説明

ヒアルロニダーゼ阻害剤及び皮膚外用剤組成物

【課題】 優れたヒアルロニダーゼ阻害効果を有する、ヒアルロニダーゼ阻害剤を提供すること。
【解決手段】 ベルゲニア・リグラータ(学名:Bergenia ligulata(Wall.)Engl.)の根茎の溶媒抽出物と分子量20万以下のγ−ポリグルタミン酸を組み合わせた混合物を有効成分とし、γ−ポリグルタミン酸及びベルゲニア・リグラータの根茎を単独で使用するよりも優れたヒアルロニダーゼ阻害作用を有し、これらを配合した皮膚外用剤を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアルロニダーゼ阻害剤及びこれを配合する皮膚外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸の加水分解酵素であり、動物組織に広く分布している。その基質となるヒアルロン酸は、皮膚・関節液などの組織に多く存在するムコ多糖の一種であり、皮膚では細胞の保護・組織水分の保持・柔軟性の維持等の役割をしている。また、関節液として組織構造・機能の維持や潤滑性の保持等の役割を果たしている。
【0003】
皮膚や関節等における生体中のヒアルロン酸量は、老化等により減少し、皮膚の乾燥・肌荒れ・弾力性の低下、シワの増加、あるいは関節痛等を引き起こす。このような状態に対して、ヒアルロニダーゼ阻害剤は、ヒアルロン酸の分解を抑制し、生体ヒアルロン酸量の維持に寄与する。
【0004】
一方、ヒアルロニダーゼは起炎酵素としても知られており、ヒアルロニダーゼが炎症時に活性化され、結合組織のマトッリクスを破壊し、炎症系の組織への浸潤・血管の透過性を亢進すること、I型アレルギーにおける肥満細胞からのヒスタミンの遊離の過程に介在している可能性が高いといわれている。従って、抗炎症剤・抗アレルギー剤であるインドメタシン、アスピリン、クロモグリク酸ナトリウム等には高いヒアルロニダーゼ阻害活性が認められている。ヒアルロニダーゼ阻害剤は、近年増加傾向にあるアトピー性皮膚炎やそれに伴うかゆみ、また敏感肌等の皮膚炎症の軽減、花粉症の予防や改善効果が検討されている。
【0005】
また思春期に多く発生するニキビは、皮脂分泌の増加に伴い、アクネ菌が増殖することで起こるが、このアクネ菌はリパーゼ、ヒアルロニダーゼ、プロテアーゼなどの酵素を産生することが知られている。ヒアルロニダーゼにより炎症が惹起されると、丘疹や膿疱などの炎症性のニキビを引き起こす。このことより、ヒアルロニダーゼ活性を抑制することは、炎症反応を防ぎ、ニキビにも有効と考えられている。
【0006】
これまで前記したが、グリチルリチン酸、クロモグリク酸ナトリウム、バイカリン、インドメタシン、アスピリン等に高いヒアルロニダーゼ活性阻害作用が確認され、現在抗炎症剤として使用されている。しかしながら、これらは用途や使用濃度に制限があったり、副作用が認められており問題点を抱えている。一方、このような問題点を克服するため、天然物からヒアルロニダーゼ阻害活性を有する物質の探索も行われており、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有するものとしては、ローズマリー、タイム及びメリッサ抽出物(特許文献1)、サルオガセ科地衣類の紅雪茶(特許文献2)、オオウメガサソウ(特許文献3)などが提案されているが、作用や効果は必ずしも十分でなく製品への配合では、有効な結果を得るに至っていない。
【特許文献1】特開平08−333267
【特許文献2】特開2003−212789
【特許文献3】特開2005−29556
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有する阻害剤を塗布することによって、炎症を抑え、トラブルのない肌に改善することを目的としたヒアルロニダーゼ阻害剤及び皮膚外用剤である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ベルゲニア・リグラータBergenia ligulata(Wall.)Engl.の根茎の溶媒抽出物とγ−ポリグルタミン酸とを組合わせることにより相乗効果を有するヒアルロニダーゼ阻害剤及びこれらを配合した皮膚外用剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、γ−ポリグルタミン酸及びベルゲニア・リグラータを単独で使用するよりも優れたヒアルロニダーゼ阻害作用を有し、これらを配合した皮膚外用剤は、皮膚の炎症を防止、美しい肌の状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の構成について詳述する。本発明で使用されるベルゲニア・リグラータBergenia ligulata(Wall.)Engl.とは、ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の植物で、ヒマラヤからインド北部に自生する。インドの伝統医学であるアーユルベーダにて、咳、発熱、下痢などの治療に用いられてきた。本発明の使用部位は根茎である。また、以前にベルゲニア・リグラタータの老化防止や活性酸素消去作用等を特許にて報告している。(特開2004−315492、特開2004−315491)
【0011】
また本発明で使用されるγ−ポリグルタミン酸は、納豆の特徴である糸引き成分・ネバネバ成分の主な要素とされている。このγ−ポリグルタミン酸に関する研究や利用は10年以上前から行なわれている。保水性が知られており、化粧品等に用いられている。(特開2004−51533、特開2002−145723等)しかし、本発明で用いられるγ−ポリグルタミン酸の分子量は、20万以下であり、尚且つヒアルロニダーゼ阻害作用は未だ見出されていない。
【0012】
本発明で用いられる抽出物の調製方法は特に限定されないが、例えば種々の溶媒を用い、低温から加温下において抽出する方法があげられる。
【0013】
具体的に抽出溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の低級一価アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール、酢酸エチル等の低級アルキルエステル、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、アセトニトリル等のエーテル類が例示され、これらの一種又は二種以上の混合溶媒を用いることができる。
【0014】
本発明で使用する抽出物は、そのまま用いてもよいが、必要に応じてろ過、濃縮してもよい。また、抽出物をカラムクロマト法、向流分配法等により、分画、精製して用いることもできる。
【0015】
更に、上記のものを減圧乾燥又は凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製し、適宜製剤化して用いることもできる。
【0016】
(製造例1)
ベルゲニア・リグラータの根茎100gに50vol%エタノール溶液2kgを加え、50℃にて5時間攪拌抽出を行い、冷後、ろ過し、抽出物約1800gを得る。この抽出物の固形分を1.0%に調製し、抽出物Aを得る。
【0017】
(製造例2)
蒸留水で1.0%に調製したγ−ポリグルタミン酸を1として、上記抽出物Aをそれぞれ0.01、0.1の割合で混合させた混合物A、Bを得る。
【0018】
(製造例3)
ベルゲニア・リグラータの根茎200gに精製水3kgを加え、80℃にて5時間攪拌抽出する。冷後、ろ過し、抽出物B約2600gを得る。この抽出物Bを減圧下約200gまで濃縮した後、合成吸着体ダイヤイオンHP−20を充填したカラムにて処理し、水洗浄後の10vol%エタノール溶液溶出液、20vol%エタノール溶液溶出液及び30vol%エタノール溶液溶出液を得る。各々の溶出液をそれぞれ50gまで減圧濃縮し、エタノール50gを加え抽出物E,F,Gとする。
【0019】
(製造例4)
蒸留水で1.0%に調製したγ−ポリグルタミン酸を1として、上記抽出物Gをそれぞれ0.01、0.1の割合で混合させた混合物C,Dを得る。
【0020】
製造例2、4で使用したγ−ポリグルタミン酸の平均分子量を測定した結果、平均分子量は6万であった。測定方法は、ゲルろ過カラムを用いたHPLCにて分析し、光散乱検出器および示差屈折率計により平均分子量を求めた。
【0021】
(分子量測定における諸条件)
GPCMALS測定
GPC−光散乱測定条件
GPC装置:GPC8020シリーズ(東ソー製)
光散乱検出器:DAWNEOS(WyattTechnology製)
濃度検出器:示差屈折率計(RI検出器)
光散乱検出器レーザー波長:690nm
カラム:東ソー製 α−M(7.8mmID×30cm)×2本
溶離液:50mMリン酸緩衝液(pH7.0)+0.1M−NaCl
流速:1.0ml/min
注入量:100μl
カラム温度:40℃
検出器温度:40℃
試料濃度:0.2%
前処理:測定直前に0.5μmのセルロースアセテートフィルターでろ過
【0022】
本発明の抽出物は、そのまま利用できるほか、頭髪用剤、皮膚外用剤にも配合できるが、その配合量は特に規定するものではない。配合する製品の種類、性状、品質、期待する効果の程度により異なるが、乾燥固形物に換算して好ましくは、0.00001〜2.5重量%(以下、単に「%」で示す)、特に0.001〜1.0%がより好ましい。抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
【0023】
本発明の植物抽出物を頭髪用剤、皮膚外用剤に用いる場合、上記成分に加えて、さらに必要により、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば界面活性剤、油分、保湿剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防御剤、アルコール類、粉末成分、色剤、香料、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0024】
さらに、金属イオン封鎖剤、防腐抗菌剤、細胞賦活剤、皮脂分泌調整剤、消炎剤、収斂剤、美白剤、活性酸素抑制剤、抗アレルギー剤、老化防止剤等、さらに生理活性作用を有する植物抽出物、微生物抽出物及びこれらの抽出分画、精製物等も適宜配合することができる。
【0025】
本発明のエストロゲン様作用剤及びこれを配合してなる頭髪用剤、皮膚外用剤は、一般皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬品、医薬部外品、薬用化粧料等を包含するものである。本発明の頭髪用剤、皮膚外用剤の剤型は、可溶化系、乳化系、粉末分散系、粉末系等何れでもよく、用途も、化粧水、乳液、クリーム、パック等の基礎化粧料、ファンデーション等のメークアップ化粧料、ヘアートニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ヘアローション、ポマード、育毛剤、シャンプー、リンス等の頭髪化粧料、石けん、ボディーシャンプーなどのトイレタリー製品、浴用剤等を問わない。
【0026】
次に実施例をあげて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
(試験例1)製造例より得られた混合物AからDを試料とした。陽性対照として、阻害活性が既に知られているクロモグリク酸ナトリウム(藤沢薬品工業製)を試験に用いた。試験方法は、Morgan−Elson法を応用する方法にて行なった。
【0028】
試料の適当量を0.1M酢酸緩衝液(pH3.5に調製)にて希釈した溶液0.2mLにヒアルロニダーゼ(Sigma社製,TypeIV−S,最終酵素活性を400NFunit/mL)0.1mLを加え、37℃にて20分間で放置後、活性化剤としてcompound48/80(Sigma社製)の酢酸緩衝液溶液(0.1mg/mL)0.2mLを加え、更に37℃にて20分間放置する。これにヒアルロン酸カリウム(和光純薬工業製)溶液(最終濃度0.4mg/mL)0.5mLを加え、37℃にて40分間放置する。次に、氷上にて0.4N水酸化ナトリウム溶液0.2mLを加えて反応を停止させた後、ホウ酸溶液(ホウ酸4.95gに水50mLを加え、1N水酸化ナトリウム溶液にてpH9.1に調製した後、水を加えて100mLとする)0.2mLを加え、混和後沸騰水浴中にて3分間加熱し酵素を失活させる。次に氷上にて室温まで冷却し、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬(和光純薬工業製、10gに10N塩酸溶液12.5mL、酢酸87.5mLを混合溶解し、使用直前に酢酸にて10倍に希釈する)6mLを加え、37℃にて20分間放置した後、585nmにて吸光度を測定する。なお、試料溶液の代わりに酢酸緩衝液を入れたものを対照とし、各資料溶液、対照について酵素を入れないものブランクとし、次式により阻害活性率を求め、試料濃度を調整することにより50%阻害活性濃度(IC50)を求めた。
阻害率(%)=〔1−(試料溶液の吸光度−試料溶液ブランクの吸光度)/(対照溶液の吸光度−対照溶液ブランクの吸光度)〕×100
【0029】
【表1】

【0030】
(試験結果)
試験結果のごとく単独での阻害作用と比較しても組合わせることで相乗効果がみられ、明らかな高い阻害作用が確認された。
【0031】
以下にさらに、本発明の処方例を示す。
【0032】
(実施例1)クリーム
下記成分(1)〜(10)、別に下記成分(11)〜(15)を75℃に加温溶解しそれぞれA液及びB液とする。A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(16)を加え、クリームを調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 3.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)メチルポリシロキサン 0.5%
(4)ステアリルアルコール 0.5%
(5)セチルアルコール 0.5%
(6)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 12.5%
(7)モノステアリン酸グリセリル 5.0%
(8)モノステアリン酸ジグリセリル 1.5%
(9)モノステアリン酸デカグリセリル 3.0%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)キサンタンガム 0.1%
(12)混合物B 2.5%
(13)1,3−ブチレングリコール 2.5%
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(15)精製水 66.0%
(16)香料 0.1%
【0033】
(実施例2)化粧水
下記成分(5)〜(8)を混合溶解させA液とし、これとは別に下記成分(1)〜(4)及び(9)を混合溶解させてB液とし、A液とB液を均等に混合し、化粧水を調整した。
(成分) (重量%)
(1)グリセリン 3.0%
(2)1,3−ブチレングリコール 5.0%
(3)混合物A 10.0%
(4)ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル 1.2%
(5)エチルアルコール 3.0%
(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(7)香料 0.1%
(8)精製水 77.5%
【0034】
(実施例3)乳液
下記成分(1)〜(10)、別に(11)〜(14)及び(16)を75℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加え、乳液を調製した。
(成分) (重量%)
(1)ホホバ油 1.0%
(2)スクワラン 2.0%
(3)ベヘニルアルコール 1.0%
(4)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2.0%
(5)テトラグリセリン縮合シリノレイン酸 0.1%
(6)モノオレイン酸プロピレングリコール 0.5%
(7)モノステアリン酸グリセリン 1.0%
(8)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 1.0%
(9)モノミリスチン酸デカグリセリル 0.5%
(10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1%
(11)混合物C 3.0%
(12)1,3−ブチレングリコール 3.0%
(13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
(14)香料 0.1%
(15)精製水 84.6%
【0035】
(実施例4)クレンジングジェル
下記成分(1)〜(3)、別に(4)〜(6)及び(8)を70℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで攪拌する。攪拌しながら、50℃まで冷却し、成分(7)を加え、クレンジングジェルを調製した。
(成分) (重量%)
(1)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0%
(2)流動パラフィン 59.7%
(3)パラオキシ安息香酸エステル 0.3%
(4)混合物D 5.0%
(5)濃グリセリン 5.0%
(6)ソルビトール 5.0%
(7)香料 0.1%
(8)精製水 4.9%
【0036】
(実施例5)パック剤
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化し、次いでC相を加えて均一に溶解し、製する。
(成分) (重量%)
(A相)ジプロピレングリコール 5.0%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0%
(B相)オリーブ油 5.0%
酢酸トコフェノール 0.2%
パラオキシ安息香酸エステル 0.2%
(C相)亜硫酸水素ナトリウム 0.03%
ポリビニルアルコール 13.0%
混合物A 1.0%
エタノール 7.0%
精製水 63.77%
【0037】
(実施例6)乳化型ファンデーション
下記成分(1)〜(6)を充分に混合粉砕した粉末部をAとし、(7)(8)をB液、(9)〜(12)及び(14)をC液とする。C液を加熱攪拌後、Aを添加しホモミキサー処理し、さらに過熱混合したB液を加えてホモミキサー処理する。攪拌しながら50℃まで冷却し、(13)を加え、さらに室温まで冷却して製する。
(成分) (重量%)
(1)二酸化チタン 10.3%
(2)セリサイト 5.4%
(3)カオリン 3.0%
(4)黄色酸化鉄 0.7%
(5)ベンガラ 0.4%
(6)黒色酸化鉄 0.2%
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5%
(8)流動パラフィン 8.5%
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 3.0%
(10)混合物B 1.5%
(11)1,3−ブチレングリコール 5.0%
(12)パラオキシ安息香酸エステル 0.2%
(13)香料 0.2%
(14)精製水 50.1%
【0038】
(実施例7)固形ファンデーション
下記成分(1)〜(7)をブレンダーで均一に混合し、これに(8)〜(14)を加え、よく混練して製する。
(成分) (重量%)
(1)タルク 41.9%
(2)カオリン 18.5%
(3)セリサイト 14.0%
(4)二酸化チタン 3.8%
(5)黄色酸化鉄 2.9%
(6)ベンガラ 0.5%
(7)黒色酸化鉄 0.2%
(8)スクワラン 8.0%
(9)イソステアリン酸 4.0%
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0%
(11)オクタン酸イソセチル 2.0%
(12)混合物D 1.0%
(13)パラオキシ安息香酸エステル 0.1%
(14)香料 0.1%
【0039】
(実施例8)ヘアートニック
下記成分(5)に(1)〜(4)及び(7)を加え、攪拌溶解した後、(6)及び(8)を加えてさらに攪拌して製する。
(成分) (重量%)
(1)グリセリン 3.0%
(2)L−メントール 0.1%
(3)センブリエキス 2.0%
(4)混合物C 5.0%
(5)エタノール 53.0%
(6)香料 0.2%
(8)精製水 36.7%
【0040】
(実施例9)シャンプー
下記成分を加温均一に混合し製する。
(成分) (重量%)
(1)N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノール 25.0%
アミン
(2)ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0%
(3)ミリスチン酸カリウム 5.0%
(4)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0%
(5)ポリエチレングリコール400 15.0%
(6)ホホバ油 1.0%
(7)混合物D 3.0%
(8)クロルキシレノール 0.1%
(9)ビタミンE 0.1%
(10)パラオキシ安息香酸エステル 0.2%
(11)香料 0.3%
(12)精製水 43.3%
【0041】
(実施例10)浴用剤
(成分) (重量%)
(1)乾燥硫酸ナトリウム 40.0%
(2)炭酸水素ナトリウム 57.5%
(3)オリーブ油 0.2%
(4)混合物C 0.1%
(5)軽質無水ケイ酸 0.3%
(6)香料 1.7%
(7)黄色202号の(1) 0.2%
【0042】
(試験例2)使用効果試験
本発明の皮膚外用剤を使用した場合の効果試験を行った。使用テストは、乾燥、シワ、つや・張りのない肌で悩む女性20名(21〜43歳)をパネラーとして、毎日朝夕の2回、洗顔後に10名には実施例3の乳液適量を3ケ月間塗布した。また対照として10名には、混合物Cを精製水に置き換えたものを使用した。評価方法は、下記の基準で行い、結果を表2に記載した。使用期間中に皮膚の異常を訴えた者はなかった。
【0043】
「キメ細かさ」
有効 :ファンデーションののりが良くなった
やや有効 :ファンデーションののりがやや良くなった
無効または不明 :使用前と変化なし、またはわからない
【0044】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルゲニア・リグラタ(学名:Bergenia ligulata(Wall.)Engl.)の溶媒抽出物と分子量20万以下のγ・ポリグルタミン酸とを併用した外用組成物を有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
【請求項2】
請求項1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。

【公開番号】特開2007−320950(P2007−320950A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174515(P2006−174515)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(599000212)香栄興業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】