説明

バッテリユニット、バッテリモジュール、蓄電システム、電子機器、電力システムおよび電動車両

【課題】部材点数の増加を招くことなく、優れた放熱性を有するバッテリユニットを提供する。
【解決手段】前面、背面、第1の側面、第2の側面、第1の主面および第2の主面を有する箱状のケース内に複数の二次電池が収納される。ケースの第1および第2の主面の一方の面に第1の伝熱面が設けられ、ケースの第1および第2の側面の少なくとも一方の面に、第1の伝熱面と連続して第2の伝熱面が形成される。絶縁面が前面と、背面と、第1および第2の主面の他方の面と、第2の伝熱面の内面に形成される。二次電池は、電池素子が外装部材に収容され、正負の電極タブが導出されている構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリユニット、バッテリモジュール、蓄電システム、電子機器、電力システムおよび電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、負極に炭素、正極にリチウム−遷移金属複合酸化物、電解液に炭酸エステルの混合物を使用するリチウムイオン二次電池は広く知られている。このような構成を有するリチウムイオン二次電池では、炭酸エステルが水や他の有機溶媒に対して酸化や還元に対し安定でより高電圧を得ることができるため、水系電池であるニッケル水素電池よりエネルギー密度が大きく高容量である。そのため、リチウムイオン二次電池は、電動工具、ノートパソコンや携帯電話、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの二次電池として広く普及している。
【0003】
近年、リチウムイオン二次電池は、上記用途以外に電気自動車や蓄電用など産業用向けにも普及し始めている。産業向け二次電池の場合、高容量、高出力および長寿命の電池性能が求められる。大電流に耐え得る電池性能の1つとして、放熱性が挙げられる。大電流を与えた時、電池は発熱するが、電池温度の過度の上昇は電池性能の劣化を促進し、電池寿命を短くすることが知られている。そこで、電池発熱をいかに効率よく放熱できるかが重要になり、様々な検討がなされている。
【0004】
従来、電池の放熱性を向上するための技術としては、放熱性の高いフィルムを貼る手段や黒色被覆部材で覆い放熱性を向上させる技術が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。しかしながら、この技術では、電池以外の部材点数が増えるのでコストが高くなり、さらにその部材分の体積エネルギー密度が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−173559号公報
【0006】
【特許文献2】特開2007−134308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、部材点数の増加を招くことなく、優れた放熱性を有することが望ましい。通常、電池は、表面が絶縁性の外装材で被覆されている。自動車等の大出力の用途では、多数の電池を組み合わせたバッテリユニット(組電池とも称される)が使用される。例えば外装材として樹脂成型品を使用した電池を多数組み合わせた場合には、外装材の占める体積が大きくなり、体積エネルギー密度の低下が生じる。
【0008】
一方、外装材として薄いラミネートフィルムを使用した電池が知られている。この種の電池は、体積エネルギー密度を高くすることができる利点がある。しかしながら、この種の電池によりバッテリユニットを構成した場合、振動等によってラミネートフィルムの損傷が生じ、短絡が生じるおそれがあった。
【0009】
したがって、本開示の目的は、部材点数の増加を招くことなく、優れた放熱性を有するバッテリユニット、電子機器、電力システムおよび電動車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本開示は、複数の二次電池が収納され、前面、背面、第1の側面、第2の側面、第1の主面および第2の主面を有する箱状のケースと、
ケースの第1および第2の主面の一方の面に設けられた第1の伝熱面と、
第1および第2の側面の少なくとも一方の面に形成され、第1の伝熱面と連続する第2の伝熱面と、
前面と、背面と、第1および第2の主面の他方の面と、第2の伝熱面の内面に形成された絶縁面と、
を備え、
二次電池は、電池素子が外装部材に収容され、正負の電極タブが導出されているバッテリユニットである。
好ましくは、本開示では、ケースの第1および第2の伝熱面と、絶縁面とが一体的に形成される。
本開示は、少なくとも2個の上述したバッテリユニットが対向する間に間隙を有して積層されるバッテリモジュールである。
【0011】
本開示は、上述したバッテリユニットが、再生可能なエネルギーから発電を行う発電装置によって充電される蓄電システムである。
本開示は、上述したバッテリユニットを有し、バッテリユニットに接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。
本開示は、上述したバッテリユニットから電力の供給を受ける電子機器である。
本開示は、上述したバッテリユニットから電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、バッテリユニットに関する情報に基づいて、車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両である。
本開示は、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部を有し、
電力情報送受信部が受信した情報に基づき、上述したバッテリユニットの充放電制御を行う電力システムである。
本開示は、上述したバッテリユニットから電力の供給を受け、または、発電装置または電力網からバッテリユニットに電力を供給する電力システムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ケースに第1および第2の伝熱面と、絶縁面とを一体的に形成するので、これらのケース、伝熱面、絶縁面を別々に形成するのと比較して、部品点数を減少することができ、体積エネルギー密度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示によるバッテリユニットの外観の斜視図である。
【図2】本開示によるバッテリユニットの分解斜視図である。
【図3】本開示に適用できる二次電池の一例の説明のための斜視図および外装部材の一部断面図である。
【図4】ボトムケースの説明に用いる図である。
【図5】ボトムケースの斜視図である。
【図6】本開示によるバッテリユニットの冷却方法の説明に使用する略線図である。
【図7】トップカバーの斜視図である。
【図8】二次電池の直列接続を説明するための接続図である。
【図9】一方のサイドホルダの説明のための図である。
【図10】他方のサイドホルダの説明のための図である。
【図11】二次電池の電極タブとバスバーとの接続構成を示す断面図である。
【図12】並列接続のバッテリユニットの分解斜視図である。
【図13】一方のサイドホルダの説明のための図である。
【図14】複数のバッテリユニットを積み重ねた構成を示す略線図である。
【図15】複数のバッテリユニットを積み重ねた構成の説明のための図である。
【図16】各二次電池の電圧を検出するための配線を説明するための図である。
【図17】バッテリモジュールの構成を説明するための断面図である。
【図18】本開示によるバッテリモジュールの一例を説明するための断面図および拡大図である。
【図19】本開示によるバッテリモジュールの他の一例を説明するための組み立て図および拡大図である。
【図20】本開示によるバッテリモジュールの他の一例を説明するための断面図および拡大図である。
【図21】電池パックの応用例を説明するための略線図である。
【図22】電池パックの他の応用例を説明するための略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
「バッテリユニットの構成」
本開示の実施の形態によるバッテリユニットについて以下に説明する。図1および図2は、本開示の一実施の形態によるバッテリユニット10の斜視図および分解斜視図である。バッテリユニット10のケースは、ボトムケース11とトップカバー28とによって構成される箱状のものである。すなわち、ケースは、前面、背面、第1の側面、第2の側面、第1の主面(ボトムケース11の底面)および第2の主面(トップカバー28)を有する。
【0015】
トップカバー28を外した状態で、箱状のボトムケース11内に、例えば4個の矩形板状の二次電池1−1,1−2,1−3,1−4が熱伝導シート2−1,2−2,2−3,2−4を介在させて収納される。ボトムケース11の収納部の幅が二次電池1−1〜1−4の幅よりやや大とされ、ボトムケース11の収納部の両側壁の内面と二次電池1−1〜1−4の両側の側面とが極めて近接、または接触するようになされる。なお、二次電池の個数は、4個に限らず2個以上の任意の数に選定される。
【0016】
二次電池1−1〜1−4は、後述するように、略矩形板状の正極と、この正極と対向して配された略矩形状の負極とが、セパレータを介して交互に積層された積層型電極構造を有するものである。二次電池1−1〜1−4の表面が外装材で被覆されている。二次電池1−1〜1−4のそれぞれの対向する異なる短辺から正極タブ4−1,4−2,4−3,4−4および負極タブ5−1,5−2,5−3,5−4がそれぞれ導出されている。ここでは、4個の二次電池1−1〜1−4が直列に接続されるので、積層状態で正極タブおよび負極タブが交互に位置するようになされている。
【0017】
熱伝導シート2−1〜2−4は、例えば熱伝導特性の良好な両面接着テープである。熱伝導シート2−1〜2−4によって、隣接する二次電池間が熱的に良好に結合されると共に、二次電池1−1〜1−4のケース内での位置が固定される。
【0018】
さらに、ボトムケース11内に第1のサイドホルダ30および第2のサイドホルダ40が挿入される。サイドホルダ30および40は、インサート成形によって、導電部としてのバスバーを一体に有するものである。インサート成形は、金型内に埋め込み対象であるインサート品(ここでは、バスバー)を装填した後、成形機に樹脂を注入し、インサート品を溶融樹脂で包み込んで固化させ、樹脂とインサート品とを一体化する成形方法である。
【0019】
バスバーは、例えば銅にニッケルをメッキした導電体を板状とした導電体であり、樹脂によって絶縁されている。サイドホルダ30は、二次電池1−1〜1−4のタブをバスバーによって集約すると共に、外部にターミナルを導出する機能を有する。サイドホルダ40は、二次電池1−1〜1−4のタブをバスバーによって集約する機能を有する。
【0020】
サイドホルダ30の二次電池1−1〜1−4と対向しない側の面に角ナット12および13が固定されている。一方の角ナットが正極端子とされ、他方の角ナットが負極端子とされる。これらの角ナット12および13がボトムケース11の前面に形成されている2カ所の切欠き12および13を通じて露出され、ケースの外側でバッテリユニットの接続に使用される。角ナット12および13は、インサート成形によってサイドホルダと一体に成形しても良い。
【0021】
さらに、ボトムケース11のコーナー部の4カ所に丸穴が形成され、対応するトップカバー28の4カ所の位置に同様の丸穴が形成され、さらに、ケース内に配置された状態でこれらの丸穴と対応するサイドホルダ30、40の位置に丸穴が形成されている。ボトムケース11内にサイドホルダ30、40のそれぞれのバスバーと接続された二次電池1−1〜1−4を収納した状態で、丸穴内にスリーブホルダ16が嵌合される。スリーブホルダ16は、金属からなるものである。
【0022】
バッテリユニットの組み立て時には、4個の二次電池1−1〜1−4を熱伝導シート2−1〜2−4を介在させて積層する。二次電池1−1〜1−4の両側から導出されたタブとサイドホルダ30、40のバスバーとを接続する。一例としてタブとバスバーとをレーザ溶接によって溶接する。レーザ溶接は、レーザで溶接部を加熱する溶接である。レーザ溶接以外の溶接方法を使用しても良い。
【0023】
サイドホルダ30、40と接続された二次電池1−1〜1−4をボトムケース11内に収納する。スリーブホルダ16を穴に嵌合させて積層状態を固定する。そして、トップカバー28によってボトムケース11の上面の開口を閉塞する。ボトムケース11の上面の端面は、樹脂であるため、ボトムケース11に対してトップカバー28を超音波接合、ビス止め、接着、嵌合等の種々の方法で取り付けることができる。
【0024】
「二次電池の構成」
図3Aは、本開示に使用できる非水電解質電池(以下、二次電池1と適宜称する)の外観を示す略線図である。図3Bは、二次電池1(二次電池1−1〜1−4を特に区別する必要がない場合には、これらの二次電池を総称して二次電池1と称する)の構成を示す略線図である。なお、図3Bは、図3Aに示す二次電池1の底面および上面を反転させた場合の構成を示している。図3Cは、二次電池1の外観底面側を示す略線図である。二次電池1は、いわゆるリチウムイオン二次電池であり、電池素子2と、電池素子2を収容する外装材3とを備える。二次電池1は、第1の主面と第2の主面とを有する。
【0025】
外装材3は、電池素子2を収容する第1外装部3Aと、電池素子2を覆う蓋として機能する第2外装部3Bとから構成されている。外装材3と電池素子2とが密着していることが好ましい。一例として、電池素子2の厚みは、5mm〜20mm程度とされる。電池素子2の放電容量は、例えば3Ah以上50Ah以下である。
【0026】
電池素子2は、略矩形状の正極と、この正極と対向して配された略矩形状の負極とが、セパレータを介して交互に積層された積層型電極構造を有している。また、電池素子2からは、複数枚の正極とそれぞれ電気的に接続された正極集電体露出部と、複数枚の負極とそれぞれ電気的に接続された負極集電体露出部とが引き出されている。正極集電体露出部および負極集電体露出部には、それぞれ正極タブ4および負極タブ5が接続されている。正極タブ4−1〜4−4並びに負極タブ5−1〜5−4を特に区別する必要がない場合には、これらの正極タブおよび負極タブをそれぞれ総称して正極タブ4および負極タブ5と称する。
【0027】
正極タブ4および負極タブ5の材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、チタン(Ti)などの材料、または、リン(P)、銀(Ag)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)を含む合金を用いることができ、これらの材料のうちでも銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)合金を用いることが好ましい。
【0028】
このような電池素子2は、外装材3にて外装されており、正極タブ4および負極タブ5は、外装材3の封止部から二次電池1の外部に導出されている。外装材3は少なくとも一方の面、または両面に予め深絞り加工が施されることにより凹部6が形成され、この凹部6に電池素子2が収納される。図3Bでは、外装材3を構成する第1外装部3Aに凹部6が形成されており、電池素子2はこの凹部6に収納される。
【0029】
そして、第2外装部3Bが、凹部6の開口を覆うように配置され、凹部6の開口の周囲が熱融着などにより接着されることにより封止される。正極集電体および負極集電体とそれぞれ接続された正極タブ4および負極タブ5は、対向する2方向から導出されている。
【0030】
図示しないが、外装材3と正極タブ4および負極タブ5との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム、すなわちシーラントを挿入するようにしてもよい。シーラントは、正極タブ4および負極タブ5との接着性に優れる樹脂材料からなる。このような樹脂材料としては、酸変性ポリプロピレン(PP)などの変性ポリマーが挙げられる。
【0031】
外装材3は、例えば、柔軟性を有するフィルムである。図3Dに示すように、熱融着樹脂層7、金属層8、表面保護層9が接着層を介して順次積層した構造を有する。なお、熱融着樹脂層7側の面が、電池素子2を収容する側の面となる。熱融着樹脂層7と電池素子2の表面が密着していることが好ましい。熱融着樹脂層7の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が挙げられる。金属層8の材料としては、柔軟性を有する金属が好ましく、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウム合金が挙げられる。表面保護層9の材料としては、例えばナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
【0032】
具体的には例えば、外装材3は、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔、ナイロンフィルムをこの順序に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装材3は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電池素子2とが対向するように配設され、外縁部が融着または接着剤により互いに密着されている。なお、外装材3は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0033】
なお、本開示に適用できる二次電池の構成は、上述したものに限定されない。例えばセパレータを長尺の帯状に形成してつづら折りにより折り畳み、正極および負極を折り畳んだセパレータの間に挟み込むことにより積層した構成を使用しても良い。さらに、正極リードおよび負極リードが取り付けられた巻回電極体をフィルム状の外装材の内部に収容した構成を使用しても良い。
【0034】
「ボトムケース」
さらに、本開示の一実施の形態の各部について説明する。図4および図5は、ボトムケース11を示す。バッテリユニット10の表面は、角ナット14および15が露出する前面と、反対側の背面と、第1の側面と、第2の側面と、底面とがボトムケース11によって構成され、上面がトップカバー28によって構成される。トップカバー28は、絶縁性の樹脂の成形品である。
【0035】
ボトムケース11の前面および背面が樹脂からなる絶縁面とされ、ボトムケース11の底面が伝熱材例えばアルミニウムからなる伝熱面とされ、ボトムケース11の第1および第2の側面が絶縁面とアルミニウムの2層構成とされる。図4および図5において、伝熱面の領域に対しては、斜線が付加されている。インサート成形によって、ボトムケース11の絶縁面と伝熱面とを一体的に成形することができる。絶縁のための樹脂と、伝熱のためのアルミニウムとを一体の部品として形成できるので、部品点数の増加を防止することができる。
【0036】
ボトムケース11内の二次電池1−1〜1−4の前面の近傍に前面樹脂17、底面樹脂18および側面樹脂19が位置する。二次電池1−1〜1−4の背面の近傍に背面樹脂20、底面樹脂21および側面樹脂19が位置する。ボトムケース11の底面は、両端部の底面樹脂18および21を除いた領域が第1の伝熱面22とされる。側面樹脂19は、ボトムケース11の内側の側面に連続的に形成されている。
【0037】
一方、ボトムケース11の外側の側面には、伝熱面22から連続的に立ち上げられた第2の伝熱面23が形成されている。側面の伝熱面23は、ボトムケース11の上端面のやや下方まで形成され、上端面付近は、側面樹脂19の領域とされる。上端面付近が樹脂とされているので、ボトムケース11に対するトップカバー28の固定方法として種々の方法を使用できる。さらに、ボトムケース11の底面の前面側および背面側のエッジに沿って位置決め用の凸部25Aおよび25Bが形成されている。
【0038】
バッテリユニット10において、内部の二次電池1−1〜1−4の発熱が底面の伝熱面22に伝えられ、さらに側面の伝熱面23に回り込んで伝えられる。したがって、図6に示すように、冷却ユニット27の冷却面に対して側面の伝熱面23を密着させることによってバッテリユニット10を冷却することができる。ボトムケース11の前面付近、背面付近および側面内側は、樹脂の構成とされている。したがって、振動等によって外装材3が損傷した場合でも、伝熱面を構成する金属を介して短絡が生じることを防止することができる。
【0039】
図7は、樹脂成形されたトップカバー28を示す。トップカバー28の外側の面の前面側および背面側のエッジに沿って位置決め用の凹部26Aおよび26Bが形成されている。複数のバッテリユニット10を積み重ねる場合、ボトムケース11の凸部25Aおよび25Bと、トップカバー28の凹部26Aおよび26Bによって位置決めを容易に行うことができる。
【0040】
「直列接続構成」
図8Aおよび図8Bに示すように、複数の二次電池1〜1〜1−4が直列接続されてバッテリユニット10が構成される。二次電池1−1の正極タブ4−1がバスバー31Aと接続され、角ナット12を通じて正極側が外部に導出される。図8Bに向かって見て左側のバスバー31A、31Bおよび31Cがサイドホルダ30に組み込まれたものであり、右側のバスバー41Aおよび41Bがサイドホルダ40に組み込まれたものであ
【0041】
二次電池1−1の負極タブ5−1がバスバー41Aと接続される。バスバー41Aに対して二次電池1−2の正極タブ4−2が接続される。二次電池1−2の負極タブ5−2がバスバー31Bと接続される。バスバー31Bに対して二次電池1−3の正極タブ4−3が接続される。二次電池1−3の負極タブ5−3がバスバー41Bと接続される。バスバー41Bに対して二次電池1−4の正極タブ4−4が接続される。二次電池1−4の負極タブ5−4がバスバー31Cと接続される。バスバー31Cおよび角ナット13を通じて負極側が外部に導出される。
【0042】
このように、二次電池1−1〜1−4がバスバーを通じて直列接続される。バッテリユニット10の直列接続の電圧が外部の制御装置によって監視されると共に、各電池の電圧がそれぞれ制御装置によって監視される。したがって、図8Bに示すように、バスバー31A〜31Cのそれぞれがセンシング用の集約兼外部接続コネクタ32と接続される。同様に、バスバー41A,41Bのそれぞれがセンシング用の集約兼外部接続コネクタ42と接続される。
【0043】
バッテリユニット10の一方の側にセンシング用の端子を集約するために、コネクタ32が接続線例えばFFC(Flexible Flat Cable) 33を通じてコネクタ42と接続されている。FFC33は、3本のラインを有しており、例えばトップカバー28の内面に配置される。コネクタ42から外部のバッテリコントロールユニットに対して5本のラインが導出される。
【0044】
「サイドホルダ」
図9は、サイドホルダ30を示す。サイドホルダ30は、バスバー31A、31Bおよび31Cがインサート成形によって樹脂ブロック内に一体に成形されたものである。サイドホルダ30は、電極タブ導出方向(前後)に貫通する穴例えば断面矩形のスリット34を有しており、スリット34内でバスバー31Bが露出している。バスバー31Aは、角ナット12と電気的に接続される。バスバー31Cは、角ナット13と電気的に接続される。サイドホルダ30の両側に形成されている丸穴は、スリーブホルダ16が挿入される穴である。
【0045】
図10は、サイドホルダ40を示す図である。サイドホルダ40は、バスバー41Aおよび41Bがインサート成形によって樹脂ブロック内に一体に成形されたものである。サイドホルダ40は、前後に貫通するスリット35および36を有しており、スリット35内にバスバー41Aが露出し、スリット36内にバスバー41Bが露出している。
【0046】
二次電池のタブとバスバーとの間は、例えばレーザ溶接によって接続される。サイドホルダ40内のバスバー41Aおよび41Bと二次電池のタブの接続構造を図11に示す。サイドホルダ40のスリット35の開口から二次電池1−1の負極タブ5−1と、二次電池1−2の正極タブ4−2とが挿入される。スリット35の開口は、入り口側が拡張されて先になるほど幅が狭いものとれ、負極タブ5−1および正極タブ4−2のバスバー41Aに対する導入を案内する形状とされている。
【0047】
サイドホルダ40のスリット35内で、バスバー41Aの上下面に負極タブ5−1および正極タブ4−2がそれぞれ重ねられ、保持される。そして、サイドホルダ40のスリット35の二次電池と対向しない側から矢印で示すように、レーザ光を照射して、バスバー41Aの端面と、負極タブ5−1および正極タブ4−2のそれぞれの端面とを溶接する。スリット35の反対側の開口のエッジに傾斜面が形成され、レーザ光を容易に照射できるようにされている。同様に、スリット36から二次電池1−3の負極タブ5−3および二次電池1−4の正極タブ4−4が挿入され、バスバー41Bとレーザ溶接によって接続される。
【0048】
「並列接続構成」
上述したバッテリユニット10は、4個の二次電池1−1〜1−4を直列接続したものである。図12は、例えば3個の二次電池1−1〜1−3を並列接続したバッテリユニット50の分解斜視図である。二次電池1−1〜1−3は、一方の端面から正極タブ4−1〜4−3および負極タブ5−1〜5−3の両方が導出される構成である。
【0049】
トップカバー52を外した状態で、箱状のボトムケース51内に、二次電池1−1,1−2,1−3が熱伝導シート2−1,2−2,2−3を介在させて収納される。ボトムケース51の収納部の幅が二次電池1−1〜1−3の幅よりやや大とされ、ボトムケース51の収納部の両側壁の内面と二次電池1−1〜1−3の両側の側面とが極めて近接、または接触するようになされる。ボトムケース51は、前述したボトムケース11と同様に、絶縁面と伝熱面とを有する構成である。
【0050】
熱伝導シート2−1〜2−3は、例えば熱伝導特性の良好な両面接着テープである。熱伝導シート2−1〜2−3によって、隣接する二次電池間が熱的に良好に結合されると共に、二次電池1−1〜1−3のケース内での位置が固定される。
【0051】
さらに、ボトムケース51内にサイドホルダ60および70が挿入される。サイドホルダ60および70は、インサート成形によって、バスバーを一体に有するものである。バスバーは、例えば銅にニッケルをメッキした導電体を板状とした導電体であり、樹脂によって絶縁されている。サイドホルダ60は、二次電池1−1〜1−3のタブをバスバーによって集約すると共に、外部にターミナルを導出する機能を有する。サイドホルダ70は、二次電池1−1〜1−3を保持する機能を有する。
【0052】
並列接続の場合では、二次電池1−1〜1−3の正極同士が共通接続され、その負極同士が共通接続される。サイドホルダ60には、二次電池1−1〜1−3の正極タブ4−1〜4−3が接続されるバスバーと、二次電池1−1〜1−3の負極タブ5−1〜5−3が接続されるバスバーとがインサート成形によって設けられている。
【0053】
図13Aおよび図13Bは、サイドホルダ60を示す。サイドホルダ60には、例えば正極タブを共通接続するためのバスバー61と負極タブを共通接続するためのバスバー62とがインサート成形によって設けられている。バスバー61は、互いに平行して3本のスリット63、64、65が形成されている。
【0054】
スリット63、64、65がサイドホルダ60の二次電池と対向する面にまで貫通している。各スリット内は、タブを案内・支持するための形状を有している。スリット63、64、65から二次電池1−1〜1−3の正極タブ4−1〜4−3が挿入され、バスバー61のスリット開口まで挿入される。そして、バスバー61のスリット開口において、レーザ溶接によって正極タブ4−1〜4−3とバスバー61とが接続される。
【0055】
サイドホルダ60には、正極タブの接続部と同様に、スリット66、67、68が形成されている。そして、スリット66、67、68から二次電池1−1〜1−3の負極タブ5−1〜5−3が挿入され、バスバー62のスリット開口まで挿入される。そして、バスバー62のスリット開口において、レーザ溶接によって負極タブ5−1〜5−3とバスバー62とがレーザ溶接によって接続される。
【0056】
「バッテリユニットの連結構成」
高出力、高容量のバッテリを必要とする車両などの場合、複数のバッテリユニット10−1、10−2、10−3・・・を図14に示すように、積み重ねて直列および/または並列に接続することがある。樹脂ケースを使用している場合には、高温時、高圧力下での膨張・収縮、クリープの影響があり、組み立て状態を安定に保持することが難しい問題があった。
【0057】
本開示では、図15Aに示すような金属のスリーブホルダ16が各バッテリユニットのサイドホルダ内に挿入されている。したがって、図15Bに示すように、バッテリユニット10−1、10−2、10−3を積み重ね、それぞれのスリーブホルダ16−1、16−2、16−3の位置を合わせて中にボルト69を貫通させることができる。ボルト69にナットを取り付けて一定の圧力でもって締めつけ、積み重ね状態を保持するようになされる。
【0058】
したがって、連結用のボルト69は、樹脂のサイドホルダとは接触せず、金属のスリーブホルダ16−1、16−2、16−3内に位置しているので、高温時、高圧力下での樹脂の膨張・収縮、クリープの影響を受けることがなく、安定に組み立て状態を維持することができる。
【0059】
「セルバランス用のコネクタ」
複数の二次電池を使用する場合、電池の性能を充分に発揮させるためには、各二次電池のセルバランスをとることが必要である。前述した図8の接続構成において、バッテリユニット10の一方の端面にセンシング用の端子を集約するために、コネクタ32が接続線例えばFFC(Flexible Flat Cable) 33を通じてコネクタ42と接続されている。FFC33は、3本のラインを有している。コネクタ42から外部のバッテリコントロールユニットに対して5本のラインが導出される。
【0060】
具体的には、図16に示すように、サイドホルダ30の中間部の凹部内にコネクタ32が配置され、サイドホルダ40の中間部の凹部内にコネクタ42が配置される。そして、トップカバー28の内面にコネクタ32およびコネクタ42間を接続するFFC33が配置される。外部のバッテリコントロールユニットの基板がコネクタ42に対して接続される。
【0061】
「バッテリモジュール」
自動車や蓄電システムなどのように二次電池に高出力、高容量が要求される用途においては、上述したバッテリユニットをさらに積層したバッテリモジュールが用いられる。このようなバッテリモジュールにおいても高い体積エネルギー密度が求められる。
【0062】
二次電池は、過充電、長期間にわたる充放電の繰り返し、および極度な高温状態での使用などによって膨張する場合がある。また、過度な膨張によって二次電池の外形が変化する場合がある。一方で、こうした膨張などによって生じた二次電池内の局部的なストレスは二次電池の特性劣化を早める。このため、電池内に生じた局部的なストレスを解消することが望ましい。
【0063】
図17Aは、3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が下から順に積層されたバッテリモジュール80の断面構造である。3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3のそれぞれの図示せぬスリーブホルダ内を貫通したボルト69によってバッテリモジュール80は安定した積み重ね状態が保持されている。図17Bは、図17Aの部分拡大図である。図中には、対向するバッテリユニット10−1の上面と10−2の底面との間のスペース(以下、間隙と適宜称する)G−1、およびバッテリユニット10−2の上面と10−3の底面との間の間隙G−2が示されている。本開示では、これらの間隙G−1、およびG−2を有効に利用するバッテリユニット(組電池)内構造によって二次電池の膨張が吸収される。以下に、複数のバッテリユニット間に間隙が設けられたバッテリモジュールの構造について3つの例を示す。
【0064】
図18Aは、スリーブホルダによって、複数のバッテリユニット間に間隙が形成されたバッテリユニットの断面構造の一例である。バッテリモジュール80は、3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が下から順に積層されている。ボルト69によって位置決めされた3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が積み重なり、バッテリモジュール80は、安定して一体化した積み重ね状態が保持されている。ボルト69には金属が好適に用いられる。図18Bは、図18Aの部分拡大図である。図中には、バッテリユニット10−1の上面と10−2の底面との間の間隙G−1、およびバッテリユニット10−2の上面と10−3の底面との間の間隙G−2が示されている。3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3には、それぞれスリーブホルダ16−1、16−2、および16−3が組み込まれている。
【0065】
スリーブホルダ16−1と、スリーブホルダ16−2とはリング状の接触面81−1で接触している。また、同様に、スリーブホルダ16−2と、スリーブホルダ16−3とはリング状の接触面81−2で接触している。スリーブホルダ16−2は、その長さLが、バッテリユニット10−2の厚さdよりも大となるように形成されていることによって間隙G−1が形成される。なお、同様に、スリーブホルダ16−3の長さと、バッテリユニット10−3の厚さとの関係から間隙G−2が形成される。上述のように、スリーブホルダには金属が好適に用いられている。よって、各バッテリユニット間に間隙が形成された場合においてもバッテリモジュールの強度が保たれたまま、安定に組み立て状態を維持することができる。
【0066】
ここでのスリーブホルダ16−1、16−2、および16−3は、それぞれが、インサート成形によって、バッテリユニット10−1、10−2、および10−3と一体的に成形された例が示されている。このように、スリーブホルダは、バッテリユニットと一体構成であっても、またバッテリユニットとは別構成であっても良い。バッテリユニットと一体構成のスリーブホルダはバッテリユニット間の間隙の寸法を予め定めることができる。一方で、バッテリユニットと別構成のスリーブホルダはバッテリモジュールの運用後においても交換することができる。よって、別構成のスリーブホルダは、バッテリユニット間の間隙の寸法を任意に調整することができる。また、一体構成、および別構成のどちらであっても、スリーブホルダを所定の寸法に作成することで、バッテリユニット自体の規格を変更することなく、所望の間隙を設けることができる。
【0067】
次に、板材、またはワッシャーによって、複数のバッテリユニット間に間隙が形成される例を示す。図19Aは、板材によって、複数のバッテリユニット間に間隙が形成されるバッテリユニットの構造の一例を示した組み立て図である。板材がスペーサーとしての役割を果たす。バッテリモジュール80は、3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が下から順に積層される。また、バッテリユニット10−1と10−2との間、および10−2と10−3との間に板材82が設けられている。ボルト69が、3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3、並びに板材82を貫通する。その後、図示せぬナットを取り付けて一定の圧力でもって締めつけることによって、バッテリモジュール80は、安定して一体化した積み重ね状態が保持される。ボルト69、および板材82の素材には金属が好適に用いられる。板材82は2枚1組で用いられる。板材82は、バッテリユニット10−1、および10−2のそれぞれのトップカバー上の前面近く、および背面近くに配置される。その位置は、上述したサイドホルダ30、および40上にほぼ相当する。板材82には、貫通するボルト69に対応した丸穴が形成されている。板材82は所定の厚さを有している。板材82の厚さに応じて、バッテリユニット間の間隙の寸法が定まる。板材82は、バッテリモジュールの運用後においても交換、および追加することができる。よって、板材82は、バッテリユニット間の間隙の寸法を任意に調整することができる。
【0068】
図19Bは、ワッシャーによって、複数のバッテリユニット間に間隙が形成されるバッテリユニットの構造の一例を示した組み立て図である。バッテリモジュール80は、3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が下から順に積層される。また、バッテリユニット10−1と10−2との間、および10−2と10−3との間にワッシャー83が設けられている。ボルト69が、3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3、並びにワッシャー83を貫通する。その後図示せぬナットを取り付けて一定の圧力でもって締めつけることによって、バッテリモジュール80は、安定して一体化した積み重ね状態が保持される。ボルト69、およびワッシャー83の素材には金属が好適に用いられる。ワッシャー83は4枚1組で用いられる。ワッシャー83は、バッテリユニット10−1、および10−2のそれぞれのトップカバー上の前面近くの2か所、および背面近くの2か所(言い換えると、トップカバー上のコーナー部の4か所)に配置される。その位置は、トップカバーに形成されている丸穴の上である。ワッシャー83は、貫通するボルト69の外径に対応して選定される。ワッシャー83は、所定の厚さを得るために複数枚重ねて用いても良い。ワッシャー83の厚さに応じて、バッテリユニット間の間隙の寸法が定まる。ワッシャー83は、バッテリモジュールの運用後においても交換、および追加することができる。よって、ワッシャー83は、バッテリユニット間の間隙の寸法を任意に調整することができる。なお、ワッシャー83は、既製品を用いれば良いので、新たな部品を作成する必要がない。
【0069】
板材、およびワッシャーの例においては、それ自体がスリーブホルダの役割を果たし得るため、場合によってはスリーブホルダを用いない構成とすることもできる。また、スリーブホルダの長さは自由に設計することができる。スリーブホルダが、トップカバーから突出する長さに設計されることによって、板材、およびワッシャーの位置決めが容易となる。板材、およびワッシャーは接触面積が広いため、バッテリユニットの積層時の圧力が分散される。また、スリーブホルダと、板材、およびワッシャーとを任意に組み合わせて用いることができる。
【0070】
次に、ボルトの形状によって、複数のバッテリユニット間に間隙が形成される例を示す。図20Aは、ボルトの形状によって、複数のバッテリユニット間に間隙が形成されたバッテリユニットの断面構造の一例である。バッテリモジュール80は、3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が下から順に積層されている。ボルト69によって位置決めされた3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が積み重なり、バッテリモジュール80は、安定して一体化した積み重ね状態が保持されている。ボルト69には同様に金属が好適に用いられる。図中には、バッテリユニット10−1の上面と10−2の底面との間の間隙G−1、およびバッテリユニット10−2の上面と10−3の底面との間の間隙G−2が示されている。3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3には、それぞれスリーブホルダ16−4、16−5、および16−6が嵌合している。また、スリーブホルダ16−4、16−5、および16−6には、それぞれボルト69−4、69−5、および69−6が嵌合している。なお、スリーブホルダ16に対してボルト69が圧入される方法、スリーブホルダ16とボルト69が接着される方法等によって、スリーブホルダ16とボルト69が固着される。
【0071】
この例においては、各バッテリユニット10に形成された丸穴の径は異なっている。具体的には、バッテリユニット10−1の丸穴の径が最も大であり、バッテリユニット10−3の丸穴の径が最も小である。言い換えると、より上に積層されるバッテリユニット10の丸穴の径がより小となっている。これに対応して、スリーブホルダ16−4の外径、および内径が最も大であり、スリーブホルダ16−6の外径、および内径が最も小である。言い換えると、より上に積層されるバッテリユニット10に嵌合するスリーブホルダ16の外径、および内径がより小となっている。また、同様に、これに対応して、ボルト69−4の外径が最も大であり、ボルト69−6の外径が最も小である。言い換えると、階段状の円柱に形成されたボルト69は、より上に積層されるバッテリユニット10の貫通部の外径がより小となっている。また、好ましくは、ボルト69−4の外径は、スリーブホルダ16−5の内径より大、外径より小である。また、好ましくは、ボルト69−5の外径は、スリーブホルダ16−6の内径より大、外径より小である。これらの構成によって、ボルト69−4はバッテリユニット10−2(スリーブホルダ16−5)を貫通しない。また、ボルト69−5はバッテリユニット10−3(スリーブホルダ16−6)を貫通しない。ボルト69―4、および69−5の高さは、それぞれバッテリユニット10−1、および10−2の厚さよりも大である。その差によって、間隙G−1、および間隙G−2が形成される。なお、ボルト69−4、69−5、および69−6は、一体で成形されることが強度の面で有利である。
【0072】
図20Bは、別の形状のボルトによって、複数のバッテリユニット間に間隙が形成されるバッテリユニットの断面構造の一例である。図は、部分組み立て図として示している。バッテリモジュール80の構築には、バッテリユニット10−1、10−2、および10−3、スリーブホルダ16−7、16−8、16−9A、および16−9B、並びにボルト69が用意される。図中には、2つのバッテリユニット10−1、および10−2が下から順に積層された段階が示されている。バッテリユニット10−1の上面と10−2の底面との間の間隙G−1が示されている。バッテリユニット10−1、および10−2には、それぞれスリーブホルダ16−7、および16−8が嵌合している。また、スリーブホルダ16−7、および16−8には、ボルト69が嵌合している。ボルト69には同様に金属が好適に用いられる。図示した段階のその後に、バッテリユニット10−3が積層される。
【0073】
この例におけるバッテリユニット10−1、10−2、および10−3には、円錐台をくりぬいた形状の穴84が全て同様に形成されている。穴84の径は、各バッテリユニット10の上面近くほど小であり、その底面近くほど大である。また、この例におけるスリーブホルダ16−7、16−8、16−9A、および16−9Bは円錐台状の外周面を有し、穴84に嵌合するように形成されている。すなわち、各バッテリユニット10の上面近くで嵌合しているスリーブホルダ16の先端ほどスリーブホルダ16の外径が小であり、各バッテリユニット10の底面近くで嵌合しているスリーブホルダ16の根元ほどスリーブホルダ16の外径が大である。各スリーブホルダ16には、ボルト69が貫通する穴が形成されている。その穴は2段階の階段状に形成されており、スリーブホルダ16の先端側の内径が大、スリーブホルダ16の根元側の内径が小である。各スリーブホルダ16は、円錐台の底面とは鉛直方向に切断されている。図中においては、スリーブホルダ16−9A、および16−9Bが切断された形態を示している。スリーブホルダ16−9Aと、16−9Bとが組み立てられ、1つのスリーブホルダ16−9となるように、設計されている。ボルト69は、2つの異なる外径が交互に繰り返される形態となっている。図中においては、大の外径を有するボルト69−7、および69−9の間に、小の外径を有するボルト69−8が示されている。小の外径を有するボルト69−8の長さは、内径が小であるスリーブホルダ16の根元側と嵌合するように設計されている。また、大の外径を有するボルト69−7と、小の外径を有するボルト69−8との長さの合計から、各バッテリユニット10の厚さを減じたその差が間隙G−1となる。
【0074】
次に、この例におけるバッテリモジュール80の組み立て方法について説明する。バッテリモジュール80は、バッテリユニット10−1、10−2、および10−3の順に組み立てが行われる。図中においては、バッテリユニット10−2まで組み立てが終わっているので、ここでは、バッテリユニット10−3の組み立て方法について説明する。まず、穴が階段状に形成されているスリーブホルダ16−9Aと、16−9Bとがボルト69の周囲に取り付けられる。内径が小であるスリーブホルダ16−9A、および16−9Bの根元側と小の外径を有するボルト69−8とが嵌合する。また、内径が大であるスリーブホルダ16−9A、および16−9Bの先端側と大の外径を有するボルト69−9とが嵌合する。また、ボルト69−8と嵌合する長さで形成されているスリーブホルダ16の根元側は、ボルト69−7と、69−9との間に収まる。次に、一体化したスリーブホルダ16−9A、16−9B、およびボルト69がバッテリユニット10−3の穴84に挿入される。円錐台状の外周面を有するスリーブホルダ16−9は円錐台をくりぬいた形状の穴84と嵌合する。その際に、バッテリユニット10−3、およびスリーブホルダ16−9の底面と、バッテリユニット10−2の上面との間には、ボルト69−7がバッテリユニット10−2の上面から突出している長さ分の間隙が形成される。こうして、ボルト69によって位置決めされた3つのバッテリユニット10−1、10−2、および10−3が積み重なり、バッテリモジュール80は、安定して一体化した積み重ね状態が保持される。これらの構成によって、バッテリユニットに設ける穴の形状、およびスリーブホルダの形状をそれぞれ全て同一とすることができ、生産性が向上する。
【0075】
以上に説明したボルトの形状の例においては、スリーブホルダだけでなくボルトも噛み合うことによって、締めつけ圧力に対抗して、より強固にバッテリユニットを支えることができる。よって、バッテリモジュールは、より安定して一体化した積み重ね状態が保持される。
【0076】
以上に、複数のバッテリユニット間に間隙が設けられたバッテリモジュールの構造について3つの例を示して説明した。本開示のバッテリモジュールでは、複数のバッテリユニット間に間隙が設けられた構成となっている。そして、バッテリユニット内の二次電池が膨張した際にはこの間隙がその膨張を吸収する。したがって、たとえ二次電池が膨張したとしても、その影響によって、バッテリユニットの外形が変化するには至らない。こうして、複数のバッテリユニットは、外形を変えることなく保持することが可能となる。よって、本開示によるバッテリモジュールは体積エネルギー密度を高く保つことができる。一方で、複数のバッテリユニット間に間隙が設けられた構成は、二次電池が膨張した際のその変形を妨げない。したがって、たとえ二次電池が膨張したとしても、バッテリユニット内の二次電池の局部的なストレスが生じることを回避して、バッテリモジュールを使用し続けることができる。こうして、二次電池の特性劣化を抑制し、その寿命を延ばすことが可能となる。このように、本開示は、部品点数を増やすことなくバッテリユニット内に間隙が効率よく配置される構成によって、二次電池の膨張分を吸収しつつ二次電池の長寿命を実現する。
【0077】
なお、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の二次電池が収納され、前面、背面、第1の側面、第2の側面、第1の主面および第2の主面を有する箱状のケースと、
前記ケースの前記第1および第2の主面の一方の面に設けられた第1の伝熱面と、
前記第1および第2の側面の少なくとも一方の面に形成され、前記第1の伝熱面と連続する第2の伝熱面と、
前記前面と、前記背面と、前記第1および第2の主面の他方の面と、前記第2の伝熱面の内面に形成された絶縁面と、
を備え、
前記二次電池は、電池素子が外装部材に収容され、正負の電極タブが導出されているバッテリユニット。
(2)
前記ケースの前記第1および第2の伝熱面と、前記の絶縁面とが一体的に形成される(1)に記載のバッテリユニット。
(3)
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとを有する(1)または(2)に記載のバッテリユニット。
(4)
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとの少なくとも一方のホルダに、複数の前記二次電池の前記電極タブと接続される導電部が形成される(1)乃至(3)の何れかに記載のバッテリユニット。
(5)
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとの少なくとも一方のホルダに、該ホルダを電極導出方向に貫通する穴が形成され、
該穴内に複数の前記二次電池の前記電極タブを接続するための導電部が露出され、
前記穴の一方の開口から挿入された前記電極タブの端部が前記導電部に接続される(1)乃至(4)の何れかに記載のバッテリユニット。
(6)
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとの少なくとも一方のホルダに、該ホルダを電極導出方向に貫通する穴が形成され、
該穴内に複数の前記二次電池の前記電極タブを接続するための導電部が露出され、
前記穴の一方の開口から挿入された前記電極タブの端部が前記導電部に接続され、
前記第1および第2のホルダの両端部と、前記ケースの前記両端部に対応する位置とを貫通する穴が形成され、
前記穴にそれぞれ金属のスリーブが嵌合される(1)乃至(5)の何れかに記載のバッテリユニット。
(7)
少なくとも2個のバッテリユニットが対向する間に間隙を有して積層され、
前記バッテリユニットは、
複数の二次電池が収納され、前面、背面、第1の側面、第2の側面、第1の主面および第2の主面を有する箱状のケースと、
前記ケースの前記第1および第2の主面の一方の面に設けられた第1の伝熱面と、
前記第1および第2の側面の少なくとも一方の面に形成され、前記第1の伝熱面と連続する第2の伝熱面と、
前記前面と、前記背面と、前記第1および第2の主面の他方の面と、前記第2の伝熱面の内面に形成された絶縁面と、
を備え、
前記二次電池は、電池素子が外装部材に収容され、正負の電極タブが導出されている
バッテリモジュール。
【0078】
「応用例としての住宅における蓄電システム」
本開示を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図21を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102c等の集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108等を介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104等の独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
【0079】
住宅101には、発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、各種情報を取得するセンサー111が設けられている。各装置は、電力網109および情報網112によって接続されている。発電装置104として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置105および/または蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置105b、テレビジョン受信機105c、風呂105d等である。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cである。
【0080】
蓄電装置103に対して、上述した本開示のバッテリユニットまたは本開示のバッテリモジュールが適用される。蓄電装置103は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン電池によって構成されている。リチウムイオン電池は、定置型であっても、電動車両106で使用されるものでも良い。スマートメータ107は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
【0081】
各種のセンサー111は、例えば人感センサー、照度センサー、物体検知センサー、消費電力センサー、振動センサー、接触センサー、温度センサー、赤外線センサー等である。各種センサー111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサー111からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
【0082】
パワーハブ108によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェー
スを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
【0083】
制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表
示されても良い。
【0084】
各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内発電装置104、電力消費装置105、各種センサー111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
【0085】
以上のように、電力が火力102a、原子力102b、水力102c等の集中型電力系統102のみならず、家庭内発電装置104(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
【0086】
なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
【0087】
「応用例としての車両における蓄電システム」
本開示を車両用の蓄電システムに適用した例について、図22を参照して説明する。図22に、本開示が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれを電池に一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
【0088】
このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、電池208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。電池208に対して、上述した本開示のバッテリユニットまたは本開示のバッテリモジュールが適用される。
【0089】
ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。電池208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
【0090】
エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力を電池208に蓄積することが可能である。
【0091】
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力が電池208に蓄積される。
【0092】
電池208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
【0093】
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残容量に関する情報に基づき、電池残容量表示を行う情報処理装置などがある。
【0094】
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれを電池に一旦貯めておいた電力を用いて、モーターで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモーターの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーター走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本開示は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本開示は有効に適用可能である。
【0095】
「変形例」
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
【0096】
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0097】
1,1−1〜1−4 二次電池
2 電池素子
3 外装材
4,4−1〜4−4 正極タブ
5,5−1〜5−4 負極タブ
10 バッテリユニット
11 ボトムケース
16 スリーブホルダ
17 前面樹脂
18 底面樹脂
19 側面樹脂
20 背面樹脂
21 底面樹脂
22,23 伝熱面
28 トップカバー
30,40 サイドホルダ
31A〜31C バスバー
34〜36 スリット
41A〜41C バスバー
69 ボルト
80 バッテリモジュール
d バッテリユニットの厚さ
G−1,G−2 バッテリユニット間の間隙
L スリーブホルダの長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池が収納され、前面、背面、第1の側面、第2の側面、第1の主面および第2の主面を有する箱状のケースと、
前記ケースの前記第1および第2の主面の一方の面に設けられた第1の伝熱面と、
前記第1および第2の側面の少なくとも一方の面に形成され、前記第1の伝熱面と連続する第2の伝熱面と、
前記前面と、前記背面と、前記第1および第2の主面の他方の面と、前記第2の伝熱面の内面に形成された絶縁面と、
を備え、
前記二次電池は、電池素子が外装部材に収容され、正負の電極タブが導出されているバッテリユニット。
【請求項2】
前記ケースの前記第1および第2の伝熱面と、前記絶縁面とが一体的に形成される請求項1記載のバッテリユニット。
【請求項3】
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとを有する請求項1記載のバッテリユニット。
【請求項4】
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとの少なくとも一方のホルダに、複数の前記二次電池の前記電極タブと接続される導電部が形成される請求項1記載のバッテリユニット。
【請求項5】
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとの少なくとも一方のホルダに、該ホルダを電極導出方向に貫通する穴が形成され、
該穴内に複数の前記二次電池の前記電極タブを接続するための導電部が露出され、
前記穴の一方の開口から挿入された前記電極タブの端部が前記導電部に接続される請求項1記載のバッテリユニット。
【請求項6】
前記ケースの前面と、複数の前記二次電池の前面との間の前記ケースの空間に配置される第1のホルダと、前記ケースの背面と、複数の前記二次電池の背面との間の前記ケースの空間に配置される第2のホルダとの少なくとも一方のホルダに、該ホルダを電極導出方向に貫通する穴が形成され、
該穴内に複数の前記二次電池の前記電極タブを接続するための導電部が露出され、
前記穴の一方の開口から挿入された前記電極タブの端部が前記導電部に接続され、
前記第1および第2のホルダの両端部と、前記ケースの前記両端部に対応する位置とを貫通する穴が形成され、
前記穴にそれぞれ金属のスリーブが嵌合される請求項1記載のバッテリユニット。
【請求項7】
少なくとも2個のバッテリユニットが対向する間に間隙を有して積層され、
前記バッテリユニットは、
複数の二次電池が収納され、前面、背面、第1の側面、第2の側面、第1の主面および第2の主面を有する箱状のケースと、
前記ケースの前記第1および第2の主面の一方の面に設けられた第1の伝熱面と、
前記第1および第2の側面の少なくとも一方の面に形成され、前記第1の伝熱面と連続する第2の伝熱面と、
前記前面と、前記背面と、前記第1および第2の主面の他方の面と、前記第2の伝熱面の内面に形成された絶縁面と、
を備え、
前記二次電池は、電池素子が外装部材に収容され、正負の電極タブが導出されている
バッテリモジュール。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリユニットが、再生可能なエネルギーから発電を行う発電装置によって充電される蓄電システム。
【請求項9】
請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリユニットを有し、前記バッテリユニットに接続される電子機器に電力を供給する蓄電システム。
【請求項10】
請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリユニットから電力の供給を受ける電子機器。
【請求項11】
請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリユニットから電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、前記バッテリユニットに関する情報に基づいて、車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両。
【請求項12】
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部を有し、
前記電力情報送受信部が受信した情報に基づき、請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリユニットの充放電制御を行う電力システム。
【請求項13】
請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリユニットから電力の供給を受け、または、発電装置または電力網から前記バッテリユニットに電力を供給する電力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−12458(P2013−12458A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1229(P2012−1229)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】