説明

ビフィドバクテリウム・ロンガム及び海馬BDNF発現

本発明は、全般的には、プロバイオティクスを含む食用組成物に関する。本発明の一実施形態は、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を含む食用組成物に関する。本組成物は、海馬BDNF発現の低下の抑制、並びに/又は不安及び関連障害の治療若しくは予防のために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、全般的にはプロバイオティクスを含む食用組成物に関する。より具体的には、本発明はビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を含む食用組成物、並びに海馬BDNF発現の増加及び/又は不安及び関連障害の治療若しくは予防のためのその使用に関する。
【0002】
18歳以上のアメリカ人の成人約4千万人が不安障害に冒されている。これは平均すると成人人口の約18%を意味している。短期間の不安は、例えば試験又は少し恥ずかしいと思われる状況等のストレスのたまる出来事によって生じる場合がある。しかしながら不安は、ずっと長く、例えば半年以上続くこともあり、治療しなければ、この不安状態が続いてより重症になり精神障害(crippling)になる可能性がある。不安障害は、アルコール乱用や薬物乱用等の、他の精神疾患又は身体的疾患と一緒に生じることもある。代表的な不安障害は、パニック障害、強迫性障害(OCD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会恐怖症(即ち社会不安障害)、特定恐怖症及び全般性不安障害(GAD)である。
【0003】
現在利用できる不安関連障害の治療法はいくつかある。一般的には、不安障害は抗うつ薬、抗不安薬又はβ遮断薬等の薬物で治療する。
【0004】
これらの薬物は脳内の化学反応を変化させ、また時には激しい副作用がある。またこれらの薬物は、摂取頻度の高い薬物と望ましくない相互作用を有することもある。
【0005】
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、脳細胞の情報伝達を支援する脳内の神経伝達物質であるセロトニンのレベルを変化させる。SSRIは昔からの抗うつ薬よりも副作用は少ないが、初めて摂取を始める時には軽い悪心や神経過敏を生じることが時々ある。中にはSSRIによって性機能不全を経験する人もいる。
【0006】
三環系抗うつ薬は、めまい、傾眠、口渇及び体重増加を引き起こすことが時々ある。
【0007】
モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)は最も古いクラスの抗うつ薬である。MAOIを摂取する人は、チラミンを含有する様々な食物及び飲料(チーズや赤ワインが挙げられる)を食べることができず、またある特定の薬物を摂取することもできない。MAOIはカフェインと相互作用を起こすこともある。MAOIは、錯乱、幻覚、発汗増加、筋肉強直、発作、血圧若しくは心拍リズムの変化、及びその他の命に関わる可能性のある症状を引き起こすこともある。
【0008】
ベンゾジアゼピンは傾眠を引き起こすことがあり、患者はベンゾジアゼピンに慣れてしまうことがある。ベンゾジアゼピンを中止した後には禁断症状が報告されることが多い。ベンゾジアゼピンによって食物摂取量が増加したり記憶力が減退したりもする。
【0009】
β遮断薬は、特定の不安障害、特に社会恐怖症に伴う身体症状を予防することができる。
【0010】
この薬物はすべて、望まれない副作用を生じることがある。重症度の差はあるが、多くの人々が不安関連障害に冒されているという事実を踏まえると、副作用のリスクがなく安全に投与できる組成物が利用可能であることが望ましい。
【0011】
国際公開第2004098622号パンフレットは、被験者に菌株を投与することを含む、うつ病を治療する方法について記載している。
【0012】
しかしながら本発明者らは、不安、不安関連障害及び/又は神経変性障害の、治療及び/又は予防における有効性は、用いる細菌の属、種及び株によって異なることを見出した。
【0013】
したがって、最新の技術水準を向上させること、及び特に、不安、不安関連障害又は神経変性障害等の、海馬BDNF発現が低いことに関連している障害の治療又は予防のために用いることができる、有効で、容易に入手可能で、低価格で、且つ投与しても望まれない副作用がなく安全な菌株を含む組成物を当該技術分野にもたらすことが本発明の目的であった。
【0014】
本発明者らはこのニーズに取り組んできた。本発明者らは、本独立クレームの主題によってこの目的が達成できるとわかって驚いた。本従属クレームでは、本発明のアイデアをさらに発展させている。
【0015】
したがって本発明の一実施形態は、ビフィドバクテリウム・ロンガム、特にビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を含む食用組成物である。ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999は市販されている。
【0016】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999(BL999)は、例えば日本の森永乳業株式会社からBB536の商標で入手することができる。ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999(BL999)は、任意の好適な方法に従って培養することができ、カプセル化用、又は例えば凍結乾燥形態若しくはスプレー乾燥形態の生成物への付加用に調製することができる。
【0017】
本発明は、好ましいビフィドバクテリウム・ロンガム株であるビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999に関して開示されているが、本開示はビフィドバクテリウム・ロンガム種全般に等しく適用されることを理解すべきである。
【0018】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999が特に有効であることがわかった。
【0019】
「食用」(“edible”)とは、ヒト又は動物による摂取が認可されている物質を意味する。
【0020】
「ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999」という用語は、細菌、細菌の一部分及び/又は細菌で発酵させた増殖培地を含むことを意味している。
【0021】
食用組成物は薬剤であってもよいが、食品組成物、ペットフード組成物、健康補助食品(dietary supplement)、栄養補助食品(nutraceutical)及び/又は飲料であることが好ましい。
【0022】
本発明の組成物が食品組成物である場合、かかる組成物を薬局やドラッグストアだけでなく普通のスーパーマーケットにも流通させることができ、そこで本組成物を誰でも簡単に入手できる、という利点がある。
【0023】
食品組成物が普遍的に美味しい味であると、その製品が受け入れられることにさらに寄与することになる。特に小さな子供やペットは、普遍的に好まれる味の組成物を喜んで摂取する傾向が非常に強い。
【0024】
本発明に適用可能な食物製品としては、ヨーグルト、ミルク、フレーバーミルク、アイスクリーム、すぐ食べられるデザート、ミルクや水等で液戻しするための粉末、チョコレートミルク飲料、麦芽飲料、すぐ食べられる食事、ヒト用インスタント食品若しくは飲料、又はペット若しくは家畜用の完全食又は部分食を表す食品組成物が挙げられる。
【0025】
したがって、一実施形態において、本発明の組成物はヒト、ペット又は家畜用の食物製品である。特に本組成物はイヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、家禽又はヒトからなる群より選択される動物用であり、好ましい実施形態において、本組成物は成体種、特にヒトの成人用の食物製品である。
【0026】
本発明の組成物は、保護親水コロイド(ゴム、タンパク質、加工デンプン等)、結合剤、被膜剤、封入剤/封入材料、壁材料/シェル材料、マトリックス化合物、被覆剤、乳化剤、界面活性剤、可溶化剤(油、脂肪、蝋、レシチン等)、吸着剤、担体、充填剤、共化合物(co−compound)、分散剤、湿潤剤、加工助剤(溶剤)、流動化剤、味マスキング剤、増量剤、ゼリー化剤、ゲル形成剤、酸化防止剤及び抗菌剤をさらに含有していてもよい。また本組成物は、限定するものではないが、水、任意の起源のゼラチン、植物ガム、リグニンスルホン酸塩、タルク、砂糖、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール、香味剤、保存剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、滑沢剤、着色剤、湿潤剤、充填剤等を含む、従来の医薬品添加物及び補助剤、賦形剤、並びに希釈剤を含有していてもよい。すべての場合において、このようなさらなる成分は、対象となる受け手に対する適合性を考慮して選択される。
【0027】
本組成物は、栄養的に完全な調整乳であってもよい。
【0028】
本発明の組成物はタンパク源を含んでいてもよい。
【0029】
任意の好適な食事タンパク質、例えば動物性タンパク質(乳タンパク質、食肉タンパク質及び卵タンパク質等)、植物性タンパク質(大豆タンパク質、小麦タンパク質、米タンパク質及びエンドウタンパク質等)、遊離アミノ酸の混合物、又はそれらの組合せを用いることができる。カゼイン及び乳清等の乳タンパク質並びに大豆タンパク質が特に好ましい。
【0030】
タンパク質は、インタクトなタンパク質若しくは加水分解タンパク質、又はインタクトなタンパク質と加水分解タンパク質の混合物であってもよい。例えば牛乳アレルギーを発症するリスクのあるヒト被験者及び/又は動物に対しては、部分加水分解タンパク質(加水分解度は2〜20%)を与えることが望ましい場合がある。加水分解タンパク質が必要な場合、加水分解プロセスは、所望に応じて、当技術分野で知られているように実施することができる。例えば、乳清タンパク加水分解物は、1つ又は複数のステップで乳清画分を酵素的に加水分解することによって調製することができる。出発物質として用いる乳清画分が実質的にラクトースフリーである場合、タンパク質中のリジンブロックが、加水分解プロセス中にはるかに減少することが見出されている。これにより、リジンブロックの範囲を、全リジンの約15重量%からリジンの約10重量%未満、例えばタンパク源の栄養価が大きく高まるリジンの約7重量%に減少させることができる。
【0031】
本組成物は、炭水化物源及び脂肪源を含有していてもよい。
【0032】
本組成物が脂肪源を含む場合、この脂肪源は本組成物のエネルギーの5〜40%、例えばエネルギーの20〜30%を作り出すことが好ましい。好適な脂肪プロフィールはキャノーラ油、コーン油及び高オレイン酸ひまわり油のブレンドを用いて得ることができる。
【0033】
炭水化物源を本組成物に加えてもよい。
【0034】
炭水化物源は本組成物のエネルギーの40〜80%を作り出すことが好ましい。任意の好適な炭水化物、例えばスクロース、ラクトース、グルコース、フルクトース、コーンシロップ固形物、マルトデキストリン及びそれらの混合物を用いてもよい。所望により食物繊維を加えてもよい。食物繊維は酵素で消化されずに小腸を通過し、天然の増量剤及び緩下剤として機能する。食物繊維は可溶性でも不溶性でもよく、一般的にはこの2つのタイプのブレンドが好ましい。好適な食物繊維源としては、大豆、エンドウ豆、オート麦、ペクチン、グアーガム、部分加水分解グアーガム、アラビアゴム、フラクトオリゴ糖、酸性オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、シアリルラクトース及び畜乳由来のオリゴ糖が挙げられる。好ましい繊維ブレンドは、イヌリンと比較的短鎖のフラクトオリゴ糖との混合物である。繊維が存在する場合の繊維含有量は、好ましくは摂取される組成物1リットル当たり2〜40g、より好ましくは1リットル当たり4〜10gである。
【0035】
また本組成物は、USRDA等、政府機関の勧告に従って、ミネラル並びに微量元素及びビタミン等の微量栄養素を含有していてもよい。例えば本組成物は、日用量当たり所定の範囲の以下の微量栄養素を1種又は複数種含有していてもよい。即ち、300〜500mgのカルシウム、50〜100mgのマグネシウム、150〜250mgのリン、5〜20mgの鉄、1〜7mgの亜鉛、0.1〜0.3mgの銅、50〜200μgのヨウ素、5〜15μgのセレン、1000〜3000μgのβカロテン、10〜80mgのビタミンC、1〜2mgのビタミンB1、0.5〜1.5mgのビタミンB6、0.5〜2mgのビタミンB2、5〜18mgのナイアシン、0.5〜2.0μgのビタミンB12、100〜800μgの葉酸、30〜70μgのビオチン、1〜5μgのビタミンD、3〜10μgのビタミンE。
【0036】
所望により、1種又は複数種の食品用乳化剤、例えばジアセチル酒石酸エステルモノグリセリド及びジアセチル酒石酸エステルジグリセリド、レシチン並びにモノグリセリド及びジグリセリドを本組成物に組み込んでもよい。同様に、好適な塩及び安定剤を含んでもよい。
【0037】
本組成物は、例えばミルク又は水で液戻しするための粉末の形態で、経口的又は経腸的に投与可能であることが好ましい。
【0038】
本発明の好ましい一実施形態によれば、本組成物は、少なくとも1種の他の種類の他の食品用微生物を含む。
【0039】
「食品用」(“food grade”)微生物とは、食品に使用しても安全な微生物である。
【0040】
食品用微生物は、好ましくは食品用細菌又は食品用酵母である。食品用細菌は、乳酸菌、ビフィズス菌、プロピオニバクテリア又はそれらの混合物からなる群より選択することができる。食品用酵母としては、例えばサッカロマイセス・セレビシエ及び/又はサッカロマイセス・ブラウディを用いることができる。
【0041】
食品用細菌はプロバイオティクス細菌であってもよい。
【0042】
「プロバイオティクス」とは、宿主の健康又は幸福に有益な効果をもたらす、微生物細胞調製物又は微生物細胞の構成要素を意味する。(Salminen S、Ouwehand A.Benno Y.ら“Probiotics:how should they be defined”Trends Food Sci.Technol.1999:10 107−10)。
【0043】
プロバイオティクス細菌は、乳酸菌、ビフィズス菌、プロピオニバクテリア又はそれらの混合物からなる群より選択されることが好ましい。プロバイオティクス細菌は、確立されたプロバイオティクス特性を有するいずれかの乳酸菌又はビフィズス菌であってもよい。例えばそれらの菌は、ビフィズス菌腸内微生物叢の発達を促進することもできる。
【0044】
好適なプロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、レンサ球菌属及びサッカロマイセス属又はそれらの混合物からなる群より選択することができ、特にビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・サリバリウス、エンテロコッカス・フェシウム、サッカロマイセス・ブラウディ及びラクトバチルス・ロイテリ又はそれらの混合物からなる群より選択され、好ましくは、ラクトバチルス・ジョンソニイ(NCC533;CNCM I−1225)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(NCC490;CNCM I−2170)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(NCC2705;CNCM I−2618)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(2818;CNCM I−3446)、ラクトバチルス・パラカゼイ(NCC2461;CNCM I−2116)、ラクトバチルス・ラムノサスGG(ATCC53103)、ラクトバチルス・ラムノサス(NCC4007;CGMCC1.3724)、エンテロコッカス・フェシウムSF68(NCIMB10415)、及びそれらの混合物からなる群より選択される。
【0045】
本発明の好ましい実施形態において、組成物は少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含有する。「プレバイオティクス」とは、腸内のプロバイオティクス細菌の増殖を促進するための食品物質を意味する。
【0046】
したがって、プレバイオティクスは腸内の特定の食品用細菌、特にプロバイオティクス細菌の増殖を促進させることができ、それゆえにビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の作用を増進することができる。さらに、いくつかのプレバイオティクスは、例えば消化に対して好ましい影響を及ぼす。
【0047】
好ましくは、プレバイオティクスはオリゴ糖類からなる群より選択され、場合によりフルクトース、ガラクトース、マンノース、大豆及び/若しくはイヌリン、食物繊維、又はそれらの混合物を含有する。
【0048】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999は、不活化菌種としてだけでなく生きた細菌としても用いることができる。
【0049】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の少なくとも一部分は、組成物中で生きていることが好ましく、腸内に生きて届くことが好ましい。このようにビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999は腸内で生き残ることができ、増殖によってその有効性を増大させることができる。またビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999は、共生細菌及び/又は宿主と相互作用することによって有効になることもできる。
【0050】
例えば特殊な滅菌した食物製品用又は薬剤用には、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999は組成物中で生きていないことが好ましい場合もある。ゆえに、本発明の一実施形態において、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の少なくとも一部分は組成物中で生きていない。
【0051】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999は、いかなる濃度でも有効となろう。
【0052】
本発明の組成物については、組成物の日用量には10〜1012cfu(コロニー形成単位)のビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999が含まれていることが通常好ましい。ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の特に好適な日用量は、10〜1011cfu、より好ましくは10〜1010cfuである。
【0053】
また本発明の組成物は、組成物の乾燥重量1グラム当たり、10〜1010cfu、好ましくは10〜10コロニー形成単位、より好ましくは10〜10cfuのビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を含んでいてもよい。
【0054】
不活化ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の場合、本発明の組成物は、組成物の乾燥重量1グラム当たり、10〜1010のビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の非複製細胞を含んでいることが通常好ましい。ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の特に好適な用量は、組成物の乾燥重量1グラム当たり10〜10の非複製細胞、より好ましくは10〜10の非複製細胞である。
【0055】
本発明者らは、本発明の組成物を首尾よく使用することにより、海馬BDNF発現を著しく増加させることができることを見出して特に驚いた。
【0056】
BDNF(脳由来神経栄養因子)は、神経細胞及び非神経細胞の増殖、分化、生存及び死に影響を及ぼすポリペプチド成長因子の独特のファミリーに由来する成長因子である。BDNF並びにその他の神経栄養因子、例えば、NGF(神経成長因子)、NT−3(ニューロトロフィン−3)及びNT−4(ニューロトロフィン−4)は、神経系の健康と安寧に必須であり、細胞生存におけるそれらの役割だけでなく、学習、記憶、行動等の高次活動を仲介する。ニューロトロフィンレベルの変化は、アルツハイマー病、ハンチントン病及びパーキンソン病等の神経変性障害、並びにうつ病及び物質乱用を含む精神障害に関与してきた(Chaoら、2006、Clin.Sci.、110:167−173)。
【0057】
したがって本発明の一実施形態は、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を含む食用組成物、及び/又は海馬BDNF発現を増加させるためのその増殖培地である。
【0058】
本発明は、海馬BDNF発現を増加させる製剤を調製するための上記の組成物の使用にも関する。
【0059】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999、及び/又は本発明の組成物は、したがって、海馬BDNF発現の減少に関連する障害の治療又は予防のために使用することができる。有効量のビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を投与すれば、海馬BDNF発現の減少を抑えるのにも役立つ。
【0060】
したがって本発明の組成物は、不安、及び/又は不安関連障害並びにそれらの症状の治療又は予防のために用いることができる。本発明の組成物は、神経変性疾患の治療又は予防のために用いることもできる。
【0061】
不安関連障害は、うつ病、アルコール乱用、コカイン乱用、アヘン乱用等の物質乱用、過食症、並びに睡眠障害及び認識機能障害等のストレスの悪影響からなる群より選択することができる。
【0062】
神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脳炎及び糖尿病からなる群より選択されることが好ましい。
【0063】
重要なことであるが、本発明の主題は、特に高齢者及び/又は加齢中の脳機能を改善するために用いることもできる。
【0064】
注目すべきは、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999及び/又は本発明の組成物は、海馬BDNF発現の減少に関連した障害の治療又は予防のために必要な薬物の量を減らすために用いることもできる。
【0065】
本明細書に記載のいずれの特徴も、開示された本発明の範囲を逸脱しない範囲で自由に組み合わせることができることは、当業者には明らかである。特に、本発明の組成物に関して記載されたすべての特徴は本発明の使用に適用可能であり、逆もまた然りである。
【0066】
本発明のさらなる特徴及び利点は以下の実施例及び図から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】黒箱/明箱試験:明箱内で過ごした合計時間及び再び明箱に入るまでの潜時、並びにネズミ鞭虫(Tm)に感染したマウスのステップダウン試験の結果を示す図である。Tm−培地及びTm−B.ロンガムは、それぞれ新鮮な培地(陰性対照)及びビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999で処理したTm感染マウスであり、L.ラムノサス(L.rh)株で処理したTm群を比較のために示す。
【図2】ネズミ鞭虫(Tm)に感染したマウスの脳の海馬領域におけるin situハイブリダイゼーションの結果を示す図である。Tm−B.ロンガムは、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999で処理したTm感染マウスであり、L.ラムノサス株で処理したマウスのTm群を比較のために示す。オートラジオグラフィー及び画像解析により、35Sシグナルの定量化を行った(右上パネル)。
【図3】ネズミ鞭虫(Tm)に感染したマウスにおける、ミエロペルオキシダーゼ活性測定で測定した大腸炎症(左パネル)及び単核細胞浸潤(右パネル)によって得られた結果を示す図である。Tm−培地及びTm−B.ロンガムは、新鮮な培地(陰性対照)及びビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999で処理したTm感染マウスであり、L.ラムノサス株で処理したマウスのTm群を比較のために示す。
【図4】黒箱/明箱試験:明箱内で過ごした合計時間及び再び明箱に入るまでの潜時、並びに慢性DSS誘発性大腸炎を有するマウスのステップダウン試験の結果を示す図である。DSS−培地及びDSS−B.ロンガムは、それぞれ、新鮮な培地(陰性対照)又はビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999で処理したDSS誘発性大腸炎を有するマウスである。
【図5】慢性DSS誘発性大腸炎を有するマウスの脳の海馬領域におけるin situハイブリダイゼーションの結果を示す図である。DSS−培地及びDSS−B.ロンガムは、それぞれ新鮮な培地(陰性対照)又はビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999で処理したDSS誘発性大腸炎を有するマウスである。35Sシグナルの定量化は、オートラジオグラフィー及び画像解析により行った(右上パネル)。
【図6】慢性DSS誘発性大腸炎を有するマウスにおける、ミエロペルオキシダーゼ活性測定で測定した大腸炎症(左パネル)及び単核細胞浸潤(右パネル)によって得られた結果を示す図である。DSS−培地及びDSS−B.ロンガムはそれぞれ、新鮮な培地(陰性対照)又はビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999で処理したDSS誘発性大腸炎を有するマウスである。
【図7】慢性DSS誘発性大腸炎を有し、さらに新鮮な培地(MRS、陰性対照)又は様々なビフィドバクテリウム種で処理したマウスで実施した不安様行動試験(ステップダウン試験)の結果を示す図である。試験をしたB.ロンガム株はビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999であり、B.ラクティス株、B.アニマルス(B.animals)株及びB.インファンティス株によって得た結果を比較のために示す。
【図8】マウスの慢性ネズミ鞭虫感染、慢性DSS大腸炎、行動試験及びステップダウン試験を示す。
【実施例】
【0068】
寄生虫ネズミ鞭虫に慢性的に感染したマウスは、2つの行動試験で不安様行動の増加を示した。1)黒箱/明箱試験では、感染動物は明箱内で過ごした時間の減少、及び再び明箱に入るまでの潜時の増加を示し、2)ステップダウン試験では、感染によって台から降りる(ステップダウン)までの潜時が増加した(図1)。行動に与える影響は、B.ロンガムで処理したマウスのみで観察された、ネズミ鞭虫の介在による海馬のBDNFレベル低下の正常化と相関関係にあった(図2)。一方で、L.ラムノサスで処理した上にB.ロンガムで処理をすると、ネズミ鞭虫感染によって既に誘発されていたミエロペルオキシダーゼ活性及び単核細胞浸潤が減少するという結果になり(図3)、これによって行動の正常化は細菌の抗炎症作用とは無関係であることが示された。
【0069】
B.ロンガムの作用は、慢性DSS誘発性大腸炎のマウスモデルにおいて確認された。ネズミ鞭虫感染の影響ほど重要ではないにしても、DSSは不安を増加させ(図4)、且つ海馬のBDNFレベルを低下させる傾向があった(図5)。黒箱/明箱試験での、明箱内で過ごした合計時間の増加及び再び明箱に入るまでの時間の減少並びに横断回数(図4)から、またステップダウン試験で観察された、台から降りるまでの潜時の減少(図4)からも明らかなように、DSS−マウスをB.ロンガムで処理すると不安が減少して対照マウスのレベルよりもさらに下回った。さらに行動試験によると、B.ロンガムで処理すると海馬のBDNFレベルが増加して基礎レベルを上回った(図5)。ネズミ鞭虫感染のモデルで観察されたものと同じように、B.ロンガムによって大腸炎症が減少した(図6)。
【0070】
変化した行動を正常化させるB.ロンガムの能力が他のビフィズス菌にも共通のものかどうかを判定するため、本発明者らは、DSS誘発性大腸炎のモデル及びステップダウン試験(図7)を用いて、B.ロンガムが行動に与える影響を、他の3つのビフィドバクテリウム種−1つはB.ラクティス、1つはB.アニマリス、及び1つはB.インファンティス−と並行して測定した。B.ロンガムを除き、試験した他のビフィドバクテリウム種はどれも台から降りるまでの潜時をできず、B.ロンガムのこの独特な性質をビフィドバクテリウム属の他の種にあてはめて推定することは不可能であることを明確に示している。
【0071】
材料及び方法:
細菌培養条件
プロバイオティクスを嫌気的条件下にてMan−Rogosa−Sharpe(MRS、BioMerieux)ブロス(0.5%システインを含むビフィズス菌)で増殖させた。37℃にて24時間後、600nm(1OD600=10細菌/mL)における光学密度を測定することにより細菌数を推定した。4℃にて15分間5000×gで遠心分離することにより細菌細胞をペレット化し、さらに濃度1010/mLで使用済み培地に再懸濁させた。1mLずつに分注したものを、使用するまで凍結保存した。
【0072】
動物
雄のBALB/cマウス又はAKRマウス(Harlan、Canada)は6〜8週齢の購入品であり、McMaster University Central Animal Facilityの特定病原菌がいない通常ユニットに収容した。すべての実験はMcMaster University Animal Care Committeeの承認を得て行った。
【0073】
設計
慢性ネズミ鞭虫感染(図8、パネルA参照):
雄のAKRマウスに、ネズミ鞭虫(300卵/マウス)(n=26)又はプラセボ(n=9)を強制摂取させた。次いで感染マウスに30日目から10日間、L.ラムノサス、B.ロンガム又は新鮮なMRSを毎日強制摂取させた。非感染マウスに、30日目から40日目までの毎日、新鮮なMRSを強制摂取させた。プロバイオティクス投与又はプラセボ投与の最後に、マウスを黒箱/白箱試験及び/又はステップダウン試験に供した。その後マウスを犠牲にして組織サンプルを得た。大腸サンプルは、組織学的解析用にホルマリンで固定するか、又はMPO測定用に急速凍結した。脳を液体窒素で急速凍結し、in situハイブリダイゼーション用に保存した。
【0074】
慢性DSS大腸炎(図8、パネルB参照):
雄のAKRマウス(n=20)を、3サイクルの3%デキストラン硫酸ナトリウム(MP Biomedicals、Solon、Ohio、USA)で処理した(1サイクルは1週間のDSSとそれに続く1週間の休薬期間からなる)。追加のマウスのグループ(n=10)にはプラセボ飲料水しか与えなかった。感染マウスに、DSS処理の最後のサイクルの2週間の間毎日、B.ロンガム又はその他のビフィズス菌を強制摂取させた。対照マウスに2週間MRSで毎日強制摂取させた。プロバイオティクス投与又はプラセボ投与の最後に、マウスを黒箱/白箱試験及び/又はステップダウン試験に供した。その後マウスを犠牲にして組織サンプルを得た。大腸サンプルは、組織学的解析用にホルマリンで固定するか、又はMPO測定用に急速凍結した。脳を液体窒素で急速凍結し、in situハイブリダイゼーション用に保存した。
【0075】
行動試験
黒箱/明箱(図8、パネルC参照):
マウスの不安行動を、文献に記載されているように黒箱/白箱を使用して個々に評価した。簡単に述べると、開口部(10×3cm)によってより小さい黒箱(30×15cm)とつながった照明のついた白箱(30×30cm)の中心に各マウスを置いた。白箱内での各マウスの運動行動をデジタルビデオカメラで10分間記録し、オフライン解析用にコンピュータに保存した。白箱内で過ごした合計時間、再び白箱に入るまでの潜時(最初に黒箱に入った後に黒箱内で過ごした時間)、及び横断回数(黒箱から白箱に渡った回数)を含むいくつかのパラメータが、盲検観察者によって評価された。
【0076】
ステップダウン試験(図8、パネルD参照):
不安行動を、文献に記載されているようにステップダウン試験を使用して評価した。簡単に述べると、各マウスを黒い床の中央に位置する高い壇(直径7.5cm、高さ3cm)の中心に置いた。台から降りるまでの潜時をストップウォッチで測定した。試験の最大持続時間は5分間であった。
【0077】
組織検査
大腸サンプルを10%のホルマリンに固定し、次いでヘマトキシリン−エオシンで染色した。スライドを光学顕微鏡法で観察し、急性及び慢性炎症性浸潤に類別した。
【0078】
ミエロペルオキシダーゼ活性測定
急性腸炎を評価するために、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性測定を、以前に記載されているように凍結組織で行った。MPO活性は組織1mg当たりの単位で表し、MPO1単位は1μmolの過酸化水素を1分間に室温で水に変換できる酵素の量と定義する。
【0079】
CNSでのin situハイブリダイゼーション
海馬のBDNFレベルを、以前に記載されているように(Whitfieldら、1990;Fosterら、2002)、35S−標識RNAプローブを用いて凍結脳切片でのin situハイブリダイゼーションで評価した。簡単に述べると、脳を除去し、−60℃の2−メチルブタンに浸漬させて急速に凍結させ、−70℃で保存した。クリオスタットで切った厚さ12μmの冠状の切片を、ゼラチンコーティングしたスライド上に解凍して載せ、乾燥させ、−35℃で保存した。組織切片を4%ホルムアルデヒドで固定し、0.1Mトリエタノールアミン−HCl中0.25%無水酢酸、pH8.0、でアセチル化し、脱水し、クロロホルムで脱脂した。α−35S−UTP(比活性>1000Ci/mmol;Perkin−Elmer、Boston、MA)を使用したリボプローブシステム(Riboprobe System)(Promega Biotech、Burlington、ON)、並びにT3及びT7ポリメラーゼをそれぞれに用いて、アンチセンスBDNFリボヌクレオチドプローブを線状プラスミドから転写した。放射性標識プローブをハイブリダイゼーション緩衝液(0.6M NaCl、10mMトリス pH8.0、1mM EDTA pH8.0、10%硫酸デキストラン、0.01%剪断サケ精子DNA、0.05%トータル酵母RNA、XI型、0.01%酵母tRNA、1×デンハルト溶液)中に希釈し、脳切片(約500,000CPM/切片)に適用した。スライドを加湿チャンバー中にて55℃で一晩インキュベートした。プローブの非特異的結合を減少させるため、スライドを室温で30分間20μg/mlリボヌクレアーゼ溶液中で洗浄し、その後50℃の2×SSC、55℃及び60℃の0.2×SSC中でそれぞれ1時間洗浄した。スライドを脱水し、オートラジオグラフィー用に風乾させた。スライド及び14Cプラスチック標準物質(plastic standard)をX線カセットの中に置き、5日間フィルム(バイオマックスMR(BioMax MR);Eastman Kodak、Rochester、NY)に並置し、現像した(コダックメディカルX線プロセッサ(Kodak Medical X−Ray Processor))。脳切片及び標準物質のオートラジオグラフィーのフィルム画像を、Qキャプチャー(QCapture)ソフトウェア(Qアイカム(Qicam);Quorum Technologies Inc.、Guelph、ON)を用いた60mmニコンレンズ付きの固体カメラ、及びイメージ(Image)ソフトウェア(http://rsb.info.nih.gov/nih−image)を用いたマッキントッシュコンピュータベースの画像解析システムでデジタル化した。モニター上に構造の輪郭を描くことによってフィルムの光透過率を測定した。BDNFmRNAに関しては、標準物質に適用したRodbard曲線を用いて透過率を放射能レベルに変換した。次に算出したDPMに面積を乗じて積分密度の測定値を出した。図示は、取り込み画像から直接行った。
【0080】
統計解析
データは適宜、平均値±標準偏差、又は中央値と四分位範囲で示す。データは適宜、二元配置ANOVA、検定又は対応のないt検定のいずれかを用いて解析した。p値が<0.05の場合に統計的に有意と見なした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を含む食用組成物。
【請求項2】
食品組成物、ペットフード組成物、健康補助食品、飲料、及び/又は医療用組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物が、少なくとも1種の他の種類の他の食品用微生物を追加的に含み、食品用微生物が、好ましくは乳酸菌、ビフィズス菌、プロピオニバクテリア又はそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
プレバイオティクスが、オリゴ糖類からなる群より選択され、場合によりフルクトース、ガラクトース、マンノース、大豆及び/若しくはイヌリン、食物繊維、又はそれらの混合物を含有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の少なくとも一部分が組成物中で生きている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の少なくとも一部分が組成物中で生きていない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
日用量当たり、10〜1010のビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の非複製細胞を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の乾燥重量1グラム当たり、10〜10のビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999の非複製細胞を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
海馬BDNF発現を増加させるための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
不安及び/又は不安関連障害の治療又は予防のための、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
神経変性疾患の治療又は予防のための、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
不安関連障害が、うつ病、アルコール乱用、コカイン乱用、アヘン剤乱用等の物質乱用、過食症、並びに睡眠障害及び認識機能障害等のストレスの悪影響からなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脳炎及び糖尿病からなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
特に加齢における脳機能を改善するための、請求項12に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−517568(P2011−517568A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504422(P2011−504422)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054199
【国際公開番号】WO2009/127566
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】