説明

プラスチックの選別方法およびプラスチックの選別装置

【課題】異なる材質からなる複数種の破砕されたプラスチック片の混合物を材質別に選別回収可能なプラスチックの選別方法およびプラスチックの選別装置を提供することを目的としている。
【解決手段】プラスチックの選別装置は、破砕された異なる材質からなる第一のプラスチック片2a、第二のプラスチック片2bを、一定の圧力を加える押出しローラ5と加熱された圧延ローラ6からなる薄片化装置7により薄片化し、このプラスチック薄片8a、8bに赤外線10aを照射し、赤外線検出器11により検出される赤外線透過スペクトルを識別装置12により、既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合して材質を同定し、この照合結果によりプラスチック薄片8a,8bを選別するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、リサイクルに使用する破砕されたプラスチック片を材質別に選別回収するプラスチックの選別方法およびプラスチックの選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化に関わるCO排出量の削減および限られた資源の有効利用のため、近年、使用済み家電製品等のプラスチックのリサイクル方法が盛んに開発されている。プラスチックのリサイクル方法としては、使用済みプラスチックをリペレット化して、新しい成形品の原料とするマテリアルリサイクル、燃焼させて熱回収するサーマルリサイクル、熱分解して油やモノマーにまで分解してプラスチックの原料として再利用するケミカルリサイクルがある。それらの中では、マテリアルリサイクルが最もふさわしい方法であるが、プラスチックとしての再利用においては、材質の異なるプラスチックが混入すると再生プラスチックの特性が低下するため、回収プラスチックを高い精度で識別する技術が重要である。プラスチックの材質を判別する手法としては、赤外線を利用した赤外分光法が精度も高く優れた手法である。しかしながら、この分光法では、判別対象となる回収プラスチックが黒色の場合、照射した赤外線がすべて吸収されてしまい必要なスペクトルが得られず判別が困難であった。
【0003】
そのため、特許文献1によるプラスチックの識別装置では、プラスチックを薄片化するために表面を刃物で削り取り、削り取ったプラスチックを採集・回収して、赤外線スペクトルを測定し、赤外線分光法で得られたスペクトルと予め求めた各種プラスチックの赤外スペクトルとを比較照合することで、プラスチックを識別する方法が提案されている。これにより、回収プラスチックが黒色であっても、ATR(Attenuated Total Reflection)法を用いて精度良く確実に選別することを実現している。
【特許文献1】特開2002−168777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプラスチック識別装置にあっては、解体する使用済み製品から削り取りによる薄片化手法は、手解体レベルの大型部品の判別には利用可能であるが、解体後の材質の異なる混合されたプラスチック片の選別に利用することは困難であるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、異なる材質からなる複数種の破砕されたプラスチック片の混合物を材質別に選別回収可能なプラスチックの選別方法およびプラスチックの選別装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係るプラスチックの選別方法は、破砕されたプラスチック片を加熱押圧することにより薄片化処理する工程と、薄片化されたプラスチック薄片に赤外線を照射する工程と、プラスチック薄片からの赤外線透過スペクトルを検出する工程と、赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合してプラスチック薄片の材質の同定を行う工程と、同定されたプラスチック薄片を材質毎に選別回収する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項3に係るプラスチックの選別方法は、破砕されたプラスチック片の表面を加熱された転写ローラにより溶融し、溶融されたプラスチック片の表面層を転写ローラに転写する工程と、転写されたプラスチック膜に赤外線を照射する工程と、プラスチック膜からの赤外線透過スペクトルを検出する工程と、赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合してプラスチック膜の材質の同定を行う工程と、同定されたプラスチック膜の材質からプラスチック片を材質毎に選別回収する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項4に係るプラスチックの選別装置は、破砕されたプラスチック片を加熱押圧することにより薄片化処理する薄片化装置と、薄片化されたプラスチック薄片に赤外線を照射する赤外線光源と、プラスチック薄片からの赤外線透過スペクトルを検出する赤外線検出器と、赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合してプラスチック薄片の材質を同定する識別装置と、識別装置により同定されたプラスチック薄片を材質別に選別回収する回収装置と、を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項6に係るプラスチックの選別装置は、破砕されたプラスチック片の表面を加熱された転写ローラにより溶融し、溶融されたプラスチック片の表面層を転写ローラに転写する転写装置と、転写されたプラスチック膜に赤外線を照射する赤外線光源と、プラスチック膜からの赤外線透過スペクトルを検出する赤外線検出器と、赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合してプラスチック膜の材質を同定する識別装置と、同定されたプラスチック膜の材質からプラスチック片を材質別に選別回収する回収装置と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異なる材質からなる複数種が混在する破砕されたプラスチック片を加熱押圧して薄片化することにより、赤外線分光法による選別が困難である黒色のプラスチックであっても、高精度で破砕されたプラスチック片を材質別に効率よく選別することができるといった顕著な効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るプラスチックの選別方法およびプラスチックの選別装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるプラスチックの選別装置を示す概略斜視図である。図2は、薄片化装置部の拡大図である。
図1に示すように、プラスチックの選別装置1は、選別対象となる破砕された異なる材質からなる第一のプラスチック片2a、第二のプラスチック片2bと、これらのプラスチック片2a,2bを供給するフィーダ3と、このフィーダ3により供給されたプラスチック片2a,2bを分散、搬送するシュータ4と、プラスチック片2a,2bに一定の圧力を加える押出しローラ5と圧延ローラ6からなる薄片化装置7と、この薄片化装置7により薄片化された第一のプラスチック薄片8a、第二のプラスチック薄片8bを搬送するシュータ9と、搬送されたプラスチック薄片8a,8bに赤外線10aを照射する赤外線ランプ10と、プラスチック薄片8a,8bの赤外線透過スペクトルを検出する赤外線検出器11と、既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合し、材質を同定する識別装置12と、この識別装置12からの信号により作動するエアガン13と、エアガン13により選別され、所定方向に吹き飛ばされたプラスチック薄片8a,8bを回収する回収容器14a,14bとからなる回収装置15とにより構成されている。
【0012】
次に、図1および図2を参照して、プラスチックの選別装置の動作原理について説明する。
破砕された材質の異なるプラスチック片は、例えば使用済みの家電品やコピー機等の事務機械類、あるいは自動車等から、有価物である金属、ガラス類を回収するリサイクルの過程で生ずる、多種類の樹脂成形品の破砕混合物(外径数mm〜十数mm)である。プラスチック類を再利用するには、再生プラスチックの品質維持の観点から、できるだけ高純度で(例えば、純度99%程度で)プラスチックを選別回収する必要がある。
【0013】
リサイクルのため破砕された2〜3mmの厚さで、異なる材質の第一のプラスチック片2aと、第二のプラスチック片2bが混合された被選別プラスチックは、フィーダ3から上部のシュータ4に供給され、分散、搬送される。次に、滑り落ちてきたプラスチック片2a,2bは、薄片化装置7の押出しローラ5と圧延ローラ6とにより、加熱軟化された状態で、押圧により押し潰され0.1mmよりも薄い厚さに薄片化される。圧延ローラ6の温度は、選別されるプラスチックの軟化温度以上、例えば100℃に設定される。さらに、薄片化されたプラスチック薄片8a,8bは、下部のシュータ9にて搬送され、滑り落ちる途中、赤外線ランプ10により照射された赤外線10aはプラスチック薄片8a,8bを透過、シュータ9の表面にて反射され、再度、プラスチック薄片8a,8bを透過した赤外線透過光10bは、赤外線検出装置11により検出され、その赤外線透過スペクトルが得られる。得られた赤外線透過スペクトルは、識別装置12により既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合され、赤外線が照射されたプラスチック薄片の材質が同定され、シュータ9上を滑り落ちる時間と位置とを同期させてエアガン13から噴射されるエアによって吹き飛ばされ、このプラスチック薄片が第一のプラスチック薄片8aである場合には、エアガン13により吹き飛ばされ回収容器14aへ投入され、また、プラスチック薄片が第二のプラスチック薄片8bである場合には、エアガン13は噴射せずそのまま回収容器14bへ投入され、プラスチック片2a,2bがそれぞれ選別され回収される。
【0014】
圧延ローラ6は樹脂を加熱軟化させるので、アルミニウムやステンレスなどの金属が望ましく、シュータ9は、赤外線の反射板を兼ねているので、表面を鏡面に仕上げられたアルミニウムやステンレスなどの金属が好適である。赤外線の透過量が少ないプラスチックの赤外線透過量を考慮して、プラスチック薄片の厚さを0.1mm以下にする必要があり、押出しローラ5と圧延ローラ6の間隙は、これに合わせて0.1mm程度に、狭く設定される。ここで、赤外線の波長としては、1.0μmから2.5μmの範囲のものを使用することができる。
【0015】
本発明のプラスチックの選別装置では、赤外線透過スペクトルにより材質を同定しているため、比重が近接するため比重選別法では選別が難しいプラスチック混合物(例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂とPS(ポリスチレン)樹脂の混合物)の選別に対しても適用することができる。
【0016】
特に、黒色プラスチックは、通常破砕するだけでは、赤外線の透過量が少なく、透過光量の変動も大きく、材質の識別が困難な場合が多いが、本発明では、プラスチック片の厚さを薄くし、一定の厚さに揃えることにより、赤外線の透過光量を増加させるとともに、ばらつきを少なくし、識別精度の向上を実現している。
【0017】
このように、本発明の実施の形態1によれば、選別するプラスチック片を圧延ローラにて薄片化することにより、黒色プラスチックのように赤外線の透過量が少ないものであっても精度良く材質を同定することができ、プラスチックの選別の精度を向上させることができるといった顕著な効果を奏するものである。
【0018】
なお、実施の形態1では、傾斜されたシュータ上を滑り落ちるプラスチック片に赤外線を照射して、赤外線透過スペクトルを測定する場合について述べたが、薄片化されたプラスチックをベルトコンベアで搬送し、赤外線を照射する場合であってよく、メッシュ状のベルト上を搬送される薄片化されたプラスチックにベルト上部もしくは下部から赤外線を照射し、薄片化されたプラスチックを透過した赤外線をベルトの下部もしくは上部に設置された赤外線検出装置で受光し、赤外線透過スペクトルを得る方法であってもよく、透過光量の少ない材質のプラスチックに対して、さらに同定が容易になる効果を奏する。
【0019】
また、プラスチック片を薄片化する薄片化装置として、押出しローラと圧延ローラの替わりに、平板状の加熱板と押圧用の加圧板とを用いて、バッチ処理にてプラスチックを加熱軟化させ、押圧により薄片化させてもよく、同様の効果を奏する。
【0020】
実施の形態2.
図3は、本発明の本発明の実施の形態2におけるプラスチックの選別装置を示す概略斜視図である。図4は、薄片化装置部の拡大図である。
図3に示すように、実施の形態2に係るプラスチックの選別装置において、選別装置1は、選別対象となる異なる材質からなる第一のプラスチック片2a、第二のプラスチック片2bと、これらのプラスチック片2a,2bを供給するフィーダ3と、このフィーダ3により供給されたプラスチック片2a,2bを分散、搬送するシュータ4と、プラスチック片2a,2bに一定の圧力を加え整える導入ローラ16と加熱された転写ローラ17からなり、プラスチック片2a,2bの表面を加熱溶解して、転写ローラ17に写し取る転写装置18と、転写ローラ17を回転し、写し取られ転写ローラに付着したプラスチック膜19a,19bに赤外線10aを照射する赤外線ランプ10と、プラスチック膜19a,19bの赤外線透過スペクトルを検出する赤外線検出器11と、既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合し、材質を同定する識別装置12と、一部が写し取られたプラスチック片22a、22bを搬送するシュータ9と、搬送されたプラスチック片22a,22bを識別装置12からの信号により作動するエアガン13と、エアガン13により選別され、所定方向に吹き飛ばされたプラスチック片22a,22bを回収する回収容器14a,14bとからなる回収装置15と、転写ローラ17に付着したプラスチック膜19a,19bを剥ぎ取るリムーバ20と、剥ぎ取られたプラスチック膜19a,19bを回収する回収容器21により構成されている。
【0021】
以下、実施の形態2のプラスチックの選別装置による動作について、図3および図4を用いて説明する。
リサイクルのため破砕された2〜3mmの厚さで、異なる材質の第一のプラスチック片2aと、第二のプラスチック片2bが混合された被選別プラスチックは、フィーダ3から上部のシュータ4に供給され、分散、搬送される。次に、滑り落ちてきたプラスチック片2a,2bは、転写装置18の導入ローラ16と転写ローラ17とにより、プラスチック片2a,2bは転写ローラにより加熱されその表面が溶融されて、転写ローラ17にプラスチック膜19a,19bとして貼り付けられる。転写ローラ17の温度は、選別されるプラスチックの融点の高い方の温度以上、300℃(ここでは、例えば、ABSとする)に設定される。さらに、転写ローラ17の回転によりプラスチック膜19a,19bは、赤外線ランプ10から照射された赤外線10aはプラスチック膜19a,19bを透過、転写ローラ17の表面にて反射され、再度、プラスチック膜19a,19bを透過した赤外線透過光10bは赤外線検出装置11により検出され、その赤外線透過スペクトルが得られる。得られた赤外線透過スペクトルは、識別装置12により既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合され、赤外線が照射されたプラスチック膜19a,19bの材質が同定され、それに対応する表面が溶融除去されたプラスチック片22a,22bがシュータ9上を滑り落ちる時間と位置とを同期させてエアガン13から噴射されるエアによって吹き飛ばされ、このプラスチック片が第一のプラスチック片22aである場合には、エアガン13により吹き飛ばされ回収容器14aへ投入され、また、プラスチック片が第二のプラスチック片22bである場合には、エアガン13は噴射されずそのまま回収容器14bへ投入され、プラスチック片2a,2bがそれぞれ選別され回収される。一方、同定の済んだプラスチック膜19a,19bはリムーバ20により剥離され、回収容器21に回収される。
【0022】
転写ローラ6は樹脂を加熱溶融させることと、赤外線の反射板を兼ねているので、表面を鏡面に仕上げられたアルミニウムやステンレスなどの金属が好適である。赤外線の透過量が少ないプラスチックの赤外線透過量を考慮して、転写されるプラスチック膜の厚さは0.1mm以下であればよく、薄ければ赤外線の減衰も少なく透過量の少ない黒色プラスチックの選別に向いている。導入ローラ16と転写ローラ17の間隙は、プラスチック片2a,2bを転写ローラに押し付ける間隙であればよく、圧力が加わればよい。ここで、リムーバ20は、転写ローラ17に転写されたプラスチック膜19a,19bを削り取るので、転写ローラ17に接するように配置されたカンナ状のステンレスが好適である。赤外線の波長としては、実施の形態1と同様、1.0μmから2.5μmの範囲のものを使用することができる。
【0023】
転写ローラ17の温度は、選別するプラスチックの表面を溶融させる必要があり、被選別プラスチックの最高溶融温度以上に設定する。例えば、ABSの溶融温度は250℃、PSやPP(ポリプロピレン)の溶融温度は150℃であるため、ABSを含むプラスチックの選別を行う場合、ABSの溶融温度より高い250℃以上に設定すればよい。
【0024】
このように、本発明の実施の形態2によれば、選別するプラスチック片の表面を溶融させ、転写ローラにプラスチック膜とした状態で、赤外線を照射することにより、黒色プラスチックのように赤外線の透過量が少ないものであっても、より精度良く材質を同定することができ、プラスチックの選別の精度をさらに向上させることができるといった顕著な効果を奏するものである。
【0025】
なお、実施の形態2では、傾斜されたシュータによりプラスチック片を転写ローラに供給する場合について述べたが、プラスチック片をベルトコンベアで搬送し、転写ローラに供給する場合であってよく、同様の効果を奏する。また、赤外線が照射され、材質が同定されたプラスチック膜も選別して回収してもよい。
【0026】
また、本発明の実施の形態1、2では、赤外線光源として、赤外線ランプを使用する場合について説明したが、赤外線レーザや他の光源であってもよい。
【0027】
また、図中、同一符号は、同一または相当部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態1におけるプラスチックの選別装置を示す概略斜視図である。
【図2】実施の形態1におけるプラスチックの選別装置の薄片化装置部の拡大図である。
【図3】実施の形態2におけるプラスチックの選別装置を示す概略斜視図である。
【図4】実施の形態2におけるプラスチックの選別装置の転写装置部の拡大図である。
【符号の説明】
【0029】
1 選別装置
2a,2b プラスチック片
5 押出しローラ
6 圧延ローラ
7 薄片化装置
8a,8b プラスチック薄片
10 赤外線ランプ
11 赤外線検出器
12 識別装置
13 エアガン
14a,14b 回収容器
15 回収装置
16 導入ローラ
17 転写ローラ
18 転写装置
19a,19b プラスチック膜
20 リムーバ
21 回収容器
22a,22b プラスチック片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕されたプラスチック片を加熱押圧することにより薄片化処理する工程と、
前記薄片化されたプラスチック薄片に赤外線を照射する工程と、
前記プラスチック薄片からの赤外線透過スペクトルを検出する工程と、
前記赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合して前記プラスチック薄片の材質の同定を行う工程と、
前記同定されたプラスチック薄片を材質毎に選別回収する工程と、
を備えたことを特徴とするプラスチックの選別方法。
【請求項2】
プラスチック片を薄片化処理する工程が、加熱された圧延ローラの押圧によるものであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックの選別方法。
【請求項3】
破砕されたプラスチック片の表面を加熱された転写ローラにより溶融し、前記溶融されたプラスチック片の表面層を前記転写ローラに転写する工程と、
前記転写されたプラスチック膜に赤外線を照射する工程と、
前記プラスチック膜からの赤外線透過スペクトルを検出する工程と、
前記赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合して前記プラスチック膜の材質の同定を行う工程と、
前記同定されたプラスチック膜の材質からプラスチック片を材質毎に選別回収する工程と、
を備えたことを特徴とするプラスチックの選別方法。
【請求項4】
破砕されたプラスチック片を加熱押圧することにより薄片化処理する薄片化装置と、
前記薄片化されたプラスチック薄片に赤外線を照射する赤外線光源と、
前記プラスチック薄片からの赤外線透過スペクトルを検出する赤外線検出器と、
前記赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合して前記プラスチック薄片の材質を同定する識別装置と、
前記識別装置により同定された前記プラスチック薄片を材質別に選別回収する回収装置と、
を備えたことを特徴とするプラスチックの選別装置。
【請求項5】
薄片化装置が、加熱された圧延ローラの押圧によるものであることを特徴とする請求項4に記載のプラスチックの選別装置。
【請求項6】
破砕されたプラスチック片の表面を加熱された転写ローラにより溶融し、前記溶融されたプラスチック片の表面層を前記転写ローラに転写する転写装置と、
前記転写されたプラスチック膜に赤外線を照射する赤外線光源と、
前記プラスチック膜からの赤外線透過スペクトルを検出する赤外線検出器と、
前記赤外線透過スペクトルを既知のプラスチックの赤外線透過スペクトルと比較照合して前記プラスチック膜の材質を同定する識別装置と、
前記同定されたプラスチック膜の材質から前記プラスチック片を材質別に選別回収する回収装置と、
を備えたことを特徴とするプラスチックの選別装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−110733(P2010−110733A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287789(P2008−287789)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】