説明

フィードバック制御装置、フィードバック制御方法、モータ及びロボット

【課題】所定動作量(例えば動作速度)以下においても位置決め精度の低下や振動の抑制を図ることを目的とする。
【解決手段】制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得手段と、前記フィードバック信号取得手段で取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出手段と、制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出手段で検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出手段と、前記誤差周波数算出手段で算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリング手段と、前記制御指令信号の示す動作量又は前記フィードバック信号の示す動作量に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御指令信号とフィードバック信号とを比較して出力制御を行なうフィードバック制御装置及びフィードバック制御方法に関し、また、そのフィードバック制御装置又はフィードバック制御方法を用いたモータ及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
これには、従来より、制御対象の動作状態を検出する状態検出器の精度が悪化しても、制御対象に発生する振動を悪化前と同等のレベルに抑制するという課題があった。
【0003】
この課題を改善する先行技術として、例えば、特許文献1がある。これは、制御対象の制御結果に対するフィードバック信号に基づき、前記制御対象の動作を制御する制御信号を生成し、当該生成した制御信号を前記制御対象に出力する構成のフィードバック制御装置であって、前記制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、前記フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得手段と、前記フィードバック信号取得手段で取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出手段と、前記制御対象に対する制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出手段で検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出手段と、前記誤差周波数算出手段で算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリング手段と、を備えるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2008−209967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この先行技術においては、フィルタリングによる位置決め整定時間などの遅延を防ぐため、制御指令信号の示す動作量(例えば動作速度)又はフィードバック信号の示す動作量が、所定動作量以下と判断されたときにフィルタリングを行わないようにしており、その所定動作量以下においても位置決め精度や振動の抑制が求められる場合には、誤差成分の影響が無視できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来例の問題点に着目してなされたものであり、所定動作量(例えば動作速度)以下においても位置決め精度の低下や振動の抑制を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下のフィードバック制御装置、フィードバック制御方法、モータ及びロボットを提供する。
(1)制御対象に対する制御指令信号と、前記制御対象の制御結果に応じて生成されるフィードバック信号との比較に基づき、前記制御対象の動作を制御する制御信号を生成し、当該生成した制御信号を前記制御対象に出力する構成のフィードバック制御装置であって、
前記制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、前記フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得手段と、
前記フィードバック信号取得手段で取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出手段と、
前記制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出手段で検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出手段と、
前記誤差周波数算出手段で算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリング手段と、
前記制御指令信号の示す動作量又は前記フィードバック信号の示す動作量に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出手段と、を備えることを特徴とするフィードバック制御装置。
(2)制御対象に対する制御指令信号と、前記制御対象の制御結果に応じて生成されるフィードバック信号との比較に基づき、前記制御対象の動作を制御する制御信号を生成し、当該生成した制御信号を前記制御対象に出力するフィードバック制御方法において、
前記制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、前記フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得ステップと、
前記フィードバック信号取得ステップで取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出ステップと、
前記制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出ステップで検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出ステップと、
前記誤差周波数算出ステップで算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリングステップと、
前記制御指令信号の示す動作量又は前記フィードバック信号の示す動作量に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出ステップと、を含むことを特徴とするフィードバック制御方法。
(3)前記状態検出器は、回転子の回転位置を検出するレゾルバを含んで構成されており、
前記誤差周波数算出手段又は前記誤差周波数算出ステップは、前記レゾルバの極数と、前記制御指令信号又は前記フィードバック信号と、前記周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出することを特徴とする(1)に記載のフィードバック制御装置又は(2)に記載のフィードバック制御方法により制御されることを特徴とするモータ。
(4)複数の前記モータを同期させながら駆動して、前記モータの回転軸に連結されたアームを伸縮させ、被搭載物を移動位置決めする(3)に記載のモータを用いることを特徴とするロボット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定動作量(速度)以下においても位置決め精度の低下や振動の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明に係るフィードバック制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本願発明におけるフィードバック制御処理を示すフローチャートである。
【図3】本願発明における種々のフィルタ形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、この発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0011】
本発明は、フィードバック制御装置、フィードバック制御方法に関し、具体的には、状態検出器にレゾルバを使用しているモータの制御の改良に関する。また、そのモータ及びそのモータを用いたロボットに関する。本発明に係るモータ及びロボットは、工作機械,半導体製造装置及びフラットパネルディスプレイ製造装置等に使用され、ワークや工具などの被操作物をある位置から他の位置へ移動させ、正確な位置決めを行うのに用いられる。
【0012】
なお、本発明に係るロボットは、各種の機械装置に搭載される大小様々な移動・位置決め装置として適用することができ、その用途はここでは特に限定しないが、特に、大気中と真空環境との間でワークを移動・位置決めする用途において好適なロボットである。
【0013】
以下、制御対象として、ダイレクトドライブモータを想定して説明する。ダイレクトドライブモータは、減速機等を介さず直接被駆動物を駆動することができるブラシレスモータである。ダイレクトドライブモータには、状態検出器として、回転角を検出できるレゾルバが備えられている。このレゾルバは、先行技術文献1に説明があるように、精度が劣化すると、その特性上、レゾルバ1歯に対して、N次の誤差成分が乗じてしまう。この誤差成分は、レゾルバ1歯に対して乗じるため、その周波数はモータ速度によって変化する。
【0014】
そこで本発明では、ノッチフィルタ(非常に狭い周波数帯域阻止フィルタ)が阻止する周波数域をモータ速度に応じて変化させ、トルク指令をフィルタリングすることで、誤差成分を除去する。また更に、モータ速度に応じてノッチフィルタの形状も変化させる。ここで、ノッチフィルタの形状とは、周波数対ゲインの特性形状である。例えば、モータが低速で、誤差成分の周波数が制御帯域よりも低い場合は、ノッチフィルタが制御系に遅延などの悪影響を及ぼしてしまう可能性があるため、ノッチフィルタの阻止周波数域がより狭くなるようフィルタ形状を設定する。一方、モータが高速の場合、誤差成分の影響がより大きく、また、速度の検出誤差も大きいため、ノッチフィルタの阻止周波数域が比較的大きくなるようなフィルタ形状にする。
【0015】
先行技術文献1においては、モータの回転速度からレゾルバの誤差成分の周波数を算出し、その周波数に対応したフィルタを選択してフィルタリングをしている。また、モータが低速時にはフィルタリングを行わない。本願発明では、速度に応じてフィルタの形状を変化させフィルタリングを行う。また、低速時には阻止周波数域がより狭くなるようなフィルタ形状でフィルタリングを行う。
【0016】
従来、位置決め完了時、つまりモータがある一定の速度以下ではフィルタリングによる位相遅れによる整定時間が延びるのを避けるため、フィルタリングを行っていない。しかし、位置決め精度や振動の抑制が求められる場合は、レゾルバの誤差成分の影響が無視できないという問題があった。本願発明は、この問題を解決するため、モータ速度に応じて、フィルタの阻止帯域だけでなく、フィルタの形状も変化させるという方法を採用している。こうすることで、整定時間の延びを極力避けながら、位置決め完了直前もフィルタリングを行い、レゾルバの誤差成分の影響を小さくすることができる。
【0017】
特にモータを同期させながら駆動し、2軸のアームを伸縮させるロボットにおける位置決めの際は、モータが止まる直前、すなわち速度が遅いときの位置決め精度が重要であり、本願発明がより好適に採用できる。また、高速にての移動時についてもロボットのアームの軌跡の精度が重要な場合がある。これは例えば、真空環境へのワークの挿入の場合で、その挿入時に通過する窓は、真空を保つために狭くなっており、この窓に接触しないようにするためには、正確な軌跡をたどることが重要であり、高速移動時にも精度を要し、本願発明がより好適に採用できる。
【0018】
また、アームが伸びてモータからの距離が最大になった場合、アームが縮んでモータからの距離が最小になった場合と比べて、レゾルバの誤差成分が大きく影響してくる。アーム先端の位置決め精度や振動の抑制が特に重要な場合、モータ低速時もレゾルバの誤差成分のフィルタリングを行うことで、アームの先端位置決め精度が向上し、また振動を低減する効果があり、本願発明をより好適に採用できる。
【実施例】
【0019】
以下、図を用いて実施例を挙げて更に説明するが、本願発明はこれにより何ら制限されるものではない。
図1は、本願発明に係るフィードバック制御装置100の構成を示すブロック図である。フィードバック制御装置100を、レゾルバ信号に基づいて、回転軸の回転位置及び回転速度を算出するレゾルバ信号処理部10と、レゾルバ信号処理部10からの回転速度信号に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出部11と、モータの制御信号を生成する制御信号生成部12と、レゾルバ信号処理部10からのフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出部13と、回転位置指令信号又はフィードバック信号における誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出部14と、誤差周波数算出部14で算出した周波数に対応するフィルタを用いて制御信号をフィルタリングするフィルタリング部15とを含んだ構成としている。
【0020】
図2は、本願発明におけるフィードバック制御処理を示すフローチャートである。フィードバック制御処理は、各種専用のプログラムを演算処理装置で実行することで実現される処理であって、処理が開始され、制御指令信号及びフィードバック信号などの各種信号が入力されると、図2に示すように、まずステップS100に移行する。ステップS100では、制御信号生成部12において、外部からの制御指令信号と、レゾルバ信号処理部10からのフィードバック信号とに基づき、制御信号を生成し、当該生成した制御信号をフィルタリング部15に出力して、ステップS106に移行する。
【0021】
ステップS106では、誤差周期検出部13において、レゾルバ信号処理部10からのフィードバック信号(回転速度信号)から、誤差成分の周期情報を検出して、ステップS108に移行する。本実施の形態においては、位置検出単位の誤差成分の信号の周期数を周期情報として検出する。ステップS108では、ステップS106で検出した周期情報と、レゾルバの極数と、外部からの回転位置指令信号、又はレゾルバ信号処理部10からのフィードバック信号(回転速度信号)とに基づき、回転速度指令信号における誤差成分の周波数、又は回転速度信号における誤差成分の周波数を算出して、ステップS110に移行する。ステップS110では、フィルタリング部15において、複数種類のフィルタのうち、ステップS108で算出した周波数を阻止するのに適切な中心周波数のフィルタを選択してこれを設定し、ステップS111に移行する。
【0022】
ステップS111では、フィルタ形状算出部11において、レゾルバ信号処理部10からのフィードバック信号(回転速度信号)の示す速度値と、予めROM等に記録された種々の速度値及び形状のデータ(図3参照)とを比較し、当該比較結果に基づき、制御信号に対してフィルタリングする形状を算出・判断して、ステップS112に移行する。図3において、NPQの値が大きくなるほど、阻止する周波数範囲が狭くなり、低速の場合のフィルタとなる。逆にNPQの値が小さくなるほど、阻止する周波数範囲が広くなり、高速の場合のフィルタとなる。ステップS112では、フィルタリング部15において、ステップS110及びステップS111で設定したフィルタを用いて、制御信号生成部12から入力された制御信号(トルク指令信号)をフィルタリングし、当該フィルタリング後の制御信号を信号増幅部16に出力して、ステップS114に移行する。
【0023】
ステップS114では、信号増幅部16において、フィルタリング部15から入力された、フィルタリング後の制御信号を増幅して、ステップS116に移行する。ステップS116では、信号増幅部16において、ステップS114で増幅後の信号を、モータ励磁信号としてモータに出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。なお、上記図2のフローチャートにおいては、各処理を直列に行っているが、例えば、制御信号生成部12の処理と、フィルタ形状算出部11の処理など、並列に行うことが可能な処理は並列に行う構成としても良い。
【0024】
以上説明したように、本願発明は、制御対象に対する制御指令信号と、前記制御対象の制御結果に応じて生成されるフィードバック信号との比較に基づき、前記制御対象の動作を制御する制御信号を生成し、当該生成した制御信号を前記制御対象に出力する構成のフィードバック制御装置であって、前記制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、前記フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得手段と、前記フィードバック信号取得手段で取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出手段と、前記制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出手段で検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出手段と、前記誤差周波数算出手段で算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリング手段と、前記制御指令信号の示す動作量又は前記フィードバック信号の示す動作量に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出手段と、を備えることを特徴とするフィードバック制御装置であるので、所定動作量(速度)以下においても位置決め精度の低下や振動の抑制を図ることができる。
また、本願発明は、制御対象に対する制御指令信号と、前記制御対象の制御結果に応じて生成されるフィードバック信号との比較に基づき、前記制御対象の動作を制御する制御信号を生成し、当該生成した制御信号を前記制御対象に出力するフィードバック制御方法において、前記制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、前記フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得ステップと、前記フィードバック信号取得ステップで取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出ステップと、前記制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出ステップで検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出ステップと、前記誤差周波数算出ステップで算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリングステップと、前記制御指令信号の示す動作量又は前記フィードバック信号の示す動作量に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出ステップと、を含むことを特徴とするフィードバック制御方法であるので、所定動作量(速度)以下においても位置決め精度の低下や振動の抑制を図ることができる。
また、本願発明では、前記状態検出器は、回転子の回転位置を検出するレゾルバを含んで構成されており、前記誤差周波数算出手段又は前記誤差周波数算出ステップは、前記レゾルバの極数と、前記制御指令信号又は前記フィードバック信号と、前記周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出することを特徴とする前記フィードバック制御装置又は前記フィードバック制御方法により制御されることを特徴とするモータであるので、所定動作量(速度)以下においても位置決め精度の低下や振動の抑制を図ることができる。
また、本願発明では、複数の前記モータを同期させながら駆動して、前記モータの回転軸に連結されたアームを伸縮させ、被搭載物を移動位置決めする前記モータを用いることを特徴とするロボットであるので、所定動作量(速度)以下においても位置決め精度の低下や振動の抑制を図ることができる。
【符号の説明】
【0025】
100…フィードバック制御装置
10…レゾルバ信号処理部
11…フィルタ形状算出部
12…制御信号生成部
13…誤差周期検出部
14…誤差周波数算出部
15…フィルタリング部
16…信号増幅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象に対する制御指令信号と、前記制御対象の制御結果に応じて生成されるフィードバック信号との比較に基づき、前記制御対象の動作を制御する制御信号を生成し、当該生成した制御信号を前記制御対象に出力する構成のフィードバック制御装置であって、
前記制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、前記フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得手段と、
前記フィードバック信号取得手段で取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出手段と、
前記制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出手段で検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出手段と、
前記誤差周波数算出手段で算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリング手段と、
前記制御指令信号の示す動作量又は前記フィードバック信号の示す動作量に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出手段と、を備えることを特徴とするフィードバック制御装置。
【請求項2】
制御対象に対する制御指令信号と、前記制御対象の制御結果に応じて生成されるフィードバック信号との比較に基づき、前記制御対象の動作を制御する制御信号を生成し、当該生成した制御信号を前記制御対象に出力するフィードバック制御方法において、
前記制御対象の動作状態を検出する状態検出器を介して、前記フィードバック信号を取得するフィードバック信号取得ステップと、
前記フィードバック信号取得ステップで取得したフィードバック信号から誤差成分の周期情報を検出する誤差周期検出ステップと、
前記制御指令信号、又は前記フィードバック信号と、前記誤差周期検出ステップで検出した周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出する誤差周波数算出ステップと、
前記誤差周波数算出ステップで算出した周波数の信号成分を除去するフィルタを用いて、前記制御対象に出力する制御信号をフィルタリングするフィルタリングステップと、
前記制御指令信号の示す動作量又は前記フィードバック信号の示す動作量に基づき、フィルタ形状を算出するフィルタ形状算出ステップと、を含むことを特徴とするフィードバック制御方法。
【請求項3】
前記状態検出器は、回転子の回転位置を検出するレゾルバを含んで構成されており、
前記誤差周波数算出手段又は前記誤差周波数算出ステップは、前記レゾルバの極数と、前記制御指令信号又は前記フィードバック信号と、前記周期情報とに基づき、前記誤差成分の周波数を算出することを特徴とする請求項1に記載のフィードバック制御装置又は請求項2に記載のフィードバック制御方法により制御されることを特徴とするモータ。
【請求項4】
複数の前記モータを同期させながら駆動して、前記モータの回転軸に連結されたアームを伸縮させ、被搭載物を移動位置決めする請求項3に記載のモータを用いることを特徴とするロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−247972(P2012−247972A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118853(P2011−118853)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】