説明

フルオロビニルエーテルからのヒドロフルオロアルカンスルホン酸および塩

一般式R−O−CXH−CX−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Xは水素およびフッ素からなる群から選択され、但し、少なくとも1個のXがフッ素であり、Mはカチオンである)で表されるヒドロフルオロアルカンスルホネートは、フルオロビニルエーテルと亜硫酸塩水溶液との反応によって製造される。有機オニウムヒドロフルオロアルカンスルホネートはイオン性液体および光酸発生剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒のために有用な強酸および強酸の塩の分野である。
【背景技術】
【0002】
トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)は強酸が必要とされる触媒のために用いられる。トリフルオロメタンスルホン酸は、工業プロセスにおいて広く用いられている弗化水素および硫酸などの無機酸のより安全でより容易に取り扱われる代替品を提供する。更に、トリフルオロメタンスルホン酸の低い分子量のゆえに、トリフルオロメタンスルホン酸は比較的揮発性であり、それは高温プロセスにおいて不利である。1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸(TFESA)および1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホン酸(HFPSA)などの既知のヒドロフルオロアルカンスルホン酸は、それぞれテトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンから製造され、分子量が多少より高く、従って、より低い揮発性を有するが、なおより低い揮発性のヒドロフルオロアルカンスルホン酸のために、より高い分子量のフルオロオレフィンが必要とされるであろう。商業的に重要であり、その結果として容易な入手性のこうしたフルオロオレフィンは殆どない。
【0003】
更に、TFMSAの塩は光酸発生剤およびイオン性液体として有用性を有する。光活性カチオン部分を有するTFMSAの塩はマイクロリソグラフィーのために有用な光酸発生剤である。マイクロリソグラフィーのプロセスにおいて、光酸発生剤(PAG)と呼ばれる分子は光の光子を捕捉し陽子を発生させるために用いられる。PAGは、光の吸収または酸生成の量子効率などの光応答特性を支配するのでポジティブワーキング化学増幅レジストとネガティブワーキング化学増幅レジストの両方のために画像形成プロセスにおいて重要な役割を果たす。更に、PAGは、酸強度、易動度および揮発度などの産出酸の特性を支配する。
【0004】
有用なPAGには、非求核アニオンを有する有機オニウム塩、例えば、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。露光するとトリフルオロメタンスルホン酸を生成する有機オニウム塩は、フォトレジスト系の優れた感光度および良好な極限解像度を得ることができるため、特に好ましかった。更に、これらのPAGは、基材または基材/レジスト界面上の不溶分(「スカム」)の形成を減らすことが知られている。こうしたPAGの既知の欠点は、照射プロセス中に生じる幾分揮発性のトリフルオロメタンスルホン酸(TFSA)の僅かな量がフォトレジストフィルムから蒸発し(ガス放出し)、露光装置およびプロセス装置の腐食を引き起こす場合があることである。更に、TFSAを産出するPAGを含有するレジスト材料がいわゆるT字形のパターン形状を作る傾向があり、この酸の高い揮発度および拡散特性のゆえにプロセス遅延するとライン幅変化を示すことが知られている。
【0005】
まとめると、塩から生じたTFMSAの僅かな量がガス放出する場合があり、プロセス装置の腐食を引き起こす。揮発度は酸の拡散の速度にも関係付けられる。拡散はマイクロリソグラフィーにおいて望ましくない特性である。
【0006】
米国特許公報(特許文献1)には、フッ素化アルカンスルホン酸を発生させるオニウム塩前駆体YASOが開示されている。Yは(R)(R)(R)Sまたは(R)(R)Iを表し、AはCFCHFCFまたはCFCFCFCFを表す。
【0007】
(特許文献2)には、一般構造R−O(CFSOX(式中、nは約1〜4の間の整数であり、Xは有機カチオンおよび共有結合有機基からなる群から選択され、適するR基は、置換または非置換で線状または分岐のC〜C12アルキル基および置換または非置換のパーフルオロアルキル基を含む)で表される光酸化合物が開示されている。
【0008】
触媒の中で、イオン性液体の中でおよび光酸発生剤の中で用いるためのより高い分子量のヒドロフルオロアルカンスルホネートおよびヒドロフルオロアルカンスルホン酸が必要とされている。こうしたヒドロフルオロアルカンスルホネートが容易に入手可能な出発材料から調製できることが特に有利であろう。
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,358,665号明細書
【特許文献2】国際公開第02/082185号パンフレット
【特許文献3】米国特許第3,282,875号明細書
【特許文献4】米国特許第4,138,426号明細書
【特許文献5】米国特許第4,538,545号明細書
【特許文献6】米国特許第4,940,525号明細書
【特許文献7】米国特許第4,982,009号明細書
【特許文献8】米国特許第5,196,569号明細書
【特許文献9】米国特許第5,637,748号明細書
【特許文献10】米国特許第5,866,711号明細書
【特許文献11】米国特許第5,969,067号明細書
【特許文献12】米国特許第4,897,457号明細書
【特許文献13】米国特許第5,260,492号明細書
【特許文献14】国際公開第97/33198号パンフレット
【特許文献15】米国特許第5,372,912号明細書
【特許文献16】国際公開第00/17712号パンフレット
【特許文献17】国際公開第00/25178号パンフレット
【特許文献18】国際公開第2000067072号パンフレット
【非特許文献1】「マイクロリソグラフィー概論(Introduction to Microlithography)」、L.F.トンプソン(L.F.Thompson)、C.G.ウィルソン(C.G.Willson)およびM.J.ボーデン(M.J.Bowden)による第2版、ワシントンDCのアメリカン・ケミカル・ソサイティ(American Chemical Society(Washington DC))、1994年、第3章
【非特許文献2】F.M.ホーリハン(F.M.Houlihan)ら、Macromolecules、30、6517〜6534頁(1997)
【非特許文献3】T.ワロー(T.Wallow)ら、Proc.SPIE、2724、355
【非特許文献4】F.M.ホーリハン(F.M.Houlihan)ら、Journal of Photopolymer Science and Technology、10、511(1977)
【非特許文献5】U.オコロアニアウ(U.Okoroanyanwu)ら、J.Mol.Cat.A:Chemical133、93(1998)
【非特許文献6】K.J.プリズビラ(K.J.Pryzbilla)ら、Proc.SPIE1672、9(1992)
【非特許文献7】H.イトウ(H.Ito)ら、Polymn.Mater.Sci.Eng.77、449(1997)
【非特許文献8】E.レイヒマニス(E.Reichmanis)ら、「2−ニトロベンジルエステル深UVレジストの感光性に及ぼす置換基の影響(The Effect of Substituents on the Photosensitivity of 2−Nitrobenzyl Ester Deep UV Resists)」、J.Electrochem.Soc.1983、130、1433−1437
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一般式R−O−CXH−CX−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Xは水素およびフッ素からなる群から選択され、但し、少なくとも1個のXがフッ素であり、Mはカチオンである)で表されるヒドロフルオロアルカンスルホネートを提供する。
【0011】
本発明は、一般式R−O−CXH−CX−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Xは水素およびフッ素からなる群から選択され、但し、少なくとも1個のXはフッ素であり、Mはカチオンである)のヒドロフルオロアルカンスルホネートの製造方法であって、式R−O−CX=CXのビニルエーテルを、pH約4〜12に調節された水溶液中の亜硫酸塩に接触させる工程と、前記ヒドロフルオロアルカンスルホネートを回収する工程とを含むことを特徴とする方法も提供する。本発明の好ましい態様によると、ヒドロフルオロアルカンスルホン酸が最終製品として望まれるとき、ヒドロフルオロアルカンスルホネートは酸と反応させる。好ましくは、これは、固体としてヒドロフルオロアルカンスルホネートを含有する水溶液からヒドロフルオロアルカンスルホネートを回収し、油剤で前記固体を処理し、それらからヒドロフルオロアルカンスルホン酸を蒸留することにより実行される。
【0012】
本発明は、式R−O−CXH−CX−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Xは水素およびフッ素からなる群から選択され、但し、少なくとも1個のXはフッ素であり、Mは有機オニウムである)で表される化合物も提供する。本発明のこの形態による化合物は、イオン性液体および光酸発生剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
一般式CF=CF−ORのフルオロビニルエーテルが水性亜硫酸塩と反応して、ヒドロフルオロアルカンスルホネートをもたらすことが発見された。パーフルオロビニルエーテルと亜硫酸塩の反応として表される反応は、
R−O−CF=CF+SO+HO→R−O−CHF−CFSO+OH (1)
である。
(1)が主たる付加体であるけれども、水和反応(2)も僅かな量(0.1〜3%)で見られる。
R−O−CF=CF+HO→R−O−CFH−CFOH (2)
(2)の水和生成物は更に加水分解してカルボン酸を生成させる。
R−O−CFH−COH (3)
【0014】
Rは(A)アルキルを表す。アルキルは炭化水素基を意味し、それはハロゲンで置換されていてもよく、置換されている場合、好ましくはハロゲンはフッ素または塩素であり、好ましくはアルキルはフルオロアルキルであり、より好ましくはパーフルオロアルキルである。アルキルは線状、分岐または環式であってもよい。好ましくはアルキルは線状アルキルである。アルキル基Rは1つまたは複数のエーテル結合を含んでもよい。好ましくは、アルキル基は1〜20個の炭素原子を有する。これらのフルオロビニルエーテルは、好ましくはトリフルオロ(アルキルビニルエーテル)である。好ましいフルオロビニルエーテルは、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル(PEVE)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル(PPVE)などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)である。フルオロビニルエーテルのこの類のメンバーは、本明細書で非官能性フルオロビニルエーテルと呼ばれる。
【0015】
Rは(B)官能化アルキル基、すなわち、官能基を含む上で定義されたアルキル基も表す。官能基は、加水分解または他の処理後などにイオン特性、水素結合特性などの著しい反応性または双極子特性などの強い極性の特性を与えるか、または与えることができる基を意味する。強い極性は、炭素−水素結合または炭素−ハロゲン結合の極性より大きい極性を意味する。こうした官能基の例は、ヒドロキシル(−OH)または−CHOH;カルボン酸エステル、アミド、酸または塩を含むカルボキシル(−COO);ハロゲン化スルホニル、好ましくはフッ素化スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドまたはスルホネート塩を含むスルホネート(−SO);ホスホン酸または塩を含むホスホネート(−P(O)O);シアニド(−CN)である。可能な他の官能基は、こうした基が亜硫酸塩との反応の条件下で部分加水分解または完全加水分解を受けてもよいと理解した上でグリシジル、シアネート(−OCN)およびカルバメート(−O−NH−R’)(式中、R’はアルキル基、好ましくはメチル)である。これらのフルオロビニルエーテルは、好ましくはトリフルオロ(アルキルビニルエーテル)である。官能基に加えて、これらの官能性フルオロビニルエーテルは、好ましくは、パーフルオロビニルエーテル、すなわちR’がパーフルオロ化されている。フルオロビニルエーテルのこの類のメンバーは、本明細書で官能性フルオロビニルエーテルと呼ばれる。
【0016】
官能性ビニルエーテルの好ましい類は、CF=CF−(OCFCF(CF))(O)(CF−Z(式中、pは0または1であり、mは0〜10であり、nは1〜20であり、但し、mが0であるとき、pは0であり、さらに、mが0より大きいとき、pは1であり、Zは、−CHOH;カルボン酸エステル、アミド、酸または塩を含むカルボキシル(−COO);ハロゲン化スルホニル、好ましくはフッ素化スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドまたはスルホネート塩を含むスルホネート(−SO)、ホスホン酸、酸ハロゲン化物または塩を含むホスホネート(−P(O)O);シアニド(−CN)、シアネートおよびカルバメートなどの官能基である)、CF=CF−O−Y−CF−Z(式中、Yはアルキレン、好ましくはフルオロアルキレン、より好ましくはパーフルオロアルキレンであり、環式であってもよく、1つまたは複数のエーテル酸素を含んでもよく、最も好ましくはCFであり、Zは、−CHOH;カルボン酸エステル、アミド、酸または塩を含むカルボキシル(−COO);ハロゲン化スルホニル、好ましくはフッ素化スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドまたはスルホネート塩を含むスルホネート(−SO)、ホスホン酸、酸ハロゲン化物または塩を含むホスホネート(−O−P(O)O);グリシジル、シアニド(−CN)、シアネートおよびカルバメートなどの官能基である)で表される。
【0017】
特許文献からのこうした官能性ビニルエーテルの例は、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)、米国特許公報(特許文献5)、米国特許公報(特許文献6)、米国特許公報(特許文献7)、米国特許公報(特許文献8)、米国特許公報(特許文献9)、米国特許公報(特許文献10)および米国特許公報(特許文献11)において見られる。
【0018】
官能性ビニルエーテルの好ましい実施形態には、
CF=CF−O−CF−CF(CF)O−CFCF−SOF(パーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)、その対応する酸、塩またはアミド、
CF=CF−O−CF−CF(CF)O−CFCF−COOR”(パーフルオロ−4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネン酸のエステル、好ましくはメチルエステル)、その対応する酸、塩またはアミド、
CF=CF−O−CFCF−SOF(パーフルオロ−3−オキサ−4−ペンタスルホニルフルオリド)、その対応する酸、塩またはアミド、
CF=CF−O−CFCF−COOR”(パーフルオロ−4−オキサ−5ヘキセン酸のエステル、好ましくはメチルエステル)、その対応する酸、塩またはアミド、
CF=CF−O−CF−CF(CF)−CFCF−CHOH(9,9−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−パーフルオロ(3,6−ジオキサ−5−メチル−1−ノネン))、
CF=CF−O−CFCFCF−CHOH(7,7−ジヒドロ−7−ヒドロキシ−パーフルオロ(3−オキサ−1−ヘプテン))、
CF=CF−O−CF−CF(CF)−CFCF−CHOP(O)(OH)(9−ホスホノ−9,9−ジヒドロ−パーフルオロ(3,6−ジオキサ−5−メチル−1−ノネン))、
CF=CF−O−CF−CF(CF)−CFCFCN(パーフルオロ−8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)
が挙げられる。
【0019】
Rは(C)アルケニルを更に表す。アルケニルは、オレフィン不飽和の少なくとも1つのサイトを含むアルキル基を意味する。オレフィン不飽和の単一サイトが存在し、好ましくはオレフィン不飽和が末端ビニル基であることが好ましい。アルキルは炭化水素基を意味し、それはハロゲンで置換されていてもよく、置換されている場合、好ましくはハロゲンはフッ素または塩素であり、好ましくはアルキルはフルオロアルキルであり、より好ましくはパーフルオロアルキルである。アルキルは線状、分岐または環式であってもよい。好ましくはアルキルは線状アルキルである。アルキル基は1つまたは複数のエーテル結合を含んでもよい。好ましくは、アルキル基は1〜20個の炭素原子を有する。これらのフルオロビニルエーテルは、好ましくはトリフルオロビニルアルケニルエーテルである。好ましいフルオロビニルエーテルは、パーフルオロ(アルケニルビニルエーテル)である。例は、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)、1,1−ジヒドロ−2,2,3,4,4−ペンタフルオロ−3−ブテニルトリフルオロビニルエーテルおよび1,1−ジヒドロパーフルオロ−4−ペンテニルトリフルオロビニルエーテル(米国特許公報(特許文献12)および米国特許公報(特許文献13))である。ビニルエーテルのこの類は本発明により反応して二スルホン酸およびスルホネートを与えることが可能である。分子のビニルエーテル部分とアルケニル基の両方が亜硫酸塩と反応するからである。フルオロビニルエーテルのこの類のメンバーは、本明細書でフルオロ(アルケニルビニルエーテル)と呼ばれる。
【0020】
上述したRの類の各々において、Rの中の炭素原子に結合された一価原子の少なくとも1つがフッ素原子である場合、Rはフルオロ化されているといわれる。Rの中の炭素原子に結合された一価原子のすべてがフッ素原子である場合、Rはパーフルオロ化されているといわれる。
【0021】
フルオロビニルエーテルが亜硫酸塩と反応してヒドロフルオロアルカンスルホネートを与えることができるという発見は、より高い分子量でより高い沸点のヒドロフルオロアルカンスルホン酸および対応するスルホネートをより容易に入手できるようにする。PAVEは「PFA」タイプのフルオロポリマーの中で広く用いられ、PAVEの大規模生産のための商用設備はしかるべき場所にある。それに反して、ヘキサフルオロプロピレンを超える、および特にオクタフルオロブチレンを超えるフルオロオレフィンであるより高級なフルオロオレフィンは、著しい量でフルオロポリマーの中で用いられないので、それらの入手可能性は限定的である。特定の官能性ビニルエーテルおよびフルオロ(アルケニルビニルエーテル)も商用フルオロポリマーの基礎である。
【0022】
亜硫酸塩(SO)という用語は、水溶液中でこの化学種が亜硫酸水素塩(HSO)と平衡にあるという理解で本明細書において用いられる。この平衡は亜硫酸(HSO)および二酸化硫黄(SO)も含んでよい。亜硫酸塩対亜硫酸水素塩の比は溶液のpHの関数である。SO/HSOは、硼酸ナトリウムまたは燐酸塩などの外部材料を導入せずに本発明による反応を適切な制御により効果的に緩衝することができる緩衝剤を形成させる。外部材料を避けることが有利である。外部材料が製品の中の不純物源であり得るとともに、加えて、原料のコストを増し、廃棄製品中の様々な化学品を増し、よって処理または回収の難しさとコストを増すからである。
【0023】
本発明によるヒドロフルオロアルカンスルホン酸の形成のために最適なpH範囲は、約4〜12、好ましくは約5〜11、より好ましくは約5〜10、最も好ましくは約5〜9である。最適なpHは、二酸化硫黄(SO)、亜硫酸、亜硫酸水素塩および/または亜硫酸塩などの亜硫酸塩源を水に添加し、反応に外部材料を導入しない試薬の更なる添加によりpHを調節することによって達成することが可能である。外部材料は、本発明による反応の必要な原料に関連しない材料を意味する。必要な原料は水、亜硫酸塩または硫酸である。炭酸塩、炭酸水素塩および/または二酸化炭素など、製品または残留物の汚染なしに容易に除去される意味で一過性である原料は外部材料とみなさない。
【0024】
こうした非外部材料には、水酸化物、二酸化炭素(CO)、炭酸水素塩、炭酸塩、硫酸、硫酸水素塩および硫酸塩、亜硫酸、亜硫酸水素塩および亜硫酸塩が挙げられる。初期に製造された溶液が高すぎるpHを有する場合、上で記載された材料の酸タイプの1つまたは複数、例えば、SO、硫酸、硫酸水素塩またはCOが添加される。初期に製造された溶液が低すぎるpHを有する場合、上で記載された材料の塩基タイプの1つまたは複数、例えば、水酸化物、亜硫酸塩または炭酸塩が添加される。
【0025】
COは特に有効な試薬である。COが存在するとき、COは反応を緩衝するとともに、所望の製品を除くすべてを抑制するように機能する。以下の式(3)で示したように有効な反応物である亜硫酸塩とフルオロ(アルキルビニルエーテル)との反応において形成されたヒドロキシル(OH)イオンと反応することにより、COがこれを行うことが考えられる。
R−O−CF=CF+SO+HO→R−O−CHF−CFSO+OH (3)
水中のCOと平衡にあるHCOの1モルは2つのOHと反応して炭酸塩(CO)を形成し、よってOHとビニルエーテルが反応して酸を形成させるのを抑制する。従って、COの1モルはビニルエーテルの2モルとSOの反応からのOHを中和する。好ましくは、ビニルエーテル対COのモル比は、約50:50〜約75:25、より好ましくは約60:40〜70:30、最も好ましくは約64:36〜68:32の範囲内などの化学量論比66:33(ビニルエーテル/CO)に近くすべきである。
【0026】
あるいは、フルオロビニルエーテルおよびCOは、所望の比で別個のストリームにおいて添加してもよいか、またはCO添加は、反応溶液のpHを監視し、CO添加速度を調節して所望の範囲内にpHを維持する手段によって制御してもよい。
【0027】
イオン性である試薬のためにアルカリ金属塩カチオン、好ましくはナトリウムイオンまたはカリウムイオン、より好ましくはカリウムイオンを有する試薬を用いることが好ましい。後述するように、本プロセスの製品は、合成において用いられた1つまたは複数の金属イオンのヒドロフルオロアルカンスルホネート塩である。
【0028】
ラジカル開始剤、特に反応混合物中に存在するフルオロビニルエーテルの重合を開始させることができるラジカル開始剤を有することは望ましくなく、好ましくは本発明のプロセスにおいて用いられない。更に、酸素は、好ましくは反応容器から除かれるべきである。酸素がフルオロビニルエーテルと反応することができ、オリゴマー化につながる場合があるからである。酸素はヒドロフルオロアルカンスルホン酸の生成と競合する副反応を引き起こし得るとともに、収率を下げ、反応器を汚しラインの目詰まりを引き起こし得る無用な副生物を作り出す。更に、酸素は亜硫酸塩と反応して硫酸塩を生成させる。亜硫酸塩濃度が反応のpHを制御するのに重要であるので、こうした酸素による酸化は望ましくない。
【0029】
本発明によるヒドロフルオロアルカンスルホネートの製造において、好ましくはステンレススチールまたは他の耐腐食性金属の適する容器に亜硫酸塩水溶液を投入する。溶液は水および乾燥原料を投入することによって容器の外で調製してもよいか、または現場(in−situ)で製造してもよい。水が脱イオン水であるとともに酸素フリーであることが好ましい。乾燥原料の取り扱いを避けることを望む場合、水性苛性アルカリ、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムに二酸化硫黄(SO)を添加することにより亜硫酸塩溶液を調製してもよい。溶液のpHは、約4〜12に調節されるべきである。亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩が亜硫酸塩源である場合、硫酸がpH調節のために好都合な酸である。
【0030】
水性亜硫酸塩を投入した後、容器を約0℃〜−40℃に冷却し、排気し、その後、酸素を排除するために少なくとも一度、好ましくは二〜三度、窒素または他の不活性ガスを投入する。容器を排気し、その後、フルオロビニルエーテルを投入し、密閉し、加熱を始める。温度を約125℃に上げ、攪拌しつつ、または振とうしつつ、あるいは容器内容物を攪拌する他の手段を用いつつ約2〜12時間にわたりそこで保持する。反応時間の終わりに、容器を室温に冷却し、排気し、内容物を取り出す。
【0031】
好ましくはロータリーエバポレータ内で好ましくは減圧での水の除去によって内容物を濃縮する。より好ましくは、ロータリーエバポレータ内での水の除去を乾燥点まで行わない。そうでなく、水を凍結乾燥によって更に除去する。凍結乾燥は微細で容易に取り扱えて低水分の固体をもたらす。さもないと、得られた固体は堅くて塊だらけである傾向がある。凍結乾燥機からの製品は、好ましくは約5重量%未満の水を含有し、より好ましくは約1重量%未満の水を含有し、最も好ましくは約0.5重量%未満の水を含有する。
【0032】
水性反応生成物を噴霧乾燥させることによる水の除去も好ましい。
【0033】
水の除去後に、固体(粗製品)は、試薬グレードアセトン中で室温で数時間にわたり攪拌することにより更に精製することが可能である。製品ヒドロフルオロアルカンスルホネートはアセトンに溶解し、残留亜硫酸塩などの無機塩は溶解しない。アセトン溶液の濾過は未溶解不純物を除去する。その後、アセトンを除去するためにアセトン溶液を真空に供する。得られた固体である精製ヒドロフルオロアルカンスルホネート塩は、残留アセトンを除去するために室温で低圧、約1〜20Paで更に乾燥させることが可能である。
【0034】
PMVEまたはPEVEの反応から反応器内容物を冷却すると、製品ヒドロフルオロアルカンスルホネート塩が高純度(約98%を上回る)で沈殿し、液相中に殆ど製品を残さないことが見出された。式(2)で示した反応から生じるカルボン酸塩は、より可溶性であり、液相に残る。所望の製品の十分に定量的な沈殿が起きるとき(この十分な状態はプロセスの規模を含むプロセス経済性に応じて異なる)、粗製品の凍結乾燥または噴霧乾燥およびアセトンの精製は、好ましくは省かれる。
【0035】
製品は、合成において用いられた1つまたは複数の金属イオンのヒドロフルオロアルカンスルホネート塩である。例えば、亜硫酸カリウムが亜硫酸塩源である場合、ヒドロフルオロアルカンスルホン酸カリウムは製品である。すなわち、カリウムイオンはカチオンである。カリウムはヒドロフルオロアルカンスルホネート塩のために好ましいカチオンである。もう1つの金属イオンなどのヒドロフルオロアルカンスルホネートのもう1つのカチオン形態が望まれる場合、これは、当該技術分野で知られているイオン交換法または複分解法を用いて行うことが可能である。強酸イオン交換樹脂、例えば、架橋ポリスチレンをスルホン化することによって製造された樹脂に接触させるなどによる酸との反応によって塩を酸に転化することが可能である(すなわち、陽子(水素イオン)はカチオンである)。便宜上、ヒドロフルオロアルカンスルホネートおよび対応するヒドロフルオロアルカンスルホン酸を式R−O−CFH−CF−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Mは陽子であるか(その場合、分子はヒドロフルオロアルカンスルホン酸である)、または他のカチオンであり、その場合、塩を意味する)のヒドロフルオロアルカンスルホネートとして表すことが可能である。
【0036】
酸性化の好ましい方法は油剤による処理である。これは水を除去した後に行われるが、アセトン精製工程は必要ではない。酸性化は粗製品に関して行ってもよい。水を除去するために粗製品を凍結乾燥することが好ましい。
【0037】
「油剤」という用語は、好ましくは約1〜15重量%の範囲内で三酸化硫黄(SO)を含むHSOを意味する。乾燥製品の部当たり好ましくは少なくとも約1部の油剤の重量比で油剤を用いる。一般に2〜5重量%の水を含有する濃硫酸でなく油剤を用いることにより、ヒドロフルオロアルカンスルホン酸水和物の生成が避けられる。酸水和物は、しばしば室温で蝋状の固体である。コンデンサの冷媒の温度が制御されていない場合、それらは蒸留中にコンデンサ内で固化し得る。それは厄介な必然である。
【0038】
市販の油剤は高すぎるSO含量を有する場合がある。それならば、商用油剤を硫酸と混合することによってSO濃度を下げることが可能である。硫酸の添加は商用油剤を希釈し、硫酸中の水は多少のSOと反応して硫酸を生成させる。結果は、より低いSO濃度の油剤である。
【0039】
油剤の添加は、蒸留缶内で加熱すると特定のスルホン酸に応じて溶液を形成させる場合があるスラリーを与える。
【0040】
大過剰の油剤は望ましくない。それは、スルホン酸の低い収率と、スルホン酸エステルであると考えられるより低い沸点の製品の生成につながり得る。本プロセスにおいて、少量、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約3重量%以下、最も好ましくは約1重量%以下の、所望のスルホン酸製品の前に蒸留から生じる低沸点材料が存在するべきである。これは蒸留缶を汚す水和物が残らないことを確実にする。この過剰にある低沸点材料は、多すぎる油剤が使用されており、その量を減らすべきであることの指標である。
【0041】
高純度での沈殿以外の方法によって水を除去するときに有用である本発明の好ましい形態によると、固体を油剤で「直接処理する」ことによって、得られた固体は好ましくは酸形態に転化される。油剤で「直接処理する」という用語は、介在抽出工程を用いず、処理のための製品に油剤を混合または接触させることを意味する。その後、油剤混合物を沸騰まで加熱し、製品酸を蒸留する。酸が水と組み合わされている水和物形態であることが分かった場合、より強い油剤または製品からのより完全な水除去は、酸水和物を塩化チオニルで処理して非水和酸を作るなどの追加のプロセス工程を避けるために望ましい。
【0042】
本発明によるヒドロフルオロアルカンスルホネートの好ましい類は、
MOS−CF−CHF−(OCFCF(CF))(O)(CF−Z(式中、Mはカチオンであり、pは0または1であり、mは0〜10であり、nは1〜20であり、但し、mが0であるとき、pは0であり、さらに、mが0より大きいとき、pは1であり、Zは、−CHOH;カルボン酸エステル、アミド、酸または塩を含むカルボキシル(−COO);ハロゲン化スルホニル、好ましくはフッ素化スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドまたはスルホネート塩を含むスルホネート(−SO);ホスホン酸、酸ハロゲン化物または塩を含むホスホネート(−O−P(O)O)、グリシジル、シアニド(−CN)、シアネートおよびカルバメートなどの官能基である)
式MOS−CF−CHF−O−Y−CF−Z(式中、Mはカチオンであり、Yはアルキレン、好ましくはフルオロアルキレン、より好ましくはパーフルオロアルキレンであり、環式であってもよく、1つまたは複数のエーテル酸素を含んでもよく、最も好ましくはCFであり、Zは、−CHOH;カルボン酸エステル、アミド、酸または塩を含むカルボキシル(−COO);ハロゲン化スルホニル、好ましくはフッ素化スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドまたはスルホネート塩を含むスルホネート(−SO);ホスホン酸、酸ハロゲン化物または塩を含むホスホネート(−O−P(O)O);グリシジル、シアニド(−CN)、シアネートおよびカルバメートなどの官能基である)のヒドロフルオロアルカンスルホネート、
MOS−CF−CHF−O−CF−CF(CF)O−CFCF−SO(式中、Mはカチオンであり、MはOH、NR(ここで、RおよびRは独立して水素またはアルキルである)およびOX(ここで、Xはカチオンである)からなる群から選択される)、
MOS−CF−CHF−O−CF−CF(CF)O−CFCF−COM(式中、Mはカチオンであり、MはOH、NR(ここで、RおよびRは独立して水素またはアルキルである)およびOX(ここで、Xはカチオンである)からなる群から選択される)、
MOS−CF−CHF−O−CFCF−SO(式中、Mはカチオンであり、MはOH、NR(ここで、RおよびRは独立して水素またはアルキルである)およびOX(ここで、Xはカチオンである)からなる群から選択される)、
MOS−CF−CHF−O−CFCF−COM(式中、Mはカチオンであり、MはOH、NR(ここで、RおよびRは独立して水素またはアルキルである)およびOX(ここで、Xはカチオンである)からなる群から選択される)、
MOS−CF−CHF−O−CF−CF(CF)O−CFCFCHOH(これはMOS−CF−CHF−O−CF−CF(CF)O−CFCFCNから誘導される)、
MOS−CF−CHF−O−CF−CF(CF)O−CFCFCHOP(O)(OM)
MOS−CF−CHF−O−CR(CFCFHCF−SO
である。
2個以上のイオン基を有するヒドロフルオロアルカンスルホネートに関して、カチオンは同じである必要はない。
【0043】
上述したプロセスをバッチプロセスとして行ってもよい。本発明によるプロセスは、反応器の液体内容物の連続排出または周期的排出および反応物の連続補充または周期的補充により連続で行ってもよい。
【0044】
光酸発生剤またはイオン性液体として有用な上述したヒドロフルオロアルカンスルホネートの塩は、クラス、有機オニウムイオンから選択されたカチオンを有する。これらには、光酸発生剤のために好まれるトリフェニルスルホニウムおよびジフェニルヨードニウムなどのスルホニウムおよびヨードニウム、ならびに特にアンモニウム、ホスホニウム、ブロモニウム、クロロニウムおよびアルソニウムが挙げられる。
【0045】
酸R−O−CXH−CX−SOHで出発する塩の製造において、酸は銀塩、例えば炭酸銀と反応してスルホン酸の銀塩R−O−CXH−CX−SOAgを生成させてもよい。その後、この銀塩は、例えば、[(R)(R)(R)S]Xまたは[(R)(R)I]X(式中、X=Cl、BrまたはI)と反応して不溶性AgXおよび所望のオニウムカチオンYSOを形成させる。
【0046】
好ましい方法は、カリウム塩R−O−CXH−CX−SOKと、例えば、(R)(R)(R)SX−または(R)(R)I(式中、X=Br、Cl、I)とを直接反応させて不溶性MXおよび所望のスルホニウム塩またはヨードニウム塩R−O−CXH−CX−SOMを生成させることである。この方法は酸を生成させる必要性を回避し、高純度、例えば、光平版印刷プロセスに有害であり得る金属10ppm未満の材料を与えることが可能である。
【0047】
本発明の選択された実施形態において、Mはトリフェニルスルホニウムまたはトリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムである。
【0048】
便宜上、本明細書においてMをスルホニウムまたはヨードニウムと呼ぶ。上の構造において、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立してアルキル基、一環式アルキル基または二環式アルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ペリル基、チエニル基、アラルキル基またはアリールカルボニルメチレン基を表すか、またはR、RおよびRのいずれか2つあるいはRとRはアルキレンまたはオキシアルキレンを一緒に表し、それは間に入る硫黄または沃素と一緒になって5員環または6員環を形成させる。この環は、アリール基により任意に縮合され、R、R、R、RおよびRの1つまたは複数の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、環式アルキル基、アルコキシ基、環式アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、二環式ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基および式I〜Vの基からなる群から選択された1つまたは複数の基によって任意に置換される。
【0049】
【化1】

【0050】
式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基を表し、そのアルキル基は1つまたは複数のハロゲン原子あるいは環式アルキル基によって置換されていてもよく、その環式アルキル基は1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されていてもよい。あるいは、RおよびRは環を形成させるアルキレン基を一緒に表すことが可能である。Rはアルキル基、環式アルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRは間に入る−C−O−基と一緒になって環を形成するアルキレン基を一緒に表す。この環の中の炭素原子は酸素原子によって任意に置換されている。Rはアルキル基または環式アルキル基を表し、このアルキル基または環式アルキル基の中の1個または2個の炭素原子は、酸素原子、アリール基またはアラルキル基によって任意に置換されており、R10およびR11はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基または環式アルキル基を表し、R12はアルキル基、環式アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R13はアルキル基、環式アルキル基、アリール基およびアラルキル基、基−Si(R1213または基−O−Si(R1213を表す。
【0051】
本発明のためのフォトレジスト樹脂として有用なバインダーは、マイクロリソグラフィーにおいて用いるために適する透明特性を有するいずれかのポリマーを含む。本発明のために適するバインダーが、より長い波長で画像形成するために化学的に増幅された248nm(深UV)および193nmのフォトレジストに典型的に導入されるポリマーを含んでもよいことが考慮されている。典型的な248nmフォトレジストバインダーはパラヒドロキシスチレンのポリマーに基づいている。適する248nmフォトレジストバインダーの他の例は、参考文献(非特許文献1)において見られる。193nmフォトレジストのために有用なバインダーには、((非特許文献2)、(非特許文献3)および(非特許文献4)において開示されたものなどの)シクロオレフィン−無水マレイン酸交互コポリマー、((非特許文献5)および(特許文献14)において開示されたものなどの)金属触媒ビニル付加重合または開環複分解重合によって調製された官能化ノルボルネン型モノマーのポリマー、(米国特許公報(特許文献15)に記載されたものなどの)アクリレートコポリマーが挙げられる。本発明と合わせて用いるために適するフォトレジストバインダーには、((非特許文献6)および(非特許文献7)において開示されたものなどの)フルオロアルコール官能基を含むポリマーなどの248nmおよび193nmより低い波長で透明であるバインダーも挙げられる。
【0052】
これも有用であるポリマーの典型的な例は、157nmの照射波長で画像形成される化学増幅フォトレジストの中で用いるために開発されたポリマーである。こうしたポリマーの例は、フルオロアルコール官能基を含むフルオロポリマーである。適する例は、(特許文献16)および(特許文献17)で開示されている。
【0053】
フォトレジスト組成物中のポリマーバインダーの量は、全フォトレジスト組成物(固体)の重量を基準にして約50〜約99.5重量%の量であってもよい。
【0054】
本発明によるフォトレジスト組成物は、ポリマーバインダーと光活性成分、すなわち有機オニウムヒドロフルオロアルカンスルホネートの組み合わせを含む。光活性化合物は、フォトレジスト組成物の全乾燥重量を基準にして約0.5〜約10重量%、典型的には約1〜約5重量%の量で存在してもよい。
【0055】
種々の溶解抑制剤を本発明によるフォトレジスト組成物の中で用いることが可能である。理想的には、遠UVフォトレジストおよび極UVフォトレジスト(例えば193nmフォトレジスト)のための溶解抑制剤(DI)は、所定のDI添加剤を含むフォトレジスト組成物の溶解抑制、耐プラズマエッチング性および接着挙動を含む多数のニーズを満足させるように選択される。典型的には、溶解抑制剤は、現像プロセスを助けるためにフォトレジスト組成物の中に含まれる。良好な溶解抑制剤は、ポジティブワーキング系における現像工程中にフォトレジスト層の非露光領域を溶解しないように抑制する。有用な溶解抑制剤は、その機能が亀裂に耐えるより脆くないフォトレジスト層を提供する可塑剤としても機能する場合がある。これらの特徴は、フォトレジスト組成物のコントラスト、耐プラズマエッチング性および接着挙動を改善するように意図されている。
【0056】
幾つかの溶解抑制化合物はフォトレジスト組成物中の可塑剤としても作用する場合がある。
【0057】
様々な胆汁酸塩エステル(すなわちコール酸エステル)は本発明の組成物の中の溶解抑制剤として特に有用である。胆汁酸塩エステルは、1983年にレイヒマニス(Reichmanis)らによる研究(非特許文献8)で始まり、深UVフォトレジストのための有効な溶解抑制剤であることが知られている。胆汁酸塩エステルは、自然源からの入手可能性、高い脂環式炭素含量、電磁スペクトルの深UV領域および真空UV領域(本質的には遠UV領域および極UV領域でもある)において特に透明であること(例えば、典型的には、胆汁酸塩エステルは193nmで高度に透明である)を含む幾つかの理由で溶解抑制剤として特に魅力的な選択肢である。更に、胆汁酸塩エステルは、ヒドロキシル置換および官能化に応じて広い範囲の疎水適合性から親水適合性を有するように設計できるので魅力的な溶解抑制剤選択肢でもある。
【0058】
本発明のための溶解抑制剤として適する代表的な胆汁酸および胆汁酸誘導体には、次の通りである以下に例示したもの、コール酸(IV)、デオキシコール酸(V)、リトコール酸(VI)、t−ブチルデオキシコール酸塩(VII)、t−ブチルリトコール酸塩(VIII)およびt−ブチル−3−α−アセチルリトコール酸塩(IX)が挙げられるが、それらに限定されない。化合物VII〜IXを含む胆汁酸塩エステルは本発明における好ましい溶解抑制剤である。
【0059】
【化2】

【0060】
フォトレジスト組成物中の溶解抑制剤の量は、フォトレジスト組成物中の固体の全重量を基準にして約0.5〜約50重量%の範囲であってもよい。
【0061】
本発明の組成物は任意の追加成分を含むことが可能である。添加することができる追加成分の例には、解像度強化剤、定着剤、残査減少剤、被覆助剤、可塑剤、T(ガラス転移温度)調整剤が挙げられるが、それらに限定されない。架橋剤はネガティブワーキングフォトレジスト組成物中に存在してもよい。幾つかの典型的な架橋剤には、4,4’−ジアジドジフェニルスルフィドおよび3,3’−ジアジドジフェニルスルホンなどのビスアジドが挙げられる。典型的には、少なくとも1種の架橋剤を含むネガティブワーキング組成物は、現像剤溶液に可溶性でなく、分散されず、実質的に膨潤されない架橋ポリマーを製造するためにUVに露光すると発生する反応性化学種(例えばニトレン)と反応することが可能な適する官能基(例えば不飽和C=C結合)も含む。
【0062】
フォトレジスト組成物は、一定量の溶媒、典型的にはシクロヘキサノンなどの有機溶媒を含むことが可能である。溶媒は、バインダーおよび光活性成分を溶解させるのに十分な量で通常は用いられる。有用であると判明した特定の溶媒はシクロヘキサノンである。
【0063】
基材上にフォトレジスト画像を形成させる方法は、順に
(A)フォトレジスト層に像様に露光して画像形成領域と非画像形成領域を形成させる。ここで、フォトレジスト層は、
(a)ポリマーバインダーおよび
(b)上述した光酸発生剤YSOから選択された光活性成分
を含むフォトレジスト組成物から調製される。
(B)画像形成領域と非画像形成領域を有する露光されたフォトレジスト層を現像して、基材上にレリーフ画像を形成させる。
【0064】
フォトレジスト層は、基材上にフォトレジスト組成物を被着させ、乾燥させて溶媒を除去することにより調製される。フォトレジスト層は、典型的にはプライマを上に被着させたシリコンウェハを基材上に回転被覆することにより被着させる。こうして形成されたフォトレジスト層は、電磁スペクトルの紫外線領域において、および特に365nm以下の波長に対して感光性である。本発明のフォトレジスト組成物の像様露光は、365nm、248nm、193nm、157nmおよびより低い波長に限定されないが、それらを含む様々な多くのUV波長で行うことが可能である。像様露光は、好ましくは、248nm、193nm、157nmまたはより低い波長の紫外線により行われ、好ましくは193nm、157nmまたはより低い波長の紫外線により行われ、最も好ましくは、157nmまたはより低い波長の紫外線により行われる。像様露光は、レーザまたは相当装置によりディジタルで、あるいはフォトマスクの使用により非ディジタルで行うことが可能である。レーザによるディジタル画像形成は好ましい。本発明の組成物のディジタル画像形成のために適するレーザ装置には、193nmでUV出力を有するアルゴン−フッ素エキシマレーザ、248nmでUV出力を有するクリプトン−フッ素エキシマレーザおよび157nmで出力を有するフッ素(F)レーザが挙げられるが、それらに限定されない。上述したように、像様露光のためのより低い波長のUV線の使用がより高い解像度(解像度下限)に相当するので、より低い波長(例えば、193nmまたは157nm以下)の使用は、より高い波長(例えば248nm以上)の使用に比べて一般には好ましい。露光後、ウェハは、現像剤中で除去されるフォトレジストの露光領域の能力を増すか、または減らすために通常は焼成される。本発明のフォトレジスト組成物は、UV線を像様露光した後に現像のために十分な官能基を含まなければならない。好ましくは、官能基は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液または水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化アンモニウム溶液などの塩基性現像剤を用いて水性現像が可能であるように酸または保護酸である。
【0065】
水加工性フォトレジストが基材に被覆されるか、または別の方法で被着され、UV線に像様露光されるとき、フォトレジスト組成物の現像は、バインダー材料が十分な酸基(例えばフルオロアルコール基)および/またはフォトレジスト(または他の光画像形成可能な塗料組成物)を水性アルカリ現像剤中で加工性にするために露光すると少なくとも部分的に脱保護される保護酸基を含むことを必要とする場合がある。ポジティブワーキングフォトレジスト層の場合、フォトレジスト層は、0.262N水酸化テトラメチルアンモニウムを含む完全に水性の溶液などの水性アルカリ液によって、UV線に露光される部分であるが、現像中に非露光部分の実質的に影響を受けない部分において現像(通常120秒以下にわたる25℃での現像による)中に除去される。ネガティブワーキングフォトレジスト層の場合、フォトレジスト層は、臨界流体または有機溶媒のいずれかを用いて、UV線に露光されない部分であるが、現像中に露光部分の実質的に影響を受けない部分において現像中に除去される。
【0066】
本明細書で用いられる臨界流体は、その臨界温度付近またはそれより上の温度に加熱され、且つその臨界圧力付近またはそれより上の圧力に圧縮された1つまたは複数の物質である。本発明における臨界流体は、少なくとも、流体の臨界温度より15℃未満より高い温度且つ少なくとも、流体の臨界圧力より5気圧(500kPa)未満より高い圧力にある。二酸化炭素は本発明において臨界流体のために用いてもよい。種々の有機溶媒を本発明において現像剤として用いることも可能である。これらには、ハロゲン化溶媒および非ハロゲン化溶媒が挙げられるが、それらに限定されない。ハロゲン化溶媒は典型的であり、フッ素化溶媒はより典型的である。
【0067】
本発明において用いられる基材は、半導体製造において用いられるあらゆる材料、例えば、シリコン、二酸化シリコンおよび窒化シリコンなどから通常製造されたウェハであることが可能である。通常は、プライマはシリコンウェハに被着させる。典型的なプライマ組成物はヘキサメチルジシラザンである。
【実施例】
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
NB−F−OHは、(特許文献18)(11/9/2000)においてフェリング(Feiring)およびフェルドマン(Feldman)によって記載された通りに調製した。
【0071】
【表3】

【0072】
特に明記のない限り、すべての温度は℃であり、すべての質量測定値はグラムであり、すべての百分率は重量%である。
【0073】
特に指示のない限り、実施例において与えられた構造内に現れるnはポリマーの反復単位の数を表す。明細書全体を通して、構造内に現れるpはポリマーの反復単位の数を表す。
【0074】
ガラス転移温度(T)は、20℃/分の加熱速度を用いてDSC(示差走査熱分析)によって決定した。データは第二熱から報告されている。用いたDSC装置は、デラウェア州ウィルミントンのTA インストルメンツ(TA Instruments(Wilmington,DE))によって製造されたModel DSC2910である。
【0075】
「クリアリングドーズ」という用語は、露光後に所定のフォトレジストフィルムが現像を受けることを可能にする最小露光エネルギー密度(例えば、mJ/cmの単位)を表す。
【0076】
特に指示のない限り、すべての試薬は、シグマ−アルドリッチ社(Sigma−Aldrich Co.)(ミズーリ州セントルイス(St.Louis,MO))から入手した。
【0077】
(実施例1)
(1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホン酸カリウム(TTES−K)および(1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホン酸の合成)
この実施例は、本発明によるパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の反応を実証している。400mLの「ハステロイ(Hastelloy)」(登録商標)C276反応容器に11.4gの亜硫酸水素カリウム水和物(KHSO・HO、95%、アルドリッチ(Aldrich)、0.07モル)、44.5gのメタ重亜硫酸カリウム(K、99%、マリンクロト(Mallinckrodt)、0.20モル)および200mlの脱イオン水の溶液を投入する。この溶液のpHは5.8である。容器を−35℃に冷却し、−3psig(80.6kPa)まで排気し、窒素でパージする。排気/パージサイクルをもう2回繰り返す。その後、60gのパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE、0.36モル)を容器に添加する。容器を125℃に加熱し、その時の内圧は571psig(4040kPa)である。反応温度を125℃で4時間にわたり維持する。圧力は33psig(330kPa)に低下し、その時点で、容器を排気し、25℃に冷却する。反応生成物はpH7.0および沈殿物のクリアな淡黄色反応溶液である。
【0078】
粗反応生成物を凍結乾燥機(「ビルチス フリーズモービル(Virtis Freezemobile)」35×l)に72時間にわたり入れて含水率を約0.5重量%(117g)に下げる。全固体の理論質量は約119gである。粗製品を800mlの試薬グレードアセトンにより25℃で4時間にわたり攪拌する。製品は溶解し、フリットガラス漏斗を通して濾過により未溶解無機塩を除去する。アセトンを減圧下で除去し、残りの固体を25℃で3時間にわたり30ミリトル(4Pa)で乾燥させて残留アセトンを除去し、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホン酸カリウム(TTES−K)として識別(以下参照)された86.7g(収率84%)の白色固体をもたらす。
19F NMR(DO)δ−59.9(d,FH=4Hz,3F);−119.6、−120.2(サブスプリットABq,J=260Hz,2F);−144.9(dm,FH=53Hz,1F)
H NMR(DO)δ6.6(dm,FH=53Hz,1H)
カールフィッシャー滴定による%水:71ppm
HFSOKのために計算された分析:C;12.6、H;0.4、N;0.0、検出:C;12.6、H;0.0、N;0.1。
融点(DSC)257℃
TGA(空気):343℃で10重量%損失、358℃で50重量%損失
TGA(窒素):341℃で10重量%損失、375℃で50重量%損失
【0079】
サイドアーム付きの100ml丸底フラスコにディジタル温度計およびマグネチックスターラーを備え付け、窒素による正圧下で氷浴に入れる。攪拌しつつ35gの濃硫酸(イーエム・サイエンス(EM Science)、95〜98%)および95gの油剤(アクロス(Acros)、20重量%SO)に加えて、前工程からの60gの粗TTES−Kをフラスコに添加する。この油剤量は、なお若干過剰に存在しつつSOが反応し、硫酸および粗TTES−Kの中の水を除去するように選択される。混合は僅かの発熱を引き起こし、それを氷浴によって制御する。一旦発熱が終わると、水コンデンサ付きの蒸留ヘッドをフラスコ上に置き、それを安全遮蔽材の後ろで窒素下で加熱する。発泡を避けるために100トル(13kPa)の工程でPTFEメンブレン真空ポンプ(ブチ(Buchi)V−500)を用いて圧力をゆっくり下げる。過剰の一切のSOを集めるために、蒸留装置とポンプとの間に乾燥−氷トラップも置く。フラスコを加熱し、圧力を20〜30トル(2.7〜4.7kPa)で保持する。フラスコ内容物が還流し始め、その後、留出する。より低い沸点の不純物の前留分(約2.0g)を得た後、30gの無色液体を集める。それは予期した酸、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホン酸のスペクトルと一致するスペクトルを有することがNMR分析によって判明する。
【0080】
(実施例2)
(1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホン酸カリウム(TTES−K)の合成)
1ガロンの「ハステロイ(Hastelloy)」C276反応容器に114gの亜硫酸カリウム水和物(KHSO・HO、95%、アルドリッチ(Aldrich)、0.72モル)、440gのメタ重亜硫酸カリウム(K、99%、マリンクロト(Mallinckrodt)、1.98モル)および2000mlの脱イオン水の溶液を投入する。この溶液のpHは5.8である。容器を−35℃に冷却し、−3psig(81kPa)まで排気し、窒素でパージする。この排気/パージサイクルをもう2回繰り返す。その後、600gのパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE、3.61モル)を容器に添加する。容器を125℃に加熱し、その時の内圧は462psig(3290kPa)である。反応温度を125℃で6時間にわたり維持する。圧力は25psig(275kPa)に低下し、その時点で、容器を排気し、25℃に冷却する。一旦冷却すると、白色結晶沈殿物が生じ、その上にクリアな無色液体(pH=7)を残す。白色固体の19F NMRは、それが高純度(98%を上回る)の所望の製品であることを示している。液体の19F NMRは、上の式(3)の水和製品の少量であるが検出可能な量を示している。
【0081】
液体および沈殿物をスラリー化し、殆どの水を除去するために6時間にわたりフリットガラス漏斗を通して吸引濾過する。その後、湿りケーキを100トル(13kPa)および50℃で48時間にわたり真空炉内で乾燥させる。これは、854g(収率83%)の白色粉末をもたらす。好ましくない水和製品(式(2))が濾過中に水に残るので最終製品は純粋(19F NMRおよびH NMRによる)である。水層を凍結乾燥させて325gの材料をもたらす。
HFSOKのために計算された分析:C;12.6、H;0.4、N;0.0、検出:C;12.3、H;0.7、N;0.0。
【0082】
この実施例は、所望の付加体が高純度で良好な収率で沈殿することを示している。それは特に精製せずに用いることが可能である。付加体の殆どは液層に残らない(17%未満)。
【0083】
(実施例3)
(1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸カリウム(TPES−K)の合成)
「ハステロイ(Hastelloy)」C276製の1ガロン反応容器に88gの亜硫酸カリウム水和物(KHSO・HO、95%、アルドリッチ(Aldrich)、0.56モル)、340gのメタ重亜硫酸カリウム(K、99%、マリンクロト(Mallinckrodt)、1.53モル)および2000mlの脱イオン水の溶液を投入する。容器を7℃に冷却し、−7psig(48kPa)まで排気し、窒素でパージする。排気/パージサイクルをもう2回繰り返す。その後、600gのパーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE、2.78モル)を容器に添加する。容器を125℃に加熱し、その時の内圧は320psig(2300kPa)である。反応温度を125℃で10時間にわたり維持する。圧力は23psig(260kPa)に低下し、その時点で、容器を排気し、25℃に冷却する。粗反応生成物は、その上に無色水層(pH=7)を有する白色結晶沈殿物である。
【0084】
白色固体の19F NMRは所望の純製品であることを示している。水層の19F NMRは、式(3)で示した水和製品の少量であるが検出可能な量を示している。
【0085】
所望の化合物(CO−CFH−CF−SO)は水に、より不溶性であり、従って、それは純粋形態で沈殿する。
【0086】
フリットガラス漏斗を通して製品スラリーを吸引濾過する。湿りケーキを真空炉(60℃、100トル(13kPa))内で48時間にわたり乾燥させる。製品をくすんだ白色の結晶(904g、収率97%)として得る。
19F NMR(DO)δ−86.5(s,3F)、−89.2、−91.3(サブスプリットABq,FF=147Hz,2F);−119.3、−121.2(サブスプリットABq,FF=258Hz,2F)、−144.3(dm,FH=53Hz,1F)
H NMR(DO)δ6.7(dm,FH=53Hz,1H)
融点(DSC):263℃
HOSKのために計算された元素分析:C;14.3、H;0.3、検出:C;14.1、H;0.3。
TGA(空気):359℃で10重量%損失、367℃で50重量%損失
TGA(窒素):362℃で10重量%損失、374℃で50重量%損失
【0087】
液相のNMR分析は、液層が約30%の好ましくない水和製品(式(3))約3%を含んでいることを示している。
【0088】
実施例2の付加体と比べて、PEVEのより高い分子量の付加体は、より不溶性であり、従って、より高い収率で沈殿し、よって液相に残るたとえ少量であれ更なる精製または更なる回収のための必要性を回避する。
【0089】
(実施例4)
(亜硫酸水素ナトリウムとパーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホン酸リチウムの付加体の合成)
実施例4は官能性ビニルエーテルの反応を示している。この場合、製品は両端でスルホネート基を有する。
【0090】
1.パーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−フッ素化オクテンスルホニル(PDMOF)のリチウム塩の合成
反応は
【0091】
【化3】

【0092】
として表すことが可能である。50mLの二口フラスコに1.66g(0.02モル)の炭酸リチウム(アルドリッチ(Aldrich)、99%を上回る)および10mLの乾燥メタノールを添加する。系を窒素でパージし、氷浴を用いて7℃に冷却する。ガラスシリンジを経由してPDMOF(10.0g、0.02モル)を20分にわたり滴下する。この添加中に発熱は観察されない。溶液を放置して室温(20〜25℃)に暖め、12時間にわたり攪拌する。反応を19F NMRによって監視し、硫黄に結合されたフッ素に関する信号(+43.4ppm)がもう観察されない時に完了する。
【0093】
0.4マイクロメートルのテフロン(Teflon)(登録商標)PTFEシリンジフィルタを通して反応溶液を濾過して弗化リチウム沈殿物および残りの一切の炭酸リチウムを除去する。メタノールを真空(60mトル(8Pa)、25℃、4時間)で除去して10gの蝋状固体をもたらす。製品は多少のメタノールをなお含んでいる。
【0094】
2.Li−PMDOFと亜硫酸ナトリウム/亜硫酸水素ナトリウムの反応
反応は
【0095】
【化4】

【0096】
として表すことが可能である。100mLのフラスコに10gのLi−PMDOF(0.02モル)、2.3gの亜硫酸水素ナトリウム(0.02モル)、0.6gの亜硫酸ナトリウム(4.4ミリモル)および40mLの脱イオン水を添加する。この混合物を攪拌し、油浴を用いて加熱して2時間にわたり還流させる。この時点での溶液の19F NMR(DO)スペクトルは、一切のビニルフッ素信号が存在しない状態によって完全な転化を示している。水溶液(pH=7)を減圧下で還元して白色固体として粗製品をもたらす。固体を50mLの分光分析グレードアセトン(アルドリッチ(Aldrich))に溶解させ、12時間にわたり磁気的に攪拌する。少量の不溶材料(約2g)を吸引濾過によって除去し、残りのアセトンを減圧下で除去して12.0g(0.22モル)の白色固体(収率97%)をもたらす。
HO13NaLiのために計算された分析:C;15.2、H;0.2、N;0.0、検出:C;15.0、H;1.2、N;0.2。
融点(DSC)135℃
TGA(空気):360℃で10重量%損失、411℃で50重量%損失
TGA(窒素):356℃で10重量%損失、394℃で50重量%損失
DSCは示差走査熱分析である。
TGAは熱重量分析である。
【0097】
(実施例5)
(トリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(TPS−TPES)の合成)
TPS−TPES、カリウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(29.4g、8.74×10−2モル)を1000mLのフラスコ内で室温(RT)で600mLの脱イオン水に溶解させる。500mLの別個のフラスコ内で、30.0g(8.74×10−2モル)の臭化トリフェニルスルホニウム(TPS−Br、オハイオ州デイトンのデイケム社(DayChem Inc.(Dayton,Ohio)))を40℃で220mLの脱イオン水に溶解させる。これらの2つの溶液を組み合わせ、RTで3時間にわたり攪拌する。その時点で製品はフラスコの底上で淡黄色油として観察される。油を除去し、脱イオン水の2×100mL部分で洗浄する。その後、油を75ミリトル(10Pa)および40℃で1時間にわたり、次に60ミリトル(8Pa)および25℃で5時間にわたり、減圧下で乾燥させる。製品は淡黄色油(42.3g、粗収率86%)の形態を取っている。製品は数日の期間にわたってこの油から白色固体として結晶化した(34.0g、収率69%)。
19F NMR(d−DMSO)δ−87.4(s,3F)、−89.5、−91.8(サブスプリットABq,JFF=147Hz,2F);−122.4、−124.0(サブスプリットABq,JFF=253Hz,2F)、−143.9(dm,JFH=54Hz,1F)。H NMR(d−DMSO)δ6.5(dt,J=54Hz,J=7Hz,1H)、7.8(m,15H)。
炭素水素(元素)分析;検出:C46.7、H2.7、融点(DSC)=74.9℃。
【0098】
NMRおよび元素分析の結果は、製品がトリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(TPS−TPES)であることを示している。
【0099】
(実施例6)
(トリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート(TPS−TTES)の合成)
TPS−TTES、カリウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート(25.0g、8.74×10−2モル)を500mLのフラスコ内で200mLの脱イオン水に溶解させる。500mLの別個のフラスコ内で、30.0g(8.74×10−2モル)の臭化トリフェニルスルホニウム(TPS−Br、デイケム社(DayChem Inc.))を200mLの脱イオン水に溶解させる。これらの溶液を攪拌しつつ15分にわたり40℃に加熱して固体を溶解させる。なお暖かい間に2つの溶液を混合し、それは、即時の乳白色懸濁液と淡褐色油をもたらした。この混合物をRTで16時間にわたり攪拌する。油を分離し、無色水層(pH=4)を塩化メチレン(3×100mL)で抽出する。製品油を塩化メチレン洗浄液と組み合わせ、この有機層を50mLの飽和炭酸ナトリウム、次に脱イオン水で更に洗浄する。この層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で還元して43.7gの黄色油(粗収率98%)をもたらす。所望の製品は油からゆっくり結晶化して白色結晶固体をもたらす。
19F NMR(CDCN,ref.CFCl)δ−58.8d、JFH=4Hz,3F);−121.6(m,2F)、−143.6(dm,JFH=54Hz,1F)。
H NMR(CDCN)δ6.4(dt,JHF=7Hz,JHF=54Hz、1H)、7.8(m,15H)。
炭素水素(元素)分析;C49.0、H3.0、融点(DSC)=63.7℃。
【0100】
NMRおよび元素分析の結果は、製品がトリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート(TPS−TTES)であることを示している。
【0101】
(実施例7)
(TPS−TPES光酸発生剤(PAG)から調製されたフォトレジスト)
A.TFE/NB−F−OH/PinAc/HAdA/MAdAペンタポリマーの合成
4000mLの圧力容器に695.4g(2.398モル)のNB−F−OH、25.1g(0.146モル)のPinAc、77.4g(0.282モル)のHAdA、10.7g(0.049モル)のMAdA、60.4g(0.840モル)のTHFおよび381.6g(2.578モル)の「ソルカン(Solkane)」(登録商標)365mfcを投入する。容器を密閉し、100rpmで攪拌しつつ50℃に加熱する。その後、反応器圧力が180psig(1.24MPa)に達するまで容器にTFEを投入する。その時点で、約86g(0.860モル)のTFEがその圧力および温度で溶液中にあると予想される。実験の始めのモノマー組成は23%TFE、64%NB−F−OH、4%PinAc、8%HAdAおよび1%MAdA(モル%)を目標とし、反応器は溶解TFEを含む1336gの溶液を含んでいた。反応温度と反応圧力の設定点に達するとき、反応器への3つの溶液の連続流れを始める。これらの溶液の2つはモノマーおよび連鎖移動剤(THF)を含み、第3の溶液は開始剤を含んでいた。第1のモノマー溶液は、711.9g(2.455モル)のNB−F−OH、51.6g(0.717モル)のTHFおよび125.4g(0.847モル)の「ソルカン(Solkane)」(登録商標)365mfcを含んでいた。この溶液を1.054g/分の一定速度でイスコ(Isco)シリーズD高圧精密シリンジポンプによって720分にわたり反応器に計量供給する。第2のモノマー溶液は、122.8g(0.714モル)のPinAc、378.1g(1.380モル)のHAdA、52.3g(0.238モル)のMAdA、49.0g(0.681モル)のTHF、119.1g(0.805モル)の「ソルカン(Solkane)」(登録商標)365mfcおよびモノマーの溶解を助けるための171.4g(2.301モル)の酢酸メチルを含んでいた。この溶液を1.088g/分の一定速度で第2のイスコ(Isco)シリーズD高圧精密ポンプで720分にわたり計量供給する。開始剤溶液は、89.2g(0.224モル)の「パーカドックス(Perkadox)」(登録商標)16N、369.7g(2.498モル)の「ソルカン(Solkane)」(登録商標)365mfcおよび518.9g(7.012モル)の酢酸メチルを含んでいた。開始剤溶液を35.49g/分で6分にわたり、その後、1.42g/分の速度で480分にわたりイスコ(Isco)シリーズD高圧精密シリンジポンプによって反応器に計量供給する。反応器圧力を180psig(1.34MPa)で維持することによりTFEを720分の間に反応器に供給する。反応から720分後に容器に添加された原料の計算全量は、275.7g(2.757モル)のTFE、1287.9g(4.441モル)のNB−F−OH、132.3g(0.769モル)のPinAc、407.5g(1.487モル)のHAdA、56.4g(0.256モル)のMAdA、146.2g(2.031モル)のTHF、922.9g(6.236モル)の「ソルカン(Solkane)」(登録商標)365mfc、602.3g(8.139モル)の酢酸メチルおよび81.6g(0.205モル)の「パーカドックス(Perkadox)」(登録商標)16Nである。反応温度を50℃で保持し、圧力を180psig(1.34MPa)でTFEのフィードにより維持し、攪拌速度は反応の720分の間に100rpmである。720分後、TFEのフィードを止め、反応器を50℃で4時間にわたり攪拌下で保持する。その後、容器を室温に迅速に冷却し、1気圧まで排気する。粘度を下げ、容器のリンスを助けるために追加の400mlのTHFを添加後にブローケーシングを経由して容器内容物をコンテナーに移送する。16020mlのn−ヘプタン(ポリマー溶液に対する18/1の体積比)を含む22Lの攪拌フラスコに得られたポリマー溶液の1073.4g(890ml)サンプルを計量供給する。30分にわたる混合後に、スラリーをインライン布フィルタを横切って排出させる。フィルタ上の湿り沈殿物は497.8gの重量であった。この沈殿物のサンプル(478.7g)を765.9mlの「ソルカン(Solkane)」(登録商標)365mfcおよび480mlのTHFにより再溶解させる。ポリマー溶液との18/1の体積比でn−ヘプタンを含む容器に得られた溶液を再度沈殿させる。30分にわたる混合後に、スラリーをもう1つのインライン布フィルタを横切って排出させる。窒素放出しつつ70℃で16時間にわたり真空下で濾液を乾燥させて、347gの極微細白色粉末を得る。製品のゲル透過クロマトグラフィは、Mn=5130、Mw=9780およびMw/Mn=1.91を示した。製品の13C NMR分析と19F NMR分析の組み合わせは、15モル%のTFE、39モル%のNB−F−OH、10モル%のPinAc、30モル%のHAdAおよび6モル%のMAdAの計算ポリマー組成をもたらした。
【0102】
B.以下の配合物を調製し、一晩磁気的に攪拌する。
【0103】
【表4】

【0104】
YES−3蒸気プライム炉を用いてヘキサメチルジシラザン(HMDS)プライマ層を被着させることによりウェハを調製する。アーチ・ケミカル社(Arch Chemical Co.)製の100%HMDS定着剤を用いる。150℃で300秒にわたりプライムを与えるように炉を設定する。
【0105】
直径4インチ(100mm)のタイプ「P」<100>配向シリコンウェハ上でブリューワ・サイエンス社(Brewer Science Inc.)モデル−100CB組み合わせスピンコータ/ホットプレートを用いてサンプルを回転被覆する。塗料を調製するために、0.45μmPTFEシリンジフィルタを通して濾過後に上の溶液2mlを沈着させ、1500rpmで60秒にわたり回転させ、その後、150℃で60秒にわたり焼成する。
【0106】
248nmでエネルギーの約30%を通す248nm干渉フィルタを通して「オリエル(ORIEL)」モデル−82421ソーラシミュレータ(1000ワット)から広帯域紫外線を通すことにより得られた光に被覆ウェハを露光することにより、248nm画像形成を実行する。露光時間は15秒であり、3mJ/cmの非減衰線量を提供する。異なるニュートラル光学密度の18位置でマスクを用いることにより、多様な露光線量を発生させる。露光後、露光されたウェハを135℃で60秒にわたり焼成する。
【0107】
水性2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液(LDD−26W、マサチューセッツ州マールボロのローム・アンド・ハース・エレクトロニクス(Rohm & Haas Electronics(Marlborough,MA)))の中で60秒にわたりウェハをトレー現像する。この試験は5.8mJ/cmのクリアリング線量によりポジティブ画像を発生させる。
【0108】
(実施例8)
(TPS−TTES光酸発生剤(PAG)から調製されたフォトレジスト)
用いた光酸発生剤が実施例4で調製された発生剤(TPS−TTES)であることを除き、実施例7のように配合物を調製する。この試験は4.9mJ/cmのクリアリング線量によりポジティブ画像を発生させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式R−O−CXH−CX−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Xは水素およびフッ素からなる群から選択され、但し、少なくとも1個のXがフッ素であり、Mはカチオンである)で表されることを特徴とするヒドロフルオロアルカンスルホネート。
【請求項2】
Rがフルオロ化されていることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロアルカンスルホネート。
【請求項3】
Rがパーフルオロ化されていることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロアルカンスルホネート。
【請求項4】
RがOCF、OCおよびOCからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロアルカンスルホネート。
【請求項5】
前記カチオンがカリウムであることを特徴とする請求項1に記載のヒドロフルオロアルカンスルホネート。
【請求項6】
式MOS−CF−CHF−(OCF−CF(CF))(O)(CF−Z(式中、Mはカチオンであり、pは0または1であり、mは0〜10であり、nは1〜20であり、但し、mが0であるとき、pは0であり、さらに、mが0より大きいとき、pは1であり、Zは、−CHOH;カルボン酸エステル、アミド、酸または塩を含むカルボキシル(−COO);ハロゲン化スルホニル、好ましくはフッ素化スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドまたはスルホネート塩を含むスルホネート(−SO);ホスホン酸、酸ハロゲン化物または塩を含むホスホネート(−O−P(O)O);グリシジル、シアニド(−CN)、シアネートおよびカルバメートなどの官能基である)で表されることを特徴とするヒドロキフルオロアルカンスルホネート。
【請求項7】
式MOS−CF−CHF−O−Y−CF−Z(式中、Mはカチオンであり、Yはアルキレン、好ましくはフルオロアルキレン、より好ましくはパーフルオロアルキレンであり、環式であってもよく、1つまたは複数のエーテル酸素を含んでもよく、最も好ましくはCFであり、Zは、−CHOH;カルボン酸エステル、アミド、酸または塩を含むカルボキシル(−COO);ハロゲン化スルホニル、好ましくはフッ素化スルホニル、スルホン酸、スルホンアミドまたはスルホネート塩を含むスルホネート(−SO);ホスホン酸、酸ハロゲン化物または塩を含むホスホネート(−O−P(O)O);グリシジル、シアニド(−CN)、シアネートおよびカルバメートなどの官能基である)で表されることを特徴とするヒドロキフルオロアルカンスルホネート。
【請求項8】
一般式R−O−CXH−CX−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Xは水素およびフッ素からなる群から選択され、但し、少なくとも1個のXはフッ素であり、Mはカチオンである)のヒドロフルオロアルカンスルホネートの製造方法であって、式R−O−CX=CXのビニルエーテルを、pH約4〜約12に調節された水溶液中の亜硫酸塩に接触させる工程と、前記溶液から前記ヒドロフルオロアルカンスルホネートを回収する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記pHを外部材料の使用なしに調節することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
亜硫酸、硫酸、亜硫酸水素塩、硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、炭酸水素塩、二酸化硫黄および二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種の試薬の添加によって前記水溶液の前記pHを調節することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ラジカル開始剤を前記溶液に添加しないことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
水溶液中の前記亜硫酸塩源が二酸化硫黄であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒドロフルオロアルカンスルホネートを酸と反応させてヒドロフルオロアルカンスルホン酸を生成させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
(a)前記ヒドロフルオロアルカンスルホネートを固体として回収する工程と、
(b)前記固体を油剤で処理する工程と、
(c)それらから前記ヒドロフルオロアルカンスルホン酸を蒸留する工程と
を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒドロフルオロアルカンスルホネートを回収する前記工程が、前記ヒドロフルオロアルカンスルホネートを含む前記水溶液から水を除去して固体を形成させ、前記固体を油剤で直接処理することによって行われることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ビニルエーテルがパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)からなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記カチオンがカリウムであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項18】
式R−O−CXH−CX−SOM(式中、Rはアルキル基、官能化アルキル基およびアルケニル基からなる群から選択され、Xは水素およびフッ素からなる群から選択され、但し、少なくとも1個のXはフッ素であり、Mは有機オニウムである)で表されることを特徴とする化合物。
【請求項19】
Mが有機スルホニウムおよび有機ヨードニウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Mがトリフェニルスルホニウムおよびトリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
RがOCF、OCおよびOCからなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
ポリマーバインダーと請求項18に記載の化合物とを含むことを特徴とするフォトレジスト組成物。

【公表番号】特表2008−545789(P2008−545789A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515895(P2008−515895)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/022208
【国際公開番号】WO2006/133330
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】