バンド・ギャップ基準から可変出力電圧を生成する方法及び装置
【課題】電圧基準回路から可変出力電圧を生成する方法及び装置を提供すること。
【解決手段】電圧基準回路は、負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成する第1の電圧発生器と、正の温度係数を有する第2の電圧信号を生成する第2の電圧発生器とを備える。電圧基準回路は、基準電流を第1の電圧発生器及び第2の電圧発生器に供給する電流発生器を更に備える。第1の電圧信号を第2の電圧信号と比較する比較器が比較結果を生成し、比較結果に関係付けられた電流変化で基準電流を修正する。電圧基準回路は、電流発生器に結合された出力端末を備え、出力端末はバンド・ギャップ電圧より高い電圧差であって温度変化に実質的に依存しない電圧を含む。
【解決手段】電圧基準回路は、負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成する第1の電圧発生器と、正の温度係数を有する第2の電圧信号を生成する第2の電圧発生器とを備える。電圧基準回路は、基準電流を第1の電圧発生器及び第2の電圧発生器に供給する電流発生器を更に備える。第1の電圧信号を第2の電圧信号と比較する比較器が比較結果を生成し、比較結果に関係付けられた電流変化で基準電流を修正する。電圧基準回路は、電流発生器に結合された出力端末を備え、出力端末はバンド・ギャップ電圧より高い電圧差であって温度変化に実質的に依存しない電圧を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電圧基準回路に関する。より詳細には、本発明は、バンド・ギャップ基準から可変基準電圧を生成する回路及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ信号及びデジタル信号を操作及び生成する多くのシステムは、こうしたシステムのためのバイアス点を定義する、精密で安定な電圧基準及び電流基準を必要とする。多くの場合、こうした電圧基準を回路に対する供給電圧に追加しなければならず、また、こうした電圧基準は独立でなければならない。ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)及びその他の半導体デバイスにおいては、こうした応用の中には、センス増幅器、入力信号レベル・センサ、位相ロックループ、遅延ロックループ及びその他の様々なアナログ回路などの領域内にあるものがある。
【0003】
こうした電圧基準を生成するのに多くの技法が存在する。従来のバイアス生成技法は、単純な抵抗器電圧分割器から、順方向バイアスがかけられたダイオードによって生成された電圧降下、逆方向バイアスがかけられたツェナー・ダイオード、及び、精密なバンド・ギャップ基準回路に至るまで、様々である。典型的には、こうした基準電圧は電源供給電圧とは独立であり、且つ、温度変化にわたって比較的一定である必要がある。
【0004】
電圧基準は、直列抵抗を使用する従来の単純な電圧分割器回路から生成することができる。遺憾ながら、得られる基準電圧は供給電圧の関数であり、抵抗の精度を制御することは難しい。したがって、電源の独立性が必要であるとき、電圧分割器は適切な解決策ではない。
【0005】
ダイオードにおける電圧降下を使用して、電源から独立した基準電圧を生成することができる。しかし、ダイオード電圧降下は温度に依存するので、基準電圧を広い温度範囲にわたって実質的に一定にしなければならないシステムでは不適切である。
【0006】
電源に依存しない基準電圧を生成するのに、トランジスタ閾値電圧(Vt)を使用して基準を生成する相補型MOS(CMOS)回路がしばしば使用される。典型的には、こうした回路は、面積が小さく、比較的単純であり、比較的供給電圧から独立であるという利点を有する。しかし、典型的には、Vt基準バイアス源はダイオード基準と同じく温度変化と共に変動する。
【0007】
バンド・ギャップ基準電源は極めて柔軟であって、実質的に電源及び温度に依存しない基準電圧を生成することができる。しかし、従来のバンド・ギャップ基準回路は、シリコンのバンド・ギャップにおける電圧又は該バンド・ギャップ電圧の整数倍の電圧を生成する。
【0008】
従来のバンド・ギャップ基準10の回路図を図1に示す。このバンド・ギャップ基準は、電流源として構成されたpチャネル・トランジスタ12、増幅器15、2つのダイオード接続バイポーラ・トランジスタ28、38及び抵抗22、32、36を備える。バイポーラ・トランジスタ28、38は、第1のバイポーラ・トランジスタ28が1の相対的大きさのP−N接合面積を有し、第2のバイポーラ・トランジスタ38がバイポーラ・トランジスタ28のN倍の大きさのP−N接合面積を有するような相対的大きさの接合面積で構成される。
【0009】
一般に、バンド・ギャップ基準は、大きさが異なるがエミッタ電流が同一である2つのダイオードは異なる電流密度を有するので、その結果、P−N接合の両端間で僅かに異なる電圧降下を有する、という原理から導出される。さらに、P−N接合は負の温度係数を有し、P−N接合における電圧降下の変化は温度変化に反比例する。言い換えれば、温度が上昇するにつれ、P−N接合における電圧降下は低下する。例えば、シリコンにおいては、P−N接合における電圧降下は温度に対して約−2.2mV/℃で反比例する。
【0010】
動作において、増幅器15に対するフィードバックは、反転入力ノード20と非反転入力ノード30とが実質的に同じ電位に維持される定常状態を作るように動作する。入力が同電位でない場合、増幅器15は、フィードバック・ノード18での電圧を降下又は上昇させるように動作する。それにより、フィードバック・ノード18上の電圧はpチャネル・トランジスタ12を流れる電流を増大又は減少させる。したがって、抵抗22、32が同じ値を有する回路においては、第1のバイポーラ・トランジスタ28での電圧降下は、第2のバイポーラ・トランジスタ38での電圧降下と抵抗36での電圧降下との組合せに等しい。その結果、抵抗36での電圧降下は、第1のトランジスタ28での電圧降下と第2のトランジスタ38での電圧降下との差を表す。この差は一般にΔVbeと呼ばれ、2つのバイポーラ・トランジスタ28、38の間の電圧降下の差を表すことを示す。ΔVbeは絶対温度に比例する(PTAT)電圧とも呼ばれる。これは、出力信号40が実質的に温度独立性を維持するように、第1のバイポーラ・トランジスタ28の負の温度係数とほぼ逆の正の温度係数で、温度変化に比例して電圧が調整されるからである。
【0011】
ダイオードの温度係数が負であることに起因して、温度が上昇するにつれ、第1のバイポーラ・トランジスタ28のVbeは、第2のバイポーラ・トランジスタ38のVbeの減少よりも高い割合で減少する。したがって、フィードバック・ループを定常状態に保つために、抵抗36でのΔVbeは直接の温度相関を有する(すなわち、温度が上昇するにつれて電圧変化が増大する)。定常状態にあるとき、この回路は、約1.25ボルトであるシリコンのバンド・ギャップ電圧に実質的に等しい派生出力信号40を生成する。
【0012】
図2は、第1のバイポーラ・トランジスタ28の負の温度係数25、VPTATから得られる正の温度係数35、及び実質的に温度に依存しない出力電圧45を示す。
従来の別のバンド・ギャップ基準60の回路図を図3に示す。図3のバンド・ギャップ基準60は、バンド・ギャップ電圧の2倍の基準電圧を生成するように構成され得る。バンド・ギャップ基準60は、電流源として構成されたpチャネル・トランジスタ62、増幅器65、4つのダイオード接続バイポーラ・トランジスタ78、79、88、89及び抵抗72、82、86を備える。この回路においては、バイポーラ・トランジスタ78とバイポーラ・トランジスタ79とが直列に接続され、2つのダイオードの電圧降下が生み出される。同様に、バイポーラ・トランジスタ88とバイポーラ・トランジスタ89とが直列に接続され、2つのダイオード電圧降下が生み出される。バイポーラ・トランジスタ88、89のP−N接合の面積はバイポーラ・トランジスタ78、79のP−N接合の面積よりも例えばN倍大きい。
【0013】
図3の回路に対するフィードバックは、図1の回路と同様に動作する。その結果、抵抗86での電圧降下は、バイポーラ・トランジスタ78、79での2ダイオード電圧降下と、バイポーラ・トランジスタ88、89での2ダイオード電圧降下との差にほぼ等しく設定される。その結果得られる出力信号90上の電圧は、シリコン・バンド・ギャップ電圧の約2倍(すなわち約2.5ボルト)である。この回路を、3つ以上の直列のトランジスタを使用することによって拡張すると、バンド・ギャップ電圧の整数倍の電圧基準を生成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、実質的に温度から独立していて、実質的に供給電圧から独立であり、シリコン・バンド・ギャップ電圧の整数倍ではなくバンド・ギャップ電圧より高い可変出力を生成することのできる基準電圧発生器が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
幾つかの実施の形態での本発明は、実質的に温度から独立であり、実質的に供給電圧から独立であり、バンド・ギャップ電圧より高い電圧出力の基準電圧を生成する方法及び装置を含む。
【0016】
本発明の一つの実施の形態においては、電圧基準回路が、負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器を含む。電圧基準回路は、正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された発生器を更に含み、基準電流は第1の電圧信号の電圧に関係付けられる。電圧基準回路は、第1の電圧発生器と電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子を更に含む。最後に、電圧基準回路は電流発生器に動作可能に結合された出力信号を含み、出力信号はバンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む。
【0017】
本発明の別の実施の形態では、電圧基準回路は、第1の入力と第2の入力と比較結果とを有する増幅器を備える。電圧基準回路は、比較結果の電圧に関係付けられた電流を供給するように構成された電流源を更に含み、電流源の出力が出力信号として構成される。電圧基準回路は、出力信号と第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子とを更に含む。電圧基準回路は、出力信号と第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で第3の抵抗素子に直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子とを更に含む。更に、電圧基準回路は第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子を含む。
【0018】
本発明の別の実施の形態においては、電圧基準回路は、第1の入力と第2の入力と出力信号として構成された比較結果とを有する増幅器を備える。電圧基準回路は、出力信号と第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子とを更に含む。電圧基準回路は、出力信号と第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子とを更に含む。更に、電圧基準回路は、第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子を含む。
【0019】
本発明の別の実施の形態は基準電圧を生成する方法を含む。この方法は基準電流を生成することを含む。この方法はまた、基準電流の第1の部分に関係付けられた第1の電圧信号を生成することであって、第1の電圧が温度変化と反比例の関係にあること、及び、基準電流の第2の部分に関係付けられた第2の電圧信号を生成することであって、第2の電圧が温度変化と正比例の関係にあることを含む。この方法はまた、第1の電圧信号を第2の電圧信号と比較して比較結果を生成すること、及び、比較結果に関係付けられた電流変化を用いて基準電流を修正することを含む。最後に、この方法はまた、第2の電圧に関係付けられた出力電圧を供給することを含み、出力電圧は、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である。
【0020】
本発明の別の実施の形態は、本明細書に記載の本発明の一つの実施の形態による少なくとも1つの電圧基準回路を含む半導体デバイスを含む。
本発明の別の実施の形態は、半導体ウェーハ上に製造された少なくとも1つの半導体デバイスを含み、その少なくとも1つの半導体デバイスは、本明細書に記載の本発明の一つの実施の形態による少なくとも1つの電圧基準回路を含む。
【0021】
本発明による更に別の実施形態は、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置と、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリ装置とを含む電子システムを含む。少なくとも1つのメモリ装置は、本明細書に記載の本発明の一つの実施の形態による少なくとも1つの電圧基準回路を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
複数の実施の形態での本発明は、実質的に温度から独立であり、実質的に供給電圧から独立であり、バンド・ギャップ電圧より大きい電圧出力の基準電圧を生成する方法及び装置を含む。
【0023】
この記述における一部の回路は、ダイオード接続トランジスタと呼ばれる周知の回路構成を含む。ダイオード接続トランジスタは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)トランジスタのゲートとドレインとが接続されるとき、又は、バイポーラ・トランジスタのベースとコレクタとが接続されるときに形成される。例えば、図1に示す回路においては、バイポーラ・トランジスタ28、38がダイオード構成で接続される。このように接続されると、トランジスタはP−N接合ダイオードと同様の電圧対電流特性で動作する。
【0024】
歴史的には、バイポーラ接合トランジスタのベースからエミッタへの電圧(Vbe)を使用して、シリコンのバンド・ギャップ電圧に対応する電圧基準が定義された。しかし、従来のダイオードやダイオード構成で接続されたCMOSデバイスなどのバイポーラ・トランジスタではない、P−N接合を作る任意の装置を使用することができる。本発明の様々な実施の形態では様々なデバイスからバンド・ギャップ電圧を得ることができるが、バンド・ギャップ電圧を生成するのに使用される適切なデバイスは、一般に、ダイオード、P−N接合素子、ダイオード接続CMOSトランジスタ、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタと呼ばれる。さらに、こうしたデバイスのいずれかによって発生した電圧降下は、歴史的なVbeという用語を用いて表わされる。
【0025】
図4は、温度変化に実質的に依存しないバンド・ギャップ電圧より大きい基準電圧を生成する理論を示すための回路モデル90を示す。電流発生器92は抵抗素子94と負温度係数素子96との直列の組合せに結合される。抵抗素子94は絶対温度に比例する(PTAT)電圧(正の温度係数とも呼ばれる)を供給して負温度係数素子96とのバランスを取る。電流発生器92は以下で完全に説明するように、出力ノード98での電圧がバンド・ギャップ電圧よりも高い電圧であるように選択することができるよう、従来のバンド・ギャップ基準回路とは異なる基準電流Iptco(オフセット電流を有する正の温度係数)を提供する。
【0026】
図5Aは、バンド・ギャップ電圧より大きい可変出力電圧を生成する、本発明の一つの実施の形態を示す。電圧基準回路100は、pチャネル・トランジスタとして構成された電流源105、増幅器140、第1の電圧発生器150及び第2の電圧発生器160を備えている。第1の電圧発生器150は第1のP−N接合素子D1と第1の抵抗素子R1を含む。第2の電圧発生器160は、第2のP−N接合素子D2、第2の抵抗素子R2、第3の抵抗素子R3及び第4の抵抗素子R4を含む。第1のP−N接合素子D1及び第2のP−N接合素子D2は、第1のP−N接合素子D1が1の相対的な大きさの接合面積を有し、第2のP−N接合素子D2が第1のP−N接合素子DのN倍の大きさの接合面積を有するような相対的な大きさの接合面積で構成される。
【0027】
一般的には、出力信号130上に所望の電圧を生成する本発明の実施の形態が説明されるが、当業者は理解するように、一部の応用例は、電圧基準ではなく又は電圧基準に加えて、電流基準を必要とする。こうした応用例においては、図5Bに示す一つの実施の形態を使用することができる。図5Bの実施の形態は図5Aの実施の形態と同様であり、出力信号130上の電圧に比例する出力電流信号146を生成するのに用いることができるオプションの出力電流源144を含む。図5Bの実施の形態では、出力電流信号146を生成するのに単純なpチャネル・トランジスタが使用される。当業者は認識するように、他の電流源も可能であり、本発明の範囲に包含される。
【0028】
同様に、当業者は認識するように、例えばソース・ホロワ構成のnチャネル・トランジスタなどの回路素子を用いて電流源105を構成できる。また、様々な回路素子及び接続を使用して抵抗素子を形成し、比較的一定な抵抗値を生成することができる。幾つかの可能な抵抗の実現形態には、離散抵抗、抵抗素子としての或る長さのN+ドープ領域、抵抗素子としての或る長さのP+ドープ領域、抵抗素子としての或る長さのポリシリコン、飽和領域で動作するように接続されたnチャネル・トランジスタ、及び、飽和領域で動作するように接続されたpチャネル・トランジスタが含まれる。
【0029】
前述のように、同一のエミッタ電流を有し且つ大きさの異なる2つのダイオードは異なる電流密度を有するので、その結果、P−N接合において僅かに異なる電圧降下を有する。同様に、異なる電流密度は異なる電圧降下を生じるので、2つのダイオードを、同一の大きさ(すなわちN=1)を有するように、且つ、これら2つのダイオードを流れる異なる電流を供給するように設計された回路を有するように選択することもできる。さらに、P−N接合は負の温度係数を有し、P−N接合での電圧降下の変化は温度変化と反比例の関係にある。言い換えれば、温度が上昇するにつれてP−N接合での電圧降下は低下する。例えば、シリコンでは、Vbeは約−2.2mV/℃で温度と反比例する。したがって、電流密度の差により、第1のP−N接合素子D1に、第2のP−N接合素子D2と僅かに異なる電圧降下が生じる。
【0030】
動作において、増幅器140に対するフィードバックは、反転入力ノード141(第1の入力とも呼ぶ)と非反転入力ノード142(第2の入力とも呼ぶ)とがほぼ同電位に維持される定常状態を発生するように動作する。入力が同電位ではない場合、増幅器140はフィードバック・ノード148での電圧(比較結果とも呼ばれる)を低下又は上昇させるように動作する。フィードバック・ノード148での電圧は電流源105を流れる電流を増大又は減少させる。
【0031】
図5Aの回路を分析するに際して、ダイオードの両端間の電圧は近似的に
【0032】
【数1】
【0033】
と表現できることを示すことができ、また当業者の認識するところである。ただし、kはボルツマン定数であって約1.3806×10−23ジュール/°Kに等しく、qは電子の電荷であって約1.602×10−19クーロンに等しく、Tはケルビン単位の絶対温度であり、Iはダイオードを流れる順方向電流であり、Isはダイオードの逆飽和電流を表し、AはP−N接合の面積である。項kT/qはしばしば熱電圧(VT)と呼ばれる。したがって、室温300°Kでは、VTは約26ミリボルトに等しい。
【0034】
前述のように、増幅器140に対するフィードバックは、第1の電圧信号110の電圧と第2の電圧信号120の電圧とを実質的に同じ電圧へ移動させるように動作する。したがって、
【0035】
【数2】
【0036】
が成り立つ。
ΔVbeは第1のP−N接合素子D1と第2のP−N接合素子D2との電圧降下の差を表すから、VR3はΔVbeとも呼ぶことができる。ダイオードの式に代入すると、ΔVbeは
【0037】
【数3】
【0038】
のように表わされる。
抵抗素子R1、R2が同じ抵抗を有するように選択され、第1の電圧信号110の電圧が第2の電圧信号120の電圧と実質的に等しい定常状態にある場合、電流I1は電流I2と実質的に等しく、式2を
【0039】
【数4】
【0040】
のように書くことができる。ただし、Nは第1のP−N接合素子D1と第2のP−N接合素子D2とのP−N接合面積の比に等しい。
出力信号130での電圧は、第1の抵抗素子R1と第1のP−N接合素子D1とにおける電圧降下の和であり、
【0041】
【数5】
【0042】
のように書くことができる。
電流I2は、副電流I2a(第1の部分とも呼ばれる)と副電流I2b(第2の部分とも呼ばれる)の和に等しく、式
【0043】
【数6】
【0044】
で表される。ただし、V2は第2の電圧信号120の電圧を示す。しかし、定常状態では、V2はVbe1に等しいので、式6は
【0045】
【数7】
【0046】
のように書くことができる。
したがって、第2の抵抗素子R2での電圧降下は、
【0047】
【数8】
【0048】
となる。
定常状態ではVR1はVR2に等しい。その結果、式5でのVoutは
【0049】
【数9】
【0050】
のように書くことができる。
この式から、温度変化に対する出力信号130の電圧変化が実質的にゼロに近い実質的な温度独立性を依然として維持しながら、約1.25ボルトのバンド・ギャップ電圧よりも高い出力信号130上の電圧に適合するパラメータの組を定義することができる。換言すると、
【0051】
【数10】
【0052】
で表される。
例えば、R1=R2=240キロオーム、R3=15キロオーム、R4=400キロオーム、N=8の場合、約2.2VのVoutを得ることができる。
【0053】
対照的に、図1の従来技術の回路を分析すると、電流I2についての式が得られ、その式は
【0054】
【数11】
【0055】
のように表すことができる。したがって、抵抗素子22での電圧降下は
【0056】
【数12】
【0057】
で表される。したがって、定常状態においては、また、V22がV32と等しい場合、図1のVoutは
【0058】
【数13】
【0059】
と書くことができる。換言すると、図1の従来技術の回路の場合のVoutは
Vout=Vbe1+A*Vbe
と書くことができる。一方、本発明の実施の形態では、Voutは
Vout=Vbe1+B*ΔVbe+C*Vbe1
と書くことができる。
【0060】
式9は図6Aによってグラフで示すことができる。図6Aにおいて、線125は第1のP−N接合素子D1の負の温度係数(すなわち、第1の電圧信号110と定常状態での第2電圧信号120と)を示し、線135はR2での電圧差を示し、これは抵抗R2とIptcoとの積に等しい(すなわち、R2*Iptco)。線135は図2の傾きと同様の傾き、すなわち、式9の(R2/R3)*ΔVbe項と同様の傾きを含む。しかし図6Aでは、線135は図2よりも高いy切片を含む。y切片は(R2/R4)*Vbe1と定義される式9の部分によって表わされる。線145は線125と線135との和であるVout電圧を表わす。
【0061】
同様に、電流I2は図6Bによってグラフで表すことができる。電流I2は副電流I2aと副電流I2bとの和として示される。図から分かるように、式7のΔVbe項に起因して、電流I2aは温度変化と正比例の関係にある。同様に、式7のVbe1項に起因して、副電流I2bは温度変化と反比例の関係にある。その結果、電流I2のI2a部分からの正の温度係数と電流I2のI2b部分からの追加のオフセット電流とによって(図4に示す)電流発生器92が基準電流Iptcoを如何に作ることができるかが分かる。
【0062】
図5Aの電圧基準回路の動作において、増幅器140に対するフィードバックは、反転入力ノード141と非反転入力ノード142とがほぼ同電位に維持される定常状態を発生するように動作する。入力が同電位ではない場合、増幅器140はフィードバック・ノード148での電圧を低下又は上昇させるように動作する。そこで、フィードバック・ノード148での電圧は、電流源105を流れる電流を増大又は減少させる。したがって、第1の抵抗素子R1と第2の抵抗素子R2とが同じ値を有する回路では、第1のP−N接合素子D1での電圧降下は、第2のP−N接合素子D2と第3の抵抗素子R3と第4の抵抗素子R4との回路組合せでの電圧降下に等しい。前述のように、ダイオードに対する温度係数が負であるために、温度が上昇するにつれて、第1のP−N接合素子D1のVbeは第2のP−N接合素子D2のVbeの減少よりも高い比率で減少する。したがって、フィードバック・ループを定常状態に保つために、第3の抵抗素子R3でのΔVbeは正の温度相関を有する(すなわち、温度が上昇するにつれて電圧変化は増大する)。
【0063】
しかし、本発明の実施の形態では、第4の抵抗素子R4は第3の抵抗素子R3と第2のP−N接合素子D2を迂回して接地へ至る分路電流路を提供する。これは電流I2を増大させるように働くので、第2の抵抗素子R2での電圧降下が大きくなる。言い換えれば、適切な抵抗比を選択した場合、R2に対するR3の比を調整することによってV2を実質的に熱電圧の近傍に保つことができる。しかし、同時に、R2に対してR4を調整することにより、第1の抵抗素子R1及び第2の抵抗素子R2において一層大きな電圧降下を生成して出力信号130上の基準電圧を上昇させることができる。電源電圧からの実質的な独立性と温度変化からの実質的な独立性とを維持しながら、異なる抵抗比を選択して基準電圧を異なる値に変更することができる。
【0064】
図7Aは、バンド・ギャップ電圧より大きい可変出力電圧を生成する本発明の別の実施の形態を示す。電圧基準回路100は、増幅器140’、第1の抵抗素子R1’、第2の抵抗素子R2’、第1の電圧発生器150’及び第2の電圧発生器160’を備えている。第1の電圧発生器150’は第1のP−N接合素子D1’を備える。第2の電圧発生器160’は、第2のP−N接合素子D2’と第3の抵抗素子R3’と第4の抵抗素子R4’とを備える。第1のP−N接合素子D1’及び第2のP−N接合素子D2’は、第1のP−N接合素子D1’が1の相対的な大きさを有する接合面積を有し、第2のP−N接合素子D2’が第1のP−N接合素子D1のN倍の接合面積を有するような相対的な大きさの接合面積で構成される。
【0065】
図7Aの実施の形態は図5Aの実施の形態と同様に動作するが、電流源を介して増幅器140’の出力をバッファリングするのではなく、増幅器140’の出力が電流I1’、I2’に対する電流源として直接振る舞う点で相違する。さらに、増幅器140’の出力は出力信号130’として振る舞う。動作において、図5Aの実施の形態についての説明は図7Aの実施の形態に対して等しく適用可能である。
【0066】
電流基準が必要とされる応用例では、図7Bに示す実施の形態を使用することができる。図7Bの実施の形態は図7Aの実施の形態と同様であるが、出力信号130’上の電圧に比例する出力電流信号146’を生成するのに用いることができるオプションの出力電流源144’を備えている。
【0067】
本発明の実施の形態を、大部分は半導体メモリに関連して説明してきたが、本発明の実施の形態は多くの半導体デバイスにも適用可能である。例えば、センス増幅器、入力信号レベル・センサ、位相ロックループ、遅延ロックループなど、ほぼ温度独立であり且つバンド・ギャップ電圧より高い電圧基準を必要とする任意の半導体デバイスにおいて本発明を使用することができる。
【0068】
図8に示すように、本発明に係る半導体ウェーハ400は、本明細書に記載の電圧基準回路100の少なくとも1つの実施の形態を組み込んだ複数の半導体デバイス200を含む。もちろん、理解されるように、例えばシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板、シリコン・オン・グラス(SOG)基板、シリコン・オン・サファイア(SOS)基板など、シリコン・ウェーハではない基板上にも半導体デバイス200を製造することができる。
【0069】
図9に示すように、本発明に係る電子システム500は、入力装置510と出力装置520とプロセッサ530とメモリ装置540とを備える。メモリ装置540は、本明細書に記載の電圧基準回路100の少なくとも1つの実施の形態をDRAM装置に組み込んだ少なくとも1つの半導体メモリ200’を備える。理解されるように、半導体メモリ200’は、静的RAM(SRAM)装置やフラッシュ・メモリ装置などを含むDRAM以外の多種多様な装置を含むことができる。
【0070】
これまで、幾つかの好ましい実施の形態に関連して本発明を説明してきたが、当業者は理解するように、本発明はそのような実施の形態に限定されるものではない。むしろ、請求される本発明の範囲から逸脱することなく、好ましい実施の形態に対する多くの追加、削除及び修正を行うことができる。さらに、本発明者等によって企図される本発明の範囲内に包含される形で、一つの実施の形態の特徴を別の実施の形態の特徴と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来のバンド・ギャップ基準回路の回路図である。
【図2】図1のバンド・ギャップ基準回路での様々な電圧のグラフである。
【図3】バンド・ギャップ電圧の整数倍である電圧基準を生成する従来のバンド・ギャップ基準回路の回路図である。
【図4】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧を生成する、本発明の一つの実施の形態の回路モデルである。
【図5A】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧を生成する、本発明の一つの実施の形態の回路図である。
【図5B】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧と可変出力電流とを生成する、本発明の一つの実施の形態の回路図である。
【図6A】図5Aの実施の形態による様々な電圧のグラフである。
【図6B】図5Aの実施の形態による様々な電流のグラフである。
【図7A】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧を生成する、本発明の別の実施の形態の回路図である。
【図7B】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧と可変出力電流とを生成する本発明の別の実施形態の回路図である。
【図8】本発明に係る電圧基準回路を含む複数の半導体デバイスを含む半導体ウェーハである。
【図9】本発明に係る電圧基準回路を含む複数の半導体メモリを示すコンピューティング・システム図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は電圧基準回路に関する。より詳細には、本発明は、バンド・ギャップ基準から可変基準電圧を生成する回路及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ信号及びデジタル信号を操作及び生成する多くのシステムは、こうしたシステムのためのバイアス点を定義する、精密で安定な電圧基準及び電流基準を必要とする。多くの場合、こうした電圧基準を回路に対する供給電圧に追加しなければならず、また、こうした電圧基準は独立でなければならない。ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)及びその他の半導体デバイスにおいては、こうした応用の中には、センス増幅器、入力信号レベル・センサ、位相ロックループ、遅延ロックループ及びその他の様々なアナログ回路などの領域内にあるものがある。
【0003】
こうした電圧基準を生成するのに多くの技法が存在する。従来のバイアス生成技法は、単純な抵抗器電圧分割器から、順方向バイアスがかけられたダイオードによって生成された電圧降下、逆方向バイアスがかけられたツェナー・ダイオード、及び、精密なバンド・ギャップ基準回路に至るまで、様々である。典型的には、こうした基準電圧は電源供給電圧とは独立であり、且つ、温度変化にわたって比較的一定である必要がある。
【0004】
電圧基準は、直列抵抗を使用する従来の単純な電圧分割器回路から生成することができる。遺憾ながら、得られる基準電圧は供給電圧の関数であり、抵抗の精度を制御することは難しい。したがって、電源の独立性が必要であるとき、電圧分割器は適切な解決策ではない。
【0005】
ダイオードにおける電圧降下を使用して、電源から独立した基準電圧を生成することができる。しかし、ダイオード電圧降下は温度に依存するので、基準電圧を広い温度範囲にわたって実質的に一定にしなければならないシステムでは不適切である。
【0006】
電源に依存しない基準電圧を生成するのに、トランジスタ閾値電圧(Vt)を使用して基準を生成する相補型MOS(CMOS)回路がしばしば使用される。典型的には、こうした回路は、面積が小さく、比較的単純であり、比較的供給電圧から独立であるという利点を有する。しかし、典型的には、Vt基準バイアス源はダイオード基準と同じく温度変化と共に変動する。
【0007】
バンド・ギャップ基準電源は極めて柔軟であって、実質的に電源及び温度に依存しない基準電圧を生成することができる。しかし、従来のバンド・ギャップ基準回路は、シリコンのバンド・ギャップにおける電圧又は該バンド・ギャップ電圧の整数倍の電圧を生成する。
【0008】
従来のバンド・ギャップ基準10の回路図を図1に示す。このバンド・ギャップ基準は、電流源として構成されたpチャネル・トランジスタ12、増幅器15、2つのダイオード接続バイポーラ・トランジスタ28、38及び抵抗22、32、36を備える。バイポーラ・トランジスタ28、38は、第1のバイポーラ・トランジスタ28が1の相対的大きさのP−N接合面積を有し、第2のバイポーラ・トランジスタ38がバイポーラ・トランジスタ28のN倍の大きさのP−N接合面積を有するような相対的大きさの接合面積で構成される。
【0009】
一般に、バンド・ギャップ基準は、大きさが異なるがエミッタ電流が同一である2つのダイオードは異なる電流密度を有するので、その結果、P−N接合の両端間で僅かに異なる電圧降下を有する、という原理から導出される。さらに、P−N接合は負の温度係数を有し、P−N接合における電圧降下の変化は温度変化に反比例する。言い換えれば、温度が上昇するにつれ、P−N接合における電圧降下は低下する。例えば、シリコンにおいては、P−N接合における電圧降下は温度に対して約−2.2mV/℃で反比例する。
【0010】
動作において、増幅器15に対するフィードバックは、反転入力ノード20と非反転入力ノード30とが実質的に同じ電位に維持される定常状態を作るように動作する。入力が同電位でない場合、増幅器15は、フィードバック・ノード18での電圧を降下又は上昇させるように動作する。それにより、フィードバック・ノード18上の電圧はpチャネル・トランジスタ12を流れる電流を増大又は減少させる。したがって、抵抗22、32が同じ値を有する回路においては、第1のバイポーラ・トランジスタ28での電圧降下は、第2のバイポーラ・トランジスタ38での電圧降下と抵抗36での電圧降下との組合せに等しい。その結果、抵抗36での電圧降下は、第1のトランジスタ28での電圧降下と第2のトランジスタ38での電圧降下との差を表す。この差は一般にΔVbeと呼ばれ、2つのバイポーラ・トランジスタ28、38の間の電圧降下の差を表すことを示す。ΔVbeは絶対温度に比例する(PTAT)電圧とも呼ばれる。これは、出力信号40が実質的に温度独立性を維持するように、第1のバイポーラ・トランジスタ28の負の温度係数とほぼ逆の正の温度係数で、温度変化に比例して電圧が調整されるからである。
【0011】
ダイオードの温度係数が負であることに起因して、温度が上昇するにつれ、第1のバイポーラ・トランジスタ28のVbeは、第2のバイポーラ・トランジスタ38のVbeの減少よりも高い割合で減少する。したがって、フィードバック・ループを定常状態に保つために、抵抗36でのΔVbeは直接の温度相関を有する(すなわち、温度が上昇するにつれて電圧変化が増大する)。定常状態にあるとき、この回路は、約1.25ボルトであるシリコンのバンド・ギャップ電圧に実質的に等しい派生出力信号40を生成する。
【0012】
図2は、第1のバイポーラ・トランジスタ28の負の温度係数25、VPTATから得られる正の温度係数35、及び実質的に温度に依存しない出力電圧45を示す。
従来の別のバンド・ギャップ基準60の回路図を図3に示す。図3のバンド・ギャップ基準60は、バンド・ギャップ電圧の2倍の基準電圧を生成するように構成され得る。バンド・ギャップ基準60は、電流源として構成されたpチャネル・トランジスタ62、増幅器65、4つのダイオード接続バイポーラ・トランジスタ78、79、88、89及び抵抗72、82、86を備える。この回路においては、バイポーラ・トランジスタ78とバイポーラ・トランジスタ79とが直列に接続され、2つのダイオードの電圧降下が生み出される。同様に、バイポーラ・トランジスタ88とバイポーラ・トランジスタ89とが直列に接続され、2つのダイオード電圧降下が生み出される。バイポーラ・トランジスタ88、89のP−N接合の面積はバイポーラ・トランジスタ78、79のP−N接合の面積よりも例えばN倍大きい。
【0013】
図3の回路に対するフィードバックは、図1の回路と同様に動作する。その結果、抵抗86での電圧降下は、バイポーラ・トランジスタ78、79での2ダイオード電圧降下と、バイポーラ・トランジスタ88、89での2ダイオード電圧降下との差にほぼ等しく設定される。その結果得られる出力信号90上の電圧は、シリコン・バンド・ギャップ電圧の約2倍(すなわち約2.5ボルト)である。この回路を、3つ以上の直列のトランジスタを使用することによって拡張すると、バンド・ギャップ電圧の整数倍の電圧基準を生成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、実質的に温度から独立していて、実質的に供給電圧から独立であり、シリコン・バンド・ギャップ電圧の整数倍ではなくバンド・ギャップ電圧より高い可変出力を生成することのできる基準電圧発生器が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
幾つかの実施の形態での本発明は、実質的に温度から独立であり、実質的に供給電圧から独立であり、バンド・ギャップ電圧より高い電圧出力の基準電圧を生成する方法及び装置を含む。
【0016】
本発明の一つの実施の形態においては、電圧基準回路が、負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器を含む。電圧基準回路は、正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された発生器を更に含み、基準電流は第1の電圧信号の電圧に関係付けられる。電圧基準回路は、第1の電圧発生器と電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子を更に含む。最後に、電圧基準回路は電流発生器に動作可能に結合された出力信号を含み、出力信号はバンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む。
【0017】
本発明の別の実施の形態では、電圧基準回路は、第1の入力と第2の入力と比較結果とを有する増幅器を備える。電圧基準回路は、比較結果の電圧に関係付けられた電流を供給するように構成された電流源を更に含み、電流源の出力が出力信号として構成される。電圧基準回路は、出力信号と第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子とを更に含む。電圧基準回路は、出力信号と第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で第3の抵抗素子に直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子とを更に含む。更に、電圧基準回路は第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子を含む。
【0018】
本発明の別の実施の形態においては、電圧基準回路は、第1の入力と第2の入力と出力信号として構成された比較結果とを有する増幅器を備える。電圧基準回路は、出力信号と第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子とを更に含む。電圧基準回路は、出力信号と第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子とを更に含む。更に、電圧基準回路は、第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子を含む。
【0019】
本発明の別の実施の形態は基準電圧を生成する方法を含む。この方法は基準電流を生成することを含む。この方法はまた、基準電流の第1の部分に関係付けられた第1の電圧信号を生成することであって、第1の電圧が温度変化と反比例の関係にあること、及び、基準電流の第2の部分に関係付けられた第2の電圧信号を生成することであって、第2の電圧が温度変化と正比例の関係にあることを含む。この方法はまた、第1の電圧信号を第2の電圧信号と比較して比較結果を生成すること、及び、比較結果に関係付けられた電流変化を用いて基準電流を修正することを含む。最後に、この方法はまた、第2の電圧に関係付けられた出力電圧を供給することを含み、出力電圧は、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である。
【0020】
本発明の別の実施の形態は、本明細書に記載の本発明の一つの実施の形態による少なくとも1つの電圧基準回路を含む半導体デバイスを含む。
本発明の別の実施の形態は、半導体ウェーハ上に製造された少なくとも1つの半導体デバイスを含み、その少なくとも1つの半導体デバイスは、本明細書に記載の本発明の一つの実施の形態による少なくとも1つの電圧基準回路を含む。
【0021】
本発明による更に別の実施形態は、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置と、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリ装置とを含む電子システムを含む。少なくとも1つのメモリ装置は、本明細書に記載の本発明の一つの実施の形態による少なくとも1つの電圧基準回路を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
複数の実施の形態での本発明は、実質的に温度から独立であり、実質的に供給電圧から独立であり、バンド・ギャップ電圧より大きい電圧出力の基準電圧を生成する方法及び装置を含む。
【0023】
この記述における一部の回路は、ダイオード接続トランジスタと呼ばれる周知の回路構成を含む。ダイオード接続トランジスタは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)トランジスタのゲートとドレインとが接続されるとき、又は、バイポーラ・トランジスタのベースとコレクタとが接続されるときに形成される。例えば、図1に示す回路においては、バイポーラ・トランジスタ28、38がダイオード構成で接続される。このように接続されると、トランジスタはP−N接合ダイオードと同様の電圧対電流特性で動作する。
【0024】
歴史的には、バイポーラ接合トランジスタのベースからエミッタへの電圧(Vbe)を使用して、シリコンのバンド・ギャップ電圧に対応する電圧基準が定義された。しかし、従来のダイオードやダイオード構成で接続されたCMOSデバイスなどのバイポーラ・トランジスタではない、P−N接合を作る任意の装置を使用することができる。本発明の様々な実施の形態では様々なデバイスからバンド・ギャップ電圧を得ることができるが、バンド・ギャップ電圧を生成するのに使用される適切なデバイスは、一般に、ダイオード、P−N接合素子、ダイオード接続CMOSトランジスタ、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタと呼ばれる。さらに、こうしたデバイスのいずれかによって発生した電圧降下は、歴史的なVbeという用語を用いて表わされる。
【0025】
図4は、温度変化に実質的に依存しないバンド・ギャップ電圧より大きい基準電圧を生成する理論を示すための回路モデル90を示す。電流発生器92は抵抗素子94と負温度係数素子96との直列の組合せに結合される。抵抗素子94は絶対温度に比例する(PTAT)電圧(正の温度係数とも呼ばれる)を供給して負温度係数素子96とのバランスを取る。電流発生器92は以下で完全に説明するように、出力ノード98での電圧がバンド・ギャップ電圧よりも高い電圧であるように選択することができるよう、従来のバンド・ギャップ基準回路とは異なる基準電流Iptco(オフセット電流を有する正の温度係数)を提供する。
【0026】
図5Aは、バンド・ギャップ電圧より大きい可変出力電圧を生成する、本発明の一つの実施の形態を示す。電圧基準回路100は、pチャネル・トランジスタとして構成された電流源105、増幅器140、第1の電圧発生器150及び第2の電圧発生器160を備えている。第1の電圧発生器150は第1のP−N接合素子D1と第1の抵抗素子R1を含む。第2の電圧発生器160は、第2のP−N接合素子D2、第2の抵抗素子R2、第3の抵抗素子R3及び第4の抵抗素子R4を含む。第1のP−N接合素子D1及び第2のP−N接合素子D2は、第1のP−N接合素子D1が1の相対的な大きさの接合面積を有し、第2のP−N接合素子D2が第1のP−N接合素子DのN倍の大きさの接合面積を有するような相対的な大きさの接合面積で構成される。
【0027】
一般的には、出力信号130上に所望の電圧を生成する本発明の実施の形態が説明されるが、当業者は理解するように、一部の応用例は、電圧基準ではなく又は電圧基準に加えて、電流基準を必要とする。こうした応用例においては、図5Bに示す一つの実施の形態を使用することができる。図5Bの実施の形態は図5Aの実施の形態と同様であり、出力信号130上の電圧に比例する出力電流信号146を生成するのに用いることができるオプションの出力電流源144を含む。図5Bの実施の形態では、出力電流信号146を生成するのに単純なpチャネル・トランジスタが使用される。当業者は認識するように、他の電流源も可能であり、本発明の範囲に包含される。
【0028】
同様に、当業者は認識するように、例えばソース・ホロワ構成のnチャネル・トランジスタなどの回路素子を用いて電流源105を構成できる。また、様々な回路素子及び接続を使用して抵抗素子を形成し、比較的一定な抵抗値を生成することができる。幾つかの可能な抵抗の実現形態には、離散抵抗、抵抗素子としての或る長さのN+ドープ領域、抵抗素子としての或る長さのP+ドープ領域、抵抗素子としての或る長さのポリシリコン、飽和領域で動作するように接続されたnチャネル・トランジスタ、及び、飽和領域で動作するように接続されたpチャネル・トランジスタが含まれる。
【0029】
前述のように、同一のエミッタ電流を有し且つ大きさの異なる2つのダイオードは異なる電流密度を有するので、その結果、P−N接合において僅かに異なる電圧降下を有する。同様に、異なる電流密度は異なる電圧降下を生じるので、2つのダイオードを、同一の大きさ(すなわちN=1)を有するように、且つ、これら2つのダイオードを流れる異なる電流を供給するように設計された回路を有するように選択することもできる。さらに、P−N接合は負の温度係数を有し、P−N接合での電圧降下の変化は温度変化と反比例の関係にある。言い換えれば、温度が上昇するにつれてP−N接合での電圧降下は低下する。例えば、シリコンでは、Vbeは約−2.2mV/℃で温度と反比例する。したがって、電流密度の差により、第1のP−N接合素子D1に、第2のP−N接合素子D2と僅かに異なる電圧降下が生じる。
【0030】
動作において、増幅器140に対するフィードバックは、反転入力ノード141(第1の入力とも呼ぶ)と非反転入力ノード142(第2の入力とも呼ぶ)とがほぼ同電位に維持される定常状態を発生するように動作する。入力が同電位ではない場合、増幅器140はフィードバック・ノード148での電圧(比較結果とも呼ばれる)を低下又は上昇させるように動作する。フィードバック・ノード148での電圧は電流源105を流れる電流を増大又は減少させる。
【0031】
図5Aの回路を分析するに際して、ダイオードの両端間の電圧は近似的に
【0032】
【数1】
【0033】
と表現できることを示すことができ、また当業者の認識するところである。ただし、kはボルツマン定数であって約1.3806×10−23ジュール/°Kに等しく、qは電子の電荷であって約1.602×10−19クーロンに等しく、Tはケルビン単位の絶対温度であり、Iはダイオードを流れる順方向電流であり、Isはダイオードの逆飽和電流を表し、AはP−N接合の面積である。項kT/qはしばしば熱電圧(VT)と呼ばれる。したがって、室温300°Kでは、VTは約26ミリボルトに等しい。
【0034】
前述のように、増幅器140に対するフィードバックは、第1の電圧信号110の電圧と第2の電圧信号120の電圧とを実質的に同じ電圧へ移動させるように動作する。したがって、
【0035】
【数2】
【0036】
が成り立つ。
ΔVbeは第1のP−N接合素子D1と第2のP−N接合素子D2との電圧降下の差を表すから、VR3はΔVbeとも呼ぶことができる。ダイオードの式に代入すると、ΔVbeは
【0037】
【数3】
【0038】
のように表わされる。
抵抗素子R1、R2が同じ抵抗を有するように選択され、第1の電圧信号110の電圧が第2の電圧信号120の電圧と実質的に等しい定常状態にある場合、電流I1は電流I2と実質的に等しく、式2を
【0039】
【数4】
【0040】
のように書くことができる。ただし、Nは第1のP−N接合素子D1と第2のP−N接合素子D2とのP−N接合面積の比に等しい。
出力信号130での電圧は、第1の抵抗素子R1と第1のP−N接合素子D1とにおける電圧降下の和であり、
【0041】
【数5】
【0042】
のように書くことができる。
電流I2は、副電流I2a(第1の部分とも呼ばれる)と副電流I2b(第2の部分とも呼ばれる)の和に等しく、式
【0043】
【数6】
【0044】
で表される。ただし、V2は第2の電圧信号120の電圧を示す。しかし、定常状態では、V2はVbe1に等しいので、式6は
【0045】
【数7】
【0046】
のように書くことができる。
したがって、第2の抵抗素子R2での電圧降下は、
【0047】
【数8】
【0048】
となる。
定常状態ではVR1はVR2に等しい。その結果、式5でのVoutは
【0049】
【数9】
【0050】
のように書くことができる。
この式から、温度変化に対する出力信号130の電圧変化が実質的にゼロに近い実質的な温度独立性を依然として維持しながら、約1.25ボルトのバンド・ギャップ電圧よりも高い出力信号130上の電圧に適合するパラメータの組を定義することができる。換言すると、
【0051】
【数10】
【0052】
で表される。
例えば、R1=R2=240キロオーム、R3=15キロオーム、R4=400キロオーム、N=8の場合、約2.2VのVoutを得ることができる。
【0053】
対照的に、図1の従来技術の回路を分析すると、電流I2についての式が得られ、その式は
【0054】
【数11】
【0055】
のように表すことができる。したがって、抵抗素子22での電圧降下は
【0056】
【数12】
【0057】
で表される。したがって、定常状態においては、また、V22がV32と等しい場合、図1のVoutは
【0058】
【数13】
【0059】
と書くことができる。換言すると、図1の従来技術の回路の場合のVoutは
Vout=Vbe1+A*Vbe
と書くことができる。一方、本発明の実施の形態では、Voutは
Vout=Vbe1+B*ΔVbe+C*Vbe1
と書くことができる。
【0060】
式9は図6Aによってグラフで示すことができる。図6Aにおいて、線125は第1のP−N接合素子D1の負の温度係数(すなわち、第1の電圧信号110と定常状態での第2電圧信号120と)を示し、線135はR2での電圧差を示し、これは抵抗R2とIptcoとの積に等しい(すなわち、R2*Iptco)。線135は図2の傾きと同様の傾き、すなわち、式9の(R2/R3)*ΔVbe項と同様の傾きを含む。しかし図6Aでは、線135は図2よりも高いy切片を含む。y切片は(R2/R4)*Vbe1と定義される式9の部分によって表わされる。線145は線125と線135との和であるVout電圧を表わす。
【0061】
同様に、電流I2は図6Bによってグラフで表すことができる。電流I2は副電流I2aと副電流I2bとの和として示される。図から分かるように、式7のΔVbe項に起因して、電流I2aは温度変化と正比例の関係にある。同様に、式7のVbe1項に起因して、副電流I2bは温度変化と反比例の関係にある。その結果、電流I2のI2a部分からの正の温度係数と電流I2のI2b部分からの追加のオフセット電流とによって(図4に示す)電流発生器92が基準電流Iptcoを如何に作ることができるかが分かる。
【0062】
図5Aの電圧基準回路の動作において、増幅器140に対するフィードバックは、反転入力ノード141と非反転入力ノード142とがほぼ同電位に維持される定常状態を発生するように動作する。入力が同電位ではない場合、増幅器140はフィードバック・ノード148での電圧を低下又は上昇させるように動作する。そこで、フィードバック・ノード148での電圧は、電流源105を流れる電流を増大又は減少させる。したがって、第1の抵抗素子R1と第2の抵抗素子R2とが同じ値を有する回路では、第1のP−N接合素子D1での電圧降下は、第2のP−N接合素子D2と第3の抵抗素子R3と第4の抵抗素子R4との回路組合せでの電圧降下に等しい。前述のように、ダイオードに対する温度係数が負であるために、温度が上昇するにつれて、第1のP−N接合素子D1のVbeは第2のP−N接合素子D2のVbeの減少よりも高い比率で減少する。したがって、フィードバック・ループを定常状態に保つために、第3の抵抗素子R3でのΔVbeは正の温度相関を有する(すなわち、温度が上昇するにつれて電圧変化は増大する)。
【0063】
しかし、本発明の実施の形態では、第4の抵抗素子R4は第3の抵抗素子R3と第2のP−N接合素子D2を迂回して接地へ至る分路電流路を提供する。これは電流I2を増大させるように働くので、第2の抵抗素子R2での電圧降下が大きくなる。言い換えれば、適切な抵抗比を選択した場合、R2に対するR3の比を調整することによってV2を実質的に熱電圧の近傍に保つことができる。しかし、同時に、R2に対してR4を調整することにより、第1の抵抗素子R1及び第2の抵抗素子R2において一層大きな電圧降下を生成して出力信号130上の基準電圧を上昇させることができる。電源電圧からの実質的な独立性と温度変化からの実質的な独立性とを維持しながら、異なる抵抗比を選択して基準電圧を異なる値に変更することができる。
【0064】
図7Aは、バンド・ギャップ電圧より大きい可変出力電圧を生成する本発明の別の実施の形態を示す。電圧基準回路100は、増幅器140’、第1の抵抗素子R1’、第2の抵抗素子R2’、第1の電圧発生器150’及び第2の電圧発生器160’を備えている。第1の電圧発生器150’は第1のP−N接合素子D1’を備える。第2の電圧発生器160’は、第2のP−N接合素子D2’と第3の抵抗素子R3’と第4の抵抗素子R4’とを備える。第1のP−N接合素子D1’及び第2のP−N接合素子D2’は、第1のP−N接合素子D1’が1の相対的な大きさを有する接合面積を有し、第2のP−N接合素子D2’が第1のP−N接合素子D1のN倍の接合面積を有するような相対的な大きさの接合面積で構成される。
【0065】
図7Aの実施の形態は図5Aの実施の形態と同様に動作するが、電流源を介して増幅器140’の出力をバッファリングするのではなく、増幅器140’の出力が電流I1’、I2’に対する電流源として直接振る舞う点で相違する。さらに、増幅器140’の出力は出力信号130’として振る舞う。動作において、図5Aの実施の形態についての説明は図7Aの実施の形態に対して等しく適用可能である。
【0066】
電流基準が必要とされる応用例では、図7Bに示す実施の形態を使用することができる。図7Bの実施の形態は図7Aの実施の形態と同様であるが、出力信号130’上の電圧に比例する出力電流信号146’を生成するのに用いることができるオプションの出力電流源144’を備えている。
【0067】
本発明の実施の形態を、大部分は半導体メモリに関連して説明してきたが、本発明の実施の形態は多くの半導体デバイスにも適用可能である。例えば、センス増幅器、入力信号レベル・センサ、位相ロックループ、遅延ロックループなど、ほぼ温度独立であり且つバンド・ギャップ電圧より高い電圧基準を必要とする任意の半導体デバイスにおいて本発明を使用することができる。
【0068】
図8に示すように、本発明に係る半導体ウェーハ400は、本明細書に記載の電圧基準回路100の少なくとも1つの実施の形態を組み込んだ複数の半導体デバイス200を含む。もちろん、理解されるように、例えばシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板、シリコン・オン・グラス(SOG)基板、シリコン・オン・サファイア(SOS)基板など、シリコン・ウェーハではない基板上にも半導体デバイス200を製造することができる。
【0069】
図9に示すように、本発明に係る電子システム500は、入力装置510と出力装置520とプロセッサ530とメモリ装置540とを備える。メモリ装置540は、本明細書に記載の電圧基準回路100の少なくとも1つの実施の形態をDRAM装置に組み込んだ少なくとも1つの半導体メモリ200’を備える。理解されるように、半導体メモリ200’は、静的RAM(SRAM)装置やフラッシュ・メモリ装置などを含むDRAM以外の多種多様な装置を含むことができる。
【0070】
これまで、幾つかの好ましい実施の形態に関連して本発明を説明してきたが、当業者は理解するように、本発明はそのような実施の形態に限定されるものではない。むしろ、請求される本発明の範囲から逸脱することなく、好ましい実施の形態に対する多くの追加、削除及び修正を行うことができる。さらに、本発明者等によって企図される本発明の範囲内に包含される形で、一つの実施の形態の特徴を別の実施の形態の特徴と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来のバンド・ギャップ基準回路の回路図である。
【図2】図1のバンド・ギャップ基準回路での様々な電圧のグラフである。
【図3】バンド・ギャップ電圧の整数倍である電圧基準を生成する従来のバンド・ギャップ基準回路の回路図である。
【図4】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧を生成する、本発明の一つの実施の形態の回路モデルである。
【図5A】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧を生成する、本発明の一つの実施の形態の回路図である。
【図5B】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧と可変出力電流とを生成する、本発明の一つの実施の形態の回路図である。
【図6A】図5Aの実施の形態による様々な電圧のグラフである。
【図6B】図5Aの実施の形態による様々な電流のグラフである。
【図7A】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧を生成する、本発明の別の実施の形態の回路図である。
【図7B】バンド・ギャップ電圧より高い可変出力電圧と可変出力電流とを生成する本発明の別の実施形態の回路図である。
【図8】本発明に係る電圧基準回路を含む複数の半導体デバイスを含む半導体ウェーハである。
【図9】本発明に係る電圧基準回路を含む複数の半導体メモリを示すコンピューティング・システム図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧よりも高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を具備する電圧基準回路。
【請求項2】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項1に記載の電圧基準回路。
【請求項3】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項2に記載の電圧基準回路。
【請求項4】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と
を備える、請求項1に記載の電圧基準回路。
【請求項5】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項4に記載の電圧基準回路。
【請求項6】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項4に記載の電圧基準回路。
【請求項7】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項4に記載の電圧基準回路。
【請求項8】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項1に記載の電圧基準回路。
【請求項9】
第1の入力と第2の入力と比較結果とを有する増幅器と、
前記比較結果の電圧に関係付けられた電流を供給するように構成された電流源であって、前記電流源の出力が出力信号として構成される電流源と、
前記出力信号と前記第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子と、
前記出力信号と前記第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子に直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と
を具備する電圧基準回路。
【請求項10】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項11】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項12】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項13】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項14】
第1の入力と第2の入力と出力信号として構成された比較結果とを有する増幅器と、
前記出力信号と前記第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合要素と、
前記出力信号と前記第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合要素と、
前記第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
を具備する電圧基準回路。
【請求項15】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項14に記載の電圧基準回路。
【請求項16】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項14に記載の電圧基準回路。
【請求項17】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項14に記載の電圧基準回路。
【請求項18】
基準電圧を生成する方法であって、
基準電流を生成するステップと、
前記基準電流の第1の部分に関係付けられた第1の電圧信号を生成するステップであって、第1の電圧が温度変化と反比例の関係にあるステップと、
前記基準電流の第2の部分に関係付けられた第2の電圧信号を生成するステップであって、第2の電圧が前記温度変化と正比例の関係にあるステップと、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するステップと、
前記比較結果に関係付けられた電流変化を用いて前記基準電流を修正するステップと、
前記第2の電圧に関係付けられた出力電圧を生成するステップであって、前記出力電圧が、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって、前記温度変化から実質的に独立であるステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記基準電流が、前記比較結果に関係付けられた電圧でpチャネル・トランジスタを流れる電流を制御することによって実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電圧信号を生成するステップが、第1のP−N接合素子での第1の電圧降下を生み出すステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の電圧信号を生成するステップが、別の抵抗素子と第2のP−N接合素子との直列の組合せと並列に動作可能に結合された抵抗素子での第2の電圧降下を生み出すステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記出力電圧に比例する出力電流信号を生成するステップを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの電圧基準回路を含む半導体デバイスであって、
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を備える半導体デバイス。
【請求項24】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項23に記載の半導体デバイス。
【請求項25】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項24に記載の半導体デバイス。
【請求項26】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と、
を備える、請求項23に記載の半導体デバイス。
【請求項27】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項28】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項29】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項30】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項23に記載の半導体デバイス。
【請求項31】
少なくとも1つの電圧基準回路を含む少なくとも1つの半導体デバイスであって、
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を備える半導体デバイスを具備する半導体ウェーハ。
【請求項32】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項31に記載の半導体ウェーハ。
【請求項33】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項32に記載の半導体ウェーハ。
【請求項34】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と、
を備える、請求項31に記載の半導体ウェーハ。
【請求項35】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項34に記載の半導体ウェーハ。
【請求項36】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項34に記載の半導体ウェーハ。
【請求項37】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項34に記載の半導体ウェーハ。
【請求項38】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項31に記載の半導体ウェーハ。
【請求項39】
少なくとも1つの入力装置と、
少なくとも1つの出力装置と、
プロセッサと、
少なくとも1つの電圧基準回路を含む少なくとも1つの半導体メモリを含むメモリ装置であって、
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を備えるメモリ装置と、
を具備する電子システム。
【請求項40】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項39に記載の電子システム。
【請求項41】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項40に記載の電子システム。
【請求項42】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と、
を備える、請求項39に記載の電子システム。
【請求項43】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項42に記載の電子システム。
【請求項44】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項42に記載の電子システム。
【請求項45】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項42に記載の電子システム。
【請求項46】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項39に記載の電子システム。
【請求項1】
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧よりも高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を具備する電圧基準回路。
【請求項2】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項1に記載の電圧基準回路。
【請求項3】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項2に記載の電圧基準回路。
【請求項4】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と
を備える、請求項1に記載の電圧基準回路。
【請求項5】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項4に記載の電圧基準回路。
【請求項6】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項4に記載の電圧基準回路。
【請求項7】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項4に記載の電圧基準回路。
【請求項8】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項1に記載の電圧基準回路。
【請求項9】
第1の入力と第2の入力と比較結果とを有する増幅器と、
前記比較結果の電圧に関係付けられた電流を供給するように構成された電流源であって、前記電流源の出力が出力信号として構成される電流源と、
前記出力信号と前記第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子と、
前記出力信号と前記第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子に直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と
を具備する電圧基準回路。
【請求項10】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項11】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項12】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項13】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項9に記載の電圧基準回路。
【請求項14】
第1の入力と第2の入力と出力信号として構成された比較結果とを有する増幅器と、
前記出力信号と前記第1の入力との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記第1の入力と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合要素と、
前記出力信号と前記第2の入力との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の入力に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合要素と、
前記第2の入力と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
を具備する電圧基準回路。
【請求項15】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項14に記載の電圧基準回路。
【請求項16】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項14に記載の電圧基準回路。
【請求項17】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項14に記載の電圧基準回路。
【請求項18】
基準電圧を生成する方法であって、
基準電流を生成するステップと、
前記基準電流の第1の部分に関係付けられた第1の電圧信号を生成するステップであって、第1の電圧が温度変化と反比例の関係にあるステップと、
前記基準電流の第2の部分に関係付けられた第2の電圧信号を生成するステップであって、第2の電圧が前記温度変化と正比例の関係にあるステップと、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するステップと、
前記比較結果に関係付けられた電流変化を用いて前記基準電流を修正するステップと、
前記第2の電圧に関係付けられた出力電圧を生成するステップであって、前記出力電圧が、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって、前記温度変化から実質的に独立であるステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記基準電流が、前記比較結果に関係付けられた電圧でpチャネル・トランジスタを流れる電流を制御することによって実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電圧信号を生成するステップが、第1のP−N接合素子での第1の電圧降下を生み出すステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の電圧信号を生成するステップが、別の抵抗素子と第2のP−N接合素子との直列の組合せと並列に動作可能に結合された抵抗素子での第2の電圧降下を生み出すステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記出力電圧に比例する出力電流信号を生成するステップを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの電圧基準回路を含む半導体デバイスであって、
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を備える半導体デバイス。
【請求項24】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項23に記載の半導体デバイス。
【請求項25】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項24に記載の半導体デバイス。
【請求項26】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と、
を備える、請求項23に記載の半導体デバイス。
【請求項27】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項28】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項29】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項30】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項23に記載の半導体デバイス。
【請求項31】
少なくとも1つの電圧基準回路を含む少なくとも1つの半導体デバイスであって、
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を備える半導体デバイスを具備する半導体ウェーハ。
【請求項32】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項31に記載の半導体ウェーハ。
【請求項33】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項32に記載の半導体ウェーハ。
【請求項34】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と、
を備える、請求項31に記載の半導体ウェーハ。
【請求項35】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項34に記載の半導体ウェーハ。
【請求項36】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項34に記載の半導体ウェーハ。
【請求項37】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項34に記載の半導体ウェーハ。
【請求項38】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項31に記載の半導体ウェーハ。
【請求項39】
少なくとも1つの入力装置と、
少なくとも1つの出力装置と、
プロセッサと、
少なくとも1つの電圧基準回路を含む少なくとも1つの半導体メモリを含むメモリ装置であって、
負の温度係数を有する第1の電圧信号を生成するように構成された第1の電圧発生器と、
正の温度係数及びオフセット電流を有する基準電流を供給するように構成された電流発生器であって、前記基準電流が前記第1の電圧信号の電圧に関係付けられる電流発生器と、
前記第1の電圧発生器と前記電流発生器との間に動作可能に結合された第1の抵抗素子と、
前記電流発生器に動作可能に結合された出力信号であって、バンド・ギャップ電圧より高い電圧オフセットであって温度変化から実質的に独立である電圧を含む出力信号と、
を備えるメモリ装置と、
を具備する電子システム。
【請求項40】
前記第1の電圧発生器が、前記第1の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で動作可能に結合された第1のP−N接合素子を備える、請求項39に記載の電子システム。
【請求項41】
前記第1のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項40に記載の電子システム。
【請求項42】
前記電流発生器が、
前記基準電流を生成するように構成された電流源と、
前記電流源と第2の電圧信号との間に動作可能に結合された第2の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号に動作可能に結合された第3の抵抗素子と、
前記第2の電圧信号と接地との間に動作可能に結合された第4の抵抗素子と、
前記第3の抵抗素子と接地との間に順方向バイアス方向で前記第3の抵抗素子と直列に動作可能に結合された第2のP−N接合素子と、
前記第1の電圧信号を前記第2の電圧信号と比較して比較結果を生成するように構成された増幅器であって、前記比較結果が、前記比較結果に関係付けられた電流変化で前記基準電流を修正する増幅器と、
を備える、請求項39に記載の電子システム。
【請求項43】
前記第2のP−N接合素子が、ダイオード、ダイオード接続バイポーラ・トランジスタ及びダイオード接続CMOSトランジスタからなるグループから選択されたデバイスを含む、請求項42に記載の電子システム。
【請求項44】
前記電流源が、電圧源に動作可能に結合されたソースと、前記比較結果に結合されたゲートと、前記出力信号に動作可能に結合されたドレインとを有するpチャネル・トランジスタを備える、請求項42に記載の電子システム。
【請求項45】
前記電流源が前記増幅器の前記比較結果を含む、請求項42に記載の電子システム。
【請求項46】
前記出力信号に動作可能に結合され、前記出力信号の電圧に比例する出力電流信号を生成するように構成された出力電流源を更に備える、請求項39に記載の電子システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−58772(P2007−58772A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−246231(P2005−246231)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(596079127)マイクロン・テクノロジー・インコーポレーテッド (55)
【氏名又は名称原語表記】MICRON TECHNOLOGY,INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246231(P2005−246231)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(596079127)マイクロン・テクノロジー・インコーポレーテッド (55)
【氏名又は名称原語表記】MICRON TECHNOLOGY,INC.
【Fターム(参考)】
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