説明

パウチ詰液状食品

【課題】油脂の配合量が制限されカロリーが調整されているに関らず、鶏肉や魚介類、白菜やブロッコリー等の野菜を用いた美味しい加熱料理を電子レンジ加熱を利用して家庭で手軽に作れるようにするパウチ詰め液状食品を提供する。
【解決手段】食用油脂と香味油および/または油脂風味を増感させる香料配合の調味料を含むパウチ詰液状食品1を、液状食品30がパウチ10に充填密封後レトルト処理されたものとし、このパウチ10内に畜肉、魚介類、野菜類等の固形具材20を投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにする。パウチ10は前記野菜20の投入口となるジッパー部13と電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構17を有する。前記固形具材20をパウチ10内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/10〜1/2の高さである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜肉、魚介類や野菜等の固形具材を用い、カロリー調整されているに拘らず美味しい加熱料理を、電子レンジ加熱を利用して家庭で手軽に作れるようにするパウチ詰め液状食品に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイエットや肥満予防、糖尿病の予防、治療食として、高甘味度甘味料を用い、糖質の配合量を低減したり、油脂代替素材を用いて脂質の配合量を低減し、カロリーを調整した様々な食品が市販している。また、インスリン分泌を促進する成分、血糖値上昇抑制作用を有する成分、PPARを活性化する成分等の特定成分を配合することにより、糖尿病の予防や治療を目的とする食品に関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−230225号公報
【特許文献2】特開2006−335758号公報
【特許文献3】特開2007−63130号公報
【特許文献4】特開2006−8528号公報
【特許文献5】WO2003/068205号公報
【特許文献6】特開2005−320281号公報
【特許文献7】特開2005−225801号公報
【特許文献8】特開2004−331576号公報
【0004】
肥満に代表されるメタボリック症候群対象者や予備軍も含めた糖尿病患者にとって、毎日摂取する食事のコントロールが重要であるため、一部の低カロリー食品や糖代謝をコントロールする成分の摂取以外に、美味しく、満足感があり、カロリーがコントロールされており、しかも味のバリエーションがあるため飽きのこない手軽な食品が望まれる。厚生労働省許可の特別用途食品としてレトルト食品や、糖尿病の宅配があるが、さらに手作り感のある、手軽で安価な市販の容器詰め食品が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、畜肉、魚介類や野菜等の固形具材を用い、カロリー調整されているに拘らず美味しい加熱料理を、電子レンジ加熱を利用して家庭で手軽に作れるようにするパウチ詰め液状食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、まず、畜肉、魚介類や野菜については消費者が提供するものを使用することとし、脂質や糖質の配合量を調整したソース部分は予めレトルト処理をして長期保管が可能な液状食品としてパウチに充填密封しておき、そのパウチ内に消費者が提供する前記固形具材を適時加えて電子レンジ調理を行えるようにするならば、上述の問題を解決できると考えこれを試みた。
【0007】
その結果、得られた加熱料理は、一般的な料理、つまり通常の油脂や糖質を通常量使用した料理と比較して、風味の点で満足のいくものではなかった。特に、油っこい食事や甘い食品を好む傾向にあるメタボリック症候群対象者にとっては、風味にインパクトがなく、食した後の満足感にかけるものであった。
【0008】
そこで、本発明者等は更に鋭意研究を行った結果、液状食品に配合する油脂に香味油および/または油脂風味を増感させる香料を加えることにより、通常の油脂を通常量用いた食品と比べ遜色ない風味が付与された美味しい加熱料理が得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、食用油脂を含む液状食品が平袋状のパウチに充填密封後レトルト処理されてなり、パウチ内に固形具材を投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにするパウチ詰液状食品であって、
パウチが前記野菜の投入口となるジッパー部、電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構を有し、
香味油および/または油脂風味を増感させる香料を含有し、
前記固形具材をパウチ内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/10〜1/2の高さであることを特徴とするパウチ詰液状食品、である。
【0010】
また本発明品は、固形具材の投入量が、液状食品に含まれる液状物1質量部に対して0.1〜5質量部である請求項1記載のパウチ詰液状食品。さらには、パウチの最大充填可能容量が液状食品の充填量の2〜10容量倍である請求項1又は2記載のパウチ詰液状食品、である。
【0011】
本発明品は、高甘味度甘味料を含有することができる。
【0012】
本発明品は、ダイエット用食品であることができる。さらには、糖尿病患者用食品であることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のパウチ詰液状食品によれば、調理時にパウチ内に投入が予定されている畜肉、魚介類または野菜等の固形具材を除く、ソース等が、レトルト処理を施された液状食品としてパウチに充填されているので、消費者はこのパウチ詰液状食品を保管しておくことができる。そして、消費者は、このパウチ詰液状食品に投入が予定されている固形具材を適時パウチ内に投入し、パウチ内でこれらの固形具材を液状食品と共に電子レンジで加熱調理することにより、容易にこれらの加熱料理を得ることができる。
【0014】
また、ソース部は油脂を配合するものであっても、香味油および/または油脂風味を増感させる香料を配合することによって、油脂の配合量が通常のソースと比べ低減されたものであったとしても、電子レンジ調理された後、香味油および/または油脂風味を増感させる香料の香気と風味により、油脂含量の少なさを感じさせること無く、満足感を得ることができる。また、高甘味度甘味料を使用することにより、糖質の配合量を甘味を損なうことなく低減することができる。
【0015】
したがって、本発明のパウチ詰液状食品によれば、油脂や糖質を低減し、カロリーを調整したレトルト処理済液状食品に、調理時にパウチ内に投入が予定されている畜肉、魚介類または野菜等の固形具材を加え、電子レンジ調理を行うことにより、手軽に、しかも手作り感のある、美味しく満足感の得られる加熱料理を作ることができる。
【0016】
また、本発明のパウチ詰液状食品は、ダイエット用食品として、メタボリック症候群対象者向けの食品として、または糖尿病の予防、治療食として提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
なお、各図中、同一符号は同一又は同等の要素を表す。また、本発明において、特にことわりのない限り「%」は「質量%」を表し、「部」は「質量部」を表す。
【0018】
図1は、本発明の一実施態様のパウチ詰液状食品1の斜視図である。
【0019】
このパウチ詰液状食品1は、電子レンジ対応のフィルム材料からなるパウチ10に、油脂を含む液状食品30を充填密封し、レトルト処理したものであって、これを食するときに、畜肉、魚介類または野菜等の固形具材20をパウチ10内に投入し、電子レンジで加熱調理するようにしたものである。
【0020】
このパウチ詰め液状食品1において、パウチ10は、底面にマチができるようにプラスチックフィルムを折り曲げて重ね合わせ、両側縁部及び上縁部をヒートシールして側縁シール部11及び上縁シール部12を形成したスタンディングパウチからなる平袋状のレトルトパウチであり、パウチ10の片面の上縁シール部12の近傍には、ジッパー部13が設けられている。
【0021】
ジッパー部13の外方もヒートシールされてジッパーシール部14が形成されており、このジッパーシール部14近傍の側縁シール部11において、ジッパー部13より上の部分に、引き裂きによりジッパーシール部14を切除し、ジッパー部13を開口可能とするためのノッチ15が形成されている。このようにジッパーシール部14をジッパー部13の外方に設けることにより、レトルト処理の間にジッパー部13が開口することなく、密封状態を維持することが可能となる。
【0022】
また、側縁シール部11において、ジッパー部13と上縁シール部12との間には、料理の取出用開口部を引き裂きにより形成するためのノッチ16が形成されている。このノッチ16が形成されていると、このノッチ16からパウチ10の上端部を引き裂いて開口してパウチ10の料理を皿にあけることができる。加熱調理後のパウチ10は大変熱くなっていて、ジッパー部13を開封してパウチ10の料理を皿にあける場合に比べて、より安全にパウチ10の料理を皿にあけることができる。
【0023】
また、パウチ10の表面には、電子レンジ加熱時にパウチ10が過度に膨張して破裂することを防止する蒸気抜き機構17が設けられている。蒸気抜き機構17としては、従来より電子レンジ対応包装袋で使用されているものを設けることができ、例えば、側縁シール部11の近傍に、弱化シール部18を設け、その弱化シール部18内に切欠19を形成したものとする。また、パウチ10の蒸気抜き機構17としては、密封されていたジッパー部13が電子レンジ加熱時にパウチ10が膨張する際の圧力で部分的に開口するようにジッパー部の嵌合を調整してもよい。
【0024】
なお、本発明において、パウチ自体の構成としては、蒸気抜き機構を備え、電子レンジで加熱調理できる平袋状のレトルトパウチを種々使用することができる。例えば、パウチの形状としては、底面にマチをもたせたスタンディングパウチの他、底面及び側面にマチをもたせたガゼット袋や、三方シール袋、四方シール袋等の平袋等としてもよい。
【0025】
前記パウチ10に充填密封する液状食品30は、これに畜肉、魚介類または野菜等の固形具材20を加えて電子レンジ加熱するだけで、これら野菜に味付けを付し、最終的な加熱料理を得られるようにするものである。このため、液状食品30は、最終的に得ようとする料理に必要な調味料や具材等の食材から電子レンジ加熱時に加える固形具材20を除いた食材から形成し、必要により加熱するなどの下調理をしておく。なお、このような本発明の液状食品30としては、液状物を含む食品をいい、必ずしもその食品全体が液状物のみから構成されている必要はなく、具材を含有していてもよい。ここで、液状物とは、液状食品30を10メッシュの網目に通して具材を取り除いたものをいう。液状食品30における液状物の割合としては、調味料を含む液状物により、パウチ10内に投入した前記固形具材20が調味され易いように、液状食品に対する液状物の含有量が、少なくとも30%以上であることが好ましい。
【0026】
パウチ10内に投入する固形具材20を味付けするために液状食品30に含む食用油脂は、大豆油、菜種油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、オリーブ油、パーム油、米油、エゴマ油等の植物油やバター、牛脂、豚油、鶏油、魚油等の動物油等が挙げられる。またはこれらから選ばれる2種以上の油脂の混合物であってよい。また、本発明の香味油とは、ごま油等の油脂を焙煎した焙煎油や、大蒜や葱等香味の強い野菜から香味成分を抽出し、油に移行させた香味油等の、通常の油より香味の強い食用油をいう。焙煎ごま油、焙煎大豆油、焙煎菜種油、ガーリックオイル、オニオンオイル、葱油等が挙げられる。油脂風味を増感させる香料とはバターフレーバー、ごま油フレーバー、しそ油フレーバー等油脂や他の天然物から精製した香気成分または人工的に合成した香気成分をいい、油溶性、水溶性または乳化状であることができる。上記の他、液状食品30に含む食品素材は食用に適したものであればよく、例えば、食塩、砂糖、醤油、味噌、みりん、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、食酢、動植物等のエキス類、アミノ酸、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、クエン酸、果汁等の酸味料、甘味料、pH調整剤、乳化剤、乳素材、大豆素材、卵素材、澱粉類、加工澱粉、レトルト処理許容の畜肉、魚介類、野菜等の具材が挙げられる。
【0027】
液状食品30の油脂含量は、通常の配合より油脂配合量を低減させたものである必要がある。本発明のパウチ詰液状食品が主に、ダイエット用、メタボリック症候群対象者用もしくは糖尿病疾患予防・治療用であるからである。低減の割合は、本発明品の用途、カロリー、油脂配合量、風味、物性、テクスチャー、安定性等により適宜設定することができる。ただし、発明の効果を奏するために通常の食品に比べ油脂配合量は70%以下が好ましい。20〜50%とすることがより好ましい。
【0028】
香味油の配合量は発明の効果に鑑み、適宜設定することができる。ただし、香味油の配合量が油脂低減分に相当するようではカロリーの低減という主目的から逸脱し、しかも風味に悪影響を与える可能性があることより、香味油は液状食品の0.05〜3%が好ましく、0.1〜2%がさらに好ましい。
【0029】
また、油脂風味を増感させる香料の添加量は、その力価にもより、適宜設定することができる。ただし、添加量が多すぎると本発明のパウチ詰め液状食品の風味を損ねる可能性があり、少なすぎると効果を奏さないことがあるため、香料の添加量は液状食品に対し、0.01〜2%が好ましく、0.05〜1%がさらに好ましい。
【0030】
上述した液状食品30をパウチ10に充填密封後レトルト処理した本発明のパウチ詰め液状食品1は、レトルト処理において液状食品の中心部と外周部をムラなく均一に加熱し、加熱条件を緩くしても、中心部を120℃で4分間相当に加熱できるようにするため、図2に示すように、液状食品30が充填されている状態で平板50の上に平置きして平らにならした場合のパウチ厚(以下、単にパウチ厚という)Lを2cm以下とすることが好ましく、1.5cm以下とすることがより好ましい。固形具材20をレトルト処理時には加えず、レトルト処理後に加える本発明のパウチ詰め液状食品1は、このようにパウチ厚Lを薄くすることができる。これに対し、液状食品30を充填した状態でパウチ厚Lが過度に厚くなると、液状食品30のレトルト処理において、中心部が120℃4分間相当に加熱されるまでに、外周部が過度に加熱され、風味が低下する場合がある。なお、前記パウチ厚Lがあまり薄すぎてもパウチ材料のコスト等の点から無駄が多くなる場合があることから0.3cm以上とすることが好ましい。
【0031】
一方、本発明において、電子レンジで加熱調理する際に投入を予定する固形具材とは、牛肉、豚肉、鶏肉等の畜肉類、魚肉、貝類、いか、たこ等の魚介類、また葉菜類、花菜類、根菜類等の野菜類が挙げられる。この中でも、カロリー調整を容易とするため、畜肉類においては、脂身の少ない赤身肉、鶏肉においては皮なし肉やささみが好ましい。魚介類においては、脂身の少ない白身が好ましい。葉菜類とは、例えば、白菜、キャベツ、小松菜、チンゲン菜、レタス、ホウレンソウ、シュンギク、バジル、水菜、ツルムラサキ等が挙がられる。花菜類とは、花を食用に利用する野菜をいい、例えば、ブロッコリー、カリフラワー等が挙げられる。また、根菜類とは、ジャガイモ、サツマイモ等の芋類、ダイコン、人参、カブ等をいう。本発明においては、このような固形具材20を投入具材として適宜設定する。
【0032】
前記固形具材20は、電子レンジによる加熱調理がムラ無く行えるように、パウチ10への投入時には、その厚さを0.1〜4cmにカットしておくことが好ましい。
【0033】
本発明においては、前記固形具材20をパウチ10内に投入した後、ジッパー部13を閉じて電子レンジ内に静置し加熱調理を開始するが、その際、パウチ内に投入した前記固形具材の大部分が液状物の液面31上に露出した状態で電子レンジ調理を開始する。つまり、本発明においては、前記固形具材20をパウチ10内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面31が、内容物の下端32から上端21までの1/10〜1/2の高さ、好ましくは1/10〜2/5の高さである。これは、図3に示すように、電子レンジで加熱調理する姿勢に静置した状態で、内容物の下端32から液状物の液面31までの高さをβ、内容物の下端32から上端21までの高さをαとした時に、β/αが1/10〜1/2、好ましくは1/10〜2/5であることを意味する。
【0034】
このように、パウチ10内に投入した前記固形具材20の大部分が液面31上に露出した状態で電子レンジ調理を開始すると、前記固形具材の大部分が液状食品に浸漬していない状態で加熱調理が進行し、液面31上に露出した固形具材は、電子レンジによる液状食品及び固形具材への直接加熱により発生した蒸気によってもいわゆる蒸らし効果により加熱される。野菜20への加熱調理が更に進行するにつれて、固形具材の容積が除々に減少し液面31の高さが相対的に上昇する傾向があるが、少なくとも電子レンジによる加熱調理の前半段階に前記野菜の大部分が液面上に露出した状態で加熱調理されることが肝要である。このように加熱調理することにより、電子レンジにより過度の加熱がなされても固形具材そのものの好ましいテクスチャーや旨みが引き出された美味しい加熱料理を作ることができる。これに対して、液状物の液面31が、前記高さよりも高く、パウチ10内に投入した固形具材20の大部分が浸漬した状態で電子レンジ調理を開始した場合は、過度の加熱によりこれら固形具材のテクスチャーが損なわれる。また、これらの固形具材20に調味成分が染み込みすぎて素材そのものの味が損なわれて料理全体が極めて均質な味となる。一方、液状物の液面31が、前記高さよりも低く、パウチ10内に投入した野菜20が液状物にほとんど浸漬していない状態で電子レンジ調理を開始した場合は、電子レンジ加熱後のパウチ10を開封し、内容物を皿に移して液状食品30と固形具材20とを撹拌しても、料理の味付けのムラを解消することができない。
【0035】
固形具材20をパウチ10内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面31を前記特定範囲とするには、液状食品30と、投入を予定する固形具材20との量比を調整すればよい。具体的には、投入する固形具材20の種類や形状等にもよるが、液状食品30に含まれる液状物1質量部に対して前記固形具材20の投入量を好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜4質量部、更に好ましくは0.3〜3質量部とすればよい。
【0036】
また、このように液状食品30が充填されたパウチ10内に固形具材20を投入する際のパウチの容積増大を可能とするため、パウチの最大充填可能容量は、液状食品の充填量と前記固形具材の投入量との合計容量に対して、充分に大きくする必要がある。具体的には、パウチ10の最大充填可能容量を液状食品30の充填量の2〜10容量倍とすることが好ましく、2〜8容量倍とすることがより好ましい。そのため、パウチ10の形状としては、パウチの容積の増大を吸収する余裕をもたせるためのマチを有するパウチ、例えば、底面にマチをもたせたスタンディングパウチや、側面にもマチをもたせたガゼット袋等のパウチとすることが好ましい。
【0037】
なお、本発明で用いる容器としては、電子レンジで加熱調理できる容器であっても、リジッドな成形容器は上述のようにレトルト処理時に液状食品30の中心部と外周部をムラなく均一に加熱するために容器の厚さをある程度薄くすることと、容器の最大充填可能容量を、液状食品30の充填量と前記固形具材20の投入量との合計容量に対して十分に大きくすることとの双方を兼ね備えることが困難であるため、パウチ詰液状食品1の容器としては好ましくない。
【0038】
本発明に用いる高甘味度甘味料は、少量の使用で砂糖と同等の甘味を付与することができる甘味料をいい、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、カンゾウ抽出物、ステビア(ステビア抽出物、ステビオサイド、レバウディオサイド)等が挙げられる。これらはそのままでも、賦形剤等により製剤化されたものでも、また複数の甘味料の組合せであっても良い。
【0039】
また、本発明の液状食品30は、電子レンジにより過度の加熱がなされても固形具材20そのものの好ましいテクスチャーや旨みが引き出された美味しい加熱料理を作ることができるように、液状物は加工澱粉や湿熱処理澱粉を配合し、その液状物の粘度(60℃)を0.1〜10Pa・s、さらには1〜10Pa・sとするのが好ましい。
【0040】
前記液状物の粘度は、液状物をBH型粘度計で、品温60℃、回転数20rpmの条件で、粘度が0.375Pa・s未満のときローターNo.1、0.375Pa・s以上1.5Pa・s未満のときローターNo.2、1.5Pa・s以上3.75Pa・s未満のときローターNo.3、3.75Pa・s以上7.5Pa・s未満のときローターNo.4、7.5Pa・s以上のときローターNo.5を使用し、測定開始後ローターが3回転した時の示度により求めた値である。なお、液状食品30に固形物(具材)が含まれる場合は、液状食品を10メッシュの網目に通して具材を取り除いた液状物を測定する。
【0041】
以上のような本発明のパウチ詰液状食品1には、電子レンジ加熱で最終的に得ようとする料理の種類、電子レンジ加熱の際にパウチ10内に投入することが予定されている固形具材20の種類、その固形具材の好ましい切り方、大きさ、投入量、パウチへの投入方法、電子レンジで加熱調理する際の姿勢、電子レンジ加熱に必要なワット数と時間、電子レンジ加熱後のパウチの開封方法などの説明表示40を備えることが好ましい。特に、固形具材20の投入量、大きさ、電子レンジで加熱調理する際の姿勢、電子レンジ加熱のワット数と時間は、電子レンジ加熱後の調理の出来の善し悪しに大きく影響するため、当該パウチ詰液状食品1に明示することが好ましい。なお、このパウチ詰液状食品1における説明表示40は、図1に示したように、パウチ10の表面に印刷することにより形成してもよく、パウチ詰液状食品1の梱包箱等の外装材に印刷することにより形成してもよく、パウチ10とは別個の紙片に印刷し、その紙片をパウチ詰液状食品1に添付するようにしてもよい。
【0042】
パウチ詰液状食品1の製造方法としては、上縁シール部12が未シール状態のパウチ10を用意し、それに液状食品30を充填して、上縁シール部12をヒートシールし、レトルト処理を施せばよい。レトルト処理は、常法により、好ましくは当該食品の中心部の品温を120℃で4分間相当の加熱する又はこれと同等以上の効力を有する条件で加圧加熱殺菌処理すればよい。
【0043】
また、パウチ詰液状食品1の使用方法としては、まず、消費者が、作りたい料理の種類、手持ちの畜肉、魚介類、野菜等に応じて、所定の料理を作るためのパウチ詰液状食品を選択すると共に、それに加える固形具材20を説明表示の記載に基づいてカットや秤量等を行う。
【0044】
次に、図4に示すように、パウチ詰液状食品1のジッパー部13外方のノッチ15からパウチ10を引き裂いてジッパーシール部14を切除した後、ジッパー部13を開封し、そこから必要に応じて下処理をした固形具材20を矢印のようにパウチ10内に投入する。この場合、前記の洗浄水などが固形具材20に付着してパウチ10内に入るのは別として、固形具材とは別に、味の調整などの目的でパウチ10内に水を加えることはしない。水を加えると、パウチ10内で固形具材20が接する液状食品30の濃度にバラツキが生じ、電子レンジ加熱後の固形具材の味付けにもバラツキが生じるので好ましくない。
【0045】
次に、ジッパー部13を閉じた後、蒸気抜き機構17から内容物がこぼれ難いように蒸気抜き機構17が上部にくるようにパウチ10を平置きした姿勢で、あるいは、立てた姿勢で電子レンジ加熱を所定のワット数と時間で行う。この際、パウチ10内に加えた鶏肉、白身魚の切り身、白菜やブロッコリー等の固形具材20の大部分が適度に増粘した液状物の液面31上に露出した状態で電子レンジ調理が開始される。液面31上に露出した固形具材20は、電子レンジによる液状食品30及び固形具材20への直接加熱により発生した蒸気によっても蒸らし効果により加熱される。その結果、パウチ10内に充填されていた液状食品30と、投入した固形具材20とが適度に加熱調理され、美味しい料理を作ることができる。なお、蒸気抜き機構17から蒸気が排出されるため、パウチ10は膨張しても、その破裂は防止される。そして、加熱調理後は、上縁シール部12近傍のノッチ16からパウチ10の上端部を引き裂いて開口し、あるいは、ジッパー部13を開封し、パウチ10の料理を皿にあける。パウチ10内では料理に味付けのムラがあっても、パウチ10内の料理を皿にあけることにより、液状物の粘度が調整された液状食品30と固形具材20とが撹拌されるので、料理の味付けのムラが解消される。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を、実施例に基づいて具体的に説明する。
【0047】
[実施例1](白菜の加熱料理)
(1)投入する固形具材
パウチ内に後に加える固形具材を1口大(約35×50mm)にカットした白菜約100gとした。
【0048】
(2)液状食品、パウチ詰液状食品
表1に示す液状食品の材料のうち、オイスターソース、醤油、菜種油、焙煎ごま油、加工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉、日本エヌエスシー(株)社製、商品名「コルフロ67」)、スクラロース、食塩、ショウガペースト、清水を鍋で混合、加熱することにより調味液を調製した。
【0049】
また、人参、筍、豚肉及びかまぼこをそれぞれ3×3×30mmのサイズに拍子木切りした。次に、得られた調味液100g、人参15g、筍15g、豚肉10g及びかまぼこ10gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構を有する図1のジッパー付きスタンドパウチ(パウチサイズ:縦220mm×横140mm×折込(マチ)40mm、材質:(パウチ)ポリエステル/ポリアミド/無延伸ポリプロピレン、(ジッパー部)ポリプロピレン、最大充填可能容量:820mL)に充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間:中心部の加熱処理条件として120℃4分間相当)し、パウチ内に液状食品として具入り調味液150g(150mL)が充填されているパウチ詰液状食品を得た。この液状食品の食塩濃度は2%であった。液状食品における調味液の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.3、回転数20rpm)は3Pa・sであり、パウチ厚は0.7cmであった。
【0050】
【表1】

【0051】
(3)電子レンジによる加熱調理
(2)のパウチ詰液状食品のジッパーを開封し、(1)の白菜100gを入れ、再度ジッパーを閉じた。白菜投入後のパウチ厚は5cmであった。次に、電子レンジ内に白菜投入後のパウチ詰液状食品を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。この場合の液状物の液面は、内容物の下端から上端までの1/5の高さに位置していた。これを電子レンジで加熱調理(600W×4分間)をし、料理の取出用のノッチから開封してこれを大皿にあけた。
【0052】
得られた白菜の加熱料理は、白菜特有の歯切れのよい好ましい食感と甘い風味があり、また、味付けにムラがなく、大変美味しいものであった。
【0053】
また、調製されたパウチ詰液状食品150gは78kcal、白菜100g(14kcal)を加えると92kcal(二人前)と低カロリーに調整されている。通常の処方では菜種油を5部使用し、スクラロースと同甘味度となるよう砂糖を3部使用した場合は1袋当り40kcal増加し、パウチ詰液状食品150gが118kcal、白菜を加えた場合132kcalとなる。
【0054】
[実施例2](かにとチンゲン菜の加熱料理)
(1)投入する固形具材
パウチ内に後に加える固形具材を、かにフレーク30gとザク切り(約50mm)したカットしたチンゲン菜約70gとした。
【0055】
(2)液状食品、パウチ詰液状食品
表2に示す液状食品の材料のうち、チキンブイヨン、菜種油、ガーリックオイル、湿熱処理澱粉(日本エヌエスシー社製、「ノベーション2300」)、スクラロース、食塩、清水を鍋で混合、加熱することにより調味液を調製した。
【0056】
次に、得られた調味液100gを実施例1で用いたジッパー付きスタンドパウチに充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間:中心部の加熱処理条件として120℃4分間相当)し、パウチ内に液状食品として具入り調味液110g(110mL)が充填されているパウチ詰液状食品を得た。この液状食品の食塩濃度は1%であった。液状食品における調味液の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.3、回転数20rpm)は2Pa・sであり、パウチ厚は0.5cmであった。
【0057】
【表2】

【0058】
(3)電子レンジによる加熱調理
(2)のパウチ詰液状食品のジッパーを開封し、(1)のかにフレーク30gとチンゲン菜70gを入れ、再度ジッパーを閉じた。固形具材投入後のパウチ厚は3cmであった。次に、電子レンジ内にチンゲン菜投入後のパウチ詰液状食品を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。この場合の液状物の液面は、内容物の下端から上端までの3/10の高さに位置していた。これを電子レンジで加熱調理(600W×4分間)をし、料理の取出用のノッチから開封してこれを大皿にあけた。
【0059】
得られたチンゲン菜の加熱料理は、かにの良好な風味とチンゲン菜特有の歯切れのよい好ましい食感と甘い風味があり、また、味付けにムラがなく、大変美味しいものであった。
【0060】
[実施例3](鶏ささみとブロッコリーの加熱料理)
(1)投入する野菜
パウチ内に後に加える固形具材を、長径約30mmにカットした鶏肉ささみ50gと1口大にカット(約50mm)したカットしたブロッコリー約100gとした。
【0061】
(2)液状食品、パウチ詰液状食品
表3に示す液状食品の材料のうち、チキンブイヨン、コーン油、バターフレーバー、加工澱粉(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、日澱化学社製、「デリカM−9」)、アセスルファムK、食塩、清水を鍋で混合、加熱することにより調味液を調製した。
【0062】
次に、得られた調味液150gを実施例1で用いたジッパー付きスタンドパウチに充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間:中心部の加熱処理条件として120℃4分間相当)し、パウチ内に液状食品として調味液150g(150mL)が充填されているパウチ詰液状食品を得た。この液状食品の食塩濃度は1%であった。液状食品における調味液の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.4、回転数20rpm)は4Pa・sであり、パウチ厚は0.7cmであった。
【0063】
【表3】

【0064】
(3)電子レンジによる加熱調理
(2)のパウチ詰液状食品のジッパーを開封し、(1)の鶏肉ささみ50gとブロッコリー100gを入れ、再度ジッパーを閉じた。ブロッコリー投入後のパウチ厚は6cmであった。次に、電子レンジ内にブロッコリー投入後のパウチ詰液状食品を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。この場合の液状物の液面は、内容物の下端から上端までの1/5の高さに位置していた。これを電子レンジで加熱調理(600W×6分間)をし、料理の取出用のノッチから開封してこれを大皿にあけた。
【0065】
得られたブロッコリーの加熱料理は、ブロッコリー特有の好ましい食感と甘い風味があり、また、味付けにムラがなく、大変美味しいものであった。
【0066】
[試験例1]
本試験例においては、パウチ詰液状食品に配合する香味油が、加熱調理後の風味に与える影響を調べるために以下の試験を行った。つまり、まず、実施例1と同様にして表1に示す液状食品の材料のうち、焙煎ごま油の配合量を0部、0.1部、0.2部、1部、2部とし、菜種油との合計配合量を2部となるよう調製した。各150gを充填後、実施例1と同様にレトルト処理し、パウチ内に液状食品として調味液が充填されている5種類の各パウチ詰液状食品を得た。これに加え、焙煎ごま油を含まず、菜種油を5部含むものを同様に調製した。
【0067】
次に、実施例1と同様の方法で、6種類の各パウチ詰液状食品150gにカットした白菜
100gを入れ、同条件にて電子レンジ調理後大皿にあけ、風味を評価した。
【0068】
その結果、焙煎ごま油を含まず、菜種油を2部含むものは、他の群に比し風味に濃厚感がなく、食した後も満足感の得られるものではなかった。これに対し、焙煎ごま油0.1部、0.2部、1部、2部配合した例は、焙煎ごま油を含まず、菜種油を5部含む例と同様の満足感が得られた。これにより、焙煎ごま油を加えることにより、油脂の使用量を4割に削減した場合においても、同様の濃厚感を有し、満足感を与える風味となることが分かる。
【0069】
[試験例2]
次に、本試験例においては、パウチ詰液状食品に野菜を投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状食品の液面の高さが、加熱調理後の野菜の食感や風味に与える影響を調べるために以下の試験を行った。つまり、まず、実施例1と同様にして表1に示す液状食品の材料のうち、オイスターソース、醤油、砂糖、菜種油、化工澱粉、砂糖、食塩、ショウガペースト、清水を鍋で混合、加熱することにより調味液を調製した。この調味液を実施例1で用いたパウチにそれぞれ220g、200g、180g、150g、100g、50gずつ充填後、実施例1と同様にレトルト処理し、パウチ内に液状食品として調味液が充填されている6種類の各パウチ詰液状食品を得た。
【0070】
パウチ内に後に加える野菜として1口大(約35×50mm)にカットした白菜を用意した。この白菜を調味液充填量の異なる各パウチ詰液状食品に、ジッパーを開封して、表5に記載した量それぞれ充填した後密封した。続いて、電子レンジ内に白菜投入後のパウチ詰液状食品を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした状態で加熱調理をし、料理の取出用のノッチから開封してこれを大皿にあけた。電子レンジでの加熱調理条件は、過度の加熱がされた場合を想定して600W×6分間の条件で行った。
【0071】
得られた各料理について、白菜の食感及び風味、並びに料理全体の味付けのムラを下記評価基準により評価した。また、電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の各パウチ詰液状食品について、内容物の下端から上端までの高さに対する液状物の液面の高さを測定した。結果を表5に示す。
【0072】
<白菜の食感>
A:白菜特有の歯切れのよい好ましい食感がある。
B:白菜特有の歯切れのよい食感がやや弱いが問題のない程度である。
C:白菜特有の歯切れのよい食感がやや弱い。
D:柔らかく白菜特有の歯切れのよい食感がまったく感じられない。
【0073】
<白菜の風味>
A:白菜特有の甘い風味がある。
B:白菜特有の甘い風味がやや弱いが問題のない程度である。
C:白菜特有の甘い風味がやや弱い。
D:白菜特有の甘い風味が感じられない。
【0074】
<料理全体の味付けのムラ>
A:味付けにムラがない。
B:味付けにややムラがあるが問題のない程度である。
C:味付けにややムラがある。
D:味付けにムラがある。
【0075】
【表4】

【0076】
表4より、電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/10〜1/2の高さに位置する場合(試験品1−2〜6)は、電子レンジ加熱により過度の加熱がされたとしても、白菜そのものの好ましいテクスチャーや旨みが引き出された美味しい加熱料理が得られることが理解できる。これに対して、液状物の液面が前記高さよりも高く、パウチ内に投入した白菜の大部分が液状物に浸漬した状態で電子レンジ調理を開始した場合(試験品1−1)は、過度の加熱により白菜のテクスチャーが損なわれ、また、白菜に調味成分が染み込みすぎて白菜の旨みが損なわれ好ましくないものとなった。一方、液状物の液面が前記高さよりも低く、パウチ内に投入した白菜が液状物にほとんど浸漬していない状態で電子レンジ調理を開始した場合(試験品1−7)は、電子レンジ加熱後のパウチを開封して内容物を皿に移して液状食品と白菜とを撹拌しても、料理の味付けのムラを充分に解消することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のパウチ詰液状食品は、消費者が電子レンジを用いて、カロリーが調整されているに関らず、鶏肉や魚介類、白菜やブロッコリー等の野菜そのものの好ましいテクスチャーや旨みが引き出された美味しい加熱料理を手軽に作ることを手助けする食品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施態様のパウチ詰液状食品の斜視図である。
【図2】パウチ詰液状食品を平置きした状態の側面図である。
【図3】固形具材投入後、電子レンジで加熱調理する姿勢とした状態のパウチ詰液状食品の側面図である。
【図4】固形具材を投入するためにジッパー部を開口したパウチ詰液状食品の斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1 パウチ詰液状食品
10 パウチ
11 側縁シール部
12 上縁シール部
13 ジッパー部
14 ジッパーシール部
15 ノッチ
16 ノッチ
17 蒸気抜き機構
18 弱化シール部
19 切欠
20 固形具材
21 内容物の上端
30 液状食品
31 液面
32 内容物の下端
40 説明表示
50 平板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用油脂を含む液状食品が平袋状のパウチに充填密封後レトルト処理されてなり、パウチ内に固形具材を投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにするパウチ詰液状食品であって、
パウチが前記野菜の投入口となるジッパー部、電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構を有し、
香味油および/または油脂風味を増感させる香料を含有し、
前記固形具材をパウチ内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/10〜1/2の高さであることを特徴とするパウチ詰液状食品。
【請求項2】
前記固形具材の投入量が、液状食品に含まれる液状物1質量部に対して0.1〜5質量部である請求項1記載のパウチ詰液状食品。
【請求項3】
パウチの最大充填可能容量が液状食品の充填量の2〜10容量倍である請求項1又は2記載のパウチ詰液状食品。
【請求項4】
高甘味度甘味料を含有する、請求項1乃至3いずれかに記載のパウチ詰液状食品。
【請求項5】
ダイエット用食品である、請求項1乃至4いずれかに記載のパウチ詰液状食品。
【請求項6】
糖尿病疾患用食品である、請求項1乃至4いずれかに記載のパウチ詰液状食品。









【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−273382(P2009−273382A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125611(P2008−125611)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【出願人】(591116036)アヲハタ株式会社 (35)
【Fターム(参考)】