説明

ハイブリッド自動車の車体構造

【課題】プロペラシャフトを必要とする車両に一体型のバッテリパックを配設させることが可能なハイブリッド自動車の車体構造を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るハイブリッド自動車10の車体構造は、エンジン11の動力と、バッテリモジュール16から供給される電力によって駆動する駆動モータの動力と、を利用して駆動するものであって、車両上下方向におけるフロアパネル14の下方側面に配置されるとともに、車両前後方向に延設して配置され、少なくとも後輪にエンジン11の動力及び駆動モータの動力を伝達可能なプロペラシャフト13と、フロアパネル14の下方側面にプロペラシャフト13を覆って配置され、少なくともバッテリモジュール16を有する一体型のバッテリパック15と、を備え、バッテリパック15は、プロペラシャフト13を収容する凹部26を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車の車体構造に関し、特に、車室外にバッテリパックを配設したハイブリッド自動車の車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車の車体構造は、リアシートの裏側にバッテリパックを配設したものが一般的に知られている。このため、ハイブリッド自動車の車体構造では、リアシートにバッテリパックから放出される熱を伝達させないための遮蔽部材が必要とされていた。
【0003】
このように、遮蔽部材を必要とする場合、ハイブリッド自動車の車体構造では、コスト高になってしまうという可能性がある。また、このようなハイブリッド自動車の車体構造では、バッテリパックから放出される熱により車室内の室温を上昇させてしまう可能性がある。
【0004】
そこで、近年、ハイブリッド自動車の車体構造には、車室外にバッテリパックを配設することが求められている。例えば、特許文献1には、車両のフロアパネルの下面側にバッテリを設置した車体フロア構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−247261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、車両のフロアパネルの下面側にバッテリを設置した車両では、プロペラシャフトを必要とするFR駆動方式の車両及び4WD駆動方式の車両の場合、バッテリパックの中央にプロペラシャフトが介在することとなり、車幅方向でプロペラシャフトを挟んで複数のバッテリパックを配設する必要がある。
【0007】
このため、上記特許文献1では、プロペラシャフトを必要とする車両に適用した場合、各バッテリパックの温度にバラつきが生じてしまう可能性がある。
【0008】
また、上記特許文献1では、各バッテリパックにジャンクションボックス、BCU及びサービスプラグ等が必要になるため、コストを増大させてしまうという技術的課題がある。そして、上記特許文献1では、各バッテリパックにジャンクションボックス、BCU及びサービスプラグ等が必要になるため、これらジャンクションボックス、BCU及びサービスプラグ等を組み付けるための作業工程を増やしてしまうという技術的課題もある。
【0009】
本発明の目的は、上記従来の実状に鑑みて、プロペラシャフトを必要とする車両に一体型のバッテリパックを配設させることが可能なハイブリッド自動車の車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するために、本発明に係るハイブリッド自動車の車体構造は、内燃機関の動力と、2次電池から供給される電力によって駆動する駆動モータの動力と、を利用して駆動するものであって、車両上下方向におけるフロアパネルの下方側面に配置されるとともに、車両前後方向に延設して配置され、少なくとも後輪に上記内燃機関の動力及び駆動モータの動力を伝達可能なプロペラシャフトと、上記フロアパネルの下方側面に上記プロペラシャフトを覆って配置され、少なくとも上記2次電池を有する一体型のバッテリユニットと、を備え、上記バッテリユニットは、上記プロペラシャフトを収容する凹部を備えて構成されている。
【0011】
好適には、上記解決手段に加えて、本発明に係るハイブリッド自動車の車体構造の上記凹部は、この凹部の上記プロペラシャフトに対向する対向面に断熱部材を備えて構成されている。
【0012】
好適には、上記解決手段に加えて、本発明に係るハイブリッド自動車の車体構造の上記バッテリユニットは、車両上下方向における上記バッテリユニットの下方面を平滑に形成されている。
【0013】
好適には、上記解決手段に加えて、本発明に係るハイブリッド自動車の車体構造の上記バッテリユニットは、車幅方向で、車両フレームに当接する当接面を備えて構成されている。
【0014】
好適には、上記解決手段に加えて、本発明に係るハイブリッド自動車の車体構造の上記バッテリユニットは、このバッテリユニットの外周縁に上記フロアパネルに取り付けるための取り付け部を備えて構成されている。
【0015】
好適には、上記解決手段に加えて、本発明に係るハイブリッド自動車の車体構造の上記凹部は、上記プロペラシャフトを受ける受け部として機能するよう構成されている。
【0016】
好適には、上記解決手段に加えて、本発明に係るハイブリッド自動車の車体構造の上記バッテリユニットは、上記内燃機関のカバー部材に連結されて構成されている。
【0017】
また、本発明に係るハイブリッド自動車は、内燃機関の動力と、2次電池から供給される電力によって駆動する駆動モータの動力と、を利用して駆動し、この車体構造は、フロアパネルを下方から上方に隆起させてなるフロアトンネルを持ち、上記フロアトンネルの下面に上記フロアトンネルを覆って配置され、少なくとも上記2次電池を有する一体型のバッテリユニットと、を備え、上記バッテリユニットは、上記フロアトンネル側に凹部を備えて構成されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明のハイブリッド自動車の車体構造によれば、プロペラシャフトを必要とする車両に一体型のバッテリパックを配設させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態であるハイブリッド自動車の車体構造を模式的に示し、この車体構造の平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるハイブリッド自動車の車体構造を模式的に示し、この車体構造の側方図である。
【図3】図1における線I−I´を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態のハイブリッド自動車の車体構造について、図1乃至図3を用いて説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるハイブリッド自動車10の車体構造を模式的に示し、この車体構造の平面図である。
【0021】
また、図2は、本発明の一実施の形態であるハイブリッド自動車10の車体構造を模式的に示し、この車体構造の側方図であり、図3は、図1における線I−I´を示す断面図である。
【0022】
図1乃至図3に例示されるように、本実施の形態のハイブリッド自動車10は、このハイブリッド自動車10の進行方向における前方側にエンジン(内燃機関)11を備えて構成されている。このエンジン11には、図示しない電磁クラッチが接続されている。そして、電磁クラッチには、図示しない変速機が接続されている。
【0023】
すなわち、ハイブリッド自動車10は、変速機に電磁クラッチを介してエンジン11からの駆動力を伝達している。この変速機は、無段変速機(例えば、CVT等。)を用いて構成されている。そして、変速機には、図示しない前差動歯車が接続されている。
【0024】
なお、本実施の形態の駆動力は、エンジンから供給されているが、エンジンに限らず、電力により稼動するモータなどの原動機から供給されるものであっても良い。また、駆動についても電磁クラッチに限らずの、通常のクラッチなど、他の伝達装置を介しても良い。更に変速機も無断変速機に限らず、マニュアルトランスミッションなど、他の変速機であっても良い。
【0025】
この前差動歯車には、図示しない左右の前輪駆動軸が接続されている。すなわち、ハイブリッド自動車10は、左右の前輪駆動軸に前差動歯車を介してエンジン11の駆動力を伝達している。また、変速機の車両前後方向における後方側の端部には、トランスミッション12が取り付けられている。
【0026】
そして、トランスミッション12には、プロペラシャフト13が接続されている。このトランスミッション12は、図示しないギアを備えて構成されている。そして、トランスミッション12のギアが前差動歯車のリングギアに噛み合っているため、駆動力の一部がプロペラシャフト13に伝達されている。
【0027】
このプロペラシャフト13は、車両上下方向におけるフロアパネル14の下面側に車両前後方向に沿って延設されている。そして、プロペラシャフトの車両前後方向における後方側には、図示しない後差動歯車が接続されている。この後差動歯車には、図示しない左右の後輪駆動軸が接続されている。すなわち、駆動力の一部は、プロペラシャフト13から後差動歯車を介して左右の後輪駆動軸に伝達されている。
【0028】
また、車両上下方向におけるフロアパネル14の下面側には、プロペラシャフト13とともに、エンジン11から発生する排ガスを排出するための排気管9が配設されている。このように、車両上下方向におけるフロアパネル14の下面側には、上述したように、少なくともプロペラシャフト13及び排気管9が配設されている。
【0029】
本実施の形態において、ハイブリッド自動車10の車体構造は、プロペラシャフト13及び排気管9の他に、車両上下方向におけるフロアパネル14の下面側にバッテリパック15を備えて構成されている。
【0030】
このバッテリパック15は、バッテリモジュール16、BCU(バッテリコントロールユニット)17、配線ケーブル18、ジャンクションボックス19及びサービスプラグ20をまとめ、アッセンブリとしての役目を果たしている。
【0031】
すなわち、本実施の形態のバッテリパック15は、一体型で構成されている。ここで、ハイブリッド自動車10の車体構造は、上述したように、フロアパネル14の下面に車両前後方向に沿ってプロペラシャフト13を備えて構成されている。
【0032】
このため、従来のハイブリッド自動車の車体構造は、FR駆動方式及び4WD駆動方式の車両のフロアパネル14の下面にバッテリパック15を搭載する場合、車幅方向でプロペラシャフトを挟んで分けて構成されている。
【0033】
これに対し、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造は、上述したように、FR駆動方式及び4WD駆動方式のようなプロペラシャフト13を必要とする車両に一体型のバッテリパック15を搭載している。
【0034】
具体的には、このバッテリパック15は、車両前後方向で前方側、中央及び後方側に分けて前方側領域21、中央領域22及び後方側領域23から構成されている。さらに、バッテリパックの中央領域22は、この中央領域22とともに、車幅方向で中央領域22を挟んで右方側及び左方側に右方側領域24及び左方側領域25から構成されている。
【0035】
すなわち、バッテリパック15は、前方側領域21、中央領域22、後方側領域23、右方側領域24及び左方側領域25からなる5つの領域に分けて構成されている。そして、バッテリパック15は、これら前方側領域21、中央領域22、後方側領域23、右方側領域24及び左方側領域25の何れかに、バッテリモジュール16、BCU(バッテリコントロールユニット)17、配線ケーブル18、ジャンクションボックス19及びサービスプラグ20を配設し、上述したように、アッセンブリとしての役目を果たしている。
【0036】
ここで、本実施の形態のバッテリパック15を構成するバッテリモジュール16、BCU(バッテリコントロールユニット)17、配線ケーブル18、ジャンクションボックス19及びサービスプラグ20については、既知の技術であるため、詳細な説明は省略し、簡易的な説明で留める。
【0037】
バッテリモジュール16は、バッテリパック15の右方側領域24及び左方側領域25の夫々に配設されている。このバッテリモジュール16は、駆動モータにこの駆動モータの駆動源である電力を供給する役目を果たしている。
【0038】
なお、本実施の形態において、バッテリパック15は、上述したように、車幅方向でプロペラシャフト13を挟んだ左右の夫々に2個のバッテリモジュール16を備えて構成されているが、例えば、左右の夫々に1個の大型のバッテリモジュール16を備えても良い。また、左右の夫々に3個の小型のバッテリモジュール16を備えても良い。
【0039】
BCU17は、バッテリパック15の中央領域22に配設されている。このBCU17は、バッテリモジュール16を制御する役目を果たしている。すなわち、BCU17は、バッテリモジュール16の状態を把握するために、このバッテリモジュール16の電圧、電流及び温度等を測定している。また、BCU17は、バッテリモジュール16から駆動モータへの電力の入力を監視している。
【0040】
配線ケーブル18は、BCU17と同様にバッテリパック15の中央領域22に配設されている。この配線ケーブル18は、各バッテリモジュール16を繋ぐ役目を果たしている。
【0041】
そして、配線ケーブル18には、ジャンクションボックス19が配設されている。このジャンクションボックス19は、各配線ケーブル18同士を結合、分岐、中継する役目を果たしている。
【0042】
サービスプラグ20は、バッテリパック15の前方側領域21に配設されている。このサービスプラグ20は、バッテリモジュール16から生じる高電圧を遮断する役目を果たしている。このため、サービスプラグ20は、バッテリパック15の着脱時に、高電圧を遮断することで、安全に作業を行えるようにしている。
【0043】
このように、本実施の形態のバッテリパック15は、前方側領域21、中央領域22、後方側領域23、右方側領域24及び左方側領域25の各領域にバッテリモジュール16、BCU(バッテリコントロールユニット)17、配線ケーブル18、ジャンクションボックス19及びサービスプラグ20を配設し、一体型で構成されている。
【0044】
したがって、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造によれば、BCU17、配線ケーブル18、ジャンクションボックス19及びサービスプラグ等の部品点数を軽減させることが可能になり、コストを低減させることができる。
【0045】
そして、一体型で構成されたバッテリパック15は、フロアパネル14の下方側面にプロペラシャフト13を覆って配置されている。また、バッテリパック15は、プロペラシャフト13を収容する凹部26を備えて構成されている。すなわち、バッテリパック15は、凹部26によりプロペラシャフト13を避けてフロアパネル14の下面側に配設されている。
【0046】
ここで、本実施の形態のバッテリパック15は、車両上下方向における最も下方側に配設されている。すなわち、バッテリパック15は、例えば、リアシートの背面側等のような凹凸をなして形成された部位に設置されていないため、車両上下方向における下方面を任意の形状に形成することが可能になる。
【0047】
したがって、バッテリパック15は、このバッテリパック15の底面を平滑に形成されている。このため、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造は、バッテリパック15を構成するバッテリモジュール16、BCU(バッテリコントロールユニット)17、配線ケーブル18、ジャンクションボックス19及びサービスプラグ20の配設、特に、BCU、配線ケーブル18及びジャンクションボックス19の配線を容易に行うことが可能になり、作業性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態のバッテリパック15の凹部26は、この凹部26のプロペラシャフト13に対向する対向面に断熱部材を備えて構成されている。この断熱部材は、例えば、凹部面自体を断熱板で構成している。
【0049】
これにより、本実施の形態のバッテリパック15は、バッテリパック15から発生する熱の凹部26への伝達を抑制することが可能になる。一方で、バッテリパック15は、凹部26内に収容された排気管から発生する熱のバッテリパック15への伝達を抑制することが可能になる。
【0050】
また、バッテリパック15は、上述したように、フロアパネル14の下方側面にプロペラシャフト13を覆って配置され、すなわち、車両上下方向における下方側からプロペラシャフト13を覆うように配設されているため、プロペラシャフト13を受け持つ受け部として機能させることが可能なる。
【0051】
これにより、本実施の形態のバッテリパック15は、プロペラシャフト13の脱落を抑止することが可能になる。ここで、プロペラシャフト13が脱落すると、このプロペラシャフト13の張力により車両を浮き上がらせてしまう、いわゆる、棒高跳び現象が生じてしまう可能性がある。
【0052】
すなわち、本実施の形態のバッテリパック15は、プロペラシャフト13を受け持つことで、棒高跳び現象の発生を予防することが可能になり、安全性を高めることができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、FR駆動方式及び4WD駆動方式のようなプロペラシャフト13を必要とする車両としたが、そればかりではなく、FF駆動方式のようなプロペラシャフト13の無い車両であっても、車両のフロアパネル14の下面側に排気管9などが設置される車両でも同様の効果が得られる。
【0054】
また、バッテリパック15は、このバッテリパック15の外周縁にフロアパネル14に取り付けるためのフランジ部(取り付け部)28を備えて構成されている。そして、このフランジ部28には、ピンが設けられている。
【0055】
このため、バッテリパック15は、上述したように、一体型で構成されているため、このバッテリパック15を取り付ける際、フロアパネル14にピンを挿通させて取り付けることが可能になるため、取り付け作業を容易に行うことが可能になる。
【0056】
また、バッテリパック15は、フロアパネル14にバッテリパック15を取り付ける際、フロアパネル14に当接する第1当接面27及びサイドピラーに当接する第2当接面29を備えて構成されている。
【0057】
これにより、バッテリパック15は、車両への側突時に生じる衝撃から、フロアパネル14及びサイドピラーとともに、この衝撃を吸収する役目を果たしている。このため、ハイブリッド自動車10の車体構造は、バッテリパック15を側突時における補剛部材として機能させ、側突に対する安全性を向上させることできる。
【0058】
また、本実施の形態において、バッテリパック15は、このバッテリパック15の前方側をエンジン11のカバー部材に連結させている。このように、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造は、一体型のバッテリパック15で構成しているため、分離型のタイプよりも連結個所を容易に増やすことが可能になり、バッテリパック15を強固に連結することが可能なる。
【0059】
このように、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造によれば、プロペラシャフト13を必要とする車両のフロアパネル14の下方面に一体型のバッテリパック15を搭載することで、このバッテリパックの着脱時の作業性を向上させることが可能になる。
【0060】
また、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造によれば、フロアパネル14の下面側のうち、前列シートの下方にバッテリパック15を搭載している。ここで、前列シートの下方は、車輪から最も離れた位置であるため、他の部位よりも比較的、広いスペースとなっている。
【0061】
このため、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造によれば、フロアパネル14の下方側にバッテリパック15を配設しても、車室内空間を狭めることを抑止し、車室内空間への影響を低減させることが可能になる。
【0062】
本実施の形態において、ハイブリッド自動車10の車体構造は、バッテリパック15の後方側領域23に、このバッテリパック15内に冷却風を供給するための冷却装置30を接続させている。
【0063】
この冷却装置30は、冷却風を導出する冷却ファン31と、バッテリパック15に冷却ファン31の冷却風を送風する冷却ダクト32と、を備えて構成されている。この冷却装置30を構成する冷却ファン31及び冷却ダクト32は、既知の技術であるため、説明を省略する。
【0064】
ここで、本実施の形態のバッテリパック15は、上述したように、一体型で構成されている。すなわち、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造は、バッテリパック15内に冷却ファン31から送風された冷却風を分散させることなく送風しているため、バッテリパック15内に均一に送風させることが可能になる。
【0065】
これにより、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造は、バッテリパック15内のバッテリモジュール16の温度のバラつきを抑制することが可能になる。
【0066】
このように、本実施の形態のハイブリッド自動車10の車体構造は、プロペラシャフト13を必要とする車両に一体型のバッテリパック15を配設させることが可能になることで、バッテリパック15内の温度のバラつきを抑制することができる。
【符号の説明】
【0067】
10 ハイブリッド自動車
11 エンジン(内燃機関)
12 トランスミッション
13 プロペラシャフト
14 フロアパネル
15 バッテリパック
16 バッテリモジュール
17 BCU
18 配線ケーブル
19 ジャンクションボックス
20 サービスプラグ
21 前方側領域
22 中央領域
23 後方側領域
24 右方側領域
25 左方側領域
26 凹部
27 第1当接面
28 フランジ部(取り付け部)
29 第2当接面
30 冷却装置
31 冷却ファン
32 冷却ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の動力と、2次電池から供給される電力によって駆動する駆動モータの動力と、を利用して駆動するハイブリッド自動車の車体構造であって、
車両上下方向におけるフロアパネルの下方側面に配置されるとともに、車両前後方向に延設して配置され、少なくとも後輪に前記内燃機関の動力及び駆動モータの動力を伝達可能なプロペラシャフトと、
前記フロアパネルの下方側面に前記プロペラシャフトを覆って配置され、少なくとも前記2次電池を有する一体型のバッテリユニットと、を備え、
前記バッテリユニットは、前記プロペラシャフトを収容する凹部を備えたこと、
を特徴とするハイブリッド自動車の車体構造。
【請求項2】
前記凹部は、当該凹部の前記プロペラシャフトに対向する対向面に断熱部材を備えたこと、
を特徴とする請求項1記載のハイブリッド自動車の車体構造。
【請求項3】
前記バッテリユニットは、車両上下方向における前記バッテリユニットの下方面を平滑に形成してなること、
を特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッド自動車の車体構造。
【請求項4】
前記バッテリユニットは、車幅方向で、車両フレームに当接する当接面を備えたこと、
を特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のハイブリッド自動車の車体構造。
【請求項5】
前記バッテリユニットは、当該バッテリユニットの外周縁に前記フロアパネルに取り付けるための取り付け部を備えたこと、
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のハイブリッド自動車の車体構造。
【請求項6】
前記凹部は、前記プロペラシャフトを受ける受け部として機能すること、
を特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のハイブリッド自動車の車体構造。
【請求項7】
前記バッテリユニットは、前記内燃機関のカバー部材に連結されたこと、
を特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のハイブリッド自動車の車体構造。
【請求項8】
内燃機関の動力と、2次電池から供給される電力によって駆動する駆動モータの動力と、を利用して駆動するハイブリッド自動車の車体構造であって、
フロアパネルを下方から上方に隆起させてなるフロアトンネルを持ち、
前記フロアトンネルの下面に前記フロアトンネルを覆って配置され、少なくとも前記2次電池を有する一体型のバッテリユニットと、を備え、
前記バッテリユニットは、前記フロアトンネル側に凹部を備えたこと、
を特徴とするハイブリッド自動車の車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−112182(P2013−112182A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260518(P2011−260518)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】