説明

ファクシミリプリント用データ生成装置、画像形成装置、及びファクシミリ画像データの処理方法

【課題】
ファクシミリ受信側ユーザのニーズに柔軟に対応することができるファクシミリプリント用データ生成装置、画像形成装置等を提供する。
【解決手段】
FAXデータをプリンタ部14でプリント処理するに際し、カラー・モノクロ判別部132が、FAX画像がカラー画像かモノクロ画像かを判別し、モノクロ画像の場合には変倍処理部133による変倍処理や、集約処理部134による集約処理(複数ページの画像を1枚の記録シート上に形成する処理)を行い、カラー画像の場合には、そのままプリント処理を実行するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ受信機能を備え、受信したファクシミリ画像データを記録シート上にプリントするためのプリント用データを生成するファクシミリプリント用データ生成装置、画像形成装置に、及びファクシミリ画像データの処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像処理システムにおいて、外部から受信した画像情報を、画像データとパラメータ情報に変換する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−245673号公報
【0004】
【特許文献2】特開2002−218257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば文書の案文などのモノクロ原稿がFAX送信された場合、送信元がA4サイズ指定で送信した場合には受信側でも1ページが1枚のA4サイズの記録シートにプリントされるのが通常である。この場合に2方向の問題が生じ得る。
【0006】
(1)1ページが1枚のA4サイズの記録シートにプリントされた場合、記録シートのサイズが大きすぎると感じたり、記録シートの枚数が多すぎると感じたりすることがある。
【0007】
(2)1ページが1枚のA4サイズの記録シートにプリントされた場合、文字が小さく読みにくい、と感じる場合も生じ得る。この問題は、送信側がB5サイズを指定して送信するような文書の場合には、特に顕著となり得る。
【0008】
なお、会議資料などでカラーの画像が混在する場合、拡大、縮小は画質の劣化を招来する場合がある。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、ファクシミリ受信側ユーザのニーズに柔軟に対応することができるファクシミリプリント用データ生成装置、画像形成装置、及びファクシミリ画像データの処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題点を解決するために、本発明に係るファクシミリプリント用データ生成装置は、ファクシミリ画像データの受信機能を備え、受信したファクシミリ画像データの画像を記録シート上にプリントするためのプリント用データを生成するファクシミリプリント用データ生成装置において、受信したファクシミリ画像データの画像の種類を判別する画像種類判別手段と、前記画像種類判別手段の判別結果に基づき、受信したファクシミリ画像データの画像サイズ変倍処理を行うか否かを切り替えるプリント用データ生成制御手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
本発明の構成では、画像種類の判別結果に基づき、受信したファクシミリ画像データの画像サイズ変倍処理を行うか否かを切り替える。変倍処理の倍率は縮小、拡大のいずれも可能である。この構成により、ファクシミリ受信側ユーザのニーズに柔軟に対応することが可能となる。
【0012】
前記画像種類判別手段は、受信したファクシミリ画像データが、カラー画像データかモノクロ画像データかを判別し、前記プリント用データ生成制御手段は、カラー画像データの場合には変倍処理を行わず、モノクロ画像データの場合に変倍処理を行うように制御する構成とすることができる。この構成では、カラー画像を変倍処理することによる画質の劣化を防止することができる。
【0013】
前記画像種類判別手段は、受信したファクシミリ画像データに含まれる画像のデータから、当該画像のデータがカラー画像データかモノクロ画像データかを判別する構成とすることができるが、判別方法はこれに限定されず、付加されたパラメータから判別するような構成も可能である。
【0014】
前記プリント用データ生成制御手段は、モノクロ画像データの場合には、変倍処理に加え、複数ページの画像が1枚の記録シート上に形成されるモードで画像形成されるようにプリント用データの生成処理内容を制御する構成とすることができる。
【0015】
前記画像種類判別手段は、画像データの種類をページごとに判別する構成とすることができる。
前記画像種類判別手段は、さらに、受信したファクシミリ画像データの中に、モノクロ画像データのページが複数ページ連続していることを検出する検出手段を備え、前記プリント用データ生成制御手段は、前記検出手段により複数ページ連続していることが検出された場合、当該複数ページの少なくとも2ページの画像が1枚の記録シート上に形成されるモードで画像形成されるようにプリント用データの生成処理内容を制御する構成とすることができる。モノクロ画像のページが複数ページ連続していない場合には、複数ページの画像を1枚の記録シート上に形成するモードでなく、単に変倍処理を行う構成も可能である。
【0016】
前記プリント用データ生成制御手段は、画像形成対象として使用可能な記録シートのサイズを参照して、変倍処理の倍率を決定する構成とすることができる。
また、前記プリント用データ生成制御手段は、画像形成対象として使用可能な記録シートのサイズを参照して、変倍処理の倍率及び1枚の記録シート上に形成されるページ数を決定する構成とすることもできる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、上記本発明に係るファクシミリプリント用データ生成装置と、生成されたプリント用データに基づいて記録シート上に画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴としている。
【0018】
本発明に係るファクシミリ画像データの処理方法は、ファクシミリ画像データを受信する受信ステップと、受信したファクシミリ画像データの画像の種類を判別する画像種類判別ステップと、前記画像種類判別ステップでの判別結果に基づき、受信したファクシミリ画像データの画像の変倍処理を行うか否かを切り替えるプリント用データ生成制御ステップとを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るファクシミリプリント用データ生成装置等によると、画像の種類の判別結果に基づき、受信したファクシミリ画像データの画像サイズ変倍処理を行うか否かを切り替えることにより、ファクシミリ受信側ユーザのニーズに柔軟に対応することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、本発明に係るファクシミリプリントデータ生成装置がインストールされる装置、及び画像形成装置の例として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)を用いる場合について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
(1)FAXシステムの構成
図1は、本実施の形態のFAXシステムの全体的な構成の一例を示す図である。FAXシステム1は、本実施の形態のファクシミリプリント用データ生成装置がインストールされた画像形成装置であるMFP100A、及びMFP100Aに対してFAXデータを送信するMFP100B、及びSIP(セッション・イニシエーション・プロトコル)サーバとしてのパーソナルコンピュータ(PC)31が、LAN等のネットワーク500を介して接続されて構成される。以下、本実施の形態のFAXシステム1を、呼接続にSIP(セッション・イニシエーション・プロトコル)を用いるFAXシステムとの意味でSIPFAXシステムという。
【0022】
SIPサーバは、プロキシ・サーバ、リダイレクト・サーバ、及び登録サーバの三つの機能から構成され、MFP100A、100B等の端末装置から送信されるSIPメッセージを受信して、ロケーションサーバへの各端末装置の登録を行う。本実施の形態では、SIPサーバの三つの機能を同一のPC31で実装する形態としているが、これらの機能は異なるPCに実装することもできる。ロケーションサーバへの登録は登録サーバの機能によるものであり、ロケーションサーバに登録された各端末の情報は、プロキシ・サーバの機能やリダイレクト・サーバ機能から利用することができる。
【0023】
SIPFAXシステム1では、SIPサーバに登録された情報を参照してFAX画像データが添付されたメールを送信することにより、いわゆるインターネットFAXよりも迅速なFAX受信を図るものである。即ち、インターネットFAXの場合、受信側のMFPはメールサーバに定期的にアクセスして送信されたメールをダウンロードする必要があるため、インターネットFAXを送信した場合、受信までにタイムラグが発生する。SIPFAXシステムでは、このようなメールサーバへの定期的アクセスが不要となるため、より迅速なFAX受信が可能となる。
【0024】
(2)MFPの構成
次にMFPの構成について説明する。図2は、MFP100Aの外観の一例を示す斜視図である。図3は、MFP100Aのハードウェア構成の一例を示す図である。このハードウェア構成及び装置外観については、本実施の形態のMFP100Bも同様の構成を有している。
【0025】
MFP100A及び100Bは、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナ、FAX、またはドキュメントサーバなどの機能を集約した画像形成装置である。複合機などと呼ばれることもある。本実施の形態では、MFP100BはFAX送信用の複合機として用いており、その限りで従来のMFPと変わるところが無いため、以下の説明はMFP100Aについて行う。
【0026】
図3に示されるように、MFP100Aは、操作部11、ディスプレイ部12、スキャナ部13、プリンタ部14、通信インタフェース16、ドキュメントフィーダ17、給紙装置18、CPU20、ROM21、RAM22、およびハードディスク23などによって構成される。
【0027】
操作部11は、数字、文字、および記号などを入力するための複数のキー、押下されたキーを認識するセンサ、および認識したキーを示す信号をCPU20に送信する送信用回路などによって構成される。
【0028】
ディスプレイ部12は、ユーザに対してメッセージを表示する画面、ユーザが設定内容や処理内容を入力するための画面、およびMFPで実行された処理の結果を示す画面などを表示する。本実施の形態ではディスプレイ部12にタッチパネルが用いられており、これは操作部11に含まれる。即ちタッチパネルは、ユーザが指で触れたタッチパネル上の位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU20に送信する機能を備えている。
【0029】
スキャナ部13は、原稿に描かれている画像を光電的に読み取って、デジタルの画像データ(ここでは、RGBまたはブラックの濃度を表す濃度データ)を生成する。このようにして得られた画像データは、プリンタ部14において印刷のために用いられるほか、TIFF、PDF、JPEGなどのフォーマットのファイルに変換されてハードディスク23に記憶される。FAXデータに変換されてFAX送信に供されることもある。ドキュメントフィーダ17は、MFP本体の上部に設けられており、1枚または複数枚の原稿をスキャナ部13に順次送るために用いられる。
【0030】
プリンタ部14は、スキャナ部13にて読み取られた画像、LAN等のネットワークを介して接続されたPC(パーソナル・コンピュータ)等の外部装置から送信されてきたデータの画像、またはFAX受信したFAXデータの画像を、用紙またはフイルムなどの記録シートに印刷する。給紙装置18は、MFP本体の下部に設けられており、印刷対象の画像に適した記録シートをプリンタ部14に供給するために用いられる。
【0031】
なお、給紙装置18では、複数種類の記録シートを、それぞれ個別の給紙カセットに収容して給紙することが可能であり(図2の例では、三つの給紙カセット181〜183が装着されている。)、装着された給紙カセットに収容されている記録シートのサイズはCPU20により管理されている。プリンタ部14によって画像が印刷された記録シートは排紙トレイ19(図2参照)に排出される。
【0032】
通信インタフェース16は、PC31等の外部装置とネットワーク500を介して通信を行ったり、電話回線を通じてFAX送受信等を行うための装置である。通信インタフェース16として、NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)、モデム、TA(ターミナル・アダプタ)などを用いることができる。
【0033】
ROM21には、画像の読取(スキャン)、原稿の複写(コピー)、FAXデータの送受信、ネットワークプリンティング、ドキュメントサーバ(ボックス機能)などのMFP100Aの基本機能を実現するためのプログラム、データが記憶されている。そのほか、本実施の形態の機能を実現するプログラムおよびデータが記憶されている。これらのプログラムまたはデータの一部または全部を、ハードディスク23にインストールしておいてもよい。この場合は、ハードディスク23にインストールされているプログラムまたはデータは、必要に応じてRAM22にロードされる。本実施の形態で説明する機能は、必ずしもCPU20だけでなくASICなどの専用ハードウェアを利用したり、オペレーティングシステム(OS)等の汎用プログラムの機能を利用して実現することも有る。
【0034】
以下、本実施の形態においてファクシミリ画像データを受信し、ファクシミリプリント用データを生成するとともに、生成されたデータに基づいて画像を形成するMFP100Aの構成について、より詳細に説明する。図4は、本実施の形態のMFP100Aの機能的構成の一例について説明するためのブロック図である。MFP100Aは、SIPFAX受信制御部120、及びFAXプリントデータ生成部130を備えている。
【0035】
SIPFAX受信制御部120は、メール受信部121、FAXデータ抽出部122を備えている。メール受信部121は、通信インタフェース16を介して、MFP100B等の他の装置から送信された電子メールを受信する。この電子メールは、当該メールの送信元から、SIPサーバとしてのPC31へ問合せた結果として得られる送信先情報を用いて送信されたものである。FAXデータ抽出部122は、受信したメールに添付されたFAX画像データを抽出する。本実施の形態では、インターネットFAXと同様にTIFF形式のファイルがFAX画像データとして添付されているものとする。
【0036】
FAXプリントデータ生成部130は、RIP展開部131、カラー・モノクロ判別部132、変倍処理部133、集約処理部134、FAXプリントデータ格納部135を備えている。RIP展開部131は、抽出されたTIFF形式のFAX画像データをRIP(ラスタ・イメージ・プロセシング)展開して、不図示の画像メモリに書き込む。カラー・モノクロ判別部132は、画像メモリ上に展開された画像データから、当該画像がカラー画像であるか、モノクロ画像であるかを判別する。画像データのカラー・モノクロ判別には、公知の種々の手法を適用することが可能であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0037】
変倍処理部133は、カラー・モノクロ判別部132により、モノクロ画像と判別されたものについて変倍処理を行う。変倍処理は、縮小・拡大のいずれも可能であり、変倍倍率は予め設定した固定値とすることもできるが、本実施の形態では、給紙装置18の給紙カセット181〜183に収容された記録シートのサイズを参照して、変倍倍率を決定する。
【0038】
集約処理部134は、変倍処理部133での変倍処理を経た複数ページ分のモノクロ画像データを1枚の記録シート上に形成するような画像データの集約処理を行う。例えばA4サイズのモノクロ画像2ページ分の画像データを、1枚の記録シート上に形成するように画像データを集約することができる(2in1プリント)。1枚の記録シート上に形成するページ数を、給紙カセット181〜183に収容された記録シートのサイズを参照して決定することもできる。FAXプリントデータ格納部135は、変倍処理や集約処理を経たFAXプリント用データ(モノクロ画像データやカラー画像データ)が格納される。このFAXプリントデータ格納部135を構成するメモリとRIP展開に用いる画像メモリとは共用する構成も可能である。MFP100Aでは、FAXプリント用データに基づいてプリンタ部14を制御し、記録シート上に画像を形成する。
【0039】
なお、FAXデータ抽出部122において抽出されたFAX画像データは直接RIP展開に供することもできるが、一旦ハードディスク23に格納することもできる。ハードディスク23に格納されたFAX画像データは、ユーザからのプリント指示がなされた際にRIP展開処理に供される。
【0040】
(3)MFP100Aの処理内容
次に、FAXデータを受信したMFP100Aの処理内容について説明する。図5は、本実施の形態のMFP100Aの処理内容の一例について説明するためのフローチャートである。
【0041】
同図の例では、FAXデータを受信した場合に(S101:YES)、受信したFAXデータの画像サイズを取得する(S102)。画像サイズの取得方法はFAXのタイプ(上記したSIPFAX、インターネットFAX、G3ファックス等)ごとに異なるが、上記に説明したSIPFAXシステム(あるいはインターネットFAX)の場合、FAXデータは電子メールに添付されたTIFF形式の画像ファイルとして送信されるため、画像のプロパティとして保持された縦横の画素数及び解像度から画像サイズを算出することができる。
【0042】
次に、給紙装置18にセットされている記録シートのサイズを取得する(S103)。そして、FAXデータに含まれる画像データがモノクロ画像データである場合(S104:YES)、FAX画像データの画像サイズと、給紙装置18にセットされている記録シートのサイズとから変倍処理の倍率を算出し(S105)、変倍処理を実行する(S106)。変倍処理はCPU20上で行うこともできるが、DSP(デジタル信号プロセッサ)を用いたり、ASIC(特定用途向けIC)を用いることも可能である。
【0043】
変倍処理後はプリンタ部14によるプリント処理を行う(S107)。一方、FAX画像データがモノクロ画像データでなく、カラー画像データである場合(S104:NO)、算出されたFAX画像データの画像サイズよりも大きい記録シートが給紙装置18に存在するか否かを判定し(S108)、存在する場合には(S108:YES)、画像サイズよりも大きい記録シートを選択して(S109)、プリント処理を行う(S107)。画像サイズよりも大きい記録シートが給紙装置18に存在しない場合には(S108:NO)、画像データをメモリに格納し(S110)、このタイミングではプリント処理を行わない。
【0044】
ステップS108において、カラー画像の場合に画像サイズよりも大きい記録シートが存在するか否かを判定するのは、カラー画像の変倍処理は画質の劣化を招来する可能性があるため、画像サイズを変更せず、そのままでプリント処理することが好ましいからである。従って、画像サイズよりも大きい記録シートが複数種類存在する場合、いずれを選択するかの方法は特に限定されず、もっともサイズの小さい記録シートを選択するだけでなく、他のモノクロ画像のプリント処理に用いられる記録シートのサイズに合わせるような選択も可能である。
【0045】
モノクロ画像の場合の変倍倍率の算出も種々の方法が可能であり、特に限定されない。給紙装置18にセットされている記録シートの中で最も小さいサイズに合わせて縮小するようにすれば資源節約に繋がるし、変倍倍率の可能範囲を予め決定しておき、当該範囲内で記録シートのサイズを決定し、さらにシートのサイズに応じて変倍倍率を決定する方法なども考えられる。送信先ユーザを特定可能な場合には、ユーザごとの設定を予めテーブルに格納しておくような形態も可能である。
【0046】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では変倍処理のみを実行したが、本実施の形態では、変倍処理に加えて、複数ページ分の画像を1枚の記録シート上に形成する機能(以下、集約機能という。)を利用する。このような集約機能を利用することにより、記録シートの消費量を削減することができる。
【0047】
図6は本実施の形態における処理内容について説明するためのフローチャートである。以下、第1の実施の形態と異なる点について説明する。本実施の形態では、FAX画像がモノクロ画像データの場合に(S204:YES)、上記した集約機能を利用する集約形態を決定する(S205)。集約形態として、例えば、1枚の記録シート上に形成するページ数を決定する。この際に、FAX画像の画像サイズや、給紙装置18にセットされている記録シートのサイズを参照して決定することが可能である。
【0048】
次に第1の実施の形態と同様に変倍倍率を決定する(S206)。この変倍倍率はステップS205で決定された集約形態を前提とするものとなる。そして、変倍及び集約処理を実行してプリント用データを生成し(S207)、プリント処理を実行する(S208)。
【0049】
(実施の形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態ではFAX画像がモノクロの場合に変倍及び集約処理を実行するようにしたが、FAX画像の中にモノクロ画像のページとカラー画像のページとが混在する場合もある。本実施の形態では、そのような場合に対応する方策の一例について説明する。
【0050】
図7は本実施の形態における処理内容について説明するためのフローチャートである。以下、主として第2の実施の形態と異なる点について説明する。本実施の形態では、FAX画像がモノクロ画像データの場合(S304:YES)、上記した集約形態を決定(S306)する前に、モノクロ画像ページが連続しているか否かの判定を行う(S305)。
【0051】
そして、モノクロ画像ページが連続する場合(S305:YES)のみ、集約機能を利用するべく集約形態を決定する(S306)。即ち、本実施の形態の例では、ページごとにカラー・モノクロの判別を行うことが必要となる。また、ステップS307の変倍倍率の算出の際には、集約機能が利用されるか否かに応じて変倍倍率が変わることもあり得る。そして、未処理のページが無くなるまで(S310:NO)、処理を繰り返す。なお、カラー画像の場合の処理は第1の実施の形態等と同様である。
【0052】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の内容が上記実施の形態において説明された具体例によって限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例も考えられる。
【0053】
(1)上記実施の形態では、FAX送受信システムとして、SIPFAXシステムを用いた場合について説明したが、上記のように、画像データがカラーかモノクロかを判定して、モノクロ画像の場合に変倍、集約処理を行うに際してFAXシステムがSIPFAXに限定されることはなく、例えばインターネットFAXや、電話回線を通じたG3、G4等のFAX、IP電話の経路を通じて送信されたFAXデータに適用することも可能である。
【0054】
(2)上記各実施の形態では、受信したFAXデータをすぐにプリント処理に供する場合について説明したが、FAXデータをハードディスク23等に一旦格納する場合にも本発明を適用することは可能であり、一旦ハードディスク23に格納したFAX画像データをプリントする際に、集約機能の利用の有無や変倍倍率の算出を行うようにすることができる。なお、ハードディスク23内のファイルをプリントする際には、変倍倍率や集約機能の利用の有無をユーザが指定することも可能であるが、例えばハードディスク23に一旦格納されたFAX画像データのプリントの際に本発明の機能を利用するか否かを予め設定しておき、利用する旨の設定がなされている場合に、上記実施の形態と同様の変倍倍率算出処理等を実行するようにすることもできる。
【0055】
(3)上記実施の形態では、RIP展開後の画像データからカラー・モノクロの判別を行ったが、FAX画像データ中にカラー・モノクロの別を示す情報を含めておき、当該含まれた情報を抽出してカラー・モノクロの判別を行うことも可能である。上記したSIPFAXやインターネットFAXの場合には、メールヘッダやメール本文に上記の情報を含めておくことができる。
【0056】
(4)上記実施の形態では、MFP100Aで、FAX受信して得たFAX画像データをプリントする場合について説明したが、RIP展開、変倍処理等を経てプリント用データを生成する装置と、プリンタとは別の装置とすることもできる。この場合には、従来のプリンタに、SIPFAX、インターネットFAX、G3FAX等のファクシミリ受信機能を備えるファクシミリプリント用データ生成装置を接続し、生成されたファクシミリプリント用データをプリンタに送信する実施形態が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、例えばファクシミリ受信機能を備えるMFP等の画像処理装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態のSIPFAXシステム1の全体的な構成の一例を示す図である。
【図2】MFPの外観の一例を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるMFP100Aの機能的構成の一例について説明するためのブロック図である。
【図5】第1の実施の形態のMFP100Aの処理内容の一例について説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態のMFP100Aの処理内容の一例について説明するためのフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態のMFP100Aの処理内容の一例について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
11 操作部
12 ディスプレイ部
13 スキャナ部
14 プリンタ部
16 通信インタフェース
17 ドキュメントフィーダ
18 給紙装置
181、182、183 給紙カセット
19 排紙トレイ
20 CPU
21 RAM
22 ROM
23 ハードディスクドライブ
31 パーソナルコンピュータ(PC)
100A、100B MFP
120 SIPFAX受信制御部
121 メール受信部
122 FAXデータ抽出部
130 FAXプリントデータ生成部
131 RIP展開部
132 カラー・モノクロ判別部
133 変倍処理部
134 集約処理部
135 FAXプリントデータ格納部
500 ネットワーク(LAN)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ画像データの受信機能を備え、受信したファクシミリ画像データの画像を記録シート上にプリントするためのプリント用データを生成するファクシミリプリント用データ生成装置において、
受信したファクシミリ画像データの画像の種類を判別する画像種類判別手段と、
前記画像種類判別手段の判別結果に基づき、受信したファクシミリ画像データの画像サイズ変倍処理を行うか否かを切り替えるプリント用データ生成制御手段とを備える
ことを特徴とするファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項2】
前記画像種類判別手段は、
受信したファクシミリ画像データが、カラー画像データかモノクロ画像データかを判別し、
前記プリント用データ生成制御手段は、
カラー画像データの場合には変倍処理を行わず、モノクロ画像データの場合に変倍処理を行うように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項3】
前記画像種類判別手段は、
受信したファクシミリ画像データに含まれる画像のデータから、当該画像のデータがカラー画像データかモノクロ画像データかを判別する
ことを特徴とする請求項2に記載のファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項4】
前記プリント用データ生成制御手段は、
モノクロ画像データの場合には、変倍処理に加え、複数ページの画像が1枚の記録シート上に形成されるモードで画像形成されるようにプリント用データの生成処理内容を制御する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項5】
前記画像種類判別手段は、
画像データの種類をページごとに判別する
ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項6】
前記画像種類判別手段は、さらに、
受信したファクシミリ画像データの中に、モノクロ画像データのページが複数ページ連続していることを検出する検出手段を備え、
前記プリント用データ生成制御手段は、
前記検出手段により複数ページ連続していることが検出された場合、当該複数ページの少なくとも2ページの画像が1枚の記録シート上に形成されるモードで画像形成されるようにプリント用データの生成処理内容を制御する
ことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項7】
前記プリント用データ生成制御手段は、
画像形成対象として使用可能な記録シートのサイズを参照して、変倍処理の倍率を決定する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項8】
前記プリント用データ生成制御手段は、
画像形成対象として使用可能な記録シートのサイズを参照して、変倍処理の倍率及び1枚の記録シート上に形成されるページ数を決定する
ことを特徴とする請求項4又は6に記載のファクシミリプリント用データ生成装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載のファクシミリプリント用データ生成装置と、生成されたプリント用データに基づいて記録シート上に画像を形成する画像形成部とを備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
ファクシミリ画像データを受信する受信ステップと、
受信したファクシミリ画像データの画像の種類を判別する画像種類判別ステップと、
前記画像種類判別ステップでの判別結果に基づき、受信したファクシミリ画像データの画像の変倍処理を行うか否かを切り替えるプリント用データ生成制御ステップとを含む
ことを特徴とするファクシミリ画像データの処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−201805(P2007−201805A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17791(P2006−17791)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】