説明

フーリエ変換型赤外分光光度計

【課題】それぞれのFTIRにおいてゲイン値が最適になるように調整できるようにする。
【解決手段】干渉計制御CPU100は、移動鏡の現在位置と現在速度の測定値を用い、移動鏡のつりあい位置からの距離、移動鏡の現在速度、及び移動鏡の現在速度と目標速度との差のそれぞれにゲインをかけて得られる値に基づいて、移動鏡の移動速度が目標速度になるように移動鏡を駆動するために与える電流をフィードバック制御する。それらのゲインのうちの少なくとも一部のゲインが可変パラメータとして設定されており、パラメータ調整部106は調整時に移動鏡の移動速度が目標速度になるようにするために可変パラメータが最適値となるように調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR)において、クアドラチュア・コントロールを用いて移動鏡の制御を行う移動鏡制御方式に関するものである。FTIRは、物質の定性分析や定量分析に用いられ、高分子材料、半導体を初め、有機物質及び無機物質を問わず幅広い物質に対して利用することができる。
【背景技術】
【0002】
FTIRでは試料の測定を行う主干渉計の他に、主干渉計に対してデータ収集の起動や移動鏡の摺動速度の安定化のためにコントロール干渉計を備えている。コントロール干渉計では、移動鏡の位置を検出するためにクアドラチュア・コントロールと称される手法が採用されている。クアドラチュア・コントロールでは、ビームスプリッタと固定鏡の間に入/8板などの移相板を備え、ビームスプリッタで会合した干渉信号を偏光ビームスプリッタによってP波とS波に分離する。分離されたそれぞれの偏光成分をそれぞれの検出器で検出し、両検出器の検出信号の位相関係と波数とから移動鏡の位置を検出する(特許文献1参照)。
【0003】
移動鏡は吊り下げ構造の摺動支持機構に保持され、摺動支持機構の駆動用コイルに電流が流されることによって前後方向に往復運動させられる。
【0004】
移動鏡は往復運動をするが、検出器が周波数特性を持つため、データ収集をする際に移
動鏡が一定速度で動作することが重要となる。一定速度で動作させるために、現在速度を取得して目標速度との誤差を修正するフィードバック制御を行う。
【0005】
移動鏡は吊り下げ構造になっているため、移動鏡が初期的なつりあい位置から離れると重力によってつりあい位置に戻ろうとする力を受ける。また、移動鏡が動作する際には摩擦が発生する。そのため、コイルに流す電流値Iは現在の移動鏡位置と目標速度を用いて以下のような形式で与えられる。
【0006】
I=Gg×lm+Gf×vc+Ga×vc×(vc−vo) (式1)
【0007】
ここで、
g:重力ゲイン、
m:移動鏡のつりあい位置からの距離、
f:摩擦ゲイン、
c:移動鏡の現在速度、
a:速度ゲイン、
o:移動鏡目標速度。
【0008】
(式1)に基づいて電流値Iを計算するためには、あらかじめゲインGg,Gf,Gaを与えておく必要がある。GgとGfは移動鏡速度に関係なく決まる値であり、Gaは移動鏡の速度によって変わる値である。これらのゲイン値は移動鏡が安定駆動するように決めるものであり、現在速度と目標速度との差(速度誤差)が小さくなるように決定する。
【0009】
従来は、試作機等の少数の装置を利用して求めたゲイン値(デフォルト値)を他の装置にも適用している。具体的に示すと、次のようになる。
1.ある装置(試作機など)についてゲインを適当に設定して速度誤差を測定する。
2.速度誤差の値(最大値や平均値)があるしきい値以下であれば設定した値を仮のゲインとする。(しきい値は経験的に設定する)
3.しきい値を超える場合はゲインを変化させる。
4.2−3を繰り返して仮のゲインを決める。
5.数台の装置に対して1−4を実施して仮のゲインを数個求め、統計的処理などによってその装置のデフォルトのゲインを決める。
6.新たに装置が生産されるとゲインとしてデフォルトゲインを与える。
7.新たに生産された装置の速度誤差を測定する。
8.速度誤差がしきい値以下であれば速度誤差に対する検査は合格とする。
9.しきい値を超える場合には個々にゲインを調整する。
ここで、速度誤差の測定やゲインの変更は作業者が手動で実施する。
【特許文献1】特許第2858630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
組立て誤差や電気系部品の個体差によって、最適なゲイン値はそれぞれの装置によって異なるため、ゲイン値が適切でない装置では最大の性能がでない。したがって、装置の性能を最大に引き出すためにはゲイン値を装置毎に決めるのが好ましいが、その調整は手動で行うため工数を要するため、上に示したように、従来はデフォルト値に設定したゲイン値を使用しても速度誤差がしきい値以下であれば装置毎の調整は行わない。
しかし、デフォルト値は最適値ではなく許容値である。
【0011】
本発明はそれぞれのFTIRにおいてゲイン値が最適になるように個別に調整できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、試料の測定を行う主干渉計のビームスプリッタと固定鏡又は移動鏡との間に位相板を配置し、前記ビームスプリッタで合波された干渉信号から2つの偏光成分を分離して検出し、互いに位相がずれている両検出信号の位相関係と波数とから移動鏡の移動方向と位置とを検出するクアドラチュア・コントロール方式のコントロール干渉計を備えた移動鏡制御装置を備えたFTIRであり、移動鏡はその初期的なつりあい位置が重力方向になるように吊り下げられた方式のものである。
【0013】
移動鏡の制御は干渉計制御を担当するCPU(中央処理装置)で行われる。干渉計制御を担当するCPUは、移動鏡の現在位置と現在速度の測定値を用い、移動鏡のつりあい位置からの距離、移動鏡の現在速度、及び移動鏡の現在速度と目標速度との差のそれぞれにゲインをかけて得られる値に基づいて、移動鏡の移動速度が目標速度になるように移動鏡を駆動するために与える電流を、フィードバック制御を用いて決定する。その際、そのCPUで実行するプログラムで使用するゲイン値の少なくとも一部を調整できる機能を設ける。そのために、速度誤差が小さくなる条件を探索するプログラムを作成して、干渉計を制御するCPU上や外部に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)上など、移動鏡の制御に関与する制御部で動作させることで自動的にゲイン値の最適条件を設定可能とする。
【0014】
すなわち、少なくとも一部のゲインが可変パラメータとして設定されており、調整時に移動鏡の移動速度が目標速度になるようにするために可変パラメータが最適値となるように調整するパラメータ調整部を備えている。
【0015】
移動鏡を駆動するために与える電流を決定する全てのゲインが可変パラメータとして設定されていてもよく、その場合はパラメータ調整部は調整時にそれらの全てのパラメータが最適値となるように調整するものとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、移動鏡制御のための重要なパラメータであるゲイン値をFTIRごとに自動的に決定できるので、装置の個体差による性能への悪影響を減少させ、調整の工数を削減可能である。
【0017】
知識を有した技術者がゲイン値を経験的又は実験的に決める必要がないため、生産時のみでなく装置据付時やその他任意のタイミングで調整を実施できるので、装置の性能を引き出すことが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に本発明が適用されるFTIRの一例を示す。ビームスプリッタ及びコンペンセータ(単にビームスプリッタという)2は、固定鏡4及び移動鏡6により干渉計が構成されており、ビームスプリッタ2は固定鏡4の法線方向及び移動鏡6の法線方向に対して30・の傾きをもって配置されている。固定鏡4は固定鏡支持ブロック8に搭載され、移動鏡6は摺動機構14に支持され、摺動機構14はリニアモータ16によって移動鏡6をビームスプリッタ2に近づく方向と遠ざかる方向の往復方向に移動させる。リニアモータ16にはパワーアンプ18から電流が流され、リニアモータ16に流す電流は摺動コントローラ20にからパワーアンプ18を介して制御される。
【0019】
ビームスプリッタ2、固定鏡4及び移動鏡6とともに主干渉計を構成して赤外分光測定系とするために、赤外光源22が設けられ、光源22からの赤外線は集光鏡24、アパーチャ26、コリメータミラー28を経てビームスプリッタ2に入射され、この干渉計で変調される。変調光はミラー30、集光鏡32から試料室34を通過した後、楕円面鏡36を経て赤外検出器38で受光されて電気信号に変換される。検出器38の検出信号を増幅するためにプリアンプ40が設けられ、プリアンプ40で増幅された検出信号はフィルタ42及びオートゲインアンプ44を経てサンプルホールドアンプ46でサンプリングされ、A/D変換器48でデジタル信号に変換されてCPUバスライン84へ送出される。
【0020】
ビームスプリッタ2、固定鏡4及び移動鏡6とともにコントロール干渉計を構成するために、光源としてHe−Neレーザ50が設けられている。レーザ50からのレーザビームはハーフミラー54によりビームスプリッタ2に入射させられる。ビームスプリッタ2で反射され、固定鏡4で反射されて再びビームスプリッタ2に戻るレーザビームを直線偏光から円偏光に変えるために、ビームスプリッタ2と固定鏡4の間に・/8板56が設けられている。・/8板56は、その偏光軸が入射レーザビームの偏波面から45度傾くように設置されている。
【0021】
この干渉計で変調され、ハーフミラー58で反射された干渉光をP波とS波の各偏光成分に分割するために偏光ビームスプリッタ60が設けられている。偏光ビームスプリッタ60を透過した一方の偏光成分を受光する検出器としてフォトダイオード62が設けられ、偏光ビームスプリッタ60で反射された他方の偏光成分を受光する検出器としてフォトダイオード64が設けられている。フォトダイオード62はプリアンプ66に接続され、フォトダイオード64はプリアンプ68に接続されている。プリアンプ66,68で増幅されたそれぞれの偏光成分の検出信号は波形整形器78,80によってパルス列の信号a,bに変えられる。波形成形された2個のパルス信号a,bはアップ/ダウン・カウンタ82に入力される。アップ/ダウン・カウンタ82は両入力信号の位相関係からアップ/ダウンのモードを定めるとともに、入力信号のパルス数を計数し、CPUバスライン84へ送出する。
【0022】
フォトダイオード62の検出信号が波形整形されて生成されたパルス信号aはまた、摺動コントローラ20とサンプルホールドアンプ46、A/D変換器48へも送られる。CPUバスライン84には制御部86、プログラム格納メモリ88、データ格納メモリ90、外部記憶装置92、LCD(液晶ディスプレー)94、プロッタ96及びオートゲインアンプ44、A/D変換器48、アップ/ダウン・カウンタ82が接続されている。
【0023】
制御部86には、図2に示すように、干渉計制御CPU100、データ処理CPU102及び移動鏡6の駆動用電流値の計算に用いるゲインを記憶するEEPROM(電気的に消去可能なPROM)88aが含まれる。制御部86には外部のPC(パーソナルコンピュータ)104が接続されている。
【0024】
このFTIRの動作を示す。
(a)コントロール干渉計の動作:
偏光ビームスプリッタ60で分割された互いに位相の異なるレーザ干渉光はそれぞれフォトダイオード62,64で受光され、それぞれのフォトダイオード62,64の検出信号は波形整形され、パルス信号となってアップ/ダウン・カウンタ82の2個の入力信号a,bとして取り込まれる。アップ/ダウン・カウンタ82ではアップ/ダウンのモードを両入力信号の位相関係から求める。すなわち、移動鏡6がビームスプリッタ2に近づく方向であれば、一方の信号aは他方の信号bに対して位相が90度進み、逆に移動鏡6がビームスプリッタ2から離れる方向であれば信号aはbに対して位相が90度遅れるからである。また、アップ/ダウン・カウンタ82で計数される入力信号のパルス数は、移動鏡6の位置に依存した信号となる。アップ/ダウン・カウンタ82の出力信号はバスライン84を介して制御部86の干渉計制御CPU100に取り込まれ、移動鏡の摺動の異常を検出し、また赤外分光測定のインターフェログラムの積分を行う際の信号として用いられる。
【0025】
摺動コントローラ20は、フォトダイオード62の検出信号の周波数が一定になるように、パワーアンプ18を介してリニアモータ16に印加する電圧を制御する。フォトダイオード62の検出出力が整形されたもの(a信号)はまた、サンプルホールドアンプ46のサンプリング信号としても、A/D変換器48の変換スタート信号としても用いられる。
【0026】
(b)赤外データ収集の動作:
赤外光源22から射出されて干渉計で変調され、試料室34を経て赤外検出器38で電気信号に変換された信号は、プリアンプ40からフィルタ42、オートゲインアンプ44を経てサンプルホールドアンプ46でサンプリングされ、A/D変換器48でデジタル信号に変換されてバスライン84に取り込まれる。移動鏡6の移動に伴なってインターフェログラムが生成する。コントロール干渉計の干渉信号である信号aを用いてA/D変換器48のA/D変換が起動される。クアドラチュア・コントロールにより移動鏡6の現在位置がリアルタイムで検出されており、この現在位置信号はアップ/ダウン・カウンタ82により生成され、一連のインターフェログラムのデータ収集開始点、終了点を知るために逐次、制御部86の干渉計制御CPU100により認識され、移動鏡6の往復方向でデータ収集が行われる。
【0027】
移動鏡6の初期位置が重力つり合い位置となっている移動鏡摺動機構14の一例を図3に示す。(A)は垂直断面図、(B)は(A)の左側面図である。ボディー130にベース131がプレート132,133を介して移動可能に吊るされている。ボディー130とプレート132,133の間、及びベース131とプレート132,133の間はフィルム141,142によって固定され、自由に回転することができる。ベース131にはミラーホルダー134を介して移動鏡6が固定されている。ボディー130にはプレート135が固定され、ボディー130内にはマグネット136とポールピース137がボルト138によってプレート135に固定されている。ベース131にはまた、イケール140を介してコイル139が固定されており、コイル139はマグネット136とポールピース137により形成される磁界中を移動するように位置決めされている。この摺動支持機構ではコイル139に電流を流すと、コイル139はマグネット136とポールピース137の磁界によってローレンツ力を受け、ベース131を介して移動鏡6を図3(A)で左右方向に移動させる。
【0028】
ゲイン調整は生産された装置の全てに対して個別に実施する。このゲイン調整は干渉計制御CPUやデータ処理CPUや外部PCによって自動的に実行される。調整範囲については開発時におおよその範囲を求めておく。
【0029】
最適ゲインのデータを収集しておき、調整範囲を見直す。調整範囲が小さくなることは調整時間の短縮につながる。最適ゲインのデータを収集しておくと、あるスロットの生産時に最適ゲインが過去の値からずれていることなどがわかる。この情報は生産に何らかの変化が生じたのではないかという、品質管理上重要な情報となる可能性がある。
【0030】
本発明では作業者が手動で調整することが不要であるため、従来の方法でデフォルトゲインから変更が必要な場合と比べると作業者の工数が削減できる。従来の方法でデフォルトゲインからの変更が不要な場合には工数の面では変わりはないが、従来の方法では最適値ではなく許容値を設定していることになるのに対し、本発明ではFTIRごとに個別に最適値を求めるので高性能が得られる。
【0031】
調整時に移動鏡の移動制御用の電流値を決定するゲインを調整する一実施例の動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
移動鏡の移動を駆動するコイルに流す電流値Iは、現在の移動鏡位置と目標速度を用いて(式1)の形式で与えられる。
I=Gg×lm+Gf×vc+Ga×vc×(vc−vo) (式1)
【0033】
図4の動作における「探索条件設定」とは探索範囲の設定や評価関数の設定であり、これらは経験的に決定すればよい。そして、ゲイン値を設定して速度誤差データを収集し、評価関数の計算を行うことを繰り返す。速度誤差データの収集は干渉計制御CPU100で行う。評価関数の計算はパラメータ調整部106で行うが、パラメータ調整部106をどこに設けるかによって次の3つの形態がある。
【0034】
(1)パラメータ調整部106を干渉計制御CPU100に設けて、干渉計制御CPU100で評価関数の計算を行う。
【0035】
(2)パラメータ調整部106をデータ処理CPU102に設けて、干渉計制御CPU100からデータ処理CPU102に速度誤差データを送り、データ処理CPU102で評価関数の計算を行う。図2はこの例を示している。
【0036】
(3)パラメータ調整部106を外部接続されたPC104に設けて、干渉計制御CPU100からデータ処理CPU102を経由してPC104に速度誤差データを送り、PC104で評価関数の計算を行う。
【0037】
速度誤差はデータ収集点毎に求められる値であり、各データ点での速度誤差をverriとする。また、データ収集点数をNとし、verr1〜verrNの最大値をverrmzx,最小値をverrminとする。
【0038】
次に、移動鏡の移動速度が目標速度になるようにするための評価関数の一例を示す。
【0039】

【0040】
ここで、α、βは重み係数であり、verri、verrmzx及びverrminはゲイン(Gg,Gf,Ga)の関数である。
【0041】
ゲインとしてはGg,Gf及びGaの3つがある。これら3つのゲインをすべて可変パラメータとして全てを調整するようにしてもよく、簡略化する場合はそのうちの変動の大きいゲインを1つ又は2つ選んで残りのゲインは固定しておくようにしてもよい。
【0042】
評価関数が最小になるゲイン値が求められると、それらの値はデータ処理CPU102に接続されているEEPROMのような記憶装置88aに記憶しておき、測定の際には記憶されたゲイン値をデータ処理CPU102から干渉計制御CPU100に送って用いる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明が適用されるFTIRの一例の構成を示すブロック図である。
【図2】同FTIRにおける制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】移動鏡の初期位置が重力つり合い位置となっている移動鏡摺動機構の一例を示す図で、(A)は垂直断面図、(B)は(A)の左側面図である。
【図4】一実施例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
6 移動鏡
14移動鏡の摺動機構
86 制御部
100 干渉計制御CPU
104 PC
106 パラメータ調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の測定を行う主干渉計のビームスプリッタと固定鏡又は移動鏡との間に位相板を配置し、前記ビームスプリッタで合波された干渉信号から2つの偏光成分を分離して検出し、互いに位相がずれている両検出信号の位相関係と波数とから移動鏡の移動方向と位置とを検出するクアドラチュア・コントロール方式のコントロール干渉計を備えた移動鏡制御装置を備えたフーリエ変換型赤外分光光度計において、
前記移動鏡はその初期的なつりあい位置が重力方向になるように吊り下げられた方式のものであり、
前記移動鏡を駆動するための制御部は、移動鏡の現在位置と現在速度の測定値を用い、移動鏡のつりあい位置からの距離、移動鏡の現在速度、及び移動鏡の現在速度と目標速度との差のそれぞれにゲインをかけて得られる値に基づいて、移動鏡の移動速度が目標速度になるように移動鏡を駆動するために与える電流をフィードバック制御するものであり、かつ、
前記ゲインのうちの少なくとも一部のゲインが可変パラメータとして設定されており、調整時に移動鏡の移動速度が目標速度になるようにするために前記可変パラメータが最適値となるように調整するパラメータ調整部を備えていることを特徴とするフーリエ変換型赤外分光光度計。
【請求項2】
移動鏡を駆動するために与える電流を決定する全てのゲインが可変パラメータとして設定されており、前記パラメータ調整部は調整時にそれらの全てのパラメータが最適値となるように調整するものである請求項1に記載のフーリエ変換型赤外分光光度計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−139352(P2009−139352A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319236(P2007−319236)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】