説明

ブランクシートの折曲げ搬送装置

【課題】シートマガジンから取出されて折曲げられた状態となったブランクシートを安定して搬送する。
【解決手段】シートマガジン12からブランクシート11を吸着して取出して下方に移送するシート移送手段19を備える。シートマガジン12の下方に、シート移送手段19から受渡されたブランクシート11の底壁部を吸着保持して搬送する搬送コンベヤ20が配設される。搬送コンベヤ20で保持されるブランクシート11の底壁部に対して、シート搬送方向前側に位置して搬送コンベヤ20から立上がっている前方折曲げ部11bを、搬送方向前側から支持する折曲げ部材21を備える。搬送コンベヤ20がブランクシート11を保持して搬送するのに伴い、前方折曲げ部11bに対する折曲げ部材21の支持位置を下流側に変化させて、底壁部に対して前方折曲げ部11bを所定の角度とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ラップアラウンド式ケーサにおいて、シートマガジンから取出された折曲げ状態のブランクシートを搬送するブランクシートの折曲げ搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているブランクシートの取出装置では、マガジンから取出される際に上方に開口するコ字状に折曲げられたブランクシートは、押出機構で搬送コンベヤに向けて押出される。この搬送コンベヤは、その搬送方向に離間する複数の支持部材を備え、押出機構で押出される上向きコ字状のブランクシートは、その押出し方向前側の壁部(前壁部)が先行する支持部材に当接すると共に、後から到来する後行の支持部材が後側の壁部(後壁部)に当接することで、上向きコ字状に保持された状態で搬送される。
【0003】
前記ブランクシートにおける搬送コンベヤの先行する支持部材に当接する前壁部は、マガジンからのシート取出し経路内に設けられた固定のガイド部材に当接して折曲げられるが、押出機構の押出し時には、この前壁部はガイド部材から離間して保持が解除される状態となるため、シート底壁に対して前壁部が一旦開いた後に、後行の支持部材が後方より移動して先行の支持部材に近接することで、再び前壁部が略直角に折曲げられた状態に保持される。
【特許文献1】実公平2−4883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ブランクシートの厚みや材質等の性状、あるいは高速処理を行なう際においては、前記従来の装置では一旦保持が解除されて開いた前壁部が再び略直角には折曲げられず、搬送コンベヤの支持部材間で良好に保持されず、安定した搬送ができなくなるおそれがある。
【0005】
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、シートマガジンから取出されて折曲げられた状態となったブランクシートを安定して搬送することが可能なブランクシートの折曲げ搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るブランクシートの折曲げ搬送装置は、
複数のブランクシートを集積したシートマガジンから、ブランクシートを吸着して取出すと共に下方に移送するシート移送手段と、
前記シートマガジンの下方に設けられ、前記シート移送手段から受渡された折曲げ状態のブランクシートにおける下方折曲げ部を保持手段で保持して搬送する搬送コンベヤと、
前記保持手段で保持されているブランクシートの下方折曲げ部に対して、前記搬送コンベヤにおける搬送方向前側に位置して該搬送コンベヤから立上がるように折曲げられているブランクシートの前方折曲げ部を、搬送方向前側から支持する折曲げ部材と、
前記搬送コンベヤが前記折曲げ状態のブランクシートを保持して搬送するのに伴い、前記下方折曲げ部に対して前記前方折曲げ部が所定の角度となるように、該前方折曲げ部に対する前記折曲げ部材の支持位置を下流側に変化させる駆動手段とから構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に係るブランクシートの折曲げ搬送装置によれば、折曲げられたブランクシートは、下方折曲げ部が搬送コンベヤで保持されると共に、前方折曲げ部が折曲げ部材で支持されて搬送されるので、折曲げ状態のブランクシートの搬送が安定する。また、この状態で下方折曲げ部に対する前方折曲げ部の角度が所定の角度とされるので、折曲げ状態が良好に保たれる。すなわち、厚みや材質等の性状により、折曲げられた際に元に戻り易いブランクシートであっても、これが元に戻らないようにし得るから、折曲げ状態を保ちつつ良好な搬送を行ない得る。従って、折曲げられたブランクシートの搬送の高速化に対応できる。
【0008】
請求項2に係る折曲げ搬送装置によれば、搬送コンベヤの速度に同調して前方折曲げ部に対する折曲げ部材の支持位置を下流側に変化させるから、ブランクシートの折曲げを良好に行ない得る。また請求項3に係る折曲げ搬送装置によれば、ブランクシートの前方折曲げ部に対する支持を解除するように折曲げ部材の支持位置を変化させるから、該シートに対する支持が必要な部分のみで折曲げ部材の位置を変化させればよく、装置をコンパクト化し得る。
【0009】
請求項4に係る折曲げ搬送装置によれば、折曲げ部材を無端索体に設けて移動させるだけなので、構成が簡単になると共に高速で移動させることができる。また、無端索体に複数の折曲げ部材を設けたから、ブランクシートの搬送の高速化に対応し得る。更に、請求項5に係る折曲げ搬送装置によれば、駆動手段の駆動源として可変速モータを採用したから、折曲げ部材が前方折曲げ部に対する支持を開始するタイミング等を変更でき、ブランクシートの折曲げを良好に得る。しかも、ブランクシートのサイズが変更された場合に、容易に対応できる。
【0010】
請求項6に係る折曲げ搬送装置によれば、折曲げ部材は、シート移送手段で取出されるブランクシートを折曲げる手段として兼用し得るから、構成を簡単にすることができる。また請求項7に係る折曲げ搬送装置によれば、ブランクシートが折曲げ部材に当接する際に、ブランクシートの折曲げ線の付近における下方折曲げ部側を製函時に内側となる面から補助折曲げ部材で支持するようにしたから、該シートの折曲げを良好に行ない得る。
【0011】
請求項8に係る折曲げ搬送装置によれば、シート移送手段がブランクシートを吸着する面とは反対側の面に折曲げ部材あるいはその他の折曲げ手段を当接させることで搬送コンベヤに受渡されたブランクシートは折曲げ状態となるので、この場合、ブランクシートはシート移送手段から剥がれることがなく良好に折曲げられる。また請求項9に係る折曲げ搬送装置によれば、搬送コンベヤから移送コンベヤへのブランクシートの受渡しに際しての位置決めが良好となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係るブランクシートの折曲げ搬送装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、説明の便宜上、「左右」とはシートマガジン内におけるブランクシートの送り方向と交差する方向を指称するものとする。
【実施例】
【0013】
図1に示す如く、実施例に係るブランクシートの折曲げ搬送装置が採用されたラップアラウンド式ケーサ10(以後、ケーサと称す)は、複数のブランクシート11を立てた姿勢で集積するシートマガジン12を備える。このシートマガジン12には、前記ブランクシート11が載置される2本の搬送軸13,13(一方のみ図示)を左右方向に離間して平行に備えるシート送り手段14が配設され、両搬送軸13,13は対応する駆動モータ15,15(一方のみ図示)により夫々一方向に連続回転駆動される。各搬送軸13には、その回転により載置されているブランクシート11をシートマガジン12の取出し口に向けて推進させる向きの螺旋溝が形成されており、両搬送軸13,13の回転によりブランクシート群を下流側に送って、先頭のブランクシート11を取出し口に臨ませるよう構成されている。
【0014】
ブランクシート11は、製函された際に内側となる面(以後、製函時の内側面と称す)がシート送り方向の下流側を向く姿勢でシートマガジン12に集積され、後述するシート移送手段19で製函時の内側面が吸着保持されて取出し口から取出されるようになっている。またブランクシート11には、図4に示す如く、製函された際に底壁となる底壁部11aを挟んで、後述する搬送コンベヤ20でのシート搬送方向の前側(下流側)に位置する前方折曲げ部11bと後側に位置する後方折曲げ部11cとが、夫々左右方向(幅方向)に延在する折曲げ線11d,11dを介して連接されており、シートマガジン12には前方折曲げ部11bが上側に位置するようにして集積されている。なお、後述するシート移送手段19から搬送コンベヤ20に受渡される際にブランクシート11は2つに折曲げられていて、前方折曲げ部11bがこの状態で上方に折曲げられているブランクシート11の底壁部11a、後方折曲げ部11cおよび各部11a,11cに連接する各フラップから下方折曲げ部11eが構成される。また、前方折曲げ部11bは、ブランクシート11が製函された際に、一方の側壁となる側壁部(前方側壁部)および天壁となる天壁部、更に各壁部に連接する各フラップからなり、各壁部は、前記底壁部11aから側壁部、天壁部の順に直列して連接するよう構成される。そして、後方折曲げ部11cは、ブランクシート11が製函された際には、他方の側壁となる側壁部(後方側壁部)を構成する。
【0015】
前記各搬送軸13における取出し口に臨む先端部に、該取出し口から取出される先頭のブランクシート11と後続のブランクシート11とを分離するためのシャッター16が、夫々一体的に回転するよう配設されている。各シャッター16は、搬送軸13より大径の円盤状に形成されて、該軸13より径方向に突出する部分で取出し口に臨む先頭のブランクシート11における下端辺の左右角部を支持するよう構成される。なお、各シャッター16には、図示しない切欠き部が形成され、該切欠き部がブランクシート11の前記下端辺角部と対応する分離位置に到来したときには、該シート11の通過(取出し)を許容するよう構成される。なお、両シャッター16,16は、シート移送手段19によるブランクシート11の1枚の取出し動作と対応して1回転するよう設定される。
【0016】
前記シートマガジン12の取出し口には、その上方および左右の側方に支持具(側方の支持具については図示せず)が設けられ、前記搬送軸13,13に載置されると共に下端辺角部近傍が前記シャッター16,16で支持されている先頭のブランクシート11の上端部および左右の端部が、これら支持具により支持されて、取出し口に臨む先頭のブランクシート11は、その上端が前傾した状態となるよう設定してある。なお、シート送り手段14により送られるブランクシート群の左右両端は、シートマガジン12に配設されてシート送り方向に沿って延在するガイド(図示せず)で案内されて整列されるようになっている。
【0017】
前記シートマガジン12における取出し口の上部に、先頭のブランクシート11の上端部を、後続のブランクシート11から分離する補助分離装置17が配設されている。この補助分離装置17は、図示しない吸引手段に連通接続した吸着カップ17aを備え、該吸着カップ17aをブランクシート11に対して進退移動することで、その前進時に吸着保持した先頭のブランクシート11の上端部を、後退時に後続のブランクシート11から分離するよう構成される。
【0018】
前記ケーサ10には、前記シートマガジン12から取出したブランクシート11を折曲げ、その折曲げ状態を保持して下流側に搬送する折曲げ搬送装置18が配設されている。この折曲げ搬送装置18は、シートマガジン12からブランクシート11を1枚づつ取出して下方に移送するシート移送手段19と、該移送手段19から受渡されたブランクシート11を、シートマガジン内でのシート送り方向とは逆方向に搬送する搬送コンベヤ20と、該搬送コンベヤ20で搬送される折曲げ状態のブランクシート11における前方折曲げ部11bを搬送方向前側から支持する折曲げ部材21と、該搬送コンベヤ20から受取ったブランクシート11を上方が開口するコ字状の姿勢で更に下流側に移送する移送コンベヤ22とを備える。
【0019】
前記シート移送手段19は、前記シートマガジン12における取出し口の外方で、前記補助分離装置17より下方に配設されている。このシート移送手段19は、図1に示す如く、複数の吸着カップ(吸着部)23を備えて、図示しない回動機構により所要の動作が付与される取出部24を複数組(実施例では2組であるが3組以上であってもよい)有し、各取出部24によりシートマガジン12からブランクシート11を1枚づつ吸着して取出すよう構成される。各吸着カップ23は図示しない吸引手段に接続されて、該吸引手段を適宜のタイミングでON−OFF制御することにより、各吸着カップ23によるブランクシート11の吸着保持と吸着解除とを行なうよう設定してある。各取出部24は、シート取出し時には、前記シートマガジン12の取出し口に臨む先頭のブランクシート11の製函時の内側面における前記底壁部11aおよび後方折曲げ部11cに近接した後、取出し口から離間しつつ少しだけ上方へ移動し、その後に下方に移動する軌跡を辿るよう構成される。これにより、取出部24に底壁部11aおよび後方折曲げ部11c(下方折曲げ部11e)に対応する製函時の内側面が吸着保持されてシートマガジン12から取出されるブランクシート11は、その下端辺が上方に持ち上げられて捲られるようにして後続のブランクシート11の下端部から離間して取出し口から取出された後、その製函時の内側面(吸着カップ23による吸着面)が上を向くように姿勢を変化されて下方に移動されるようになっている。そして、先頭のブランクシート11の下端部が取出し口から取出される際には、前記左右の各シャッター16の切欠き部が下端辺の左右各角部に対応する分離位置に夫々到来して、シート取出しを許容するよう設定される。
【0020】
前記シート移送手段19には、各取出部24に対応して左右方向に離間する一対の補助折曲げ部材25,25(左右方向の一方の側に位置するもののみ図示)が夫々平行に配設されている。そしてこの補助折曲げ部材25,25は、取出部24で吸着保持したブランクシート11において製函された際に外側となる面(以後、製函時の外側面と称す)が前記折曲げ部材21と当接する際に、該ブランクシート11の底壁部11aと前方折曲げ部11bとの間に形成された折曲げ線11dの付近における底壁部側(下方折曲げ部側)を製函時の内側面から支持するよう位置決めされ、ブランクシート11の折曲げを良好に行なわせるべく機能する。また、ブランクシート11を搬送コンベヤ20に受渡す際には、該シート11の製函時の内側面を補助折曲げ部材25,25が押すように設定され、取出部24からブランクシート11を確実に分離するようになっている。
【0021】
前記ケーサ10における左右に離間する機枠26間には、図1に示す如く、前記シートマガジン12の下方で、前記シート移送手段19の配設位置より搬送コンベヤ20によるシート搬送方向の下流側の位置に、シート搬送方向に所定間隔離間して左右方向に延在する回転軸27,28が回転自在に枢支されている。図2に示す如く、シート搬送方向の上流側に位置する第1回転軸27は、各機枠26の内側において片持式に夫々枢支されて左右方向に離間しており、各第1回転軸27に小径の第1スプロケット(回転体)29(何れも一方のみ図示)が一体回転可能に配設されている。なお、左右で対をなす第1回転軸27,27および第1スプロケット29,29は、その間を搬送コンベヤ20で搬送されるブランクシート11が干渉することなく通過可能な寸法だけ離間している。これに対して下流側に位置する第2回転軸28は、両機枠26,26間に架設されると共に、その軸方向に離間して大径の第2スプロケット(回転体)30,30(一方のみ図示)が一体回転可能に配設されており、対応する第1および第2スプロケット29,30間に、無端チェン(無端索体)31が夫々巻掛けられている。第2回転軸28には、図1および図3に示す如く、プーリやベルト等の伝達手段32を介してサーボモータ等の可変速モータ33が連繋され、該モータ33により第2回転軸28を回転することで、一対の無端チェン31,31が所定方向に走行するよう構成される。また両無端チェン31,31間には、その走行方向(移動方向)に所定間隔離間して複数(実施例では4本であるがその他任意の数であってもよい)の棒状の前記折曲げ部材21が、前記シート移送手段19により移送されるブランクシート11の幅方向(左右方向)と平行に延在するよう架設されており、無端チェン31,31の走行によって折曲げ部材21が所定方向に移動するようになっている。すなわち、実施例では、可変速モータ33、伝達手段32、スプロケット29,30および無端チェン31,31から、折曲げ部材21の駆動手段が構成される。
【0022】
前記無端チェン31,31の走行により移動する折曲げ部材21の移動軌跡は、図2に示す如く、シート移送手段19に近接位置する第1の転向部と、前記搬送コンベヤ20の下流側に位置する第2の転向部と、これら両転向部を結ぶ上下の直線部とから構成される。第1の転向部は、前記シート移送手段19により移送されるブランクシート11の移送軌跡内に位置するように設定され、該ブランクシート11における前記前方折曲げ部11bに対応する製函時の外側面が折曲げ部材21に平行に当接するよう構成される。なお、前記無端チェン31,31は、ブランクシート11における幅寸法(左右寸法)より離間するよう設定され、両無端チェン31,31間に架設された折曲げ部材21には、ブランクシート11が幅方向の全長に亘って平行に当接するようになっている。
【0023】
前記第2回転軸28は、第1回転軸27より上方に位置して、前記第1スプロケット29と第2スプロケット30との間に臨む無端チェン31の直線部は、搬送コンベヤ20におけるシート搬送方向の上流側から下流側に向かうにつれて上方傾斜するよう設定される。また第2回転軸28は、無端チェン31,31が、上側の直線部を第2スプロケット30,30から第1スプロケット29,29に向けて走行し、下側の直線部を第1スプロケット29,29から第2スプロケット30,30に向けて走行するよう回転される。すなわち、前記折曲げ部材21は、その移動軌跡において上側の直線部を第2の転向部から第1の転向部に向けて下向きに移動し、下側の直線部を第1の転向部から第2の転向部に向けて上向きに移動するよう設定される。従って、前記ブランクシート11の前方折曲げ部11bを支持している折曲げ部材21が移動軌跡における下側の直線部を移動する際には、該折曲げ部材21が上方に徐々に移動して前方折曲げ部11bに対する支持位置が下流側に変化すると共に遂には前方折曲げ部11bから離間して支持を解除するよう構成される。また移動軌跡における下側の直線部を移動する折曲げ部材21は、ブランクシート11における前方折曲げ部11bの底壁部11a(下方折曲げ部11e)に対する角度(製函された際の内角に対応する角度)が下流側に搬送されるにつれて徐々に小さくなるように(90°に近づくように)、前記搬送コンベヤ20の速度と同調してその下流側に移動するよう、前記可変速モータ33が制御されるようになっている。
【0024】
前記シート移送手段19の下方に配設された前記搬送コンベヤ20には、図1および図2に示す如く、前記折曲げ部材21により前方折曲げ部11bが上方に折曲げられた状態となったブランクシート11が、該移送手段19から受渡されるよう構成される。このとき、製函された際には90°となるべき前方折曲げ部11bの底壁部11aに対する角度は90°より大きく、ブランクシート11は不完全折曲げ状態である。なお、搬送コンベヤ20のシート搬送方向は、前記シートマガジン12でのブランクシート11のシート送り方向とは逆方向となるよう設定されている。
【0025】
前記搬送コンベヤ20は、図4に示す如く、第1吸着コンベヤ34と、該第1吸着コンベヤ34を挟む左右両側に平行に配置した一対の第2吸着コンベヤ35,35とから構成される。第1吸着コンベヤ34は、シート搬送方向の前後に離間する一対の第1プーリ36,36間に第1吸着ベルト37を巻掛けて構成され、図示しない駆動モータにより第1吸着ベルト37が所定の速度で走行するよう構成される。また第1吸着ベルト37には、複数の吸引孔からなる第1吸引孔群37aが走行方向に所定間隔で多数設けられると共に、該第1吸着ベルト37における上側の走路の下面側には、図示しない吸引源に接続する第1吸引チャンバー38が接し、第1吸引チャンバー38上面の透孔(図示せず)および前記第1吸引孔群37aを介して作用する吸引力によってベルト上面にブランクシート11の底壁部11aにおける幅方向の中央部を吸着保持するよう構成される。
【0026】
なお、前記第1吸着ベルト37においてブランクシート11を搬送する上側の走路は、前記シート移送手段19からのブランクシート11の受渡し位置から下流側に所定長さで延在すると共に、図1に示す如く、上流側が上方となるように傾斜して、シート移送手段19からのブランクシート11の受渡しが円滑に行なわれるようにしてある。
【0027】
前記各第2吸着コンベヤ35は、第1吸着コンベヤ34に対して左右方向に所定間隔離間すると共に、シート搬送方向の前後に離間する一対の第2プーリ39,39間に第2吸着ベルト40を巻掛けて構成され、図示しない駆動モータにより第2吸着ベルト40が所定の速度で第1吸着ベルト37と平行に走行するよう構成される。第2吸着ベルト40における上側の走路は、第1吸着ベルト37と同一レベルに設定されており、第1吸着コンベヤ34で搬送されるブランクシート11の底壁部11aに連接する左右の各フラップが載るようになっている。また第2吸着ベルト40には、複数の吸引孔からなる第2吸引孔群40aが走行方向に所定間隔で多数設けられると共に、該第2吸着ベルト40における上側の走路の下面側には、図示しない吸引源に接続する第2吸引チャンバー41が接し、第2吸引チャンバー41上面の透孔(図示せず)および前記第2吸引孔群40aを介して作用する吸引力によってベルト上面に前記各フラップを吸着保持するよう構成される。すなわち、実施例では第1および第2吸引孔群37a,40aと第1および第2吸引チャンバー38,41とから、ブランクシート11(下方折曲げ部11e)の保持手段が構成される。
【0028】
前記第2吸着コンベヤ35は、前記シート移送手段19によるブランクシート11の第1吸着コンベヤ34への受渡し位置より下流で、後述する移送コンベヤ22の支持部材44,45で前記後方折曲げ部11cが上方に向けて折曲げられる領域に設けられている。この後方折曲げ部11cが上方に向けて概ね直立するように折曲げられた後は、第1吸着コンベヤ34の底壁部11aに対する吸着が解除されるように前記第1吸引チャンバー38の透孔が形成される。従って、底壁部11aおよびこれに連接する左右両フラップが第1,第2吸着コンベヤ34,35で夫々吸着保持された状態で、後方折曲げ部11cが支持部材44,45により直立するように折曲げられ、その後は、第2吸着コンベヤ35により後述する移送コンベヤ22にブランクシート11が搬送される。
【0029】
前記第1吸着コンベヤ34と各第2吸着コンベヤ35との間に、搬送コンベヤ20からブランクシート11を受取って更に下流側に移送する移送コンベヤ22が夫々配設されている。各移送コンベヤ22は、鉛直面上を走行し水平方向に平行に離間する一対の無端チェン(無端索体)43,43と、各無端チェン43のループ外方に突出すると共にその走行方向(進行方向)に所定間隔毎に配設された複数の支持部材44,45とから構成され、上側の走行路を走行する該チェン43,43は、その下方に水平に配置された案内板46により案内されるようになっている。なお、両無端チェン43,43に配設される支持部材44,45は、その走行方向に対して千鳥状となる関係で配置されると共に、その間隔はブランクシート11の底壁部11aにおけるシート搬送方向の長さ寸法より僅かに大きく設定されている。また、実施例の両移送コンベヤ22,22では、図4に示す如く、内側(第1吸着コンベヤ側)に臨む支持部材44,44が左右方向に整列すると共に、外側(第2吸着コンベヤ側)に臨む支持部材45,45が左右方向に整列し、折曲げ状態のブランクシート11は、内側の支持部材44,44と外側の支持部材45,45とにより前後から挟まれた状態で保持されるよう構成される。そして、両移送コンベヤ22,22において、前記第1吸着コンベヤ34で搬送されるブランクシート11における左右両側を、前後に位置する一対の支持部材44,45により夫々上方に開口するコ字状に保持して下流側に水平に移送するよう構成されている。
【0030】
前記移送コンベヤ22における無端チェン43の上流端は、前記第2吸着コンベヤ35の上流端より下流側に位置すると共に、その上側の走行路は、図2に示す如く、前記搬送コンベヤ20の搬送面(吸着ベルト37,40における上側の走路)より下方に位置するよう設定され、移送コンベヤ22における上流側の転向部を下側から上側に移動する支持部材44,45が、搬送コンベヤ20で搬送されるブランクシート11の後方折曲げ部11cに対して下側から当接して、これを上方に向けて折曲げるよう構成されている。また、前記搬送コンベヤ20の速度は移送コンベヤ22の速度より速く設定され、該搬送コンベヤ20により搬送されるブランクシート11の前記前方折曲げ部11bを、移送コンベヤ22の先行する支持部材44,45に後側から当接させるようにして位置決めするよう構成される。なお、両移送コンベヤ22,22は図示しない駆動モータによりその走行速度が同一になるよう走行され、第1吸着コンベヤ34、第2吸着コンベヤ35および移送コンベヤ22の走行速度は、移送コンベヤ22≦第2吸着コンベヤ35<第1吸着コンベヤ34の関係となるよう設定してある。更に、前記搬送コンベヤ20における第2吸着コンベヤ35の下流端は、移送コンベヤ22における底壁部11aの載置面(図示せず)より下方に位置するよう設定されており、移送コンベヤ22に受取られたブランクシート11の底壁部11aに連接する両フラップから第2吸着ベルト40が下方に離間することで吸着保持が解除されるようになっている。
【0031】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るブランクシートの折曲げ搬送装置の作用につき説明する。
【0032】
前記シートマガジン12に対し、前記搬送軸13,13に下端辺を載せるようにして複数のブランクシート11を立てた姿勢で集積し、取出し口に臨む先頭のブランクシート11を前記支持具およびシャッター16,16で支持することで、当該ブランクシート群は、その上端部が前傾した状態となる。また先頭のブランクシート11は、製函時の内側面が取出し口から外方を向くと共に、前記後方折曲げ部11cが下側に位置している。
【0033】
前記シート移送手段19によるシート取出しを開始すると、前記取出部24がシートマガジン12における先頭のブランクシート11の底壁部11aおよび後方折曲げ部11cに対応する製函時の内側面に近接し、前記吸着カップ23がブランクシート11に当接してこれを吸着保持する。なお、シート移送手段19の吸着カップ23がブランクシート11を吸着する以前に、前記補助分離装置17が作動し、先頭のブランクシート11の上端部を、後続のブランクシート11から分離する。
【0034】
前記先頭のブランクシート11の下端側を吸着保持した取出部24は、取出し口から離間しつつ上方に移動することで、先頭のブランクシート11の下端部は上方に捲られるように、後続のブランクシート11の下端部から離間される。このとき、シート移送手段19の動作に対応して回転されている前記シャッター16,16の切欠き部が、先頭のブランクシート11の下端辺角部と対応する分離位置に到来し、該ブランクシート11の取出しは許容される。
【0035】
その後、前記シート移送手段19の取出部24は下方に移動し、これに伴ってシートマガジン12から取出されたブランクシート11が下方に移送される。このとき、吸着カップ23は、シートマガジン12から離間しつつ、そのシート吸着口が徐々に下向きとなるように姿勢が変化される。すなわち、該吸着カップ23に吸着保持されているブランクシート11は、製函時の内側面が上方を向くと共に製函時の外側面が下方を向く姿勢で下方に移送される。
【0036】
前記取出部24に吸着保持されたブランクシート11の製函時の外側面が下方を向いて移送される途中に、該取出部24に吸着保持されている底壁部11aとは折曲げ線11dを挟んで搬送コンベヤ20におけるシート搬送方向の前側に位置する前方折曲げ部11bと対応する製函時の外側面が、移動軌跡において前記第1の転向部の近傍にて上側の直線部に臨んでいる前記折曲げ部材21に幅方向の全長に亘って当接し、更にブランクシート11が下方へ移送されるのに伴って、前方折曲げ部11bが折曲げ線11dに沿って上方に向けて折曲げられる(図2参照)。このとき、ブランクシート11の底壁部11aと前方折曲げ部11bとの間に形成された折曲げ線11dの付近における底壁部側が、前記補助折曲げ部材25,25で製函時の内側面から支持され、該ブランクシート11の折曲げは良好に行なわれる。また、シート移送手段19の取出部24は、ブランクシート11における折曲げ部材21が当接する面(製函時の外側面)とは反対の面(製函時の内側面)を吸着保持しているから、折曲げ部材21の当接時に取出部24からブランクシート11が剥がれることなく、該シート11の良好な折曲げが達成される。
【0037】
前記取出部24が搬送コンベヤ20へのブランクシート11の受渡し位置の手前まで到来すると、前記吸引手段がOFF作動し、吸着カップ23によるブランクシート11の吸着を解除する。これにより、該ブランクシート11は搬送コンベヤ20の上流部に、前記前方折曲げ部11bが上方に折曲げられて製函時の内側面が上を向いた折曲げ状態(前記不完全折曲げ状態)で受渡される。
【0038】
前記搬送コンベヤ20に受渡されたこの折曲げ状態のブランクシート11は、前記第1吸着コンベヤ34の第1吸引孔群37aを介して作用する吸引力によって底壁部11aに対応する製函時の外側面の幅方向中央部が第1吸着ベルト37に吸着保持された状態で、下流側に向けて安定して搬送される。このとき、シート搬送方向前側に位置して底壁部11aに対して所要の角度で立上がっている前方折曲げ部11bは、前記折曲げ部材21により搬送方向前側から支持され、該前方折曲げ部11bが底壁部11aに対して開くことなく搬送される。
【0039】
前記搬送コンベヤ20と同調して折曲げ部材21がその移動軌跡における前記下側の直線部を下流側に移動することで、該折曲げ部材21で支持されている前方折曲げ部材11bは、図2に示す如く、前記底壁部11aとの角度が下流側に行くにつれて徐々に小さくなるよう(90°に近くなるよう)上方に向けて折曲げられる。このように折曲げ部材21は、搬送コンベヤ20の速度に同調して下流側に位置が変化するから、ブランクシート11における前方折曲げ部11bの折曲げは良好になされる。また、複数の折曲げ部材21を無端チェン31,31に配設しているから、簡単な構成でブランクシート11の搬送の高速化に対応し得る。しかも、折曲げ部材21が配設される無端チェン31,31は可変速モータ33で駆動されるから、折曲げ部材21に対してブランクシート11が当接するタイミング(折曲げ部材21が前方折曲げ部11bに対する支持を開始するタイミング)等を変更することができ、該シート11の折曲げを良好に行ない得ると共に、ブランクシート11のサイズ変更にも簡単に対応できる。
【0040】
前記搬送コンベヤ20の第1吸着コンベヤ34で底壁部11aが吸着保持されて搬送されるブランクシート11においては、該底壁部11aに連接する左右のフラップが、前記第2吸着コンベヤ35,35における上側の走路を走行する第2吸着ベルト40,40に載り、前記第2吸引孔群40a,40aを介して作用する吸引力によって両フラップの製函時の外側面が第2吸着ベルト40,40に吸着保持された状態で、更に下流側に向けて安定して搬送される。
【0041】
前記移送コンベヤ22に向けて折曲げ状態のブランクシート11を搬送する搬送コンベヤ20の速度は、該移送コンベヤ22の速度より速く設定されており、移送コンベヤ22における上側の走行路を移動している先行する内側の支持部材44,44または外側の支持部材45,45に対して、搬送コンベヤ20で搬送されるブランクシート11の前方折曲げ部11bが後方から当接して好適に位置決めされる。このとき、前記折曲げ部材21は下流側に移動しつつ上方に徐々に移動することで、前方折曲げ部11bから離間して支持を解除し、前記底壁部11aに対して90°近くまで折曲げられた前方折曲げ部11bは支持部材44,44または支持部材45,45に当接することで直立する折曲げ状態となる。
【0042】
前記前方折曲げ部11bが先行の支持部材44,44または支持部材45,45で支持されているブランクシート11に対し、上流側の転向部において下側から上側に立上がるようにして移動する後行の支持部材45,45または支持部材44,44が、前記底壁部11aの後側に位置する後方折曲げ部11cに下方から当接してこれを折曲げ線11dに沿って上方に向けて直立するよう折曲げる。このとき、ブランクシート11の底壁部11aおよびこれに連接する左右両フラップは夫々、第1吸着コンベヤ34の第1吸引孔群37aおよび第2吸着コンベヤ35,35の第2吸引孔群40a,40aにより吸着保持されているから、後方折曲げ部11cは折曲げ線11dに沿って良好に折曲げられる。そして、後行の支持部材45,45または支持部材44,44が上側の走行路に完全に移行すると、ブランクシート11は、先行の支持部材44,44または支持部材45,45と後行の支持部材45,45または支持部材44,44とにより、上方に開口するコ字状の折曲げ状態に保持され、この状態で下流側に搬送されて移送コンベヤ22に受渡される。
【0043】
すなわち、実施例の折曲げ搬送装置18では、シート移送手段19から搬送コンベヤ20に受渡されたブランクシート11は、その底壁部11a(下方折曲げ部11e)が搬送コンベヤ20で保持されて搬送されると共に、その前方折曲げ部11bを、該搬送コンベヤ20と同調して下流側に移動する折曲げ部材21で搬送方向前側から支持するよう構成したから、該シート11の折曲げ状態を保って安定して搬送することができる。また、この状態で、底壁部11aに対する前方折曲げ部11bの角度が、搬送コンベヤ20に受渡された際の角度とは異なる角度(小さい角度)とされるので、ブランクシート11の折曲げ状態が良好に保たれる。すなわち、厚みや材質等の性状により、折曲げられた際に元に戻り易いブランクシート11であっても、前方折曲げ部11bが元に戻ることはなく、良好な搬送と共に折曲げが達成される。また折曲げ部材21を、シート移送手段19で移送されるブランクシート11を折曲げる手段としても兼用するよう構成したから、構成を簡単にすることができる。
【0044】
〔変更例〕
本願は、前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1. 折曲げ部材21は、実施例のように専用の駆動手段29,30,31,32,33で移動させる(位置を変化させる)ものでなく、シート移送手段19や搬送コンベヤ20あるいは移送コンベヤ22等、その他の機構と機械的に連結してこれと同期して移動するよう構成することができる。
2. 実施例では、シートマガジン12からブランクシート11を、製函時の内側面をシート移送手段19で吸着して取出すよう構成したが、取出し口に向けて製函時の外側面を指向するようにブランクシート11を集積したシートマガジン12から、シート移送手段19により製函時の外側面を吸着してシート11を取出すものにも本装置を適用し得る。
3. シート移送手段19により移送されるブランクシート11の前方折げ曲部11bを固定の折曲げ手段で折曲げた後において、搬送コンベヤ20で搬送されるブランクシート11の前方折曲げ部11bの搬送方向前側を、実施例と同様に構成される、回転される無端チェン31,31に配設された折曲げ部材21で支持したり、搬送コンベヤ20の搬送方向に前後動する折曲げ部材で支持する構成を採用し得る。
4. 折曲げ部材21は無端チェン31,31に配設されて周回するものの他、例えば、上下動と搬送コンベヤ20の搬送方向に沿う前後動とを組合わせて、ブランクシート11が搬送コンベヤ20に移送される際に、このブランクシート11を折曲げ、搬送コンベヤ20で搬送される際に前方折曲げ部11bの搬送方向前側を支持するよう動作させるものであってもよい。この場合は、ブランクシート11の前方折曲げ部11bに対する支持が必要な部分のみで折曲げ部材21を移動させることができ、装置をコンパクト化し得る。
5. 両第2吸着コンベヤ35,35を、フラップの代りに底壁部11aの左右両端側を吸着保持するよう配設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例に係るブランクシートの折曲げ搬送装置を採用したケーサを示す概略構成図である。
【図2】実施例に係る折曲げ搬送装置の要部を示す概略構成図である。
【図3】実施例に係る折曲げ部材とその駆動手段の一部を示す要部概略正面図である。
【図4】実施例に係る搬送コンベヤおよび移送コンベヤを示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0046】
11 ブランクシート,11b 前方折曲げ部,11d 折曲げ線,11e 下方折曲げ部
12 シートマガジン,19 シート移送手段,20 搬送コンベヤ,21 折曲げ部材
22 移送コンベヤ,25 補助折曲げ部材
29 第1スプロケット(回転体,駆動手段),30 第2スプロケット(回転体,駆動手段)
31 無端チェン(無端索体,駆動手段),32 伝達手段(駆動手段)
33 可変速モータ(駆動手段),44 支持部材,45 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブランクシート(11)を集積したシートマガジン(12)から、ブランクシート(11)を吸着して取出すと共に下方に移送するシート移送手段(19)と、
前記シートマガジン(12)の下方に設けられ、前記シート移送手段(19)から受渡された折曲げ状態のブランクシート(11)における下方折曲げ部(11e)を保持手段(37a,38,40a,41)で保持して搬送する搬送コンベヤ(20)と、
前記保持手段(37a,38,40a,41)で保持されているブランクシート(11)の下方折曲げ部(11e)に対して、前記搬送コンベヤ(20)における搬送方向前側に位置して該搬送コンベヤ(20)から立上がるように折曲げられているブランクシート(11)の前方折曲げ部(11b)を、搬送方向前側から支持する折曲げ部材(21)と、
前記搬送コンベヤ(20)が前記折曲げ状態のブランクシート(11)を保持して搬送するのに伴い、前記下方折曲げ部(11e)に対して前記前方折曲げ部(11b)が所定の角度となるように、該前方折曲げ部(11b)に対する前記折曲げ部材(21)の支持位置を下流側に変化させる駆動手段(29,30,31,32,33)とから構成した
ことを特徴とするブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項2】
前記駆動手段(29,30,31,32,33)は、前記折曲げ部材(21)の前記前方折曲げ部(11b)に対する支持位置を前記搬送コンベヤ(20)の速度と同調してその下流側に変化させ、前記下方折曲げ部(11e)に対する前方折曲げ部(11b)の角度を下流側に行くにつれて小さくするよう設定される請求項1記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項3】
前記駆動手段(29,30,31,32,33)は、前記折曲げ部材(21)の前記前方折曲げ部(11b)に対する支持位置を、前記搬送コンベヤ(20)の下流側に変化させつつ上方へ徐々に変化させて該前方折曲げ部(11b)に対する支持を解除するよう構成される請求項1または2記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項4】
前記駆動手段(29,30,31,32,33)は、回転体(29,30)に巻掛けられて一方向に移動する無端索体(31)を備え、該無端索体(31)に対して前記折曲げ部材(21)がその移動方向に所定間隔毎に複数設けられると共に、各折曲げ部材(21)で前記ブランクシート(11)の幅方向両側を支持し得るよう構成される請求項1〜3の何れかに記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項5】
前記駆動手段(29,30,31,32,33)は、可変速モータ(33)を駆動源とする請求項1〜4の何れかに記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項6】
前記シート移送手段(19)により前記下方折曲げ部(11e)となる部分が吸着されて前記シートマガジン(12)から取出されたブランクシート(11)が前記搬送コンベヤ(20)に受渡される前に、前記折曲げ部材(21)にブランクシート(11)が当接して前記前方折曲げ部(11b)を上方に折曲げるよう構成される請求項1〜5の何れかに記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項7】
前記ブランクシート(11)が前記折曲げ部材(21)と当接する際に、該ブランクシート(11)の下方折曲げ部(11e)と前方折曲げ部(11b)との間に形成された折曲げ線(11d)の付近における下方折曲げ部側を、製函された際に内側となる面から支持する補助折曲げ部材(25)を有する請求項6記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項8】
前記シート移送手段(19)は、ブランクシート(11)における製函された際に内側となる面を吸着して該シート(11)を前記シートマガジン(12)から取出すと共に、この面が上を向いた状態で前記搬送コンベヤ(20)にブランクシート(11)を受渡すよう構成される請求項1〜7の何れかに記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。
【請求項9】
前記搬送コンベヤ(20)から前記折曲げ状態のブランクシート(11)を受取り、進行方向前後の支持部材(44,45)間に挟んで該シート(11)を上方に開口するコ字状に折曲げて移送する移送コンベヤ(22)を有し、
前記搬送コンベヤ(20)の速度は前記移送コンベヤ(22)の速度より速く設定され、該搬送コンベヤ(20)により搬送されるブランクシート(11)の前記前方折曲げ部(11b)を、移送コンベヤ(22)の先行の支持部材(44,45)に当接させて位置決めするよう構成される請求項1〜8の何れかに記載のブランクシートの折曲げ搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−16045(P2006−16045A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196067(P2004−196067)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】