説明

パイライトホッパの安全装置

【課題】パイライトホッパ内にパイライトが異常に堆積してパイライト入口弁を閉じることができなくなることのないようにし、また、パイライトホッパからの水が異常水位となり、水が逆流してパイライト入口弁を閉じることができなくなることのないようにし、パイライトが異常堆積したとき、また、パイライトホッパ内の水位が危険水位になったときに、それを自動的に検知し、パイライト入口弁を自動的に閉じるようにする。
【解決手段】上部にパイライト入口弁を有するパイライト導入口3を有し、下部にパイライト排出口5を有するパイライトホッパの安全装置であって、パイライトホッパ内に異常堆積したパイライト又は異常水位を検知するレベル計6を設け、このレベル計6で異常堆積したパイライト又は異常水位を検知すると上記パイライト入口弁を閉じ作動するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイライトホッパの安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミルにより粉砕される原炭内には、石、鉄等のパイライトが含まれている。このパイライトはミルにより粉砕されないから、ミルの下方にパイライト排出管を設けており、このパイライトをミルの下方に配したパイライトホッパに供給するようにしている。
パイライトホッパには、その上部に上記パイライト排出管に接続するパイライト導入口を有し、このパイライト導入口にパイライト入口弁を設け、開閉可能としてある。
【0003】
パイライトホッパにはパイライトが供給されるが、このパイライトは給水とともにパイライトホッパの下部のパイライト排出口から排出される。パイライトがパイライトホッパ下部の狭くなったパイライト排出口に堆積し、パイライト排出口を閉塞してしまうことがあり、そのような状態になると、パイライトホッパ内に異常にパイライトが堆積してしまい、これがパイライト入口弁を閉止不能として異常状態となり、また、パイライトホッパに水が満杯し、パイライト入口弁が閉止不能となり、ミル内に水が逆流しミル及びミルのあるプラントに悪影響を与える。
そのため、従前では一定時間毎に定期的にパイライト入口弁を閉じてパイライトホッパ内のパイライトを排出するとともに、パイライトホッパ内の水位を目視により検知していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パイライトホッパ内にパイライトが異常に堆積してパイライト入口弁を閉じることができなくなることのないようにし、また、パイライトホッパからの水が異常水位となり、水が逆流してパイライト入口弁を閉じることができなくなることのないようにし、パイライトが異常堆積したとき、また、パイライトホッパ内の水位が危険水位になったときに、それを自動的に検知し、パイライト入口弁を自動的に閉じるようにすることを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、上部にパイライト入口弁を有するパイライト導入口を有し、下部にパイライト排出口を有するパイライトホッパの安全装置であって、パイライトホッパ内に異常堆積したパイライト又は異常水位を検知するレベル計を設け、このレベル計で異常堆積したパイライト又は異常水位を検知すると上記パイライト入口弁を閉じ作動するようにしたものである。
【0006】
また、上記レベル計が、回転するシャフトの先端に検知回転翼を有する回転翼式レベル計であるとよい。
さらに、上記レベル計が、電極式レベル計であるとよい。
また、上記回転翼式レベル計を、パイライト導入口より落下するパイライトがレベル計を直撃する位置を外して取り付けてあるとよい。
さらに、上記電極式レベル計を、パイライトホッパ内の上部に配置してあるとよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のパイライトホッパの安全装置は、上部にパイライト入口弁を有するパイライト導入口を有し、下部にパイライト排出口を有するパイライトホッパの安全装置であって、パイライトホッパ内に異常堆積したパイライト又は異常水位を検知するレベル計を設け、このレベル計で異常堆積したパイライト又は異常水位を検知すると上記パイライト入口弁を閉じ作動するようにしたものであるから、パイライトが異常に堆積した場合又は水位が危険水位になった場合、これを検知してパイライト入口弁を自動的に閉じ動作し、パイライトが異常堆積してパイライト入口弁が閉じれなくなることなく、また、水がパイライト導入口から逆流することなく、パイライトホッパを安全に管理できる効果がある。
【0008】
また、本発明のパイライトホッパの安全装置は、上記レベル計が、回転するシャフトの先端に検知回転翼を有する回転翼式レベル計であるから、パイライトホッパ内のパイライトの異常堆積を検知し、パイライト入口弁を自動的に閉じ、パイライトホッパを安全に管理できる効果がある。
さらに、本発明のパイライトホッパの安全装置は、上記レベル計が、電極式レベル計であるから、パイライトホッパ内の異常水位を検知し、パイライト入口弁を自動的に閉じ、パイライトホッパからミルへの水の逆流を防止し、パイライトホッパを安全に管理できる効果がある。
【0009】
また、本発明のパイライトホッパの安全装置は、上記回転翼式レベル計を、パイライト導入口より落下するパイライトがレベル計を直撃する位置を外して取り付けてあるから、回転翼式レベル計が正規にパイライト導入口より落下するパイライトにより誤って検知することなく、誤作動なくパイライトホッパを安全に管理できる効果がある。
さらに、本発明のパイライトホッパの安全装置は、上記電極式レベル計を、パイライトホッパ内の上部に配置してあるから、電極式レベル計が、正規の水位を誤って検知することなく、誤作動なくパイライトホッパを安全に管理できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面に示した実施例により本発明の詳細を説明する。
図1にパイライトホッパを示してあり、このパイライトホッパは円筒状の胴部本体1と、その下方に連続する円錐状下部2とからなり、上部にミルの下方のパイライト排出管に接続するパイライト導入口3を設け、このパイライト導入口3にパイライト入口弁4を有する。このパイライト入口弁4は常態では開放しており、ミルから排出されるパイライトをパイライトホッパに導入するが、定期的にパイライトホッパからパイライトを排出するとき、または本発明の安全装置が作動したときに閉じるようにしてある。そのため、このパイライト入口弁4は電磁弁が好ましい。また、このパイライトホッパの円錐状下部2の下端にはパイライト排出口5を有する。
【0011】
図2に回転翼式レベル計6を装備したパイライトホッパを示してあり、回転翼式レベル計6が判るようにパイライトホッパの一部を切欠して示してある。
この回転翼式レベル計は、回転軸7の先端に回転翼8を固設してあり、この回転翼8がパイライトにより負荷がかかると拘束され、モータ9に取り付けられたアクチェータによりリミットスイッチを作動して検出信号を出し、モータの電源を切り停止させると共にパイライト入口弁4を閉じ作動するようにしてある。
パイライトによる回転翼8の拘束がなくなると、モータの電源の切り停止を解除し、回転翼8の回転を再起動する。
図面には、回転翼式レベル計6をパイライトホッパの上部にだけ装備した実施例を示してあるが、この回転翼式レベル計6は、パイライト導入口3から落下するパイライトが直接当たらない位置であれば、どこに装備してもよい。例えば、胴部本体1の下部位置即ち円錐状下部2との境界位置に設置してもよい。
【0012】
図3に電極式レベル計10を装備したパイライトホッパを示してあり、電極式レベル計10が判るようにパイライトホッパの一部を切欠して示してある。この電極式レベル計は、公知の電極式水位計であればよく、電極棒11が異常水位を検知しパイライト入口弁4を閉じ作動するようにしてある。
【0013】
上記の通り、本発明パイライトホッパの安全装置であれば、パイライトホッパ内のパイライトの異常堆積又は異常水位の何れでも検知し、パイライト入口弁4を閉じて、パイライトホッパを安全に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パイライトホッパの正面図
【図2】本発明安全装置のため回転翼式レベル計を装備したパイライトホッパの一部切欠側面図
【図3】同じく電極式レベル計を装備したパイライトホッパの一部切欠側面図
【符号の説明】
【0015】
1 胴部本体
2 円錐状下部
3 パイライト導入口
4 パイライト入口弁
5 パイライト排出口
6 回転翼式レベル計
7 回転軸
8 回転翼
9 モータ
10 電極式レベル計
11 電極棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部にパイライト入口弁を有するパイライト導入口を有し、下部にパイライト排出口を有するパイライトホッパの安全装置であって、パイライトホッパ内に異常堆積したパイライト又は異常水位を検知するレベル計を設け、このレベル計で異常堆積したパイライト又は異常水位を検知すると上記パイライト入口弁を閉じ作動するようにしたパイライトホッパの安全装置。
【請求項2】
上記レベル計が、回転するシャフトの先端に検知回転翼を有する回転翼式レベル計である上記請求項1に記載のパイライトホッパの安全装置。
【請求項3】
上記レベル計が、電極式レベル計である上記請求項1に記載のパイライトホッパの安全装置。
【請求項4】
上記回転翼式レベル計を、パイライト導入口より落下するパイライトがレベル計を直撃する位置を外して取り付けてある上記請求項2に記載のパイライトホッパの安全装置。
【請求項5】
上記電極式レベル計を、パイライトホッパ内の上部に配置してある上記請求項3に記載のパイライトホッパの安全装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−331918(P2007−331918A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168383(P2006−168383)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】