説明

ピンスライド型車両用ディスクブレーキ

【課題】ピンブーツのシール性を確保しながら、スライドピンをピン摺動孔に組み付ける際には、ピンブーツ内に溜まるエアを外部に排出させることができるピンスライド型車両用ディスクブレーキを提供する。
【解決手段】スライドピン4の基端部外周に、ピンブーツ7のピン側取付部7bを嵌着させる嵌着溝4iを周設する。ピン側取付部7bは、嵌着溝4iの底面4fに当接する第1シール面7iと、嵌着溝4iの基端側面4gに当接する第2シール面7jとを有し、第2シール面7jと第1シール面7iとが交差する角部にエア抜き通路7mを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や自動二輪車等の各種走行車両に用いられるピンスライド型車両用ディスクブレーキに関し、詳しくは、キャリパブラケットにキャリパボディを移動可能に支持するスライドピンを被覆保護するとともに外部からの汚水や粉塵等の浸入を防止するピンブーツの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピンスライド型の車両用ディスクブレーキでは、スライドピンのキャリパブラケット又はキャリパボディから露出する摺動軸部を被覆するようにピンブーツが設けられている。このピンブーツは、スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔の開口部に装着される摺動孔側取付部と、スライドピンの基端部外周に取り付けられるピン側取付部と、該ピン側取付部と前記摺動孔側取付部とを繋ぐと共にスライドピンの露出部分を覆う蛇腹部とを備え、前記スライドピンには、前記ピン側取付部を嵌着する嵌着溝が形成されていた。また、スライドピン及びピンブーツの組み付けは、予め、ピンブーツの摺動孔側取付部をピン摺動孔の開口部に装着した状態とし、スライドピンをピンブーツのピン側取付部から挿入し、前記ピン摺動孔内に挿通しているが、この時、ピン摺動孔内のエアがピンブーツ内に流入し、ピンブーツ内の内圧が上昇し、組み付けに手間が掛かっていた。このため、前記スライドピンに設けられた嵌着溝に嵌着されるピン側取付部の基端側のシール面に、内周から外周に亘って半径方向にエア抜き用のスリットを形成したものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−128831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のものでは、スライドピンの嵌着溝に嵌着されるピン側取付部の基端側のシール面に、内周から外周に亘って半径方向に形成されるエア抜き用のスリットを形成することから、シール面が嵌着溝に接触する面積が少なくなり、シール性が低下し、さらに、前記エア抜き用のスリットは外部に露出していることから、このスリットを介して外部からの汚水や粉塵がピンブーツ内に侵入する虞があった。
【0005】
そこで本発明は、ピンブーツのシール性を確保しながら、スライドピンをピン摺動孔に組み付ける際には、ピンブーツ内に溜まるエアを外部に排出させることができるピンスライド型車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの一側部で車体に固設されるキャリパブラケットと、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディのいずれか一方にスライドピンの基端部を取り付け、他方に前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成し、前記キャリパボディを前記スライドピンを介してディスク軸方向に移動可能に支持すると共に、前記ピン摺動孔の開口部に装着される摺動孔側取付部と、前記スライドピンの基端部外周に取り付けられるピン側取付部と、該ピン側取付部と前記摺動孔側取付部とを繋ぐ蛇腹部とを備えたピンブーツにて前記スライドピンを覆ったピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前記スライドピンの基端部外周に、前記ピンブーツのピン側取付部を嵌着させる嵌着溝を周設し、前記ピン側取付部は、前記嵌着溝の底面に当接する第1シール面と、前記嵌着溝の基端側面に当接する第2シール面とを有し、該第2シール面と前記第1シール面とが交差する角部にエア抜き通路を形成したことを特徴としている。
【0007】
また、前記スライドピンは、基端側に大径部が形成され、前記摺動軸部から前記大径部に向けて漸次大径となる傾斜部を設け、前記スライドピンと前記ピンブーツの組み付け時に、前記ピン側取付部が前記傾斜部を通過する際に、前記エア抜き通路と前記傾斜部との間に、ピンブーツ内外を連通する隙間が形成されると良い。さらに、前記嵌着溝の基端側面は、前記スライドピンと前記ピンブーツとを組み付けた状態で、前記蛇腹部よりもスライドピンの基端側に配置されると良く、また、前記ピン側取付部は、前記スライドピンと前記ピンブーツとを組み付けた状態で、前記蛇腹部の内側に配置される前記嵌着溝の先端側面に当接する第3シール面を有していると好適である。さらに、前記第1シール面のスライドピン軸方向の長さ寸法は、前記第2シール面と前記第3シール面とを繋ぐスライドピン軸方向の長さ寸法よりも短く形成されると良く、前記エア抜き通路は、前記第2シール面と前記第1シール面とが交差する角部に形成した少なくとも1つの溝であっても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキによれば、スライドピンとピンブーツとを組み付ける時に、ピンブーツの摺動孔側取付部をピン摺動孔の開口部に装着した状態とし、スライドピンをピンブーツのピン側取付部から挿入してピン摺動孔内に挿通する際に、ピンブーツ内に流入されるピン摺動孔内のエアをエア抜き通路から外部に排出し、スライドピンをピン摺動孔内に良好に挿通させることができる。また、エア抜き通路は、ピストンブーツの第1シール面と第2シール面とが交差する角部に形成されることにより、第1シール面及び第2シール面のシール力が低下する虞がなく、外部からの汚水や粉塵がピンブーツ内に侵入することを防止できる。
【0009】
また、スライドピンに、摺動軸部から基端側の大径部に向けて漸次大径となる傾斜部を備え、スライドピンとピンブーツの組み付け時に、ピン側取付部が傾斜部を通過する際に、エア抜き通路と傾斜部との間に、ピンブーツ内外を連通する隙間が形成されることから、ピンブーツのピン側取付部を嵌着溝に嵌着させる前に、ピンブーツ内のエアを抜くことができ、ピン側取付部を嵌着溝に良好に嵌着させることができる。
【0010】
さらに、嵌着溝の基端側面は、スライドピンとピンブーツとを組み付けた状態で、ピンブーツの蛇腹部よりもスライドピンの基端側に形成されることから、組み付け時にエア抜き通路によってピンブーツ内のエアを抜くことができる。
【0011】
また、ピン側取付部は、嵌着溝の先端側面に当接する第3シール面を有し、前記先端側面は、スライドピンとピンブーツとを組み付けた状態で、ピンブーツの蛇腹部の内側に配置されることから、第3シール面と先端側面との当接により、外部からの汚水や粉塵がピンブーツ内に侵入することをより確実に防止することができる。
【0012】
さらに、第1シール面のスライドピン軸方向の長さ寸法を、第2シール面と第3シール面とを繋ぐスライドピン軸方向の長さ寸法よりも短く形成したことにより、ピン取付部の嵌着溝への装着性を向上させることができる。
【0013】
また、前記エア抜き通路を、第2シール面と第1シール面とが交差する角部に形成した少なくとも1つの溝で形成したことにより、簡単な構成でエア抜き通路を形成することができ、コストの削減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一形態例を示すスライドピンとピンブーツとを組み付ける途中の状態を示す要部拡大断面図である。
【図2】同じくピンブーツの正面図である。
【図3】図2のIII-III断面図である。
【図4】図2のIV-IV断面図である。
【図5】同じくスライドピンとピンブーツとを組み付けた後の状態を示す要部拡大断面図である。
【図6】同じくピンスライド型車両用ディスクブレーキの一部断面平面図である。
【図7】同じくピンスライド型車両用ディスクブレーキの正面図である。
【図8】図7のVIII-VIII断面図である。
【図9】同じくピンスライド型車両用ディスクブレーキの一部断面背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本形態例のピンスライド型のディスクブレーキ1は、ディスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット3に、ディスクロータ2の外周をディスク軸方向へ延びる一対のキャリパ支持腕3a,3aを延設し、両キャリパ支持腕3a,3aに、一対のスライドピン4,4を介して、キャリパボディ5をディスク軸方向へ移動可能に支持している。各スライドピン4は、キャリパボディ5の作用部5aの両側へ突出する取付腕5b,5bに、それぞれ取付ボルト6によって突設され、各キャリパ支持腕3aには、このスライドピン4をスライド可能に収容する袋状のピン摺動孔3bがそれぞれ形成されている。また、各スライドピン4の露出部分は、ピンブーツ7でそれぞれ覆われている。
【0016】
キャリパブラケット3は、ディスクロータ2の一側部で車体取付部3c,3cに挿通される固定ボルトを、車体(いずれも図示せず)にねじ止めして固着されており、キャリパブラケット3の両端には、ディスクロータ2の外側を跨いでキャリパボディ5のブリッジ部5cのディスクロータ回入側と回出側とを挟みながら、作用部5a方向へ突出する前記一対のキャリパ支持腕3a,3aが延設されている。各キャリパ支持腕3aに形成される前記ピン摺動孔3bは、作用部側に開口し、開口部には、前記ピンブーツ7を嵌着する開口側中径孔3dと底部側大径孔3eとを備えた装着部3fが形成されている。
【0017】
キャリパボディ5は、ディスクロータ2の両側に対向配置される作用部5a及び反作用部5dと、キャリパ支持腕3a,3aの間でディスクロータ2の外周を跨いでこれらを連結するブリッジ部5cとからなっている。作用部5aには、上述の取付腕5b,5bと、ピストン8が収容されるシリンダ孔9と、該シリンダ孔9の底部に画成される液圧室10とが設けられ、各取付腕5bの先端側には、取付ボルト6を挿通するボルト孔5eがディスク軸方向にそれぞれ貫通形成されている。また、反作用部5dには、反力爪5fが設けられ、ピストン8と反力爪5fとの間には、一対の摩擦パッド11,11が、ディスクロータ2を挟んで対向配置されている。
【0018】
摩擦パッド11は、ディスクロータ2の側面と摺接するライニング11aと、金属製の裏板11bとからなっている。裏板11bの両側部には、耳片11c,11cが突設されており、各摩擦パッド11は、耳片11c,11cをキャリパ支持腕3a,3aのパッド装着凹部3g,3gに挿入し、ディスク軸方向へスライド可能に吊持されている。
【0019】
各スライドピン4は、ピン摺動孔3b内を摺動する先端側の摺動軸部4aと、該摺動軸部4aよりも大径に形成した基端側の固定軸部4bとをそれぞれ備えている。固定軸部4bは、前記取付腕5bに当接する大径部4cと、前記摺動軸部4aから前記大径部4cに向けて漸次大径となる傾斜部4dとを備えると共に、中心軸上には、基端面に開口する雌ねじ孔4eが形成されている。また、傾斜部4dの基端側には、底面4fと、基端側面4gと、先端側面4hとを備えた嵌着溝4iが周設されている。さらに、摺動軸部4aの先端部外周には、スライドピン4の倒れを防止するブッシュ12が嵌着されている。
【0020】
各ピンブーツ7は、ゴム等の弾性部材で筒状に形成され、前記キャリパ支持腕3aの装着部3fに装着される摺動孔側取付部7aと、前記スライドピン4の嵌着溝4iに嵌着されるピン側取付部7bと、ピン側取付部7bと摺動孔側取付部7aとを繋ぐ伸縮自在な蛇腹部7cとを備えている。前記摺動孔側取付部7aは、ピン摺動孔3bの開口に形成した前記開口側中径孔3dと前記底部側大径孔3eとにそれぞれ嵌着される中径筒部7dと先端側大径部7eと、該先端側大径部7eの先端面から突出するリング状の凸部7fと、前記中径筒部7dの基端外周側に突出するフランジ部7gとを備え、前記中径筒部7dの内周面には軸方向のスリット7hが複数形成されている。
【0021】
ピン側取付部7bは、嵌着溝4iの底面4fに当接する第1シール面7iと、嵌着溝4iの基端側面4gに当接する第2シール面7jと、嵌着溝4iの先端側面4hに当接する第3シール面7kとを有し、第2シール面7jと前記第1シール面7iとが交差する角部には、溝で形成された3つのエア抜き通路7mが周方向に等間隔に形成され、図5に示すように、スライドピン4とピンブーツ7とを組み付けた状態で、嵌着溝4iの基端側面4gは蛇腹部7cよりもスライドピン4の基端側に配置され、嵌着溝4iの先端側面4hは蛇腹部7cの内側に配置される。さらに、図4に示されるように、第1シール面7iのスライドピン軸方向の長さ寸法L1は、第2シール面7jと第3シール面7kとを繋ぐスライドピン軸方向の長さ寸法L2よりも短く形成されている。
【0022】
上述のように形成されたピンブーツ7とスライドピン4の組み付けは、図1に示されるように、まず、キャリパ支持腕3aの装着部3fの底部側大径孔3eにピンブーツ7の摺動孔側取付部7aに設けた先端側大径部7eを、開口側中径孔3dに中径筒部7dをそれぞれ装着し、凸部7fを底部側大径孔3eの底部側に当接させると共に、先端側大径部7eとフランジ部7gとで、底部側大径孔3eの先端面とキャリパ支持腕3aの端面とを挟持して、摺動孔側取付部7aを装着部3fに装着する。次いで、ピンブーツ7のピン側取付部7bの内周側に形成された開口部から、スライドピン4の先端部を挿入して前記ピン摺動孔内に挿通し、ピンブーツ7のピン側取付部7bをスライドピン4の嵌着溝4iに嵌着する。さらに、キャリパボディ5の各取付腕5bに形成されたボルト孔5eに取付ボルト6を作用部側から差し込み、スライドピン4の雌ねじ孔4eに螺着させ、各スライドピン4を各取付腕5bに取り付ける。
【0023】
このように、ピンブーツ7とスライドピン4とを組み付ける際には、図1に示されるように、ピン側取付部7bがスライドピン4の傾斜部4dを通過する際に、エア抜き通路7mと傾斜部4dとの間に、ピンブーツ内外を連通する隙間E1が形成されることから、この隙間E1を介して、ピンブーツ内に流入されるピン摺動孔内のエアを外部に排出することができ、スライドピン4をピン摺動孔内に良好に挿通させることができる。
【0024】
また、第1シール面7iのスライドピン軸方向の長さ寸法L1を、第2シール面7jと第3シール面7kとを繋ぐスライドピン軸方向の長さ寸法L2よりも短く形成したことにより、ピン側取付部7bの嵌着溝4iへの装着性を向上させることができる。さらに、嵌着溝4iの基端側面4gは、スライドピン4とピンブーツ7とを組み付けた状態で、ピンブーツ7の蛇腹部7cよりもスライドピン4の基端側に形成されることから、エア抜き通路7mによってピンブーツ内のエアを良好に抜くことができる。また、嵌着溝4iの先端側面4hは、スライドピン4とピンブーツ7とを組み付けた状態で、ピンブーツ7の蛇腹部の内側に配置されることから、第3シール面7kと先端側面4hとの当接により、外部からの汚水や粉塵がピンブーツ内に侵入することを確実に防止することができる。
【0025】
なお、本発明は上述の形態例のように、3つのエア抜き通路を設けるものに限らず、少なくとも1つ形成すれば良く、また、3つ以上形成しても良い。さらに、スライドピンをブラケットに取り付け、キャリパボディにスライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成することもできる。
【符号の説明】
【0026】
1…ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパブラケット、3a…キャリパ支持腕、3b…ピン摺動孔、3c…車体取付部、3d…開口側中径孔、3e…底部側大径孔、3f…装着部、3g…パッド装着凹部、4…スライドピン、4a…摺動軸部、4b…固定軸部、4c…大径部、4d…傾斜部、4e…雌ねじ孔、4f…底面、4g…基端側面、4h…先端側面、4i…嵌着溝、5…キャリパボディ、5a…作用部、5b…取付腕、5c…ブリッジ部、5d…作用部、5e…ボルト孔、5f…反力爪、6…取付ボルト、7…ピンブーツ、7a…摺動孔側取付部、7b…ピン側取付部、7c…蛇腹部、7d…中径筒部、7e…先端側大径部、7f…凸部、7g…フランジ部、7h…スリット、7i…第1シール面、7j…第2シール面、7k…第3シール面、7m…エア抜き通路、8…ピストン、9…シリンダ孔、10…液圧室、11…摩擦パッド、11a…ライニング、11b…裏板、11c…耳片、12…ブッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータの一側部で車体に固設されるキャリパブラケットと、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディのいずれか一方にスライドピンの基端部を取り付け、他方に前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成し、前記キャリパボディを前記スライドピンを介してディスク軸方向に移動可能に支持すると共に、前記ピン摺動孔の開口部に装着される摺動孔側取付部と、前記スライドピンの基端部外周に取り付けられるピン側取付部と、該ピン側取付部と前記摺動孔側取付部とを繋ぐ蛇腹部とを備えたピンブーツにて前記スライドピンを覆ったピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前記スライドピンの基端部外周に、前記ピンブーツのピン側取付部を嵌着させる嵌着溝を周設し、前記ピン側取付部は、前記嵌着溝の底面に当接する第1シール面と、前記嵌着溝の基端側面に当接する第2シール面とを有し、該第2シール面と前記第1シール面とが交差する角部にエア抜き通路を形成したことを特徴とするピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
【請求項2】
前記スライドピンは、基端側に大径部が形成され、前記摺動軸部から前記大径部に向けて漸次大径となる傾斜部を設け、前記スライドピンと前記ピンブーツの組み付け時に、前記ピン側取付部が前記傾斜部を通過する際に、前記エア抜き通路と前記傾斜部との間に、ピンブーツ内外を連通する隙間が形成されることを特徴とする請求項1記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
【請求項3】
前記嵌着溝の基端側面は、前記スライドピンと前記ピンブーツとを組み付けた状態で、前記蛇腹部よりもスライドピンの基端側に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
【請求項4】
前記ピン側取付部は、前記スライドピンと前記ピンブーツとを組み付けた状態で、前記蛇腹部の内側に配置される前記嵌着溝の先端側面に当接する第3シール面を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
【請求項5】
前記第1シール面のスライドピン軸方向の長さ寸法は、前記第2シール面と前記第3シール面とを繋ぐスライドピン軸方向の長さ寸法よりも短く形成されることを特徴とする請求項4記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
【請求項6】
前記エア抜き通路は、前記第2シール面と前記第1シール面とが交差する角部に形成した少なくとも1つの溝であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−208769(P2011−208769A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78764(P2010−78764)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000226677)日信工業株式会社 (840)
【Fターム(参考)】