説明

フォトリフラクティブ組成物、記録素子、及び記録媒体

【課題】優れた成形性、成形物の高い安定性、及び成形物の高い機械強度を備えたフォトリフラクティブ組成物、記録素子、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される化合物と、非線形光学色素と、増感剤と、を含むフォトリフラクティブ組成物とした。


(AOはアルキレンオキシド骨格、Rは直接、又はカルボニル若しくはアミドで結合する置換基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリフラクティブ組成物、記録素子、及び記録媒体に関し、より詳しくはカルバゾイル基を有する化合物を必須成分として含むフォトリフラクティブ組成物、それを用いた記録素子、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の物質は、良好な電荷輸送能を有することが知られており、その応用事例として次に示すフォトリフラクティブ効果がある。フォトリフラクティブ効果とは、可視光レーザーを照射するとポッケルス効果によって物質の屈折率が変化することである。具体的には、例えば、2本のコヒーレントなレーザー光をクロスさせて媒体に照射する場合が挙げられる。クロスしたビームは互いに干渉し、媒体に周期的な干渉縞が形成される。この干渉縞においては、明所・暗所が交互に交差し、明所では、媒体が光励起されて電荷キャリアが生成され、生成された電荷キャリアは、媒体に印加された外部電場によって明所からドリフト移動し、暗所でトラップされる。これにより、媒体には、周期的な電荷密度の分布が生じる。この周期的な電荷密度の分布は、ポッケルス効果を介して媒体に屈折率の周期的な変化を誘起する。
【0003】
このようなフォトリフラクティブ効果を用いることで、位相共役や、歪曲した媒体からのイメージング、実時間ホログラフィー、超多重ホログラム記録、3Dディスプレイ、3Dプリンター、さらには光増幅、光ニュートラルネットワークを含む非線形光情報処理、パターン認識、光リミッティング、高密度光データの記憶等への応用が期待されている。
【0004】
上記効果を有するフォトリフラクティブ組成物として、従来、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の無機結晶材料が用いられていた。しかし、この無機結晶材料では、組成比率の最適化が困難であり、かつ加工性が乏しいという問題点があった。そこで、近年、組成比率の最適化が容易であり、加工性に富んだフォトリフラクティブ組成物として、有機物からなるフォトリフラクティブ組成物の開発が活発になっている。その中でも、カルバゾール類、トリフェニルアミン類が知られており、特に、当該カルバゾール類では、フォトリフラクティブ効果を無電界下で発現させ得ることが確認されている(例えば、特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献2】特開2003−322886
【特許文献3】特許第4144238号
【特許文献4】特表2008−538822
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フォトリフラクティブ組成物を、例えばシート、フィルム等に成形して用いる場合、成形性、及びフォトリフラクティブ性に影響を与える成形物の安定性が課題となっている。そのため、上記特許文献のフォトリフラクティブ組成物のように可塑剤を添加することで、ガラス転移温度を制御することが考えられる。しかしながら、このようなフォトリフラクティブ組成物では、可塑剤の相溶性が不十分であるため、時間の経過とともにブリードアウトを起こしてしまう。そのため、十分な成形性、及び成形物の安定性を得ることができないばかりでなく、成形物の機械強度をも損ねるおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、優れた成形性、成形物の高い安定性、及び成形物の高い機械強度を備えたフォトリフラクティブ組成物、それを用いた記録素子、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、カルバゾイル骨格を有する特定の化合物と、非線形光学色素と、増感剤と、を含むフォトリフラクティブ組成物が、優れた成形性、成形物の高い安定性、及び成形物の高い機械強度を備えることを見いだした。
【0009】
即ち、本発明のフォトリフラクティブ組成物は、下記一般式(1)で示される化合物と、非線形光学色素と、増感剤と、を含むことを特徴とするものである。
【化1】

(AOはアルキレンオキシド骨格、Rは直接、又はカルボニル若しくはアミドで結合する置換基を表す。)
【0010】
上記本発明のフォトリフラクティブ組成物によれば、一般式(1)で示される化合物と、非線形光学色素と、増感剤とを含んでいるので、当該一般式(1)で示される化合物によりガラス転移温度が調整され、それと供に当該一般式(1)で示される化合物の良好な相溶性により当該化合物のブリードアウトが生じるのを防止することができる。これにより、優れた成形性、成形物の高い安定性、及び成形物の高い機械強度を得ることができる。
【0011】
上記一般式(1)で示される化合物が、10〜50重量%含まれていることが好ましい。この場合、非線形光学色素及び増感剤との量比のバランスを損ねない範囲で、ガラス転位点を十分に低下させることができる。
【0012】
上記一般式(1)で示される化合物は、可塑剤としての性能だけでなく、電荷発生・輸送剤としての性能をも備えており、当該フォトリフラクティブ組成物は、さらに他の電荷発生・輸送剤を含むことが好ましい。他の電荷発生・輸送剤を配合することで、フォトリフラクティブ性を高めることができる。
【0013】
上記一般式(1)で示される化合物を10〜50重量%、上記非線形光学色素及び上記増感剤を配合し、さらに上記電荷発生・輸送剤を配合する場合、当該非線形光学色素が20〜50重量%、当該増感剤が0.1〜30重量%、当該電荷発生・輸送剤が20〜50重量%含まれていることが好ましい。
各成分をこのような重量比で配合することで、各成分の量比のバランスを損ねない範囲で、当該各成分の性能を十分に発現させることができる。
【0014】
ガラス転移点が−50〜5℃となるように、上記一般式(1)で示される化合物、上記非線形光学色素、上記増感剤、及び上記電荷発生・輸送剤が含有されていることが好ましい。この場合、成形性に支障をきたすことなく、成形物を安定化させることができる。
【0015】
上記フォトリフラクティブ組成物の応用例として、本発明に係る記録素子が挙げられる。即ち、本発明の記録素子は、フォトリフラクティブ組成物を用いた記録素子であって、当該フォトリフラクティブ組成物が、上記フォトリフラクティブ組成物であることを特徴とするものである。
【0016】
上記記録素子を用いたものとして、本発明に係る記録媒体が挙げられる。即ち、本発明の記録媒体は、記録素子を有する記録媒体であって、当該記録素子が、上記記録素子であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
上記の通り、本発明によれば、一般式(1)で示される化合物と、非線形光学色素と、増感剤とを含むことで、ガラス転移点が調整され、それと供に当該化合物の良好な相溶性を得ることができるので、優れた成形性、成形物の高い安定性、及び成形物の高い機械強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】回折効率を測定するための4光波混合法を説明する説明図である。
【図2】利得係数を測定するための2光波混合法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかるフォトリフラクティブ組成物の一実施形態について説明する。本実施形態のフォトリフラクティブ組成物は、下記一般式(1)で示される化合物を必須成分とし、これに加え非線形光学色素、増感剤、及び他の電荷発生・輸送剤を含んでいる。下記一般式(1)で示される化合物は、得られるフォトリフラクティブ組成物のガラス転移点を低下させる可塑剤としての性能ばかりでなく、電荷発生・輸送剤としての性能も兼ね備えているものである。なお、以下の説明において、電荷発生・輸送剤というときは、電荷発生のみ、電荷輸送のみ、又は電荷発生と電荷輸送の性能を有するものをいう。
【0020】
【化1】

【0021】
一般式(1)中、AOはアルキレンオキシド骨格を現し、好ましくはオキシエチレン、オキシトリメチレン、オキシテトラメチレン、オキシ−1−メチルエチレン、オキシ−2−メチルエチレン、オキシ−1,2−ジメチルエチレン、オキシ−1−エチルエチレン、オキシ−2−エチルエチレンが挙げられる。nは1以上の整数を表わし、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。Rは直接、又はカルボニル若しくはアミドで結合する置換基を表す。Rに炭化水素を含む場合、その炭化水素は、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状を有しても良い炭化水素である。炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは3〜5である。
【0022】
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、カルバゾイルエチルプロピオネート、カルバゾイルエチルブタノエート、カルバゾイルエチルイソブタノエート、カルバゾイルエチルペンタネート、カルバゾイルエチルヘキサネート、カルバゾイルエチルオクタネート、カルバゾイルエチル−2−エチルヘキサネート、カルバゾイルエチルラウレート、カルバゾイルエチルステアレート、カルバゾイルプロピルプロピオネート、カルバゾイルプロピルブチレート、カルバゾイルプロピルペンタネート、カルバゾイルプロピルヘキサネート、カルバゾイルプロピルオクタネート、カルバゾイルプロピル2−プロピルヘキサネート、カルバゾイルプロピルラウレート、カルバゾイルプロピルステアレート、カルバゾイルブチルプロピオネート、カルバゾイルブチルブチレート、カルバゾイルブチルペンタネート、カルバゾイルブチルヘキサネート、カルバゾイルブチルオクタネート、カルバゾイルブチルヘキサネート、カルバゾイルブチルラウレート、カルバゾイルブチルステアレート、カルバゾイルエチルプロピルエーテル、カルバゾイルエチルブチルエーテル、カルバゾイルエチルイソブチルエーテル、カルバゾイルエチルペンチルエーテル、カルバゾイルエチルヘキシルエーテル、カルバゾイルエチルオクチルエーテル、カルバゾイルエチル−2−エチルヘキシルエーテル、カルバゾイルプロピルプロピルエーテル、カルバゾイルプロピルブチルエーテル、カルバゾイルプロピルペンチルエーテル、カルバゾイルプロピルヘキシルエーテル、カルバゾイルプロピルオクチルエーテル、カルバゾイルプロピル2−プロピルヘキシルエーテル、カルバゾイルブチルプロピルエーテル、カルバゾイルブチルブチルエーテル、カルバゾイルブチルペンチルエーテル、カルバゾイルブチルヘキシルエーテル、カルバゾイルブチルオクチルエーテル、カルバゾイルブチルヘキシルエーテル、カルバゾイルエチルプロピルウレタン、カルバゾイルエチルブチルウレタン、カルバゾイルエチルイソブチルウレタン、カルバゾイルエチルペンチルウレタン、カルバゾイルエチルヘキシルウレタン、カルバゾイルエチルオクチルウレタン、カルバゾイルエチル−2−エチルヘキシルウレタン、カルバゾイルプロピルプロピルウレタン、カルバゾイルプロピルブチルウレタン、カルバゾイルプロピルペンチルウレタン、カルバゾイルプロピルヘキシルウレタン、カルバゾイルプロピルオクチルウレタン、カルバゾイルプロピル2−プロピルヘキシルウレタン、カルバゾイルブチルプロピルウレタン、カルバゾイルブチルブチルウレタン、カルバゾイルブチルペンチルウレタン、カルバゾイルブチルヘキシルウレタン、カルバゾイルブチルオクチルウレタン、カルバゾイルブチルヘキシルウレタン、が挙げられる。
【0023】
上記具体例で挙げた化合物のうち、カルバゾイルエチルプロピオネート(CzEPA)、カルバゾイルエチルブタノエート(CzEBA)、カルバゾイルエチルイソブタノエート(CzEiBA)、カルバゾイルプロピルプロピオネート(CzPPA)、カルバゾイルエチルプロピルエーテル、カルバゾイルエチルブチルエーテル、カルバゾイルエチルイソブチルエーテル、カルバゾイルプロピルプロピルエーテルを用いることが好ましい。
【0024】
特に、回折応答速度、エネルギー移動速度、回折応答速度及びエネルギー移動速度を向上させるには、カルバゾイルエチルプロピオネート(CzEPA)、カルバゾイルプロピルプロピオネート、カルバゾイルエチルプロピルエーテル、カルバゾイルプロピルプロピルエーテルを用いることが好ましい。上記具体例で挙げた化合物は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、一般式(1)で表わされる化合物は、上述のとおり、可塑剤としての性能を有しているが、当該化合物以外の他の可塑剤を併用して用いることも可能である。
【0025】
一般式(1)で示される化合物の含有量としては、フォトリフラクティブ組成物100重量%に対して、下限値として10重量%が好ましく、20重量%がさらに好ましく、30重量%が最も好ましく、上限値としては、50重量%が好ましく、40重量%がさらに好ましい。上記含有量が10重量%よりも少ないと、ガラス転移点の低下が十分に起こらない場合があり、当該含有量が50重量%よりも多いと、他の成分(非線形光学色素、増感剤、及び他の電荷発生・輸送剤)との量比にアンバランスが生じて、フォトリフラクティブ組成物の設計に悪影響を及ぼす場合がある。
【0026】
一般式(1)で示される化合物は、カルバゾイルアルキレンアルコールを原料として、公知の方法で合成することができる。原料となるカルバゾイルアルキレンアルコールは、例えば、カルバゾールとアルキレンオキシドを反応させる方法、カルバゾールとアルキレンカーボネートを反応させる方法等により合成できる。このカルバゾイルアルキレンアルコールをエステル化、又はエーテル化、又はウレタン化することで、一般式(1)で示される化合物が合成される。このうちエステル化とは、例えば、上記Rを有するカルボン酸と酸触媒存在下で還流脱水する方法、上記Rを有するカルボン酸ハロゲン化物と反応させる方法、上記Rを有するカルボン酸無水物と反応させる方法のことをいい、エーテル化とは、例えば、上記Rを有するハロアルカンと反応させる方法、上記Rを有するトルエンスルホン酸のアルキルエステルと反応させる方法をいい、ウレタン化とは、例えば、上記Rを有するイソシアナートと反応させる方法のことをいう。
【0027】
非線形光学色素とは、2次の非線形光学特性を示すドナーアクセプター型分子、すなわち、電場によって屈折率が変化する材料(2次非線形光学材料)のことである。非線形光学色素としては、具体的には、2,5−ジメチル−4−(p−ニトロフェニルアゾ)アニソール(DMNPAA)、4−アミノ−4‘−ニトロアゾベンゼン(ANAB)、s−(−)−1−(4−ニトロフェニル)−2−ピロリジン−メタノール(NPP)、4−(ジエチルアミノ)−(E)−β−ニトロスチレン(DEANST)、(ジエチルアミノ)ベンツアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、PDCST、AODCST、[[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)フェニル]メチレン]プロパンジニトリル(7−DCST)、TDDCST、DCDHF−6等のアミノシアノスチレン類等が挙げられる。なお、非線形光学色素は、一種のものを単独で使用してもよく、2種類以上のものを併用しても良い。
【0028】
非線形光学色素の含有量としては、フォトリフラクティブ組成物100重量%に対して、下限値として、20重量%が好ましく、25重量%がさらに好ましく、上限値として、50重量%が好ましく、40重量%がさらに好ましく、30重量%が最も好ましい。非線形光学色素の含有量が、20重量%よりも少ないと、フォトリフラクティブ効果に必要な回折効率や利得係数が得られない場合がある。非線形光学色素の含有量が、50重量%よりも多いと、他の成分(一般式(1)で示される化合物、増感剤、他の電荷発生・電荷輸送剤)との量比にアンバランスが生じて、フォトリフラクティブ組成物の設計に悪影響を及ぼす場合がある。
【0029】
増感剤は、電子受容体としての性能を有しており、フォトリフラクティブ性を高めるために配合されるものである。増感剤が配合されると、当該増感剤と、一般式(1)で示される化合物や他の電荷発生・輸送剤とにより、電荷移動錯体が形成され、有用なフォトリフラクティブ性が発現される。さらには、増感剤の配合により、分子配向の制御なし(いわゆる無電界下)でのフォトリフラクティブ性をも発現させることができる。
【0030】
増感剤としては、具体的には、(2,4,7−トリニトロ−9−フルレニィリデン)マロニトリル(TNF−DM)、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン(TNF)、フラーレンC60、テトラシアノベンゼン(TCBN)、テトラシアノキノジノメタン(TCNQ)、ベンゾキノン(BQ)、及びその誘導体、2、6−ジメチル−p−ベンゾキノン(MQ)、2、5−ジクロロ−p−ベンゾキノン(Cl2Q)、2、3、5、6−テトラクロロ−p−ベンゾキノン(クロラニル)、2、3−ジクロロ−5、6−p−ベンゾキノン(DDQ)等が挙げられる。これら具体例のうち、ホストマトリックスに対する溶解性の点で、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン(TNF)がより好ましい。なお、増感剤は、一種のものを単独で使用してもよく、2種類以上のものを併用しても良い。
【0031】
増感剤の含有量としては、フォトリフラクティブ組成物100重量%に対して、下限値としては0.1重量%が好ましく、0.5重量%がさらに好ましく、1重量%が最も好ましく、上限値としては、30重量%が好ましく、20重量%がさらに好ましく、10重量%が最も好ましい。増感剤の含有量が、0.1重量%以下であると、無電界下でのフォトリフラクティブ性が低くなる。増感剤の含有量が、30重量%よりも多いと、一般式(1)で示される化合物や他の電荷発生・電荷輸送剤、及び増感剤からなる電荷移動錯体の濃度が高くなる。このことにより、光の吸収の増大が招来されて光の透過度が顕著に落ち込むため、現実的ではなくなり、フォトリフラクティブ組成物の設計上、好ましくない。
【0032】
一般式(1)で示される化合物以外に配合される電荷発生・電荷輸送剤としての他の電荷発生・電荷輸送剤は、光を照射することにより、正電荷を発生させることができるものであれば、特に限定されるものではない。このような他の電荷発生・電荷輸送剤としては、具体的には、カルバゾール類、トリフェニルアミン類等が挙げられるが、好ましくはカルバゾール類を用いることができる。他の電荷発生・電荷輸送剤としては、ポリマー又はオリゴマーが挙げられ、ポリマーであることが好ましい。他の電荷発生・電荷輸送剤がポリマーである場合には、側鎖にカルバゾール基、トリフェニルアミン基、カルバゾール基及びトリフェニルアミン基を有するポリマーであることが好ましい。ポリマーとしての他の電荷発生・電荷輸送剤の好ましい具体例としては、ビニルカルバゾール、カルバゾイルアルキレン(メタ)アクリレートの重合体、又はこれらの共重合体が挙げられる。
【0033】
他の電荷発生・電荷輸送剤がポリマーである場合、その分子量は、5,000〜5,000,000が好ましく、より好ましくは10,000〜2,000,000、さらに好ましくは20,000〜1,000,000、最も好ましくは50,000〜500,000である。ポリマーが共重合体である場合には、単量体組成比で30モル%以上のカルバソール基含有単量体を有することが好ましく、50モル%以上のカルバソール基含有単量体を有することがより好ましい。なお、他の電荷発生・電荷輸送剤は、一種のものを単独で使用してもよく、2種類以上のものを併用しても良い。
【0034】
他の電荷発生・電荷輸送剤の含有量としては、フォトリフラクティブ組成物100重量%に対して、下限値として、20重量%が好ましく、30重量%がさらに好ましく、上限値として、50重量%が好ましく、40重量%がさらに好ましい。他の電荷発生・電荷輸送剤の含有量が、20重量%よりも少ないと、発生した電荷の移動が非常に遅くなる。他の電荷発生・電荷輸送剤の含有量が、50重量%よりも多いと、他の成分(一般式(1)で示される化合物、非線形光学色素、増感剤)との量比にアンバランスが生じて、フォトリフラクティブ組成物の設計に悪影響を及ぼす場合がある。
【0035】
また、無電界下でもフォトリフラクティブ性を得るには、増感剤及び非線形光学色素を以下の割合で含有させることが重要である。以下の割合で増感剤及び非線形光学色素を含有させれば、無電界下でも十分な回折効率及び利得係数を得ることができる。
【0036】
即ち、フォトリフラクティブ組成物100重量%に対して、増感剤の含有量が、0.1〜30重量%以下の範囲内であり、かつ非線形光学色素の含有量が、20〜50重量%の範囲内である。より好ましくは、増感剤の含有量が、0.5〜20重量%の範囲内であり、かつ非線形光学色素の含有量が、20〜50重量%の範囲内である。さらに好ましくは、増感剤の含有量が、1〜10重量%の範囲内であり、かつ非線形光学色素の含有量が、25〜30重量%の範囲内である。
【0037】
また、ガラス転移点が−50〜5℃となるように、一般式(1)で示される化合物、非線形光学色素、増感剤、及び他の電荷発生・輸送剤が含有されていることが好ましい。ガラス転移点の下限値として、好ましくは−40℃以上であり、さらに好ましくは−30℃以上である。ガラス転移点の上限値として、好ましくは0℃以下である。−50℃より低ければ、製膜(成形)に支障をきたし、5℃より高ければ、成形物の安定化させることができず、フォトリフラクティブ性で十分な効果を得ることができない。
【0038】
本実施形態のフォトリフラクティブ組成物は、一般式(1)で示される化合物、非線形光学色素、増感剤、及び他の電荷発生・輸送剤を溶媒に溶解させる溶解工程と、この溶媒を除去する溶媒除去工程と、を含むフォトリフラクティブ組成物の製造方法により製造される。
【0039】
(溶解工程)一般式(1)で示される化合物、非線形光学色素、増感剤、及び他の電荷発生・輸送剤を所定の割合にて溶媒に溶解する。溶媒としては、特に限定されるものではなく、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)やジメチルホルムアミド等が使用され、好ましくはTHFである。溶解温度としては、室温程度であればよく、必要に応じて、スターラーチップにより溶液を撹拌してもよい。
【0040】
(溶媒除去工程)各成分が溶解された溶液の溶媒を除去する。溶媒を除去する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばキャストフィルムを得るようにすればよい。具体的には、ガラスシャーレに、各成分が溶解された溶液を入れ、これをホットプレート上に置き、70℃で24h加熱する。加熱後のものを、真空乾燥機に入れ、60℃で24h真空乾燥し、キャストフィルムとされたフォトリフラクティブ組成物を得る。
【0041】
上記本実施形態のフォトリフラクティブ組成物によれば、当該組成物に含まれる一般式(1)で示される化合物、非線形光学色素、増感剤のうち、当該一般式(1)で示される化合物によりガラス転移温度が調整され、それと供に当該一般式(1)で示される化合物の良好な相溶性により当該化合物のブリードアウトの発生を防止することができる。ガラス転移点が調整されていることにより、優れた成形性、及び製膜品(成形物)の高い安定性を得ることができ、一般式(1)で示される化合物のブリードアウトの発生が防止されていることにより、製膜品(成形物)の高い機械強度を得ることができる。
【0042】
優れた成形性、製膜品(成形物)の高い安定性を得ることが可能となった要因として、一般式(1)で示される化合物を用いることで、上述のようにガラス転移点が調整された点と、当該化合物を用いることで、フォトリフラクティブ組成物の各成分が均一に分散し、製膜時における局所的な応力集中が緩和され、急激な収縮が抑制された点が考えられる。また、本実施形態のフォトリフラクティブ組成物は、無電界で動作させること、及び電極を設け、電界を印加して動作させることが可能となっている。電界を印加して本実施形態のフォトリフラクティブ組成物を動作させる場合には、上記各成分が均一に分散していることで、電界の印加時に起こる絶縁破壊が抑制され、安定なフォトリフラクティブ性能を発現させることができる。
【0043】
一般に、フォトリフラクティブ組成物の高い回折効率を得るには、可塑剤等でガラス転移点を下げ、見かけの回折効率を上げる手法がとられるが、その反面、格子形成速度が遅くなる。このように、回折効率と格子形成速度とは、互いにトレードオフの関係にあり、高い回折効率と大きい格子形成速度とを両立する一般的な手法は知られていなかった。
【0044】
一般式(1)で示される化合物、非線形光学色素、増感剤、及び他の電荷発生・輸送剤を含む本実施形態のフォトリフラクティブ組成物を作製した結果、可塑剤としてのN−エチルカルバゾールに代表される従来のものを用いた場合よりも、非常に高い回折効率及び非常に高い利得係数が得られた。驚くべきことに、本実施形態のフォトリフラクティブ組成物は、回折効率及び利得係数に加え、大きい格子形成速度をも得られることが判明した。従って、高い回折効率と大きい格子形成速度とが両立されることから、製膜品(成形物)中における電荷輸送を効率よく利用でき、従来では達成できなかった非常に高度なフォトリフラクティブ効果を達成することができる。これにより、非常に高性能のフォトリフラクティブ組成物の提供が可能となった。
【0045】
本実施形態のフォトリフラクティブ組成物の応用例として、一般式(1)で示される化合物、非線形光学色素、増感剤、及び他の電荷発生・輸送剤を含むフォトリフラクティブ組成物を用いた記録素子が挙げられる。また、この記録素子を用いたものとして、各種の記録媒体が挙げられる。具体的には、本実施形態のフォトリフラクティブ組成物を、ビデオ画像のような動画の記録・再生、実時間ホログラム、超多重ホログラム記録、高密度光データ記録、3Dディスプレイ、3Dプリンター、さらには光の波面や位相のマニュピレーション、パターン認識、光増幅、非線形光情報処理、光相関システム、光コンピュータ等へ利用することが可能である。
【実施例】
【0046】
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0047】
[電界を印加できるようにした試料フィルム(フォトリフラクティブ組成物)の作製]
フォトリフラクティブ組成を構成するための各成分を、上述のフォトリフラクティブ組成物の製造方法に準じ、所定の重量比でTHFに溶解させ、キャストフィルムとし、さらにこれを1cm角に切り分けて、複数枚の試料フィルム(フォトリフラクティブ組成物)を得た。なお、本実施例では、一般式(1)で示される化合物を、化合物Aという。
【0048】
電極部が加工され、厚さ:0.7〜1.1μm、大きさ:30×30mmの透明電極膜であるITO(インジウム−錫酸化膜)電極基板を2枚調製しておく。このうち1枚の電極基板に上記複数枚の試料フィルムを積層し、その4隅に、厚さ:100μmのフッ素樹脂をおき、その上にもう1枚の電極基板を被せる。さらに、その上から4kg重の荷重をかけて、120〜180℃で加熱しながら圧着し、複数枚の試料フィルムに電界を印加できるようにしたものを作製した。
【0049】
[回折効率(%)の測定]
回折効率(%)の測定は、試料フィルムに電界を印加(45V/μm)した状態で、図1に示す4光波混合法によって測定した。測定には、632.8nmのHe−Neレーザーを用いた。フォトリフラクティブ効果によって生じる回折効率(%)、即ち、屈折率変化の大きさΔnは、ブラッグ回折の強度測定(回折効率測定)から評価することができる。書き込み光により屈折率格子を生じた試料フィルムに、ブラッグ条件で低出力のプローブ光を入射させて、屈折率格子により回折する光の強度を測定することによって、その回折効率を測定することができる。ここでは、規格化回折効率ηnormについて示し、次式(1)により評価する。なお、この回折効率は、図示のように試料フィルムの法線Hと2本の干渉ビームの2等分線Sとの間の角度が50°となるように、試料フィルムを傾けて測定する。
【0050】
【数1】

【0051】
diffracted:屈折率格子による回折光の強度、Itransmitted:透過光強度を示す。規格化回折効率ηnormは、厚い媒体中でのクーゲルニックの結合波理論によって屈折率変化の大きさ:Δnと関連づけることができる。そして、規格化回折効率ηnormと屈折率変化の大きさΔnを近似的に1つの式で表わすことができ、規格化回折効率ηnormから屈折率変化の大きさΔnを評価することができる。なお、上記回折光の強度Idiffractedは、ベンチメーター(アジレント社製;34401型または34411型デジタルマルチメーター)を用い、上記透過光強度Itransmittedは、ベンチメーター(アジレント社製;34401型デジタルマルチメーター)を用いた。
【0052】
[利得係数(cm-1)の測定]
利得係数(cm-1)の測定は、試料フィルムに電界を印加(45V/μm)した状態で、図2に示す2光波混合法によって測定した。フォトリフラクティブ効果によって生じた屈折率格子は2本の可干渉性光による干渉縞とΨ(0<Ψ≦π/2)だけの位相シフト(理想的にはΨ=π/2)を生じる。このことは、フォトリフラクティブ効果と他の屈折率変調現象を区別する重要な因子であり、位相差シフトした屈折率格子の形成によって、一方の光からもう一方の光へエネルギー移動が起こり、媒体の後方において2本の光が等しい強度だけ非対称的な変化を起こす。このエネルギー移動に対する物理量を表す利得係数Γは以下に示す式(2)又は式(3)により評価される。なお、この利得係数は、図示のように試料フィルムの法線Hと2本の干渉ビームの2等分線Sとの間の角度が50°となるように、試料フィルムを傾けて測定する。
【0053】
【数2】

【0054】
【数3】

【0055】
d:サンプル厚、γ0=ItA(IB≠0)/ItA(IB=0)、β=IB/IA、ItA、ItB:それぞれ書き込み光の透過強度を示す。2本の書き込み光は、互いに18.9°の角度をなすように試料に照射する。なお、無電界下での利得係数の測定においては、2本の書き込み光は、試料面に垂直な線を中心線として、この中心線からそれぞれ等しい角度で照射される。
【0056】
[GPC測定条件]
装置:東ソー製HLC−8120GPC、カラム構成:東ソー製TSK・Gel−SuperH5000+TSK・Gel−SuperH4000+TSK・Gel−SuperH3000を各1本直列に連結、検量線作成標準試料:標準ポリスチレン、移動相溶媒:特級THF、流速:0.6ml/min、試料溶解方法:移動相溶媒に0.1重量%に調整、試料注入量:400μL、検出器:RI(示差屈折)検出器、カラム槽及び検出器槽の温度:40℃
【0057】
[CzEPA(化合物A)の合成]
1Lのステンレスオートクレーブにカルバゾール120g、N,N−ジメチルホルムアミド150gを仕込み、120℃に加熱し、窒素で加圧して0.5MPa(ゲージ圧力)に調整した。ここにエチレンオキシド34.8gを1時間かけて吹込み、その後6時間熟成を行った。反応後、反応液を500mL4つ口フラスコに回収し、減圧蒸留して溶媒を留去した。この濃縮液を1000mLセパラブルフラスコに移し、トルエン700gを加え、50℃で均一溶液とした後、毎分1℃ずつ下げて10℃まで冷却し、結晶を得た。この結晶を濾過して真空乾燥した。得られた結晶の組成は、GC面積百分率で、N−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール(99.5%)、2−(9−カルバゾール)エトキシエタノール(0.5%)、融点83.8℃であった。
【0058】
得られたN−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾールの結晶50gと、プロピオン酸22.2gと、トルエン50gと、p−トルエンスルホン酸一水和物1.8gと、を200mLの4つ口フラスコに仕込み、150℃の油浴で2時間還流脱水を行った。反応終了後、トルエン100gを加え、室温まで冷却した。次に、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、さらに中性になるまで純水で洗浄した。相分離して油相を回収し、油相に対して1重量%の無水硫酸ナトリウムを加えて脱水した。これを濾過した後、濾液に対して1重量%の活性炭を加え、不純物を吸着除去した。活性炭を濾過し、濾液を100hPaで減圧蒸留した。ボトム液温度が130℃になるまで減圧蒸留を続けた後、解圧して60℃まで冷却した。この濃縮液を500mLセパラブルフラスコに移し、メタノール300gを加えて50℃で均一溶液とした後、毎分1℃ずつ下げて10℃まで冷却し、結晶を得た。この結晶を濾過して真空乾燥した。得られた結晶の組成は、GC面積百分率で、2−(9−カルバゾイル)エチルプロピオネート(CzEPA)が99.5%、N−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾールが0.5%であった。また、融点は76.0℃であった。
【0059】
[PCzEA(他の電荷発生・輸送剤)の合成]
カルバゾイルエチルアクリレート(CzEA)10g、メタノール 80gを200mLセパラブルフラスコに仕込み、N2置換した後65℃に昇温した。これを(C)液とする。2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル(V−65:和光純薬製)0.025gとメタノール10gを混合し、これを(D)液とする。(D)液を滴下ロートで1分かけて(C)液に滴下し、65℃で6時間重合をおこなった。その後、ろ過工程により取り出した重合体を、メタノールで3回洗浄後、100℃減圧で乾燥したところ、Mw=240,000、収率92.1%であった。
【0060】
[PVCz(他の電荷発生・輸送剤)の合成)
N−ビニルカルバゾール(NVCz)10g、メタノール 65gをセパラブルフラスコに仕込み、N2置換した後65℃に昇温した。これを(C)液とする。2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル(V−65:和光純薬製)0.005gとメタノール10gを混合し、これを(D)液とする。(D)液を滴下ロートで1分かけて(C)液に滴下し、65℃で6時間重合をおこなった。その後、ろ過工程により取り出した重合体を、メタノールで3回洗浄後、50℃減圧で乾燥した結果、Mw=410,000、収率71%であった。
【0061】
[実施例1]PCzEA、7−DCST、CzEPA、TNFを、重量比でそれぞれ47%、30%、20%、3%含有させたフォトリフラクティブ組成物で構成された上述の試料フィルム(電界を印加できるようにしたもの)を製作した。
[実施例2]PVCz、7−DCST、CzEPA、TNFを、重量比でそれぞれ47%、30%、20%、3%含有させたフォトリフラクティブ組成物で構成された上述の試料フィルム(電界を印加できるようにしたもの)を製作した。
[実施例3]PCzEA、7−DCST、CzEPA、TNFを、重量比でそれぞれ49%、30%、20%、1%含有させたフォトリフラクティブ組成物で構成された上述の試料フィルム(電界を印加できるようにしたもの)を製作した。
【0062】
[比較例1]PCzEA、7−DCST、ECz、TNFを、重量比でそれぞれ47%、30%、20%、3%含有させたフォトリフラクティブ組成物で構成された上述の試料フィルム(電界を印加できるようにしたもの)を製作した。
[比較例2]PVCz、7−DCST、ECz、TNFを、重量比でそれぞれ47%、30%、20%、3%含有させたフォトリフラクティブ組成物で構成された上述の試料フィルム(電界を印加できるようにしたもの)を製作した。
【0063】
実施例1〜3、及び比較例1、2の試料フィルムの回折効率(%)及び利得係数(cm-1)を測定した。測定した結果を表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
上記で開示した実施形態、実施例は例示であり、制限的なものではない。本発明にかかるフォトリフラクティブ組成物は、上記各成分の他に、フォトリフラクティブ性を損なわせない範囲内で、他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤等が挙げられる。なお、本発明の範囲は、上記した実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内の全ての変更が含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される化合物と、非線形光学色素と、増感剤と、を含むことを特徴とするフォトリフラクティブ組成物。
【化1】

(AOはアルキレンオキシド骨格、Rは直接、又はカルボニル若しくはアミドで結合する置換基を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)で示される化合物が、10〜50重量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載のフォトリフラクティブ組成物。
【請求項3】
電荷発生・輸送剤をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のフォトリフラクティブ組成物。
【請求項4】
前記非線形光学色素が20〜50重量%、前記増感剤が0.1〜30重量%、前記電荷発生・輸送剤が20〜50重量%含まれていることを特徴とする請求項3に記載のフォトリフラクティブ組成物。
【請求項5】
ガラス転移点が−50〜5℃となるように、前記一般式(1)で示される化合物、前記非線形光学色素、前記増感剤、及び前記電荷発生・輸送剤が含有されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のフォトリフラクティブ組成物。
【請求項6】
フォトリフラクティブ組成物を用いた記録素子であって、
前記フォトリフラクティブ組成物が、請求項1〜5のいずれかに記載のフォトリフラクティブ組成物であることを特徴とする記録素子。
【請求項7】
記録素子を有する記録媒体であって、
前記記録素子が、請求項6に記載の記録素子であることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−211191(P2010−211191A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13075(P2010−13075)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(504255685)国立大学法人京都工芸繊維大学 (203)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】