説明

ハイブリッド車における自動変速機のオイルポンプ制御装置

【課題】エンジンとモータとを有しそれぞれで走行可能なハイブリッド車において、CVTを作動させる電動オイルポンプの作動頻度を低減し、またはオイルポンプ出力を低減してポンプ作動騒音を低減することを課題とする。
【解決手段】エンジン4から入力される回転を変速して車両の駆動力を出力するCVT12と、エンジン4を停止した状態でも車両の走行を可能とすべく前記CVT12からの出力とは別系統で車両の駆動力を出力する走行用モータ2と、CVT12の変速制御用の油圧を供給する電動ポンプ24と、変速比検出手段36と、エンジン4を停止し第1車速以下で走行用モータ2により走行する場合、変速比が所定のオーバドライブ値になるまでは電動ポンプ24を作動させ、所定のオーバドライブ値になると電動ポンプ24を停止する制御手段28と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータとエンジンを有するハイブリッド車両における自動変速機のオイルポンプ制御装置に関し、特に、エンジンの起動、停止に関係なくCVT(無段変速機)用の油圧を発生する電動オイルポンプの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジン車のCVT油圧ポンプは、エンジン回転による機械式駆動の油圧ポンプが主に用いられているが、エンジンとモータとでそれぞれ独立して走行可能なハイブリッド車では、エンジンを停止してモータ走行する場合においてもCVTを作動させる必要があることから、電動オイルポンプを採用している。
しかし、このハイブリッド車の電動オイルポンプを、停車中やモータでの低速走行中等のロードノイズが小さい時に作動させると、電動オイルポンプの作動音が聞こえ、耳触りとなる場合がある。
【0003】
このようなオイルポンプの作動騒音低減に関する技術として、特許文献1(特開2000−18377号公報)が知られている。
この特許文献1には、図5に示すように、オイルポンプ01からの供給油圧を利用して変速機02の変速比が変速機制御装置03により制御される車両の自動変速装置が示されている。
変速機(無段変速機)02の油圧駆動機構に対するオイルポンプ01からの供給圧力(ライン圧)を、制御装置04により制御し、特に、ブレーキを踏んで所定の低車速以下の停車条件においてライン圧を最低ライン圧より下げて、オイルポンプ01を駆動する電動モータ05の駆動エネルギやポンプ騒音を低減する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−18377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、制動時でかつ所定の低車速以下においてオイルポンプ01の回転数を低下させるものであり、オイルポンプの回転数を低下させる運転条件が限られた領域だけであるため、オイルポンプ01の騒音低減効果には限界がある。
また、特許文献1は図5に示すような、モータ06の出力、さらにはエンジン010の出力を、変速機02を介して車輪08に伝達する動力伝達機構であるため、オイルポンプ01を作動して変速させる運転領域が多く頻繁にオイルポンプ01が作動しており、オイルポンプ01を停止させて騒音低減を行わせることが難しい。
【0006】
そこで、本発明は、これら問題に鑑みてなされたもので、エンジンとモータとを有しそれぞれで走行可能なハイブリッド車において、CVTを作動させる電動オイルポンプの作動頻度を低減し、またはオイルポンプ出力を低減してポンプ作動騒音を低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、エンジンと、同エンジン側から入力される回転を車速とアクセル開度に応じて変速して車両の駆動力を出力する自動変速機と、前記エンジンを停止した状態でも車両の走行を可能とすべく前記自動変速機からの出力とは別系統で車両の駆動力を出力する走行用モータと、前記自動変速機に変速制御用の油圧を供給する電動オイルポンプと、前記自動変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、前記エンジンを停止し第1車速以下で前記走行用モータにより走行する場合、前記変速比が所定のオーバドライブ値になるまでは前記電動オイルポンプを作動させ、前記変速比が所定のオーバドライブ値になると前記電動オイルポンプを停止する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
かかる発明によれば、第1車速以下のエンジンを停止させたモータ走行中において、変速比が所定のオーバドライブ値になるまでは電動オイルポンプから変速制御用の油圧が供給されて変速制御されて、所定のオーバドライブ変速比になると電動オイルポンプを停止してオーバドライブ変速比が維持される。従って、所定の車速に上昇するまでは、所定のオーバドライブ変速比に達したら電動オイルポンプの作動が停止されるため、ポンプ作動頻度が減って騒音の低減効果が得られる。さらに無駄な電動オイルポンプによる電力消費が抑制される。
【0009】
さらに、所定のオーバドライブ変速比が維持されるため、車速が上昇して第1車速を超えて、エンジン走行が付加される領域に達してエンジンが再始動する際に、エンジン回転数と自動変速機の入力回転数差を小さくすることができ、エンジン再始動時のショックを小さくできる。
【0010】
また、本発明において好ましくは、前記電動オイルポンプ出力を、前記第1車速より低い第2車速までを、該第2車速を超えて運転する場合に比べて低下させるとよい。
すなわち、第1車速より低い第2車速以下においては、エンジンを停止させたモータ走行中においての電動オイルポンプの出力を、第2車速を超えて運転する場合に比べて低下させるので、低車速領域での電動オイルポンプの騒音を低減させることができる。
【0011】
また、本発明において好ましくは、車両の停車中を検出する停車検出手段を更に有し、前記制御手段は、停車中は前記エンジンおよび電動オイルポンプを停止するとよい。
このように、停車中はエンジンおよび電動オイルポンプが停止されるので、停車時のエンジンおよび電動オイルポンプの騒音を効果的に低減することができる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記制御手段は、前記第1車速以下でのエンジンを停止させたモータ走行時において、前記電動オイルポンプを作動させて停車前にロー変速比にするとよい。
このように、モータ走行時において、停車前に電動オイルポンプを作動させてロー変速比にするため、停車前に停車からの発進にそなえてロー変速比に確実に制御するため、モータ走行による発進の際に、発進性を確保できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エンジンとモータとを有しそれぞれで走行可能なハイブリッド車において、CVTを作動させる電動オイルポンプの作動頻度を低減し、またはオイルポンプ出力を低減してポンプ作動騒音を低減することができる。さらに電動オイルポンプの電力消費を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ハイブリッド車の全体構成を示す説明図である。
【図2】オイルポンプ制御装置における制御フローを示すフローチャートである。
【図3】電動ポンプ駆動時の変速比とエンジン回転数と車速との関係を示す説明図である。
【図4】電動ポンプ停止時の変速比とエンジン回転数と車速との関係を示す図3対応の比較説明図である。
【図5】従来技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0016】
図1を参照して、ハイブリッド車1の全体構成について説明する。
このハイブリッド車両は、第1モータジェネレータ2によるモータ単独走行と、エンジン4によるエンジン単独走行と、第1モータジェネレータ2とエンジン4との両方によるモータエンジン走行とのそれぞれの走行が可能になっている。
【0017】
第1モータジェネレータ2は、後車軸6に設けられた後軸差動装置8に第1モータジェネレータ2の出力軸が直接接続されて左右の後輪10、10を駆動するようになっている。
また、エンジン4は、車両前方に配置され、エンジン出力にはベルト式のCVT(無段変速機)12が接続されている。すなわち、エンジン4のクランクシャフトはトルクコンバータ(流体継手)14、および前後進切換用のクラッチ16を介してプライマリプーリ(不図示)に接続され、プライマリプーリは無端状ベルトによってセカンダリプーリ(不図示)と連結し、センカダリプーリは減速機構を介して前車軸18に設けられた前軸差動装置20に接続されて左右の前輪22、22を駆動するようになっている。
【0018】
このようにCVT12は、トルクコンバータ(流体継手)14、前後進切換用のクラッチ16、プライマリプーリ、およびセカンダリプーリがユニット化されて構成されている。なお、CVT12はベルト式に限られず、トロイダル式CVT等その他の型式のものであってもよい。
また、第1モータジェネレータ2と、エンジン4との前後の配置関係を逆にして、前車軸18に第1モータジェネレータ2を設け、後車軸6にエンジン4およびCVT12を配置したハイブリッド車として構成してもよい。
【0019】
また、CVT12の変速比を制御するために電動ポンプ(電動オイルポンプ)24が設けられ、ECU(電子制御ユニット)26内の、オイルポンプ制御装置(制御手段)28によって、電動ポンプ24の作動が制御される。電動ポンプ24が制御されることによって、CVT12のプライマリプーリおよびセカンダリプーリを作動させるための油圧アクチュエータへの作動油の供給が制御されて、両プーリの有効径を変更して、変速比を変更し、変速比に応じてエンジンの駆動力が減速されて前輪22、22に伝達される。また、この変速比の制御は車速とアクセル開度に応じて変更されて車両の駆動力を出力するようになっている。
【0020】
前記ECU26には、既に説明したように電動ポンプ24の制御を行うオイルポンプ制御装置28が設けられるとともに、エンジン4の始動、停止、および回転数制御を行うエンジン制御装置(不図示)、およびバッテリ30の充電状態を監視して第1モータジェネレータ2、および第2モータジェネレータ32へ発電指令をしてバッテリ30への充電を制御するバッテリ制御装置(不図示)が設けられている。
【0021】
エンジン4の前端部にはクランクシャフトに連動する第2モータジェネレータ32が装着される。この第2モータジェネレータ32は、ECU26からの制御指令を受けてモータ駆動時にはバッテリ30から出力される直流電力をインバータ34で3相交流電力に変換して第2モータジェネレータ32に供給し、一方、第2モータジェネレータ32の回生動作時には、第2モータジェネレータ32から出力される3相交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に充電するようになっている。
【0022】
後軸差動装置8に連結した第1モータジェネレータ2に対しても、前記第2モータジェネレータ32と同様に、ECU26からの制御指令を受けてモータ駆動時にはバッテリ30から出力される直流電力をインバータ34で3相交流電力に変換して第1モータジェネレータ2に供給し、一方、第1モータジェネレータ2の回生動作時には、第1モータジェネレータ2から出力される3相交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に充電するようになっている。
【0023】
また、ECU26には、CVT12のプライマリプーリとセカンダリプーリとの回転速度から変速比を検出する変速比センサ36からの信号、およびセカンダリプーリの回転速度から車速を検出する車速センサ38からの信号が入力され、オイルポンプ制御装置28の制御に用いられる。また、この車速センサ38は、車速がゼロの場合には車両の停車中を検出するので、停車検出手段としても機能する。
【0024】
以上のような構成からなるハイブリッド車において、低速域(例えば、30km/h以下)の場合には、第1モータジェネレータ2によるモータ駆動だけによるモータ単独走行が行われ、中、高速域(例えば、30km/hを超える)の場合、または登坂等の負荷が大きい場合には、エンジン4によるエンジン走行が加わり、第1モータジェネレータ2によるモータ走行と、エンジン4によるエンジン走行が併用される。
この30km/hの車速は第1車速の閾値として、この閾値を超えるとエンジン4が作動して、エンジン4からの駆動力が作用するため車体にトルクショックが発生する。このトルクショックの発生を極力抑えるために後述するオイルポンプ制御装置28によってCVT12の変速比および電動ポンプ24の出力が制御される。
【0025】
次に、そのオイルポンプ制御装置28による変速比制御について、図2の制御フローを参照して説明する。
まず、ステップS1で開始すると、ステップS2で、車両が停車中かどうかを判定する。この判定は、車速センサ38からなる停車検出手段によって停車状態を判定する。車速がゼロであれば停車中と判定して、ステップS8で電動ポンプ24の駆動デューティ比率をゼロ%とする。すなわち、電動ポンプ24の出力を停止する。
このように、車速ゼロの状態ではCVT12の変速比の変化がないため電動ポンプ24を停止することで、電動ポンプ24の作動音をなくして騒音を低減するので、停車時のエンジンおよび電動オイルポンプの騒音を効果的に低減できる。さらに無駄な電動ポンプによる電力消費が抑制される。
【0026】
なお、ステップS2で停車中でないと判定した場合、すなわち走行中の場合には、エンジン4が停止して、第1モータジェネレータ2によるモータ走行中である。このエンジン4が停止したモータ走行時に、図1に示すようにCVT12の変速比をHi側に変化させてモータ走行時の余分な負荷とならないようにするとともに、エンジン4が再始動したときのトルクショックの発生を抑えるために、電動ポンプ24によって変速比をオーバドライブ側へ向けて変化させるように変速比制御が行われる。
【0027】
また、エンジン4の停止中の第1モータジェネレータ2によるモータ走行中に、前後進切換用のクラッチ16を断にしておき、実質的なニュートラル状態としておいてもよい。このようにクラッチ16を断にすることで、モータ走行時の余分な走行負荷を低減して、燃費の向上が図られる。
【0028】
次に、ステップS2で、停車中でない場合には、ステップS3に進んで、車速が第1車速より低い第2車速、例えば10km/h未満かどうかを判定する。車速が10km/h未満の場合には、ステップS7に進んで、電動ポンプ24の駆動デューティ比率を小にする。すなわち、車速が10km/h以上の通常の駆動デューティ比率より小さい値とする。例えば、電動ポンプ24の定格出力の30%程度とする(ポンプ駆動可能な最低デューティ比率よりは大きく通常デューティ比率よりは小さい値とする)。
【0029】
このように、10km/h未満のような低車速では、電動ポンプ24の駆動デューティ比率を30%程度の小さい比率で運転するため、低車速領域での電動ポンプ24の騒音を低減させることができる。また、駆動デューティ比率を30%程度という小さい比率で運転するので、電動ポンプ24の定格出力に対して余裕をもった運転領域での使用であり、定格出力ぎりぎりで使用する場合に比べて、電動ポンプ24からの騒音発生を抑えることができる。
その結果、低速運転域のロードノイズが低い状況下で、しかもエンジンが停止して電動ポンプ24の作動音が耳触りになる状況下でも、電動ポンプ24からの騒音を効果的に低減できる。
【0030】
次に、ステップS3で車速が10km/h以上であると判定した場合には、ステップS4に進んで、変速比が0.5以下かどうかを判定する。変速比の判定は、変速比センサ36からの検出信号を基に行い、0.5以下のオーバドライブ側にある場合には、ステップS5で、電動ポンプ24の駆動デューティ比率をゼロ%とする。すなわち、電動ポンプ24の出力を停止状態とする。電動ポンプ24の作動が停止されるとその時の変速比に維持されるため、0.5以下のオーバドライブ状態に維持される。
これによって、電動ポンプ24の作動頻度が減って騒音の低減効果が得られ、さらに無駄な電動ポンプ24による電力消費が抑制される。
【0031】
さらに、0.5以下のオーバドライブ変速比に維持されるため、車速が上昇して第1車速(30km/h)を超えて、第1モータジェネレータ2によるモータ走行にエンジン4による駆動トルクが付加される領域に達してエンジン4が始動する際に、エンジン回転数とCVT12との回転数差を小さくすることができ、第1車速以上でのエンジン始動時に発生するショックを低減できる。
【0032】
なお、エンジン4の停止中に、前後進切換用のクラッチ16を断状態にして実質的なニュートラル状態とする制御が行われる場合には、第1車速を超えてエンジン始動後にクラッチ16を接続する際のショックを低減できる。
【0033】
ステップS4で変速比が0.5を超える場合、すなわちオーバドライブになっていない場合には、ステップS6に進んで電動ポンプ24の駆動デューティ比率を大にする。すなわち、40%程度の駆動デューティ比率で駆動して、変速比をオーバドライブ側へと変速させる。そして、ステップS9でリターンして終了する。
なお、オーバドライブ側の変速比0.5、および第1車速の30km/h、第2車速の10km/hは、それぞれ一例であり、エンジン4を始動するタイミングや電動ポンプ24の定格出力等によって最適な閾値に設定される。
【0034】
さらに、図2のフローチャートには示していないが、オイルポンプ制御装置28には、前記第1車速(30km/h)以下での、エンジン4を停止させたモータ走行時において、電動ポンプ24を作動させて停車前にロー変速比にしてもよい。つまり、車速がほぼゼロになる直前に電動ポンプ24を作動させてロー変速比にする。このため、停車前に停車からの発進にそなえてロー変速比に確実に制御できるため、モータ走行による発進の際に、発進性を確保できる。
【0035】
次に、電動ポンプ24の駆動有無による変速比の変化状態を、実車によって確認した結果を、図3、4を参照して説明する。
図3は、電動ポンプ24を駆動したときの変速比の変化状態を示している。第1モータジェネレータ2によるモータ走行中に、エンジン4の停止中、例えばt〜tの間において、電動ポンプ24によって変速比が、Lo側からHi側へなだらかに低下してオーバドライブ側へ変化していくことが示されている。
【0036】
一方、図4は、電動ポンプ24を駆動しない場合を示し、エンジン4の停止中、例えばt〜tの間において、エンジンを停止したときの変速比の変化状態が維持されて一定となることを示している。
【0037】
なお、図3、図4でVは、エンジン4が始動する第1車速を示し、本実施形態では前記のように例えば30km/hとしている。
図3、図4に示すように、電動ポンプ24の作動によって変速比が、Lo側からHi側へなだらかに低下してオーバドライブ側へ変化させ第1車速以上でのエンジン始動時のショックが低減される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、エンジンとモータとを有しそれぞれで走行可能なハイブリッド車において、CVTを作動させる電動オイルポンプの作動頻度を低減し、またはオイルポンプ出力を低減してポンプ作動騒音を低減することができる。さらに電動オイルポンプの電力消費を抑制できるので、ハイブリッド車における自動変速機のオイルポンプ制御装置への利用に適している。
【符号の説明】
【0039】
1 ハイブリッド車
2 第1モータジェネレータ(走行用モータ)
4 エンジン
8 後軸差動装置
12 CVT(自動変速機)
14 トルクコンバータ(流体継手)
16 クラッチ
20 前軸差動装置
24 電動ポンプ(電動オイルポンプ)
26 ECU
28 オイルポンプ制御装置(制御手段)
30 バッテリ
32 第2モータジェネレータ
34 インバータ
36 変速比センサ(変速比検出手段)
38 車速センサ(停車検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、同エンジン側から入力される回転を車速とアクセル開度に応じて変速して車両の駆動力を出力する自動変速機と、
前記エンジンを停止した状態でも車両の走行を可能とすべく前記自動変速機からの出力とは別系統で車両の駆動力を出力する走行用モータと、
前記自動変速機に変速制御用の油圧を供給する電動オイルポンプと、
前記自動変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、
前記エンジンを停止し第1車速以下で前記走行用モータにより走行する場合、前記変速比が所定のオーバドライブ値になるまでは前記電動オイルポンプを作動させ、前記変速比が所定のオーバドライブ値になると前記電動オイルポンプを停止する制御手段と、
を備えたことを特徴とするハイブリッド車における自動変速機のオイルポンプ制御装置。
【請求項2】
前記電動オイルポンプ出力を、前記第1車速より低い第2車速までを、該第2車速を超えて運転する場合に比べて低下させることを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッド車における自動変速機のオイルポンプ制御装置。
【請求項3】
車両の停車中を検出する停車検出手段を更に有し、前記制御手段は、停車中は前記エンジンおよび電動オイルポンプを停止することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車における自動変速機のオイルポンプ制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1車速以下でのエンジンを停止させたモータ走行時において、前記電動オイルポンプを作動させて停車前にロー変速比にすることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車における自動変速機のオイルポンプ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−195102(P2011−195102A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66754(P2010−66754)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】