化粧用組成物。
【請求項2】
ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)がヒトまたは動物の毛、爪もしくは皮膚ケラチン、または粘膜または歯に対する結合親和性を有する、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項3】
XnまたはXmまたはXpがヒトケラチン結合性ドメインである、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項4】
ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を0.000001〜10重量%の量で含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項5】
ハイドロフォビンポリペプチド配列(i)に加えて少なくとも1つの化粧用活性物質を含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項6】
化粧用活性物質が、天然または合成ポリマー、色素、保湿剤、油、ワックス、酵素、ミネラル、ビタミン、日焼け止め剤、染料、香料、酸化防止剤および保存剤の群から選択される、請求項5に記載の化粧用組成物。
【請求項7】
毛の櫛通り(combability)を改善するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧用組成物の使用。
【請求項8】
毛のセットを改善するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧用組成物の使用。
【請求項9】
ケラチン含有物質を処置するための医薬組成物であって、少なくとも1種のハイドロフォビンポリペプチド配列(i)を医薬適合性溶媒中に含む医薬組成物。
【請求項10】
ハイドロフォビンおよび種々の活性物質および有効物質のコンジュゲートであって、共有結合によってエフェクター分子に連結されているハイドロフォビンを含むコンジュゲート。
【請求項11】
エフェクター分子が、染料、酸化防止剤、UVフィルター、ビタミン、殺菌剤、殺虫剤および殺生物剤の群から選択される、請求項10に記載のコンジュゲート。
【請求項12】
ハイドロフォビンが、請求項1に記載の一般式(I)で示されるポリペプチド配列(i)である、請求項10に記載のコンジュゲート。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1種のコンジュゲートを含む、ケラチン含有物質を処置するための化粧用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−501701(P2009−501701A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517512(P2008−517512)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063485
【国際公開番号】WO2006/136607
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】