説明

フィルム接合装置及び延伸設備

【課題】先行フィルムの後端部と後行フィルムの先端部を簡単且つ容易に溶着する。
【解決手段】ヒートシーラ装置40は、1対の溶着ヘッド41,42と、吸着ヘッド46〜48と、カッタ55と、クランプ57,58とを有する。フィルム3a,3bの接合時に、上吸着ヘッド41,42により先行フィルム3aを持ち上げてフィルム搬送路49から退避させ、この状態で先行フィルム3aを切断する。切断後にカッタ55を退避させて、接合位置に戻す。クランプ57,58及び吸着ヘッド46〜48で先行フィルム3aの後端部及び後行フィルム3bの先端部を保持した状態で、溶着ヘッド41,42で加熱押圧し、フィルム3a,3b同士を溶着させて接合する。吸着ヘッド41,42で保持した状態で接合が行われるため、先行フィルム3aの後端部の位置決めが不要になり、簡単に且つ精度よくフィルム同士が接合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先行するフィルムの後端部と後行するフィルムの先端部とを接合するフィルム接合装置及びこのフィルム接合装置を用いたフィルム延伸設備に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ等の急速な発展・普及により、これら液晶ディスプレイの保護フィルム等に用いられるセルロースアシレートフィルム、特にトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)の需要が増大している。この需要の増大に伴い生産性の向上が望まれている。TACフィルムは、連続走行する支持体に、流延ダイを用いて、TACと溶媒とを含むドープを流延し、この流延膜を乾燥や冷却等により自己支持性を持たせた後に、支持体から剥がして、乾燥させて巻き取ることにより製造されている。このような溶液製膜方法では、溶融押出による製膜方法に比べて、異物が無く光学特性に優れたフィルムが得られる。
【0003】
溶液製膜方法において、前記ドープを受ける支持体として、バンドやドラムがある。バンドに比べてドラム方式の方が流延速度の向上が図り易い。また、支持体上で自己支持性を持たせるためには、乾燥の促進や冷却ゲル化といった手法が用いられる。一方、TACフィルムの光学特性、特にレタデーションを調節する方法として、延伸することが行われている。
【0004】
製膜速度と延伸速度とはその最適速度が異なり、製膜速度が律則となるため、製膜速度に合わせると、光学特性を上げるための延伸を十分に行うことができなくなる。そこで、溶液製膜ラインとは別にオフラインで延伸することが提案されている。
【0005】
溶液製膜ラインとは別にオフラインで延伸を行う場合には、延伸処理を効率よく行うために、フィルムを連続して延伸することが好ましい。オフライン延伸設備は、先行フィルムの後端部と後行フィルムの先端部とを重ね合わせて接合する接合部と、接合したフィルムを連続して搬送しながらフィルムの両側縁部を複数のクリップにより把持してフィルム幅方向に延伸する延伸部と、延伸後にクリップにより把持されたフィルムの両側縁部を切断して耳屑として回収する回収部などを有している(例えば、特許文献1及び2参照)。接合部での接合には、両面接合テープを用いる方式や、フィルム同士を重ね合わせて熱溶着する方式などが提案されている。
【特許文献1】特願2007−084424号明細書
【特許文献2】特願2007−084427号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
接合部での接合に両面接合テープを用いる方式は、両面接合テープをフィルムに貼り付けるだけであるから手軽に用いることができる。しかしながら、一般に、両面接合テープは、フィルムとは異なる材料の基材とこの基材の両面に設けられた粘着層とから構成されるものであることから、異種材料が含まれる接合領域はフィルム原料として再利用することができず、このため回収部では耳屑の中で接合領域を分離する分離作業が必要であった。
【0007】
一方、接合部で熱溶着により接合する方式は、フィルム自身が溶解して接合し、接合領域には異種材料が含まれないことから、耳屑の全てがフィルム原料として再利用可能であり、回収部では上述した分離作業が必要なくなる。しかしながら、フィルムの溶解条件はフィルムに含まれる材料の種類及び分量に応じて変わるものであり、このフィルムの溶着条件の決定には多くの手間及び時間がかかる。
【0008】
フィルムの製造では、製造条件を変更しながら試験的に少量製造する場合と、製造条件を確定して製品として大量製造する場合とがあるが、従来では、延伸設備の接合部で採用する接合方式は1つに固定されており、この接合方式で少量製造及び大量製造を共に行っていた。このため、例えば、接合部で両面接合テープを用いる方式を採用した場合には、大量製造するときに上述した分離作業が必要になるという問題が生じ、一方、接合部で熱溶着による方式を採用した場合には、少量製造するときに(試験的に少量製造するときには短期間で結果を出すことが望まれている)上述したフィルムの溶着条件を決定する必要があり製造結果が出るまでに多くの手間及び時間がかかるという問題が生じていた。
【0009】
このため、接合テープによる接合方式と溶着による接合方式とが選択可能なように、フィルム搬送路に沿って、例えばヒートシール装置、テープ接合装置を順に配置することが考えられる。しかしながら、この場合には、フィルム搬送方向下流側のテープ接合装置では、先行フィルムと後行フィルムとの搬送路を分岐させて、それぞれの搬送路において切断することが可能であるが、それよりも上流側のヒートシール装置では、先行フィルムと後行フィルムとが同一搬送路上にあるため、この同一搬送路上で先行フィルムと後行フィルムとを別々に切断することは困難であるという問題がある。
【0010】
そこで、ヒートシール装置に対してフィルム搬送方向上流側位置にカッタを設けて、先行フィルムを切断処理することが考えられるが、この場合には切断した先行フィルムの後端位置をヒートシール位置に位置決めするために、先行フィルムの送りを精度よく行う必要があり、リザーバなどのフィルム送り装置を用いて先行フィルムの後端の位置決めを精度よく行うことは困難であり、また、送り精度を上げようとする場合には精度のよいフィルム送り装置を用いる必要があり、製造コストが上昇するという問題がある。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、製造の種類や目的に応じてフィルムの接合方式を変更することが可能なフィルム接合装置において、先行フィルムの後端部と後行フィルムの先端部との位置合わせを精度よく且つ簡単に行うことができるようにしたフィルム接合装置及び延伸設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、フィルム送出装置から送り出されフィルム搬送路を搬送される先行フィルムの後端部に後行フィルムの先端部を重ね合わせて接合するフィルム接合装置において、前記フィルム搬送路を挟むように設けられる1対の溶着ヘッドと、前記溶着ヘッドを移動させて、前記先行フィルムと前記後行フィルムとが重ね合わされた部分を押圧して溶着する溶着位置、及び前記溶着位置から退避した退避位置の間で変位させる第1移動機構と、前記先行フィルム側で、前記溶着ヘッドに対して前記フィルム搬送方向の上流側及び下流側に設けられ、前記先行フィルムを吸着する吸着ヘッドと、前記吸着ヘッドを前記第1移動機構による前記溶着ヘッドの移動方向に移動させ、前記先行フィルムを前記溶着位置、及びこの溶着位置から離れた切断位置の間で変位させる第2移動機構と、前記溶着ヘッドと前記上流側の吸着ヘッドの間に設けられ、前記吸着ヘッド及び前記第2移動機構により切断位置に保持された先行フィルムを幅方向に切断するカッタとを備えることを特徴とする。
【0013】
なお、前記下流側吸着ヘッドに対してフィルム搬送方向下流側に配置され、前記先行フィルムを一定量貯留し、前記吸着ヘッドによる先行フィルムの移動、及び前記カッタによる先行フィルムの切断によるフィルムの走行中止中に、前記貯留した先行フィルムを送り出すダンサーローラを有するリザーバを備えることが好ましい。また、前記下流側吸着ヘッドと前記リザーバとの間に設けられ、前記後行フィルムの先端部を切断する先端処理作業ステージと、前記フィルム送出装置から後行フィルムの先端部を前記先端処理作業ステージに送り、先端部の切断処理後に前記溶着ヘッドによる溶着位置まで戻す後行フィルム先端案内装置とを備えることが好ましい。
【0014】
前記後行フィルム先端案内装置は、後行フィルムの先端部を把持するフィルムクリップと、このフィルムクリップを、前記フィルム送出装置に収容されている後行フィルムの先端部分が把持可能な把持位置、及び後行フィルムの先端部を前記作業ステージまで案内する案内位置の間で移動させるクリップ移動機構とを有することが好ましい。
【0015】
また、本発明のフィルム延伸設備は、上記フィルム接合装置と、前記フィルム接合装置で接合されたフィルムの両側縁部を複数のクリップにより把持してフィルム幅方向に延伸する延伸装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、先行フィルムの後端部を溶着位置に位置決めする必要がなく、簡単な構成で先行フィルムの後端部と後行フィルムの先端部とを接合することができる。また、先行フィルムと後行フィルムとが同一搬送路上にある場合でも先行フィルムの切断処理が可能になるため、本発明のフィルム接合装置の下流側に、例えばテープ接合装置などの別の接合方式の接合装置を設置するだけで、二種類の接合方法が選択可能なフィルム接合装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示すように、オフライン延伸設備2は、TACフィルム(以下、フィルム)3を幅方向に延伸するものであり、フィルム供給室4と、リザーバ5と、テンタ部6と、回収部7と、熱緩和室8と、冷却室9と、巻取室10とを備え、これらがフィルム搬送方向Aに順に配置されている。
【0018】
フィルム供給室4には、フィルム送出装置11と、接合部12とが備えられている。フィルム送出装置11には溶液製膜設備で製造されたフィルムを巻芯に巻き取ってロール状にしたフィルムロール13a,13bが装着される。一方のフィルムロール13aから全てのフィルムが送り出されると、他方のフィルムロール13bからフィルムが送り出される。接合部12は、フィルムロール13aのフィルムの後端部と、フィルムロール13bのフィルムの先端部を接合して、連続するフィルム3とする。
【0019】
リザーバ5は、接合部12での接合処理に必要な長さ分のフィルム3のループを形成し、フィルム接合時にはリザーバ5に収納されたフィルム3を送り出す。このため、1対の保持ロール5a,5bの間にダンサーローラ5cを備えている。これにより、テンタ部6を停止させることなくフィルム3の接合処理を行うことができる。
【0020】
テンタ部6は、連続するフィルム3をフィルム搬送方向Aに搬送しながら、フィルム3を幅方向に延伸する。テンタ部6は、多数のクリップを有し、これらのクリップでフィルム3の両側縁部を挟み込んでフィルム3を幅方向に延伸する。テンタ部6は、図示しない乾燥室内に配置されており、この乾燥室の温度はフィルム3が延伸に適した温度になるように設定されている。テンタ部6ではフィルム3を幅方向に例えば100.5%〜300%延伸し、延伸倍率は所望の光学特性等に合わせて適宜変更される。
【0021】
回収部7は、耳切装置15と、カットブロア16と、分岐ガイド21と、廃棄ボックス22と、クラッシャー17とを有する。テンタ部6で延伸されたフィルム3は耳切装置15に送られ、耳切装置15ではフィルム3の両側縁部を耳屑として切り離す。耳切装置15で切り離された耳屑は、カットブロア16で細かく小片に粉砕されて耳屑小片となる。耳屑小片は分岐ガイド21へと送られる。分岐ガイド21は、耳屑小片のうち、両面接合テープが含まれているものを廃棄ボックス22へと送り、両面接合テープが含まれていないものをクラッシャー17へと送る。廃棄ボックス22に収容された耳屑小片はフィルム原料として再利用するとコンタミネーションの原因となるため廃棄される。クラッシャー17は耳屑小片を破砕してチップとする。このチップは回収されてフィルム原料として再利用される。
【0022】
回収部7の耳切装置15で両側縁部が切り離されたフィルム3は、熱緩和室8に送られる。熱緩和室8には、多数のローラ18が備えられており、フィルム3はローラ18により熱緩和室8内を搬送される。熱緩和室8には、送風機(図示せず)から所望の温度の風が送り込まれてフィルム3が熱処理される。このときの風の温度は、20℃〜250℃であることが好ましい。フィルム3は熱緩和室8で徐々に温度が下げられる。
【0023】
熱緩和後のフィルム3は冷却室9に送られて30℃以下に冷却された後、巻取室10に送られる。巻取室10の内部には、プレスローラ20を有する巻取り機19が設けられている。巻取室10に送られたフィルム3は、プレスローラ20で押圧されながら、巻芯19aに巻き取られる。
【0024】
図2に示すように、フィルム送出装置11及び接合部12の各部は制御部30により統括的に制御される。フィルム送出装置11は回転可能なターレットアーム31を有する。ターレットアーム31の両端部には取付軸32a,32bが設けられ、これらの取付軸32a,32bにフィルムロール13a,13bが装着される。ターレットアーム31はアーム駆動部33により回転駆動され、アーム駆動部33は制御部30に制御されている。各取付軸32a,32bは各取付軸駆動部34,35により回転駆動され、各取付軸駆動部34,35は制御部30に制御されている。制御部30にはフィルムロール13a,13bの全長が記憶されており、制御部30では、この全長の情報と、各取付軸32a,32bの回転数の情報とから、フィルムロール13a,13bの残りの長さが分かるようになっている。
【0025】
ターレットアーム31は例えば2軸方式の場合には180度間欠回転するように駆動され、一方の取付軸32aを接合部12に近い送出位置に位置させ、他方の取付軸32bを接合部12から遠い巻芯交換位置に位置させる。取付軸32aに装着されたフィルムロール13aのフィルムが残り少なくなると、取付軸32bに装着されたフィルムロール13bからフィルムが送り出される。ここで、フィルムロール13aから送り出されるフィルムが先行フィルム3aであり、フィルムロール13bから送り出されるフィルムが後行フィルム3bである。この後に、ターレットアーム31が180度回転し、巻芯交換位置に位置した取付軸32aから空の巻芯が取り外され、取付軸32aに新たなフィルムロールが装着される。
【0026】
クリップキャリア(後行フィルム先端案内装置)36は、巻芯交換位置にあるフィルムロール13bの後行フィルム3bの先端部を把持し、後行フィルム3bの先端部を接合可能な位置まで引き出すものである。クリップキャリア36は、クリップ37と、クリップ37を二点鎖線で示す移動経路38に沿って移動させるクリップ移動機構39とを有する。クリップ移動機構39は制御部30に制御される。クリップ37は、後行フィルム3bの先端部を把持することが可能な点線で示す把持位置と、後行フィルム3bの先端部を可動台62まで案内する(引き出す)実線で示す案内位置との間で移動される。
【0027】
フィルム送出装置11のフィルム搬送方向Aの下流側には、フィルム同士を熱溶着により接合するヒートシーラ装置(溶着接合装置)40と、両面接合テープ72を介してフィルム同士を接合するテープ接合装置60とが順に設けられている。先行フィルム3aと後行フィルム3bとは、ヒートシーラ装置40またはテープ接合装置60により接合されて、連続したフィルム3となる。
【0028】
ヒートシーラ装置40は、フィルム搬送路49を上下方向から挟む上溶着ヘッド41及び下溶着ヘッド42を備える。上溶着ヘッド41及び下溶着ヘッド42はフィルム幅方向でフィルム幅よりも長尺に延びており、上溶着ヘッド41は下面から露呈するヒータ41aを有し、下溶着ヘッド42は上面から露呈するヒータ42aを有する。上下溶着ヘッド41,42は、制御部30に制御されるヘッド移動機構43,44により、ヒータ41a,42aでフィルムを挟み込む加熱位置と、フィルムから離れる待機位置との間で移動される。ヒータ41a,42aは温調器45により温度制御される。ヒータ41a,42aの温度は、フィルムを溶解はするが分解はしない温度、例えば150℃から299℃の範囲に設定される。上溶着ヘッド41と下溶着ヘッド42が互いに押し合う圧力は1.0MPaになるように構成されている。なお、溶着ヘッド同士が押し合う圧力は、0.1MPa以上にすることが好適である。
【0029】
上溶着ヘッド41及び下溶着ヘッド42に対し、フィルム搬送方向Aの上流側に上吸着ヘッド46及び下吸着ヘッド47を配置し、下流側に上吸着ヘッド48を配置している。これら各吸着ヘッド46〜48にはバキューム源(図示せず)が接続されており、内蔵する電磁弁が制御部30によりオンされることにより、吸引が行われて、吸着ヘッド46,48により先行フィルム3aが、また吸着ヘッド47により後行フィルム3bがそれぞれ吸着される。
【0030】
上吸着ヘッド46,48は先行フィルム3a用であり、下吸着ヘッド47は後行フィルム3b用である。各吸着ヘッド46〜48には、ヘッド移動機構51〜53が接続されており、鉛直方向で各ヘッド46〜48を移動させる。各ヘッド移動機構51〜53は制御部30により駆動制御される。
【0031】
上吸着ヘッド46と上溶着ヘッド41との間には、円刃からなるカッタ55が配置されている。このカッタ55は移動機構56によって、先行フィルム3aの幅方向に移動し、先行フィルム3aを切断する。移動機構56は制御部30によって制御されている。そして、上吸着ヘッド46,48により先行フィルム3aを吸着して昇降させている時には、移動機構56によりカッタ55がフィルム3aと干渉することがないように、フィルムの移動経路から退避した位置にセットされている。
【0032】
上吸着ヘッド46及び下吸着ヘッド47に対し、フィルム搬送方向Aの上流側には、1対のフィルムクランプ57,58が設けられている。これらフィルムクランプ57,58は、クランプ移動機構59により移動され、クランプ開状態及び閉状態に切り替えられる。クランプ開状態では、フィルム3a,3bにクランプ57,58が接触することが無い。また、クランプ閉じ状態では、フィルム3a,3bを上下方向から挟持する。
【0033】
ヒートシーラ装置40では、先行フィルム3aと後行フィルム3bの重なり合う部分を上下の両面から加熱することにより、フィルム3a,3bに効率的に熱を伝達させることが可能であり、接合領域の温度をフィルム3a,3bの分解温度以下に保ったまま接合することができる。また、重なり合う部分を高い圧力で挟持しながら溶着することが可能であり、接合領域に泡や溶着不良部分が生じることが防止される。
【0034】
テープ接合装置60は固定台61及び可動台62を有する。これら固定台61及び可動台62は、フィルム3の搬送路を介して対向して配置されている。固定台61及び可動台62が作業テーブル23を構成している。各台61,62は、フィルム幅方向でのサイズがフィルム幅よりも長尺になっている。固定台61は固定挟持面61aを有し、可動台62は可動挟持面62aを有する。可動台62は、一端部に設けられた回転軸63を中心に90度の範囲で揺動回転可能であり、台開閉機構64によって可動挟持面62aを固定挟持面61aに押し付ける接合位置と、可動挟持面62aが固定挟持面61aから離れる接合準備位置との間で移動する。台開閉機構64は制御部30により制御される。
【0035】
固定挟持面61aには、フィルム幅方向でフィルム幅よりも長尺に延びるカッタ溝65が設けられている。テープ接合装置60は、カッタ溝65にサイズが対応したカッタ66を有する。カッタ66は、制御部30に制御される図示しないカッタ移動機構により、カッタ溝65に入り込んで先行フィルム3aを切断する切断位置と、カッタ溝65から離れる待機位置との間で移動する。カッタ66は待機位置にあるときに可動台62の可動域から外れており、カッタ66は可動台62に干渉しない。カッタ溝65のフィルム搬送方向Aの下流側には、先行フィルム3aを吸着保持する吸着部67が設けられている。吸着部67は制御部30に駆動が制御されている。
【0036】
可動挟持面62aには、フィルム幅方向でフィルム幅よりも長尺に延びるカッタ溝68が設けられている。カッタ溝68は、可動台62が接合位置に移動して固定台61に対面したときに、カッタ溝65よりもフィルム搬送方向Aで少し下流に位置するように設けられている。このずれ量により、先行フィルム3aと後行フィルム3bとを一部重ね合わせることができる。テープ接合装置60は、カッタ溝68にサイズが対応したカッタ70を有する。カッタ70は、制御部30に制御される図示しないカッタ移動機構により、カッタ溝68に入り込んで後行フィルム3bを切断する切断位置と、カッタ溝68から離れる待機位置との間で移動する。カッタ70は待機位置にあるときに可動台62の可動域から外れており、カッタ70は可動台62に干渉しない。カッタ溝68のフィルム搬送方向Aの上流側には、後行フィルム3bを吸着保持する吸着部69が設けられている。吸着部69は制御部30により駆動が制御されている。
【0037】
テープ接合装置60は、後行フィルム3bに両面接合テープ72を貼り付けるテープ供給ヘッド71と、テープ供給ヘッド71を移動するテープ供給ヘッド移動機構73とを有する。テープ供給ヘッド71は、制御部30により制御されるテープ供給ヘッド移動機構73により、後行フィルム3bに両面接合テープ72を貼り付けるテープ供給位置と、後行フィルム3bから離れる待機位置との間で移動する。テープ供給ヘッド71は待機位置にあるときに可動台62の可動域から外れており、テープ供給ヘッド71は可動台62に干渉しない。テープ供給ヘッド71で貼り付けられる両面接合テープ72には、フィルム3と共に延伸するように伸縮性を有するものが用いられる。両面接合テープ72には、例えば、日東電工(株)製のNo.532の、ポリエステルを基材に用いこの基材の両面に粘着層が形成されたテープを用いる。
【0038】
制御部30には、各種製造条件を入力するときなどに操作される操作部74が接続されている。操作部74は、フィルム3の接合方式を熱溶着接合方式又はテープ接合方式のいずれかを選択するときに操作される切替スイッチ74aを有する。切替スイッチ74aが操作されて熱溶着接合方式が選択された場合には、その旨が制御部30に記憶され、制御部30では接合動作時にヒートシーラ装置40を駆動する。一方、切替スイッチ74aが操作されてテープ接合方式が選択された場合には、その旨が制御部30に記憶され、制御部30では接合動作時にテープ接合装置60を駆動する。
【0039】
以下、上記構成の作用について説明する。まず、フィルムを試験的に少量製造する場合について説明する。この場合には製造結果を短期間で出すことが重視されることから、接合方式としてテープ接合方式を採用する。切替スイッチ74aを操作してテープ接合方式に設定する。
【0040】
フィルム送出装置11の取付軸32aが送出位置に位置しており、この取付軸32aに装着されたフィルムロール13aから先行フィルム3aが送り出されている。この先行フィルム3aは接合部12を経てリザーバ5へと送られている。
【0041】
フィルムロール13aの先行フィルム3aが残り少なくなると、制御部30ではテープ接合準備動作を開始する。把持位置にあるクリップ37が、フィルムロール13bの後行フィルム3bの先端部を把持し、後行フィルム3bを把持したまま移動経路38に沿って移動し案内位置で停止する。これにより後行フィルム3bが接合部12まで引き出される。
【0042】
図3(A)に示すように、可動台62の吸着部69が後行フィルム3bを吸着保持する。カッタ70がカッタ溝68に入り込む切断位置に移動し、後行フィルム3bの先端部分が切り離される。この切り離された先端部分はクリップ37による把持が解除されて回収され、フィルム原料として再利用される。クリップ37は、移動経路38に沿って案内位置から把持位置まで戻される。
【0043】
カッタ70が切断位置から待機位置に移動してから、テープ供給ヘッド71がテープ供給位置に移動し、テープ供給ヘッド71が両面接合テープ72を後行フィルム3bの先端部上面に貼り付ける。両面接合テープ72は、フィルム幅方向に沿って長尺に貼り付けられる。この貼付け時には、両面接合テープ72の剥離シートが剥離されて、両面接合テープ72のみが後行フィルム3bに貼り付けられる。両面接合テープ72を貼り付けた後、テープ供給ヘッド71は待機位置に移動する。
【0044】
また、テープ接合準備動作では、フィルム供給室4内で先行フィルム3aの搬送を停止する。先行フィルム3aの搬送が停止されている間は、リザーバ5に貯留されたフィルムがテンタ部6に送り出される。先行フィルム3aの搬送を停止した状態で、固定台61の吸着部67が先行フィルム3aを吸着保持する。カッタ66がカッタ溝65に入り込む切断位置に移動し、先行フィルム3aの後端部分が切り離される。先行フィルム3aの後端は取付軸32aから離れて固定台61に近い位置まで搬送されており、切り離された後端部分は、図示しないシュートを介して廃棄ボックスに送られる。なお、シュートによる自動回収の他に、オペレータによる取り外しを行ってもよい。また、先行フィルム3aの後端が取付軸32aに巻き付けられている状態でカッタ66による切断を行い、切り離された後端部分を取付軸32aを逆転して巻芯に巻取回収してもよい。以上でテープ接合準備動作が完了する。
【0045】
テープ接合準備動作を完了した状態では、固定台61は先行フィルム3aの後端部を吸着保持し、可動台62は後行フィルム3bの先端部を吸着保持するとともにこの先端部には両面接合テープ72が貼り付けられている。
【0046】
図3(B)に示すように、可動台62が接合位置に移動する。これにより、先行フィルム3aの後端部と後行フィルム3bの先端部とが両面接合テープ72を介して接合される。接合動作後、吸着部67,69による吸着が解除され、可動台62が接合準備位置に移動する。フィルム供給室4内でのフィルム3の搬送が開始され、また、ターレットアーム31が180度回転する。
【0047】
次に、フィルムを製品として大量製造する場合について説明する。この場合には、はじめに溶着条件を決定することにより以後の大量製造で同じ溶着条件を適用可能なこと、また、回収部7においてフィルム3の接合領域を分離する作業を回避することを考慮して、溶着接合方式を採用する。先ず、切替スイッチ74aを操作して溶着接合方式に設定する。
【0048】
図4(A)に示すように、フィルム送出装置11の取付軸32aが送出位置に位置しており、この取付軸32aに装着されたフィルムロール13aから先行フィルム3aが送り出されている。この先行フィルム3aは接合部12、リザーバ5を経て、テンタ部6(図1参照)へと送られている。フィルムロール13aの先行フィルム3aが残り少なくなると、制御部30(図2参照)では溶着接合準備動作を開始する。図2に示すように、把持位置にあるクリップ37が、フィルムロール13bの後行フィルム3bの先端部を把持し、後行フィルム3bを把持したまま移動経路38に沿って移動し、実線表示の案内位置で停止する。これにより図4(A)に示すように、後行フィルム3bがテープ接合装置60まで引き出される。
【0049】
(B)に示すように、可動台62の吸着部69が後行フィルム3bを吸着保持する。カッタ70がカッタ溝68に入り込む切断位置に移動し、後行フィルム3bの先端部分が切り離される。そして、図2に示すように、クリップ37は移動経路38に沿って案内位置から把持位置まで移動される。カッタ70による切断後、可動台62のフィルム吸着保持が解除される。
【0050】
次に、(C)に示すように、取付軸32bが逆転して後行フィルム3bをフィルムロール13bに巻き取り、後行フィルム3bの先端をヒートシーラ装置40の上下溶着ヘッド41,42の間に位置させる。後行フィルム3bの先端の停止位置は図示しない位置センサにより検出される構成になっている。このようにして、フィルム接合準備動作が終了すると、接合待ち状態となる。この状態では、先行フィルム3aの送出が続行している。
【0051】
図5(D)に示すように、先行フィルム3aの残量が所定値に達したときに、先行フィルム3aの送出が停止する。この後は、リザーバ5から先行フィルム3aが送り出され、これに伴いダンサーローラ5cが上方に変位する。
【0052】
次に、(E)に示すように、上吸着ヘッド46,48が下降して、これらヘッド46,48により先行フィルム3aが吸着保持される。また、下吸着ヘッド47が上昇してこのヘッド47によりた後行フィルム3bが吸着保持される。次に、(F)に示すように、ヘッド移動機構51,53(図2参照)が作動して上吸着ヘッド46,48が上昇し、先行フィルム3aが持ち上げられる。このとき、ヘッド移動機構51,53の上昇動作に同期して取付軸32aが回転してフィルム3aを送り出すため、フィルム3aには擦り傷などが発生することがなく、円滑に持ち上げられる。
【0053】
次に、図6(G)に示すように、カッタ55により先行フィルム3aが切断される。このように、先行フィルム3aを吸着保持した状態で切断するため、切断位置が常に一定した位置となり、重ね合わせ溶着接合を精度よく行うことができる。
【0054】
フィルム3aを切断した後はカッタ55が退避位置に移動し、この後に(H)に示すように、上吸着ヘッド46,48及び上溶着ヘッド41が下降する。このとき、先行フィルム3aがフィルムロール13aに少し巻き取られる。そして、完全に吸着ヘッド46,47及び上溶着ヘッド41が下降した後に、クランプ57,58がフィルム3aを挟持する。また、下溶着ヘッド82が上昇して溶着位置に移動する。この状態で、上溶着ヘッド41及び下溶着ヘッド42がオンになり、先行フィルム3aの後端部と後行フィルム3bの先端部とが重ね合わされた状態で、溶着ヘッド41,42により加熱され、溶着が行われる。
【0055】
加熱溶着及びその後の冷却が終了して溶着が確実になった段階で、(J)に示すように、クランプ57,58が開き、また、吸着ヘッド46〜48及び溶着ヘッド41,42が退避位置となり、接合を終了する。この後、取付軸32bが回転し、後行フィルム3bが送り出される。また、取付軸32aの回転により先行フィルム3aがフィルムロール13aに巻き取られる。リザーバ5では、ダンサーローラ5cが下降して、フィルムを一定量貯留する。また、図示は省略したが、この後に、ターレットアーム31が180°回転して、空になったフィルムロール13aが巻芯交換位置へ、後行フィルム3bのフィルムロール13bが送出位置へと切り替えられる。
【0056】
このように、吸着ヘッド46,48を用いてフィルム3aを吸着保持した状態でフィルム3aを切断するため、位置決めした状態が保持されて切断が行われ、切断位置がずれることがなく、精度のよい切断が可能になる。また、ヒートシーラ装置40の上流側にカッタを設け、このカッタで先行フィルムを切断した後に、先行フィルムの後端部をリザーバ側のフィルム送り装置を用いて、ヒートシーラ装置40に位置決めする必要もなく、フィルム後端部の位置決め処理の制御が簡単になる。また、位置決め処理が不要になるため、迅速な接合が可能になり、接合処理時間を短縮することができる。
【0057】
切替スイッチ74aを操作して接合方式を切り替えることが可能であり、製造の種類に応じた接合方式を採用することができる。例えば、試験的に少量製造するときには、テープ接合方式を採用することにより、時間をかけずに製造結果を出すことが可能である。また、製品として大量製造するときには、溶着接合方式を採用することにより、回収部7において耳屑のうち接合領域を分離する分離作業が必要なくなり、効率的な製造が可能である。
【0058】
なお、上記実施形態では、試験的に少量製造を行うときにテープ接合方式を採用したが、これに限られず、例えばフィルムの分解温度と溶解温度が近接しており熱融着による接合が困難である場合などにもテープ接合方式を採用することができる。
【0059】
上記実施形態では、溶着接合装置としてヒートシーラ装置40を用いたが、この替わりに、フィルムを熱溶着することができる超音波接合装置やインパルスシーラ装置を用いてもよい。また、ポリマーの溶剤、例えばアセトンを先行フィルム3aの後端部または後行フィルム3bの先端部に塗布して溶着するポリマー溶剤塗布装置を用いてもよい。
【0060】
上記実施形態では、テープ接合装置60での接合処理は全て自動で行われる構成であったが、一部の処理を手動で行ってもよい。例えば、カッタ66及びカッタ70によるフィルムの切断動作や、両面接合テープ72を後行フィルム3bに貼り付ける供給動作を手動で行ってもよい。
【0061】
上記実施形態では、テープ接合装置60では両面接合テープ72を用いたが、片面接合テープを用いてフィルム同士を接合してもよい。この場合には、例えば後行フィルム3bの先端を跨ぐようにして片面接合テープを貼り付ける、すなわち、片面接合テープのフィルム搬送方向Aでの上流側半分を後行フィルム3bに貼り付け、下流側半分を先行フィルム3aに貼り付けることにより、フィルム同士を接合する。
【0062】
上記実施形態では、切替スイッチ74aが操作されて接合方式が切り替えられたが、制御部30が、入力される製造条件などの情報に基づいて自動で接合方式を切り替えてもよい。
【0063】
(溶液製膜方法)
上記実施形態におけるフィルムは溶液製膜方法により得ることができる。溶液製膜方法を行う溶液製膜設備210は、図7に示すように、ストックタンク211と流延室212とピンテンタ213と乾燥室215と冷却室216と巻取室217とを有する。
【0064】
ストックタンク211は、モータ211aで回転する攪拌翼211bとジャケット211cとを備える。ストックタンク211の内部には、TACフィルム3の原料となるポリマーが溶媒に溶解したドープ221が貯留されている。ストックタンク211内のドープ221は、ジャケット211cにより温度が略一定となるように調整される。また、攪拌翼211bの回転によって、ポリマーなどの凝集を抑制しつつ、ドープ221を均一な品質に保持している。配管222は、ストックタンク211と流延ダイ230とを接続する。
【0065】
流延室212には、流延ダイ230、支持体としての流延ドラム232、剥取ローラ234、温調装置235,236、及び減圧チャンバ237が設置されている。流延ドラム232は図示を省略した駆動装置により軸232aを中心に、方向Z1へ回転する。流延室212内及び流延ドラム232は、温調装置235,236によって、流延膜233が冷却固化(ゲル化)し易い温度に設定されている。
【0066】
流延ダイ230は、幅方向TDに伸びるように形成されるスリットを有する。流延ダイ230は、スリットから回転する流延ドラム232の周面232bに向けて、ドープ221を吐出する。その後、流延ドラム232の周面232b上のドープ221から流延膜233が形成される。そして、流延ドラム232が約3/4回転する間に、ゲル化による自己支持性が流延膜233に発現し、流延膜233は剥取ローラ234によって流延ドラム232から剥ぎ取られ、湿潤フィルム238となる。剥ぎ取り時の流延膜233の残留溶媒量は、150重量%以上320重量%以下であることが好ましい。ここで、残留溶媒量とは、TACフイルム3等に残留する溶媒量を乾量基準で示したものであり、その測定方法は、対象のフイルム等からサンプルを採取し、このサンプルの重量をx、サンプルを乾燥した後の重量をyとするとき、{(x−y)/y}×100で算出する。
【0067】
減圧チャンバ237は、流延ダイ230に対し、方向Z1の上流側に配置されており、減圧チャンバ237内を負圧に保ち、流延ビードの背面(後に、流延ドラム232の周面232bに接する面)側を所望の圧力に減圧する。流延ビードの背面側の減圧により、流延ドラム232の回転により発生する同伴風の影響を少なくし、流延ダイ230と流延ドラム232との間に安定した流延ビードを形成し、膜厚ムラの少ない流延膜233を形成することができる。
【0068】
流延ダイ230の材質は、電解質水溶液、ジクロロメタンやメタノールなどの混合液に対する高い耐腐食性、及び低い熱膨張率を有する素材から形成される。流延ダイ230の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下のものを用いることが好ましい。
【0069】
流延ドラム232の周面232bは、クロムメッキ処理が施され、十分な耐腐食性と強度を有する。また、温調装置236は、流延ドラム232の周面232bの温度を所望の温度に保つために、流延ドラム232に伝熱媒体を循環させる。伝熱媒体は所望の温度に保持されており、流延ドラム232内の伝熱媒体流路を通過することにより、流延ドラム232の周面232bの温度が所望の温度に保持される。
【0070】
流延ドラム232の幅は特に限定されるものではないが、ドープの流延幅の1.1倍〜2.0倍の範囲のものを用いることが好ましい。流延ドラム232の材質は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがより好ましい。流延ドラム232の周面232bに施されるクロムメッキ処理はビッカース硬さHv700以上、膜厚2μm以上、いわゆる硬質クロムメッキであることが好ましい。
【0071】
また、流延室212内には、蒸発している溶媒を凝縮液化するための凝縮器(コンデンサ)239と凝縮液化した溶媒を回収する回収装置240とが備えられている。凝縮器239で凝縮液化した溶媒は、回収装置240により回収される。その溶媒は再生装置で再生された後に、ドープ調製用溶媒として再利用される。
【0072】
流延室212の下流には、渡り部241、ピンテンタ213が順に設置されている。渡り部241では、搬送ローラ242が、湿潤フィルム238をピンテンタ213に導入する。ピンテンタ213は、湿潤フィルム238の両側縁部を貫通して保持する多数のピンプレートを有し、このピンプレートが軌道上を走行する。ピンプレートにより走行する湿潤フィルム238に対し乾燥風が送られ、湿潤フィルム238は乾燥し、フィルム220となる。
【0073】
ピンテンタ213は、フィルム220の両側縁部を把持する多数のクリップを有し、このクリップが延伸軌道上を走行する。クリップにより走行するフィルム220に対し乾燥風が送られ、フィルム220には、フィルム幅方向TDへの延伸処理とともに乾燥処理が施される。
【0074】
ピンテンタ213の下流にはそれぞれ耳切装置243が設けられている。耳切装置243はフィルム220の両側縁部を裁断する。この裁断した両側縁部は、送風によりクラッシャ244に送られて、粉砕され、ドープ等の原料として再利用される。
【0075】
乾燥室215には、多数のローラ247が設けられており、これらにフィルム220が巻き掛けられて搬送される。乾燥室215の出口側には冷却室216が設けられており、この冷却室216でフィルム220が室温となるまで冷却される。冷却室216の下流には強制除電装置(除電バー)249が設けられており、フィルム220が除電される。さらに、強制除電装置249下流側には、ナーリング付与ローラ250が設けられており、フィルム220の両側縁部にナーリングが付与される。巻取室217には、プレスローラ252を有する巻取機251が設置されており、フィルム220が巻き芯にロール状に巻き取られ、巻取機251により、フィルムロール255が得られる。フィルムロール255は、フィルムロール9として、巻取室217からオフライン延伸設備2のフィルム供給室4(図1参照)に送られ、フィルム供給室4からフィルム3として、送り出される。
【0076】
本実施形態では、ポリマーフィルムとしてTACフィルムを用いて説明を行ったが、TACフィルムに限定されることなく、例えば、セルロースアシレートフィルムのほか、環状オレフィン等、他のポリマーからなるポリマーフィルムや、溶融製膜方法によって製造されたポリマーフィルム等、各種ポリマーフィルムにも本発明を適用することができる。
【0077】
(セルロースアシレート)
セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、すなわちアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBはアシル基の置換度を表わし、置換度Aはアセチル基の置換度、また置換度Bは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
【0078】
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1である)を意味する。
【0079】
全アシル化置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
【0080】
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位及び6位の水酸基による置換度の総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBはその20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位の置換度が0.75以上であり、さらには0.80以上であり特には0.85以上であるセルロースアシレートも挙げることができる。これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(ドープ)が作製できる。特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。さらに粘度が低く、濾過性の良い溶液の作製が可能となる。
【0081】
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでも良い。
【0082】
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。
【0083】
(溶媒)
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明において、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液,分散液を意味している。
【0084】
これらの中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度など及びフィルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2重量%〜25重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0085】
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶媒組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらを適宜混合して用いることがある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
【0086】
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明にも適用できる。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
【0087】
(溶融製膜設備)
次に、溶融製膜方法によりポリマーフィルムを製造する製造設備(以下、溶融製膜設備と称す)について説明する。溶融製膜設備410は、図8に示すように、液晶表示装置等に使用できる熱可塑性フィルムFを製造する装置である。熱可塑性フィルムFの原材料であるペレット状の熱可塑性樹脂を乾燥機412に導入して乾燥させた後、このペレットを押出機414によって押し出し、ギアポンプ416によりフィルタ418に供給する。次いで、フィルタ418により異物がろ過され、ダイ420から溶融樹脂(溶融した熱可塑性樹脂)が押し出される。溶融樹脂は、第1キャスティングロール428とタッチロール424で挟まれて押圧成形された後、第1キャスティングロール428にて冷却固化されて所定の表面粗さのフィルム状とされ、さらに、第2キャスティングロール426、第3キャスティングロール427によって搬送されることで未延伸フィルムFaが得られる。この未延伸フィルムFaは、この段階で巻き取られてもよいし、連続的に長スパン延伸を行う横延伸部442に供給されてもよい。また、一度巻き取られた未延伸フィルムFaを再度横延伸部442に供給しても、連続的に長スパン延伸を行う横延伸部442に供給した場合と同様の効果が得られる。
【0088】
横延伸部442では、未延伸フィルムFaが搬送方向(以下、MD方向と称する)と直交する幅方向(以下、TD方向と称する)に延伸され、横延伸フィルムFbとされる。横延伸部442の上流側に予熱部436を設けてもよいし、横延伸部442の下流側に熱固定部444を設けてもよい。これにより、延伸中のボーイング(光学軸のズレ)を小さくできる。予熱温度は横延伸温度より高いこと、熱固定温度は横延伸温度より低いことが好ましい。すなわち、通常、ボーイングは幅方向中央部が進行方向に向かって凹となるが、予熱温度>横延伸温度、横延伸温度>熱固定温度とすることによりボーイングを低減できる。予熱処理、熱固定処理はどちらか一方でもよく、両方行ってもよい。
【0089】
横延伸の後に後熱処理を行なった後、熱処理ゾーン446でMD方向に横延伸フィルムFbを収縮させる。熱処理ゾーン446では、図9に示すように、横延伸フィルムFbの側端部をチャックで把持しない状態で、TD方向の収縮が起こらずに、MD方向の収縮のみが起こるように複数のロール448a〜448dで横延伸フィルムFbを搬送する。このとき、図10に示すように、複数のロール448a〜448dは、ロールラップ長(D)とロール間長(G)の比(G/D)が0.01以上3以下となるように配置される。これにより横延伸フィルムFbと各ロール448〜448dとの摩擦によりTD方向の収縮が抑制される。そして、横延伸フィルムFbは、上流側のロール448aによる周速度(V1)と下流側のロール448dによる周速度(V2)の比(V2/V1)が0.6以上0.999以下で搬送しながら熱処理される。つまり、横延伸フィルムFbは熱処理ゾーンにてMD方向に収縮する。
【0090】
横延伸フィルムFbが熱処理ゾーンにて熱処理されることで、配向角、レターデーションが調整された最終製品である熱可塑性フィルムFが製造される。このフィルムFは巻取部449によって巻き取られる。
【0091】
TD方向への延伸の前又は後にMD方向の延伸を行ってもよい。MD方向の延伸は、MD方向に並ぶ複数のニップロール対を用いてフィルムを搬送し、上流側のニップロール対の周速度より下流側のニップロール対の周速度を速くすることで達成できる。MD方向におけるニップロール間の距離(L)と上流側のニップロール対でのフィルム幅Wの比(L/W)の大きさで延伸方式が異なり、L/Wが小さいと特開2005−330411号公報、特開2006−348114号公報記載のようなMD方向の延伸方式を採用できる。この方式は、Rthが大きくなり易いが装置をコンパクトにすることができる。一方、L/Wが大きい場合は特開2005−301225号公報記載のようなMD方向の延伸方式を用いることができる。この方式はRthを小さくできるが、装置が長大になり易い。
【0092】
溶融製膜方法に用いることのできるポリマーは、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、セルロースアシレート、ラクトン環含有重合体、環状オレフィン、ポリカーボネイト等が挙げられる。中でも好ましいのがセルロースアシレート、環状オレフィンであり、中でも好ましいのがアセテート基、プロピオネート基を含むセルロースアシレート、付加重合によって得られた環状オレフィンであり、さらに好ましくは付加重合によって得られた環状オレフィンである。
【0093】
(環状オレフィン)
環状オレフィンはノルボルネン系化合物から重合されるものが好ましい。この重合は開環重合、付加重合いずれの方法でも行える。付加重合としては例えば特許3517471号公報記載のものや特許3559360号公報、特許3867178号公報、特許3871721号公報、特許3907908号公報、特許3945598号公報、特表2005−527696号公報、特開2006−28993号公報、国際公開第2006/004376号パンフレットに記載のものが挙げられる。特に好ましいのは特許3517471号公報に記載のものである。
【0094】
開環重合としては国際公開第98/14499号パンフレット、特許3060532号公報、特許3220478号公報、特許3273046号公報、特許3404027号公報、特許3428176号公報、特許3687231号公報、特許3873934号公報、特許3912159号公報記載のものが挙げられる。なかでも好ましいのが国際公開第98/14499号パンフレット、特許3060532号公報記載のものである。
【0095】
これらの環状オレフィンの中でも付加重合のものの方がより好ましい。
【0096】
(ラクトン環含有重合体)
下記(一般式1)で表されるラクトン環構造を有するものを指す。
【0097】
【化1】

【0098】
(一般式1)中、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。なお、有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。
【0099】
(一般式1)のラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
【0100】
(一般式1)で表されるラクトン環構造以外に、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、下記(一般式2)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)が好ましい。
【0101】
【化2】

【0102】
(一般式2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基、−CN基、−CO−R基、又は−C−O−R基を表し、Ac基はアセチル基を表し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。
【0103】
例えば、国際公開第2006/025445号パンフレット、特開2007−70607号公報、特開2007−63541号公報、特開2006−171464号公報、特開2005−162835号公報記載のものを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】オフライン延伸設備を示す概略の側面図である。
【図2】フィルム送出装置及び接合部を示す概略の側面図である。
【図3】テープ接合装置を示す概略の側面図である。
【図4】ヒートシーラ装置の動作状態を示す概略の側面図である。
【図5】ヒートシーラ装置の動作状態を示す概略の側面図である。
【図6】ヒートシーラ装置の動作状態を示す概略の側面図である。
【図7】溶液製膜設備の概要を示す説明図である。
【図8】溶融製膜設備の概要を示す説明図である。
【図9】熱処理ゾーンにおける複数のロールの配置状態を示す斜視図である。
【図10】熱処理ゾーンにおける複数のロールのロールラップ長(D)及びロール間長(G)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0105】
2 オフライン延伸設備
3 フィルム
3a 先行フィルム
3b 後行フィルム
5 リザーバ
5c ダンサーローラ
6 テンタ部
7 回収部
12 接合部
40 ヒートシーラ装置
41,42 溶着ヘッド
46〜48 吸着ヘッド
57〜58 クランプ
60 テープ接合装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム送出装置から送り出されフィルム搬送路を搬送される先行フィルムの後端部に後行フィルムの先端部を重ね合わせて接合するフィルム接合装置において、
前記フィルム搬送路を挟むように設けられる1対の溶着ヘッドと、
前記溶着ヘッドを移動させて、前記先行フィルムと前記後行フィルムとが重ね合わされた部分を押圧して溶着する溶着位置、及び前記溶着位置から退避した退避位置の間で変位させる第1移動機構と、
前記先行フィルム側で、前記溶着ヘッドに対して前記フィルム搬送方向の上流側及び下流側に設けられ、前記先行フィルムを吸着する吸着ヘッドと、
前記吸着ヘッドを前記第1移動機構による前記溶着ヘッドの移動方向に移動させ、前記先行フィルムを前記溶着位置、及びこの溶着位置から離れた切断位置の間で変位させる第2移動機構と、
前記溶着ヘッドと前記上流側の吸着ヘッドの間に設けられ、前記吸着ヘッド及び前記第2移動機構により切断位置に保持された先行フィルムを幅方向に切断するカッタとを備えることを特徴とするフィルム接合装置。
【請求項2】
前記下流側吸着ヘッドに対してフィルム搬送方向下流側に配置され、前記先行フィルムを一定量貯留し、前記吸着ヘッドによる先行フィルムの移動、及び前記カッタによる先行フィルムの切断によるフィルムの走行中止中に、前記貯留した先行フィルムを送り出すダンサーローラを有するリザーバを備えることを特徴とする請求項1記載のフィルム接合装置。
【請求項3】
前記下流側吸着ヘッドと前記リザーバとの間に設けられ、前記後行フィルムの先端部を切断する先端処理作業ステージと、
前記フィルム送出装置から後行フィルムの先端部を前記先端処理作業ステージに送り、先端部の切断処理後に前記溶着ヘッドによる溶着位置まで戻す後行フィルム先端案内装置とを備えることを特徴とする請求項2記載のフィルム接合装置。
【請求項4】
前記後行フィルム先端案内装置は、後行フィルムの先端部を把持するフィルムクリップと、
このフィルムクリップを、前記フィルム送出装置に収容されている後行フィルムの先端部分が把持可能な把持位置、及び後行フィルムの先端部を前記作業ステージまで案内する案内位置の間で移動させるクリップ移動機構とを有することを特徴とする請求項3記載のフィルム接合装置。
【請求項5】
請求項1から4いずれか1項記載のフィルム接合装置と、前記フィルム接合装置で接合されたフィルムの両側縁部を複数のクリップにより把持してフィルム幅方向に延伸する延伸装置とを備えることを特徴とするフィルム延伸設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−226916(P2009−226916A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240256(P2008−240256)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】