説明

ブラシレスモータ

【課題】体積効率の高いブラシレスモータを提供する。
【解決手段】ブラシレスモータは、シャフトを中心として回転可能であり、かつ内壁面を有するロータフレーム11と、ロータフレーム11の内壁面に取り付けられた環状のマグネット12と、マグネット12と対向するようにロータフレーム11の内周側に配置され、かつマグネット12を回転させる磁界を発生可能なステータとを備えている。ステータは、積み重ねられた複数の板状体51と、複数の板状体51の平面51aおよび51bに重ねられたエンドプレート52aおよび52bとを含み、エンドプレート52aおよび52bは、本体部101と、本体部101の外周側端部において、本体部101と直角または鈍角をなすように折り曲げられた外周側端部102とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラシレスモータに関し、より特定的には、体積効率の高いブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機、プリンタ、または複合機などのOA(Office Automation
)機器においては、感光ドラムや紙送り機構などの駆動にブラシレスモータが用いられている。
【0003】
ブラシレスモータは一般に、積層鋼板よりなるステータと、ステータの外周側に設けられた円筒状のロータとを備えている。ステータは、外径方向に等間隔で突出した複数の突出部を有するステータコアと、複数の突出部の各々に巻き回されたコイルとを含んでいる。ロータは、回転軸を中心として回転可能に支持されている。ロータは、互いに異なる磁極が周期的に形成された磁石を、その内周に含んでいる。ブラシレスモータは、ステータのコイルへの通電制御により回転磁界を発生させ、ロータの磁石に回転力を加えてロータを回転させる。
【0004】
またブラシレスモータは、ステータおよびロータの下部(回転軸に沿った一方の端部)に設けられた回路基板をさらに備えている。回路基板には、ロータの回転を磁気的に検出する磁気検出素子が形成されている。この磁気検出素子によるロータの回転の検出精度を高めるために、ロータの磁石の幅(回転軸に沿った長さ)はステータコアの磁極基部の幅よりも長くされている。そして、ステータコアとロータの磁石との対向面積を大きくするために、ステータコアを構成する積層鋼板のうちステータの上下端部(回転軸に沿った両端部)の鋼板(エンドプレート)の各々は、その外周端部が磁石と略平行方向に延在するように折り曲げられている。
【0005】
なお、上述のブラシレスモータは、たとえば下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1のモータにおいては、ステータコアが複数枚の板状体を一体化して積層した積層部と、積層部の両面を挟むように配置された端板部とを備えている。積層部の上面側および下面側に配置された端板部の各々は、2枚の板状体により構成されており、ロータの磁石に対して略平行な方向に折り曲げられた延長部を有している。このモータの製造の際には、ステータコアの磁束の流れを妨げない位置に積層部と端板部との位置決め部を形成し、位置決めされた状態で、積層部と端板部とを仮固定して、粉体塗装あるいは電着塗装により絶縁層を形成して固着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−201306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、機器の薄型化、省スペース化に伴い、その一部として組み込まれるブラシレスモータのさらなる小型化が要求されている。このため、ブラシレスモータの体積効率を向上することが望まれている。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、体積効率の高いブラシレスモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に従うブラシレスモータは、回転軸を中心として回転可能であり、かつ内壁面を有するロータフレームと、内壁面に取り付けられた環状のマグネットと、マグネットと対向するようにロータフレームの内周側に配置され、かつマグネットを回転させる磁界を発生可能なステータとを備え、ステータは、積み重ねられた複数の板状体と、複数の板状体における回転軸に沿う方向の少なくとも一方の面に重ねられた端部板状体とを含み、端部板状体は、少なくとも一方の面に重ねられた本体部と、本体部の外周側端部において、本体部と直角または鈍角をなすように折り曲げられた外周側端部とを有する。
【0010】
上記ブラシレスモータにおいて好ましくは、外周側端部の折曲げ角度は87.5度以上90度以下である。
【0011】
上記ブラシレスモータにおいて好ましくは、本体部と外周側端部との境界は曲線の断面形状を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、体積効率の高いブラシレスモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態におけるブラシレスモータの構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1のブラシレスモータのロータおよびステータの構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】斜め下方向から見た場合のマグネットの着磁状態の一例を示す斜視図である。
【図4】図1のステータコアおよびマグネット付近の構成を示す拡大断面図である。
【図5】マグネットからステータコアに向かう磁束を模式的に示す断面図である。
【図6】ブラシレスモータの誘起電圧についてのシミュレーションの際の各部材の寸法や諸条件を示す図である。
【図7】折曲げ角度θと、エンドプレートとマグネットとの距離dの最大値および最小値との関係を示す図である。
【図8】折曲げ角度θと、誘起電圧の最大値との関係を示す図(グラフ)である。
【図9】折曲げ角度θと、誘起電圧の最大値との関係を示す図(表)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0015】
本実施の形態におけるブラシレスモータは、たとえば、コピー機、プリンタ、または複合機などのOA機器において、感光ドラムや紙送り機構などの駆動に用いられる。このような用途のブラシレスモータは、強力なトルクを必要とするパワーブラシレスモータである。勿論、本実施の形態におけるブラシレスモータは、上記の用途に限られるものではない。
【0016】
[ブラシレスモータの構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるブラシレスモータの構成を模式的に示す断面図である。図2は、図1のブラシレスモータのロータおよびステータの構成を模式的に示す斜視図である。なお、図2においては、ロータおよびステータの一部のみが示されている。以降の説明において、「外周側」とは、ブラシレスモータのシャフト13(回転軸)から外部へ向かう側を意味しており、「内周側」とは、ブラシレスモータのシャフト13へ向かう側を意味している。
【0017】
図1および図2を参照して、本実施の形態におけるブラシレスモータは、ロータ10と、ステータ20と、軸受31と、軸受ハウジング32と、基板40とを主に備えている。ロータ10は、ロータフレーム11、マグネット12、およびシャフト13を備えている。ロータ10において、シャフト13は、ロータフレーム11の中心部(図1における中央部)を貫くように図1における上下方向に延在している。ロータフレーム11は、シャフト13を中心としてシャフト13とともに回転可能である。マグネット12は、ステータ20と対向するようにロータフレーム11に取り付けられている。シャフト13は、軸受31によって軸受ハウジング32に対して回転可能に支持されている。軸受31は、たとえばすべり軸受よりなっており、シャフト13の延在方向(回転軸)に沿ってたとえば2個設けられている。ステータ20および基板40は、軸受ハウジング32に固定されている。
【0018】
ロータフレーム11は、ロータフレーム11内部からの磁界の漏れを防ぐものであり、たとえば磁性体よりなっている。ロータフレーム11は、シャフト13の延在方向に対してたとえば垂直な方向(外周方向、図1における横方向)に延在する天井部14aと、シャフト13の延在方向に対してたとえば平行な方向(図1における縦方向)に延在する側壁部14b(ロータバックヨーク)とを有している。天井部14aは平面的に見て円形状を有している。天井部14aの中心部にはシャフト13を通すための孔60が設けられており、ロータフレーム11は孔60においてシャフト13に固定されている。側壁部14bは、天井部14aの外周端部から基板40側(図1における下方向)に延在している。側壁部14bは円筒形状であり、外周側を向いた面である外壁面11aと、内周側を向いた面である内壁面11bとを有している。マグネット12は、内壁面11bに取り付けられている。
【0019】
ステータ20は、中央から径方向外側へ放射状に延びるように形成される複数のティース部21aを有するステータコア21と、ティース部21aの周囲に巻回されたステータコイル22とを備えている。ステータ20は、マグネット12と空間を隔てて対向するようにマグネット12よりも内周側に配置されている。ステータ20は、ステータコイル22に電圧が印加されることにより、マグネット12を回転させる磁界を発生可能である。ステータ20の詳細な構成については後述する。
【0020】
軸受ハウジング32は、側壁部33aと延在部33bとを有している。側壁部33aは円筒形状を有しており、その内周側には軸受31が嵌め込まれている。側壁部33aの外周側にはステータコア21が取り付けられている。
【0021】
延在部33bは、側壁部33aの図1における下端部において外周側へ延在している。延在部33bには基板40が取り付けられている。これにより基板40は、軸受ハウジング32およびステータ20に対して固定される。基板40の中心部には孔61が形成されており、孔61をシャフト13および軸受ハウジング32が貫通している。基板40におけるロータ10側の面40aには、FGパターン42と、キャンセルパターン43とが形成されている。FGパターン42は、マグネット12から受ける磁界の変化に基づいてマグネット12の回転速度(ロータ10の回転速度)を検出するものである。キャンセルパターン43は、ステータ20を励磁することにより発生するノイズをキャンセルするためのノイズを発生するものである。一方、基板40におけるロータ10とは反対の側の面40bには、マグネット12(ロータ10)の回転方向の位置を検出するホール素子41が設けられている。なお、ホール素子41以外のセンサにより、マグネット12(ロータ10)の回転方向の位置を検出してもよい。
【0022】
なお基板40には、上記の構成の他、ブラシレスモータを駆動および制御するための駆動・制御集積回路や、チップ型電子部品(抵抗、コンデンサ)や、各ステータコイル22への電圧の印加をオン/オフするためのパワーMOSアレイなどが形成されていてもよい。
【0023】
次に、本実施の形態における環状のマグネット12の着磁の状態について説明する。図3は、斜め下方向から見た場合のマグネットの着磁状態の一例を示す斜視図である。なお図3では、主極着磁部12aおよびFG着磁部12bの各々における着磁状態(「N」および「S」の記号で示す。)がマグネット12の円周方向に沿った一部にのみ示されているが、実際にはマグネットの円周方向全体に渡って同様の着磁状態となっている。
【0024】
図3を参照して、環状のマグネット12には、主極着磁部12aおよびFG着磁部12bが形成されている。主極着磁部12aは、ステータ20に対してロータ10を回転させるための着磁部であり、駆動トルクを得るための着磁部である。主極着磁部12aは、N極に着磁された領域とS極に着磁された領域とが円周方向に沿って一定周期で交互に設けられている。FG着磁部12bは、ステータ20および基板40に対するマグネット12(ロータ10)の回転速度を検出するための着磁部である。FG着磁部12bは、マグネット12の基板40側端面に形成されており、N極に着磁された領域とS極に着磁された領域とが円周方向に沿って一定周期で交互に設けられている。FG着磁部12bの着磁パターンの周期T2は、主極着磁部12aの着磁パターンの周期T1よりも短くなっている。
【0025】
[ステータコアの構成]
図4は、図1のステータコアおよびマグネット付近の構成を示す拡大断面図である。
【0026】
図4を参照して、ステータコア21は、複数の板状体51(スタック)と、2枚のエンドプレート52aおよび52b(端部板状体の一例)と、絶縁層53とを有している。複数の板状体51の各々は同一形状を有しており、シャフト13の延在方向に沿った方向(図4中縦方向)に積み重ねられている。エンドプレート52aは、複数の板状体51における天井部14a側の平面51a(図4中上側の面)に重ねられており、エンドプレート52bは、複数の板状体51における基板40側の平面51b(図4中下側の面)に重ねられている。絶縁層53は、エンドプレート52aおよび52bの各々の表面に形成されている。
【0027】
エンドプレート52aおよび52bの各々は、たとえば1枚の板状体により構成されており、その外周側端部が折り曲げられている。エンドプレート52aおよび52bの各々を1枚の板状体により構成することにより、エンドプレート52aおよび52bの加工および配置が容易になる。エンドプレート52aおよび52bの各々は、複数の板状体51の面51aまたは51bに重ねられた本体部101と、本体部101に対して折り曲げられた外周側端部102とを有している。本体部101は平面状であり、シャフト13の延在方向に対して垂直な方向(図4中横方向)に延在している。外周側端部102は本体部101から離れる側に折り曲げられている。具体的には、エンドプレート52aの外周側端部102は、図4中上方に折り曲げられており、エンドプレート52bの外周側端部102は、図4中下方に折り曲げられている。
【0028】
本体部101と外周側端部102との境界FRは、たとえば曲線の断面形状(つまりR形状)を有している。また、境界FRはR形状を有さず、略直角の断面形状であってもよい。
【0029】
マグネット12は、外周側端部102の先端102aよりもシャフト13の延在方向に沿った外側(図4中上側または下側)へ延在していてもよい。また、マグネット12は外周側端部102の先端102aと同じ位置まで延在していてもよい。図4では、マグネット12の上側はエンドプレート52aの外周側端部102の先端102aと同じ位置まで延在しており、マグネット12の下側はエンドプレート52baの外周側端部102の先端102aよりも下側まで延在している。
【0030】
エンドプレート52aおよび52bの各々における外周側端部102は、本体部101と直角または鈍角をなすように折り曲げられている。言い換えれば、本体部101の内周側端部から境界FRへ向かう延在方向DR1と、境界FRから外周側端部102の先端102a側へ向かう延在方向DR2とがなす角度θ(以降、折曲げ角度θと呼ぶことがある、この場合、エンドプレートが折り曲がっていない状態を折曲げ角度θ=0と規定する)が0より大きく90度以下である。これにより、外周側端部102はマグネット12と対向する。外周側端部の先端102aとマグネット12との距離は、境界FRとマグネット12との距離と同じか、またはそれより小さい。特に折曲げ角度θは、87.5度以上90度以下であることが好ましい。
【0031】
図5は、マグネットからステータコアに向かう磁束を模式的に示す断面図である。なお図5は、図1中右側のブラシレスモータの構造を概略的に示している。図5中矢印A1は、エンドプレート52aの曲げ方向を示しており、図5中矢印A2は、エンドプレート52bの曲げ方向を示している。
【0032】
図5を参照して、マグネット12の中央部の磁束B1は、主に複数の板状体51を通じてステータコア21へ導かれる。また、折曲げ角度θが90度以下となるようにエンドプレート52aを折り曲げることにより、マグネット12の上部からの磁束B2を、主にエンドプレート52aの外周側端部102を通じてステータコア21へ導くことができる。同様に、折曲げ角度θが90度以下となるようにエンドプレート52bを折り曲げることにより、マグネット12の下部からの磁束B3を、主にエンドプレート52bの外周側端部102を通じてステータコア21へ導くことができる。その結果、ブラシレスモータの体積効率を高めることができる。
【0033】
特に、エンドプレート52aおよび52bの各々における外周側端部102が本体部101と鈍角をなすように(つまり、折曲げ角度θが90度未満となるように)、エンドプレート52aおよび52bの各々を折り曲げることにより、外周側端部102の各々がマグネット12側に傾斜し、外周側端部102の各々とマグネット12との距離が短くなる。これにより、より多くの磁束B2およびB3をステータコア21へ導くことができる。
【0034】
[実施例]
本願発明者らは、上述の実施の形態の有効性を確認すべく、エンドプレート52aおよび52bの各々の折曲げ角度θを変えて、それぞれの場合のブラシレスモータの誘起電圧についてシミュレーションを行った。シミュレーションの際の各部材の寸法や諸条件は、図6に示す内容に設定した。なお、図6の各部材の寸法における「厚み」とは、図1中横方向の長さであり、「高さ」とは、図1中縦方向の長さである。「エンドプレート高さ」とは、図4における外周側端部102の縦方向の長さを示している。
【0035】
また、シミュレーションの際の折曲げ角度θは、それぞれ85.0度、87.5度、90.0度、92.5度、および95.0度に設定した。各折曲げ角度θに基づいて、エンドプレートとマグネットとの距離d(エンドプレートと磁石とのエアギャップ間距離)の最大値および最小値を計算したところ、図7の結果が得られた。すなわち、折曲げ角度θが85.0度の場合には、距離dの最小値は0.14mmであり、距離dの最大値は0.30mmであった。折曲げ角度θが87.5度の場合には、距離dの最小値は0.22mmであり、距離dの最大値は0.30mmであった。折曲げ角度θが90.0度の場合には、距離dは0.30mm(一定)であった。折曲げ角度θが92.5度の場合には、距離dの最小値は0.30mmであり、距離dの最大値は0.38mmであった。折曲げ角度θが95.0度の場合には、距離dの最小値は0.30mmであり、距離dの最大値は0.46mmであった。折曲げ角度θが85.0度の場合には距離dの最小値(0.14mm)が小さいので、エンドプレートとマグネットとのギャップが非常に狭くなり、ステータに対するロータの位置合わせが困難となる。従って、折曲げ角度θを87.5度以上とすることにより、ステータに対するロータの位置合わせを容易にすることができる。
【0036】
続いて、上述の条件に基づくシミュレーション結果を図8および図9に示す。図8および図9を参照して、折曲げ角度θが85.0度、87.5度、および90.0度の場合には、誘起電圧の最大値は、それぞれ10.316V、10.143V、および9.986Vであった。一方、折曲げ角度θが92.5度および95度の場合には、誘起電圧の最大値はそれぞれ9.842Vおよび9.706Vであり、折曲げ角度θが90度以下の場合に比べて誘起電圧の最大値が低くなった。以上の結果より、折曲げ角度θを90度以下とすることにより、誘起電圧が増加し、ブラシレスモータの体積効率を高めることができることが分かる。
【0037】
[実施の形態の効果]
本実施の形態におけるブラシレスモータは、シャフト13を中心として回転可能であり、かつ内壁面11bを有するロータフレーム11と、内壁面11bに取り付けられた環状のマグネット12と、マグネット12と対向するようにロータフレーム11の内周側に配置され、かつマグネット12を回転させる磁界を発生可能なステータ20とを備えている。ステータ20は、積み重ねられた複数の板状体51と、複数の板状体51におけるシャフト13の延在方向に沿う方向の少なくとも一方の面に重ねられたエンドプレート52aおよび52bとを含み、エンドプレート52aおよび52bは、本体部101と、本体部101の外周側端部において、本体部101と直角または鈍角をなすように折り曲げられた外周側端部102とを有する。
【0038】
本実施の形態におけるブラシレスモータによれば、エンドプレート52aおよび52bの各々の外周側端部102が、本体部101と直角または鈍角をなすように折り曲げられているので、ステータコア21とマグネット12との対向面積が増大し、マグネット12の上部および下部からの磁束B2およびB3を、外周側端部102を通じてステータコア21へ導くことができる。その結果、体積効率の高いブラシレスモータを安定して提供することができる。
【0039】
また、外周側端部102の折曲げ角度θを87.5度以上90度以下とすることにより(87.5度および90度を臨界点とすることにより)、ステータとロータとの接触を防止しつつ、ブラシレスモータの体積効率を高めることができる。
【0040】
[その他]
上述の実施の形態において、ステータおよびロータの形状は任意である。また、エンドプレート52aおよび52bのうち一方のみが折り曲げられていればよい。
【0041】
上述の実施の形態は適宜組み合わせることができる。たとえば、エンドプレート52aおよび52bのうち一方のみが折り曲げられており、かつ折曲げ角度θが90度未満であってもよい。また、本体部101と外周側端部102との境界FRはR形状を有しておらず、かつエンドプレート52aおよび52bの各々は、折曲げ角度θが90度となるように折り曲げられていてもよい。
【0042】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0043】
10 ロータ
11 ロータフレーム
11a ロータフレーム側壁部の外壁面
11b ロータフレーム側壁部の内壁面
12 マグネット
12a 主極着磁部
12b FG着磁部
13 シャフト
14a ロータフレーム天井部
14b ロータフレーム側壁部
20 ステータ
21 ステータコア
21a ティース部
22 ステータコイル
31 軸受
32 軸受ハウジング
33a 軸受ハウジング側壁部
33b 軸受ハウジング延在部
40 基板
40a,40b 基板の面
41 ホール素子
42 FGパターン
43 キャンセルパターン
51 複数の板状体
51a,51b 複数の板状体の平面
52a,52b エンドプレート
53 絶縁層
60,61 孔
101 エンドプレート本体部
102 エンドプレート外周側端部
102a エンドプレート外周側端部の先端
B1〜B3 磁束
FR 本体部と外周側端部との境界
θ 折曲げ角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心として回転可能であり、かつ内壁面を有するロータフレームと、
前記内壁面に取り付けられた環状のマグネットと、
前記マグネットと対向するように前記ロータフレームの内周側に配置され、かつ前記マグネットを回転させる磁界を発生可能なステータとを備え、
前記ステータは、積み重ねられた複数の板状体と、前記複数の板状体における前記回転軸に沿う方向の少なくとも一方の面に重ねられた端部板状体とを含み、前記端部板状体は、前記少なくとも一方の面に重ねられた本体部と、前記本体部の外周側端部において、前記本体部と直角または鈍角をなすように折り曲げられた外周側端部とを有する、ブラシレスモータ。
【請求項2】
前記外周側端部の折曲げ角度は87.5度以上90度以下である、請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項3】
前記本体部と前記外周側端部との境界は曲線の断面形状を有する、請求項1または2に記載のブラシレスモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−165521(P2012−165521A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22748(P2011−22748)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(504257302)ミネベアモータ株式会社 (112)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】