説明

パイプジョイントアセンブリー及びこれを用いた温水ボイラーシステム

【課題】ワンタッチタイプで結合及び分離が可能なパイプジョイントアセンブリー及びこれを用いた温水ボイラーシステムを提供する。
【解決手段】パイプジョイントアセンブリーは、パイプ連結部、前記連結部に繋がれた収容部、前記収容部に備えられた案内部、及び前記案内部に繋がれた係合部が一体的に構成された雌部材;及びパイプ結合部、前記結合部に繋がれた被収容部、及び前記被収容部の外周面に備えられ、前記案内部を経って前記係合部に定着する係合体が一体的に構成された雄部材を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワンタッチタイプで結合及び分離が可能なパイプジョイントアセンブリー及びこれを用いた温水ボイラーシステムに係る。より詳しくは、雌部材の収容部に雄部材の被収容部を嵌合して回転させればワンタッチ方式で締結及び分離が可能であり、温水ボイラーシステムに適用する場合、温水ボイラーの移動、温水循環チューブの掃除など、温水ボイラーと温水循環チューブまたは温水マットを分解する場合あるいはボイラーまたは温水マットの分解及び再組立の際に便利性を極大化することができるパイプジョイントアセンブリー及びこれを用いた温水ボイラーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパイプジョイント、特に温水ボイラーのためのパイプジョイント製品の場合は、ワンタッチフィッティングまたはツータッチフィッティング、ソケットへの強制組立て、チューブバンドの締結などによって、温水ボイラーと温水循環チューブ及び温水マットのチューブ(温水循環チューブ)を連結する。したがって、連結時の困難さ、分解時の困難さ、そして使用中離脱の問題点を持つことになる。
【0003】
これをより詳細に説明すると、図12のような従来のワンタッチフィッティングの場合、組立て及び分解の便利性はあるが、使用条件が温水であるため、使用時間の経過によってチューブが軟質化し常温の状態より水密性が落ちて漏水の確率が高くなり、また使用中にチューブが折れるかあるいはチューブが動く場合も漏水発生の危険がある。
【0004】
また、図13のような従来のツータッチフィッティングの場合、ワンタッチフィッティングに比べ、温水の条件でも水密維持性は良いが、組立て及び分解の際に困難さがあり、さらにチューブに変形が発生してチューブを分解して再び組立てる場合に水密性が落ち、また新しく水密性を維持するためには一定の長さを切り捨てて使うため、浪費の問題がある。
【0005】
ツータッチフィッティングの場合、フィッティングのチューブ組立部の外径が大きいから、フィッティングと組み立てられる部分のチューブを拡張した後に組立てるか強制で押し入れることで、組立てられながら自然に拡大されるので、後にキャップ(またはブッシング)を用いてもう一度締結することで水密を維持する。この際、キャップをフィッティングのネジ部に沿って締めながら、キャップの内径部が、既に拡張されて組立てられたチューブの外径部を一度押し付けて密着することになるが、キャップの角部によってチューブが損傷されるので、再使用の際、水密性に問題が生じる。
【0006】
図14のような従来のソケット強制組立ての場合は、ツータッチフィッティングと類似の方式でキャップが使われない。ソケットに離脱防止構造がチューブの内径より大きな寸法に形成され、ここにチューブを強制で押し入れればチューブはソケットの大きな寸法だけ拡張されて組立てられる。
【0007】
したがって、チューブが拡張されたため、元の形状に戻ろうとする力でソケットと密着して水密を維持することになる。ここで、強制でチューブを組立てるためには、組立ての際に強い力を加えて組立てなければならないので、組立てに多大な力が必要であり、分解の際にも強い力で引くことにより分解が可能である。また、長期間の組立状態での使用後に分解すると、チューブが拡張されて内径が拡径されるので、再使用の際に漏水のおそれが高く、漏水を改善するためには、拡張された部位を切り捨ててから使わなければならないので、不便であり、浪費が発生する。そして、チューブの内圧が低圧の場合には問題とならないが、高圧作用時には内圧によってチューブが分解されて漏水が発生する。
【0008】
また、図15のような従来のバンドを用いる締結の場合は、ソケットに自然にチューブを押し入れて組立てるかあるいは少し強制で組立てることでチューブを組立てた後、外部からチューブバンドを用いてもう一度締める方式である。ここで、チューブバンドの使用により水密維持性は良いが、チューブバンドで密着させるためにチューブバンドを締めることにより、チューブの外径部が強制で縮小されるため、チューブの外径部で変形が発生し、ひどい場合には切れが発生する。そして、チューブバンドを締めるために付加の工具が必要で不便が発生し、さらに外部に付加のバンドを使用するため、外観がよくない。
【0009】
一方、特許文献1の『温水マットのホース連結構造』には、マットの内部にジグザグ形に埋設されたホースの端部を前記マットの端部と一致させて切断することでホースがマットの外部に露出しないようにし、このホースの端部にプラグを設置し、前記プラグには、温水供給装置に連結されたホースをワンタッチ方式で着脱されるソケットを設置することにより、マットと温水供給装置が連結された温水ホースとの着脱を容易にすることはもちろんのこと、前記プラグとソケットを分離するときにもホースの内部に流入した水が外部に流出しないだけでなく、ホースがマットの外部に露出しないので、移動の容易性を提供する、温水マットのホース連結構造が開示されている。
【0010】
しかし、前記特許文献1の場合には、配管の分離の際、ロック板を押してプラグを抜かなければならないため、両手を使用して分離作業を行わなければならないので不便であり、ロック板を強く押せばボイラーが倒れて漏水が発生する危険があり、温水がこぼれる場合、火傷の危険まで存在するという欠点を持つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】大韓民国特許発明第0772696号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は前記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、雌部材の収容部に雄部材の被収容部を嵌合して回転させれば、ワンタッチ方式で締結可能で分離も可能であり、温水ボイラーシステムに適用する場合、温水ボイラーの移動、温水循環チューブの掃除など、温水ボイラーと温水循環チューブまたは温水マットを分解する場合、あるいはボイラーまたは温水マットを分解するか再び組立てるとき、便利性を極大化することができるパイプジョイントアセンブリー及びこれを用いた温水ボイラーシステムを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、雌部材の係合部に、前記係合体のための離脱防止手段を導入することで雄部材と雌部材の任意分離の危険を除去することができるパイプジョイントアセンブリーを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するために、本発明は、パイプ連結部、前記連結部に繋がれた収容部、前記収容部に備えられた案内部、及び前記案内部に繋がれた係合部が一体的に構成された雌部材;及びパイプ結合部、前記結合部に繋がれた被収容部、及び前記被収容部の外周面に備えられ、前記案内部を経て前記係合部に定着する係合体が一体的に構成された雄部材;を含んでなることを特徴とするパイプジョイントアセンブリーを提供する。
【0015】
前記雌部材の係合部には、前記係合体の離脱防止手段が備えられていることができる。
【0016】
前記離脱防止手段は、前記雌部材の係合部に備えられた突起または孔であってもよい。
【0017】
また、本発明は、水槽を備えたボイラー;マット;前記ボイラーに連結され、前記マットの内部に配設される温水循環チューブ;パイプ連結部、前記連結部に繋がれた収容部、前記収容部に備えられた案内部、及び前記案内部に繋がれた係合部が一体的に構成された雌部材;及びパイプ結合部、前記結合部に繋がれた被収容部、及び前記被収容部の外周面に備えられ、前記案内部を経って前記係合部に定着する係合体が一体的に構成された雄部材;を含んでなり、前記雌部材のパイプ連結部は前記水槽または前記温水循環チューブに連結され、前記雄部材のパイプ結合部は前記温水循環チューブまたは前記水槽に連結される、ことを特徴とする温水ボイラーシステムを提供する。
【0018】
また、本発明は、前記目的を達成するために、前記の温水ボイラーシステムであって、前記水槽を収容し、装着部を持つボイラー本体;駆動部;前記駆動部に連動するインペラー;前記駆動部を取り囲む外被と、前記外被の上部に配設され、前記ボイラー本体の装着部に連結された装着ブラケットと、前記外被の下部に配設され、流入部と吐出部を持つカバーとを含み、前記ボイラー本体の装着部に連結されたポンプハウジング;をさらに含み、前記駆動部を成すモーターの駆動軸は垂直に設置され、前記インペラーは前記駆動軸の下端に備えられたことを特徴とする温水ボイラーシステムを提供する。
【0019】
前記ポンプハウジングのカバー吐出部の周辺には再循環孔が形成されていることができる。前記駆動部を成すモーターには通気路が備えられ、前記通気路は前記モーターの固定子と回転子の間に配設され、前記通気路は排気管を介して再び水槽に連結されていることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によるパイプジョイントアセンブリー及びこれを用いた温水ボイラーシステムは、雌部材の収容部に雄部材の被収容部を嵌合して回転させれば、ワンタッチ方式で締結可能で分離も可能であり、温水ボイラーシステムに適用する場合、温水ボイラーの移動、温水循環チューブの掃除など、温水ボイラーと温水循環チューブまたは温水マットを分解する場合、あるいはボイラーまたは温水マットを分解するか再び組立てるとき、便利性を極大化することができ、また雌部材の係合部に前記係合体のための離脱防止手段を導入することで雄部材と雌部材の任意分離の危険を除去することができる。
【0021】
また、本発明の温水ボイラーシステムでは、ボイラーにおいて、ポンプハウジングを構成する外被と、装着ブラケットと、カバーとがそれぞれ分離された形態で連結されるとき、特に装着ブラケットとカバーを連結し駆動部を取り囲む外被が吸振体からなるとき、ポンプの作動時に発生する振動を吸収してポンプハウジングと結合されたボイラーの他の部品に振動が伝達されることを根本的に遮断して騷音を低減させ、さらにポンプハウジングの含みボイラーを構成する各部品間の結合が振動によって緩むかまたは解けることを防止することにより、ボイラーの維持管理に必要な作業時間及び費用を節減して経済性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明の温水ボイラーシステムでは、ポンプハウジングの外被の上部に配設され外被の内周面に外接する環状ガイド部を持つ気密維持部材が備えられるとき、特にガイド部の断面形状は上広下狭の形になるとき、外被の内周面とガイド部との密着性を高めてハウジングの外被と気密維持部材間の気密性を向上させることができる。
【0023】
さらに、本発明の温水ボイラーシステムでは、外被と装着ブラケットの結合のために第1及び第2フランジが形成され、外被の第1フランジの下面部と装着ブラケットの第2フランジの上面部には互いに対応する凹凸部が形成されるとき、外被と装着ブラケットの接触面での気密維持を保障して製品の信頼性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるパイプジョイントアセンブリーが適用された温水ボイラーシステムを示す図である。
【図2】変形パイプジョイントアセンブリーを示す図である。
【図3】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーを示す断面図である。
【図4】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーを示す分解断面図である。
【図5】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーのハウジング構造を示す分解及び結合断面図及び拡大図である。
【図6】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーを示す概略正断面図である。
【図7】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーを示す分解断面図である。
【図8】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーの変形例の概略正断面図である。
【図9】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーの変形例の分解断面図である。
【図10】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーの他の変形例の概略正断面図である。
【図11】本発明による温水ボイラーシステムの温水ボイラーの他の変形例のハウジングのカバーを示す図である。
【図12】従来のワンタッチフィッティングの結合断面図及び分解断面図である。
【図13】従来のツータッチフィッティングの結合断面図及び分解断面図である。
【図14】従来のソケットの強制組立ての場合の結合断面図及び分解断面図である。
【図15】従来のバンドを用いる締結の場合の結合断面図及び分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。本発明は多様に変更可能であり、いろいろの形態を持つことができる。以下では具現例(実施例)に基づいて本発明を詳細に説明するが、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、等価物または代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0026】
すべての図面において、同一参照符号、特に十の桁及び一の桁の数、または十の桁及び一の桁の文字とアルファベットが同一の参照符号は同一または類似の機能を持つ部材を示し、特に言及がない限り、図面の各参照符号が指す部材はこのような基準に従う部材として理解すれば良い。ただ、図1及び図2の第1図群の参照符号と、図3〜図5の第2図群の参照符号、そして図6〜図11の第3図群の参照符号及び指示は特に言及しない限り互いに関係ない。
【0027】
本明細書で使用する用語は、ただ特定の具現例(実施例)を説明するためのもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈で特に言及しない限り複数の表現を含む。本出願明細書で、「含む」、または「なる」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0028】
別に定義しない限り、技術的または科学的用語を含み、ここで使われるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者によって一般的に理解可能なものと同一の意味を持っている。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈で持つ意味と一致する意味を持つものとして解釈しなければならないし、本出願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されない。
【0029】
まず、第1図群に当たる図1に示すように、本発明による温水ボイラーシステムは、大別して、水槽B1(この参照符号「B1」と図3及び図4の参照符号「13」は同一の水槽を指すものであるが、便宜上相異なる符号を使った)を内蔵したボイラーBと、使用者が横になるか座ることになるマットMと、前記ボイラーに連結され、前記マットの内部に配設される温水循環チューブTと、温水循環チューブT及び水槽B1の間の連結部に備えられたパイプジョイントアセンブリーAとからなる。
【0030】
本明細書で、「パイプ」、「チューブ」、「配管」は便宜上互いに異なるように指称したもので、本質的な違いを持つものではない。
【0031】
本発明によるパイプジョイントアセンブリーAは、雌部材110、雄部材120、及び雄部材の連結部111と雌部材の結合部121の間に配設されて水密性を保障するパッキングリング130を含む。前記雌部材110は一体型に構成されるもので、パイプ連結部111、前記連結部に繋がれた収容部113、前記収容部に備えられた案内部115、及び前記案内部に繋がれた係合部117を含む。
【0032】
前記パイプ連結部111は、軟質チューブ(またはパイプ)と結合されて水密性を高めるようにする環状突条(多段突条、符号なし)が備えられている。案内部、特に前記収容部113の内面に形成された案内部115は係合部117に連結され、製造の便利性を考慮して外部から確認可能な通孔構造を持つが、必要によっては単に収容部113の内面に連続して形成された溝構造に製造できる。
【0033】
また、前記雌部材110の係合部117には、前記雄部材120の係合体125のための離脱防止手段が備えられることが好ましい。本具現例では係止突起117aでなる。
【0034】
また、ボイラーBから排出される温水がマットMを循環してから再び水槽に流入される温水ボイラーシステムの特性に合うように、雌部材110は二つの収容部113を持つことが好ましい。また、この二つの雌部材110がボイラーBのハウジングに容易に組立てられるようにするために、二つの雌部材が連結体110Aによって連結されていることが好ましく、前記連結体110Aの両側縁部にはボイラーBのハウジングが差し込まれる結合溝110aが形成されている。
【0035】
次に、雄部材120も一体型に構成されるもので、パイプ結合部121、前記結合部に繋がれた被収容部123、及び被収容部123の外周面に備えられ、前記案内部115を通じて前記係合部117に定着する係合体125を持つ。前記結合部121の外周面にも、軟質チューブ(またはパイプ)が結合されて水密性を高めるようにする環状突条が備えられている。また、前記収容部113に結合される前記被収容部123には環状溝123aが形成され、この二つの環状溝のそれぞれにはパッキングリング130が結合される。
【0036】
また、被収容部123と結合部121の間には、結合部121側に形成されたボルト部(符号なし)をチューブとの水密性締結のための他の部材のナットに結合しやすくする工具結合部127、特に六角形工具結合部が形成されている。
【0037】
雌部材110の連結部111には、ボイラーBの水槽B1に連結された温水循環チューブT1(この参照符号「T1」と図3の参照符号「7」はいずれも温水循環チューブを指すものであるが、便宜上異なる符号を使った)が結合され、雄部材120の結合部121には温水循環チューブTの端部が結合される。必要によって前記雌部材のパイプ連結部111は前記チューブに連結され、前記雄部材のパイプ結合部121は前記水槽に連結される形に変形できる。
【0038】
前記雄部材120には係合体125が形成されているので、雄部材と雌部材の結合の際、雄部材120の被収容部123を雌部材110の収容部113に挿入し、係合体125が雌部材110の案内部115を通じて係合部117の入口部に位置するときに旋回させれば、係合体125は離脱防止手段を成す係止突起117aを越えて定着されるので、勝手に旋回して雄部材と雌部材が分離されたり温水が漏出される危険を防止することができる。また、前記係合体125が前記係止突起117aを越えて抜けることにより、雄部材120が容易に分離または結合できるように、前記係合体125の係止突起117a側の両端部は柔らかに屈曲した形状をしている。平面図及び断面図を混合した図1においては、上部の拡大円部内に、パッキングリング130が断面を現すように示されている。
【0039】
図2は他の形態の雄部材と雌部材の離脱防止手段を示している。図2の上下の図は平面図及び断面図を混合した形態で、円形パッキングリング130、131は、いずれも断面を現すように示されている。
【0040】
図2の形態では、図1とは異なり、雄部材120の被収容部123の端部には付加のパッキングリング131が備えられているので、雌部材110の収容部113の結合の際、雄部材を旋回させながら押し入れれば、前記パッキングリング131の端部131Aが収縮するにつれて雄部材120の係合体125は雌部材110の係合部117に位置することになり、続いて雄部材を旋回させて結合させれば、係合体125は係合部117の端部に至って停止する。この状態で外力が除去されると、パッキングリング131の弾支端部131A(上部の拡大円部参照)が膨脹するので、係合体125は後退して係合溝117bに定着されることにより、雄部材が勝手に旋回して雄部材と雌部材が分離される危険が除去される。
【0041】
このような係止突起または溝の形態の離脱防止手段は多様に変形して導入することができる。
【0042】
以下では、本発明による温水ボイラーシステムを構成する温水ボイラーについて説明する。特に、振動及び騷音低減構造を持つポンプハウジングを備えた温水ボイラーについて説明する。
【0043】
まず、振動及び騷音低減の特徴に関連し、便宜上添付の図4を参照して方向基準を特定する。すなわち、モーター21の固定子23が位置する側を上部または上方に特定し、水槽13が位置する側を下部または下方に特定する。
【0044】
第2図群にあたる図3〜図5は、振動及び騷音低減構造を持つポンプハウジング40を備えた温水ボイラーを示す。この温水ボイラーは、装着部13aを持つボイラー本体10;駆動部20;前記駆動部20に連動するインペラー30;及び前記駆動部20を取り囲む外被41と、前記外被41の上部に配設され、前記ボイラー本体10の装着部13aに連結された装着ブラケット43と、前記外被41の下部に配設され、流入部46と吐出部を持つカバー45とを含み、前記ボイラー本体10の装着部13aに連結されたポンプハウジング40;を含んでなり、前記ハウジング40の外被41は吸振体でなることを特徴とする。
【0045】
図3及び図4に示すように、振動及び騷音低減構造を持つポンプハウジング40を備えた温水ボイラーにおいて、前記ボイラー本体10は、外部ケーシング11と、前記外部ケーシング11内に内蔵される水槽13とを含んでなる。そして、前記水槽13の底面部には、流体を水槽13内に流入させるための回収口13cが形成され、前記回収口13cは水槽13内に流体を循環供給するための温水循環チューブ7に連結され、前記水槽13の上端部には、水槽13内に内蔵されるハウジング40を固定させるための装着部13aが形成され、前記装着部13aは後述するハウジング40の装着ブラケット43に連結されることにより、ハウジング40を水槽13に固定させることになる。
【0046】
また、本発明を構成する温水ボイラーは流体の循環のためのポンプが水槽13内に浸かった状態で配設され、水槽13内の流体は電気ヒーター(図示せず)によって暖まり、循環ポンプによって各温水循環チューブ7を通じて循環することにより暖房がなされる。図3及び図4に示すように、振動及び騷音低減構造を持つポンプハウジング40を備えた温水ボイラーにおいて、前記駆動部20は、コイルが巻線された固定子23と、前記固定子23によって取り囲まれた回転子25とを含むモーター21からなる。したがって、前記駆動部20のモーター21に電流が供給されれば、巻線された固定子23のコイルによる電磁気誘導によって回転子25に誘導電流が発生して回転することになる。前記回転子25には軸貫通部25aが形成されており、前記軸貫通部25aに挿入されている回転軸1を中心に回転することになる。
【0047】
そして、前記モーター21の固定子23の上面部には、前記回転軸1を固定させるための固定部23aが下向きに突設され、前記回転軸1が固定部23aに挿入固定される。この場合、前記回転子25の軸貫通部25aの上端部と前記固定部23aの下端部の間にはワッシャ3が備えられることで、軸貫通部25aと固定部23aの各端面部を支持することになる。
【0048】
また、前記モーター21の固定子23の上面部には下向きに突出した固定部23aが形成され、中心軸が前記固定部23aに挿入固定され、前記固定部23aの上部には固定部23aと連通した排気口27が形成されてリターンチューブ29に連結されることにより、ポンプの作動の際、上部の空気と流体が前記排気口27を通じてリターンチューブ29を通って回収される。
【0049】
図3及び図4に示すように、振動及び騷音低減構造を持つポンプハウジング40を備えた温水ボイラーにおいて、前記インペラー30は前記駆動部20に連結され、前記駆動部20の回転時に連動して回転することにより、ポンプ内の圧力を上昇させてポンプのポンピング圧を形成して流体を循環させることになる。すなわち、前記インペラー30は、前記回転子25に連結され、中空部31aを持つ本体31と、前記本体31の下部に連結されたブレード33と、前記ブレード33の下面に備えられ、ハウジング40のカバー45に形成された流入部46を取り囲んで前記ブレード33への流体の流入を誘導するための案内部33aとを含んでなる。したがって、インペラー30は前記モーター21の回転子25の駆動時に連動して回転し、前記回転軸1によって前記回転子25とインペラー30が軸支される。
【0050】
図3〜図5に示すように、振動及び騷音低減構造を持つポンプハウジング40を備えた温水ボイラーにおいて、前記ハウジング40は、前記駆動部20を取り囲む外被41と、前記外被41の上部に配設された装着ブラケット43と、前記外被41の下部に配設されたカバー45とを含み、前記ボイラー本体10の装着部13aに結合されてボイラー本体10内に内蔵されるように形成され、前記ハウジング40の外被41、装着ブラケット43及びカバー45は、互いに連結された別個の形態であって、前記ハウジング40の外被41は吸振体となる。
【0051】
一方、従来の温水ボイラーに使われるポンプハウジングの場合には、外被、装着ブラケット及びカバーが一体的に形成され、装着ブラケットが水槽に連結されてハウジングを結合させ、前記ハウジングが結合された水槽は外部ケーシングと結合される。そして、従来のポンプハウジングの内部には駆動部とインペラーが内蔵される。この場合、流体の循環のためにモーターが回転してポンプが作動すれば、回転軸を中心にモーターの回転子とこれに連結されたインペラーが回転することになり、この際、回転軸と回転子またはインペラーの各接触面で相互間の回転摩擦による振動が発生することになる。よって、前記駆動部とインペラーが内蔵されたポンプハウジングに振動が伝達され、このように伝達された振動はハウジングを介してハウジングに連結された水槽に伝達され、同時に水槽に連結された外部ケーシングまで振動が伝達される問題がある。
【0052】
さらに、駆動部の固有回転による固有振動とこれによって発生するハウジングの振動の周波数が同一になって共振が発生する場合には、ハウジング、水槽及び外部ケーシングの各結合部では非常に大きな力の振動が発生する。この場合、発生する騷音はおびただしい轟音を伴って不快感を引き起こすか、あるいはこのような振動によって各構成間の結合が緩むかあるいは結合力が低下して相互間の摩擦による摩耗によって耐久性に問題がある。
【0053】
よって、耐久性問題だけでなく、互いに結合された部分が定期的な振動によって解けることにより結合が緩むことを防止するために、随時温水ボイラーの結合状態を点検しなければならず、これにより補修作業などの維持管理のために必要な作業及びその費用を負担しなければならない問題がある。すなわち、ハウジング40は前述したような従来のポンプハウジング40における振動及び騷音による問題を解決するために、外被41、装着ブラケット43及びカバー45をそれぞれ別個になった分離型に構成し、前記外被41を、一定の弾性を持つとともに、装着ブラケット43とカバー45の結合時に一定の剛性を持つ吸振体で構成している。
【0054】
したがって、モーター21の回転子25とインペラー30の回転中心の役目をする回転軸1が互いに摩擦して振動が発生するとき、前記外被41が振動を吸収することで、外被41の上部に連結された装着ブラケット43に振動が伝達されることを防止し、これにより水槽13及び外部ケーシング11に伝達される振動を遮断することで騷音の原因を根本的に遮断することができる。また各構成の結合部分で結合が解けるか緩むことを防止して製品の耐久性を保障し、さらに維持管理のための作業時間及び費用を節減することができるので、経済性を高めることができる。
【0055】
以下では、ハウジング40を構成する各構成間の結合関係をより詳細に説明し、また各構成間の結合部分での気密性を保障するための具体的な構成関係を説明する。
【0056】
ポンプハウジング40の外被41は、前記駆動部20の固定子23を取り囲むように配置され、振動を吸収することができる吸振体であるゴムやエラストマなどの弾性部材からなる円筒体であり、前記ハウジング40の外被41の上端部には円盤状の第1フランジ42が形成され、前記第1フランジ42には複数の締結孔42bが形成される。
【0057】
また、前記ハウジング40の装着ブラケット43には前記外被41を収容するための中空部44bが形成され、前記中空部44bの周辺には第2フランジ44が備えられ、これは前記外被41の第1フランジ42と水槽13の装着部13aの間に配設される。また、前記装着ブラケット43の第2フランジ44の一側には、カバー45の吐出部47に連結され、加熱された温水を循環供給するための温水循環チューブ7を固定支持するための支持部44cが形成され、前記装着ブラケット43には、前記水槽13との結合のために前記支持部44cから伸びる結合部44dが形成され、これは前記水槽13に形成された対応結合部13bに結合固定される。
【0058】
また、図5の拡大円部Aに示すように、前記外被41の第1フランジ42と前記装着ブラケット43の第2フランジ44間の接触面である前記第1フランジ42の下面部と前記第2フランジ44の上面部には互いに対応するようにそれぞれ凹凸部が形成される。詳述すれば、前記装着ブラケット43の第2フランジ44の上面部には凸部44aが形成され、前記外被41の第1フランジ42下面部には前記第2フランジ44の凸部44aに対応する凹部42aが形成される。
【0059】
すなわち、前記装着ブラケット43の第2フランジ44の上部に外被41の第1フランジ42が載せられる形に配設される場合、前記第1フランジ42には外被41の重量(駆動部20、インペラー30、カバー45の重量含み)が荷重として作用する。この場合、吸振体でなる外被41はその材質の特性による変形性を持っているので、前記第2フランジ44の上面部に載せられた前記第1フランジ42の下面部はいくらか押されることになる。
【0060】
この際、前記装着ブラケット43の第2フランジ44の上面に凸部44aがあれば、前記外被41の第1フランジ42の下面部が押されるにつれて、前記第2フランジ44の凸部44aに対応する凹部42aが前記第1フランジ42の下面部に形成され、前記凸部44aによって、前記外被41と装着ブラケット43の結合部位、つまり前記第1フランジ42と第2フランジ44間の接触面での気密維持がより確かに保障できる。そして、前記装着ブラケット43の第2フランジ44には前記第1フランジ42の締結孔42bに対応する対応締結孔44eが形成され、前記対応締結孔44eの内周面にはネジ部が形成されている。
【0061】
なお、ハウジング40の組立ての際、ハウジング40の上部の気密性を保障するために、ハウジング40の外被41の上端部に気密維持部材50をさらに備える。前記気密維持部材50は、前記外被41の第1フランジ42上に載せられる第3フランジ53と、前記第3フランジ53の内側に連結され、下向きに突出して前記外被41の内周面と外接するガイド部51とを含み、前記第3フランジ53には前記第1フランジ42の締結孔42bに対応する対応締結孔53aが形成される。
【0062】
したがって、前記装着ブラケット43の第2フランジ44、外被41の第1フランジ42及び気密維持部材50の第3フランジ53を下から順次配列した後、スクリューSを締結孔42bと各対応締結孔44e、53aに挿入し、最下側に配置される前記第2フランジ44の対応締結孔44eにスクリューSを締結することで、前記装着ブラケット43、外被41及び気密維持部材50を結合させることになる。
【0063】
そして、前記第3フランジ53の対応締結孔53aの下部と上部にはそれぞれ嵌合穴53bと皿穴53cが形成され、前記嵌合穴53bは、前記第1フランジ42の締結孔44eの上部周囲に形成された突出部42cが前記嵌合穴53bに挿入されることにより、外被41と気密維持部材50の結合の際、結合をしやすくするための位置決めの役目と互いに支持する役目をすることになる。また、前記皿穴53cはそれに収容されたスクリューSのヘッド部分が外部に露出することを防止することになる。
【0064】
気密維持部材50は、前記ハウジング40の上部構造を成す外被41と装着ブラケット43の結合部位の密着性を向上させて気密維持性をより確かに保障するためのものである。また、図5の拡大円部Bに示すように、前記気密維持部材50のガイド部51は断面形状が上広下狭の形に形成されている。すなわち、前記ガイド部51が前記外被41に内部に挿入される場合、前記ガイド部51の下部の外径は前記外被41の内周面の内径より小さいか同一であり、前記ガイド部51の上部に行くほど外径が大きくなっているので、前記ガイドが前記外被41内に挿入されるにつれて前記ガイド部51が前記外被41の内周面を次第に加圧して前記ガイド部51の外周面と外被41の内周面間の密着性を高めて気密維持性を一層向上させることができる。
【0065】
ハウジング40において、前記カバー45は前記外被41の下部に配設され、下部には流入部46が備えられ、一側には水平方向に吐出部47が突出した形で備えられ、これに温水循環チューブ7に連結される。そして、前記外被41の下端部には連結部41aが形成され、前記カバー45の上端部には前記外被41の連結部41aに対応する対応連結部45aが形成されることにより、前記外被41とカバー45を結合させることになる。
【0066】
また、前記カバー45の内側には前記インペラー30のための収容部45cが形成され、前記収容部45cはポンピング空間を形成する。よって、水槽13内に流入された流体がカバー45の流入部46を通じて流入されれば、前記インペラー30のブレード33の回転力によって流体が前記吐出部47に加圧排出され、温水循環チューブ7を通じて循環される。また、前記カバー45の流入部46の周辺にはリブ形態の挿入部45bが形成されているので、これに前記回転軸1が挿入固定されることにより、前記モーター21の回転子25とインペラー30を支持することになる。また、前記挿入部45bの上端面と前記回転子25の軸貫通部25aの下端面の間にはスラストジャーナル5が介在されて、挿入部45bと回転子25の軸貫通部25aを支持することになる。
【0067】
図6及び図7は、それぞれ本発明によるボイラーの概略正断面図及び分解断面図であり、第3図群に属する。図6及び図7から確認できるように、ボイラーBのケースB1(図3〜図5の第2図群では本体10と指示)に内蔵された水槽WにはポンプPとポンプ駆動のための駆動部を成すモーターMが内蔵されている。
【0068】
また、前記水槽WはポンプPによって排出される温水のための吐出部W1(図3〜図5の第2図群ではポンプハウジング40のカバー45に属するものとして説明)と暖房に活用された後に循環して復帰する温水のための回収口W2(第2図群では「13c」と指示)が形成され、水を暖めるための電熱ヒーターHと、ヒーター及びポンプのオン/オフと補水の知らせなどのための温度センサー及び水位センサーが備えられている。このようなボイラーBは多様な分野に活用できるが、まず簡易暖房のための温水マットに活用される場合を考慮して図6は本発明を構成する温水ボイラーを用いる温水マットの概略平面図を示している。
【0069】
温水マットの暖房配管はそれぞれ吐出部W1及び回収口W2に連結されている。本発明による温水ボイラーBは、ポンプP及びモーターMが水槽Wに内蔵されているので、よりコンパクトなボイラーを提供することができる。また、前記ポンプPの上部にモーターMが備えられ、モーターMの駆動軸M1が垂直に設置される形態なので、前述したように、従来の水槽の外部にポンプが備えられた型、あるいは水槽内にポンピング部材とモーター駆動軸が水平に配設される型に比べて温水ポンピング限界水位を低めることができるので、容量に合うボイラーの設計が容易であり、さらに水中に自然的に含まれた石灰質成分などの粒子が自重によって沈降して固まってスケール(Scale)を形成する場合、スケールのモーター軸への固着による騷音発生及びモーター性能の低下(究極にポンピング性能の低下)の問題がない。
【0070】
ひいては、本発明では、よりコンパクトな構造と組立性、修理便利性、ポンプ性能などを考慮して、ポンプPのハウジングの入水口11は下向きに開口され、吐出部13はポンピング部材(特に、インペラー)P1の推進力に応じてポンピング部材の側面に備えられ、図7から確認できるように、モーターMの設置便利性のために、モーターハウジングの下部を支持し、駆動軸M1が貫通してインペラーP1に連結できるようにする通孔(符号なし)を持つベースMbを導入した。
【0071】
また、前記ベースMbは回収口W2及び吐出部W1のためのノズルを持ち、特に前記吐出部W1はポンプハウジング10の右側のノズル(符号なし)と雄雌型で結合されることで、組立性及び水密性の改善を図った。一方、本発明を構成する温水ボイラーBは、水槽W内の気泡発生累積によるポンピング力低下、騷音発送、キャビテーション発生の問題を防止するために排気ユニット15を導入した。
【0072】
特に、前記排気ユニット15が前記モーターベースMbに備えられる形態において、やはり生産性及び組立性の向上などを考慮した。前記排気ユニット15は、前記水槽Wの上部に形成された排気口15a、前記排気口の下部に配設され、流入口が形成された収納室15b、及び前記収納室に内蔵されるフローティングボール15cを含んでなる。前記排気口15a及び収納室15bは特に補水などのためのカバーW3に備えられ、前記モーターベースMbに螺合される形態が好ましい。前記カバーW3の収納室15bに内蔵されたフローティングボール15cは、前記カバーの下部に螺合または締まりはめなどの方式で結合されるブッシング15dによって固定される。前記ブッシング15dは、通気性(または通水性)は満たしながらボール15cの離脱を防止するために、側面に切開通気チャネル(図示せず)が形成されていることが好ましい。
【0073】
このような排気ユニット15は、普段にはボール15cがブッシング15d上に留まるが排気口15aは塞がないので、水槽W内の気泡の解消に役立ち、温水マット用に使われる場合、小型かつ移動型の電気ボイラーBが移動する場合あるいは衝撃によって傾く場合、水が前記収納室15bを満たせば、ボール15cが浮び上がって排気口15aを塞ぐことになるので、温水が空気排出口に漏水して火傷などの事故を防止することができる。前記ボール15cは浮力を持つ材質(例えば、ラバー材)でならなければならない。
【0074】
図7において、未説明符号Wpは水槽WとモーターベースMbの間に介在されるパッキングである。
【0075】
次に、図6及び図7に示す構造が変形された本発明を構成する温水ボイラーの変形例を、第3図群に属する概略正断面図及び分解断面図である図8及び図9を参照して説明する。
【0076】
気泡による問題をより完全に解消するために、本発明を構成する温水ボイラーは、モーターMに通気路40を形成した。特に、モーター自体の浸水による問題がないように、コイルなどが含まれたモーターMの固定子Msが外被Csによって水密性が保障される構造において、ポンピング部材、特にインペラーP1の結合体を成す固定子Mrであるマグネットは外被Csとの間に通気路40を形成する形態、言い換えれば固定子Msと回転子Mrの間の微細な隙間が通気路40を成す形態である。また、ポンプPのハウジング10にモーターMの固定子Msを取り囲む外被Csの両端が定着支持され、(インペラーP1−マグネットMr結合体)は軸M1に固定され、軸M1は、ポンプハウジング10の下部中間軸固定部16に下端が結合され、モーター固定子Msの上部中央軸固定部Cs1に上端が結合される構造である。(インペラーP1−マグネットMr結合体)の内周面にはベアリング、特にカーボンスリーブベアリングBが備えられ、これは軸と接触する。
【0077】
前記通気路40は排気管45を介して再び水槽Wに連結されている。特に、前記通気路40は駆動軸M1と同軸上に配設されるように、外被Csの中央に備えられたノズル(符号なし)で連結され、前記排気管45に連結された後、前記ポンプハウジング10の一側のノズル(符号なし)上の吸気口43で連結される。
【0078】
通気路及び排気口が駆動軸上に配列されることは、インペラーP1の部位で流動衝突する気泡が最も迅速で正確に上昇して排出可能な構造を具現するためである。前記排気管45に連結された前記ノズル上の排気口41は上狭下広の形状によってより迅速な気泡の放出に役立てる。前記排気管に連結されたノズル上の吸気口43も上狭下広の形状に形成されることにより、気泡が流入するにつれて拡張して破壊され、先に図4に基づいて説明した排気ユニット15の排気口15aを通じて排出されやすくする。
【0079】
このような気泡除去のために、モーターに通気路を形成したボイラーの具現により、ポンプの吸入力低下による効率低下、気泡による騷音発生、気泡による不安定流動による振動発生、暖房配管内の気泡による暖房効率低下、インペラー支持軸の潤滑不足で発生する発熱、摩擦力による摩耗量増加、発熱によってベアリング部が融着して騷音及び故障が発生する問題などを防止することができる。
【0080】
さらに、より確かな気泡除去のために、本発明を構成する温水ボイラーの他の変形例の概略正断面図及びハウジングに係わる図である図10及び図11を参照する(図11[A]は側断面図、[B]は底面図)(図10のボイラーの構造は大部分が図8のボイラー構造に似ている)。特に、図10及び図11に示す特徴は、前記ポンプPハウジング10の吐出部13の周辺、特に吐出部を成すノズルの下部に形成された再循環孔14にある。このような再循環孔14を導入する場合、付加のエアベントや気水分離器を使わなくても気泡音(ポンピング部材によるもので、気泡破壊などが原因である)が発生しないので、静粛な運転が可能である。
【0081】
特に、温水マットのように管径が小さいか、あるいは管径は大きいが管長が長くて配管抵抗が高い場合、ポンプにおいて、ポンピング部材、特にインペラーの回転によって吐き出される流体が全て管路を通じて流動することができず、管路抵抗より大きな圧力状態の流体のみが吐き出されて暖房配管に排出されることにより、ポンプ内部の流体はインペラーの回転によって流動はするが吐き出されなくて、ポンプの内部で渦巻き、さらに温度上昇によって流体に含まれている溶存酸素が膨張して量が増加するため、気泡がインペラーと衝突して騷音を発生させ、ひいてはキャビテーションにまで至ることになる。
【0082】
しかし、再循環孔14の形成によって、管路抵抗によって吐き出されなかった流体が再循環孔を通じて水槽に吐き出されるので、圧力を解消してポンプ内の流動を円滑にし、有効吐出量が増加して順調な温水再循環が可能になる。このような再循環孔だけでも気泡除去が十分な場合、図4のような排気ユニット15などのエアベントが不要になり、水密性維持の問題などがないながらも気泡のより円滑な除去が可能であると期待される。
【0083】
以上の説明では温水ボイラーに係わる通常の公知技術を省略したが、当業者であればこれを容易に推測及び推論して再現可能であろう。また、以上のような本発明の説明において、添付図面に基づいて特定の形状及び構造を持つパイプジョイントアセンブリー及び温水ボイラーシステムを主として説明したが、本発明は当業者によって多様な修正、変更及び置換が可能であり、このような修正、変更及び置換は本発明の保護範囲に属するものとして理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、ワンタッチタイプで結合及び分離が可能なパイプジョイントアセンブリー及びこれを用いた温水ボイラーシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 回転軸
3 ワッシャ
5 スラストジャーナル
7 温水循環チューブ
10 ボイラー本体
11 外部ケーシング
13 水槽
13a 装着部
13b 対応結合部
13c 回収口
20 駆動部
21 モーター
23 固定子
23a 固定部
25 回転子
25a 軸貫通部
27 排気口
29 リターンチューブ
30 インペラー
31 本体
33a 案内部
40 ハウジング
41 外被
41a 連結部
42 第1フランジ
42a 凹部
42b 締結孔
42c 突出部
43 装着ブラケット
44 第2フランジ
44a 凸部
44b 中空部
44c 支持部
44d 結合部
44e 対応締結孔
45 カバー
45a 対応連結部
45b 挿入部
45c 収容部
46 流入部
47 吐出部
50 気密維持部材
51 ガイド部
53 第3フランジ
53a 対応締結孔
53b 嵌合穴
53c 皿穴
110 雌部材
111 パイプ連結部
113 収容部
115 案内部
117 係合部
120 雄部材
121 パイプ結合部
123 被収容部
125 係合体
130 パッキングリング
A パイプジョイントアセンブリー
B ボイラー
M マット
S スクリュー
T チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ連結部、前記連結部に繋がれた収容部、前記収容部に備えられた案内部、及び前記案内部に繋がれた係合部が一体的に構成された雌部材;及び
パイプ結合部、前記結合部に繋がれた被収容部、及び前記被収容部の外周面に備えられ、前記案内部を経って前記係合部に定着する係合体が一体的に構成された雄部材;
を含んでなることを特徴とするパイプジョイントアセンブリー。
【請求項2】
前記雌部材の係合部には、前記係合体の離脱防止手段が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のパイプジョイントアセンブリー。
【請求項3】
前記離脱防止手段は、前記雌部材の係合部に備えられた突起または孔であることを特徴とする請求項2に記載のパイプジョイントアセンブリー。
【請求項4】
水槽を備えたボイラー;
マット;
前記ボイラーに連結され、前記マットの内部に配設される温水循環チューブ;
パイプ連結部、前記連結部に繋がれた収容部、前記収容部に備えられた案内部、及び前記案内部に繋がれた係合部が一体的に構成された雌部材;及び
パイプ結合部、前記結合部に繋がれた被収容部、及び前記被収容部の外周面に備えられ、前記案内部を経って前記係合部に定着する係合体が一体的に構成された雄部材;を含んでなり、
前記雌部材のパイプ連結部は、前記水槽または前記温水循環チューブに連結され、前記雄部材のパイプ結合部は、前記温水循環チューブまたは前記水槽に連結されることを特徴とする温水ボイラーシステム。
【請求項5】
前記水槽を収容し、装着部を持つボイラー本体;
駆動部;
前記駆動部に連動するインペラー;
前記駆動部を取り囲む外被と、前記外被の上部に配設され、前記ボイラー本体の装着部に連結された装着ブラケットと、前記外被の下部に配設され、流入部と吐出部を持つカバーとを含み、前記ボイラー本体の装着部に連結されたポンプハウジング;
をさらに含み、
前記駆動部を成すモーターの駆動軸は垂直に設置され、
前記インペラーは前記駆動軸の下端に備えられたことを特徴とする請求項4に記載の温水ボイラーシステム。
【請求項6】
前記ポンプハウジングのカバー吐出部の周辺には再循環孔が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の温水ボイラーシステム。
【請求項7】
前記駆動部を成すモーターには通気路が備えられ、
前記通気路は前記モーターの固定子と回転子の間に配設され、
前記通気路は排気管を介して再び水槽に連結されていることを特徴とする請求項5または6に記載の温水ボイラーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−80595(P2011−80595A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225529(P2010−225529)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(510266376)チョンジンテファエレクトリックマシナリー カンパニー リミテッド (2)
【出願人】(510266365)テファエレクトリックマシナリー カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】