説明

バーコードリーダ、バーコードラベル貼付システム、およびバーコードシンボル印刷システム

【課題】 簡素な構成で物品上のバーコードの形成位置を検出できるバーコードリーダを提供する。
【解決手段】 バーコード位置検出部33は、光学センサによる走査を、搬送方向における物品100の先端で開始すると共に、等時間間隔で複数回行わせ、その走査回数を、物品100の搬送方向におけるバーコード先端位置に関する情報として、バーコード220の情報を読み取り始めるまでカウントする。カウントした走査回数と、上記走査間隔と、物品100の搬送速度とに基づいて、物品100の搬送方向におけるバーコード220の先端位置が算出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に形成されたバーコードに記録された情報を光学的に読み取るバーコードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
情報を光学的に読み取り可能に記録したバーコードは、物品またはその梱包(以後、単に物品と呼ぶ)に直接印刷して成るバーコードシンボル、あるいは、ラベルに印刷して成るバーコードラベルとして物品の表面に付加形成され、物品の仕分け等に広く用いられている。
【0003】
このようなバーコードを光学的に読み取るバーコードリーダは、バーコードに光を照射する投光源と、照射されたバーコードの反射光を検出する光学センサとを有し、バーコードを形成する並列した複数のバーをその並列方向に走査することにより、情報の読み出しを行う。走査の方法としては、単一の光学素子を持つ光学センサを手動的または機械的にバーの並列方向に移動する方法や、複数のバーに対応して並列した複数の光学素子を持つラインセンサを用いて複数の光学素子を順番に電気的に切り替える方法や、投光源を機械的に走査し、単一の光学素子を持つ光学センサで電気的に切り替える方法がある。
【0004】
物品の流通過程においてバーコードを用いる例として、物品のバージョン等の情報をバーコードに記録して成るバーコードをバーコードラベルまたはバーコードシンボルの形態で物品に貼り付けまたは印刷しておき、物流センタ等において物品を搬送しながらバーコードからバーコードリーダによって情報を読み取り、古い情報や、他の物流システムにおける情報や、誤った情報等の無用な情報が記録されている場合には、物品に既に形成されている既存のバーコード上に新しい情報を記録したバーコードを含む新規のバーコードラベルを重ね貼りするか、あるいは、物品に既に印刷されている既存のバーコードシンボルを塗り潰した後に、新しい情報を記録したバーコードを含む新規のバーコードシンボルを上書き印刷または新規のバーコードラベルを貼ること、あるいは、物品の塗り潰し箇所とは異なる場所にバーコードシンボルを印刷または新規のバーコードラベルを貼ることより、情報を更新する。
【0005】
ここで、既存のバーコードから新規のバーコードに更新形成(バーコードラベルの重ね貼り、塗りつぶし後のバーコードシンボルの印刷もしくは塗りつぶし後のバーコードラベルの貼り付け)をするためには、物品上の既存のバーコードの形成位置を検出する必要がある。従来、バーコードの形成位置は、バーコードの形成位置の検出専用に設けられたカメラを備えた画像処理装置によって実現していた。
【0006】
尚、物品に形成されているバーコードの情報を読み取るに先立ってバーコードの物品上の形成位置を特定する技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【0007】
特許文献1に開示された技術は、直方体状を呈する物品の1つの頂点を共有し、かつ、いずれかの面にバーコードが形成された3面、もしくは、1つの線分を共有し、かつ、どちらかの面にバーコードが形成された2面を一画像で撮像し、撮像した画像中のバーコードの形状の歪みを画像補正した後に、バーコードに記録された情報を読み取っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−148786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
バーコードの形成位置を検出するために、従来は専用の画像処理装置を用いていたため、構成が複雑であり、設置場所の確保、バーコードの貼付システムまたは印刷システムといったバーコードの形成装置を構築するためのコスト、また、画像処理に時間を要することから検出速度の点で問題があった。
【0010】
尚、特許文献1に開示された技術も、カメラを含む画像処理装置を用いているため、構成が複雑であって、システム構築に高いコストがかかるし、物品における種々の箇所に形成されているバーコードの情報を読み取るための技術であって、バーコードの形成位置を検出する技術とはいえない。
【0011】
それ故、本発明の課題は、簡素な構成で物品上のバーコードの形成位置を検出できるバーコードリーダを提供することである。
【0012】
本発明の他の課題は、上記のようなバーコードリーダを有し、物品に形成されている既存のバーコードを新規のバーコードに更新するバーコードラベル貼付システムまたはバーコードシンボル印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、複数のバーが並列して成るバーコードに記録された情報を光学的に読み取るバーコードリーダであって、バーコードに照射光を投光する投光源と、照射されたバーコードの反射光を受光して反射光強度に応じたレベルの検出信号を生成する光学センサとを有し、搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に、複数のバーの並列方向が該搬送方向に対して垂直になるように、かつ、前記投光源による照射光に対する反射率が物品の表面よりも低い状態で形成されたバーコードを、当該並列方向に沿って前記光学センサによって走査し、該光学センサの検出信号に基づきバーコードに記録された情報を光学的に読み取るバーコードリーダにおいて、物品上のバーコードの形成位置として、物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を検出するバーコード位置検出部を有し、前記バーコード位置検出部は、前記光学センサによる走査を、前記搬送方向における物品先端で開始すると共に、等時間間隔で複数回行わせ、当該走査回数を、物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置に関する情報として、バーコードの情報を読み取り始めるまでカウントすることを特徴とするバーコードリーダが得られる。
【0014】
前記バーコード位置検出部は、物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置に関する情報としてカウントした前記走査回数を、バーコードに記録された情報と共に、外部装置に対して出力するものであってもよい。
【0015】
前記バーコード位置検出部は、前記搬送方向における物品先端が前記光学センサに到来したことを外部装置から取得するものであってもよい。
【0016】
また、本発明によれば、搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に形成されているラベル地にバーコードが印刷されて成る既存のバーコードラベルまたはバーコードシンボルを新規のバーコードラベルに更新するバーコードラベル貼付システムであって、前記バーコードリーダと、前記バーコードリーダによって検出したバーコードに記録された情報が更新すべき情報である場合に、該バーコードリーダによってカウントした前記走査回数と、走査の時間間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて、物品の前記搬送方向における既存のバーコードの先端位置を算出し、さらに、算出した既存のバーコードの先端位置に基づき、当該バーコードを含むバーコードラベルまたはバーコードシンボル上に新規のバーコードラベルを重ね貼りするバーコードラベル貼付装置とを有することを特徴とするバーコードラベル貼付システムが得られる。当該バーコードラベル貼付システムは、ラベル地に更新した情報を記録して成る新規のバーコードを印刷することにより、新規のバーコードラベルを作る手段を有していてもよい。
【0017】
さらに、本発明によれば、搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に印刷されている既存のバーコードシンボルを新規のバーコードシンボルに更新するバーコードシンボル印刷システムであって、前記バーコードリーダと、前記バーコードリーダによって検出したバーコードシンボルに含まれるバーコードに記録された情報が更新すべき情報である場合に、該バーコードリーダによってカウントした前記走査回数と、走査の時間間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて、物品の前記搬送方向における既存のバーコードの先端位置を算出し、さらに、算出した既存のバーコードの先端位置に基づき、当該バーコードを含むバーコードシンボルを塗り潰すと共に、塗り潰したバーコードシンボル上または物品の他の箇所に新規のバーコードシンボルを印刷するバーコードシンボル印刷装置とを有することを特徴とするバーコードシンボル印刷システムが得られる。
【0018】
また、前記バーコード位置検出部は、カウントした前記走査回数と、走査の時間間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて、物品の前記搬送方向における既存のバーコードの先端位置を算出するものであってもよい。この場合、前記バーコード位置検出部は、算出した物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を示す情報を、バーコードに記録された情報と共に、外部装置に対して出力するものであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるバーコードリーダは、簡素な構成で物品上のバーコードの形成位置を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の実施例1によるバーコードリーダを有するバーコードラベル貼付システムの構成と、その動作を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の実施例1によるバーコードリーダを示す図であり、(a)は光学系の概念図、(b)は全体のブロック図である。
【図3】図2に示されたバーコードリーダと共に図1に示されたバーコードラベル貼付システムを構成するバーコードラベル貼付装置を示すブロック図である。
【図4】図2に示されたバーコードリーダの動作を説明するためのフロー図であり、(a)はバーコード位置検出部の動作を、(b)はコード解析部の動作を示す。
【図5】図3に示されたバーコードラベル貼付装置の動作を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の実施例2によるバーコードシンボル印刷装置を示すブロック図である。
【図7】図6に示されたバーコードシンボル印刷装置の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によるバーコードリーダは、複数のバーが並列して成るバーコードに記録された情報を光学的に読み取るバーコードリーダであって、バーコードに照射光を投光する投光源と、照射されたバーコードの反射光を受光して反射光強度に応じたレベルの検出信号を生成する光学センサとを有し、搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に、複数のバーの並列方向が搬送方向に対して垂直になるように、かつ、投光源による照射光に対する反射率が物品の表面よりも低い状態で形成されたバーコードを、その並列方向に沿って光学センサによって走査し、光学センサの検出信号に基づきバーコードに記録された情報を光学的に読み取る。
【0022】
本バーコードリーダは特に、物品上のバーコードの形成位置として、物品の搬送方向におけるバーコード先端位置を検出するバーコード位置検出部を有している。
【0023】
バーコード位置検出部は、光学センサによる走査を、搬送方向における物品先端で開始すると共に、等時間間隔で複数回行わせ、その走査回数をバーコードの情報を、物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置に関する情報として、読み取り始めるまでカウントする。
【0024】
本バーコードリーダは、上記構成により、簡素な構成で物品上のバーコードの形成位置を検出できる。
【0025】
即ち、バーコードの形成位置を検出するために専用の光電センサや画像処理装置が不要であって、構成が簡素であり、設置場所の確保が容易であると共に、低コストでバーコードラベル貼付システムやバーコードシンボル印刷システムを構築でき、また、短時間でバーコードを更新形成可能である。
【実施例】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明によるバーコードリーダと、バーコード更新システムとしてのバーコードラベル貼付システムおよびバーコードシンボル印刷システムの実施例を説明する。
【0027】
[実施例1]
図1(a)〜(e)を参照すると、本発明の実施例1のバーコードラベル貼付システムは、例えば、物流センタに設置されたコンベア40の近傍に配置されており、バーコードリーダ10と、バーコードラベル貼付装置50とを有している。バーコードラベル貼付装置50と、バーコードリーダ10とは、図示しない通信ラインを介して接続されている。
【0028】
バーコードリーダ10は、コンベア40によって搬送される物品100に印刷された複数のバーが並列して成るバーコード(バーコードシンボル)220に記録された情報を光学的に読み取る。
【0029】
尚、本例においては、既存のバーコードが、物品の側面に印刷されたバーコードシンボルの形態で形成されているが、物品の側面に貼り付けられたバーコードラベルの形態で形成されていてもよい。バーコードラベルは、物品の表面同様に淡色もしくは白色のラベル地に濃色のバーコードが印刷されて成り、バーコードシンンボル同様に、バーコードリーダによって情報を光学的に読み取ることが可能である。
【0030】
さらに図3を参照すると、本発明の実施例1のバーコードラベル貼付システムは、搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品100に形成されているバーコード(シンボル)220を、ラベル地に新規のバーコード240が印刷されて成る新規のバーコードラベル230に更新するものであり、バーコードリーダ10と、バーコードラベル貼付装置50とを有している。
【0031】
バーコードラベル貼付装置50は、バーコードリーダ10によって検出したバーコード220に記録された情報が更新すべき情報である場合に、バーコードリーダ10によって検出した既存のバーコードの先端位置に基づき、バーコード220上に新規のバーコードラベル230を重ね貼りする。
【0032】
バーコードラベル貼付装置50はさらに、バーコードリーダ10との通信手段(コマンド送信、レスポンス受信手段)としての通信インターフェース54と、新規のバーコードラベル230を貼り付けるラベラー手段としてのラベル貼付部55と、バーコードリーダ10が読み取ったバーコード情報およびその他の情報を一時的または継続的に記憶する記憶手段(図示せず)と、バーコードの情報が正確か否かを判断する他、本装置の動作全般を制御する制御部51と、バーコードリーダ10の前に物品100の先端が到来したことを検出する第1の光センサ52(図1には図示せず)と、バーコードラベル貼付装置50のラベル貼付部55の前に物品100の先端が到来したことを検出する第2の光センサ53(図1には図示せず)とを有している。
【0033】
尚、無地のラベル地に更新した情報(前述の記憶手段に記憶されている)を記録して成る新規のバーコード240を印刷することにより、新規のバーコードラベル230を作る手段として、ラベル印刷部56を有していてもよい。一方、バーコードラベル貼付装置は、ラベル印刷部を有していない場合には、ラベル地に更新した情報を予め記録して成る新規のバーコードをラベル貼付部に供給する構成となっている。
【0034】
一方、バーコードリーダ10は、さらに図2(a)および(b)を参照すると、バーコード220(図1)に照射光を投光する投光源としての投光LED11と、照射光が投光されたバーコード220の反射光を反射ミラー12および受光レンズ13を介して受光して反射光強度に応じたレベルの検出信号を生成する光学センサとしてのCCDラインセンサ21とを有している。尚、本実施例においては、光学センサとしてCCDラインセンサ21を使用しているが、バーコードをピンポイントで照射するレーザ光源と、このレーザ光源をモータ等によって機械的にスキャニングする駆動部と一次元光学センサから成る構成のバーコードリーダを用いてもよい。
【0035】
バーコードリーダ10はさらに、コンベア40によって搬送方向に搬送される物品100の側面にバーコードの複数のバーの並列方向が搬送方向に対して垂直になるように印刷されたバーコード220を、複数のバーの並列方向に沿ってCCDラインセンサ21によって走査した際に得られるCCDラインセンサ21の検出信号に基づきバーコードに記録された情報を光学的に読み取るコード解析部31を有している。尚、バーコードの読み取り(解析)処理については、既知のことであるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
尚、物品100は、コンベア40によって所定の搬送速度で搬送される。コンベア40による搬送速度は、後述するバーコード位置検出部33に付随したメモリ34に予め記憶されている。尚、搬送速度は、バーコードラベル貼付装置50もしくは他の制御装置によって制御されてもよく、この場合には、逐次最新の搬送速度がバーコードリーダ10に与えられるようにする。
【0037】
また、物品100に印刷されたバーコード220の物品100の搬送方向における長さであるバー長は、予め決まっているものとする。バー長は、時間もしくは走査数で与えられ、バーコード位置検出部33に付随したメモリ34か、あるいは、後述するバーコードラベル貼付装置50の記憶手段に予め記憶される。バーコード220の物品100の搬送方向に直交する方向における位置も、予め決められているものとする。したがって、バーコード220の物品100の側面における形成位置(印刷位置)としては、物品100の搬送方向におけるバーコードの先端位置を検出すればよい。尚、バーコード220の縦方向の位置、即ち、物品100の搬送方向に直交する方向における位置が予め決まっているため、投光LED11およびCCDラインセンサ21等のバーコードリーダ10の光学系、後述するバーコードラベル貼付装置50のラベル貼付部55およびラベル印刷部56、同じく後述するバーコードシンボル印刷装置50’のシンボル印刷部55’は、バーコード220の物品100の搬送方向に直交する方向における位置に応じた位置に予め設置される。あるいは、バーコードの縦方向の位置が複数種類に亘る場合は、いずれの位置にも対応するように、バーコードの物品の搬送方向に直交する方向における位置に基づき、バーコードリーダの光学系、バーコードラベル貼付装置のラベル貼付部およびラベル印刷部、バーコードシンボル印刷装置のシンボル印刷部を駆動手段によって自動的に移動する構成としてもよい。
【0038】
さらに、バーコード220の投光LED11の照射光に対する反射率は、物品100の表面よりも低い。本例では、物品100は商品の梱包であるダンボール箱であって所謂黄土色等の淡色である一方、バーコード220(複数のバー)は、濃色もしくは黒色である。尚、バーコードラベルの場合には、そのラベル地は一般的に白色もしくは淡色であり、ラベル地に印刷されたバーコード(複数のバー)は、濃色もしくは黒色である。
【0039】
本バーコードリーダ10は特に、図2(b)に示されるように、物品100上のバーコード220(図1)の形成位置として、物品100の搬送方向におけるバーコード220(図1)の先端位置を検出するバーコード位置検出部33を有している。
【0040】
バーコード位置検出部33は、CCDラインセンサ21による走査を、搬送方向における物品100の先端で開始すると共に、等時間間隔で複数回行わせ、その走査回数をバーコード220の情報を読み取り始めるまでカウンタ35によってカウントし、カウントした走査回数と、メモリ34に予め記憶されている物品100の予め定められた搬送速度とに基づいて、物品100の搬送方向におけるバーコード220(図1)の先端位置を算出する。
【0041】
バーコード位置検出部33はさらに、コード解析部31やバーコード位置検出部33とバーコードラベル貼付装置50または後述するバーコードシンボル印刷装置50’(実施例2)との間でコマンドや検出結果を送受信するための通信インターフェース37を有している。制御部36は、バーコードリーダのすべての動作を制御する。尚、図2(b)には図示されていないが、バーコードリーダ10は、電源回路等をも有している。
【0042】
尚、本発明において、物品の側面とは、物品の搬送方向に平行な四面のいずれかであればよく、コンベアに接する載置面や、載置面に対向する上面であってもよい。また、物品100の側面を複数のバーの並列方向に沿ってCCDラインセンサ21によって行う各走査は、500μs(マイクロ秒)〜10ms(ミリ秒)程度の一定の時間間隔で行われる。物品100の搬送速度は決まっている場合は、各走査は、等距離間隔で行われることになる。
【0043】
次に、本実施例によるバーコードリーダ10を有するバーコードラベル貼付システムの動作を説明する。
【0044】
さらに図5を参照すると、バーコードラベル貼付装置50の制御部51は、ステップS10において、第1の光センサ52により、バーコードリーダ10の前に物品100の先端が到来したか否かを検出する。到来が無い場合には、図1(a)に示されたごとく引き続き監視を続ける。
【0045】
図1(b)に示されたごとくバーコードリーダ10の前に物品100の先端が到来すると、ステップS20において、制御部51は、通信インターフェース54を介して、バーコードリーダ10に対してバーコード220の先端位置検出を指示するコマンドと、走査開始トリガと、検出に必要な情報とを送信する。バーコードリーダ10が受信するコマンドおよびトリガと情報は、バーコード先端位置検出開始のコマンドおよび走査開始トリガと、バー長、救済措置としてのリトライフラグである。
【0046】
ステップS30においては、バーコードリーダ10の動作となる。
【0047】
さらに図4(a)を参照すると、ステップS31において、バーコードリーダ10のバーコード位置検出部33は、通信インターフェース37を介してバーコード位置検出開始コマンドと共に受け取った情報をメモリ34に記憶する一方、コマンドに対して肯定応答ACK(ACKnowledgement)を返し、準備が完了する。尚、コマンド受信エラー時には、否定応答NAK(Negative AcKnowledgement)を返す。
【0048】
ステップS32において、バーコードラベル貼付装置50からの走査開始トリガにより、バーコード位置検出部33は、走査の開始タイミングを取得する。走査開始位置は、物品100の搬送方向における物品先端からである。
【0049】
ステップS33において、バーコード位置検出部33は、バーコードラベル貼付装置50から走査終了トリガを受信したかを確認し、受信した場合にはバーコード位置検出シーケンスを一旦停止する。
【0050】
ステップS34において、バーコード位置検出部33は、CCDラインセンサ21によって走査を開始する。
【0051】
ステップS35において、バーコード位置検出部33は、一走査毎にメモリ34に予め記憶されている物品100の予め定められた搬送速度と、走査間隔に基づいて物品100の先端からの距離を計算し、その値(距離)をカウントアップして行く。
【0052】
ステップS36において、バーコード位置検出部33は、バーコードの有無を検出する。その走査においてバーコードが無かった場合には、ステップS33に戻る。尚、バーコードの有無は、バーコードの規格で定められた特定のバーを検出する等によって検出可能である。
【0053】
一方、その走査においてバーコードが有った場合には、カウントアップして来た位置を物品100の搬送方向におけるバーコード先端位置としてメモリ34に記憶した後、ステップS37において、バーコードに記録された情報の解析が行われる。
【0054】
ステップS37においては、コード解析部31の動作となる。
【0055】
さらに図4(b)を参照すると、バーコードリーダ10のコード解析部31は、ステップS371〜S373において、既知のバーコード解析の方法によって解析を行い、バーコード情報としてメモリ32に記憶し、図4(a)のステップS39に移行する。
【0056】
再び図4(a)を参照すると、ステップS39において、バーコード位置検出部33は、メモリ34に記憶されたバーコード先端位置を示す情報を、メモリ32に記憶されたバーコード情報と共に、通信インターフェース37を介してバーコードラベル貼付装置50に送信する。
【0057】
再び図5を参照すると、ステップS40において、バーコードラベル貼付装置50の制御部51は、通信インターフェース54を介して、バーコードリーダ10からバーコード先端位置を示す情報とバーコード情報とを受信したか否かを判断し、受信しなければバーコードが物品100に形成されていないとしてステップS60に移行する一方、受信したのであれば、ステップS50に移行する。
【0058】
ステップS50において、制御部51は、受信したバーコード情報が正しいか(最新の情報であるか)、否かを判断し、最新の情報であれば更新の必要はないとしてバーコード更新シーケンスを停止する。一方、バーコード情報が正しくない(古い情報である)場合は、ステップS60に移行する。
【0059】
ステップS60において、制御部51は、第2の光センサ53により、バーコードラベル貼付装置50自体の前に物品100の先端が到来したか否かを検出する。到来が無い場合には、引き続き監視を続ける。
【0060】
ステップS70において、制御部51は、ステップS60において検出した物品100の先端のタイミングと、ステップS40においてバーコードリーダ10から受信したバーコードの先端位置に基づいて、更新すべき情報を記録したバーコード240が印刷されたバーコードラベル230を貼り付けるべき位置まで物品100が移動したかどうかを判断する。尚、ステップS40においてバーコードの先端位置情報とバーコード情報とを受信していない場合には、物品100にバーコードが形成されていないとして、予め定められているバーコードラベル230を貼り付けるべき位置まで物品100が移動したかどうかを判断する。
【0061】
ステップS80において、制御部51は、物品100の古いバーコード220が形成されている位置もしくは所定のバーコードラベルを貼り付けるべき位置に、ラベル貼付部55により、更新すべき情報を記録したバーコード240が印刷されたバーコードラベル230を貼り付ける。そして、新規のバーコードラベル230が貼り付けられた物品100が、図1(d)に示されたごとく、コンベア40によって搬送される。
【0062】
以上のようにして、1つの物品100に対するバーコード更新シーケンスが実行された。
【0063】
尚、本実施例では、走査毎に距離計算と加算を行っているが、走査回数をカウントし、バーコードを検出してから、バーコード先端位置を算出するようにしてもよい。
【0064】
また、本実施例では、バーコードリーダ10が、カウントした前記走査回数と、走査間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を算出し、算出したバーコード先端位置をバーコードラベル貼付装置50に送信している。しかし、本発明は、バーコードリーダ10は走査回数をカウントするだけとし、この情報をバーコードラベル貼付装置50に送信し、バーコードラベル貼付装置50が物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を算出するようにしてもよい。この場合は、事前にバーコードリーダ10から走査間隔の情報をバーコードラベル貼付装置50に送信する等して、バーコードラベル貼付装置50に記憶しておくか、あるいは、カウント数の情報と同時に、もしくはその後に走査間隔の情報を送信する必要がある。
【0065】
[実施例2]
本発明の実施例2は、搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に印刷されている既存のバーコードシンボルを更新するために、新規のバーコードラベルを貼り付けるのではなく、新規のバーコードシンボルを印刷する点で、実施例1と異なる。このため、以下の説明において、実施例1と同一または同様の部分については、詳細な説明は省略する。
【0066】
本発明の実施例2のバーコードシンボル印刷システムは、例えば、物流センタに設置されたコンベアの近傍に配置されており、図2(a)および(b)に示されたバーコードリーダ10と、図6に示されたバーコードシンボル印刷装置50’とを有している。バーコードシンボル印刷装置50’と、バーコードリーダ10とは、通信ラインを介して接続されている。
【0067】
バーコードリーダ10は、コンベア40によって搬送される物品に印刷された複数のバーが並列して成るバーコード(バーコードシンボル)に記録された情報を光学的に読み取る。尚、本例においては、既存のバーコードが、物品の側面に印刷されたバーコードシンボルの形態で形成されているが、物品の側面に貼り付けられたバーコードラベルの形態で形成されていてもよい。バーコードラベルは、物品の表面同様に淡色もしくは白色のラベル地に濃色のバーコードが印刷されて成り、バーコードシンンボル同様に、バーコードリーダによって情報を光学的に読み取ることが可能である。
【0068】
図6を参照すると、本発明の実施例2のバーコードシンボル印刷システムは、搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に形成されているバーコード(シンボル)を、新規のバーコードシンボルに更新するものであり、バーコードリーダ10と、バーコードシンボル印刷装置50’とを有している。
【0069】
バーコードシンボル印刷装置50’は、バーコードリーダ10によって検出したバーコードに記録された情報が更新すべき情報である場合に、バーコードリーダによって検出した既存のバーコードの先端位置に基づき、そのバーコードを含むバーコードシンボルを塗り潰すと共に、塗り潰したバーコードシンボル上または物品の他の箇所に新規のバーコードシンボルを印刷する。
【0070】
バーコードシンボル印刷装置50’はさらに、バーコードリーダ10との通信手段(コマンド送信、レスポンス受信手段)としての通信インターフェース54と、既存のバーコードシンボルを塗り潰すと共に、新規のバーコードシンボルを印刷するシンボル印刷部55’と、バーコードリーダ10が読み取ったバーコード情報およびその他の情報を一時的または継続的に記憶する記憶手段(図示せず)と、バーコードの情報が正確か否かを判断する他、本装置の動作全般を制御する制御部51と、バーコードリーダ10の前に物品の先端が到来したことを検出する第1の光センサ52と、バーコードシンボル印刷装置50’のシンボル印刷部55’の前に物品の先端が到来したことを検出する第2の光センサ53とを有している。
【0071】
一方、バーコードリーダ10はさらに、コンベア40によって搬送方向に搬送される物品の側面にバーコードの複数のバーの並列方向が搬送方向に対して垂直になるように印刷されたバーコードを、複数のバーの並列方向に沿ってCCDラインセンサ21によって走査した際に得られるCCDラインセンサ21の検出信号に基づきバーコードに記録された情報を光学的に読み取るコード解析部31を有している。尚、バーコードの読み取り(解析)処理については、既知のことであるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
尚、物品は、コンベア40によって所定の搬送速度で搬送される。コンベア40による搬送速度は、後述するバーコード位置検出部33に付随したメモリ34に予め記憶されている。尚、搬送速度は、バーコードシンボル印刷装置50’もしくは他の制御装置によって制御されてもよく、この場合には、逐次最新の搬送速度がバーコードリーダ10に与えられるようにする。
【0073】
また、物品に印刷されたバーコードの物品の搬送方向における長さであるバー長は、予め決まっているものとする。バー長は、時間もしくは走査数で与えられ、バーコード位置検出部33に付随したメモリ34か、あるいは、後述するバーコードシンボル印刷装置50’の記憶手段に予め記憶される。バーコードの物品の搬送方向に直交する方向における位置も、予め決められているものとする。したがって、バーコードの物品の側面における形成位置(印刷位置)としては、物品の搬送方向におけるバーコードの先端位置を検出すればよい。尚、バーコードの縦方向の位置、即ち、物品の搬送方向に直交する方向における位置が予め決まっているため、投光LED11およびCCDラインセンサ21等のバーコードリーダ10の光学系、バーコードシンボル印刷装置50’のシンボル印刷部55は、バーコードの物品の搬送方向に直交する方向における位置に応じた位置に予め設置される。あるいは、バーコードの縦方向の位置が複数種類に亘る場合は、いずれの位置にも対応するように、バーコードの物品の搬送方向に直交する方向における位置に基づき、バーコードリーダの光学系、バーコードシンボル印刷装置のシンボル印刷部を駆動手段によって自動的に移動する構成としてもよい。
【0074】
さらに、バーコードの投光LED11の照射光に対する反射率は、物品の表面よりも低い。本例では、物品は商品の梱包であるダンボール箱であって所謂黄土色等の淡色である一方、バーコード(複数のバー)は、濃色もしくは黒色である。尚、バーコードラベルの場合には、そのラベル地は一般的に白色もしくは淡色であり、ラベル地に印刷されたバーコード(複数のバー)は、濃色もしくは黒色である。
【0075】
本バーコードリーダ10は特に、図2(b)に示されるように、物品上のバーコードの形成位置として、物品の搬送方向におけるバーコードの先端位置を検出するバーコード位置検出部33を有している。
【0076】
バーコード位置検出部33は、CCDラインセンサ21による走査を、搬送方向における物品の先端で開始すると共に、等時間間隔で複数回行わせ、その走査回数をバーコードの情報を読み取り始めるまでカウンタ35によってカウントし、カウントした走査回数と、メモリ34に予め記憶されている物品の予め定められた搬送速度とに基づいて、物品の搬送方向におけるバーコードの先端位置を算出する。
【0077】
バーコード位置検出部33はさらに、コード解析部31やバーコード位置検出部33とバーコードシンボル印刷装置50’との間でコマンドや検出結果を送受信するための通信インターフェース37を有している。制御部36は、バーコードリーダのすべての動作を制御する。尚、図2(b)には図示されていないが、バーコードリーダ10は、電源回路等をも有している。
【0078】
尚、本発明において、物品の側面とは、物品の搬送方向に平行な四面のいずれかであればよく、コンベアに接する載置面や、載置面に対向する上面であってもよい。また、物品の側面を複数のバーの並列方向に沿ってCCDラインセンサ21によって行う各走査は、500μs(マイクロ秒)〜10ms(ミリ秒)程度の一定の時間間隔で行われる。物品の搬送速度は決まっている場合は、各走査は、等距離間隔で行われることになる。
【0079】
次に、本実施例によるバーコードリーダ10を有するバーコードシンボル印刷システムの動作を説明する。
【0080】
さらに図7を参照すると、バーコードシンボル印刷装置50’の制御部51は、ステップS10において、第1の光センサ52により、バーコードリーダ10の前に物品の先端が到来したか否かを検出する。到来が無い場合には、引き続き監視を続ける。
【0081】
バーコードリーダ10の前に物品の先端が到来すると、ステップS20において、制御部51は、通信インターフェース54を介して、バーコードリーダ10に対してバーコードの先端位置検出を指示するコマンドと、走査開始トリガと、検出に必要な情報とを送信する。バーコードリーダ10が受信するコマンドおよびトリガと情報は、バーコード先端位置検出開始のコマンドおよび走査開始トリガと、バー長、救済措置としてのリトライフラグである。
【0082】
ステップS30においては、バーコードリーダ10の動作となる。
【0083】
さらに図4(a)を参照すると、ステップS31において、バーコードリーダ10のバーコード位置検出部33は、通信インターフェース37を介してバーコード位置検出開始コマンドと共に受け取った情報をメモリ34に記憶する一方、コマンドに対して肯定応答ACK(ACKnowledgement)を返し、準備が完了する。尚、コマンド受信エラー時には、否定応答NAK(Negative AcKnowledgement)を返す。
【0084】
ステップS32において、バーコードシンボル印刷装置50’からの走査開始トリガにより、バーコード位置検出部33は、走査の開始タイミングを取得する。走査開始位置は、物品の搬送方向における物品先端からである。
【0085】
ステップS33において、バーコード位置検出部33は、バーコードシンボル印刷装置50’から走査終了トリガを受信したかを確認し、受信した場合にはバーコード位置検出シーケンスを一旦停止する。
【0086】
ステップS34において、バーコード位置検出部33は、CCDラインセンサ21によって走査を開始する。
【0087】
ステップS35において、バーコード位置検出部33は、一走査毎にメモリ34に予め記憶されている物品の予め定められた搬送速度と、走査間隔に基づいて物品の先端からの距離を計算し、その値(距離)をカウントアップして行く。
【0088】
ステップS36において、バーコード位置検出部33は、バーコードの有無を検出する。その走査においてバーコードが無かった場合には、ステップS33に戻る。尚、バーコードの有無は、バーコードの規格で定められた特定のバーを検出する等によって検出可能である。一方、その走査においてバーコードが有った場合には、カウントアップして来た位置を物品の搬送方向におけるバーコード先端位置としてメモリ34に記憶した後、ステップS37において、バーコードに記録された情報の解析が行われる。
【0089】
ステップS37においては、コード解析部31の動作となる。さらに図4(b)を参照すると、バーコードリーダ10のコード解析部31は、ステップS371〜S373において、既知のバーコード解析の方法によって解析を行い、バーコード情報としてメモリ32に記憶し、図4(a)のステップS39に移行する。
【0090】
再び図4(a)を参照すると、ステップS39において、バーコード位置検出部33は、メモリ34に記憶されたバーコード先端位置を示す情報を、メモリ32に記憶されたバーコード情報と共に、通信インターフェース37を介してバーコードシンボル印刷装置50’に送信する。
【0091】
再び図7を参照すると、ステップS40において、バーコードシンボル印刷装置50’の制御部51は、通信インターフェース54を介して、バーコードリーダ10からバーコード先端位置を示す情報とバーコード情報とを受信したか否かを判断し、受信しなければバーコードが物品に形成されていないとしてステップS60に移行する一方、受信したのであれば、ステップS50に移行する。
【0092】
ステップS50において、制御部51は、受信したバーコード情報が正しいか(最新の情報であるか)、否かを判断し、最新の情報であれば更新の必要はないとしてバーコード更新シーケンスを停止する。一方、バーコード情報が正しくない(古い情報である)場合は、ステップS60に移行する。
【0093】
ステップS60において、制御部51は、第2の光センサ53により、ステップS60において検出した物品の先端のタイミングと、ステップS40においてバーコードリーダ10から受信したバーコードの先端位置に基づいて、更新すべき情報を記録したバーコード(バーコードシンボル)を印刷すべき位置まで物品が移動したかどうかを判断する。尚、ステップS40においてバーコードの先端位置情報とバーコード情報とを受信していない場合には、物品にバーコードが形成されていないとして、予め定められているバーコードシンボルを印刷すべき位置まで物品が移動したかどうかを判断する。
【0094】
ステップS90において、制御部51は、シンボル印刷部55’により、物品の古いバーコードを塗り潰した後に、塗り潰した位置もしくは所定のバーコードシンボルを印刷すべき位置に、更新すべき情報を記録したバーコード(バーコードシンボル)を印刷する。あるいは、既存のバーコードが無い場合には、所定のバーコードシンボルを印刷すべき位置に、シンボル印刷部55’により、更新すべき情報を記録したバーコード(バーコードシンボル)を印刷する。そして、新規のバーコード(バーコードシンボル)が印刷された物品が、コンベアによって搬送される。
【0095】
以上のようにして、1つの物品に対するバーコード更新シーケンスが実行された。
【0096】
尚、本実施例では、走査毎に距離計算と加算を行っているが、走査回数をカウントし、バーコードを検出してから、バーコード先端位置を算出するようにしてもよい。
【0097】
また、本実施例では、バーコードリーダ10が、カウントした前記走査回数と、走査間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を算出し、算出したバーコード先端位置をバーコードシンボル印刷装置50’に送信している。しかし、本発明は、バーコードリーダ10は走査回数をカウントするだけとし、この情報をバーコードシンボル印刷装置50’に送信し、バーコードシンボル印刷装置50’が物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を算出するようにしてもよい。この場合は、事前にバーコードリーダ10から走査間隔の情報をバーコードシンボル印刷装置50’に送信する等して、バーコードシンボル印刷装置50’に記憶しておくか、あるいは、カウント数の情報と同時に、もしくはその後に走査間隔の情報を送信する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本願特許請求の範囲に記載された技術範囲内であれば、種々の変形が可能であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0099】
10 バーコードリーダ
11 投光LED
12 反射ミラー
13 受光レンズ
21 CCDラインセンサ
31 コード解析部
32 メモリ
33 バーコード位置検出部
34 メモリ
35 カウンタ
36 制御部
37 通信インターフェース
40 コンベア
50 バーコードラベル貼付装置
50’ バーコードシンボル印刷装置
51 制御部
52 第1の光センサ
53 第2の光センサ
54 通信インターフェース
55 ラベル貼付部
55’ シンボル印刷部
56 ラベル印刷部
100 物品
220 バーコード(バーコードシンボル)
230 バーコードラベル
240 バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバーが並列して成るバーコードに記録された情報を光学的に読み取るバーコードリーダであって、
バーコードに照射光を投光する投光源と、照射されたバーコードの反射光を受光して反射光強度に応じたレベルの検出信号を生成する光学センサとを有し、
搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に、複数のバーの並列方向が該搬送方向に対して垂直になるように、かつ、前記投光源による照射光に対する反射率が物品の表面よりも低い状態で形成されたバーコードを、当該並列方向に沿って前記光学センサによって走査し、該光学センサの検出信号に基づきバーコードに記録された情報を光学的に読み取るバーコードリーダにおいて、
物品上のバーコードの形成位置として、物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を検出するバーコード位置検出部を有し、
前記バーコード位置検出部は、前記光学センサによる走査を、前記搬送方向における物品先端で開始すると共に、等時間間隔で複数回行わせ、当該走査回数を、物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置に関する情報として、バーコードの情報を読み取り始めるまでカウントすることを特徴とするバーコードリーダ。
【請求項2】
前記バーコード位置検出部は、物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置に関する情報としてカウントした前記走査回数を、バーコードに記録された情報と共に、外部装置に対して出力する請求項1に記載のバーコードリーダ。
【請求項3】
前記バーコード位置検出部は、前記搬送方向における物品先端が前記光学センサに到来したことを外部装置から取得する請求項1または2に記載のバーコードリーダ。
【請求項4】
搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に形成されているラベル地にバーコードが印刷されて成る既存のバーコードラベルまたはバーコードシンボルを新規のバーコードラベルに更新するバーコードラベル貼付システムであって、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバーコードリーダと、
前記バーコードリーダによって検出したバーコードに記録された情報が更新すべき情報である場合に、該バーコードリーダによってカウントした前記走査回数と、走査の時間間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて、物品の前記搬送方向における既存のバーコードの先端位置を算出し、さらに、算出した既存のバーコードの先端位置に基づき、当該バーコードを含むバーコードラベルまたはバーコードシンボル上に新規のバーコードラベルを重ね貼りするバーコードラベル貼付装置とを有することを特徴とするバーコードラベル貼付システム。
【請求項5】
ラベル地に更新した情報を記録して成る新規のバーコードを印刷することにより、新規のバーコードラベルを作る手段を有する請求項4に記載のバーコードラベル貼付システム。
【請求項6】
搬送方向に所定の搬送速度で搬送される物品に印刷されている既存のバーコードシンボルを新規のバーコードシンボルに更新するバーコードシンボル印刷システムであって、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバーコードリーダと、
前記バーコードリーダによって検出したバーコードシンボルに含まれるバーコードに記録された情報が更新すべき情報である場合に、該バーコードリーダによってカウントした前記走査回数と、走査の時間間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて、物品の前記搬送方向における既存のバーコードの先端位置を算出し、さらに、算出した既存のバーコードの先端位置に基づき、当該バーコードを含むバーコードシンボルを塗り潰すと共に、塗り潰したバーコードシンボル上または物品の他の箇所に新規のバーコードシンボルを印刷するバーコードシンボル印刷装置とを有することを特徴とするバーコードシンボル印刷システム。
【請求項7】
前記バーコード位置検出部は、カウントした前記走査回数と、走査の時間間隔と、物品の前記搬送速度とに基づいて、物品の前記搬送方向における既存のバーコードの先端位置を算出する請求項1または3に記載のバーコードリーダ。
【請求項8】
前記バーコード位置検出部は、算出した物品の前記搬送方向におけるバーコード先端位置を示す情報を、バーコードに記録された情報と共に、外部装置に対して出力する請求項7に記載のバーコードリーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−215696(P2011−215696A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80529(P2010−80529)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】