説明

プラスチックシート、プラスチックシートの製造方法、そのプラスチックシート用いた回路基板および表示用デバイス

【課題】プラスチックシート基板に形成された欠陥検出の作業性、安定性を向上し、回路形成工程においても活用できるようなプラスチックシートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑樹脂又は熱硬化性樹脂から構成されるプラスチックシート、もしくは熱可塑樹脂及び繊維布又は熱硬化性樹脂及び繊維布を含む複合体組成物から構成されるプラスチックシートにおいて、該プラスチックシートから検出した異物又は欠陥に関する情報、及び検出した異物又は欠陥の位置の基準点を該プラスチックシート内の所定領域に形成したことを特徴とするプラスチックシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックシートおよびガラスクロス、不織布等の繊維布を基材とし樹脂をマトリックスとして製造される複合プラスチックシートに関するものであり、これらプラスチックシートの製造方法および該プラスチックシートを用いて製造される回路基板および表示用デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の高機能化が進む回路基板分野において、回路形成のベースとなる基板に要求される特性、品質が非常に高レベル化されてきている。その傾向が強い商品として表示素子用の回路基板がある。例えば近年使用実績の増えてきている液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等であり、ガラス板等のセラミックやプラスチックシートが基板として使用されている。これら表示素子用デバイスでは発光機構や光透過制御機構が回路として基板上に形成され、基板には高度な厚み分布特性や光学特性が要求されている。一方でベースとなる基板の表面もしくは内部に発生する欠陥は回路素子の構造不良やダークスポット、表示ムラ等の表示欠陥を引き起こす因子となる。そのため、基板特性の向上と合わせて欠陥レス/除去技術の向上が非常に重要視されている。
【0003】
ベースとなる基板に発生する欠陥は、付着/混入する環境異物、内部に含有するボイド、表面に形成される突起状/穴状の表面凹凸など複数のモードに分けられ、その大きさも様々である。付着する異物に関しては回路形成工程と同様にベース基板製造工程においても高度に管理されたクリーンな作業環境を確保し、出荷時においては高度な技術の洗浄工程と異物付着を防ぐ保護フィルムのラミネート工程を導入することで対応が実施されている。しかし、基板の加工工程において偶発的に混入した異物はマトリックス樹脂に取り込まれて浮動性を失うため、表面凹凸やボイド等と同様の欠陥として、付着異物と異なる除去方法が必要となる。
【0004】
基板の加工工程において形成されたボイド、表面凹凸、もしくは混入した異物等の欠陥に対しては、その原因を探索し、発生を抑制する根本的な対策がなされなければならない。しかし、原因究明が未達の場合、さらには偶発的要因により発生する欠陥については最終的に検査を行い、規格に基づいた判定基準により良品選別を実施するなどの対応により除去が実施される。製品形態が枚葉である場合には不良判定を受けた基板の選別が比較的容易に行えるが、ロール形態である場合にはその対処が難しい。例えば、欠陥発生部をカットする方法では製品ロット毎に長さが変動するという不具合となり、欠陥発生ロール自体を不良とする方法では歩留が大きく低下するといった不具合が生じる。これに対し、検出した欠陥部もしくはその近傍にマーキングを行い、欠陥部を明確にする方法が用いられることもある(例えば特許文献1)。マーキングの方法としては、シール貼付けやインク等を用いたラベリングもしくは穴あけ等の加工による手法がある。回路基板に適用する場合、前者のラベリング法はエッチングや焼成の工程において消失する恐れがあり、これを改善して適用する必要がある。後者の加工手法では切断面から発塵する可能性が非常に高く、また基板面内に切り欠きを形成することによるシワ発生等の不具合を生じる恐れがある。また、いずれのマーキング方法を用いた場合でも欠陥位置を把握するためにマーキングを再度検出する必要があり、基板製造の検査工程において検出した欠陥部を認識するために回路形成工程において再度全面検査を行わなければならず、作業性が向上したとはいえない状況であった。
【0005】
【特許文献1】特開2002−303580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような問題を鑑み、プラスチックシート基板に形成された欠陥検出の作業性、安定性を向上し、回路形成工程においても活用できるようなプラスチックシートおよびその製造方法、さらにはその製造方法により得られる回路基板および表示用デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、プラスチックシート基材の製造工程において発生した欠陥の情報をシート面内の所定領域に形成することにより、欠陥再検出における作業性を向上し、かつその情報が回路形成工程にまで活用可能となる欠陥情報つきプラスチックシートおよびその製造方法を見出した。
すなわち本発明は、
(1)熱可塑樹脂又は熱硬化性樹脂から構成されるプラスチックシート、もしくは熱可塑樹脂及び繊維布又は熱硬化性樹脂及び繊維布を含む複合体組成物から構成されるプラスチックシートにおいて、該プラスチックシートから検出した異物又は欠陥に関する情報、及び検出した異物又は欠陥の位置の基準マークを該プラスチックシート内の所定領域に形成したことを特徴とするプラスチックシート、
(2)検出した異物又は欠陥の関する情報が、検出した異物又は欠陥の大きさ、検出した異物又は欠陥の個数、及び異物又は欠陥の検出部分を含む位置、から選ばれる少なくとも一つの情報である(1)記載のプラスチックシート、
(3)検出した異物又は欠陥の関する情報及び位置の基準マークが、レーザーマーカー又はインクジェットの手段により印字して形成されたものである(1)又は(2)記載のプラスチックシート、
(4)検出した異物又は欠陥の関する情報をコード化し、該コードがレーザーマーカー又はインクジェットの手段により印字して形成され、もしくはパンチングにより打ち抜かれて形成されたものである(1)〜(3)いずれか記載のプラスチックシート、
(5)前記プラスチックシートが波長550nmでの光線透過率が80%以上である(1)〜(4)いずれか記載のプラスチックシート、
(6)前記プラスチックシートがロール巻形態であり、該プラスチックシートから検出した異物又は欠陥に関する情報、及び検出した異物又は欠陥の位置の基準マークが形成されるプラスチックシート内の所定領域が、巾方向のエッジ部である(1)〜(5)いずれか記載のプラスチックシート、
(7)(1)〜(6)いずれか記載のプラスチックシートを使用する回路基板又は表示デバイスの製造方法であって、製造工程において該プラスチックシートの基準マークおよび位置情報を検出して該当位置をスキップする工程を有することを特徴とする回路基板又は表示デバイスの製造方法、
(8)(1)〜(6)いずれか記載のプラスチックシートを使用する回路基板又は表示デバイスの製造方法であって、該プラスチックシートの基準マークおよび位置情報を検出して該当位置を不良品として選別する工程を有することを特徴とする回路基板又は表示デバイスの製造方法、
(9)(7)又は(8)記載の製造方法により得られる回路基板又は表示用デバイス、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により得られるプラスチックシートは、プラスチックシート基材の製造工程において発生した欠陥の情報をシート面内の所定領域に形成することにより、欠陥再検出における作業性の向上が図れる。又、その欠陥の情報を回路基板又は表示デバイスの回路形成工程にまで活用可能となる製造方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の欠陥情報付きプラスチックシート、欠陥情報付きプラスチックシートの製造方法、そのプラスチックシート用いた回路基板および表示用デバイスについて説明する。
本発明が対象とするシートは熱可塑もしくは熱硬化性の樹脂組成物、または繊維布を基材とし、これら樹脂組成物をマトリックス樹脂として用いた複合体組成物から成るプラスチックシートであり、特に繊維布−熱硬化樹脂からなる複合プラスチックシートを用いることが好ましい。
基材に用いられる繊維布とは、例えばガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、鉱物繊維、等々による織布、不織布、マット類等や、あるいは紙が挙げられ、これらの無機充填材は単独もしくは混合して使用してもよい。回路基板用途としては電気的特性の面からガラス繊維の繊維布を用いることが好ましいと言える。
また、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等、熱によって三次元架橋し硬化する樹脂一般を示す。これら樹脂は単独でも混合してもよい。また用いる硬化剤及び硬化促進剤を必要とする場合はそれを併用することができる。熱硬化性樹脂として最も好適に使用されるものはエポキシ樹脂である。このとき硬化剤としてアミン系、特にジシアンジアミドと芳香族アミン、テトラメチレンヘキサミン及びフェノールノボラック系硬化剤や酸無水物系硬化剤が使用される。硬化促進剤としてはトリフェニルホスフィン等の有機燐系や、イミダゾール系の窒素系の硬化促進剤が好適に使用される。
【0010】
本発明に使用するプラスチックシートの形態については特に制限はなく、枚葉形態であってもロール形態であってもよい。本発明の効果としてはロール形態の方が顕著に表れる。シート厚みについても特に制限はないが、一般的に回路基材として用いられる厚みにすることが望ましい。特に20〜5000μmが好ましいが、ロール形態の場合には20〜300μmとすることが望ましい。用途が表示素子用デバイスである場合においては、波長550nmでの光線透過率が80%以上である透明なプラスチックシートを用いることが望ましいが、本発明の適用において特に制限されるものではない。
【0011】
本発明は異物もしくは欠陥の検出手段と検出した欠陥情報の処理手段、プラスチックシート上への情報形成手段からなる。これらの手段により構成される装置はインラインに設置してもよく、オフラインで構築してもよい。オフラインで構築する場合には被測定物もしくは検出手段を動かすための搬送手段を別途設けなければならない。また、インラインに設置する場合には、情報形成手段の選択により形成時にライン速度を減速または一時停止させる必要が生じる可能性があり、これに対応可能な工程に設置することが望ましい。
【0012】
本発明において異物、欠陥の検出手段は特に制限するものではないが、センサを用いることが自動化による作業性向上、検出精度および安定性向上の面から好ましい。近年開発が進んでいる高解像度のCCDカメラを利用した画像処理センサは検出可能な欠陥モードの範囲が広く、検査エリア内における複数の欠陥情報を一度に処理できるため、作業性、汎用性の面から特に好ましいと言える。また、これらの手段は単独で用いても良いが、対象とする欠陥モードに適した検出手段を複数設置し、組み合わせて用いることも可能である。
【0013】
本発明における欠陥情報の処理手段についても制限はない。近年では処理機器の開発が目覚しく、検出手段もしくは形成手段と処理手段が一体化されている製品が提供されており、これら製品を利用しても十分に処理手段としての目的を果たす場合がある。これら処理機器は検出した欠陥情報をプラスチックシート状に形成するためのコード化のみでなく、製品履歴としてこれらの欠陥情報が管理できるような形態をとることが望ましいといえる。
【0014】
本発明における情報形成手段においては、プラスチックシートの所定領域に情報形成を行うことから、シール貼付けやインク等を用いたラベリングもしくは穴あけ等の加工による手法を用いても、加工に伴う製品への影響を低減する効果が期待できる。よって情報形成には比較的汎用の手法を用いることが可能であるが、その手法採用におけるプラスチックシートへの汚損影響について十分に考慮し、必要に応じて耐薬品性や耐熱性等の特性を有する手段を選択しなければならない。インクジェットを用いた硬化性樹脂等による形成法やレーザーマーカーによる形成法は周囲への影響が少なく、望ましいといえる。発塵量によっては穴あけ等の加工手法も有効ではあるが、加工時にシートの搬送を減速もしくは一時停止する必要が生じてくる。
【0015】
本発明における欠陥情報を形成するプラスチックシートの所定領域については、検出装置を可動しなくても良いように考慮することが作業性の上で好ましいといえる。枚葉の製品形態であれば四隅の内で規定の一角、ロール形態であれば幅方向エッジ付近に形成することで定位置にて欠陥情報を検出することが好ましい。
【0016】
位置情報の基準となる基準マークについては、その形状について特に制限するものではない。被検査体(枚葉シートもしくはロール)に対して1箇所の基準マークから位置情報を提供してもよいが、ロール形態の場合には検出した欠陥毎に基準マークを設けることにより、基準マーク位置を記憶する必要がなくなるため作業性が向上する場合もある。
【0017】
欠陥情報の形成コードについてはそれを検出する手段に依存するところが大きいが特に制限されるものではない。目視による検出を行う場合にはこれらの情報をコード化するよりも数字・文字等で印字した方が容易に位置情報を把握することが可能である。センサで検出を行う場合には高度な画像処理センサを用いれば数字・文字で印字された情報を検出することも可能であるが、一般に使用されているバーコードのようにコード化されている方が望ましいといえる。また、これらはどちらか一方のみでなく両方を組み合わせて用いることも可能である。
【0018】
基準マークおよび形成情報の大きさも検出手段に依存するところが大きいが、1文字もしくは1ドットあたり0.5〜5.0mm程度にすることが望ましいといえる。形成色についても特に制限されるものではないが、特に対象とするプラスチックシートが透明である場合にはレーザーマーカーやインクジェット等による手段でコントラストの強いマーキングを行うことにより、検出の抜けが低減され検出安定性が向上するので望ましいといえる。
【0019】
本発明のプラスチックシートを用いた回路基板および表示用デバイスの製造方法について説明する。欠陥情報を検出するための検出手段を回路形成の工程内に設ける。ここで洗浄工程などの欠陥の有無に関わらず全面実施しなければならない工程はその対象から除外される。つまりは欠陥部を除外することにより効果が期待される工程のすべてもしくは一部に設置される必要があり、その判断は固有技術に委ねられる。中間工程において、形成された欠陥情報を抽出できる検査手段を用いた場合には、情報が示す欠陥部分を含む製品パターン領域の工程をスキップさせることにより作業性の向上がはかれる。
欠陥情報を十分に抽出できない検査手段を用いた場合や局所パターンのみをスキップすることにあまり効果が見出せない場合には、欠陥情報の有無のみを検出して長さ方向に巻取ることにより、作業時間の短縮をはかることが可能である。ただし、実装工程等では既知欠陥箇所をスキップすることによる効果は大きいと考えられるが、基板形成、特に表示用デバイスにおける素子回路形成工程においてはスキップすることに効果を見出すことが困難な可能性もあり、またラインレイアウトにより搬送速度の変更が困難な場合にはスキップによる時間短縮も望めない場合がある。その場合にも最終検査工程において良品選別を行う際に予め不良判定することができ、検査時間の短縮による効果を出すことが可能である。
【実施例】
【0020】
以下に本発明の一実施例を説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ワニスの調製
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製 EHPE3150)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リッカシドMH-700)75重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP-PB)0.5重量部を、アセトン120重量部と混合してワニスとした。
(2)ベース基材作製
以下の要領でプラスチック複合シートを作製した。
厚さ80μmのEガラス系ガラスクロス(日東紡績製 WEA2319)にワニスAをディッピングにて含浸させた。ガラスクロス内にワニスが含浸するのに十分な時間浸漬した後、表面に2〜3μmの樹脂厚が乗るよう引き上げ速度を調整しながら両面に樹脂を塗布した。含浸/塗布完了後にオーブン内に120℃で5分間処理し、更に200℃で2時間処理することにより樹脂を硬化させた。
(3)検査工程と形成情報
CCDカメラと画像処理装置を用いて樹脂硬化後のベース基材に対して欠陥検出を行った。CCDカメラを基材幅方向に5台並列に設置し、検出した異物及び欠陥の位置情報をCCDカメラ取付台の機械原点からの座標として算出した。基準マーク位置を原点、X軸をMD方向、Y軸をTD方向とした座標系に位置情報を変換し、情報形成手段にレーザーマーカーを用いて、製品型取り範囲外の幅方向エッジ近傍(図1)に基準マークと検出位置のX、Y座標を図2(a)のように形成した。
(4)コーティング処理
ダイレクトリバースグラビアコーターを利用して上記ベース基板表面に第2樹脂組成物を塗工した。検査工程において形成された基準マークを1台のCCDカメラで検査し、検出時に製品パターンピッチ分スキップしてコーティング処理を行った。100mの基材を処理する時間は79分であった。
【0021】
(実施例2)
(1)ベース基材の作製
実施例1と同じ要領でベース基材を作製した。
(2)検査工程と形成情報
実施例1と同じ要領でベース基材の異物及び欠陥の位置情報を検出した。基準マーク位置を原点、X軸をMD方向、Y軸をTD方向とした座標系に位置情報を変換し、さらにその数値を16ビットのBCDコードに変換した。情報形成手段にレーザーマーカーを用いて、製品型取り範囲外の幅方向エッジ近傍(図1)に基準マークと検出位置のX、Y座標を図2(b)のように形成した。
(3)コーティング処理
ダイレクトリバースグラビアコーターを利用して上記ベース基板表面に第2樹脂組成物を塗工した。検査工程において形成された基準マークを1台のCCDカメラで検査し、検出時に製品パターンピッチ分スキップしてコーティング処理を行った。100mの基材を処理する時間は91分であった。
【0022】
(実施例3)
(1)ベース基材の作製
実施例1と同じ要領でベース基材を作製した。
(2)検査工程と形成情報
実施例1と同じ要領でベース基材の異物及び欠陥の位置情報を検出した。基準マーク位置を原点、X軸をMD方向、Y軸をTD方向とした座標系に位置情報を変換し、情報形成手段にレーザーマーカーを用いて、製品型取り範囲外の幅方向エッジ近傍(図1)に基準マークと検出位置のX、Y座標を図2(a)のように形成した。
(3)製品型抜き工程
検査工程において形成された異物及び欠陥の位置情報から、異物及び欠陥の検出位置を除いて金型で製品型抜きを実施した。9パターン/mの型抜きを100mの基材処理する時間は51分であった。
【0023】
(比較例1)
(1)ベース基材の作製
実施例1と同じ要領でベース基材を作製した。
(2)コーティング処理
ダイレクトリバースグラビアコーターを利用して上記ベース基板表面に第2樹脂組成物を塗工した。100mの基材を処理する時間は103分であった。
(3)製品型抜き工程
目視検査工程において異物及び欠陥部分を検出してマーキングを行い、異物及び欠陥部分を除いて金型で製品型抜きを実施した。9パターン/mの型抜きを100mの基材処理する時間は248分であった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のプラスチックシートの一例の概略図
【図2】異物又は欠陥に位置に関する情報、及び検出した異物又は欠陥の位置の基準マークを形成したプラスチックシートの一部概略図 (a)基準マーク及び位置情報がレーザーマーカーで形成 (b)基準マーク及びコード化された位置情報がレーザーマーカーで形成 (c)基準マーク及びコード化された位置情報が穴あけで形成
【符号の説明】
【0025】
1 プラスチックシート
2 製品型取り範囲部
3 異物又は欠陥部
4 製品型取り範囲外の幅方向エッジ近傍部
5 基準マーク
6 位置情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑樹脂又は熱硬化性樹脂から構成されるプラスチックシート、もしくは熱可塑樹脂及び繊維布又は熱硬化性樹脂及び繊維布を含む複合体組成物から構成されるプラスチックシートにおいて、該プラスチックシートから検出した異物又は欠陥に関する情報、及び検出した異物又は欠陥の位置の基準マークを該プラスチックシート内の所定領域に形成したことを特徴とするプラスチックシート。
【請求項2】
検出した異物又は欠陥の関する情報が、検出した異物又は欠陥の大きさ、検出した異物又は欠陥の個数、及び異物又は欠陥の検出部分を含む位置、から選ばれる少なくとも一つの情報である請求項1記載のプラスチックシート。
【請求項3】
検出した異物又は欠陥の関する情報及び位置の基準マークが、レーザーマーカー又はインクジェットの手段により印字して形成されたものである請求項1又は2記載のプラスチックシート。
【請求項4】
検出した異物又は欠陥の関する情報をコード化し、該コードがレーザーマーカー又はインクジェットの手段により印字して形成され、もしくはパンチングにより打ち抜かれて形成されたものである請求項1〜3いずれか記載のプラスチックシート。
【請求項5】
前記プラスチックシートが波長550nmでの光線透過率が80%以上である請求項1〜4いずれか記載のプラスチックシート。
【請求項6】
前記プラスチックシートがロール巻形態であり、該プラスチックシートから検出した異物又は欠陥に関する情報、及び検出した異物又は欠陥の位置の基準マークが形成されるプラスチックシート内の所定領域が、巾方向のエッジ部である請求項1〜5いずれか記載のプラスチックシート。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか記載のプラスチックシートを使用する回路基板又は表示デバイスの製造方法であって、製造工程において該プラスチックシートの基準マークおよび位置情報を検出して該当位置をスキップする工程を有することを特徴とする回路基板又は表示デバイスの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜6いずれか記載のプラスチックシートを使用する回路基板又は表示デバイスの製造方法であって、該プラスチックシートの基準マークおよび位置情報を検出して該当位置を不良品として選別する工程を有することを特徴とする回路基板又は表示デバイスの製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8記載の製造方法により得られる回路基板又は表示用デバイス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−266847(P2006−266847A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84933(P2005−84933)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】