説明

ビスカルバゾール−9−イル−置換トリアリールアミン含有ポリマー及び電子デバイス

式(I)


(式中、Tは、置換されていても非置換であってもよいアリール若しくはヘテロアリール基、又はC〜C24アルキル基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFであり、a及びbは、独立に、1、2又は3から選択される)の構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー。
さらに、式(IV)


(式中、Xは、ハロゲン又はボロネート基である)の組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照として本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第60/658919号(2005年3月4日出願)の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、ビスカルバゾール−9−イル−置換トリアリールアミン部分を含むポリマー組成物及びかかる組成物を含む電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
フルオレンベース共役ポリマーが、興味深いオプトエレクトロニック特性を有することは知られている。幾つかの報告書は、フルオレンホモポリマーからの青色発光を実証している、例えば、A.W.Grice;D.D.C.Bradley、M.T.Bernius;M.Inbasekaran、W.Wu、E.P.Woo;Appl.Phys.Lett.1998、73、Y.Young and Q.Pei;J.Appl.Phys.81、3294(1997)。異なる芳香族官能基をポリマー鎖に導入することによって、フルオレンベース共役ポリマーは、全体の可視範囲(400〜700nm)にわたる発光スペクトルを伴う異なる発光色を実証している(M.T.Bernius、M.Inbasekaran、J.O’Brien、W.Wu、Adv.Mater.2000、12、1737)。効果的で安定なエレクトロルミネッセンスは、アノード及びカソードのそれぞれから、発光ポリマー層中への正孔及び電子の効果的な注入を必要とする。フルオレンホモポリマーの最高被占軌道(HOMO)とアノード(ITO)の仕事関数との間のエネルギーの不一致により、フルオレンホモポリマーの正孔−注入は非効率的になる。米国特許第6309763号、米国特許第6353083号及び米国特許第5879821号は、フルオレンベースポリマーのエレクトロルミネッセント性を改善するために、正孔輸送部分として、フルオレンベースポリマー中へのトリアリールアミンの導入を教示している。米国出願第2004127666号は、フルオレンベースのオプトエレクトロニックポリマーの主鎖における三環式アリールアミンの包含が、米国特許第6353083号において言及されている非環式トリアリールアミン等のその他の電荷輸送基を有するポリフルオレンと比較して、低電圧で改善された導電性に加えて優れたデバイス効率を与えることをさらに見出している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改善された効率及び寿命を示し、種々の色の光を発するオプトエレクトロニック材料及びデバイスを開発するために、新しい芳香族アミンモノマーを見出す必要性が依然として存在する。特別の関心事は、良好な正孔−注入及び正孔輸送性を伴う深い青色発光を与えるために、フルオレンベースポリマー中に導入するのに適した新たな芳香族アミンを見出すことの必要性である。発光デバイスにおいて、深青色発光を可能とし、同時に、アノードからの正孔−注入を促進するために、浅い(−5.0eVに近い)HOMO水準を保持し、広いHOMO−LUMOバンドギャップ(>2.9eV)を有する芳香族アミンを設計するための挑戦が未だ存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、新たなビスカルバゾール−9−イル−置換トリアリールアミンモノマー並びに深青色の発光及び良好な正孔注入及び正孔輸送性を可能とする、ポリマーの主鎖において、ビスカルバゾール−9−イル−置換トリアリールアミン部分を含むオプトエレクトロニックポリマーに関する。
【0006】
さらに詳しく言えば、本発明の一実施形態は、骨格において、式I:
【化1】


(式中、Tは、置換されていても非置換であってもよいアリール若しくはヘテロアリール基、又はC〜C24アルキル基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFであり、a及びbは、独立に、1、2又は3から選択される)の構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマーである。
【0007】
その他の態様においては、本発明は、式Iを含むポリマーを含むフィルムである。その他の実施形態においては、本発明は、式Iを含むポリマーと少なくとも1つのさらなるポリマーとのブレンドである。その他の実施形態においては、本発明は、式Iを含むポリマーを含むエレクトロルミネッセントデバイスである。その他の実施形態においては、本発明は、第1電極、式Iを含むポリマーを含むフィルム及び第2電極を含む光電池である。
【0008】
その他の態様においては、本発明は、(a)絶縁体層であって、電気絶縁体であり、第1側面及び第2側面を有する絶縁体層、(b)ゲートであって、導電体であり、絶縁体層の第1側面に隣接して配置されているゲート、(c)半導体層であって、式Iを含むポリマー及び第2電極を含む半導体層、(d)ソースであって、導電体であり、半導体層の第1端部と電気接触しているソース、及び(e)ドレインであって、導電体であり、半導体層の第2端部と電気接触しているドレインを含む電界効果トランジスタである。
【0009】
その他の実施形態においては、本発明は、式IV
【化2】


(式中、Tは、置換されていても非置換であってもよいアリール若しくはヘテロアリール基、又はC〜C24アルキル基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFであり、a及びbは、独立に、1、2又は3から選択され、Xは、ハロゲン、ホウ酸又はボロネートエステル等の離脱基である)の組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、式I:
【化3】


(式中、Tは、置換されていても非置換であってもよいアリール若しくはヘテロアリール基、又はC〜C24アルキル基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFであり、a及びbは、独立に、1、2又は3から選択される)の構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマーである。Tは、好ましくは、アルキル基、又は1つ若しくは複数のヘテロ原子を任意に含んでもよく、1つ若しくは複数の芳香族若しくは非芳香族環で任意に縮合されていてもよく、任意に置換されていてもよく若しくは非置換であってもよい芳香族基である。さらに好ましくは、Tは、フェニル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラセニル、ペリレニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、フェナントリデニル、フェナントロリニル、フェナジニル、アクリジニル、ジベンゾシロリル、フタラジニル、シンノリニル、キノキサリニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チエノ[3,4−b]ピラジニル、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]−キノキサリニル、ベンゾ[1,2−c;3−4−c’]ビス[1,2,5]−チアジアゾリル、ピラジノ[2,3−g]キノキサリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ジベンゾジオキシニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾシクロブテニル、ジヒドロベンゾジチイニル、ジヒドロチエノジオキシニル、クロマニル、イソクロマニル、9,10−ジヒドロフェナントレニル、チアジニル、フェノキサジニル、イソインドリル、ジベンゾチオフェンスルホニル、及びフェノチアジニルからなる群から選択される芳香族部分である。なおさらに好ましくは、Tは、置換若しくは非置換フェニル、ビフェニル、フルオレニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、又はフェノチアジニルである。まだその上、さらに好ましくは、Tは、置換フェニル部分である。
【0011】
は、独立に、アルキル、アルコキシル、アリール基、シアノ、又はFである。さらに好ましくは、Rは、1つ若しくは複数のO、S、N、Si等のヘテロ原子を含んでもよく、1つ若しくは複数の水素原子がFで置き換えられていてもよいC〜C20アルキル基、カルボ−C〜C20アルコキシ基、C〜C20アルコキシ基;又は、芳香族基;若しくは任意にさらに置換されていてもよく、1つ若しくは複数のヘテロ原子を任意に含んでもよいC〜C40アリール基である。好ましくは、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェニル、又はトリルである。
【0012】
本発明の組成物は、式II
【化4】


(式中、xは、式Iにより示される構造単位の画分であり、yは、その他の全ての構造単位の画分であり、x+y=1又はy=1−x、及びx=0.001−1であり、Zは、下記式の群から独立に選択される、芳香族基若しくは2個以上の芳香族基の組合せである)の構造単位を含む共役又は部分共役ポリマーを含む。
【化5−1】


【化5−2】


【化5−3】


【化5−4】


【化5−5】


【化5−6】


(式中、共役単位は、1つ又は複数の置換基を有してもよく、かかる置換基は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルボキシルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルボキシカルボニルオキシ、シアノ、又はフルオロ基であり、
は、O又はSであり、
Qは、R又はArであり、
Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、
は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり(ヘテロ原子は、炭素−炭素結合中に導入されてもよく、又は置換基として水素原子を置き換えてもよい)、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、
は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルビルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、シアノ又はフルオロ基であり、
は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、
は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、
nは、出現するごとに独立に、0〜3である)。
【0013】
本発明の組成物は、式III
【化6】


(式中、Zは、上述のものと同じである)の構造単位を含む共役又は部分共役ポリマーを含む。
【0014】
この実施形態においては、Zは、好ましくは、式
【化7】


(式中、Rは、独立に、C〜C20アルキル、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルキルフェニル、C〜C20アルキルオキシフェニル、又はC〜C40アリールである。Rの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC5〜20環構造を形成してもよい)を有する。
【0015】
この実施形態においては、Rは、好ましくは、式
【化8】


(式中、Rは、1つ又は複数のヘテロ原子を任意に含むC〜C20アルキル基である)を有する。
【0016】
本発明は、印加電圧下で、有機フィルムが、デバイスの透明な外側部分を透過して光を発するようにアノード材料及びカソード材料との間に本発明のポリマーを含む少なくとも1つの有機フィルムを含む、エレクトロルミネッセントデバイスを含む。
【0017】
また、本発明は、(a)絶縁体層であって、電気絶縁体であり、第1側面及び第2側面を有する絶縁体層、(b)ゲートであって、導電体であり、絶縁体層の第1側面に隣接して配置されているゲート、(c)半導体層であって、式Iを含むポリマー及び第2電極を含む半導体層、(d)ソースであって、導電体であり、半導体層の第1端部と電気接触しているソース、及び(e)ドレインであって、導電体であり、半導体層の第2端部と電気接触しているドレインを含む電界効果トランジスタである。本発明は、また、第1電極、本発明のポリマーを含むフィルム及び第2電極を含む光電池を含む。
【0018】
本発明は、また、式IV
【化9】


(式中、Tは、置換されていても非置換であってもよいアリール若しくはヘテロアリール基、又はC〜C24アルキル基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFであり、a及びbは、独立に、1、2又は3から選択される)の組成物である。好ましくは、Xは臭素である。
【0019】
本発明のポリマーは、約10,000ダルトン以上、20,000ダルトン以上、好ましくは、50,000ダルトン以上;1,000,000ダルトン以下、500,000ダルトン以下、好ましくは、400,000ダルトン以下の重量平均分子量を有する。分子量は、内部標準としてポリスチレンを使用するゲル透過クロマトグラフィーを使用して決定される。
【0020】
ポリマーは、10以下、5以下、4以下、好ましくは、3以下の多分散度(Mw/Mn)を示すことが好ましい。
【0021】
本発明のポリマーは、芳香族化合物を作るために、任意の知られているカップリング反応により合成することができる。好ましくは、スズキ(Suzuki)カップリング反応が使用される。スズキ反応は、ジボロン化芳香族部分及びジハロゲン化芳香族部分を使用して芳香族化合物をカップリングする。反応は、長鎖、高分子量ポリマーの生成を可能にする。さらに、添加の順序を調節することにより、ランダム又はブロックコポリマーのいずれかを製造することができる。
【0022】
好ましくは、スズキ反応は、ジボロン化モノマーを用いて開始する。スズキの方法は、参照として本明細書に明確に組み込まれる米国特許第5777070号において教示されている。
【0023】
トルエン又はキシレンは、本発明のポリマーを調製するためのスズキ反応にとって好ましい溶媒である。水中の炭酸ナトリウムは、好ましい塩基であり、パラジウム錯体触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等は、好ましい触媒であり、相間移動触媒、好ましくは、第四級アンモニウム塩は、短時間で高分子量を達成するために反応を加速するために使用される。
【0024】
一般的な合成経路は、本発明の式IIのモノマーの合成方法を例示するために、次の頁においてその概要が説明されるスキームにおいてその概要が説明される。本発明の式IIのモノマーを合成するための出発物質は、アルドリッチ社(Aldrich Chemical Company)等の多数の商業的供給メーカーから商業的に入手できる。示される経路において、Yはハロゲン原子であり、a、b、R、T及びXは、上で定義されている通りである。
【化10】

【0025】
3−置換−9−H−カルバゾール(3)は、パラ−置換若しくは非置換フェニルヒドラジンヒドロハロゲニド塩及びシクロヘキサノン若しくは置換シクロヘキサノンから開始して、文献記載の方法に従って調製されてもよい(A.R.Katritzky and Z.Wang、Journal of Heterocyclic Chemistry、25、671、(1988);J.−K Luo、R.N.Castle、M.L.Lee、Journal of Heterocyclic Chemistry、26、1213、(1989);Crosby U.Rogers and B.B.Corson、Journal of the American Chemical Society、69、2910)。例えば、塩酸p−トリルヒドラジンは、沸騰氷酢酸においてシクロヘキサノンと反応して、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾールを生成する。高温で、活性炭上のパラジウムにより触媒される1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾールの脱水素化は、化合物(3)の一例として、3−メチル−9−H−カルバゾールを生成する。3−メチル−9−H−カルバゾールは、また、類似の反応を使用して、塩酸フェニルヒドラジン及び4−メチル−シクロヘキサノンから開始して調製することができ、中間体化合物(2)は、1,2,3,4−テトラヒドロ−3−メチルカルバゾールである。ビス(3−置換−カルバゾリル)芳香族アミン(5)は、化合物(3)と、ジハロゲン化芳香族アミン化合物(4)、好ましくは、ジハロゲン化トリアリールアミン、例えば、4,4’−ジブロモ−4’’−sec−ブチルトリフェニルアミン、N,N’−ジ(p−ブロモフェニル)−N,N’−ジ(p−ブチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン等とを米国特許第6353083号において開示される通り反応させて、C−Nカップリング反応を介して、調製することができる。有用なC−Nカップリング反応としては、ウルマン反応(Ullmann反応、米国特許第4588666号)及びパラジウム触媒された架橋カップリング反応(M.S.Driver、J.F.Hartwig、Journal of the American Chemical Society、118、7217(1996);J.P.Wolfe、S.Wagaw、S.L.Buchwald、Journal of the American Chemical Society、118、7215、(1996);J.P.Wolfe and S.L.Buchwald、Journal of Organic Chemistry、61、1133、(1996);A.S.Guran、R.A.Rennels、S.L.Buchwald、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、34、1348、(1995);J.Louie、J.F.Hartwig、Tetrahedron Lett.、36、3609(1995)が挙げられるがこれらに限定されない。化合物(6)のジハロゲン化モノマーは、化合物(5)を、ハロゲン化試薬、例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)又は臭素等で処理することにより調製することができる。化合物(6)のジハロゲン化モノマーは、知られている方法(米国特許第6169163号;W.−L.Yu、J.Pei、Y.Cao、A.J.Heeger、Chemical Communications、1837(1999);T.Tshiyama、M.Murata、N.Miyaura、Journal of Organic Chemistry、60、7508(1995))を使用して、ジボロネートモノマーにさらに転換されてもよい。
【0026】
本発明のその他の態様は、ポリマーブレンドに関する。ブレンドは、少なくとも1つのその他のポリマー、好ましくは、共役又は部分共役ポリマーとブレンドされた、式I〜IIIから選択される構造単位を含むポリマーを含む。本明細書において使用される「共役ポリマー」と言う用語は、重なり合うп軌道の骨格を有するポリマーを意味する。ブレンドにおいて使用されてもよい共役ポリマーとしては、これらの共役ポリマーの任意のホモポリマー、コポリマー又は置換ホモポリマー及び/又はコポリマーを含めて、ポリフルオレン、ポリ(アリーレンビニレン)、ポリフェニレン、ポリインデノフルオレン及びポリチオフェンが挙げられる。
【0027】
好ましくは、ポリマーブレンドは、少なくとも1重量%の、式I〜IIIから選択される単位を含むポリマーから構成される。最も好ましいポリマーブレンドは、高いフォトルミネッセント及びエレクトロルミネッセント効率を有する。その他の添加剤、例えば、粘度変性剤、耐酸化剤及びコーティング改良剤等は、場合により使用されてもよい。さらに、類似の組成を有するが分子量が異なる2種類以上の低多分散度ポリマーのブレンドを配合することができる。
【0028】
本発明のその他の態様は、本発明のポリマーから形成されるフィルムである。かかるフィルムは、ポリマー発光ダイオード、光電池及び電界効果トランジスタにおいて使用することができる。好ましくは、かかるフィルムは、発光層又は電荷キャリヤ注入若しくは輸送層として使用される。フィルムは、また、電子デバイスの保護コーティング及び蛍光コーティングとして使用されてもよい。フィルム又はコーティングの厚さは用途に依存する。
【0029】
一般的に、かかる厚さは、0.005〜200ミクロンであることができる。コーティングが蛍光コーティングとして使用される場合は、コーティング又はフィルム厚は、50〜200ミクロンである。コーティングが電子保護層として使用される場合は、コーティングの厚さは、5〜20ミクロンであることができる。コーティングが、ポリマー発光ダイオードにおいて使用される場合は、形成される層の厚さは、0.005〜0.2ミクロンである。
【0030】
フィルムは、ポリマー及び少なくとも1つの有機溶媒を含む、本発明のその他の実施形態のポリマー組成物をコーティングすることにより簡単に形成される。好ましい溶媒は、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル及びこれらの混合物である。使用することのできるさらなる溶媒としては、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、デカリン、2,6−ルチジン、2−フルオロ−m−キシレン、3−フルオロ−o−キシレン、2−クロロベンゾトリフルオライド、ジメチルホルムアミド、2−クロロ−6−フルオロトルエン、2−フルオロアニソール、アニソール、2,3−ジメチルピラジン、4−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、3−トリフルオロ−メチルアニソール、2−メチルアニソール、フェネトール、4−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−フルオロ−3−メチルアニソール、2−フルオロベンゾニトリル、4−フルオロベラトロール、2,6−ジメチルアニソール、3−フルオロベンゾニトリル、2,5−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ベンゾニトリル、3,5−ジメチルアニソール、N,N−ジメチルアニリン、エチルベンゾエート、1−フルオロ−3,5−ジメトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、N−メチルピロリジノン、3−フルオロベンゾトリフルオライド、ベンゾトリフルオライド、ベンゾトリフルオライド、ジオキサン、トリフルオロメトキシベンゼン、4−フルオロベンゾトリフルオライド、3−フルオロピリジン、トルエン、2−フルオロトルエン、2−フルオロベンゾトリフルオライド、3−フルオロトルエン、4−イソプロピルビフェニル、フェニルエーテル、ピリジン、4−フルオロトルエン、2,5−ジフルオロトルエン、1−クロロ−2,4−ジフルオロベンゼン、2−フルオロピリジン、3−クロロフルオロベンゼン、3−クロロフルオロベンゼン、1−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼン、4−クロロフルオロベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2−クロロフルオロベンゼン、p−キシレン、m−キシレン、o−キシレン又はo−、m−、及びp−異性体の混合物が挙げられる。かかる溶媒は、相対的に低極性を有することが好ましい。高沸点物及び溶媒混合物は、インクジェット用に好適であり、キシレン及びトルエンは、スピンコーティングに最適である。好ましくは、溶液は、約0.1〜5%の、式I〜IIIから選択された構造単位を含むポリマーを含む。フィルムは、スピンコーティング、噴霧−コーティング、浸漬−コーティング、ロール−コーティング、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スタンプ−コーティング又はドクターブレーディングを含む、当該技術分野において良く知られた方法により調製することができる。
【0031】
好ましい実施形態においては、本発明は、溶媒における、本発明のポリマー又はポリマーブレンドを含む組成物である。使用することのできる溶媒としては、トルエン、キシレン、キシレンのo、m及びp−異性体の混合物、メシチレン、ジエチルベンエン、エチルベンゼン又は高度に置換された水準のベンゼン誘導体が挙げられる。好ましくは、溶液は、0.1〜10重量%の組成物を含む。薄いコーティングのためには、組成物は、0.5〜5.0重量%の組成物を含むことが好ましい。組成物は、所望の方法により適当な基体に適用され、溶媒は蒸発させることができる。残留溶媒は、真空、加熱により及び/又は窒素等の不活性ガスでの掃引により除去されてもよい。
【0032】
本発明のポリマーは、フォトルミネッセンスに加えて強力なエレクトロルミネッセンスを示す。したがって、本発明のその他の態様は、本発明のポリマーを含むフィルムを有する有機エレクトロルミネッセント(EL)デバイスに関する。好ましくは、本発明のELデバイスは、20ボルト以下、10ボルト以下、好ましくは、6ボルト以下の印加電圧を印加した場合に発光する。
【0033】
有機ELデバイスは、一般的に、アノード及びカソード間に挟まれた有機フィルムからなる。正のバイアスがデバイスに印加されると、正孔は、アノードから有機フィルム中に注入され、電子は、カソードから有機フィルム中に注入される。正孔及び電子の組合せは、光子を遊離することにより基底状態へ発光性崩壊することができる励起子を生じさせることができる。
【0034】
実際には、アノードは、通常、その導電性及び透明性のために錫及びインジウムの混合酸化物である。混合酸化物(ITO)は、有機フィルムにより発せられる光が観察できるように、ガラス又はプラスチック等の透明な基体上に堆積される。有機フィルムは、それぞれが別々の機能のために設計された幾つかの個々の層の複合体であってもよい。正孔はアノードから注入されるので、アノードに隣接する層は、正孔を輸送する機能を有するべきである。同様に、カソードに隣接する層は、電子を輸送する機能を有するべきである。多くの例において、電子又は正孔輸送層は、また、発光層として作用してもよい。幾つかの例においては、単一層が、正孔及び電子の輸送並びに発光の組み合わされた機能を果たしてもよい。
【0035】
金属カソードは、熱蒸発又はスパッタリングにより堆積されてもよい。カソードの厚さは、1nm〜1000nmであってもよい。好ましい金属は、カルシウム、マグネシウム、インジウム、アルミニウム及びバリウムである。アルカリ又はアルカリ金属ハライド、例えば、LiF、NaF、CsF又はRbFの薄層(1〜10nmを、発光ポリマー及びカソードのカルシウム、バリウム、又はマグネシウムとの間のバッファー層として使用してもよい。これらの金属の合金を使用してもよい。1〜5%のリチウムを含むアルミニウムの合金及び少なくとも80%のマグネシウムを含むマグネシウムの合金が好ましい。
【0036】
好ましい実施形態においては、エレクトロルミネッセントデバイスは、少なくとも1つの正孔注入ポリマーフィルム(例えば、PEDOTフィルム)及び本発明の組成物を含む発光ポリマーフィルムを含み、これらは、アノード材料とカソード材料の間に配置され、デバイスが順方向バイアスの場合、印加電圧下で、正孔が、アノード材料から正孔注入ポリマーフィルムを介して発光ポリマー中に注入され、電子が、カソード材料から発光ポリマーフィルム中に注入され、その結果、発光層からの発光が生じる。その他の好ましい実施形態においては、正孔輸送ポリマーの複数の層は、アノードに最も近い層が最も低い酸化電位を有し、隣接する層が漸次より高い酸化電位を有するように配置される。これらの方法によって、単位電圧当たり比較的に高い光出力を有するエレクトロルミネッセントデバイスを作製することができる。
【0037】
本発明のその他の実施形態は、本発明の1つ又は複数のポリマーを含み、ポリマーが、単一層フィルムとして又は多層フィルムとして存在し、これらを一緒にした厚みが10nm〜1000nmの範囲、25nm〜500nmの範囲、好ましくは、50nm〜300nmの範囲にある光電池に関する。2種以上のポリマーが使用される場合は、これらは、別個の層として別々に堆積しても、又は所望のポリマーのブレンドを含む溶液から1つの層として堆積してもよい。
【0038】
「光電池」とは、入射光エネルギーを電気エネルギーに転換することのできるオプトエレクトロニックデバイスの1つの部類である。光電池の例は、光起電デバイス、太陽電池、光ダイオード、及び光検出器である。光電池は、一般的に、透明基体上に堆積された透明な又は半透明な第1電極を含む。次いで、ポリマーフィルムが第1電極上に形成され、次に、第2電極により被覆される。基体及び第1電極を通して透過された入射光は、ポリマーフィルムによって、適当な条件下で電子及び正孔に解離する励起子に転換され、これにより電流を発生させることができる。
【0039】
本発明のその他の実施形態は、半導体ポリマーとして使用される本発明の1つ又は複数のポリマーを含む、金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタに関する。電界効果トランジスタは、5つの要素を含む。第1の要素は絶縁体層である。絶縁体層は、第1側面及び第2側面を有する電気絶縁体である。第2の要素はゲートである。ゲートは、導電体である。ゲートは、絶縁体層の第1側面に隣接して配置される。
【0040】
第3の要素は半導体層である。半導体層は、上記式I〜IIIから選択された構造単位を含むポリマーを含む。半導体層は、第1側面、第2側面、第1端部及び第2端部を有し、半導体層の第2側面は、絶縁体層の第2側面に隣接している。ポリマーは絶縁体上に堆積され、単一層フィルムとして又は多層フィルムとして存在し、これらを一緒にした厚みは10nm〜1000nmの範囲、25nm〜500nmの範囲、好ましくは、50nm〜300nmの範囲にある。
【0041】
電界効果トランジスタの第4の要素はソースである。ソースは導電体である。ソースは、半導体層の第1端部と電気接触している。第5の要素はドレインである。ドレインは導電体である。ドレインは、半導体層の第2端部と電気接触している。ゲートに負の電圧バイアスが印加されると、ソースをドレインに接続している半導体層中に正孔伝導チャンネルが形成される。ゲートに正のバイアスが印加されると、半導体層中に電子伝導チャンネルが形成される。
【0042】
エレクトロルミネッセントデバイス同様に、半導体層を含むポリマーフィルムは、溶媒をベースとした加工方法、例えば、スピン−コーティング、ローラー−コーティング、浸漬−コーティング、噴霧−コーティング及びドクターブレーディング並びにインクジェット印刷等により形成されてもよい。2種以上のポリマーが使用される場合は、これらは、別個の層として別々に堆積されてもよく、又は所望のポリマーのブレンドを含む溶液から1つの層として堆積されてもよい。
【0043】
2つの電極(ソース及びドレイン)は、半導体ポリマーに取り付けられ、第3の電極(ゲート)は、絶縁体の向かい合った表面上に取り付けられる。半導体ポリマーが正孔輸送性である場合(すなわち、大部分のキャリヤが正孔である)、ゲート電極へ負のDC電圧を印加すると、ポリマー−絶縁体界面近傍に正孔の蓄積が生じ、ソースとドレインの間に電流が流れることのできる伝導チャンネルを作りだす。このトランジスタは「on」の状態にある。ゲート電圧を逆にすると、蓄積ゾーンにおいて正孔が減少し、電流が停止する。このトランジスタは「off」の状態にある。
【実施例】
【0044】
以下の実施例は、例示目的のために挙げられるもので、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0045】
反応スキーム:
【化11】

【0046】
(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾールの合成)(化合物1)
シクロヘキサン(49.1g、0.5モル)及び氷酢酸(180g)を1Lの三つ口丸底フラスコ(RBF)に入れる。溶液を加熱還流し、塩酸p−トリルヒドラジン(79.3g、0.3モル)を、1時間の還流下に添加する。塩酸p−トリルヒドラジンの添加後、還流を窒素下でさらに3時間続ける。加熱源を取り除き、反応混合物を冷却し、次いで、濾過する。固体を、水で、次いで、300mLの75%メタノールで洗浄する。粗生成物を、白っぽい結晶として濾過により得る。粗生成物を、メタノールからの再結晶により精製し、最終生成物として、70gの無色針状結晶を得る。HPLCは、本質的に100重量%の純度を示す。
【0047】
(3−メチルカルバゾールの合成)(化合物2)
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾール(化合物1)(35g)及び5%パラジウム活性炭(12g)を、1LのRBFにおいて、260℃で、窒素下で、1.5時間加熱する。室温まで冷却した後、THFを添加して化合物を溶解する。活性炭及びPdを濾過によって除去する。THFを除去し、次いで、粗生成物を、エタノールからの2度の再結晶にかける。白色結晶として25.9gの最終生成物を得る。HPLCは、99.5重量%の純度を示す。
【0048】
(4,4’−ビス(3−メチルカルバゾール−9−イル)−4’’−sec−ブチルトリフェニルアミンの合成)(化合物3)
8.14g(45ミリモル)の3−メチルカルバゾール(化合物2)、6.9g(15ミリモル)の4,4’−ジブロモ−4’’−sec−ブチルトリフェニルアミン、7.1g(110.4ミリモル)の銅、30.4g(0.22モル)の炭酸カリウム、及び1.45g(5.5ミリモル)の18−クラウン−6を、コンデンサー及びディーンスタークトラップを備えた500mLの三つ口RBFにおいて、窒素下で、250mLのo−ジクロロベンゼンに分散する。懸濁液を窒素で15分間脱気し、次いで、窒素下で、5日間加熱還流する。反応中に発生した水を、ディーンスタークトラップで除去する。反応物を室温近くまで冷却した後、反応混合物を、塩基性アルミナ床(〜2cm厚)で濾過し、トルエンで溶出する。溶媒を、減圧下で、ロータリーエバポレーターで除去し、粗生成物として白色固体を得る。生成物を、ヘキサン及びトルエン(容量で3:1)の混合物で溶出されるシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに、アセトニトリル及びトルエンの混合物からの再結晶で精製する。HPLCにより示される99.5%の純度を有する白色固体として、6.8gの最終生成物を得る。
【0049】
(4,4’−ビス(3−ブロモ−6−メチルカルバゾール−9−イル)−4’’−sec−ブチルトリフェニルアミンの合成)(化合物4)
100mLのジクロロメタン中の3.3g(5ミリモル)の4,4’−ビス(3−メチルカルバゾール−9−イル)−4’’−sec−ブチルトリフェニルアミン(化合物3)の溶液に、10mLのDMF中の1.78g(10ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド(NBS)を、0℃で添加する。添加後、反応物を、室温でさらに1時間撹拌する。反応混合物を撹拌しながら、150mLのメタノールに注ぎ入れる。粗生成物を、白色固体として濾過により集める。生成物を、トルエン及びヘキサン(容量で3:7)の混合物で溶出されるシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製する。HPLCにより決定された99.4%の純度を有する白色固体として、2.7gの最終生成物を得る。
【0050】
反応スキーム:
【化12】

【0051】
(DCzPFBの合成)(化合物5)
10.24g(15ミリモル)のPFBBr、8.14gの3MCz、7.1gの銅、30.4gの炭酸カリウム、1.45gの18−クラウン−6を、コンデンサー及びディーンスタークトラップを備えた500mLの三つ口RFBにおいて、窒素下で、250mLのo−ジクロロベンゼンに分散した。懸濁液を、窒素を流しながら15分間脱気し、次いで、8日間、加熱還流した。反応物を、〜80℃まで放冷し、塩基性アルミナ層(〜2cm)を通して濾過し、トルエン及びTHFで洗浄した。一緒にした溶液を蒸発させて、THF及びトルエンを除去した。残渣を300mlのメタノールに注ぎ入れて生成物を沈殿させた。生成物は、良好な固体状態ではなかった。粗生成物を、初めに、先頭画分を除去するためにヘキサンで、次いで、へキサン及びトルエン(95:5)の混合物で溶出されるシリカゲルで精製した。殆どの生成物が固体としてカラムの先端に留まることが分かった。次いで、純粋トルエンを、カラムを溶出するために使用した。溶媒の除去後に白色固体を得た。HPLCは、〜94%の純度を示した。生成物を、イソプロパノール及びトルエンからの再結晶によりさらに精製し、99.5%(HPLC)の純度の最終生成物を得た。収率:7.1g。
【0052】
(DCzPFBBr2の合成)(化合物6)
〜200mLのTHFに溶解した4.42g(5ミリモル)のDCzPFB(200401906−6)に、〜10mLのDMF中の1.80g(10.1ミリモル)のNBSを室温で添加した。NBSの添加後、反応物を、室温で一晩撹拌した。殆どの溶媒をロータリーエバポレーターで除去した後、反応混合物を200mLのメタノールに注ぎ入れて生成物を沈殿させた。粗生成物を濾過により集め、メタノールで洗浄した。粗生成物を、キシレンから3回再結晶し、99.1%(HPLC)の純度で最終生成物を得た。収率:2.7g。
【0053】
(ポリマー1の調製)
【化13】


2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(1.061g、2.0ミリモル)、4,4’−ビス(3−ブロモ−6−メチルカルバゾール−9−イル)−4’’−sec−ブチルトリフェニルアミン(化合物4)(1.635g、2.0ミリモル)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.0mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(25mL)に溶解する。次いで、反応混合物を加熱還流し、それから炭酸ナトリウム(2M、7mL)を添加する。次いで、反応混合物を、約2日間加熱還流する。フェニルボロン酸(0.2g)を添加し、続いて、トルエン(20mL)を添加し、反応混合物を撹拌し、101℃で5時間加熱する。次いで、ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液を添加し、混合物を、窒素下で、85℃で、一晩撹拌する。水性相(16mL)をポリマー溶液から分離し、有機溶液を、2%v/v酢酸水溶液で洗浄し(2×約100mL)、続いて、水で洗浄する(3×約100mL)。ポリマー生成物を含む有機相を、セライト(celite)(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出する。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得る。生成物をメタノールに沈殿させる。ポリマーを、一晩、真空で、60℃で乾燥する。ポリマーを、トルエン(170mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させる。ポリマーを集め、真空で、55℃で、一晩乾燥し、最終ポリマーとして、1.62gの白色繊維を得る。ポリマーのGPC分析は、25,900の数平均分子量(M)、82,600の重量平均分子量(M)、及び3.19の多分散度(M/M)を示す。このポリマーのサイクリックなボルタンモグラムを、図1に示す。酸化開始電位から推定されるポリマーの最高被占軌道(HOMO)水準は、−5.2eVである。かかる浅いHOMOエネルギー水準は、組成物が発光ポリマーにおいて使用された場合に、正孔−注入の容易さを示す。石英基体上でフィルム状態にあるポリマーの室温でとられたUV−可視吸収スペクトルを図2に示す。最大吸収は350nmに現れ、吸収の開始は400nmで測定され、そのことから、ポリマーの光学的HOMO−LUMOバンドギャップは、3.10eVと推定される−大きなバンドギャップは、深青色発光を可能にする。
【0054】
(ポリマー2(青色発光ポリマー)の調製)
【化14】

【0055】
2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(2.652g、5.0ミリモル)、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−(2−エトキシエトキシ)フェニル)フルオレン(2.935g、4.50ミリモル)、4,4’−ビス(3−メチルカルバゾール−9−イル)−4’’−sec−ブチルトリフェニルアミン(化合物3)(0.409g、0.50ミリモル)、Aliquat(商標)336相間移動剤(0.6g)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(3mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(40mL)に溶解する。次いで、反応混合物を加熱還流し、それから炭酸ナトリウム(2M、13mL)を添加する。混合物を、約2.5時間撹拌し、次いで、フェニルボロン酸を添加し(0.25g)、続いて、トルエン(40mL)を添加し、反応混合物を、一晩、撹拌し、加熱し、次いで、放冷する。ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液を添加し、混合物を、窒素下で、95℃で6時間加熱、撹拌する。水性相をポリマー溶液から分離し、溶液を、2%v/v酢酸水溶液で洗浄し(3×約300mL)、続いて、水で洗浄する(300mL)。ポリマー溶液を、撹拌したメタノール(3L)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させる。ポリマーを濾過により集め、真空オーブンにおいて、60℃で、一晩乾燥する。ポリマーを、300mLのトルエンに再溶解し、溶液を、セライト(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出する。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得る。生成物をメタノールに沈殿させる。ポリマーを、真空において、60℃で、一晩乾燥する。ポリマーをトルエン(200mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させる。ポリマーを集め、上記のように真空で乾燥し、白色繊維として3.6gの最終ポリマーを得る。ポリマーのGPC分析は、93,900の数平均分子量(M)及び337,700の重量平均分子量(M)を示す。
【0056】
(青色ポリマー2LEDデバイス)
85mgのポリマー2を、キシレン(5mL)に溶解し、溶液を、0.22マイクロメータのシリンジフィルターで濾過する。1:16w/wのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)の80nmフィルムを、清浄にしたインジウム−錫−酸化物(ITO)を被覆したガラス基体上に堆積し、200℃で15分間焼成する。ポリマーの80nmフィルムを、ポリマー/キシレン溶液から、PEDOT:PSSフィルム上にスピンコーティングし、この被覆された基体を、130℃で、窒素下で、1時間焼成する。次いで、カソード金属のLiF(3nm)、Ca(10nm)、及びAl(150nm)を、ポリマーフィルム上に真空蒸着する。得られたデバイスは、DC電圧下で深青色光を発し(CIE座標:x=0.17;y=0.10)、3.91ボルトで200cd/mの平均輝度を示し、平均光効率は1.67cd/Aである。10Vでは、平均輝度は3450cd/mである。
【0057】
ポリマー2を、ビスカルバゾール−9−イル−置換トリアリールアミンではなくて三環式アリールアミン、すなわち、N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジン(POZ)から調製された類似のポリマー、ポリマー5と比較した。繰り返し単位においてPOZを含むポリマーは、米国出願第20040127666号において開示されている、その他のトリアリールアミンから作ったポリマーと比較して、さらに導電性であることが証明された。ITO/Baytron P(80nm)/LEP(80nm)/Ba(5nm)/Al(150nm)のデバイスにおける2つのポリマーの電流密度曲線を、図3において比較する。ポリマー2は、ポリマー5よりも著しく高い導電性を示した。
【0058】
ITO/Baytron P(80nm)/LEP(80nm)/Ba(5nm)/Al(150nm)のデバイスにおけるこれら2つのポリマーの一般的なEL性能データを、表1において比較する。表1において示されるデータは、ビスカルバゾール−9−イル−置換トリアリールアミンを含むポリマー2が、アミンとしてPOZを含むポリマー5と比較して、低稼働電圧でより深い色の青色光を発することができることを示す。
【表1】

【0059】
(青色LEDデバイスにおける中間層材料としてのポリマー1の使用)
25mgのポリマー1を、キシレン(5mL)に溶解し、溶液を、0.22マイクロメータのシリンジフィルターで濾過する。1:16w/wのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)の80nmフィルムを、清浄にされたインジウム−錫−酸化物(ITO)を被覆したガラス基体上に堆積し、200℃で15分間焼成する。ポリマー1の〜10nmフィルムを、ポリマー/キシレン溶液から、PEDOT:PSSフィルム上にスピンコーティングし、この被覆された基体を、200℃で、窒素下で、15分間焼成する。青色発光ポリマーBP 209の〜80nmフィルムを、キシレン溶液から、ポリマー1のフィルム上にスピンコーティングし、この被覆された基体を、130℃で、窒素下で1時間焼成した。次いで、カソード金属のBa(5nm)及びAl(150nm)を、ポリマーフィルム上に真空蒸着する。得られたデバイスは、DC電圧下で青色光(CIE座標、x=0.16;y=0.30)を発する。
【0060】
中間層を有するデバイス及び有さないデバイスの輝度効率を、図4において比較する。中間層の付加は、デバイス効率を増加する。ポリマー1の中間層を有するデバイス及び有さないデバイスの促進寿命(accelerated lifetime)を、図5に示す。ポリマー1の中間層の付加は、デバイス寿命を劇的に改善する。
【0061】
(発光材料としてポリマー1とポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−イル)とのブレンドを使用する、青色ポリマーLEDデバイス)
42.5mgのポリマー1及び42.5mgのポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−イル)を、5mLのキシレンに溶解し、次いで、0.22マイクロメータのシリンジフィルターで濾過する。1:16w/wのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)の80nmフィルムを、清浄にしたインジウム−錫−酸化物(ITO)を被覆したガラス基体上に堆積し、200℃で15分間焼成する。ブレンドされたポリマーの80nmフィルムを、ポリマー/キシレン溶液から、PEDOT:PSSフィルム上にスピンコーティングし、被覆された基体を、130℃で、窒素下で、1時間焼成する。次いで、カソード金属のLiF(3nm)、Ca(10nm)、及びAl(150nm)を、ポリマーフィルム上に真空蒸着する。得られたデバイスは、DC電圧下で深青色光を放ち(CIE座標:x=0.16;y=0.08)、5.8ボルトで400cd/mの平均輝度を示し、平均光効率は1.2cd/Aであった。10Vでは、平均輝度は1774cd/mであった。
【0062】
結論
本発明は、好ましい態様を有するものとして記述されたが、本発明は、この開示の精神及び範囲内においてさらに変更することができる。本願は、したがって、本明細書に開示されている一般的な原理を使用する本発明のあらゆる変化、使用、又は適合を網羅することを意図している。さらに、本願は、本発明が属し、添付の特許請求の範囲の制限内に入る当該技術分野において知られた又は通常のやり方の内に入る、本明細書の開示からは逸脱するものを網羅することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】ポリマー1のサイクリックボルタンモグラムを示す図である。
【図2】ポリマー1のUV−可視吸収スペクトルを示す図である。
【図3】ポリマー2及びポリマー5の電流密度曲線を示す図である。
【図4】ポリマー1の中間層を有するデバイス及び有さないデバイスの輝度効率を示す図である。
【図5】ポリマー1の中間層を有するデバイス及び有さないデバイスの促進寿命を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー
【化1】


(式中、Tは、置換されていても非置換であってもよいアリール若しくはヘテロアリール基、又はC〜C24アルキル基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFであり、a及びbは、独立に、1、2又は3から選択される)。
【請求項2】
Tが、アルキル基、又は1つ若しくは複数の芳香族若しくは非芳香族環で縮合されていてもよく、置換されていても非置換であってもよい1つ若しくは複数のヘテロ原子を含んでもよい芳香族基である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
Tが、フェニル、ビフェニル、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラセニル、ペリレニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、フェナントリデニル、フェナントロリニル、フェナジニル、アクリジニル、ジベンゾシロリル、フタラジニル、シンノリニル、キノキサリニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チエノ[3,4−b]ピラジニル、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]−キノキサリニル、ベンゾ[1,2−c;3−4−c’]ビス[1,2,5]−チアジアゾリル、ピラジノ[2,3−g]キノキサリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ジベンゾジオキシニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾシクロブテニル、ジヒドロベンゾジチイニル、ジヒドロチエノジオキシニル、クロマニル、イソクロマニル、9,10−ジヒドロフェナントレニル、チアジニル、フェノキサジニル、イソインドリル、ジベンゾチオフェンスルホニル、及びフェノチアジニルからなる群から選択される芳香族部分である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
Tが、置換若しくは非置換フェニル、ビフェニル、フルオレニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、又はフェノチアジニルである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
Tが置換フェニルである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
が、メチル、n−ブチル、又はt−ブチルであり、a及びbが1であり、Tが、p−トリル、4−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、又は4−メトキシフェニルである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
が、メチル、n−ブチル、又はt−ブチルであり、aが1であり、bが2であり、Tが、p−トリル、4−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、又は4−メトキシフェニルである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項8】
が、独立に、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項9】
が、1つ若しくは複数のO、S、N、Si等のヘテロ原子を含んでもよく、1つ若しくは複数の水素原子がFで置き換えられていてもよいC〜C20アルキル基、カルボ−C〜C20アルコキシ基、C〜C20アルコキシ基;又は芳香族基;又は置換されていてもよく、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含んでもよいC〜C40アリール基である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項10】
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェニル、又はトリルである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項11】
式IIを有する、請求項1に記載のポリマー
【化2】


(式中、xは、式Iにより示される構造単位の画分であり、yは、その他の全ての構造単位の画分であり、x+y=1又はy=1−x、x=0.001−1であり、Zは、次式の群から独立に選択される、芳香族基若しくは2個以上の芳香族基の組合せである)
【化3−1】


【化3−2】


【化3−3】


【化3−4】


【化3−5】


【化3−6】


(式中、共役単位は、1つ又は複数の置換基を有してもよく、そのような置換基は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルボキシルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルボキシカルボニルオキシ、シアノ、又はフルオロ基であり、
は、O又はSであり、
Qは、R又はArであり、
Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、
は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、
は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルビルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、シアノ又はフルオロ基であり、
は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、
は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、
nは、出現するごとに独立に、0〜3である)。
【請求項12】
式IIIを有する、請求項1に記載のポリマー
【化4】


[式中、Zは、式:
【化5−1】


【化5−2】


【化5−3】


【化5−4】


【化5−5】


【化5−6】


【化5−7】


(式中、共役単位は、1つ又は複数の置換基を有してもよく、そのような置換基は、出現するごとに独立に、C1〜20ヒドロカルビル、C1〜20ヒドロカルボキシルオキシ、C〜C20チオエーテル、C1〜20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C1〜20ヒドロカルボキシカルボニルオキシ、シアノ、又はフルオロ基であり、
は、O又はSであり、
Qは、R又はArであり、
Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、
は、出現するごとに独立に、H、C1〜40ヒドロカルビル若しくはC3〜40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC5〜20環構造を形成してもよく、
は、出現するごとに独立に、C1〜20ヒドロカルビル、C1〜20ヒドロカルビルオキシ、C1〜20チオエーテル、C1〜20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C1〜20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、シアノ又はフルオロ基であり、
は、出現するごとに独立に、H、C1〜40ヒドロカルビル若しくはC3〜40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC5〜20環構造を形成してもよく、
は、出現するごとに独立に、H、C1〜40ヒドロカルビル若しくはC3〜40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、
nは、出現するごとに独立に、0〜3である)の群から独立に選択される、芳香族基若しくは2個以上の芳香族基の組合せである]。
【請求項13】
Zが、式を有する、請求項12に記載のポリマー
【化6】


(式中、Rは、独立に、C〜C20アルキル、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルキルフェニル、C〜C20アルキルオキシフェニル、又はC〜C40アリールであり、Rの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC5〜20環構造を形成してもよい)。
【請求項14】
が、式を有する、請求項13に記載のポリマー
【化7】


(式中、Rは、1つ又は複数のヘテロ原子を任意に含むC〜C20アルキル基である)。
【請求項15】
溶媒をさらに含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項16】
請求項1に記載のポリマーを含むフィルム。
【請求項17】
少なくとも1つのさらなるポリマーとブレンドされている、請求項1に記載のポリマーを含む組成物。
【請求項18】
少なくとも1つのさらなる共役又は部分共役ポリマーとブレンドされている、請求項1に記載のポリマーを含む組成物。
【請求項19】
ポリマーが、スペクトルの青色の範囲における光を発する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項20】
印加電圧下で、有機フィルムが、デバイスの透明な外側部分を透過して青色光を発するようにアノード材料及びカソード材料との間に配置された、請求項1に記載のポリマーを含む少なくとも1つの前記有機フィルムを含む、エレクトロルミネッセントデバイス。
【請求項21】
(a)絶縁体層であって、電気絶縁体であり、第1側面及び第2側面を有する絶縁体層、
(b)ゲートであって、導電体であり、前記絶縁体層の前記第1側面に隣接して配置されているゲート、
(c)半導体層であって、請求項1に記載のポリマー及び第2電極を含む半導体層、
(d)ソースであって、導電体であり、前記半導体層の第1端部と電気接触しているソース、及び
(e)ドレインであって、導電体であり、前記半導体層の第2端部と電気接触しているドレイン
を含む電界効果トランジスタ。
【請求項22】
第1電極、請求項1に記載のポリマーを含むフィルム及び第2電極を含む光電池。
【請求項23】
式IVの化合物
【化8】


(式中、R、a、b及びTは、請求項1において定義された通りであり、Xは、ハロゲン又はボロネート基である)。
【請求項24】
Xが臭素である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Xが臭素であり、Rが、メチル、n−ブチル、又はt−ブチルであり、a及びbが1であり、Tが、p−トリル、4−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、又は4−メトキシフェニルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
Xが臭素であり、Rが、メチル、n−ブチル、又はt−ブチルであり、aが1であり、bが2であり、Tが、p−トリル、4−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、又は4−メトキシフェニルである、請求項23に記載の化合物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−537560(P2008−537560A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558063(P2007−558063)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/006215
【国際公開番号】WO2006/096332
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】