説明

パーマネントウェーブ用第1剤

【課題】 毛髪に良好な艶と風合いを与える保存安定性に優れた乳液状のパーマネントウェーブ用第1剤を提供すること。
【解決手段】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有することを特徴とする乳液状のパーマネントウェーブ用第1剤を提供する。
(A)油分、0.1重量%〜2重量%
(B)モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン及びトリオレイン酸ソルビタンから選ばれるオレイン酸系ノニオン性界面活性剤の1種又は2種以上、0.01重量%〜0.1重量%
(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテル、0.01重量%〜0.3重量%
(D)トリメチルグリシン、0.1重量%〜1重量%
(E)ジエチレントリアミン五酢酸及び/又はその五ナトリウム塩、0.01重量%〜0.5重量%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪に良好な艶と風合いを与える保存安定性に優れた乳液状のパーマネントウェーブ用第1剤に関する。
【背景技術】
【0002】
最も単純なパーマネントウェーブ用第1剤は還元剤とアルカリ剤の水溶液であるが、このままでは施術時に液ダレを起こすので、粘性の付与が通例となっている。例えば特許文献1では、種々の水溶性高分子を用いて粘性を付与している。ところが水溶性高分子は共存する還元剤とアルカリ剤により経時的に粘度低下を起こすため、品質上問題となっている。
【0003】
このため特許文献2のように高級アルコールやノニオン性界面活性剤を用いて乳化し、クリーム状の剤型とすることで粘性を付与している。ところが、毛髪をストレート状に固定する必要のあるストレートパーマ剤(縮毛矯正剤)はこのように完全なクリーム状が好ましいが、ロッド等に毛髪を巻いて施術するパーマネントウェーブでは操作性や浸透性で好ましくない。従って、少量の油剤や界面活性剤で乳液状態としているのが現状であるが、後述の如く乳化安定性は必ずしも良くない。
【0004】
また、還元剤とアルカリ剤は施術中に毛髪の損傷を招き、施術後の毛髪は艶が損なわれたり指通りやしっとり感が減少して消費者を悩ましている。このような毛髪の損傷を防ぐため、種々の感触向上剤が配合されている。例えば、特許文献3では流動パラフィン、ラノリン、ソルビタンモノオレエート及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートを配合して乳液状態とし、良好なしっとり感を得ているが、ゲル形成能を有するゼラチンにより粘性を付与しているため経時的な粘度低下は免れなかった。
【0005】
ゼラチン以外のゲル形成能を持たない一般的な水溶性高分子で粘性を付与した場合は、経時変化による粘度低下の他、油脂類との混合性が悪いこともあり、所望の感触向上剤を配合しても経時的に分離して油分が表面に浮いてくる、いわゆるクリーミング状態になりやすい。このようなクリーミングはノニオン性界面活性剤等を用いて乳化した場合でも「溶質−水−界面活性剤−油」のバランス如何では容易に起こりうる。
【0006】
そこで特許文献4に記載のように例えば2種の異なるHLBを示す非イオン界面活性剤を用いる方法が示唆されているが、比較的面倒な調整が必要となる。
【0007】
その他、パーマネントウェーブ剤ではないが特許文献5では特許文献1と同様にオレイン酸系ノニオン性界面活性剤、特定のアニオン性界面活性剤及び油剤の組み合わせの感触向上効果が示されている。このようにオレイン酸系ノニオン性界面活性剤やポリオキシエチレンオレイルエーテルで特定の油脂類を乳化すれば感触の向上に貢献できるが、同時に経時安定性を満たすことは困難であった。
【0008】
【特許文献1】 特開2006−188441号公報
【特許文献2】 特開2005−162665号公報
【特許文献3】 特公昭38−3945号公報
【特許文献4】 特開2003−40741号公報
【特許文献5】 特開2003−286126号公報
【特許文献6】 特開2001−220333号公報
【特許文献7】 特開2002−255827号公報
【特許文献8】 特開2003−40735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、毛髪に良好な艶と風合いを与える保存安定性に優れた乳液状のパーマネントウェーブ用第1剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有することを特徴とする乳液状のパーマネントウェーブ用第1剤。
(A)油分、0.1重量%〜2重量%
(B)モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン及びトリオレイン酸ソルビタンから選ばれるオレイン酸系ノニオン性界面活性剤の1種又は2種以上、0.01重量%〜0.1重量%
(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテル、0.01重量%〜0.3重量%
(D)トリメチルグリシン、0.1重量%〜1重量%
(E)ジエチレントリアミン五酢酸及び/又はその五ナトリウム塩、0.01重量%〜0.5重量%
【0011】
さらにはアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤のいずれか一方を含むパーマネントウェーブ用第1剤を、最終的にはさらに(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルを含むパーマネントウェーブ用第1剤を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のパーマネントウェーブ用第1剤は、毛髪に良好な艶と風合いを与える保存安定性に優れた乳液状のパーマネントウェーブ用第1剤であった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の(A)成分である油分は、室温において固体でも液体でも、また天然でも合成でもよく、所望の感触・風合いに応じてあらゆる公知の物が使用できる。例えば、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、ゴマ油、メドウフォーム油、ホホバ油及びミンク油等の動植物油脂及び硬化ヒマシ油等その誘導体、トリミリスチン酸グリセリン等の合成トリグリセリド、ラノリン、ミツロウ、カルナウバロウ及びキャンデリラロウ等のロウ類、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、セレシン、スクワラン及びマイクロクリスタリンワックス等の炭化水素及び塩素化パラフィン等その誘導体、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、べヘニルアルコール及びオクチルドデカノール等の高級アルコール、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸及びヤシ脂肪酸等の高級脂肪酸、コレステロール及びフィトステロール等のステロール類、オレイン酸オクチルドデシル、乳酸ミリスチル及びミリスチン酸イソプロピル等の合成エステル、メチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油のほかリン脂質等が挙げられる。
【0014】
これら油分の配合量は、0.1重量%〜2重量%が好ましく、0.5重量%〜1.5重量%がより好ましい。0.1重量%未満では所望の艶と風合いが得られ難く、2重量%を超えると安定性が得られないかクリーム状になって操作性が悪くなる。
【0015】
本発明の(B)成分であるオレイン酸系ノニオン性界面活性剤はモノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン及びトリオレイン酸ソルビタンから選ばれる1種〜2種以上のソルビタン誘導体で、この内セスキオレイン酸ソルビタンは、モノオレイン酸ソルビタンとジオレイン酸ソルビタンの混合物である。
【0016】
これらの市販品としては、モノオレイン酸ソルビタンでは花王社製のレオドール(登録商標:以下(R)で示す)SP−O10、日本エマルジョン社製のEMALEX(R)SPO−100及び日光ケミカルズ社製のNIKKOL(R)SO−10V等、セスキオレイン酸ソルビタンでは花王社製のレオドール(R)AO−15、日本エマルジョン社製のEMALEX(R)SPO−150及び日光ケミカルズ社製のNIKKOL(R)SO−15V等、トリオレイン酸ソルビタンでは花王社製のレオドール(R)SP−O30、東邦化学工業社製のソルボンS−85及び日光ケミカルズ社製のNIKKOL(R)SO−30V等がある。
【0017】
配合量としては0.01重量%〜0.1重量%が好ましく、0.02重量%〜0.08重量%がより好ましい。0.01重量%未満では良好な艶と風合いが得らず、0.1重量%を超えて配合しても効果はあまり変わらないので不経済である。
【0018】
本発明の(C)成分であるポリオキシエチレンオレイルエーテルはオレイルアルコールの酸化エチレン付加物で、主に油分の乳化剤として働くとともに良好な艶と風合いを与える重要な役割がある。酸化エチレンの付加モル数によって種々の製品が複数のメーカーから市販されている。
【0019】
例えば日本油脂社製のノニオンEシリーズ、東邦化学工業社製のペグノールシリーズ、日本エマルジョン社製のEMALEX(R)5シリーズ及び日光ケミカルズ社製のNIKKOL(R)BOシリーズ等で、酸化エチレン付加モル数は各々概ね2〜100の間の物が入手できる。
【0020】
これらは付加モル数の低い親油性のものと付加モル数の高い親水性のものを組み合わせて使用するのが通例である。配合量は0.01重量%〜0.3重量%で、0.05重量%〜0.2重量%がより好ましい。0.01重量%未満では良好な乳化状態と艶と風合いが得られず、0.3重量%を超えて配合しても効果はあまり変わらないので不経済である。
【0021】
本発明の(D)成分であるトリメチルグリシンはアミノ酸であるグリシンの誘導体でベタインとも呼ばれ、通常は毛髪の感触・風合いの向上成分として配合されることが多いが、本発明においてはさらに乳化安定性に大きく貢献することを見出した。
【0022】
配合量としては0.1重量%〜1重量%が好ましく、0.2重量%〜0.8重量がより好ましい。0.1重量%未満では効果が得られず、1重量%を超えて配合してもあまり効果が変わらないので不経済である。なお、市販品としては味の素社製や旭化成社製等がある。
【0023】
本発明の(E)成分であるジエチレントリアミン五酢酸及び/又はその五ナトリウム塩はキレート剤として公知のものであるが、本発明においてはさらに乳化安定性に大きく貢献することを見出した。
【0024】
配合量としては0.01重量%〜0.2重量%が好ましく、0.02重量%〜0.1重量%がより好ましい。0.01重量%未満では効果が得られず、0.2重量%を超えて配合してもあまり効果が変わらないので不経済である。なお、ジエチレントリアミン五酢酸の市販品としてはキレスト社製のキレスト(R)PAがある。また、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩の40重量%水溶液として、同社製のキレスト(R)PSがあり、こちらの方が取り扱いやすいので好ましい。
【0025】
本発明におけるパーマネントウェーブ用第1剤にはさらにアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤のいずれか一方を配合すると、より乳化安定性が増すので好ましい。アニオン性界面活性剤としてはアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸塩及びポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等が好ましい。
【0026】
カチオン性界面活性剤としては炭素数が12〜22の塩化又は臭化アルキルトリメチルアンモニウムが好ましく、塩化セチルトリメチルアンモニウムが比較的安価なのでより好ましい。
【0027】
これらアニオン性あるいはカチオン性界面活性剤の中では、特にアルキル硫酸塩が安価で乳化力が強いので最適である。アルキル硫酸塩としてはラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられる。配合量はいずれの界面活性剤も0.01重量%〜0.5重量%が好ましく、0.03重量%〜0.2重量%がより好ましい。0.01重量%未満であると効果が得られず、0.5重量%を超えて配合しても、効果はあまり変わらないので不経済である。
【0028】
さらに本発明におけるパーマネントウェーブ用第1剤に感触向上剤として、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルを配合するとより良好な艶と風合いが得られる。これはジペンタエリトリット脂肪酸エステルの1種〔ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸及びロジンから得られる脂肪酸とペンタエリスリトールの二量体とのヘキサエステル〕で、抱水性を有する油剤としてスキンケア等に利用されている(特許文献5)が、毛髪に対しても良好な艶と風合いを与えることが判明した。
【0029】
市販品としては日清オイリオグループ社製のコスモール(R)168AR等が挙げられる。配合量は0.005重量%〜0.1重量%が好ましく、0.01重量%〜0.05重量%がより好ましい。0.005重量%未満では効果が得られず、0.1重量%を超えて配合しても効果はあまり変わらないので不経済である。
【0030】
また本発明によるパーマネントウェーブ用第1剤には、毛髪の艶と風合いを損なわない範囲内で成分(C)のポリオキシエチレンオレイルエーテルの一部を他のポリオキシエチレンアルキルエーテルに置き換えることができる。例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレン(C12−14)アルキルエーテル等が挙げられる。
【0031】
これらのポリオキシエチレンアルキルエーテルの配合量は、成分(C)のポリオキシエチレンオレイルエーテルに対して重量比で10倍量未満が好ましく、6倍量未満がより好ましい。10倍量を超えて配合すると良好な艶と風合いが得られない。
【0032】
なお本発明におけるパーマネントウェーブ用第1剤は、主剤であるチオール化合物や亜硫酸塩等の還元剤と、適宜アンモニア水やモノエタノールアミン等のアルカリ剤及びpH緩衝剤を含む。これらの成分は通常用いられている公知の成分でよいが、例えばチオール化合物としてはチオグリコール酸又はその塩、システイン又はその塩又は誘導体、システアミン又はその塩、チオ乳酸又はその塩およびチオグリセリン等が挙げられ、配合量は通常概ね1〜11重量%である。
【0033】
また本発明におけるパーマネントウェーブ用第1剤は、乳液状の液剤でクリーム状の剤型とは異なり流動性を有するもので、その粘性は25℃においてB型粘度形を用いて計測するとき、概ね10,000mPa・s未満である。10,000mPa・s以上であるとほぼクリーム状となり操作性や浸透性が悪くなる。
【0034】
さらに本発明によるパーマネントウェーブ用第1剤には、目的の効果が損なわれない範囲で通常のパーマネントウェーブ用第1剤に用いられる任意の成分を配合することができる。例えば、溶剤、保湿剤、防腐剤、着色剤、着香剤、抗炎症剤、紫外線防止剤等が挙げられる。
【実施例】
【0035】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は重量%とする。
【0036】
本発明の実施例及び比較例を表1及び表2に示した。なお、表1及び表2における配合%は純分換算とする。また、評価方法については以下に示した。
(評価方法)
まず、実施例及び比較例のパーマネントウェーブ用第1剤を45℃の恒温槽で30日間保存した後、以下の評価を行った。
1.乳化安定性
次の基準に基づき目視による官能試験により評価する。
◎:変化がなく、全く安定である。
○:かすかにクリーミング傾向が見られるが、ほぼ安定である。
△:少しクリーミングが見られるが、許容範囲内である。
×:顕著なクリーミングが見られ乳化が壊れている。
2.次に乳化安定性が「×」以外の評価のものについて、長さ約25cmの毛髪(川村かつら社製)をそれぞれ約5g用いて毛束を作成し、トリートメント効果を評価する。
まず、ポリオキシエチレン(3E.O.)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの30%水溶液で洗髪し、以下の手順で行う。
1)それぞれのパーマネントウェーブ用第1剤について室温で15分間浸漬する。
2)水洗してタオルドライ後、8%臭素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬する。
3)水洗してタオルドライ後、ドライヤーで乾燥した後トリートメント効果を触感による官能試験で評価する。評価は次の基準による。
◎:しっとりしてサラサラと指通りがよく艶が極めて優れている。
○:しっとりしてサラサラと指通りがよく艶がある。
△:しっとり感、サラサラ感及び艶が少ない。
×:しっとり感、サラサラ感及び艶がない。
3.以上の評価を基に次の基準で総合評価を行う。
◎:優、○:良、△:可、×:不可
【0037】
なお、実施例及び比較例における各成分は次のものを使用した。
(A)流動パラフィン:松村石油社研究所製、モレスコホワイト(R)P−70
(A)ミンク油:日興リカ社製
(A)メドウフォーム油:日光ケミカルズ社製
(A)ホホバ油:ミツバ貿易社製、ホホバール(ホホバ種子油)
(A)オレイン酸:日本油脂社製、EXTRA OS−85
(A)べヘニルアルコール:東邦化学工業社製、トーホーBH−65
(A)ステアリルアルコール:花王社製、カルコール(R)8098
(A)セタノール:花王社製、カルコール(R)6098
(A)ラウリルアルコール:日本油脂社製、NAA−42
(B)モノオレイン酸ソルビタン:日光ケミカルズ社製、
NIKKOL(R)SO−10V
(B)セスキオレイン酸ソルビタン:同SO−15V
(B)トリオレイン酸ソルビタン:同SO−30V
(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(50E.O.):同BO−50V
(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.):同BO−20V
(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(10E.O.):同BO−10V
(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(2E.O.):同BO−2V
(D)トリメチルグリシン:旭化成社製、ベタイン
(E)ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩:キレスト社製、
キレスト(R)PS(40%)
【0038】
さらに、その他の成分については以下のものを使用した。
(アニオン性界面活性剤)ラウリル硫酸ナトリウム:日光ケミカルズ社製、
NIKKOL(R)SLS
(カチオン性界面活性剤)塩化セチルトリメチルアンモニウム:
東邦化学工業社製、カチナールCTC−70ET
(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル:
日清オイリオグループ社製、コスモール(R)168AR
ポリオキシエチレンセチルエーテル(40E.O.):日光ケミカルズ社製、
NIKKOL(R)BC−40TX
ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.):同BC−30TX
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.):同BC−20TX
ポリオキシエチレンセチルエーテル(5.5E.O.):同BC−5.5
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(25E.O.):同BL−25
チオグリコール酸アンモニウム:(還元剤)佐々木化学社製、
チオグリコール酸として50%含有
ジチオジグリコール酸ジアンモニウム:(反応調整剤)佐々木化学社製、
ジチオジグリコール酸として40%含有
システイン:(還元剤)味の素社製
炭酸水素アンモニウム:(pH緩衝剤)住友化学工業社製
アンモニア水:(アルカリ剤)大盛化工社製、25%アンモニア水
【0039】
実施例1〜5は、それぞれ成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を全て含む組み合わせで、トリートメント効果はいずれも良好で、特に(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルを配合した実施例2は極めて優れていた。
【0040】
これらの乳化安定性については、アニオン性及びカチオン性界面活性剤を含まない実施例5よりカチオン性界面活性剤を含む実施例4の方が優れ、アニオン性界面活性剤を含む実施例1〜3の方がさらに優れていた。
【0041】
比較例1は、実施例1の成分(D)トリメチルグリシンを0.01%に減量したもので、乳化安定性が悪くクリーミングが発生したため、トリートメント効果は確認できなかった。
【0042】
比較例2は、実施例1の成分(E)ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩を0.004%に減じたもので比較例1と同様に乳化安定性が悪くクリーミングが発生したため、トリートメント効果は確認できなかった。
【0043】
比較例3は、実施例1の成分(B)オレイン酸系ノニオン製界面活性剤をポリオキシエチレンセチルエーテルに置き換えたもので、乳化安定性は許容範囲内であったが、良好なトリートメント効果は得られなかった。
【0044】
比較例4は、実施例1の成分(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテルをポリオキシエチレンセチルエーテルに置き換えたもので、乳化安定性は良好であったが、良好なトリートメント効果は得られなかった。
【0045】
以上のように実施例1〜5に示す各パーマネントウェーブ用第1剤は、いずれも良好な乳化安定性及びトリートメント効果を併せ持つ優れたパーマネントウェーブ用第1剤であった。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有することを特徴とする乳液状のパーマネントウェーブ用第1剤。
(A)油分、0.1重量%〜2重量%
(B)モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン及びトリオレイン酸ソルビタンから選ばれるオレイン酸系ノニオン性界面活性剤の1種又は2種以上、0.01重量%〜0.1重量%
(C)ポリオキシエチレンオレイルエーテル、0.01重量%〜0.3重量%
(D)トリメチルグリシン、0.1重量%〜1重量%
(E)ジエチレントリアミン五酢酸及び/又はその五ナトリウム塩、0.01重量%〜0.5重量%
【請求項2】
更にアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤のいずれか一方を含む請求項1に記載のパーマネントウェーブ用第1剤。
【請求項3】
更に(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルを含む請求項1又は請求項2に記載のパーマネントウェーブ用第1剤。

【公開番号】特開2008−50335(P2008−50335A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261445(P2006−261445)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(397031304)エステートケミカル株式会社 (22)
【Fターム(参考)】