バッテリーパック及びその断線検出方法
【課題】複数のバッテリーセルに連結される複数の連結ラインの断線を検出することで、安全性を向上させることができるバッテリーパック及びそれの断線検出方法を提供する。
【解決手段】一例として、複数のバッテリーセルを含むバッテリーと、複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインと、バッテリーの充電及び放電動作を制御する制御部と、バッテリーと制御部の間に連結される保護回路部とを含み、制御部が複数の連結ラインの断線を検出すると保護回路部をオープンするバッテリーパックが開示される。
【解決手段】一例として、複数のバッテリーセルを含むバッテリーと、複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインと、バッテリーの充電及び放電動作を制御する制御部と、バッテリーと制御部の間に連結される保護回路部とを含み、制御部が複数の連結ラインの断線を検出すると保護回路部をオープンするバッテリーパックが開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はバッテリーパック及びそれの断線検出方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、ノート型コンピュータ及び携帯用電動工具のような携帯用電子機器は、充電可能なバッテリーパックを有する。かかるバッテリーパックは、多数のバッテリーセルと、各バッテリーセルの過充電または過放電を制御し容量を計算する制御部を含む。
【０００３】
一方、携帯用電動工具のような特殊な装置に装着されるバッテリーパックは、過放電制御部を有しない。例えば、携帯用電動工具製造会社は、携帯用電動工具の最大出力を高めるために、バッテリーパックに過放電制御部を装着しないことを要求する。これによって、携帯用電動工具のような特殊な装置に装着されるバッテリーパックは、安全性に対する信頼性が落ちる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の目的は、複数のバッテリーセルに連結される複数の連結ラインの断線を検出することで、安全性を向上させることができるバッテリーパック及びそれの断線検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上述の目的を達成するために、本発明に係るバッテリーパックは、複数のバッテリーセルを含むバッテリーと、前記複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインと、前記バッテリーの充電及び放電動作を制御する制御部と、前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部と、を含み、前記制御部が前記複数の連結ラインの断線を検出すると前記保護回路部をオープンすることを特徴とする。
【０００６】
前記複数の連結ラインの断線は、前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きい時に検出されてもよい。
前記保護回路部はヒューズを含み、前記保護回路部のオープンは前記ヒューズのブローによって行われてもよい。
前記保護回路部は、前記ヒューズと前記制御部の間に設けられる加熱抵抗と、前記加熱抵抗と前記制御部の間に連結される制御スイッチとをさらに含んでもよい。
【０００７】
また、本発明に係るバッテリーパックは、前記バッテリーの一端に連結されるパック放電端子と、前記バッテリーの一端に前記パック放電端子と並列に連結されるパック充電端子と、前記バッテリーの他端に連結されるパック負極端子とをさらに含み、前記保護回路部は、前記バッテリーの一端と前記パック充電端子の間に連結されてもよい。また、本発明に係るバッテリーパックは、前記制御部に連結される通信端子及び電源端子をさらに含んでもよい。
【０００８】
前記制御部は、断線チェック信号を受信して前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始してもよい。また、前記制御部は、一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいと感知すれば、前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始してもよい。
【０００９】
また、本発明に係るバッテリーパックは、前記バッテリーと前記制御部の間に連結され、前記バッテリーの電圧を検出して前記バッテリーのバランスを制御する電圧感知及びバランス回路をさらに含んでもよい。
前記複数のバッテリーセルは直列または並列に連結されてもよい。
【００１０】
また、本発明に係るバッテリーパックの断線検出方法は、制御部がバッテリーに含まれた複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインの断線チェック条件を判断する断線チェック条件判断段階と、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされれば、前記制御部が前記複数の連結ラインの断線検出条件を判断する断線検出条件判断段階と、前記複数の連結ラインの断線検出条件が満足されれば、前記制御部が前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部をオープンする保護回路動作段階とを含むことを特徴とする。
【００１１】
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が断線チェック信号を受信すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることができる。
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることができる。
【００１２】
前記断線検出条件判断段階で、前記制御部が前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線検出条件が満たされることができる。
前記保護回路動作段階で、前記制御部が前記保護回路部のヒューズをブローさせてもよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の実施例に係るバッテリーパック及びそれの断線検出方法は、複数のバッテリーセルに連結される複数の連結ラインの断線を検出することで、出荷前には不良を減らすことができ、出荷後には複数の連結ラインの断線が発生した場合に充電及び放電動作を中止させて安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの構成を示すブロック図である。
【図２】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を概略的に示すフローチャートである。
【図３】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を詳しく示すフローチャートである。
【図４】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法のうち断線チェック条件のまた一つの例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、図面を参照して実施例を通じて本発明をより詳しく説明する。
【実施例】
【００１６】
図１は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの構成を示すブロック図である。
図１を参照すると、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、バッテリー１１０、外部端子部１２０、電圧感知及びバランス回路部１３０、アナログスイッチ部１４０、制御部１５０及び保護回路部１６０を含む。
【００１７】
前記バッテリー１１０は、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５を含むことができ、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５はそれぞれ略４．２Ｖまで充電可能なリチウムイオン電池であってもよいが、これは本発明を限定するものではない。ここで、前記複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５はそれぞれ正極端子（＋）と負極端子（−）を有し、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４を利用して直列または並列に互いに連結されることができる。
【００１８】
前記複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５は、第１バッテリーセルＢ１、第２バッテリーセルＢ２、第３バッテリーセルＢ３、第４バッテリーセルＢ４及び第５バッテリーセルＢ５に区分されることができる。ここで、前記複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５は５個で示されているが、これは本発明を限定するものではない。また、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４は第１連結ラインＬ１、第２連結ラインＬ２、第３連結ラインＬ３及び第４連結ラインＬ４に区分されることができる。ここで、前記複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４はニッケルなどの導電性タブで構成されることができ、バッテリーセルの個数によって異なる個数を有することができる。
【００１９】
前記外部端子部１２０は、バッテリーパック１００と充電装置または負荷のような外部電子機器とを電気的に連結する。そのために、前記外部端子部１２０は、バッテリー１１０の放電のためのパック放電端子１２１、バッテリー１１０の充電のためのパック充電端子１２２、バッテリー１１０の放電または充電のためのパック負極端子１２３、バッテリー１１０と外部電子機器の通信のための通信端子１２４、及び制御部１５０の電源供給のための電源端子１２５を含むことができる。前記パック放電端子１２１はバッテリー１１０の一端１１１に連結され、前記パック充電端子１２２はバッテリー１１０の一端１１１にパック放電端子１２１と並列に連結され、パック負極端子１２３はバッテリー１１０の他端１１２に連結され、通信端子１２４と電源端子１２５は制御部１５０に連結される。このように、前記外部端子部１２０はパック放電端子１２１とパック充電端子１２２をそれぞれ備え、バッテリーパック１００の放電経路と充電経路が互いに異なる。このような外部端子部１２０を有するバッテリーパック１００は電動工具パックに適用されることができ、これは本発明を限定するものではない。
【００２０】
前記電圧感知及びバランス回路部１３０は第１センシングワイヤＷ１〜第４センシングワイヤＷ４によって第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４に連結され、第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４の電圧を感知する。このような電圧感知及びバランス回路部１３０は、第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４の電圧を制御部１５０に供給する。前記電圧感知及びバランス回路部１３０はリチウムイオン電池用に製造された様々な種類のアナログフロントエンドを含むことができるが、これは本発明を限定するものではない。
【００２１】
前記アナログスイッチ部１４０は、第５バッテリーセルＢ５の正極端子（＋）と負極端子（−）の間に並列に連結され、第５バッテリーセルＢ５の電圧を感知する。前記アナログスイッチ部１４０は、複数のスイッチ１４１と、第５バッテリーセルＢ５の電圧を充電するフライングキャパシタ１４２とを含むことができる。このようなアナログスイッチ部１４０は、制御部１５０の制御信号に応じてスイッチ１４１がターンオンまたはターンオフされることで、フライングキャパシタ１４２に充電された第５バッテリーセルＢ５の電圧を制御部１５０に供給する。そのために、前記アナログスイッチ部１４０と制御部１５０の間には、オペアンプ１４３及び分圧抵抗１４４ａ、１４４ｂが連結される。さらに、パック放電端子１２１とパック負極端子１２３の間には分圧抵抗１４５ａ、１４５ｂが連結され、分圧抵抗１４５ａ、１４５ｂはバッテリーパック１００の全体電圧を制御部１５０に提供する。
【００２２】
一方、第５バッテリーセルＢ５の正極端子（Ｂ＋）と負極端子（Ｂ−）の間には、第５バッテリーセルＢ５のバランスのためのバランス抵抗１４６及びバランススイッチ１４７がさらに連結される。ここで、前記バランススイッチ１４７は制御部１５０の制御信号によってターンオンまたはターンオフされることができる。図示されていないが、第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４に対するバランス抵抗及びバランススイッチは電圧感知及びバランス回路部１３０に内蔵される。また、バッテリー１１０の他端１１２とパック負極端子１２３の間には、バッテリーパック１００の電流感知のための電流センサー抵抗１４８が連結され、制御部１５０には、バッテリー１１０の温度感知のための温度センサー１４９が連結されることができる。
【００２３】
前記制御部１５０は、電圧感知及びバランス回路部１３０とアナログスイッチ部１４０から提供されたバッテリー１１０の電圧に対する情報に対応する充放電制御信号及びバランス制御信号を生成する。そして、前記制御部１５０は、充放電制御信号及びバランス制御信号を電圧感知及びバランス回路部１３０に提供して、バッテリー１１０の充電及び放電動作を制御する。
【００２４】
また、前記制御部１５０は、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線を検出すると、保護回路部１６０をオープンしてバッテリー１１０の充電及び放電動作を中止させる。
【００２５】
具体的に、前記制御部１５０は、まず断線チェック信号を受信するか、バッテリー１１０の電流が一定時間以上基準電流値より小さい場合（すなわち、バッテリー１１０がＯＣＶ（Ｏｐｅｎ Ｃｉｒｃｕｉｔ Ｖｏｌｔａｇｅ）状態である場合）と判断すれば、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に対して断線検出を開始する。ここで、断線チェック信号は、バッテリーパック１００の出荷前にオペレーターなどから通信端子１２４を介して提供されることができ、バッテリーパック１００の不良を防止するために複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線をチェックする命令信号であることができる。また、バッテリー１１０の電流が一定時間以上基準電流値より小さい場合は、バッテリーパック１００の出荷後にバッテリー１００の電圧変動が殆どない場合で、バッテリー１１０の充電及び放電動作が殆どないバッテリーパック１００の安定化状態である。ここで、バッテリー１１０の電流は電流センサー抵抗１４８によって感知されることができる。そして、前記一定時間は約１分であることができ、基準電流値は略５００ｍＡであることができるが、これは本発明を限定するものではない。
【００２６】
前記制御部１５０は、断線チェック信号を受信するか、バッテリー１１０の電流が一定時間以上基準電流値より小さい場合と判断すれば、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の両端電圧（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、Ｖ４、Ｖ５）のうち最大値（Ｖｍａｘ）と最小値（Ｖｍｉｎ）の差が基準電圧値より大きいかを把握する。前記制御部１５０は、最大値（Ｖｍａｘ）と最小値（Ｖｍｉｎ）の差が基準電圧値より大きければ、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に断線が発生したと判断する。それによって、前記制御部１５０は、保護回路部１６０のヒューズ１６１をブローさせるように制御して、バッテリー１１０の充電動作を中止させる。ここで、前記基準電圧値は約１Ｖであることができるが、これは本発明を限定するものではない。一方、前記制御部１５０と電圧感知及びバランス回路部１３０は統合されて一つの集積回路、すなわち一つのシングル半導体チップとして製造されることができる。
【００２７】
前記保護回路部１６０は、バッテリー１１０、制御部１５０及びパック充電端子１２２の間に連結され、制御部１５０の制御によって動作する。具体的に、前記保護回路部１６０は、バッテリー１１０の電圧が過充電臨界電圧以上である時、制御部１５０の制御によってオープンされて、バッテリー１１０の過充電を防止する。また、前記保護回路部１６０は、制御部１５０が複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に断線が発生したと判断すれば、制御部１５０によってオープンされてバッテリー１１０の充電及び放電動作を停止させる。そのために、前記保護回路部１６０はヒューズ１６１、加熱抵抗１６２及び制御スイッチ１６３を含む。
【００２８】
前記ヒューズ１６１はバッテリー１１０の一端１１１とパック充電端子１２２の間に連結され、加熱抵抗１６２はヒューズ１６１と制御部１５０の間に連結され、制御スイッチ１６３は加熱抵抗１６２と制御部１５０の間に連結される。前記保護回路部１６０はヒューズ１６１のブローによってオープンされる。ヒューズ１６１のブローは、加熱抵抗１６２に多量の熱が発生することによって行われる。加熱抵抗１６２の熱は、制御スイッチ１６３が制御部１５０の制御によってターンオンされて、パック充電端子１２２またはバッテリー１１０の一端１１１から電流がヒューズ１６１、加熱抵抗１６２及び制御スイッチ１６３を介してバッテリー１１０の他端１１２に流れることによって発生することができる。
【００２９】
上記のように、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、制御部１５０を備えることで、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間に連結される複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線を検出することができる。これによって、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、出荷前の不良を減らすことができる。また、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、出荷後には複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間に連結される複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に断線が発生した場合、バッテリー１１０の充電及び放電動作を停止させることで、安全性を向上させることができる。
【００３０】
以下、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００の断線検出方法について説明する。
図２は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を概略的に示すフローチャートであり、図３は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を詳しく示すフローチャートであり、図４は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法のうち断線チェック条件のまた一つの例を説明するためのフローチャートである。
【００３１】
図２〜図４を参照すると、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００の断線検出方法は、断線チェック条件判断段階Ｓ１０、断線検出条件判断段階Ｓ２０及び保護回路動作段階Ｓ３０を含む。ここで、前記断線チェック条件判断段階Ｓ１０に対しては、図３の段階Ｓ１０Ａまたは図４の段階Ｓ１０Ｂで具体的に説明する。
【００３２】
前記断線チェック条件判断段階Ｓ１０では、制御部１５０がバッテリー１１０に含まれた複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間に連結される複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線チェック条件を判断する。具体的に、制御部１５０は、図３に示すように、断線チェック信号の受信有無を判断する（Ｓ１０Ａ）。ここで、段階Ｓ１０Ａはバッテリーパック１００の出荷前に行われることができ、断線チェック信号はオペレーターによって通信端子１２４を介して制御部１５０に提供されることができる。また、制御部１５０は、図４に示すように、一定時間以上バッテリー１１０の電流が基準電流値より小さいかを判断する（Ｓ１０Ｂ）。ここで、段階Ｓ１０Ｂはバッテリーパック１００の出荷後に行われることができ、バッテリー１１０の電流の流れる状態は、センサー抵抗１４８を利用して制御部１５０によって感知されることができる。
【００３３】
前記断線検出条件判断段階Ｓ２０では、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線チェック条件が満たされれば、制御部１５０が複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線検出条件を判断する。具体的に、図３に示すように段階Ｓ１０Ａで制御部１５０が断線チェック信号を受信するか、図４に示すように段階Ｓ１０Ｂで制御部１５０が一定時間以上バッテリー１１０の電流が基準電流値より小さいと把握すれば、制御部１５０は複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の両端電圧（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、Ｖ４、Ｖ５）のうち最大値（Ｖｍａｘ）と最小値（Ｖｍｉｎ）の差が基準電圧値より大きいかを判断する。
【００３４】
前記保護回路動作段階Ｓ３０では、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線検出条件が満たされれば、制御部１５０が保護回路部１６０をオープンする。具体的に、制御部１５０が加熱抵抗１６２と制御スイッチ１６３を利用してヒューズ１６１をブローさせる。
【００３５】
以下、表１〜表３を通じて上記のようなバッテリーパック１００の断線検出方法のシミュレーション結果について説明する。ここで、Ｖ１は第１バッテリーセルＢ１の両端電圧、Ｖ２は第２バッテリーセルＢ２の両端電圧、Ｖ３は第３バッテリーセルＢ３の両端電圧、Ｖ４は第４バッテリーセルＢ４の両端電圧、Ｖ５は第５バッテリーセルＢ５の両端電圧、Ｖｍａｘ‐Ｖｍｉｎは両端電圧（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、Ｖ４、Ｖ５）の最大値と最小値の差である。
【００３６】
【表１】
【００３７】
表１は、第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に如何なる断線も発生させなかった状態でバッテリーパック１００の断線検出方法をシミュレーションした結果を表し、表１のシミュレーション結果はＶｍａｘ−Ｖｍｉｎが０．３８３Ｖであって基準電圧値（例えば、１Ｖ）より小さく測定されることを示す。
【００３８】
【表２】
【００３９】
表２は、第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４のうち第１連結ラインＬ１に断線を発生させた状態でバッテリーパック１００の断線検出方法をシミュレーションした結果を表し、表２のシミュレーション結果はＶｍａｘ−Ｖｍｉｎが３．８８８Ｖであって基準電圧値（例えば、１Ｖ）より大きく測定されることを示す。これによって、バッテリーパック１００の断線検出方法によって第１連結ラインＬ１の断線を検出できることが確認できる。
【００４０】
【表３】
【００４１】
表３は、第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４のうち第２連結ラインＬ２に断線を発生させた状態でバッテリーパック１００の断線検出方法をシミュレーションした結果を表し、表２のシミュレーション結果はＶｍａｘ−Ｖｍｉｎが３．８７６Ｖであって基準電圧値（例えば、１Ｖ）より大きく測定されることを示す。これによって、バッテリーパック１００の断線検出方法によって第２連結ラインＬ２の断線を検出できることが確認できる。
【００４２】
前記表１〜表３から、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００の断線検出方法によって、Ｖｍａｘ−Ｖｍｉｎを通じて第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線を把握することができることを確認できる。
【００４３】
本発明は添付図面に示された実施例を参照にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということを理解できるはずである。よって、本発明の真の保護範囲は添付の特許請求の範囲のみによって定まるべきであろう。
【符号の説明】
【００４４】
１００：バッテリーパック
１１０：バッテリー
１２０：外部端子部
１３０：電圧感知及びバランス回路部
１４０：アナログスイッチ部
１５０：制御部
１６０：保護回路部
【技術分野】
【０００１】
本発明はバッテリーパック及びそれの断線検出方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、ノート型コンピュータ及び携帯用電動工具のような携帯用電子機器は、充電可能なバッテリーパックを有する。かかるバッテリーパックは、多数のバッテリーセルと、各バッテリーセルの過充電または過放電を制御し容量を計算する制御部を含む。
【０００３】
一方、携帯用電動工具のような特殊な装置に装着されるバッテリーパックは、過放電制御部を有しない。例えば、携帯用電動工具製造会社は、携帯用電動工具の最大出力を高めるために、バッテリーパックに過放電制御部を装着しないことを要求する。これによって、携帯用電動工具のような特殊な装置に装着されるバッテリーパックは、安全性に対する信頼性が落ちる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の目的は、複数のバッテリーセルに連結される複数の連結ラインの断線を検出することで、安全性を向上させることができるバッテリーパック及びそれの断線検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上述の目的を達成するために、本発明に係るバッテリーパックは、複数のバッテリーセルを含むバッテリーと、前記複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインと、前記バッテリーの充電及び放電動作を制御する制御部と、前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部と、を含み、前記制御部が前記複数の連結ラインの断線を検出すると前記保護回路部をオープンすることを特徴とする。
【０００６】
前記複数の連結ラインの断線は、前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きい時に検出されてもよい。
前記保護回路部はヒューズを含み、前記保護回路部のオープンは前記ヒューズのブローによって行われてもよい。
前記保護回路部は、前記ヒューズと前記制御部の間に設けられる加熱抵抗と、前記加熱抵抗と前記制御部の間に連結される制御スイッチとをさらに含んでもよい。
【０００７】
また、本発明に係るバッテリーパックは、前記バッテリーの一端に連結されるパック放電端子と、前記バッテリーの一端に前記パック放電端子と並列に連結されるパック充電端子と、前記バッテリーの他端に連結されるパック負極端子とをさらに含み、前記保護回路部は、前記バッテリーの一端と前記パック充電端子の間に連結されてもよい。また、本発明に係るバッテリーパックは、前記制御部に連結される通信端子及び電源端子をさらに含んでもよい。
【０００８】
前記制御部は、断線チェック信号を受信して前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始してもよい。また、前記制御部は、一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいと感知すれば、前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始してもよい。
【０００９】
また、本発明に係るバッテリーパックは、前記バッテリーと前記制御部の間に連結され、前記バッテリーの電圧を検出して前記バッテリーのバランスを制御する電圧感知及びバランス回路をさらに含んでもよい。
前記複数のバッテリーセルは直列または並列に連結されてもよい。
【００１０】
また、本発明に係るバッテリーパックの断線検出方法は、制御部がバッテリーに含まれた複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインの断線チェック条件を判断する断線チェック条件判断段階と、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされれば、前記制御部が前記複数の連結ラインの断線検出条件を判断する断線検出条件判断段階と、前記複数の連結ラインの断線検出条件が満足されれば、前記制御部が前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部をオープンする保護回路動作段階とを含むことを特徴とする。
【００１１】
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が断線チェック信号を受信すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることができる。
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることができる。
【００１２】
前記断線検出条件判断段階で、前記制御部が前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線検出条件が満たされることができる。
前記保護回路動作段階で、前記制御部が前記保護回路部のヒューズをブローさせてもよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の実施例に係るバッテリーパック及びそれの断線検出方法は、複数のバッテリーセルに連結される複数の連結ラインの断線を検出することで、出荷前には不良を減らすことができ、出荷後には複数の連結ラインの断線が発生した場合に充電及び放電動作を中止させて安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの構成を示すブロック図である。
【図２】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を概略的に示すフローチャートである。
【図３】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を詳しく示すフローチャートである。
【図４】本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法のうち断線チェック条件のまた一つの例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、図面を参照して実施例を通じて本発明をより詳しく説明する。
【実施例】
【００１６】
図１は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの構成を示すブロック図である。
図１を参照すると、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、バッテリー１１０、外部端子部１２０、電圧感知及びバランス回路部１３０、アナログスイッチ部１４０、制御部１５０及び保護回路部１６０を含む。
【００１７】
前記バッテリー１１０は、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５を含むことができ、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５はそれぞれ略４．２Ｖまで充電可能なリチウムイオン電池であってもよいが、これは本発明を限定するものではない。ここで、前記複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５はそれぞれ正極端子（＋）と負極端子（−）を有し、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４を利用して直列または並列に互いに連結されることができる。
【００１８】
前記複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５は、第１バッテリーセルＢ１、第２バッテリーセルＢ２、第３バッテリーセルＢ３、第４バッテリーセルＢ４及び第５バッテリーセルＢ５に区分されることができる。ここで、前記複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５は５個で示されているが、これは本発明を限定するものではない。また、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４は第１連結ラインＬ１、第２連結ラインＬ２、第３連結ラインＬ３及び第４連結ラインＬ４に区分されることができる。ここで、前記複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４はニッケルなどの導電性タブで構成されることができ、バッテリーセルの個数によって異なる個数を有することができる。
【００１９】
前記外部端子部１２０は、バッテリーパック１００と充電装置または負荷のような外部電子機器とを電気的に連結する。そのために、前記外部端子部１２０は、バッテリー１１０の放電のためのパック放電端子１２１、バッテリー１１０の充電のためのパック充電端子１２２、バッテリー１１０の放電または充電のためのパック負極端子１２３、バッテリー１１０と外部電子機器の通信のための通信端子１２４、及び制御部１５０の電源供給のための電源端子１２５を含むことができる。前記パック放電端子１２１はバッテリー１１０の一端１１１に連結され、前記パック充電端子１２２はバッテリー１１０の一端１１１にパック放電端子１２１と並列に連結され、パック負極端子１２３はバッテリー１１０の他端１１２に連結され、通信端子１２４と電源端子１２５は制御部１５０に連結される。このように、前記外部端子部１２０はパック放電端子１２１とパック充電端子１２２をそれぞれ備え、バッテリーパック１００の放電経路と充電経路が互いに異なる。このような外部端子部１２０を有するバッテリーパック１００は電動工具パックに適用されることができ、これは本発明を限定するものではない。
【００２０】
前記電圧感知及びバランス回路部１３０は第１センシングワイヤＷ１〜第４センシングワイヤＷ４によって第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４に連結され、第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４の電圧を感知する。このような電圧感知及びバランス回路部１３０は、第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４の電圧を制御部１５０に供給する。前記電圧感知及びバランス回路部１３０はリチウムイオン電池用に製造された様々な種類のアナログフロントエンドを含むことができるが、これは本発明を限定するものではない。
【００２１】
前記アナログスイッチ部１４０は、第５バッテリーセルＢ５の正極端子（＋）と負極端子（−）の間に並列に連結され、第５バッテリーセルＢ５の電圧を感知する。前記アナログスイッチ部１４０は、複数のスイッチ１４１と、第５バッテリーセルＢ５の電圧を充電するフライングキャパシタ１４２とを含むことができる。このようなアナログスイッチ部１４０は、制御部１５０の制御信号に応じてスイッチ１４１がターンオンまたはターンオフされることで、フライングキャパシタ１４２に充電された第５バッテリーセルＢ５の電圧を制御部１５０に供給する。そのために、前記アナログスイッチ部１４０と制御部１５０の間には、オペアンプ１４３及び分圧抵抗１４４ａ、１４４ｂが連結される。さらに、パック放電端子１２１とパック負極端子１２３の間には分圧抵抗１４５ａ、１４５ｂが連結され、分圧抵抗１４５ａ、１４５ｂはバッテリーパック１００の全体電圧を制御部１５０に提供する。
【００２２】
一方、第５バッテリーセルＢ５の正極端子（Ｂ＋）と負極端子（Ｂ−）の間には、第５バッテリーセルＢ５のバランスのためのバランス抵抗１４６及びバランススイッチ１４７がさらに連結される。ここで、前記バランススイッチ１４７は制御部１５０の制御信号によってターンオンまたはターンオフされることができる。図示されていないが、第１バッテリーセルＢ１〜第４バッテリーセルＢ４に対するバランス抵抗及びバランススイッチは電圧感知及びバランス回路部１３０に内蔵される。また、バッテリー１１０の他端１１２とパック負極端子１２３の間には、バッテリーパック１００の電流感知のための電流センサー抵抗１４８が連結され、制御部１５０には、バッテリー１１０の温度感知のための温度センサー１４９が連結されることができる。
【００２３】
前記制御部１５０は、電圧感知及びバランス回路部１３０とアナログスイッチ部１４０から提供されたバッテリー１１０の電圧に対する情報に対応する充放電制御信号及びバランス制御信号を生成する。そして、前記制御部１５０は、充放電制御信号及びバランス制御信号を電圧感知及びバランス回路部１３０に提供して、バッテリー１１０の充電及び放電動作を制御する。
【００２４】
また、前記制御部１５０は、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線を検出すると、保護回路部１６０をオープンしてバッテリー１１０の充電及び放電動作を中止させる。
【００２５】
具体的に、前記制御部１５０は、まず断線チェック信号を受信するか、バッテリー１１０の電流が一定時間以上基準電流値より小さい場合（すなわち、バッテリー１１０がＯＣＶ（Ｏｐｅｎ Ｃｉｒｃｕｉｔ Ｖｏｌｔａｇｅ）状態である場合）と判断すれば、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に対して断線検出を開始する。ここで、断線チェック信号は、バッテリーパック１００の出荷前にオペレーターなどから通信端子１２４を介して提供されることができ、バッテリーパック１００の不良を防止するために複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線をチェックする命令信号であることができる。また、バッテリー１１０の電流が一定時間以上基準電流値より小さい場合は、バッテリーパック１００の出荷後にバッテリー１００の電圧変動が殆どない場合で、バッテリー１１０の充電及び放電動作が殆どないバッテリーパック１００の安定化状態である。ここで、バッテリー１１０の電流は電流センサー抵抗１４８によって感知されることができる。そして、前記一定時間は約１分であることができ、基準電流値は略５００ｍＡであることができるが、これは本発明を限定するものではない。
【００２６】
前記制御部１５０は、断線チェック信号を受信するか、バッテリー１１０の電流が一定時間以上基準電流値より小さい場合と判断すれば、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の両端電圧（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、Ｖ４、Ｖ５）のうち最大値（Ｖｍａｘ）と最小値（Ｖｍｉｎ）の差が基準電圧値より大きいかを把握する。前記制御部１５０は、最大値（Ｖｍａｘ）と最小値（Ｖｍｉｎ）の差が基準電圧値より大きければ、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に断線が発生したと判断する。それによって、前記制御部１５０は、保護回路部１６０のヒューズ１６１をブローさせるように制御して、バッテリー１１０の充電動作を中止させる。ここで、前記基準電圧値は約１Ｖであることができるが、これは本発明を限定するものではない。一方、前記制御部１５０と電圧感知及びバランス回路部１３０は統合されて一つの集積回路、すなわち一つのシングル半導体チップとして製造されることができる。
【００２７】
前記保護回路部１６０は、バッテリー１１０、制御部１５０及びパック充電端子１２２の間に連結され、制御部１５０の制御によって動作する。具体的に、前記保護回路部１６０は、バッテリー１１０の電圧が過充電臨界電圧以上である時、制御部１５０の制御によってオープンされて、バッテリー１１０の過充電を防止する。また、前記保護回路部１６０は、制御部１５０が複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間の複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に断線が発生したと判断すれば、制御部１５０によってオープンされてバッテリー１１０の充電及び放電動作を停止させる。そのために、前記保護回路部１６０はヒューズ１６１、加熱抵抗１６２及び制御スイッチ１６３を含む。
【００２８】
前記ヒューズ１６１はバッテリー１１０の一端１１１とパック充電端子１２２の間に連結され、加熱抵抗１６２はヒューズ１６１と制御部１５０の間に連結され、制御スイッチ１６３は加熱抵抗１６２と制御部１５０の間に連結される。前記保護回路部１６０はヒューズ１６１のブローによってオープンされる。ヒューズ１６１のブローは、加熱抵抗１６２に多量の熱が発生することによって行われる。加熱抵抗１６２の熱は、制御スイッチ１６３が制御部１５０の制御によってターンオンされて、パック充電端子１２２またはバッテリー１１０の一端１１１から電流がヒューズ１６１、加熱抵抗１６２及び制御スイッチ１６３を介してバッテリー１１０の他端１１２に流れることによって発生することができる。
【００２９】
上記のように、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、制御部１５０を備えることで、複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間に連結される複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線を検出することができる。これによって、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、出荷前の不良を減らすことができる。また、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００は、出荷後には複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間に連結される複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に断線が発生した場合、バッテリー１１０の充電及び放電動作を停止させることで、安全性を向上させることができる。
【００３０】
以下、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００の断線検出方法について説明する。
図２は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を概略的に示すフローチャートであり、図３は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法を詳しく示すフローチャートであり、図４は本発明の一実施例に係るバッテリーパックの断線検出方法のうち断線チェック条件のまた一つの例を説明するためのフローチャートである。
【００３１】
図２〜図４を参照すると、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００の断線検出方法は、断線チェック条件判断段階Ｓ１０、断線検出条件判断段階Ｓ２０及び保護回路動作段階Ｓ３０を含む。ここで、前記断線チェック条件判断段階Ｓ１０に対しては、図３の段階Ｓ１０Ａまたは図４の段階Ｓ１０Ｂで具体的に説明する。
【００３２】
前記断線チェック条件判断段階Ｓ１０では、制御部１５０がバッテリー１１０に含まれた複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の間に連結される複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線チェック条件を判断する。具体的に、制御部１５０は、図３に示すように、断線チェック信号の受信有無を判断する（Ｓ１０Ａ）。ここで、段階Ｓ１０Ａはバッテリーパック１００の出荷前に行われることができ、断線チェック信号はオペレーターによって通信端子１２４を介して制御部１５０に提供されることができる。また、制御部１５０は、図４に示すように、一定時間以上バッテリー１１０の電流が基準電流値より小さいかを判断する（Ｓ１０Ｂ）。ここで、段階Ｓ１０Ｂはバッテリーパック１００の出荷後に行われることができ、バッテリー１１０の電流の流れる状態は、センサー抵抗１４８を利用して制御部１５０によって感知されることができる。
【００３３】
前記断線検出条件判断段階Ｓ２０では、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線チェック条件が満たされれば、制御部１５０が複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線検出条件を判断する。具体的に、図３に示すように段階Ｓ１０Ａで制御部１５０が断線チェック信号を受信するか、図４に示すように段階Ｓ１０Ｂで制御部１５０が一定時間以上バッテリー１１０の電流が基準電流値より小さいと把握すれば、制御部１５０は複数のバッテリーセルＢ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４、Ｂ５の両端電圧（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、Ｖ４、Ｖ５）のうち最大値（Ｖｍａｘ）と最小値（Ｖｍｉｎ）の差が基準電圧値より大きいかを判断する。
【００３４】
前記保護回路動作段階Ｓ３０では、複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線検出条件が満たされれば、制御部１５０が保護回路部１６０をオープンする。具体的に、制御部１５０が加熱抵抗１６２と制御スイッチ１６３を利用してヒューズ１６１をブローさせる。
【００３５】
以下、表１〜表３を通じて上記のようなバッテリーパック１００の断線検出方法のシミュレーション結果について説明する。ここで、Ｖ１は第１バッテリーセルＢ１の両端電圧、Ｖ２は第２バッテリーセルＢ２の両端電圧、Ｖ３は第３バッテリーセルＢ３の両端電圧、Ｖ４は第４バッテリーセルＢ４の両端電圧、Ｖ５は第５バッテリーセルＢ５の両端電圧、Ｖｍａｘ‐Ｖｍｉｎは両端電圧（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、Ｖ４、Ｖ５）の最大値と最小値の差である。
【００３６】
【表１】
【００３７】
表１は、第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４に如何なる断線も発生させなかった状態でバッテリーパック１００の断線検出方法をシミュレーションした結果を表し、表１のシミュレーション結果はＶｍａｘ−Ｖｍｉｎが０．３８３Ｖであって基準電圧値（例えば、１Ｖ）より小さく測定されることを示す。
【００３８】
【表２】
【００３９】
表２は、第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４のうち第１連結ラインＬ１に断線を発生させた状態でバッテリーパック１００の断線検出方法をシミュレーションした結果を表し、表２のシミュレーション結果はＶｍａｘ−Ｖｍｉｎが３．８８８Ｖであって基準電圧値（例えば、１Ｖ）より大きく測定されることを示す。これによって、バッテリーパック１００の断線検出方法によって第１連結ラインＬ１の断線を検出できることが確認できる。
【００４０】
【表３】
【００４１】
表３は、第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４のうち第２連結ラインＬ２に断線を発生させた状態でバッテリーパック１００の断線検出方法をシミュレーションした結果を表し、表２のシミュレーション結果はＶｍａｘ−Ｖｍｉｎが３．８７６Ｖであって基準電圧値（例えば、１Ｖ）より大きく測定されることを示す。これによって、バッテリーパック１００の断線検出方法によって第２連結ラインＬ２の断線を検出できることが確認できる。
【００４２】
前記表１〜表３から、本発明の一実施例に係るバッテリーパック１００の断線検出方法によって、Ｖｍａｘ−Ｖｍｉｎを通じて第１バッテリーセルＢ１〜第５バッテリーセルＢ５の間に連結された複数の連結ラインＬ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４の断線を把握することができることを確認できる。
【００４３】
本発明は添付図面に示された実施例を参照にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということを理解できるはずである。よって、本発明の真の保護範囲は添付の特許請求の範囲のみによって定まるべきであろう。
【符号の説明】
【００４４】
１００：バッテリーパック
１１０：バッテリー
１２０：外部端子部
１３０：電圧感知及びバランス回路部
１４０：アナログスイッチ部
１５０：制御部
１６０：保護回路部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数のバッテリーセルを含むバッテリーと、
前記複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインと、
前記バッテリーの充電及び放電動作を制御する制御部と、
前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部と、を含み、
前記制御部が前記複数の連結ラインの断線を検出すると前記保護回路部をオープンすることを特徴とするバッテリーパック。
【請求項２】
前記複数の連結ラインの断線は、前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きい時に検出されることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項３】
前記保護回路部はヒューズを含み、前記保護回路部のオープンは前記ヒューズのブローによって行われることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項４】
前記保護回路部は、
前記ヒューズと前記制御部の間に設けられる加熱抵抗と、
前記加熱抵抗と前記制御部の間に連結される制御スイッチと、をさらに含むことを特徴とする請求項３に記載のバッテリーパック。
【請求項５】
前記バッテリーの一端に連結されるパック放電端子と、
前記バッテリーの一端に前記パック放電端子と並列に連結されるパック充電端子と、
前記バッテリーの他端に連結されるパック負極端子と、をさらに含み、
前記保護回路部は、前記バッテリーの一端と前記パック充電端子の間に連結されることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項６】
前記制御部に連結される通信端子及び電源端子をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項７】
前記制御部は、断線チェック信号を受信して前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始することを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項８】
前記制御部は、一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいと感知すれば、前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始することを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項９】
前記バッテリーと前記制御部の間に連結され、前記バッテリーの電圧を検出して前記バッテリーのバランスを制御する電圧感知及びバランス回路をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項１０】
前記複数のバッテリーセルは直列または並列に連結されることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項１１】
制御部がバッテリーに含まれた複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインの断線チェック条件を判断する断線チェック条件判断段階と、
前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされれば、前記制御部が前記複数の連結ラインの断線検出条件を判断する断線検出条件判断段階と、
前記複数の連結ラインの断線検出条件が満足されれば、前記制御部が前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部をオープンする保護回路動作段階と、を含むことを特徴とするバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１２】
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が断線チェック信号を受信すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１３】
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１４】
前記断線検出条件判断段階で、前記制御部が前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線検出条件が満たされることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１５】
前記保護回路動作段階で、前記制御部が前記保護回路部のヒューズをブローさせることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１】
複数のバッテリーセルを含むバッテリーと、
前記複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインと、
前記バッテリーの充電及び放電動作を制御する制御部と、
前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部と、を含み、
前記制御部が前記複数の連結ラインの断線を検出すると前記保護回路部をオープンすることを特徴とするバッテリーパック。
【請求項２】
前記複数の連結ラインの断線は、前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きい時に検出されることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項３】
前記保護回路部はヒューズを含み、前記保護回路部のオープンは前記ヒューズのブローによって行われることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項４】
前記保護回路部は、
前記ヒューズと前記制御部の間に設けられる加熱抵抗と、
前記加熱抵抗と前記制御部の間に連結される制御スイッチと、をさらに含むことを特徴とする請求項３に記載のバッテリーパック。
【請求項５】
前記バッテリーの一端に連結されるパック放電端子と、
前記バッテリーの一端に前記パック放電端子と並列に連結されるパック充電端子と、
前記バッテリーの他端に連結されるパック負極端子と、をさらに含み、
前記保護回路部は、前記バッテリーの一端と前記パック充電端子の間に連結されることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項６】
前記制御部に連結される通信端子及び電源端子をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項７】
前記制御部は、断線チェック信号を受信して前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始することを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項８】
前記制御部は、一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいと感知すれば、前記複数の連結ラインに対して断線検出を開始することを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項９】
前記バッテリーと前記制御部の間に連結され、前記バッテリーの電圧を検出して前記バッテリーのバランスを制御する電圧感知及びバランス回路をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項１０】
前記複数のバッテリーセルは直列または並列に連結されることを特徴とする請求項１に記載のバッテリーパック。
【請求項１１】
制御部がバッテリーに含まれた複数のバッテリーセルの間に連結される複数の連結ラインの断線チェック条件を判断する断線チェック条件判断段階と、
前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされれば、前記制御部が前記複数の連結ラインの断線検出条件を判断する断線検出条件判断段階と、
前記複数の連結ラインの断線検出条件が満足されれば、前記制御部が前記バッテリーと前記制御部の間に連結される保護回路部をオープンする保護回路動作段階と、を含むことを特徴とするバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１２】
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が断線チェック信号を受信すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１３】
前記断線チェック条件判断段階で、前記制御部が一定時間以上前記バッテリーの電流が基準電流値より小さいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線チェック条件が満たされることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１４】
前記断線検出条件判断段階で、前記制御部が前記複数のバッテリーセルの両端電圧のうち最大値と最小値の差が基準電圧値より大きいことを感知すれば、前記複数の連結ラインの断線検出条件が満たされることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【請求項１５】
前記保護回路動作段階で、前記制御部が前記保護回路部のヒューズをブローさせることを特徴とする請求項１１に記載のバッテリーパックの断線検出方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１１−１３７８０５（Ｐ２０１１−１３７８０５Ａ）
【公開日】平成２３年７月１４日（２０１１．７．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２５５６８５（Ｐ２０１０−２５５６８５）
【出願日】平成２２年１１月１６日（２０１０．１１．１６）
【出願人】（５９０００２８１７）三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年７月１４日（２０１１．７．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月１６日（２０１０．１１．１６）
【出願人】（５９０００２８１７）三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Ｆターム（参考）】
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