説明

ファームウェアデータ供給装置、ファームウェアデータ供給方法およびファームウェア更新システム、ファームウェアデータ供給プログラムおよび記録媒体

【課題】ネットワークを介さない場合であっても、デジタル放送の受信状態の状態に左右されずにデジタル放送受信機にファームウェアデータを供給するファームウェアデータ供給装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るSTB100は、デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルにファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調部117と、生成した変調波をデジタル放送受信機に伝送するRF送信部119と、
を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信機に対してファームウェアデータを供給するファームウェアデータ供給装置、当該ファームウェアデータ供給装置におけるファームウェアデータ供給方法、およびファームウェア更新システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送およびデジタル衛星放送などに代表されるように、従来のアナログ放送に代わり、デジタル放送システムが運用されている。
【0003】
デジタル放送を受信するデジタル放送受信機は、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)の定めた規格であるARIB STD−B21「デジタル放送用受信装置 望ましい仕様」第12章において規定されているように、メモリに格納するソフトウェアデータの更新を行うためのダウンロード機能を有している。
【0004】
より具体的には、デジタル放送受信機では、受信機のソフトウェアの機能更新およびバグの修正といったエンジニアリングサービスとして、放送を利用してソフトウェアのダウンロードを行うことができる。デジタル放送受信機は、放送を利用してダウンロードしたソフトウェアを用いてファームウェアの更新を実行する。
【0005】
また、放送を利用することなくデジタル放送受信機のファームウェアを更新(アップデート)する方法としては、ネットワークを利用する方法を挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−142164号公報(平成14年5月17日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタル放送受信機がネットワークの接続機能を有していない場合には、特許文献1に記載されているようなネットワークを利用してファームウェアを更新する技術を利用することができない。このような場合、デジタル放送受信機は、放送波を利用してファームウェアの更新を行う必要がある。
【0007】
しかし、放送波を利用してファームウェアを更新する場合には、電波の帯域という共通の資源(すなわち、公共の放送電波)を使用することになり、放送波の受信状態によってはファームウェアの更新を確実に行うことができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ネットワークを介さない場合であっても、デジタル放送の受信状態の状態に左右されずにデジタル放送受信機にファームウェアデータを確実に供給するファームウェアデータ供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るファームウェア供給装置は、上記課題を解決するために、
デジタル放送を受信するデジタル放送受信機にファームウェアデータを供給するファームウェアデータ供給装置であって、
上記デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、上記デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルに上記ファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調手段と、
上記変調波を上記デジタル放送受信機に伝送する伝送手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明に係るファームウェアデータ供給装置は、デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルにファームウェアデータが重畳された変調波を生成し、生成した変調波をデジタル放送受信機に伝送する。
【0011】
これによって、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、放送電波の周波数帯域(すなわち、チャンネル)を使用することなく、ファームウェアデータをデジタル放送受信機に伝送することができる。
【0012】
したがって、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、ネットワークを用いない場合であっても、デジタル放送の受信状態の状態に左右されることなく、デジタル放送受信機に対してファームウェアデータを確実に供給することができる効果を奏する。
【0013】
また、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、さらに、上記変調手段は、上記ファームウェアデータの他に、ファームウェアデータの伝送スケジュールを示すスケジュール情報が重畳された変調波を生成し、上記伝送手段は、上記デジタル放送受信機に上記スケジュール情報を重畳した変調波を伝送することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、ファームウェアデータ供給装置は、ファームウェアデータをスケジュール情報に基づいて伝送することができると共に、デジタル放送受信機では、伝送されたスケジュール情報に基づいてファームウェアデータの取得準備を行うことができる効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、さらに、上記デジタル放送を受信する受信手段と、上記変調波を上記受信手段において受信したデジタル放送に合成する合成手段と、をさらに備えていることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、ファームウェアデータ供給装置において生成した変調波を、デジタル放送により伝送されるデジタル放送波と共にデジタル放送受信機に伝送することができる。
【0017】
これによって、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、放送信号の入力インターフェースが1つしかないデジタル放送受信機に対しても、デジタル放送の受信状態の状態に左右されることなくファームウェアデータを確実に供給することができる効果を奏する。
【0018】
また、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、さらに、ネットワークを介してファームウェアデータを取得する取得手段をさらに備えており、上記変調手段は、上記取得手段において取得したファームウェアデータを重畳した変調波を生成することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、最新のファームウェアデータを容易に取得することができると共に、ファームウェアデータを確実に取得することができる効果を奏する。
【0020】
また、ファームウェアデータ供給装置にファームウェアデータを蓄積しておく蓄積部を備える必要がないため、本発明に係るファームウェアデータ供給装置の製造コストを削減することができる。
【0021】
また、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、さらに、上記取得手段は、蓄積部に蓄積された複数のファームウェアデータうち、情報入力デバイスを用いてユーザにより選択されたファームウェアデータを取得することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、取得手段は、情報入力デバイスを介して入力された情報に基づいてファームウェアデータを取得することができる。
【0023】
これによって、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、ユーザーの所望するファームウェアデータをデジタル放送受信機に対して供給することができる効果を奏する。すなわち、ユーザーの希望に応じて、デジタル放送受信機毎に異なるファームウェアデータを供給することができる効果を奏する。
【0024】
また、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、さらに、情報入力デバイスを用いてユーザにより入力された情報に基づいてファームウェアデータを作成するファームウェアデータ作成手段をさらに備えており、上記変調手段は、上記ファームウェアデータ作成手段において作成したファームウェアデータを重畳した変調波を生成することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、ファームウェアデータ作成手段は、情報入力デバイスを用いてユーザにより入力された情報に基づいてファームウェアデータを作成することができる。
【0026】
これによって、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、ユーザーの所望するファームウェアデータが存在しない場合であっても、ユーザーにより入力された情報に基づいて、ユーザーの所望するファームウェアデータを作成し、デジタル放送受信機に対して供給することができる効果を奏する。すなわち、ユーザーの希望に応じて、デジタル放送受信機毎に独自のファームウェアデータを供給することができる効果を奏する。
【0027】
また、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、さらに、上記情報入力デバイスは、ネットワークを介して接続されていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、例えば、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータから本発明に係るファームウェアデータ供給装置に対して情報を入力することができる。
【0029】
これによって、ユーザーがファームウェアデータ供給装置の設置されている場所にいない場合であっても、ファームウェアデータ供給装置に対する情報の入力を可能にすることができる効果を奏する。
【0030】
本発明に係るファームウェアデータ供給方法は、上記課題を解決するために、
デジタル放送を受信するデジタル放送受信機にファームウェアデータを供給するファームウェアデータ供給装置におけるファームウェアデータ供給方法であって、
上記デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、上記デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルに上記ファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調ステップと、
上記変調波を上記デジタル放送受信機に伝送する伝送ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、本発明に係るファームウェアデータ供給装置と同様の作用効果を奏する。
【0032】
本発明に係るファームウェア更新システムは、上記課題を解決するために、
デジタル放送を受信するデジタル放送受信機と、ファームウェアデータを当該デジタル放送受信機に供給するファームウェアデータ供給装置と、を備えたファームウェア更新システムであって、
上記ファームウェアデータ供給装置は、
上記デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、上記デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルに上記ファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調手段と、
上記変調波を上記デジタル放送受信機に伝送する伝送手段と、
を備えており、
上記デジタル放送受信機は、
上記ファームウェアデータ供給装置から伝送される変調波を受信する受信機側受信手段と、
上記受信機側受信手段において受信した変調波を復調する復調手段と、
上記復調手段において復調されたファームウェアデータに基いて、当該デジタル放送受信機におけるファームウェアを更新する更新手段と、を備えていることを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、本発明に係るファームウェアデータ供給装置と同様の作用効果を奏する。
【0034】
また、デジタル放送受信機に対する改造を施す必要を不要にすることができる効果も併せて奏する。
【0035】
また、本発明に係るファームウェアデータ供給装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として駆動させることを特徴とするプログラムおよびそれらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係るファームウェア供給装置は、以上のように、デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルにファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調手段と、生成した変調波をデジタル放送受信機に伝送する伝送手段とを備えている。
【0037】
これによって、本発明に係るファームウェアデータ供給装置では、ファームウェアデータの供給にネットワークを用いない場合であっても、デジタル放送の受信状態の状態に左右されることなく、デジタル放送受信機に対してファームウェアデータを確実に供給することができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
〔実施形態1〕
本発明に係るファームウェアデータ供給装置の一実施形態を図1〜3を参照しつつ以下に説明する。なお、本実施形態では、本発明に係るファームウェアデータ供給装置の詳細な構成を説明するに先立って、本発明に係るファームウェアデータ供給装置を含むファームウェア更新システムについて、図2を参照しつつ以下に説明する。図2は、ファームウェア更新システム500の構成を模式的に示す図である。
【0039】
(ファームウェア更新システム500の構成)
ファームウェア更新システム500は、図2に示すように、セットトップボックス100(以下、STBとも称する;ファームウェアデータ供給装置)、テレビジョン受像機200(以下、テレビとも称する:デジタル放送受信機)、ルータ300、および、情報入力デバイス400を備えている。なお、外部サーバ装置600および放送局700は、ファームウェア更新システム500の構成に含まれるものではないが、本発明の理解を容易にするために、便宜上図2に図示している。外部サーバ装置600および放送局700を含む、ファームウェア更新システム500を構成する各部材について以下に説明する。
【0040】
(STB100)
STB100は、図2に示すように、ルータ300を介して情報入力デバイス400および外部サーバ600に接続されていると共に、アンテナ線10(RFケーブル)を介して、テレビ200に接続されている。
【0041】
STB100は、放送局700から伝送されるデジタル放送波を受信し、受信したデジタル放送波をアンテナ線10を介してテレビ200に伝送する。また、外部サーバ600からルータ300を介してファームウェアデータを取得すると共に、取得したファームウェアデータをアンテナ線10を介してテレビ200に伝送する。STB100の詳細な構成および動作については下記に詳述する。
【0042】
なお、本明細書等における「ファームウェアデータ」とは、テレビ200のファームウェアを更新(アップデート)する際に用いられるプログラムデータを意味している。
【0043】
(テレビ200)
テレビ200は、デジタル放送を再生する機能を有している。また、テレビ200は、アンテナ線10を接続するためのインターフェースを有している。
【0044】
アンテナ線10は、デジタル放送を伝送することができるケーブルであれば特に限定されるものではなく、従来公知のケーブルを利用することができる。
【0045】
なお、本実施形態における「テレビジョン受像機(テレビ)」とは、デジタル放送を再生し、映像をディスプレイに表示する機能を有した装置であればよく、例えばパーソナルコンピューター、携帯型情報端末(例えば、携帯電話またはPDAなど)および携帯型ゲーム機器などの装置もその範疇に含むものとする。
【0046】
(ルータ300)
ルータ300は、2つ以上の物理的なネットワークを接続する際に用いられ、それぞれのネットワーク間においてデータパケットを中継する。
【0047】
(情報入力デバイス400)
情報入力デバイス400は、ルータ300を介してSTB100に接続されており、ユーザーの入力した情報をSTB100に対して出力する。すなわち、情報入力デバイス400は、ユーザーからの入力を受け付ける操作入力部として機能する。操作入力デバイス400としては、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などを挙げることができる。
【0048】
情報入力デバイス400がSTB100とネットワークを介して接続されていることにより、ユーザーがSTB100の設置されている場所にいないような場合であってもSTB100に対する情報の入力を可能にすることができる。
【0049】
なお、図2では情報入力デバイス400とSTB100とを別体の装置として図示しているが、STB100が情報入力デバイス400と同様の情報入力機能を有していてもよい。このような場合、操作入力部としては、マウス、キーボードなどを挙げることができる。また、リモコンなどのように遠隔操作可能な操作入力部であってもよい。
【0050】
(外部サーバ600)
外部サーバ600は、ファームウェアデータを蓄積する蓄積部を備えた記録装置であり、ネットワークを介してSTB100に接続されている。
【0051】
なお、外部サーバ600とファームウェア更新システム500とを接続するネットワークは、特定の種類または形態に限定されるものではない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等を用いることができる。また、伝送媒体としても、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線などの有線であってもよいし、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)などの無線であってもよい。
【0052】
また、外部サーバ装置600は、ネットワークを介することなくSTB100に接続されている記録媒体であってもよい。すなわち、例えば、SDカード、USBメモリ、CD、DVDまたはBDなどの光学ディスク、ハードディスクなどの磁気ディスクであってもよい。また、ルータ300を介してSTB100に接続されているPCが上述したような記録媒体を備えていてもよい。
【0053】
(放送局700)
放送局700は、デジタル放送波を伝送するための設備を有する基地局である。なお、放送局700から伝送されるデジタル放送の規格は、特に限定されるものではない。すなわち、ISDB−T規格であってもよいし、DVB−T規格、ATSC規格であってもよい。また、これらの規格を改良した規格であってもよい。
【0054】
(ファームウェア更新システム500の動作)
続いて、ファームウェア更新システム500におけるファームウェア更新処理について説明する。
【0055】
STB100は、操作入力デバイス400を介して入力された情報に基づいて、外部サーバ600からネットワークを介して、ユーザーの所望するファームウェアデータを取得する。STB100は、取得したファームウェアデータを、放送局700から伝送されるデジタル放送波に合成し、アンテナ線10を介してテレビ200に供給する。
【0056】
テレビ200は、ファームウェアデータを含むデジタル放送波を受信すると、受信したデジタル放送波からファームウェアデータを取り出し、ファームウェアデータにアップデートを実行する。これによって、テレビ200のファームウェアの更新が完了する。
【0057】
以下、STB100におけるファームウェアデータの供給処理について、より詳細に説明する。
【0058】
(STB100の構成)
次に、STB100の構成について、図1および図2を参照しつつ以下に説明する。図1は、STB100の要部構成を示すブロック図である。
【0059】
STB100は、図1に示すように、RF受信部110、通信部111、制御部112、PSI/SI生成部113、ファームウェアデータ作成部114、データ記録部115、多重化処理部116、変調部117、混合部118、およびRF送信部119を備えている。STB100を構成する部材について以下に説明する。
【0060】
(RF受信部110)
RF(Radio Frequency)受信部110は、放送局700(図2)より伝送されるデジタル放送波を受信したアンテナから、受信したデジタル放送波をSTB100に取り込む。
【0061】
(通信部111)
通信部111は、外部装置(例えば、図2における情報入力デバイス400、外部サーバ600など)から送信されるデータをネットワークを介して取得すると共に、データをネットワークを介して外部装置に対して送信する。
【0062】
(制御部112)
制御部112は、STB100におけるファームウェアデータ供給処理全般を制御する。
【0063】
(PSI/SI生成部113)
PSI/SI生成部113は、情報入力デバイス400を介して入力される情報に基づいて、PSI/SI(番組特定情報/番組配列情報)を作成する。
【0064】
PSI/SI生成部113において作成するPSI(番組特定情報;Program Specific Information)は、MPEG2システム(ISO/IEC13818−1、ITU−TH.220.0)で規格化されており、所要の番組を選択するために必要な情報である。PSIは、PAT(Program Association Table;番組統合テーブル)、PMT(Program Map Table;番組対応テーブル)、NIT(Network Information Table;ネットワーク情報テーブル)およびCAT(限定受信テーブル;Conditional Access Table)の4つのテーブルからなる。
【0065】
また、PSI/SI生成部113において作成するSI(番組配列情報;Service Information)は、ARIB STD−B10で規定されており、番組選択の利便性のために規定された情報である。SIは、SDT(Service Description Table;サービス記述テーブル)、EIT(Event Information Table;イベント情報テーブル)、BIT(Broadcaster Information Table;ブロードキャスタ情報テーブル)、TOT(Time Offset Table)およびSDTT(Software Download Trigger Table)などのテーブルを含む。
【0066】
なお、PSI/SI生成部113では、上述したテーブルおよび上記の規格において規定されているテーブルを全て作成する必要はない。すなわち、PSI/SI生成部113では、SDTTと、STB100において作成するTSがテレビ200において番組であると認識されるテーブルとを作成するようにしてもよい。
【0067】
(ファームウェアデータ作成部114)
ファームウェアデータ作成部114は、情報入力デバイス400を介して入力される情報に基づいて、ファームウェアデータを作成する。具体的には、ファームウェアデータ作成部114では、情報入力デバイス400において入力される情報(UI(User Interface)デザインや背景画像など)を、所定の記述言語(例えばC言語)により作成されたソースコードに変換するプログラムを用いてファームウェアデータを作成する。
【0068】
(データ記録部115)
データ記録部115は、映像データおよび音声データなどを記録するメモリである。なお、図1では、データ記録部115がSTB100に内蔵されている場合を例示しているが、もちろんこれに限定されるものではない。例えば、STB100の外部に備えられた外部メモリであってもよいし、ネットワークを介してSTB100に接続されているメモリであってもよい。
【0069】
(多重化処理部116)
多重化処理部116は、データを多重化することによりTS(Transport Stream、MPEG2のトランスポートストリーム)を作成する。
【0070】
例えば、データ記録部115から読み出した映像データと、PSI/SI生成部114において作成したPSI/SIとを多重化することによりTSを作成する。また、データ記録部115から読み出した映像データと、ファームウェアデータ作成部114において作成するか、または通信部110において取得したファームウェアデータとを多重化することによりTSを作成する。多重化処理部116においてどのようなデータを多重化するのかについては、伝送するTSに応じて適宜設定することができる。
【0071】
(変調部117)
変調部117は、RF受信機110において受信するデジタル放送と同一の変調方式を用いて、搬送波発生器(図示しない)において発生させた搬送波(キャリア)を変調する。このとき変調部117は、搬送波をデジタル放送とは異なる周波数帯域(チャンネル)の変調波に変調する。
【0072】
言い換えれば、変調部117は、多重化処理部116において作成したTS信号をテレビ200において復調可能なOFDM信号に変換し、変換されたOFDM信号をさらにRF信号(生成RF信号)に変換する。変調部117は、このとき得られる生成RF信号の周波数帯域(チャンネル)を、既存の放送におけるRF信号(放送RF信号)の周波数帯域とは異なるようにする。
【0073】
もちろん、変調部117においてTS信号をOFDM信号に変換するためのデジタル変調方式は、OFDM(直交周波数分割多重)変調に限定されるものではなく、テレビ200に応じて適宜変更することができる。
【0074】
また、生成RF信号の周波数帯域(チャンネル)は、STB100を設置する地域などに応じて自動的に設定されることが好ましい。用いる周波数帯域は、例えば、RF受信部110において受信したデジタル放送波に基づいて設定されるようにしてもよいし、STB100がネットワークを介して空きチャンネルの情報を取得するようにしてもよい。また、ネットワークのIPアドレスに基づいて設定するようにしてもよいし、STB100がGPS(Global Positioning System)を備えている場合には、GPSにより取得された位置情報(緯度経度情報)に基づいて設定するようにしてもよい。
【0075】
(合成部118)
合成部118は、RF受信部110において受信した放送RF信号に、変調部117において変換した生成RF信号を合成する。
【0076】
これにより、多重化処理部116において作成したTSは、放送局から伝送されるTSと同様にして扱われる。すなわち、ユーザーは、テレビ200においてチャンネルを選択することにより、多重化処理部116において作成したTSを視聴することが可能となる。
【0077】
(RF送信部119)
RF送信部119は、合成部118において合成したRF信号を、アンテナ線10(図2)を用いてテレビ200に伝送する。
【0078】
(STB100におけるファームウェアデータ供給処理)
次に、ファームウェアデータ供給処理におけるSTB100の動作について、図3を参照しつつ以下に説明する。図3は、STB100におけるファームウェアデータ供給処理を示すフローチャートである。
【0079】
STB100がテレビ200のファームウェアの更新処理の実行処理モードに入ると、制御部112がPSI/SI生成部113に対してPSI/SIの生成を指示する。
【0080】
制御部112からの指示を受けたPSI/SI生成部113は、情報入力デバイス400を介して入力された情報に基づいて、ダウンロードのスケジュール情報などをテレビ200に対して告知するSDTT(Software Download Trigger Table)を含むPSI/SIを生成する(ステップS1)。なお、SDTTの詳細については下記に詳述する。
【0081】
続いて、多重化処理部116は、生成されたPSI/SIとデータ記録部115から読み出したデータとを多重化し、SDTTを含むTS信号を作成する(ステップS2)。多重化処理部116においてPSI/SIと多重化するデータは、特に限定されるものではない。すなわち、多重化処理部116は、PSI/SIと映像データとを多重化してもよいし、PSI/SIと音声データとを多重化してもよい。また、3つ以上のデータを多重してもよい。なお、多重化処理部116において多重化処理されるデータは、予め定められたデータであってもよいし、ユーザーにより選択されるデータであってもよい。
【0082】
次に、変調部117は、SDTTを含むTS信号を、予め定められた周波数のRF信号(生成RF信号)に変換する(ステップS3)。そして、合成部118は、RF受信部110において受信したRF信号(放送RF信号)に生成RF信号を合成する(ステップS4)。RF送信部119は、放送RF信号に合成した生成RF信号を、アンテナ線10を介してテレビ200に送信する(ステップS5)。すなわち、SDTTをテレビ200に対して送信する。
【0083】
続いて、先に送信したSDTTにおけるスケジュール情報に付与されているタイミングになると、制御部112が情報入力デバイス400を介して入力された情報に基づいたファームウェアデータの取得を通信部111に指示する。
【0084】
指示を受けた通信部111は、外部サーバ600からネットワークを介してファームウェアデータを取得する(ステップS6)。多重化処理部116は、取得したファームウェアデータを記録部115から読み出したデータに多重化し、ファームウェアデータを含むTS信号を作成する(ステップS7)。なお、多重化処理部116においてファームウェアデータと多重化するデータは、先と同様に、特に限定されるものではない。
【0085】
次に、変調部117はファームウェアデータを含むTS信号を、予め定められた生成RF信号に変換する(ステップS8)。そして、合成部118は、RF受信部110において受信した放送RF信号に生成RF信号を合成する(ステップS9)。RF送信部119は、放送RF信号に合成した生成RF信号をアンテナ線10を介してテレビ200に送信する(ステップS10)。すなわち、ファームウェアデータをテレビ200に対して送信する。これによって、STB100におけるファームウェアデータの供給処理が完了する。
【0086】
なお、上述したファームウェアデータ供給処理では、ダウンロードの形態として、ファームウェアデータのダウンロードを強制的に行う強制型の場合を例に挙げて説明しているが、もちろんこれに限定されるものではない。ダウンロードの形態としては、ユーザーの選択に基づいてファームウェアのダウンロードを行う選択型であってもよい。この場合、ダウンロードの可否の選択は、リモコンなどを用いたユーザーによる操作入力に基づいて判定してもよいし、テレビ200において予め設定しておいた指示に基づいて判定してもよい。また、選択型以外にも、通常の番組を視聴していない時にスケジュール情報に基づいてテレビ200を立ち上げてダウンロードする告知型などのダウンロード形態を用いてもよい。
【0087】
また、STB100は、情報入力デバイス400からの指示に基づいてファームウェアデータ供給モードに切り替わってもよいし、外部サーバ装置600からの新規ファームウェアデータの通知を受けて切り替わるようにしてもよい。
【0088】
(STB100の利点)
以上説明したように、STB100は、ファームウェアデータを取得し、取得したファームウェアデータを含むTS信号を、所定の放送RF信号とは異なる周波数帯域の生成RF信号に変換し、変換した生成RF信号をアンテナ線10を用いてテレビ200に伝送する。
【0089】
これによって、STB100では、放送電波の周波数帯域を利用することなく、ファームウェアデータをテレビ200に伝送することができる。したがって、STB100では、ネットワークを用いない場合であっても、デジタル放送波の受信状態の状態に左右されることなく、テレビ200に対してファームウェアデータを確実に供給することができる。
【0090】
また、STB100は、ファームウェアデータに先立って送信したSDTTにおけるスケジュール情報に基づいて、テレビ200に対してファームウェア伝送する。
【0091】
これによって、ファームウェアデータをSDTTにおけるスケジュール情報に基づいて伝送することができると共に、テレビ200では、伝送されたSDTTに基づいてファームウェアデータの取得準備を行うことができる。
【0092】
また、STB100では、ファームウェアデータを供給する度に、ファームウェアデータの供給開始を指示しなければならないという煩雑な操作をユーザーに対して強いることを避けることができる。
【0093】
また、STB100は、自装置において作成したRF信号を、放送を解して受信したRF信号に合成してテレビ200に伝送することができる。
【0094】
これによって、STB100では、RF信号の入力インターフェースが1つしかないテレビ200に対しても、デジタル放送波の受信状態の状態に左右されることなくファームウェアデータを確実に供給することができる。
【0095】
また、STB100は、情報入力デバイス400を介して入力された情報に基づいてファームウェアデータを取得することができる。
【0096】
これによって、STB100では、ユーザーの所望するファームウェアデータをテレビ200に対して供給することができる。すなわち、ユーザーの希望に応じて、テレビ200毎に異なるファームウェアデータを供給することができる。
【0097】
また、STB100は、供給するファームウェアデータをネットワークを介して取得するため、自装置内にファームウェアデータを蓄積しておく蓄積部を備える必要がない。これによって、STB100の製造に要するコストを削減することができる。
【0098】
さらに、ファームウェアデータをネットワークを介して取得することにより、最新のファームウェアデータを容易に取得することができると共に、ファームウェアデータを確実に取得することもできる。
【0099】
(SDTTの詳細)
ここで、PSI/SI生成部113において生成するSDTTの詳細について説明する。SDTTは、SIの1つであり、ファームウェアデータのダウンロードの告知情報をテレビ200に対して通知するために送信するテーブルである。
【0100】
SDTTは、ARIB STD−B21で規定されており、SDTTにはファームウェアデータのダウンロードに関するスケジュール情報、ファームウェアのメーカ識別ID(maker_id)、テレビ200のモデル識別ID(model_id)、グループ識別ID(group_id)およびバージョン識別ID(version_id)などが付与されている。これらの識別IDについては、情報入力デバイス400を介して予め入力されている情報に基づいて付与されることが好ましい。
【0101】
スケジュール情報としては、ダウンロード(すなわち、STB100からテレビ200に対するファームウェアデータの供給)開始時間、配信継続時間などが付与されている。すなわち、STB100は、先に送信したSDTTに付与されているダウンロード開始時間になると、テレビ200に対してファームウェアデータの供給を開始する。また、配信継続時間に達すると、ファームウェアデータの供給を終了する。したがって、STB100は、配信継続時間に達するまでは、ファームウェアデータを含む生成RF信号を放送RF信号に合成して送信し続ける。
【0102】
また、先に述べたダウンロード形態などのダウンロードに関する情報についてもSDTTに含まれている。
【0103】
(変形例)
上述したファームウェアデータ供給処理では、ネットワークを介して取得したファームウェアデータをテレビ200に供給する場合を例に挙げて説明したが、もちろんこれに限定されるものではない。すなわち、情報入力デバイス400を介して入力された情報に基づいてファームウェアデータ作成部114において供給するファームウェアデータを作成するようにしてもよい。
【0104】
この場合、図3におけるステップS6における処理が、ファームウェアデータの作成処理に置き換わることになる。
【0105】
このように、ファームウェアデータ作成部114が、情報入力デバイス400を介して入力された情報に基づいてファームウェアデータを作成することにより、ユーザーの所望するファームウェアデータが存在しない場合であっても、ユーザーの入力した情報に基づいて、ユーザーの所望するファームウェアデータを作成することができる。
【0106】
すなわち、ユーザーの希望に応じて、テレビ200毎に独自のファームウェアデータを供給することができる。
【0107】
なお、ファームウェアデータ作成部114において作成したファームウェアデータは、STB100におけるファームウェアデータ格納部(図示しない)に格納しておくようにしてもよい。これによって、先に作成したファームウェアデータと同様の情報が入力された時には、ファームウェアデータ格納部からファームウェアデータを読み出すことができるため、ファームウェアデータの作成を不要にすることができる。
【0108】
(テレビ200におけるファームウェア更新処理)
次に、STB100からファームウェアデータを供給されたテレビ200におけるファームウェアの更新処理について説明する。
【0109】
テレビ200におけるRF受信部が、STB100からアンテナ線10を介して伝送される、生成RF信号を受信すると、復調部が生成RF信号からファームウェアデータを復調する。そして、ファームウェア更新処理部は、復調したファームウェアデータに基いて、テレビ200におけるファームウェアの更新を実行する。
【0110】
なお、ファームウェアデータの受信時、テレビ200は、先に受信したSDTTに基づいて、チャンネルをファームウェアデータの送信が行われるチャンネルに変更するようにすることが好ましい。チャンネルの変更は、自動的に行われるようにしてもよいし、ユーザーに対してチャンネルの変更を通知し、ユーザーが手動で切り替えるようにしてもよい。
【0111】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、STB100に含まれている制御部112、PSI/SI生成部113、ファームウェアデータ作成部114、多重化処理部116、変調部117および合成部118(以下、これらの部材をまとめてファームウェアデータ供給部と称する)は、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0112】
すなわち、ファームウェアデータ供給部は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するMPUなどのCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。
【0113】
そして、本発明の目的は、ファームウェアデータ供給部のプログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、または、ソースプログラム)を記録した記録媒体をSTB100に供給し、STB100が上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
【0114】
上記記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0115】
また、ファームウェアデータ供給部(またはSTB100)を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介してファームウェアデータ供給部に供給する。この通信ネットワークはファームウェアデータ供給部にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0116】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0117】
(付記事項)
PSI/SI作成部113において作成したPSI/SIの伝送については、ARIB TR−B14 第1分冊(1/2)において規定されてる運用方法に基づいて伝送するようにすればよい。具体的には、下記に示す運用に基づいて行えばよい。
【0118】
(1)NIT第2ループ配置のサービスリスト記述子で、「エンジニアリングサービスタイプ(0xA4)」のサービスを配置する。
【0119】
(2)PMTのデータ符号化方式記述子のdata_component_id は0x0009(ARIB−データダウンロード方式)とする。また、Additional_data_component_infoは送らない。
【0120】
(3)エンジニアリングサービスを単一のTSで送出している場合は、エンジニアリングサービスのservice_idは全国的に同じID値で運用する。ただし複数のTSから時差送出を行う場合、それぞれのスケジュール毎にservice_idを割り振る。network_idとtransport_stream_id値は伝送するネットワーク毎の値となる。
【0121】
(4)当該ネットワークで送出されているエンジニアリングサービスを示すNITやPAT、BIT内に記載のoriginal_network_idとtransport_stream_id値は伝送するネットワーク毎の値となる。5.3.1.2「SDTTの運用」で規定される伝送路指定A、Bにおいては、SDTT内のoriginal_network_idとtransport_stream_id値とは地上デジタルテレビジョン放送固有の値を記載する。
【0122】
(5)エンジニアリングサービスではPCRが送出されないことがある。
【0123】
(6)エンジニアリングサービスのPMTの再送周期は最大1秒まで許容する。
【0124】
また、本実施形態では、PSI/SI生成部113においてPSI/SIを生成する場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、STB100は、外部装置において生成したPSI/SIを取得するような構成であってもよい。
【0125】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明に係るファームウェアデータ供給装置は、ネットワークへの接続機能を有していないテレビジョン受像機に対してファームウェアを確実に供給することができるセットトップボックスとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明に係るSTBの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るSTBを含むファームウェア更新システムの構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明に係るSTBにおけるファームウェア供給処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
10 アンテナ線
100 セットトップボックス(ファームウェア供給装置)
110 RF受信部(受信手段)
111 通信部(取得手段)
112 制御部
113 PSI/SI生成部
114 ファームウェアデータ作成部
115 データ記録部
116 多重化処理部
117 変調部
118 合成部
119 RF送信部(伝送手段)
200 テレビジョン受像機(デジタル放送受信機)
300 ルータ
400 情報入力デバイス
500 ファームウェア更新システム
600 外部サーバ
700 放送局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送を受信するデジタル放送受信機にファームウェアデータを供給するファームウェアデータ供給装置であって、
上記デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、上記デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルに上記ファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調手段と、
上記変調波を上記デジタル放送受信機に伝送する伝送手段と、
を備えていることを特徴とするファームウェアデータ供給装置。
【請求項2】
上記変調手段は、上記ファームウェアデータの他に、ファームウェアデータの伝送スケジュールを示すスケジュール情報が重畳された変調波を生成し、
上記伝送手段は、上記デジタル放送受信機に上記スケジュール情報を重畳した変調波を伝送することを特徴とする請求項1に記載のファームウェアデータ供給装置。
【請求項3】
上記デジタル放送を受信する受信手段と、
上記変調波を上記受信手段において受信したデジタル放送に合成する合成手段と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のファームウェアデータ供給装置。
【請求項4】
ネットワークを介してファームウェアデータを取得する取得手段をさらに備えており、
上記変調手段は、上記取得手段において取得したファームウェアデータを重畳した変調波を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のファームウェアデータ供給装置。
【請求項5】
蓄積部に蓄積された複数のファームウェアデータのうち、情報入力デバイスを用いてユーザにより選択されたファームウェアデータを取得する取得手段をさらに備えており、
上記変調手段は、上記取得手段において取得したファームウェアデータを重畳した変調波を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のファームウェアデータ供給装置。
【請求項6】
情報入力デバイスを用いてユーザにより入力された情報に基づいてファームウェアデータを作成するファームウェアデータ作成手段をさらに備えており、
上記変調手段は、上記ファームウェアデータ作成手段において作成したファームウェアデータを重畳した変調波を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のファームウェアデータ供給装置。
【請求項7】
上記情報入力デバイスは、ネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項5または6に記載のファームウェアデータ供給装置。
【請求項8】
デジタル放送を受信するデジタル放送受信機にファームウェアデータを供給するファームウェアデータ供給装置におけるファームウェアデータ供給方法であって、
上記デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、上記デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルに上記ファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調ステップと、
上記変調波を上記デジタル放送受信機に伝送する伝送ステップと、
を含むことを特徴とするファームウェアデータ供給方法。
【請求項9】
デジタル放送を受信するデジタル放送受信機と、ファームウェアデータを当該デジタル放送受信機に供給するファームウェアデータ供給装置と、を備えたファームウェア更新システムであって、
上記ファームウェアデータ供給装置は、
上記デジタル放送と同一の変調方式を用いて搬送波を変調することによって、上記デジタル放送においてコンテンツが重畳されるチャンネルとは異なるチャンネルに上記ファームウェアデータが重畳された変調波を生成する変調手段と、
上記変調波を上記デジタル放送受信機に伝送する伝送手段と、
を備えており、
上記デジタル放送受信機は、
上記ファームウェアデータ供給装置から伝送される変調波を受信する受信機側受信手段と、
上記受信機側受信手段において受信した変調波を復調する復調手段と、
上記復調手段において復調されたファームウェアデータに基いて、当該デジタル放送受信機におけるファームウェアを更新する更新手段と、を備えていることを特徴とするファームウェア更新システム。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載のファームウェアデータ供給装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−141577(P2010−141577A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315750(P2008−315750)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】