説明

フィーダー及び色彩選別機

【課題】ホッパー9から流下樋2への粒状物wの供給において粒状物wがその流動通路から外方へこぼれ落ちるのを阻止してホッパー9から選別手段3まで粒状物wを安定的に供給する。
【解決手段】動力により振動されるトラフ10の底部10a上面から特定距離離れた高さ位置にホッパー9の出口通路9aの下端を位置され、前記ホッパー9内の粒状物wが前記出口通路9aから前記トラフ10上に落下して前記トラフ10の振動による搬送力を付与され漸次に前記トラフ10の送出部10bへ送り移動されるようになされたフィーダー1において、前記出口通路9aの開度を前記送出部10bから送出される粒状物wの流量、前記振動の振幅の大きさ、又は、前記振動の周波数などで代表される前記トラフ10の搬送力に関連して自動的に制御するものとした開度調整手段23を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物などの粒状物を供給するフィーダーと、該フィーダーを具備し前記粒状物を色彩により選別する色彩選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
ホッパー内の粒状物(穀粒など)をトラフの底部上面に落下させ該トラフの振動によりトラフの送出部から送り出すように作動するフィーダーと、前記粒状物を前記トラフから供給される流下樋と、前記流下樋から下方へ落下される前記粒状物群の中から異色の粒状物を識別して除去する選別手段とを備えた色彩選別機は既に知られている(特許文献1参照)。
【0003】
上記フィーダーをさらに詳細に説明すると次のとおりであって、即ち、動力により振動されるトラフの底部上面から特定距離離れた高さ位置にホッパーの出口通路の下端を位置され、前記ホッパー内の粒状物が前記出口通路を通じて前記トラフの底部上に落下して前記トラフの振動による搬送力を付与され漸次に前記トラフの送出部へ向け送り移動され該送出部から前記流下樋の流下案内面上に落下されるようになされている。
【0004】
【特許文献1】実開昭56−280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の色彩選別機においては、ホッパーの出口通路の断面積がホッパーの出口通路の下端とトラフの底部との隙間で形成される粒状物通路の断面積に較べ小さ過ぎると、ホッパーからトラフ上へ落下される粒状物群の量が過少となり、トラフ上で穀粒が踊り撥ねてその送出方向の逆側へ移動してしまってトラフ上から飛び出る現象の生じることがある。
【0006】
逆に、ホッパーの出口通路の断面積がホッパーの出口通路の下端とトラフの底部との隙間で形成される粒状物通路の断面積に較べ大き過ぎると、ホッパーからトラフ上へ落下される粒状物群の量が過大となり、トラフの底部上に過量の粒状物が溜まってしまいその送出側の逆側へ移動してトラフから外方へ溢れ落ちる現象の生じることがある。
【0007】
またトラフの送出部と流下樋の流下案内面との距離がフィーダーから流下樋への粒状物流量の較べて過大であるときは、トラフの送出部から流下樋の流下案内面へ落下した粒状物が流下案内面に衝突したときの衝撃で撥ね上がり流下案内面の横方へ飛び出る現象の生じることがある。
【0008】
逆に、トラフの送出部と流下樋の流下案内面との距離がフィーダーのから流下樋への粒状物流量の較べて過小であるときは、トラフの送出部から流下樋の流下案内面へ落下した粒状物が送出部と流下案内面との間に滞留して流下案内面上を円滑に下方へ流下しなくなり、選別精度を損ねたり流下案内面の外方へ溢れ落ちる現象の生じることがある。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて創案されたものであって、即ち、ホッパーから選別手段への粒状物の供給において、粒状物がその穀粒通路から外方へこぼれ落ちるのを阻止すると共に穀粒通路から外方へ出るのを阻止でき、ホッパーから選別手段までの粒状物供給を安定的となすことのできるフィーダー及び色彩選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、第1発明に係るフィーダーは請求項1に記載したように、動力により振動されるトラフ10の底部10a上面から特定距離離れた高さ位置にホッパー9の出口通路9aの下端を位置され、前記ホッパー9内の粒状物wが前記出口通路9aから前記トラフ10上に落下して前記トラフ10の振動による搬送力を付与され漸次に前記トラフ10の送出部10bへ送り移動されるようになされたフィーダー1において、前記出口通路9aの開度を前記送出部10bから送出される粒状物wの流量、前記振動の振幅の大きさ、又は、前記振動の周波数などで代表される前記トラフ10の搬送力に関連して自動的に制御するものとした開度調整手段23を設けたものである。
【0011】
第2発明に係る色彩選別機は請求項2に記載したように、ホッパー9内の粒状物をトラフ10の底部10a上面に落下させ該トラフ10の振動により送り出すように作動するフィーダー1と、前記粒状物wを前記トラフ10から供給される流下樋2と、前記流下樋2から下方へ落下される前記粒状物w群から異色粒状物w1を識別して除去する選別手段3とを備えた色彩選別機において、前記ホッパー9から前記トラフ10へ前記粒状物wを落下させる出口通路9aの開度を前記フィーダー1から前記流下樋2への前記粒状物wの供給量に関連して自動的に制御するものとした開度調整手段23を設けたものである。
【0012】
第3発明に係る色彩選別機は請求項3に記載したように、トラフ10の底部10b上面に落下される粒状物wを該トラフ10の振動により該トラフ10の送出部10bから送り出すように作動するフィーダー1と、前記送出部10bから前記粒状物wを供給される流下樋2と、前記流下樋2から下方へ落下される前記粒状物w群から異色粒状物w1を識別し除去する選別手段3とを備えた色彩選別機において、前記送出部10bと前記流下樋2の流下案内面2aとの距離d1を前記送出部10bから前記流下樋2への前記粒状物wの供給量に関連して自動的に制御するものとした距離調整手段25を設けるか、或いは、前記送出部10bと前記流下案内面2aとの間に前記送出部10bから前記流下樋2まで粒状物w搬送を中継する中継樋29を設けて、該中継樋29の送出端29aと前記流下案内面2aとの距離d2を前記送出部10bから前記流下樋2への前記粒状物wの供給量に関連して自動的に制御するものとした距離調整手段25を設けるようになしたものである。
【0013】
該第3発明は次のように具体化することができるのであって、即ち、前記フィーダー1が前記流下樋2に対し変位可能となされているか、或いは前記トラフ10の送出方向の長さが変更可能となされているか、或いは前記流下樋2が前記フィーダー1に対して変位可能となされているか、或いは前記中継樋29が機体フレームと同体状の固定個所に支持されて変位可能となされている構成となす。
【発明の効果】
【0014】
以上に記載した本発明によれば、次のような効果が得られる。
即ち、請求項1又は2記載のものによれば、トラフ10から流下樋2への粒状物wの供給量の大小に応じて出口通路9aの断面積を自動的に大小に変化させることができるため、流下樋2への粒状物wの供給量に対して過大な量の粒状物wがホッパー9からトラフ10の底部10a上面に落下することは防止されるのであり、これによりトラフ10上の粒状物wがトラフ10の外方へこぼれ落ちる現象が阻止されて、粒状物wをホッパー9から選別手段3まで無駄なく安定的且つ継続的に供給することができ、しかもこのような供給を省力的に実現させることができるものである。
【0015】
また請求項3又は4記載のものによれば、トラフ10から流下樋2への粒状物wの供給量の大小に応じてトラフ10の送出部10bと流下樋2の流下案内面2aとの距離d1、d2を自動的に大小に変化させることができるようになり、流下樋2への粒状物wの供給量に対して前記距離d1、d2が過大又は過小となることが防止されるのであり、これにより前記流下案内面2a上に落下した粒状物wが撥ねてトラフ10の外方へこぼれ落ちたりトラフ10の送出部10bと流下樋2の流下案内面2aとの間に粒状物wが滞留する現象が阻止されて、粒状物wをホッパー9から選別手段3まで無駄なく安定的且つ継続的に供給することができ、しかもこのような供給を省力的に実現させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る色彩選別機の概要を示す説明図、図2は前記選別機の要部の側面図、図3は前記選別機の距離調整手段の変形例を示す側面図である。
これらの図を参照して、本発明に係る色彩選別機について説明する。該色彩選別機は、穀物wなどの粒状物に混入している小石、金属片又は不良品質の粒状物などの異色粒状物w1を除去するために有用であり、機体フレーム上に第1選別部100と第2選別部101を形成すると共に適当個所に原料タンク102、良品タンク103、不良品タンク104が付属して設けられている。
【0017】
第1選別部100は粒状物wを定量的に送り出す第1フィーダー1と、該第1フィーダー1から粒状物wを供給される第1流下樋2と、該第1流下樋2から落下した粒状物w群から異色粒状物w1を選別して除去する第1選別手段3と、第1良品収容部4a及び第1不良品収容部4bを具備した第1分別収集部4とを備えており、また第2選別部2も第1選別部1に準じた構成となされてあって、粒状物wを定量的に送り出す第2フィーダー5と、該第2フィーダー5から粒状物wを供給される第2流下樋6と、該第2流下樋6から落下した粒状物w群から異色粒状物w1を選別して除去する第2選別手段7と、第2良品収容部8a及び第2不良品収容部8bを具備した第2分別収集部8とを備えている。
【0018】
第1フィーダー1は図2に示すように、機体フレームに固定され粒状物wを収容するホッパー9と、これの下側に配置され粒状物wを上面で支持するトラフ10と、これを振動させる電磁駆動手段11とを備えており、この際、ホッパー9は粒状物wの出口通路9aを具備すると共に、トラフ10は平面状の底部10aとこれの送出部10bを除いた側部及び後部を囲った側面部10cとからなり、ホッパー9の出口通路9aの下端は底部10aの上面から特定高さ(例えば数cm)に設定されており、また電磁駆動手段11は機体フレームに支持された本体部11aを備え、該本体部11aと、水平状に配置された前記トラフ10とを前後一対の弾性板部材12、12で結合し、本体部11aに固定された電磁振動発生体13の出力部13aを後側の弾性板部材12に連結し、前記出力部13aが前後振動することでトラフ10を前後且つ上下に振動させるもので、電磁振動発生体13に供給される電力の電圧や周波数などを変更されることにより出力部13aの振幅や振動数を変更されるものである。このような第1フィーダー1の構成は第2フィーダー5においても同様に形成されている。
【0019】
第1流下樋2及び第2流下樋6のそれぞれは、上面に直状の流下案内面2a、6aをなす溝を形成され機体フレームに傾斜状に支持されており、流下案内面2a、6aが流下案内面2a、6aの上部に供給された粒状物wを案内してこれの下端から下方へ飛行させるように落下させるものとなされている。
【0020】
第1選別手段3及び第2選別手段7のそれぞれは、流下案内面2a、6aから飛行して落下する粒状物wの正常移動軌跡a1、a2を挟む対向した位置の一方に背景面体14a、14b及び図示しない照明灯を、そして他方に受光素子15a、15b及び図示しない照明灯を配設した選別要部を適当組数(例えば2組)設けると共に、受光素子15a、15bよりも少し下側に圧縮空気ラインから電磁弁を通じて圧縮空気を供給される空気噴出ノズル16a、16bを適当数(例えば流下案内面2a、6aの幅方向へ数十個程度)設けたものとなされ、受光素子15a、15bが正常移動軌跡a1、a2上を飛行する粒状物wの色彩の変化を監視し、該変化が一定程度を越えたときに選別用制御装置17a、17bが監視対象となった粒状物wを異色粒状物w1と認識して前記電磁弁を開放させ、空気噴出ノズル16a、16bから圧縮空気を噴出させて異色粒状物w1に向けて空気流を吹き当てこれを前記正常移動軌跡a1、a2の上外方へ飛行させるものとなされている。
【0021】
第1分別収集部4及び第2分別収集部8のそれぞれは第1流下樋2又は第2流下樋6から落下し第1選別手段3又は第2選別手段7を通過した粒状物wを収容するものであり、第1良品収容部4a又は第2良品収容部8aは前記正常移動軌跡a1、a2を経て良品受入口b1、b2に達した粒状物wを収容するものとなされており、また第1不良品収容部4b又は第2不良品収容部8bは空気噴出ノズル16a、16bから噴出された空気流で前記正常移動軌跡a1、a2から上外方へ飛行され不良品受入口c1、c2に達した粒状物wを収容するものとなされている。
【0022】
また原料タンク102から粒状物供給路18が延出されていて原料タンク102内の粒状物wをホッパー9内に移動させるものとなされており、また第1良品収容部4aから粒状物移送路19が延出されていて第1良品収容部4a内の粒状物wを良品タンク103内に移送するものとなされており、また第1不良品収容部4bから粒状物移送路20が延出されていて不良品収容部4b内の粒状物wを第2フィーダー5のホッパー内に移送するものとなされており、また第2良品収容部8aから粒状物還送路21が延出されていて第2良品収容部8a内の粒状物wを原料タンク102内に還送するものとなされており、また第2不良品収容部8bから粒状物移送路22が延出されていて第2不良品収容部8b内の粒状物wを不良品タンク104内に移送するものとなされている。
【0023】
次に本発明の特徴部分について図2をも参照して説明する。
第1選別部100においてホッパー9の出口通路9aの開度をトラフ10の送出部10bから送出される粒状物wの流量に正比例するように大小に変化させる開度調整手段23が設けられている。該開度調整手段23は仕切板23aと、該仕切板23aを進退移動させるための駆動手段23bと、該駆動手段23bを制御するための第1制御装置24とからなり、トラフ10の送出部10bから送出される粒状物wの流量が大きくなると第1制御装置24が駆動手段23bを正作動させ仕切板23aをその流量に対応する予め定めた位置まで進出させて出口通路9aの開度を大きくなし、逆にトラフ10の送出部10bから送出される粒状物wの流量が小さくなると第1制御装置24が駆動手段23bを逆作動させ仕切板23aをその流量に対応する予め定めた位置に後退させ出口通路9aの開度を小さくなすものとなされている。
【0024】
この際、第1制御装置24はトラフ10の送出部10bから送出される粒状物wの流量を検出する必要があるが、該検出は、粒状物wの流量を実際に測定してもよいし、或いは粒状物wの流量に関連して変化する他の対象、例えば、トラフ10の振動の振幅の大きさ、トラフ10の振動の周波数、電磁駆動手段11に供給される電力の電圧、又は該電力の周波数などを測定して粒状物wの流量の検出に代えてもよい。
【0025】
また第1選別部100においてトラフ10の送出部10bと第1流下樋2の流下案内面2aとの距離d1を送出部10bから流下樋2への粒状物wの供給量に関連して自動的に制御するものとした距離調整手段25が設けられている。該距離調整手段25は第1フィーダー1の本体部11aを機体フレームに形成された案内軌道26を介して前後方向f1への移動自在に支持させると共に、本体部11aを前後へ変位させるための動力前後送り手段27と、該送り手段27を制御するための第2制御装置28とからなり、トラフ10の送出部10bから送出される粒状物wの流量が大きくなると第2制御装置28が送り手段27を後退側へ作動させトラフ10を含む本体部11aをその流量に対応する予め定めた位置まで後退させて前記距離d1を大きくなし、逆にトラフ10の送出部10bから送出される粒状物wの流量が小さくなると第2制御装置28が前記送り手段27を前進側へ作動させトラフ10を含む本体部11aをその流量に対応する予め定めた位置に前進させ前記距離d1を小さくなすものとなされている。
【0026】
この際、第2制御装置28はトラフ10の送出部10bから送出される粒状物wの流量を検出する必要があるが、該検出は、粒状物wの流量を実際に測定してもよいし、或いは粒状物wの流量に関連して変化する他の対象、例えば、トラフ10の振動の振幅の大きさ、トラフ10の振動の周波数、電磁駆動手段13に供給される電力の電圧、又は該電力の周波数などを測定して粒状物wの流量の検出に代えてもよい。
【0027】
上記距離調整手段25は適宜に変形して差し支えないのであり、例えば、本体部11aを前後移動させないで、トラフ10自体が伸縮変形してその送出部10bの前後方向位置を自動制御により位置調整するようになしたものでもよいのであり、また本体部11aを前後移動させずにしかもトラフ10を伸縮変形させないで、流下樋2の上部の前後方向位置を自動制御により位置調整するようになしたものでもよいのであり、この場合、流下樋2をこれの下部に位置された左右向き軸回りへ揺動させてもよいし或いは流下樋2の全体を前後へ平行移動させるようになしてもよいのであり、また本体部11aを前後移動させずトラフを伸縮変位させず流下樋2を前後変位させないで、図3に示すようにトラフ10と流下樋2上部との間にトラフ10から流下樋2への流状物w供給を中継する中継樋29を機体フレームと同体状の固定個所(機体フレーム自体を含む)eに前後変位自在に設けると共に該中継樋29を前後へ送り変位させる駆動手段30とを設け、駆動手段30を第2制御装置28で制御することにより、中継樋29の送出端29aの前後位置を自動的に位置調整するようになしてもよい。
【0028】
また第1選別部100における電磁駆動手段11は第3制御装置31により制御され、該制御装置31から電磁振動発生体13に供給される電力の電圧や周波数などを変更されることにより出力部13a及びトラフ10の振幅や振動数を変更されるものであり、トラフ10による粒状物wの搬送力を増大させるときには前記電圧を増大されるか、或いは前記周波数を増大されるか、或いは前記電圧及び前記周波数の双方を増大され、逆にトラフ10による粒状物wの搬送力を減少させるときには前記電圧を減少されるか、或いは前記周波数を減少されるか、或いは前記電圧及び前記周波数の双方を減少されるものとなされている。
【0029】
該第3制御装置31は例えば次(1)から(4)の各項目の機能が単独に得られるか、或いは択一的に得られるか、或いは任意に組み合わせられた状態で得られるものとなされる。
【0030】
即ち、
(1)電磁駆動手段11の駆動回路を流れる電流値を検出し、該電流値の大小に正比例するように電磁駆動手段11に供給される電力の電圧又は周波数を大小に変化させ該電流値に関連して予め特定された最適値となすように作動する第1機能を具備したものとなす。この際、電流値はこれを直接に検出してもよいし、或いは、これに関連して変化する対象、例えばトラフ10上の特定個所の粒状物wの層厚又はトラフ10上の流状物w重量などを検出して電流値の検出に代えてもよい。
【0031】
(2)電磁駆動手段11に供給される電力の電圧若しくは周波数或いはこれらの双方を、第1選別部100における空気噴出ノズル16aに空気を供給するための前記電磁弁の特定時間当たりの開作動回数の多少に逆比例するように変化させ該開作動回数に関連して予め特定された最適値となすように作動する第2機能を具備したものとなす。この際、前記開作動回数はこれを直接に検出してもよいし、或いは、これに関連して変化する対象、例えば第1不良品収容部4b内に収容される粒状物wの重量を測定するなどして前記開作動回数の検出に代えてもよい。
【0032】
(3)電磁駆動手段11に供給される電力の電圧若しくは周波数又はこれらの双方を、第2選別部101における空気噴出ノズル16bに空気を供給するための前記電磁弁の特定時間当たりの開作動回数の多少に逆比例するように変化させ該開作動回数に関連して予め特定された最適値となすように作動する第3機能を具備したものとなす。この際、前記開作動回数はこれを直接に検出してもよいし、或いは、これに関連して変化する対象、例えば第2不良品収容部8b内に収容される粒状物wの重量を測定するなどして前記開作動回数の検出に代えてもよい。
【0033】
(4)電磁駆動手段11に供給される電力の電圧若しくは周波数又はこれらの双方を、第1選別部100における空気噴出ノズル16aに空気を供給するための前記電磁弁の特定時間当たりの開作動回数(前者回数)と、第2選別部101における空気噴出ノズル16bに空気を供給するための前記電磁弁の一定時間当たりの開作動回数(後者回数)とのバランスに関連して変化させ該バランスに関連して予め特定された最適値となすように作動する第4機能を具備したものとなす。さらに具体的には、前者回数の割合が大きいときは電磁駆動手段11に供給される電力の電圧や周波数を小さくなし、逆に後者回数の割合が大きいときは電磁駆動手段11に供給される電力の電圧や周波数を大きくなす。
【0034】
この際、前者回数はこれを直接に検出してもよいし、或いは、これに関連して変化する対象、例えば第1不良品収容部4b内に収容される粒状物wの重量を測定するなどして前記電磁弁の開作動回数の検出に代えてもよいのであり、また後者回数はこれを直接に検出してもよいし、或いは、これに関連して変化する対象、例えば第2不良品収容部8b内に収容される粒状物wの重量を測定するなどして前記電磁弁の開作動回数の検出に代えてもよい。
【0035】
なお上記第3制御装置31が上記(1)から(4)の各項目に記載された機能を任意に組み合わせられた状態で得られるものであるときは、任意に組み合わせられた複数の機能をどのような条件で関連させるかについて予め定めておき、該条件の下での作動により、電磁駆動手段11に供給される電力の電圧や周波数を自動的に最適値となすように作動するものとなす。
【0036】
また第2選別部101における第2フィーダー5についてもこれの電磁駆動手段を制御するための制御装置が、前記第1機能、前記第2機能又は前記第3機能に準じたものの何れか1つが得られるか或いはこれらのうちの複数が組み合わせた状態で得られるものとなされており、これにより第2フィーダー5から流下樋2への粒状物wの流量が第2選別部101の選別精度を良好となすように自動制御されるようになされている。
【0037】
次に上記した色彩選別機を使用して、粒状物wである穀粒を選別するときの使用例及び作動について説明する。
原料タンク102内に収容された穀粒wなどは先ず第1選別部100において選別される。即ち、原料タンク102内の穀粒wなどを粒状物供給路18を通じてホッパー9内に供給するのであり、この際、ホッパー9内において穀粒wなどは常に一定レベルを維持された状態となすのが好ましい。該状態の下でホッパー9内の穀粒wなどは出口通路9を通じてトラフ10の底面10a上に落下するのであり、一方ではトラフ10が電磁駆動手段11の作動により前後及び上下へ振動されているため、トラフ10の底部10a上に落下した穀粒wなどは漸次に前方へ送り移動され、その送出部10bから流下樋2の流下案内面2aの案内始端に落下するように供給されるのであり、該供給の定常状態では穀粒wなどはトラフ10の振動の振幅や周波数に応じた特定流量で流動する。
【0038】
流下樋2の流下案内面2a上では、穀粒wなどが連続的に単層状態となりつつ直線状に滑落し、流下樋2の下端に達した後は、流下案内面2aを下方へ延長した正常移動軌跡a1上を飛行しつつ落下する。このように落下する穀粒wなどが良品の穀粒wであれば、これが受光素子15aの検出位置に達しても、受光素子15aは照明灯から光を浴びた該穀粒wからの透過光や反射光を受けても、一定以上の光量変化を検出するものとならないため、該穀粒wはそのまま正常移動軌跡a1上を落下し、良品受入口b1を通じて第1良品収容部4a内に収容される。一方、落下する穀粒wなどが小石、金属片又は、不良品質の穀粒などのような異色粒状物w1の混在するものであるとき、照明灯の光を浴びた異色粒状物w1からの透過光や反射光を受けた受光素子15aは一定程度以上の光量変化を検出するのであり、該検出に関連して空気噴出ノズル16a用の前記電磁弁が開放作動され、該異色粒状物w1やこれの周囲に存在した良品の穀粒wが空気噴出ノズル16aに対応した位置に落下したとき、空気噴出ノズル16aから異色粒状物w1へ向け噴出された空気流で正常移動軌跡a1の上方へ撥ね飛ばされるのであり、このように撥ね飛ばされた異色粒状物w1や良品の穀粒wは不良品受入口c1を通じて第1不良品収容部4b内に収容される。
【0039】
そして、第1良品収容部4a内の穀粒wなどは粒状物移送路19を通じて良品タンク103内に移送されるのであり、また第1不良品収容部4b内の異色粒状物w1や良品の穀粒wは粒状物移送路20を通じて第2フィーダー5のホッパー内に第1不良品収容部4bへの穀粒などの流入流量に略合致した流量で移送される。
【0040】
第2選別部101においても、第2フィーダー5内に供給された異色粒状物w1や良品の穀粒wは第1選別部100における作動に準じて選別され、良品の穀粒wなどは良品受入口b2を通じて第2良品収容部8a内に収容され、異色粒状物w1などは少ない量の良品の穀粒wと一緒に第2不良品収容部8b内に収容される。そして、第2良品収容部8a内の穀粒wなどは粒状物還送路21を通じて原料タンク102内に環送され、また第2不良品収容部8b内の異色粒状物w1などは粒状物移送路22を通じて不良品タンク104内に移送されるのである。
【0041】
このような作動状態の下で例えば次のような制御が行われる。
第3制御装置31の第1、第2、第3又は第4機能などの制御作動により、電磁駆動手段11に供給される電力の電圧又は周波数の状態が調整制御され、電磁駆動手段11は供給される電力に対応した振動をトラフ10に伝達し、トラフ10は該振動に対応して粒状物w搬送力を大小に変化される。
【0042】
トラフ10の搬送力が大きくなると、トラフ10底部10aに支持された穀粒などはトラフ10の搬送力の変化に対応してトラフ10底部上を速く送出部10bへ向けて送り移動され、逆にトラフ10の搬送力が小さくなると、トラフ10底部10aに支持された穀粒wなどはトラフ10の搬送力の変化に対応してトラフ10底部10a上をゆっくり送出部10bへ向けて送り移動される。
【0043】
また第1フィーダー1のホッパー9の出口通路9aの断面積がトラフ10の搬送力の大きいときに適合した大きさとなされていると、トラフ10の搬送力が小さくなったときに、ホッパー9から出口通路9aを通じて過剰な量の穀粒wなどがトラフ10上に落下するようになり、一方、ホッパー9の出口通路9aの断面積がトラフ10の穀粒搬送力の小さいときに適合した大きさとなされていると、トラフ10の搬送力が大きくなったときに、ホッパー9から出口通路9aを通じて過少な量の穀粒wなどがトラフ10上に落下することが生じるようになって、第1フィーダー1は流下樋2に設計通りの流量で穀粒wなどを供給することができなくる。
【0044】
このような事態を防止するため、開度調整手段23の第1制御装置24が出口通路9aの開度を大小に調整するのであり、具体的には、トラフ10の搬送力(厳密にはトラフ10から流下樋2への穀粒wなどの流量の大きさ)が増大したとき、駆動手段23bが仕切板23aを進出させてトラフ10の現時点の搬送力に対応する予め定めた位置に移動させて前記開度を小さくなし、逆にトラフ10の搬送力(厳密にはトラフ10から流下樋2への穀粒wなどの流量の大きさ)が減少したとき、駆動手段23bが仕切板23aを後退させてトラフ10の現時点の搬送力に対応する予め定めた位置に移動させて前記開度を大きくなすのであり、これによりホッパー9とトラフ10底部10aとの間にはホッパー9から過不足のない適量の穀粒wなどが落下するようになり、こうしてホッパー9からトラフ10底部10a上に継続的に落下する穀粒wなどは適当な層厚となって送出部10bへ向け安定的に送り移動され順次に送出部10bから流下樋2上に落下される。
【0045】
また第1制御装置24による制御作動中であっても、選別作業の開始時とかホッパー9内の穀粒wなどの量が急に変動したときなどには、トラフ10の底部10aで支持された穀粒wなどの量がトラフ10の搬送力に較べて一次的な過不足を生じることがあり、それが余りにも過大な量になったときはトラフ10の振動が抑制されて穀粒wなどの搬送が不可能になることもあり、また余りにも過少となったときはトラフ10の底部10aに支持された穀粒wなどが撥ねてトラフ10の後方や横方へ飛び出るようになる。
【0046】
このような事態を防止するため、第3制御装置31の第1機能が電磁駆動手段11の負荷電流に基づいてトラフ10の搬送力を大小に調整するのであり、具体的には、トラフ10の底部10aで支持された穀粒wなどの重量が大小に変化すると、電磁駆動手段11の負荷電流もその変化に対応して大小に変化するため、この負荷電流を検出し該負荷電流の大きさに関連して電磁駆動手段11に供給する電流の電圧や周波数を変化させるものであり、前記負荷電流が増大したとき、電磁駆動手段11に供給される電力の電圧や周波数を増大させてトラフ10の搬送力を増大させトラフ10の底部10aで支持された穀粒wなどを速く送出部10bから落下させ、逆に前記負荷電流が減少したとき、電磁駆動手段11に供給される電力の電圧や周波数を減少させてトラフ10の搬送力を減少させトラフ10の底部10aで支持された穀粒wなどをゆっくりと送出部10bから落下させるのであり、これによりトラフ10の底部10bで支持された穀粒wなどはその量が一時的に大きく変化するのを抑制されるものとなる。但し、この機能は選別系の選別状況(空気噴出ノズル16a、16bに空気を供給するための前記電磁弁の開作動回数など)に直接に関連してトラフ10の搬送力を調整するものではないのであり、選別系の選別精度を向上させるための流量制御は前記第2、第3又は第4機能などによって実施されるのである。
【0047】
また第1フィーダー1は上記のように作動して穀粒wなどをトラフ10の送出部10bから流下樋2の流下案内面2aの上部に落下させるのであるが、トラフ10の送出部10bと流下樋2の流下案内面2aとの距離d1が第1フィーダー1の最大穀粒供給能力に適合した大きさに固定されると、第1フィーダー1から流下樋2への穀粒wなどの流量が小さいとき、トラフ10の送出部10bから流下案内面2aに落下した穀粒wなどが流下案内面2aに衝突したときに衝撃で撥ねて流下案内面2a上から横方へ飛び出すようになるのであり、逆にトラフ10の送出部10bと流下樋2の流下案内面2aとの距離d1が第1フィーダー1の非最大穀粒供給能力に適合した大きさに固定されると、第1フィーダー1から流下樋2への穀粒wなどの流量が大きいとき、トラフ10の送出部10bと流下樋2の流下案内面2aとの間に穀粒wなどが滞留し流下案内面2a上を円滑に流下しなくなる。
【0048】
このような事態を防止するため、距離調整手段25の第2制御装置28がトラフ10の送出部10bと流下樋2の流下案内面2aとの距離d1を大小に調整するのであり、具体的には、トラフ10の搬送力(厳密にはトラフ10から流下樋2への穀粒wなどの流量の大きさ)が増大したとき、動力前後送り手段27が第2制御装置28の制御作動により第1フィーダー1の本体部11aを後方へ送り変位させてトラフ10の現時点の搬送力に対応する予め定めた位置に移動させて前記距離d1を大きくなし、逆にトラフ10の搬送力(厳密にはトラフ10から流下樋2への穀粒wなどの流量の大きさ)が減少したとき、動力前後送り手段27が第2制御装置28の制御作動により第1フィーダー1の本体部11aを前方へ送り変位させてトラフ10の現時点の搬送力に対応する予め定めた位置に移動させて前記距離d1を小さくなすのである。なお、上記した本体部11aの前後移動による距離d1の調整作動に準じて、中継樋29を前後移動させて中継樋29と流下樋2との間の距離d2を調整するようにしてもよい。これにより前記距離d1、d2はトラフ10の現時点の搬送力に適した大きさとなり、トラフ10の送出部10bから流下樋2の流下案内面a1に落下する穀粒wなどの粒状物群などはトラフ10の送出部10bと流下樋2の流下案内面2aとの間を適当な密度となって流動し、流下樋2の流下案内面2aとの衝突でその横方へ飛び出るような従来の現象が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る色彩選別機の概要を示す説明図である。
【図2】前記選別機の要部を示す側面図である。
【図3】前記選別機の距離調整手段の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 第1フィーダー
2 第1流下樋
2a 流下案内面
3 第1選別手段
9 ホッパー
9a 出口通路
10 トラフ
10a 底部
10b 送出部
23 開度調整手段
25 距離調整手段
29 中継樋
29a 送出端
d1 距離
w 粒状物
w1 異色粒状物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力により振動されるトラフ(10)の底部(10a)上面から特定距離離れた高さ位置にホッパー(9)の出口通路(9a)の下端を位置され、前記ホッパー(9)内の粒状物(w)が前記出口通路(9a)から前記トラフ(10)上に落下して前記トラフ(10)の振動による搬送力を付与され漸次に前記トラフ(10)の送出部(10b)へ送り移動されるようになされたフィーダー(1)において、前記出口通路(9a)の開度を前記送出部(10b)から送出される粒状物(w)の流量、前記振動の振幅の大きさ、又は、前記振動の周波数などで代表される前記トラフ(10)の搬送力に関連して自動的に制御するものとした開度調整手段(23)を設けたことを特徴とするフィーダー。
【請求項2】
ホッパー(9)内の粒状物をトラフ(10)の底部(10a)上面に落下させ該トラフ(10)の振動により送り出すように作動するフィーダー(1)と、前記粒状物(w)を前記トラフ(10)から供給される流下樋(2)と、前記流下樋(2)から下方へ落下される前記粒状物(w)群から異色粒状物(w1)を識別して除去する選別手段(3)とを備えた色彩選別機において、前記ホッパー(9)から前記トラフ(10)へ前記粒状物(w)を落下させる出口通路(9a)の開度を前記フィーダー(1)から前記流下樋(2)への前記粒状物(w)の供給量に関連して自動的に制御するものとした開度調整手段(23)を設けたことを特徴とする色彩選別機。
【請求項3】
トラフ(10)の底部(10a)上面に落下される粒状物(w)を該トラフ(10)の振動により該トラフ(10)の送出部(10b)から送り出すように作動するフィーダー(1)と、前記送出部(10b)から前記粒状物(w)を供給される流下樋(2)と、前記流下樋(2)から下方へ落下される前記粒状物(w)群から異色粒状物(w1)を識別し除去する選別手段(3)とを備えた色彩選別機において、前記送出部(10b)と前記流下樋(2)の流下案内面(2a)との距離(d1)を前記送出部(10b)から前記流下樋(2)への前記粒状物(w)の供給量に関連して自動的に制御するものとした距離調整手段(25)を設けるか、或いは、前記送出部(10b)と前記流下案内面(2a)との間に前記送出部(10b)から前記流下樋(2)まで粒状物搬送を中継する中継樋(29)を設けて、該中継樋(29)の送出端(29a)と前記流下案内面(2a)との距離(d2)を前記送出部(10b)から前記流下樋(2)への前記粒状物(w)の供給量に関連して自動的に制御するものとした距離調整手段(25)を設けるようになしたことを特徴とする色彩選別機。
【請求項4】
前記フィーダー(1)が前記流下樋(2)に対し変位可能となされているか、或いは前記トラフ(10)の送出方向の長さが変更可能となされているか、或いは前記流下樋(2)が前記フィーダー(1)に対して変位可能となされているか、或いは前記中継樋(29)が機体フレームと同体状の固定個所に支持されて変位可能となされている構成を特徴とする請求項3記載の色彩選別機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−111434(P2006−111434A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302939(P2004−302939)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】