説明

パソコンのリムーバブルメディアへソフトウエア類をセットアップするシステムとセットアップ情報を継続的に活用できるビジネスモデル

【課題】使い慣れたパソコン用の各ソフトウエアと設定環境をパソコン本体の環境に依存せず、尚且つ継続的活用可能な形で、複数パソコンで利用できる様にリムーバブルメディアで持ち運ぶなどのモバイルコンピューティング実現にある。
【解決手段】USB規格などでパソコンへ接続したリムーバブルメディアの固体識別コードを認識することによって、各ソフトウエアを簡単にセットアップするなどの活用環境を提供し、それぞれのリムーバブルメディアに対応した個別サービスを実現する。また、インターネット経由なども含めて提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンの外部接続規格(USB規格など)で接続される個体識別コードを持つリムーバブルメディア(フラッシュメモリなど)へソフトウエア類をセットアップして、何処でもパソコンさえあれば使い慣れたソフトウエアと設定環境を利用できる様にするためのものであり、パソコン本体の環境に依存しない、バックアップが容易、パソコン本体に異常が発生しても他のパソコンで継続できるなどの特徴を持ち、モバイルコンピューティング時代の到来と共に複数台のパソコンを扱う作業に於いてデータの持ち運びと同時にソフトウエアや設定環境を持ち運べる事で、何処でも作業ができるなどの利用環境の利便性に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のパソコン利用者は、アプリケーションソフトもパソコン本体へセットアップされたものを使うか、自己責任において自らセットアップして利用するのが通常であり、アプリケーションソフトをセットアップする際にOSのバージョンやアカウントなどに依存したりする情報を予め認識しなければならないなどの厄介さを伴うため、便利なアプリケーションソフトもあまりセットアップしないまま大半のパソコン利用者はパソコンを活用しているのが現状である。
【0003】
近年、ネットブックと称される事務系アプリケーションソフトを伴わないインターネット作業に特化した低コストパソコンが販売されている。インターネットの利用以外で必要とするソフトウエアは、利用者が選択してセットアップすることが、必須となりつつある。
【0004】
また、OS分野で大きな占有率を握るメーカーの次期バージョンでは、パソコンのハードウエア負担を少なくするために付属するソフトウエアやデバイスドライバなど必要なものだけをその都度ダウンロードして使う形に変更される様であり、これらの環境は、更なる個別パソコンの活用時代に突入することとなり、流動的に使えるソフトウエア類の利用環境が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−58826号広報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】小谷宏志編集 「日経PC21 2008年11月号」日経BP社 2008年11月
【非特許文献2】渡辺崇史編集 「デキる大人のUSBメモリ活用術」笠倉出版社 2008年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
使い慣れたソフトウエアをパソコン本体の環境に依存しない状態で複数のパソコンで利用できる形が増えている時代の中にあって、利用者がもっと簡単に色々なソフトウエアを利用可能とした利用形態を提供すると共に、個別にセットアップする環境をも提供することによって利便性のあるリムーバブルメディアによるモバイルコンピューティングの実現にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
個別サービスを簡単に実現するために、本発明ではセットアップするリムーバブルメディアの個体識別コードを利用するものであり、リムーバブルメディアの個体識別コードと登録した個体識別コードを照合し一致した上で、それぞれのリムーバブルメディアに対応したソフトウエア類をセットアップする。また、インターネット経由なども含めた個別利用者ごとへのサービスを提供し、厄介さの解消手段を総合的に提供することを主な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、インターネット経由なども含めた個別ユーザへのソフトウエアのセットアップとそのバージョンアップ対応、ストレージサービス、データバックアップとリストア(バックアップを戻す)、リムーバブルメディアのシステムメンテナンス、ユーザ志向による専門ソフトウエア活用法の提供サービスなど、多角的な利用形態と遠隔サービスによる個別ユーザ毎への利便性を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は実施例の機能ブロック図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について説明する。実施例の説明では、インターネットを介した例で説明するが、本発明を実施するための形態はインターネットを介した処理に限らず、例えば、同一屋内のネットワークを介した処理や同一パソコン内での処理をも含むものとし、以下の実施例説明は、本発明の実施形態の一例であって、ネットワークなどを持つパソコンの利用形態に限定するものではない。
【0012】
パソコンの外部接続規格(USB規格など)で接続される個体識別コードを持つリムーバブルメディア(フラッシュメモリなど)がクライアントパソコンに接続され、サポート命令(初期設定、バックアップしたデータのリストアなど)が実行されると、リムーバブルメディアの個体識別コードと予め登録された個体識別コードを照合し一致した時、選択された命令に応じて、それぞれのリムーバブルメディアが持つ個体識別コードに対応したデータをセットアップする。
【0013】
個体識別コードとは、メーカーコード、製品コード、シリアルナンバーなどを組み合わせて唯一のコードとしたものであり、リムーバブルメディアをフォーマットしても消去することの出来ないものを云う。
【0014】
クライアントパソコンとは、インターネットなどを介してサーバーなどにより予めか、その都度、認識転送ソフトウエア(個体識別コード&パスワードの認識部、及び、データ転送手段)をインストールしたパソコン、もしくはサーバーから直接リムーバブルメディアを制御できる状態のパソコンを云う。
【0015】
それぞれのリムーバブルメディアが持つ個体識別コードに対応したデータとは、バックアップしたデータのリストアデータ、各ソフトウエアを動作させるためにグループ分けし整理した起動メニューと起動メニューに応じた各ソフトウエアとその取扱説明書類などを云う。
【0016】
また、安全を確保するため、個体識別コード漏洩などの防御策としてリムーバブルメディアがクライアントパソコンに接続され、サポート命令が実行された場合にパスワード(リムーバブルメディアを利用する者が当初登録するものとする)の入力を求め、個体識別コードとパスワードの組合せで命令を実行する手段をも備えるものとするが、前記パスワードの入力有無については、クライアントパソコンの利用形態で使い分けるものとし、本発明の実施形態を限定するものではない。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明実施例の機能ブロック図である。この図を参照して以下に実施例について詳細に説明する。それぞれのリムーバブルメディア100が持つ個体識別コード101をインターネット接続されたサーバー500内の個体識別コード登録部501へ登録しておく。
【0018】
インターネットへ接続できるクライアントパソコン300にリムーバブルメディア100を接続し、Webブラウザ301などの接続手段でサーバー500へ接続し、サーバー500にあるサポート命令実行手段504を実行した場合、認識転送ソフトウエア310をサーバー500からダウンロードして、個体識別コード&パスワードの認識部311でリムーバブルメディア100の個体識別コード101を読み取り、サーバー500の個体識別コード&パスワードの照合手段502へ転送する。
【0019】
転送された個体識別コード101をサーバー500では、個体識別コード登録部501にある個体識別コードと照合し一致すれば、パスワード要求を出し、その入力されたパスワードをサーバー500のパスワード登録部503にある個体識別コードに対応したパスワードと照合し同じく一致すれば、サポート命令に応じた処理をそれぞれの個体識別コードに対応して行う。例えば、初期設定命令の場合、サーバー500の各種データ保存部510にある個体識別コードに対応した各ソフトウエアの起動手段&メニュー512、および、そのメニューと個体識別コードに対応した各ソフトウエア513と各ソフトウエアに対応した取扱説明書類514をクライアントパソコン300のデータ転送手段312へ送り、そこからリムーバブルメディア100の各ソフトウエアの起動手段&メニュー102へ、各ソフトウエア103へ、そして保存データ類104へ転送する。
【0020】
複数のリムーバブルメディアで一部のソフトウエアと設定環境を共通で使いたい場合は、サポート命令実行手段504内のリムーバブルメディア共通登録とメニュー共通登録を実行し、それぞれの個体識別コード101に共通コードを追加した個体識別コードの登録と共通コードに対応した各ソフトウエア起動手段&メニュー512、および共通コードに対応した各ソフトウエア513を登録する。そして、前記それぞれの個体識別コードに対応した転送を行った後、追記する形でリムーバブルメディア100へ上書きすることにより実現する。
【0021】
各ソフトウエアのバージョンアップの場合は、サポート命令実行手段504内のバージョンアップ命令を実行し、個体識別コードに対応した各ソフトウエア類の変更になったファイル部分のみとその取扱説明書類を追記する形でリムーバブルメディア100へ上書きすることにより実現する。
【0022】
リムーバブルメディア100の各ソフトウエアの起動手段&メニュー102、各ソフトウエア103、保存データ類104をバックアップする場合は、前記と同様にWebブラウザ301などでサーバー500へ接続し、サーバー500のサポート命令実行手段504内のシステムバックアップ、データバックアップを実行すると、クライアントパソコン300のデータ転送手段312へ命令を出し、リムーバブルメディア100の個体識別コード101と一緒に、各ソフトウエアの起動手段&メニュー102、各ソフトウエア103、保存データ類104をサーバー500の各種データ保存部510へ転送し、個体識別コード101と関連付けて保存する。
【産業上の利用可能性】
【0023】
それぞれのリムーバブルメディアが持つ個体識別コードを自動認識することは、従来使われている様なID(識別)コードの代わりに使えるので、IDコードの登録や、そのIDを忘れるということが無くなり、煩わしさから開放される。また、リムーバブルメディアごとに必要な機能をセットアップするなど個別リムーバブルメディアに対応した応用が容易となり、個人利用、あるいは、団体利用のリムーバブルメディア応用範囲の拡大が期待でき、モバイルコンピューティング時代のモバイルソフトウエア用途に適用できる。
【符号の説明】
【0024】
100 リムーバブルメディア
101 個体識別コード
102 各ソフトウエアの起動手段&メニュー
103 各ソフトウエア
104 保存データ類
200 USB規格によるUSB接続
201 個体識別コードのデータ流れ
202 保存データ類のデータ流れ
210 各ソフトウエアの起動手段&メニューと各ソフトウエアのデータ流れ
300 クライアントパソコン
301 Webブラウザ
310 認識転送ソフトウエア
311 個体識別コード&パスワードの認識部
312 データ転送手段
400 インターネット接続
401 個体識別コード&パスワードのデータ流れ
402 サポート命令の流れ
403 Webブラウザによるサーバー接続の流れ
404 各種データの流れ
500 サーバー
501 個体識別コード登録部
502 個体識別コード&パスワードの照合手段
503 パスワード登録部
504 サポート命令実行手段
510 各種データ保存部
511 パックアップデータ
512 各ソフトウエアの起動手段&メニュー
513 各ソフトウエア
514 取扱説明書類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコン外部接続規格で接続されるリムーバブルメディアが持つ個体識別コードと登録された個体識別コードを照合し一致した上で、ソフトウエア類をインターネット経由なども含めた経路で、前記リムーバブルメディアの個体識別コードに対応したセットアップを行うことを特徴とするシステム。
【請求項2】
パソコン外部接続規格で接続されるリムーバブルメディアが持つ個体識別コードと登録された個体識別コードを照合し一致した上で、ソフトウエア類をインターネット経由なども含めた経路で、前記リムーバブルメディアの個体識別コードに対応したセットアップを行うことを特徴とするビジネスモデル。
【請求項3】
パソコン外部接続規格で接続されるリムーバブルメディアが持つ個体識別コードと登録された個体識別コードを照合し一致した上で、固有の活用方法を定義したメニューや各ソフトウエアと設定環境をインターネット経由なども含めた経路で、前記リムーバブルメディアの個体識別コードに対応したセットアップを行うことを特徴とするビジネスモデル。
【請求項4】
パソコン外部接続規格で接続されるリムーバブルメディアが持つ個体識別コードと登録された個体識別コードを照合し一致した上で、固有の活用方法を定義したメニューや各ソフトウエアと設定環境をインターネット経由なども含めた経路で、前記リムーバブルメディアの個体識別コードに対応したバックアップあるいはバックアップを戻すなどのサービスを提供することを特徴とするビジネスモデル。

【図1】
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【公開番号】特開2010−176598(P2010−176598A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21051(P2009−21051)
【出願日】平成21年1月31日(2009.1.31)
【出願人】(709000365)
【Fターム(参考)】