説明

フィルタ素子

【課題】十分な耐圧を確保し得るフィルタ素子を提供することを主目的とする。
【解決手段】帯状絶縁体8a上に配設された接地用導電体9a,9bと帯状絶縁体8b上に配設された信号用導電体10a,10bとを帯状絶縁体8bを介して重ねて構成した積層体11における一端側の半分を中心部位(境界部位)Aを中心として所定方向に巻回して筒状に形成したコイル部5と、積層体11における他端側の半分を中心部位(境界部位)Aを中心としてコイル部5とは逆方向に巻回して筒状に形成したコイル部6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号用帯状導電体と接地用帯状導電体とが帯状絶縁体を介して重ねて構成された積層体における一端側の半分を積層体における他端側の半分との境界部位を中心として所定方向に巻回して全体として筒状に形成された第1のコイル部と、積層体における他端側の半分を上記境界部位を中心として所定方向とは逆方向に巻回して全体として筒状に形成された第2のコイル部とを備えたフィルタ素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルタ素子として、特許第3125179号公報において開示されたフィルタ素子が知られている。このフィルタ素子は、外縁が絶縁され、かつ断面が長方形状の絶縁平角導電線の複数枚を重ね合わせたものを渦巻き状に巻回して1層目のコイル体(第1のコイル部)および2層目のコイル体(第2のコイル部)を形成し、1層目のコイル体の最も中心側の絶縁平角導電線が2層目のコイル体(第2のコイル部)の最も中心側の絶縁平角導電線に繋がるようにして2層コイルとして構成されている。この場合、複数枚の絶縁平角導電線の少なくとも2本が通電導体(通常は、信号用導電体および接地用導電体)として使用される。このフィルタ素子では、2層コイルとして構成したことにより、一層当たりの巻回数を少なくしたとしても、インダクタンスとキャパシタンスとを十分に大きくすることができるため、良好なノイズ減衰効果を広い帯域で得ることが可能となっている。さらに、各層のコイル体における絶縁平角導電線の先端は最も外周から繰り出されるので、リード端子の取付けなどの作業を容易に行えるため、量産性を向上させることが可能となっている。さらに、1層目のコイル体と2層目のコイル体とを所定の間隔だけ離したことにより、1層目のコイル体と2層目のコイル体とが近接することに起因する不要なキャパシタンスを抑制できるため、一層広い周波数帯域でノイズを効果的に減衰させることが可能となっている。
【特許文献1】特許第3125179号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来のフィルタ素子には、次のような課題が存在する。すなわち、このフィルタ素子では、外縁(表面)が絶縁され、かつ断面形状が長方形状の絶縁平角導電線を使用している。この場合、通常、絶縁平角導電線は、塗布された絶縁樹脂(ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミドなど)によって表面に形成された絶縁被膜により、外縁が絶縁されている。しかしながら、一般的に、絶縁被膜の膜厚は0.004mm〜0.03mm程度と薄いため、用途によっては、十分な耐圧を確保することができないという課題が存在する。特に、このフィルタ素子では、2つのコイル体(コイル部)が内周側において接続され、かつ絶縁平角導電線の各先端部が共に各コイル体の外周側から引き出される構造のため、各コイル体の外周側同士間の電位差が最も大きくなる結果、各コイル体間の耐圧が外周側において不足することになる。
【0004】
本発明は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、十分な耐圧を確保し得るフィルタ素子を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく請求項1記載のフィルタ素子は、帯状絶縁体上に配設された接地用帯状導電体と他の帯状絶縁体上に配設された信号用帯状導電体とを当該各帯状絶縁体のうちの一方を介して重ねて構成された積層体における一端側の半分を当該積層体における他端側の半分との境界部位を中心として所定方向に巻回して全体として筒状に形成された第1のコイル部と、前記積層体における前記他端側の半分を前記境界部位を中心として前記所定方向とは逆方向に巻回して全体として筒状に形成された第2のコイル部とを備えている。ここで、本明細書における「帯状導電体」とは、厚みの薄いシート状の導電体に限らず、ある程度の厚みのある導電体、例えば、断面形状が丸形、楕円、四角形、または台形に形成された可撓性を有する板状の導電体をも含むことを意味する。
【0006】
また、請求項2記載のフィルタ素子は、請求項1記載のフィルタ素子において、前記積層体は、第1の帯状絶縁体上に配設された第1の接地用帯状導電体と第2の帯状絶縁体上に配設された第1の信号用帯状導電体とを当該各帯状絶縁体のうちの一方を介して重ねて構成されて当該積層体における一端側の半分を形成する第1の積層体と、第3の帯状絶縁体上に配設された第2の接地用帯状導電体と第4の帯状絶縁体上に配設された第2の信号用帯状導電体とを当該各帯状絶縁体のうちの一方を介して重ねて構成されて当該積層体における他端側の半分を形成する第2の積層体と、前記第1の積層体および前記第2の積層体における前記各信号用帯状導電体同士および前記各接地用帯状導電体同士をそれぞれ接続する信号接続用導電体および接地接続用導電体とを備え、前記第1の積層体および前記第2の積層体は、互いに平行でかつ長さ方向にずれた状態で当該第1の積層体における一の方向側の端部と当該第2の積層体における当該一の方向とは逆方向側の端部とが近接した状態に並設されている。
【0007】
また、請求項3記載のフィルタ素子は、請求項1記載のフィルタ素子において、前記各帯状絶縁体は、互いに平行な状態で並設された一対の副帯状絶縁体同士が一方の端部側において連結されて構成され、前記信号用帯状導電体は、前記各帯状絶縁体のうちの一方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体上に配設され、前記接地用帯状導電体は、前記各帯状絶縁体のうちの他方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体上に配設され、前記一方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体の前記一方の端部側には、当該一対の副帯状絶縁体上に配設されている前記各信号用帯状導電体の一方の端部同士を接続する信号接続用導電体が配設され、前記他方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体の前記一方の端部側には、当該一対の副帯状絶縁体上に配設されている前記各接地用帯状導電体の一方の端部同士を接続する接地接続用導電体が配設されている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のフィルタ素子によれば、接地用帯状導電体と信号用帯状導電体とを帯状絶縁体を介して重ねて構成した積層体における一端側の半分を積層体における他端側の半分との境界部位を中心として所定方向に巻回して筒状に形成された第1のコイル部と、積層体における他端側の半分を境界部位を中心として所定方向とは逆方向に巻回して筒状に形成された第2のコイル部とを備えたことにより、十分な耐圧の帯状絶縁体を用い、かつ接地用帯状導電体および信号用帯状導電体を各帯状絶縁体上に配設する際に各帯状絶縁体の端縁と接地用帯状導電体および信号用帯状導電体との間の距離を十分な長さに設定することで、各コイル部(つまりフィルタ素子全体)の耐圧(絶縁耐圧)を十分に高めることができる。したがって、従来のフィルタ素子と同等の効果を奏しつつ高耐圧なコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
【0009】
また、請求項2記載のフィルタ素子によれば、互いに平行でかつ長さ方向にずれた状態で並設された第1の積層体および第2の積層体と、両積層体における各信号用帯状導電体同士および各接地用帯状導電体同士をそれぞれ接続する信号接続用導電体および接地接続用導電体とを備えて積層体を構成したことにより、第1の積層体および第2の積層体が予め幅方向にずれているため、第1の積層体および第2の積層体を捻ったり、折り曲げたりすることなく、両者を巻回するだけで第1のコイル部および第2のコイル部を形成することができる。したがって、このフィルタ素子によれば、捻りや折り曲げに起因した応力が積層体に作用することがないため、耐久性を一層向上させることができる。また、第1の積層体および第2の積層体の巻回作業も容易に行うことができる。
【0010】
また、請求項3記載のフィルタ素子によれば、一方の端部側において連結された一対の副帯状絶縁体で各帯状絶縁体を構成し、一方の帯状絶縁体における各副帯状絶縁体上に信号用帯状導電体をそれぞれ配設すると共に各信号用帯状導電体の一方の端部同士を接続する信号接続用導電体を配設し、他方の帯状絶縁体における各副帯状絶縁体上に接地用帯状導電体をそれぞれ配設すると共に各接地用帯状導電体の一方の端部同士を接続する接地接続用導電体を配設したことにより、各帯状絶縁体をそれぞれ構成する一対の副帯状絶縁体同士が各々の一方の端部側において予め連結されているため、各副帯状絶縁体上に接地用導電体および接地接続用導電体を配設(並設)したり、各副帯状絶縁体上に信号用導電体および信号接続用導電体を配設する作業を容易に行うことができる。このため、フィルタ素子の製造に要する時間を十分に短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るフィルタ素子について説明する。
【0012】
最初に、フィルタ素子1について、図面を参照して説明する。
【0013】
フィルタ素子1は、図1に示すように、複数本(一例として2本)の入力端子2a,2b(以下、特に区別しないときは「入力端子2」ともいう)、入力端子2と同数(2本)の出力端子3a,3b(以下、特に区別しないときは「出力端子3」ともいう)、入力端子2と同数(2本)の接地用端子4a,4b(以下、特に区別しないときは「接地用端子4」ともいう)、第1のコイル部5(以下、「コイル部5」ともいう)、第2のコイル部6(以下、「コイル部6」ともいう)、および磁性体(一例として柱状(同図では円柱状)の磁性コア)7を備え、分布定数型のノイズフィルタ(低域通過型のコモンモードフィルタ)に構成されている。
【0014】
コイル部5,6は、例えば、図2に示すように、2つの帯状絶縁体8a,8b(以下、特に区別しないときは「帯状絶縁体8」ともいう)、2本の接地用導電体9a,9b(本発明における接地用帯状導電体であって、以下、特に区別しないときは「接地用導電体9」ともいう)、および接地用導電体9と同数(2本)の信号用導電体10a,10b(本発明における信号用帯状導電体であって、以下、特に区別しないときは「信号用導電体10」ともいう)を備えて構成された積層体11を巻回してそれぞれ形成されている。
【0015】
各帯状絶縁体8は、図2に示すように、一例として、誘電性および電気的絶縁性を有する材料を用いて、同じ幅で、同じ長さに形成されている。また、各接地用導電体9は、例えば、同図に示すように、同じ幅(帯状絶縁体8よりも幅狭)で、同じ長さ(帯状絶縁体8よりも短い長さ)に設定されると共に、帯状絶縁体8a上において、帯状絶縁体8aの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設されている。また、各接地用導電体9は、帯状絶縁体8aの端縁(幅方向の端縁および長さ方向の端縁)から所定距離L1だけ内側に配設されている。この場合、この所定距離L1(沿面距離)は、各コイル部5,6(フィルタ素子1)が所望の耐圧を確保し得るように設定されている。また、帯状絶縁体8bは、各接地用導電体9を帯状絶縁体8aとの間で挟み込むようにして帯状絶縁体8aの上に重ねられている。各信号用導電体10は、例えば、同じ幅で、同じ長さに設定されると共に、帯状絶縁体8b上において、帯状絶縁体8bの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設されている。また、各信号用導電体10も各接地用導電体9と同様にして、帯状絶縁体8bの端縁(幅方向の端縁および長さ方向の端縁)から所定距離L1だけ内側に配設されている。また、各信号用導電体10a,10bは、一例としてその幅およびその長さが各接地用導電体9と同等に形成されると共に、対応する各接地用導電体9a,9bと帯状絶縁体8bを挟んでそれぞれ対向するようにして配設されている。したがって、積層体11は、以上のようにして互いに積層された帯状絶縁体8a,8b、各接地用導電体9および各信号用導電体10を備えて構成されている。また、この積層体11は、例えば、表面の導体パターンがパターンニングされて各接地用導電体9や各信号用導電体10が形成されたフレキシブル基板を用いて構成することができる。
【0016】
コイル部5は、図3に示すように、積層体11をその中心部位Aで1ターンだけ捻り(または折り曲げ)、この積層体11の一端側の半分(同図では、一例として中心部位Aを基準とした左端側の半分)を中心部位Aを中心として矢印B方向(図3では反時計方向)に巻回することにより、筒状に形成されている(図1,4参照)。また、コイル部6は、図3に示すように、この積層体11の他端側の半分(同図では、一例として中心部位Aを基準とした右端側の半分)を中心部位Aを中心として矢印C方向(図3では時計方向)に巻回することにより、コイル部5とほぼ同一径の筒状に形成されている(図1,4参照)。この場合、コイル部6については、図1,4に示すように、コイル部5の側方(図1中では右側、図4中では下方)において、コイル部5,6の軸線がほぼ一致するようにして形成されている。したがって、各コイル部5,6の中心部に形成されている各空隙H,Hは互いに連通した状態にあり、磁性コア7は、コイル部5,6の各空隙H,Hに装着されている。また、上記したように、積層体11における一端側の半分と他端側の半分とは、積層体11における中心部位Aを介して連結されている。したがって、積層体11における中心部位Aは、本発明における積層体11における一端側の半分と他端側の半分との境界部位でもある(以下、境界部位Aともいう)。
【0017】
このフィルタ素子1では、帯状絶縁体8a上に配設(並設)された接地用導電体9a,9bと帯状絶縁体8b上に配設(並設)された信号用導電体10a,10bとを帯状絶縁体8bを介して重ねて構成した積層体11における一端側の半分を中心部位(境界部位)Aを中心として所定方向(一例として反時計方向)に巻回して筒状のコイル部5が形成され、積層体11における他端側の半分を中心部位(境界部位)Aを中心としてコイル部5とは逆方向に巻回して筒状のコイル部6が形成されている。このため、このフィルタ素子1によれば、十分な耐圧の帯状絶縁体8を用い、かつ各接地用導電体9および各信号用導電体10を各帯状絶縁体8a,8b上に形成する際に各帯状絶縁体8a,8bの端縁と各接地用導電体9および各信号用導電体10との間の所定距離L1を十分な距離(例えば数ミリ以上)に設定することにより、各コイル部5,6(つまりフィルタ素子1全体)の耐圧(絶縁耐圧)を十分に高めることができる。したがって、従来のフィルタ素子と同等の効果(つまり、2層コイルとして構成したことによる効果)を奏しつつ高耐圧なコモンモード用のフィルタ素子1を実現することができる。
【0018】
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記の構成では、1つの積層体11を用いているが、2つの積層体22,23(本発明における第1の積層体および第2の積層体)が接続されて形成された図5に示す積層体11Aを用いて、図7に示すように、2つのコイル部5A,6Aを備えたフィルタ素子1Aを構成することもできる。以下、このフィルタ素子1Aについて説明する。なお、フィルタ素子1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
積層体22は、図5に示すように、帯状絶縁体(本発明における第1の帯状絶縁体)24aと、帯状絶縁体24a上において帯状絶縁体24aの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設された接地用導電体(本発明における第1の接地用帯状導電体)25a,25bと、帯状絶縁体(本発明における第2の帯状絶縁体)24bと、帯状絶縁体24b上において帯状絶縁体24bの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設された信号用導電体(本発明における第1の信号用帯状導電体)26a,26bとを備え、これらがこの順番に積層されて構成されている。他方、積層体23は、帯状絶縁体(本発明における第3の帯状絶縁体)27aと、帯状絶縁体27a上において帯状絶縁体27aの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設された接地用導電体(本発明における第2の接地用帯状導電体)28a,28bと、帯状絶縁体(本発明における第4の帯状絶縁体)27bと、帯状絶縁体27b上において帯状絶縁体27bの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設された信号用導電体(本発明における第2の信号用帯状導電体)29a,29bとを備え、これらがこの順番に積層されて構成されている。また、各帯状絶縁体24a,24b(以下、特に区別しないときは「帯状絶縁体24」ともいう)は、例えば、同じ幅で、同じ長さに設定されている。また、各帯状絶縁体27a,27b(以下、特に区別しないときは「帯状絶縁体27」ともいう)は、例えば、各帯状絶縁体24と同じ幅で、同じ長さにそれぞれ設定されている。また、積層体11Aでも、積層体11と同様にして、各接地用導電体25,28から各帯状絶縁体24a,27aの端縁までの距離、および各信号用導電体26,29から各帯状絶縁体24b,27bの端縁までの距離がそれぞれ所定距離L1となるように設定されている。
【0020】
また、各積層体22,23は、図5に示すように、互いに平行でかつ長さ方向にずれた状態で一方の積層体22における一の方向側(同図中の右方向側)の端部と他方の積層体23におけるこの一の方向とは逆方向側(同図中の左方向側)の端部とが近接した状態に並設されている。また、各積層体22,23は、図6に示すように、帯状絶縁体24aおよび帯状絶縁体27aにおける近接する端部間に掛け渡された一対の接地接続用導電体30a,30b(以下、特に区別しないときは「接地接続用導電体30」ともいう)により、接地用導電体25aおよび接地用導電体28aが電気的に接続されると共に接地用導電体25bおよび接地用導電体28bが電気的に接続され、かつ帯状絶縁体24bおよび帯状絶縁体27bにおける近接する端部間に掛け渡された一対の信号接続用導電体31a,31b(以下、特に区別しないときは「信号接続用導電体31」ともいう)により、信号用導電体26aおよび信号用導電体29aが電気的に接続されると共に信号用導電体26bおよび信号用導電体29bが電気的に接続されて互いに連結されている。
【0021】
コイル部5Aは、図5に示すように、積層体11Aの一端側の半分(つまり積層体22)を、積層体11Aにおける接地接続用導電体30および信号接続用導電体31が配設された境界部位A(中心部位A)を中心として矢印B方向(反時計方向)に巻回することにより、筒状に形成されている(図7参照)。また、コイル部6Aは、図5に示すように、積層体11Aの他端側の半分(つまり積層体23)を、積層体11Aの境界部位Aを中心として矢印C方向(時計方向)に巻回することにより、コイル部5Aとほぼ同一径の筒状に形成されている(図7参照)。この場合、コイル部5A,6Aについても、コイル部5,6と同様にして、双方の軸線がほぼ一致するように形成されて、磁性コア7はコイル部5A,6Aの連通する各空隙H,H内に装着されている。また、上記したように、積層体11Aを構成する各積層体22,23は、信号接続用導電体31等が配設された中心部位Aにおいて連結されている。したがって、この中心部位Aは、積層体11A、つまり各積層体22,23の境界部位でもある。
【0022】
このフィルタ素子1Aでは、各接地用導電体25,28から各帯状絶縁体24a,27aの端縁までの距離、および各信号用導電体26,29から各帯状絶縁体24b,27bの端縁までの距離がそれぞれ所定距離L1となるように設定されている。したがって、フィルタ素子1と同様にして、十分な耐圧を確保することができる結果、フィルタ素子1と同様の効果を奏することができる。さらに、フィルタ素子1Aでは、積層体11Aを構成する各積層体22,23が予め幅方向に、各積層体22,23の幅と同じ距離だけずらして配設されている。このため、各積層体22,23を捻ったり、また折り曲げたりすることなく、巻回するだけで各コイル部5A,6Aを形成することができる。したがって、このフィルタ素子1Aによれば、捻りや折り曲げに起因した応力が積層体11Aに作用することがないため、耐久性を一層向上させることができる。また、各積層体22,23の巻回作業も容易に行うことができる。
【0023】
なお、上記の構成では、各接地接続用導電体30と各信号接続用導電体31とで各積層体22,23を連結しているが、各接地接続用導電体30が配設された各帯状絶縁体24aおよび帯状絶縁体27aにおける近接する各端部の裏面側、および各信号接続用導電体31が配設された各帯状絶縁体24bおよび帯状絶縁体27bにおける近接する各端部(例えばその裏面側)に、補強用の帯状絶縁体(図示せず)を接着してフィルタ素子1Aを作製することもできる。さらに、帯状絶縁体24aおよび帯状絶縁体27aの近接する端部同士を連結して一体化した帯状絶縁体(図示せず)と、帯状絶縁体24bおよび帯状絶縁体27bの近接する端部同士を連結して一体化した帯状絶縁体(図示せず)とを用いてもフィルタ素子1Aを作製することができる。これらの構成を採用することにより、各積層体22,23によって形成される各コイル部5A,6A同士の連結強度を向上させることができる。また、帯状絶縁体24aおよび帯状絶縁体27a、並びに帯状絶縁体24bおよび帯状絶縁体27bを一体化する構成を採用するときには、接地用導電体25a、接地接続用導電体30aおよび接地用導電体28aと、接地用導電体25b、接地接続用導電体30bおよび接地用導電体28bと、信号用導電体26a、信号接続用導電体31aおよび信号用導電体29aと、信号用導電体26b、信号接続用導電体31bおよび信号用導電体29bとをそれぞれ連続した導電体で形成することもでき、接地接続用導電体30および信号接続用導電体31による連結作業を省くことができる分、作業性を向上させることができる。
【0024】
また、上記のフィルタ素子1では、図1に示すように、帯状絶縁体8aで各コイル部5,6の外周面を覆い、上記のフィルタ素子1Aでは、図7に示すように、帯状絶縁体24a,27aで各コイル部5A,6Aの外周面をそれぞれ覆うように構成しているが、2つの積層体22,23Aが図8に示すように接続されて形成された積層体11Bを用いて、図11に示すように、2つのコイル部5A,6Bを備えたフィルタ素子1Bを構成することもできる。以下、このフィルタ素子1Bについて説明する。なお、フィルタ素子1Bは、積層体23に代えて積層体23Aを用いた以外の構成要素はフィルタ素子1Aと同一のため、相違する積層体23Aに関連する構成についてのみ説明し、同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0025】
積層体23Aは、図8に示すように、帯状絶縁体27bと、帯状絶縁体27b上において帯状絶縁体27bの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設された信号用導電体29a,29bと、帯状絶縁体27aと、帯状絶縁体27a上において帯状絶縁体27aの幅方向に互いに離間して、かつ平行に並設された接地用導電体28a,28bとを備え、これらがこの順番に積層されて構成されている。
【0026】
また、各積層体22,23Aは、図8に示すように、各導電体26a,26b,28a,28bが並設されている面を各帯状絶縁体24a,27aの表側としたときに、表裏が逆で、互いに平行でかつ長さ方向(同図中の左右方向)にずれた状態で一方の積層体22における一の方向側(同図中の右方向側)の端部と他方の積層体23Aにおけるこの一の方向とは逆方向側(同図中の左方向側)の端部とが近接した状態に並設されている。また、各積層体22,23Aは、図9,10に示すように、帯状絶縁体24aおよび帯状絶縁体27aにおける近接する端部間に掛け渡された一対の接地接続用導電体30a,30bにより、接地用導電体25aおよび接地用導電体28aが電気的に接続されると共に接地用導電体25bおよび接地用導電体28bが電気的に接続され、かつ帯状絶縁体24bおよび帯状絶縁体27bにおける近接する端部間に掛け渡された一対の信号接続用導電体31a,31bにより、信号用導電体26aおよび信号用導電体29aが電気的に接続されると共に信号用導電体26bおよび信号用導電体29bが電気的に接続されて互いに連結されている。
【0027】
コイル部5Aは、図8に示すように、積層体11Bの一端側の半分(つまり積層体22)を、積層体11Bにおける接地接続用導電体30および信号接続用導電体31が配設された境界部位(中心部位A)を中心に矢印B方向(反時計方向)に巻回することにより、筒状に形成されている(図11参照)。また、コイル部6Bは、図8に示すように、積層体11Bの他端側の半分(つまり積層体23A)を、積層体11Bの境界部位(中心部位)Aを中心に矢印C方向(時計方向)に巻回することにより、コイル部5Aとほぼ同一径の筒状に形成されている(図11参照)。このため、コイル部6Bは、コイル部5Aとは異なり、外周面に接地用導電体28a,28bが露出した構成となっている。また、コイル部5A,6Bについても、コイル部5A,6Aと同様にして、双方の軸線がほぼ一致するように形成されて、磁性コア7は、コイル部5A,6Bの連通する各空隙H,H内に装着されている。また、上記したように、積層体11Bを構成する各積層体22,23Aは、信号接続用導電体31等が配設された中心部位Aにおいて連結されている。したがって、この中心部位Aは、積層体11B、つまり各積層体22,23の境界部位でもある。
【0028】
このフィルタ素子1Bは、積層体23に代えて積層体23Aを用いると共に、各積層体22,23Aを表裏を逆に接続した以外は、フィルタ素子1Aと同一の構成を備えているため、十分な耐圧を確保することができると共に、各積層体22,23を捻ったり、また折り曲げたりすることなく、巻回するだけで各コイル部5A,6Bを形成することができる結果、耐久性を一層向上させることができる。また、各積層体22,23Aの巻回作業も容易に行うことができる。また、図11では、各接地用導電体25における積層体22の巻き終わり端部側に位置する部位を接地部位として接地用端子4a,4bを取り付けているが、各入力端子2および各出力端子3の取付け位置を逆にすることにより、各接地用導電体28における積層体23Aの巻き終わり端部側に位置する部位を接地部位とすることもできる。この構成によれば、各接地用導電体28がコイル部6Bの外周面に露出しているため、接地用端子4a,4bを用いることなく各接地用導電体28を接地することもできる。
【0029】
なお、上記のフィルタ素子1Bでは、図8に示すように、2つの積層体22,23Aを信号接続用導電体31等によって連結して構成した積層体11Bを用いているが、図12に示す積層体11Cを用いて、図14に示すように、各コイル部5C,6Cを備えたフィルタ素子1Cを構成することもできる。以下、フィルタ素子1Cの構成について、フィルタ素子1Aの構成を基にして、特徴部分である積層体11Cの構造を中心に説明する。なお、フィルタ素子1Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0030】
積層体11Cは、図12に示すように、絶縁体41、絶縁体42、一対の接地用導電体25、一対の接地用導電体28、一対の信号用導電体26、一対の信号用導電体29、一対の接地接続用導電体30および一対の信号接続用導電体31を備えて構成されている。この場合、絶縁体41は、積層体11Aにおける一対の帯状絶縁体24a,27a(本発明における一対の副帯状絶縁体)同士が互いに並設された状態(長さ方向にずらさない状態)で一方の端部側(右端側)において一体的に連結された構成と同一の構成を備えている。また、絶縁体42は、積層体11Aにおける一対の帯状絶縁体24b,27b(本発明における一対の副帯状絶縁体)同士が一方の端部側(右端側)において一体的に連結された構成と同一の構成を備えている。また、一対の接地用導電体25は、積層体11Aにおける帯状絶縁体24aに対応する絶縁体41の部位(以下、「副帯状絶縁体41a」ともいう)上に、積層体11Aと同様にして並設されている。また、一対の接地用導電体28は、積層体11Aにおける帯状絶縁体27aに対応する絶縁体41の部位(以下、「副帯状絶縁体41b」ともいう)上に、積層体11Aと同様にして並設されている。また、一対の信号用導電体26は、積層体11Aにおける帯状絶縁体24bに対応する絶縁体42の部位(以下、「副帯状絶縁体42a」ともいう)上に、積層体11Aと同様にして並設されている。また、一対の信号用導電体29は、積層体11Aにおける帯状絶縁体27bに対応する絶縁体42の部位(以下、「副帯状絶縁体42b」ともいう)上に、積層体11Aと同様にして並設されている。
【0031】
また、副帯状絶縁体41a上に配設された接地用導電体25a,25bと、副帯状絶縁体41b上に配設された接地用導電体28a,28bとは、図12に示すように、各副帯状絶縁体41a,41bの各一方の端部(連結部位)間に掛け渡された接地接続用導電体30a,30bによって互いの一端部同士が電気的に接続されている。他方、副帯状絶縁体42a上に配設された信号用導電体26a,26bと、副帯状絶縁体42b上に配設された信号用導電体29a,29bとは、同図に示すように、各副帯状絶縁体42a,42bの各一方の端部(連結部位)間に掛け渡された信号接続用導電体31a,31bによって互いの一端部同士が電気的に接続されている。積層体11Cは、図12において矢印で示すようにして、接地用導電体25等が並設された絶縁体41と、信号用導電体26等が並設された絶縁体42とが、絶縁体41と絶縁体42との間で各接地用導電体25,28および各接地接続用導電体30を挟み込むようにして積層されて構成されている。
【0032】
コイル部5Cは、図13に示すように、積層体11Cの一端側の半分(つまり副帯状絶縁体41a,42aを備えた部位)を、積層体11Cにおける接地接続用導電体30および信号接続用導電体31が配設された部位(各副帯状絶縁体41a,41b,42a,42bの一方の端部、つまり境界部位A)を中心に矢印B方向(反時計方向)に巻回することにより、筒状に形成されている(図14参照)。また、コイル部6Cは、図13に示すように、積層体11Cの他端側の半分(つまり副帯状絶縁体41b,42bを備えた部位)を、積層体11Cの境界部位Aを中心に矢印C方向(時計方向)に巻回することにより、筒状に形成されている(図14参照)。この場合、コイル部5C,6Cについても、コイル部5A,6Aと同様にして、双方の軸線がほぼ一致するように形成されて、磁性コア7はコイル部5C,6Cの連通する各空隙H,H内に装着されている。
【0033】
このフィルタ素子1Cでは、コイル部5Cはフィルタ素子1Aのコイル部5Aとほぼ同じ構成であるが、コイル部6Cは信号用導電体29a,29bが外周面に露出した構成となる。このため、この点においてフィルタ素子1Aのコイル部6Aと相違する。一方、このフィルタ素子1Cにおいても、各接地用導電体25,28から絶縁体41の端縁までの距離、および各信号用導電体26,29から絶縁体42の端縁までの距離がそれぞれ所定距離L1となるように設定されている。したがって、フィルタ素子1Aと同様にして、十分な耐圧を確保することができる結果、フィルタ素子1Aと同様の効果を奏することができる。また、フィルタ素子1Aと同様にして、積層体11Cの一端側の半分(副帯状絶縁体41a,42aを備えた部位)と、積層体11Cの他端側の半分(副帯状絶縁体41b,42bを備えた部位)とが、副帯状絶縁体41a等の幅方向に対して、副帯状絶縁体41a等の幅と同じ距離だけずらして配設されている。このため、積層体11Cを捻ったりすることなく、積層体11Cの一端側の半分と、積層体11Cの他端側の半分とをそれぞれ巻回して各コイル部5C,6Cを形成することができるため、このフィルタ素子1Cも十分な耐久性を備えている。さらに、このフィルタ素子1Cでは、絶縁体41を構成する副帯状絶縁体41a,41bが予め連結され、また絶縁体42を構成する副帯状絶縁体42a,42bが予め連結されているため、各副帯状絶縁体41a,41b上に接地用導電体25,28および接地接続用導電体30を並設する作業を容易に行うことができる。また、同様にして、絶縁体42を構成する副帯状絶縁体42a,42bが予め連結されているため、各副帯状絶縁体42a,42b上に信号用導電体26,29および信号接続用導電体31を並設する作業を容易に行うことができる。このため、フィルタ素子1Cの製造に要する時間を十分に短縮することができる。
【0034】
なお、各フィルタ素子1,1A,1B,1Cを単体で用いる例について上記したが、これに限定されない。例えば、図15に示すように、各々の空隙Hが連通した状態で上記のフィルタ素子1を複数個並設すると共に1つの磁性コア7を各空隙Hに装着して、図示しない接続線を用いて各フィルタ素子1を直列に接続して用いることもできる。これにより、フィルタ素子1を単体で用いるのと比較して、コモンモードノイズを一層大きく減衰させることができる。なお、図示はしないが、他のフィルタ素子1A,1B,1Cについてもフィルタ素子1と同様にして複数個を直列に接続することにより、コモンモードノイズを一層大きく減衰させることができる。
【0035】
また、上記の各フィルタ素子1,1A,1B,1Cでは、一対の信号用導電体(例えばフィルタ素子1では信号用導電体10a,10b)を用いることにより、各フィルタ素子1,1A,1B,1Cをコモンモード用のノイズフィルタに構成しているが、いずれか一方の信号用導電体のみを用いることにより、ノーマルモード用のノイズフィルタに構成することができる。例えば、フィルタ素子1では、信号用導電体10bを省いて、信号用導電体10aのみを用いることにより、ノーマルモード用のノイズフィルタに構成することができる。また、フィルタ素子1Aでは、信号用導電体26b、信号接続用導電体31bおよび信号用導電体29bを省いて、信号用導電体26a、信号接続用導電体31aおよび信号用導電体29aのみを用いることにより、ノーマルモード用のノイズフィルタに構成することができる。また、各フィルタ素子1B,1Cについても、フィルタ素子1Aと同様に構成することにより、ノーマルモード用のノイズフィルタに構成することができる。なお、各フィルタ素子1,1A,1B,1Cを、上記したようにノーマルモード用のノイズフィルタに構成する場合、省いた信号用導体に対向する接地用導電体については、省くこともできるし、そのまま残しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】フィルタ素子1の構成を示す斜視図である。
【図2】積層体11の構成を示す斜視図である。
【図3】積層体11を中心部位Aで1ターンだけ捻った状態の斜視図である。
【図4】各コイル部5,6を形成する方法を説明するための説明図である。
【図5】積層体11Aの構成を示す斜視図である。
【図6】図5における接地接続用導電体30および信号接続用導電体31を配設した部位の構造を説明するための要部拡大図である。
【図7】フィルタ素子1Aの構成を示す斜視図である。
【図8】積層体11Bの構成を示す斜視図である。
【図9】図8のX−X線に沿った断面構造を説明するための模式図である。
【図10】図8のY−Y線に沿った断面構造を説明するための模式図である。
【図11】フィルタ素子1Bの構成を示す斜視図である。
【図12】積層体11Cの構成を示す斜視図である。
【図13】積層体11Cの他端側の半分を、図12に示す状態から、積層体11Cの中心部位Aを中心に矢印C方向(時計方向)に180°だけ巻回した状態の斜視図である。
【図14】フィルタ素子1Cの構成を示す斜視図である。
【図15】フィルタ素子1を複数(一例として3個)直列に接続した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1,1A〜1C フィルタ素子
5,5A,5C,6,6A,6B,6C コイル部
1,1A〜1C フィルタ素子
5,5A,5C,6,6A,6B,6C コイル部
8,8a,8b,24a,24b,27a,27b 帯状絶縁体
9,9a,9b,25a,25b,28a,28b 接地用導電体
10a,10b,26a,26b,29a,29b 信号用導電体
11,11A,11B,11C,22,23,23A 積層体
30a,30b 接地接続用導電体
31a,31b 信号接続用導電体
41,42 絶縁体
41a,41b,42a,42b 副帯状絶縁体
A 中心部位(境界部位)
B,C 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状絶縁体上に配設された接地用帯状導電体と他の帯状絶縁体上に配設された信号用帯状導電体とを当該各帯状絶縁体のうちの一方を介して重ねて構成された積層体における一端側の半分を当該積層体における他端側の半分との境界部位を中心として所定方向に巻回して全体として筒状に形成された第1のコイル部と、
前記積層体における前記他端側の半分を前記境界部位を中心として前記所定方向とは逆方向に巻回して全体として筒状に形成された第2のコイル部とを備えているフィルタ素子。
【請求項2】
前記積層体は、第1の帯状絶縁体上に配設された第1の接地用帯状導電体と第2の帯状絶縁体上に配設された第1の信号用帯状導電体とを当該各帯状絶縁体のうちの一方を介して重ねて構成されて当該積層体における一端側の半分を形成する第1の積層体と、
第3の帯状絶縁体上に配設された第2の接地用帯状導電体と第4の帯状絶縁体上に配設された第2の信号用帯状導電体とを当該各帯状絶縁体のうちの一方を介して重ねて構成されて当該積層体における他端側の半分を形成する第2の積層体と、
前記第1の積層体および前記第2の積層体における前記各信号用帯状導電体同士および前記各接地用帯状導電体同士をそれぞれ接続する信号接続用導電体および接地接続用導電体とを備え、
前記第1の積層体および前記第2の積層体は、互いに平行でかつ長さ方向にずれた状態で当該第1の積層体における一の方向側の端部と当該第2の積層体における当該一の方向とは逆方向側の端部とが近接した状態に並設されている請求項1記載のフィルタ素子。
【請求項3】
前記各帯状絶縁体は、互いに平行な状態で並設された一対の副帯状絶縁体同士が一方の端部側において連結されて構成され、
前記信号用帯状導電体は、前記各帯状絶縁体のうちの一方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体上に配設され、
前記接地用帯状導電体は、前記各帯状絶縁体のうちの他方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体上に配設され、
前記一方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体の前記一方の端部側には、当該一対の副帯状絶縁体上に配設されている前記各信号用帯状導電体の一方の端部同士を接続する信号接続用導電体が配設され、
前記他方の帯状絶縁体における前記一対の副帯状絶縁体の前記一方の端部側には、当該一対の副帯状絶縁体上に配設されている前記各接地用帯状導電体の一方の端部同士を接続する接地接続用導電体が配設されている請求項1記載のフィルタ素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−67982(P2007−67982A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252929(P2005−252929)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】