プラスチックチューブを内部的に溶接する方法及びデバイス
本発明は、プラスチック材料でできたチューブ状のパッケージをシールするための方法及び容器に関し、ここで該方法は少なくとも以下の操作を含む:a)圧延材料(11)が圧延される圧延操作、b)圧延材料(11)の端部(8、9)が互いに近くに置かれる配置操作、c)融解された樹脂コード(12)が該端部(8、9)上に押し出され、そして沈着される押出操作、d)上記端部(8、9)が該コード(12)を用いて融解される融解操作、e)シール領域が圧縮される圧縮操作、f)シール部が冷却される冷却操作。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックフィルムを使用して形成される可撓性チューブの分野に関する。本発明は、特に、その端部が軟化した溶接ストリングを加えることによって溶接されるフィルムを使用して形成される可撓性チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
軟化したプラスチックストリングを加えることによって溶接は、特許文献1において述べられている。出願者によって提出されたこの方法において、溶接ストリングは、押し出されそして積層体の各端部に溶接され、そして該端部の間の結合として働く。溶接ストリングの温度は、追加のエネルギー入力が全く要求されないように、上記端部へのその溶接を確保するために十分に高い。本方法は、容器の内面を形成している表面にストリングが適用されるため、チューブの魅力を改善するという利点を有する。別の利点は一般的に使用される高周波溶接デバイスと比較したデバイスの単純さである。
【0003】
しかしながら、特許文献1において述べられた方法及びデバイスは、生産された容器に関して多くの欠点を有する。これらの欠点は、容器上の3種類の溶接欠陥の出現と関連している。第一の欠点は美観であり、そして積層体の端部が接合(join)されないときに現れる。この場合、溶接ストリングは容器の外側から見える。この種の溶接の説明が図5において示される。積層体11の端部は接合されず、そして該端部の間のスペース14は溶接ストリング12によって充填される。この種の溶接は積層体11がバリア層13を含むときに、第二の欠点を有する。層13における破れのせいで、溶接ゾーン10においてバリア性の損失が観察される。性質の損失はスペース14のサイズと比例する。容器のバリア性の損失は、積層体の端部が接合されないか又は不十分に溶接されるときに著しい。第三の欠点は機械的であり、そして端部が接合されるが一緒に溶接されはしないときに現れる。図6において示されたこの種の溶接は、従来技術において述べられ、そして図1〜4において示されたデバイスを用いて得られる。この場合、積層体11の突き合せ溶接の低い強度を補うために、非常に厚い溶接ストリング12が要求される。溶接ゾーン10は溶接ストリング12と積層体11の間のインターフェイスによって形成された第一のゾーン15、及び積層体の端部の間のインターフェイスによって形成された第二のゾーン16を有する。従来技術において述べられた方法及びデバイスは、インターフェイス16を溶接できないことが観察される。溶接ストリング12の高い厚みによって溶接ゾーンでの容器の可撓性が低下する。積層体の端部の間の溶接されていないインターフェイス16も、容器の美観及びバリア性を悪化させる。上述の欠点の出現は、溶接ストリングによって供給されるエネルギーを用いた積層体の端部の軟質化の困難性に由来する。
【0004】
特許文献1において述べられた、そして図1〜4において示された方法及びデバイスも、特に、重力の作用下で、軟化したストリングが自然に下方向に流れると言う事実から生じる他の欠点を有する。従って、ストリングは最初に溶接棒の表面と、又は、可能ならば、棒内に埋め込まれた駆動ベルトと接触する。図1において示されたデバイスの断面を示す図2において、溶接ストリング12は積層体11と接触する前に、金属ベルト3の上に置かれる。その温度が比較的に高いストリングの、冷たい金属表面とのこの最初の接触は、本方法の操作にとって有害である。これは、溶接されるべき積層体の端部と接触することになる前に、ストリングの温度が下がるからである。この予期せぬエネルギー損失によって実質的に溶接部の品質が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO 2008/038206 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決したいと提案する課題は、軟化した押出ストリングを用いて得られる溶接部の品質の改善にある。本発明は、特に、前述の欠点を直すためにも役立つ。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも以下の操作を含む、主としてチューブ状のプラスチック容器を溶接する方法に関する:
・積層体が巻かれる巻き操作、
・積層体の端部が位置決めされる位置決め操作、
・軟化した樹脂ストリングが、積層版の端部上に押し出され、そして付着(deposit)される押出操作、
・該端部が、該ストリングを用いて融合(fuse)される融合操作、
e.溶接ゾーンが、2方向に一緒にプレスされる圧縮操作、
f.溶接部が冷却される冷却操作。
【0008】
前記融合操作は、それが積層体の端部の表面を軟質化する働きをする故に、本発明の重要ポイントである。積層体の端部の融合は、溶接ストリングの熱エネルギーのおかげで得られ、そして以下のような方法で実行される:
・ストリングが積層体の端部とのみ接触している、
・操作の継続時間(duration)及び溶接ストリングエネルギーは前記端部を軟質化するために十分である。
【0009】
融合工程と同時の、又はその後の上記圧縮操作は、以下からなる:
・溶接ストリングを積層体の垂直軸に沿って非常に速く圧縮する、
・そして、積層体の軟化した端部を、積層体の面と平行な方向にお互いに一緒に押しつける。
本発明の実行により、ストリングと接触しそうなデバイスのエレメントと平行な方向にストリングを動かすことからなる方法が導かれる。このようにして、ストリングは、積層体と接触する前に、棒又はベルトなどのエレメントとは全く接触しない。
【0010】
本発明は、ストリングの最初の接触が積層体と起こるように、ストリングが溶接デバイスと、特に、棒と、そして場合により、ベルトと平行に動かされることに特徴付けられる。
【0011】
本発明の一つの特長は、溶接を実行するために要求される全てのエネルギーが、プラスチックストリングを源とするという事実にある。
【0012】
本発明の方法の第一の代替例によると、ストリングは位置決め工程の前に付着される。
【0013】
第二の代替例によると、ストリングは位置決め工程中に付着される。
【0014】
第三の代替例によると、ストリングは位置決め工程に続いて付着される。
【0015】
ストリングは、容器の内面を形成している積層体の表面上、又は外部表面を形成している表面上に付着され得る。好ましくは、ストリングは、内面を形成している表面上に付着される。
【0016】
本発明は更に、上で定義された方法を実行するためのデバイスに関する。デバイスは、積層体よって取り囲まれるように適合された溶接棒、軟化したプラスチックストリングを、溶接棒の外部表面と該棒の回りに置かれた積層体の間に押し出してそして置くための手段を含み、ここでデバイスは、棒が垂直に位置決めされることを特徴とする。
【0017】
容器は二つの明確な部分を含む溶接ゾーンを含む:
・積層体の隣接する端部の間のインターフェイスによって形成された第一の溶接された部分、
・積層体の下側と溶接ストリングの間のインターフェイスによって形成された第二の溶接された部分。
【0018】
溶接部は積層体の厚みの2倍未満、そして好ましくは積層体の厚みの1.8 倍未満の全厚みを有する。溶接ゾーンの強度は積層体の強度よりも大きい。
【0019】
積層体が複数の層を含むとき、本発明は溶接ゾーンにおける層の連続性を改善するために有利である。その結果、これらの容器のバリア性が改善され、そして溶接ゾーンの魅力も改善される。
【0020】
本発明の代替例は、積層体の端部を重ねることによって溶接を実行する方法を使用することにある。この場合、溶接ストリングは、重ねたいと思う積層体の端部のインターフェイスに位置決めされる。融合操作は上記端部を軟質化するのに役立つ。
【0021】
積層体が、その厚み中に、アルミニウム層又は紙の層のような熱の拡散を遅くする層を含む場合、例えば、積層体の二つの端部の温度を上げる効果を有する接触によって、端部を予熱するためのデバイスを使用することは有利であり、それによって溶接条件を容易にするか又は改善する。
【0022】
本発明の代替例によると、積層体の端部はバイアスに切られ、それは溶接ゾーンにおける積層体の横接触面積を増す効果を有する。そのような構成もまた溶接部の品質及び強度に影響を与える。
【0023】
本発明の別の代替例は、積層体の両端の間の画成されたゾーン中にチューブの外部環境を有して、良好なバリア保護を保証するためにも、(バリア材料をストリングの中心に有する)共押出されたプラスチックストリングを使用することにある。
【0024】
以下の図において説明された例を用いて、本発明を以下にもっとより詳細に述べる:
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来技術のデバイスの斜視図を示す。
【図2】図1におけるデバイスの横断面を示す。
【図3】従来技術の第二のデバイスの斜視図を示す。
【図4】図3におけるデバイスの横断面を示す。
【図5】従来技術の溶接部の第一の代替例を示す。
【図6】従来技術の溶接部の第二の代替例を示す。
【図7】本発明に記載の突き合せ溶接方法を示し、本法の融合操作を示す。
【図8】本発明に記載の突き合せ溶接方法を示し、本発明の圧縮操作を示す。
【図9】本発明に従う突き合せ溶接部を示す。
【図10】本発明に従うデバイスの断面を示す。
【図11】融合操作におけるデバイスの断面を示す。
【図12】重なりを用いる溶接方法を示し、融合操作を示す。
【図13】重なりを用いる溶接方法を示し、圧縮操作を示す。
【図14】本発明に従う重なりを用いる溶接部を示す。
【0026】
[図1〜9において使用された参照符号のリスト]
1.溶接棒
2.仕上型(調節可能な高さ)
3.内部ベルト(金属)
4.成形型
5.ベアリングパッド
6.外部ベルト
7.押出機ヘッド
8.積層体の第一の端部
9.積層体の第二の端部
10.溶接ゾーン
11.積層体(連続ストリップ)
12.押し出されたプラスチックストリング
13.バリア層
14.スペース
15.ストリング−積層体インターフェイス
16.積層体−積層体インターフェイス
17.外部圧縮エレメント
18.内部圧縮エレメント
19.積層体表面に対して直角な圧縮力
20.積層体表面に対して平行な圧縮力
21.溶接ゾーンの厚み
22.融合ゾーン
23.圧縮ゾーン
24.冷却ゾーン
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の方法は、溶接ストリング中に含まれるエネルギーを以下のために使用することにある:
・積層体の端部にストリングを溶接する、
・積層体の端部を互いに溶接する。
【0028】
溶接ゾーンは、このようにして、二つの明確な部分を含む:第一はストリング−積層体インターフェイスによって形成され、そして第二は積層体−積層体インターフェイスによって形成される。
【0029】
本発明の方法は少なくとも以下の操作を含む:
・積層体を巻いてチューブ状体を形成すること、
・積層体の端部を位置決めること、
・該端部上に溶接ストリングを押し出しそして付着すること、
・該ストリングのエネルギーを用いて該端部を融合すること、
・溶接ゾーンを圧縮すること、
・溶接ゾーンを冷却すること、
・チューブ状体を同じ長さの円筒状エレメントに切断すること。
【0030】
本発明の重要な工程を図7及び8において示す。図7は、溶接されるべき端部を軟化するために、溶接ストリングのエネルギーの部分が積層体に移される融合操作を示す。柔らかくされ、押し出された溶接ストリング12は積層体11の端部と接触させられる。ストリングと積層体の間のインターフェイス15は、溶接されるべき端部のみを加熱するために、狭くなったゾーンを有する。前記融合操作中、溶接ストリング12は積層体11の端部とのみ接触している。本発明の好ましい実施態様によると、積層体11の端部は融合操作中溶接ストリング12とのみ接触している。融合操作中溶接ストリング12及び積層体の端部との外部接触がないことが本発明の重要な特長である。融合操作の継続時間は、積層体の厚み並びに溶接ストリングの温度及び質量に依存する。融合操作の継続時間は一般的に、0.1秒より長く、そして溶接ストリングの温度は、その融点よりも少なくとも50℃高い。一般的に、溶接部の厚み並びに容器のコストを下げるために、溶接ストリングの質量を減じることが試みられる。最適質量は、溶融操作中ストリングが含むべき最小エネルギー、低減されるべき溶接部の厚み、及び最後に溶接ゾーンの性質の間の妥協から生まれる。これらのパラメーターは当業者によって調節される。積層体11が多層積層体であるとき、全ての層を柔らかくすることが常に可能でありそして有用でるとは限らない。この場合、突き合せ溶接に適する層を柔らかくするために、溶接ストリング12によって供給されるエネルギーが使用される。一般に、溶接ストリングを構成している樹脂は、積層体の溶接層と同じタイプのものである。溶接ストリング12が、積層体の溶接層を構成している樹脂のそれと等しいか又はそれより高い融点を有する樹脂を選択することは有利である。例えば、高密度ポリエチレンの溶接ストリングの使用は、低密度ポリエチレンの層を含む積層体を有するチューブを作るために有利である。融合操作は圧縮操作の前又は同時であってよい。
【0031】
積層体が、その厚み中に、溶接ストリングと積層体の溶接層の間の熱伝達を遅らせる層を含むことが起こり得る。例えば、アルミニウム層又は紙の層が著しく熱伝達を遅らせることが観察されてきた。溶接ストリングが下方の表面上に置かれる故に、積層体の上方表面の近くに置かれた層を柔らかくすることが時々困難になる。この困難を克服するために、融合操作中、積層体の外部表面に熱源を追加することが考えられ得る。この場合、接触によって又は熱風によって上方の表面を加熱することは有利である。
【0032】
融合操作に続いて又はそれと同時に、溶接ゾーンが圧縮される。図8において示された圧縮操作は以下からなる:
・溶接ストリングの厚みを減らし、そして積層体11と溶接ストリング12の間の軟化したインターフェイス15を押しつけること、
・両端の間のスペース14を減らし、そして積層体11の軟質化した端部の間のインターフェイス16を押しつけること。
【0033】
圧縮操作中、溶接ゾーン10は、直角と呼ばれる方向、及び横断と呼ばれる方向に沿って一緒に押圧される。直角方向は溶接ゾーンによって形成される面に対して直角である。横断と呼ばれる方向は溶接ゾーンによって形成される面に対してと平行であり、そして溶接軸に対して直角である。直角方向の圧力は、溶接ストリング10の厚みを低下させ、そしてストリング12と積層体11の間の溶接されたインターフェイスの凝集力(cohesion)を増大させる。直角方向の圧力は、積層体の外部表面と接触している外部圧力エレメント17及び溶接ストリングと接触している内部圧力エレメント18を用いて提供される。圧縮エレメント17及び18によってかけられた圧縮力19は溶接ストリングの厚みの低下を引き起こし、そしてそれを広げることを引き起こす。圧縮操作は溶接ゾーン10の冷却を避けるために非常に迅速でなければならず、それによってストリング12のつぶれが防がれるであろうし、そしてストリングと積層体の間で、品質が悪い溶接されたインターフェイス15の隆起が与えられるであろう。直角方向の圧縮の前に、一緒に、又は後に、積層体にかけられた横断圧縮力20の効果の下で、溶接ゾーンが横断的に押圧される。横断圧縮力20によって積層体の端部が一緒にされ、そして積層体11の軟化した端部が溶接されたインターフェイス16で押圧される。この横断圧縮によってインターフェイス16での溶接部の凝集力が改善される。横断圧縮力20は、低い強度を有し、そして積層体によってインターフェイス16に移される。インターフェイス16の圧縮は、溶接ゾーンの強度を実質的に増大させる効果を有し、そして溶接ゾーンにおける積層体のバリア性の連続性を改善する。
【0034】
図9は本方法の突き合せ溶接を示す。溶接ゾーン10は二つの明確な溶接ゾーンを有する:
・ストリング12と積層体11の下側の間のインターフェイス15、
・積層体の両端部の間のインターフェイス16。
【0035】
従来技術において述べられた方法及びデバイスを用いて得られた溶接部とは対照的に、積層体11の両端部の間のインターフェイス16が溶接される。バリア層の両端部の間の距離は60ミクロンより短く、そして好ましくは30ミクロンより短い。その結果、容器の性質は改善される。つまり:
・溶接ゾーンでのバリア性及び機械的性質のよりよい連続性、
・溶接部のより低い厚み。
従来技術の溶接部と比較して、溶接部の厚み21は低減できる。本発明に従う溶接部21の厚みは有利には積層体の厚みの2倍未満である。好ましくは、この厚みは積層体の厚みの1.8倍未満である。
【0036】
図10は本発明に記載のデバイスを示す。チューブは、成形型4を横切って最上部から最低部へと引っ張られた積層体11のストリップと、全周に亘って溶接棒1を次第に包むことによって連続的に形成される。PE又はPP(または他の材料)(単層又は多層)の積層体11は、次いでチューブの内側に軟化したプラスチックストリング12を付着することによって縦方向に溶接される。図10において示される通り、溶接棒1は垂直に位置決めされる。このようにして、やはり垂直に動くストリング12は溶接棒1と接触せず、直接、積層体11と接触するようになる。
【0037】
デバイスは、本方法の融合操作を実行するための融合ゾーンと呼ばれるゾーン22を含む。ゾーン22の長さは、積層体の厚み及び積層体の走行速度に従って定義される。融合ゾーン22において、積層体の端部及び軟化した溶接ストリング12は接触状態に保持される。ストリング12及び積層体の端部は、融合ゾーン22におけるデバイスのエレメントとは全くその他の接触をしない。
【0038】
デバイスは、圧縮操作を実行するための圧縮ゾーンと呼ばれるゾーン23を含む。圧縮操作は短い継続期間でなければならない故に、ゾーン23はより短い。ゾーン23において、溶接ゾーンは、直角と呼ばれる方向に沿って、そして横断と呼ばれる方向に沿って一緒に押圧される。溶接ストリング12を押しつけ、そしてそれを広げることになる直角方向の圧縮が図10において示される。溶接ゾーンは、積層体の外面に圧力をかけているベアリングパッド5と溶接ストリングに圧力をかけている仕上型2の間に押圧される。圧縮ゾーン23は、圧縮操作が短い継続時間のものであるように、短い。図10において示されたもの以外の多くの他の圧縮手段が使用できる。プレスロールは、溶接ストリング12又は積層体の外部表面を構成している樹脂が圧縮ツール上に付着物を生みだすとき、有利であり得る。圧縮ツールは、好ましくは、冷却される。別の代替例は、積層体と同じ速度で走行し(travelling)、そして圧縮の時点で溶接ゾーンと接触するベルトを使用することである。この代替例は、圧縮操作及び冷却操作中、溶接ゾーンとツールの間の摩擦を避けるのに役立つ。幾つかのデバイスは、溶接部の外部又は内部の面上に置かれた単独のベルトを使用する。他のデバイスは、溶接ゾーンのどちらかの側上に位置決められ、そして圧縮操作の時点でのみ該ゾーンと接触することになる二つのベルトを有する。図10において示されたデバイスも、軟化した積層体の端部を押しつける横断圧縮力をかける。横断圧力は、圧縮ゾーンにおけるその幾何形状が、積層体の端部を徐々に押しつける効果を有する成形型4によってかけられる。有利なことに、圧縮ゾーンにおいて、成形型4の直径は、積層体11の外部表面によって形成されるチューブ状体の直径よりも少し小さい。
【0039】
デバイスは、冷却操作を実行するための冷却ゾーンと呼ばれるゾーン24を含む。このゾーンにおいて、溶接部はベアリングパッド5と仕上型2の間で冷却される。この冷却ゾーンにおいて、エレメントが、作り出されるチューブの丸さを改善するために加えられ得る。加熱されたゾーンが局部的であるので、冷却ゾーン24の長さは一般的に低減される。ゾーン24の長さは、積層体の厚み、溶接ストリングの厚み、及び溶接の走行速度に従って調節される。
【0040】
図11は融合ゾーン22でのデバイスの断面を示す。図11は、軟化した溶接ストリング12が積層体11の端部とのみ接触していることを示す。溶接ストリング12は、棒1及び成形型4と全く接触しない。デバイスの垂直位置取りは、チューブ状体の製作中に、そしてまた出発及び停止の段階中にも、溶接ストリング12がツールとの如何なる接触をも避けるために特に有利である。
【0041】
図12〜14は、積層体の端部が重なりを有して溶接される本発明の代替例を示す。
【0042】
図12は、融合と呼ばれる操作の時点での方法を示す。融合操作中、溶接ストリング12は積層体11の重なっている端部の間に位置決めされる。ストリング12のエネルギーの部分は、それらを柔らかくするために上記端部に移される。
【0043】
図13は、その最中に圧縮力19が積層体の表面に垂直にかけられる圧縮と呼ばれる操作を示す。この圧縮力はストリング12の厚みを低下させ、そして積層体11の端部を覆う効果を有する。
【0044】
図14は本発明に従って実行される重ね溶接を示す。溶接ゾーン10は、積層体の厚みの2倍未満、そして好ましくは積層体11の厚みの1.8倍未満の厚み21を有する。溶接ストリング12は溶接された端部で積層体の端部を覆う。
【0045】
(バリア材料をストリングの中心に有する)軟化した共押出溶接ストリングの使用は、溶接ゾーンでのバリア保護を改善するのに役立つ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックフィルムを使用して形成される可撓性チューブの分野に関する。本発明は、特に、その端部が軟化した溶接ストリングを加えることによって溶接されるフィルムを使用して形成される可撓性チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
軟化したプラスチックストリングを加えることによって溶接は、特許文献1において述べられている。出願者によって提出されたこの方法において、溶接ストリングは、押し出されそして積層体の各端部に溶接され、そして該端部の間の結合として働く。溶接ストリングの温度は、追加のエネルギー入力が全く要求されないように、上記端部へのその溶接を確保するために十分に高い。本方法は、容器の内面を形成している表面にストリングが適用されるため、チューブの魅力を改善するという利点を有する。別の利点は一般的に使用される高周波溶接デバイスと比較したデバイスの単純さである。
【0003】
しかしながら、特許文献1において述べられた方法及びデバイスは、生産された容器に関して多くの欠点を有する。これらの欠点は、容器上の3種類の溶接欠陥の出現と関連している。第一の欠点は美観であり、そして積層体の端部が接合(join)されないときに現れる。この場合、溶接ストリングは容器の外側から見える。この種の溶接の説明が図5において示される。積層体11の端部は接合されず、そして該端部の間のスペース14は溶接ストリング12によって充填される。この種の溶接は積層体11がバリア層13を含むときに、第二の欠点を有する。層13における破れのせいで、溶接ゾーン10においてバリア性の損失が観察される。性質の損失はスペース14のサイズと比例する。容器のバリア性の損失は、積層体の端部が接合されないか又は不十分に溶接されるときに著しい。第三の欠点は機械的であり、そして端部が接合されるが一緒に溶接されはしないときに現れる。図6において示されたこの種の溶接は、従来技術において述べられ、そして図1〜4において示されたデバイスを用いて得られる。この場合、積層体11の突き合せ溶接の低い強度を補うために、非常に厚い溶接ストリング12が要求される。溶接ゾーン10は溶接ストリング12と積層体11の間のインターフェイスによって形成された第一のゾーン15、及び積層体の端部の間のインターフェイスによって形成された第二のゾーン16を有する。従来技術において述べられた方法及びデバイスは、インターフェイス16を溶接できないことが観察される。溶接ストリング12の高い厚みによって溶接ゾーンでの容器の可撓性が低下する。積層体の端部の間の溶接されていないインターフェイス16も、容器の美観及びバリア性を悪化させる。上述の欠点の出現は、溶接ストリングによって供給されるエネルギーを用いた積層体の端部の軟質化の困難性に由来する。
【0004】
特許文献1において述べられた、そして図1〜4において示された方法及びデバイスも、特に、重力の作用下で、軟化したストリングが自然に下方向に流れると言う事実から生じる他の欠点を有する。従って、ストリングは最初に溶接棒の表面と、又は、可能ならば、棒内に埋め込まれた駆動ベルトと接触する。図1において示されたデバイスの断面を示す図2において、溶接ストリング12は積層体11と接触する前に、金属ベルト3の上に置かれる。その温度が比較的に高いストリングの、冷たい金属表面とのこの最初の接触は、本方法の操作にとって有害である。これは、溶接されるべき積層体の端部と接触することになる前に、ストリングの温度が下がるからである。この予期せぬエネルギー損失によって実質的に溶接部の品質が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO 2008/038206 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決したいと提案する課題は、軟化した押出ストリングを用いて得られる溶接部の品質の改善にある。本発明は、特に、前述の欠点を直すためにも役立つ。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも以下の操作を含む、主としてチューブ状のプラスチック容器を溶接する方法に関する:
・積層体が巻かれる巻き操作、
・積層体の端部が位置決めされる位置決め操作、
・軟化した樹脂ストリングが、積層版の端部上に押し出され、そして付着(deposit)される押出操作、
・該端部が、該ストリングを用いて融合(fuse)される融合操作、
e.溶接ゾーンが、2方向に一緒にプレスされる圧縮操作、
f.溶接部が冷却される冷却操作。
【0008】
前記融合操作は、それが積層体の端部の表面を軟質化する働きをする故に、本発明の重要ポイントである。積層体の端部の融合は、溶接ストリングの熱エネルギーのおかげで得られ、そして以下のような方法で実行される:
・ストリングが積層体の端部とのみ接触している、
・操作の継続時間(duration)及び溶接ストリングエネルギーは前記端部を軟質化するために十分である。
【0009】
融合工程と同時の、又はその後の上記圧縮操作は、以下からなる:
・溶接ストリングを積層体の垂直軸に沿って非常に速く圧縮する、
・そして、積層体の軟化した端部を、積層体の面と平行な方向にお互いに一緒に押しつける。
本発明の実行により、ストリングと接触しそうなデバイスのエレメントと平行な方向にストリングを動かすことからなる方法が導かれる。このようにして、ストリングは、積層体と接触する前に、棒又はベルトなどのエレメントとは全く接触しない。
【0010】
本発明は、ストリングの最初の接触が積層体と起こるように、ストリングが溶接デバイスと、特に、棒と、そして場合により、ベルトと平行に動かされることに特徴付けられる。
【0011】
本発明の一つの特長は、溶接を実行するために要求される全てのエネルギーが、プラスチックストリングを源とするという事実にある。
【0012】
本発明の方法の第一の代替例によると、ストリングは位置決め工程の前に付着される。
【0013】
第二の代替例によると、ストリングは位置決め工程中に付着される。
【0014】
第三の代替例によると、ストリングは位置決め工程に続いて付着される。
【0015】
ストリングは、容器の内面を形成している積層体の表面上、又は外部表面を形成している表面上に付着され得る。好ましくは、ストリングは、内面を形成している表面上に付着される。
【0016】
本発明は更に、上で定義された方法を実行するためのデバイスに関する。デバイスは、積層体よって取り囲まれるように適合された溶接棒、軟化したプラスチックストリングを、溶接棒の外部表面と該棒の回りに置かれた積層体の間に押し出してそして置くための手段を含み、ここでデバイスは、棒が垂直に位置決めされることを特徴とする。
【0017】
容器は二つの明確な部分を含む溶接ゾーンを含む:
・積層体の隣接する端部の間のインターフェイスによって形成された第一の溶接された部分、
・積層体の下側と溶接ストリングの間のインターフェイスによって形成された第二の溶接された部分。
【0018】
溶接部は積層体の厚みの2倍未満、そして好ましくは積層体の厚みの1.8 倍未満の全厚みを有する。溶接ゾーンの強度は積層体の強度よりも大きい。
【0019】
積層体が複数の層を含むとき、本発明は溶接ゾーンにおける層の連続性を改善するために有利である。その結果、これらの容器のバリア性が改善され、そして溶接ゾーンの魅力も改善される。
【0020】
本発明の代替例は、積層体の端部を重ねることによって溶接を実行する方法を使用することにある。この場合、溶接ストリングは、重ねたいと思う積層体の端部のインターフェイスに位置決めされる。融合操作は上記端部を軟質化するのに役立つ。
【0021】
積層体が、その厚み中に、アルミニウム層又は紙の層のような熱の拡散を遅くする層を含む場合、例えば、積層体の二つの端部の温度を上げる効果を有する接触によって、端部を予熱するためのデバイスを使用することは有利であり、それによって溶接条件を容易にするか又は改善する。
【0022】
本発明の代替例によると、積層体の端部はバイアスに切られ、それは溶接ゾーンにおける積層体の横接触面積を増す効果を有する。そのような構成もまた溶接部の品質及び強度に影響を与える。
【0023】
本発明の別の代替例は、積層体の両端の間の画成されたゾーン中にチューブの外部環境を有して、良好なバリア保護を保証するためにも、(バリア材料をストリングの中心に有する)共押出されたプラスチックストリングを使用することにある。
【0024】
以下の図において説明された例を用いて、本発明を以下にもっとより詳細に述べる:
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来技術のデバイスの斜視図を示す。
【図2】図1におけるデバイスの横断面を示す。
【図3】従来技術の第二のデバイスの斜視図を示す。
【図4】図3におけるデバイスの横断面を示す。
【図5】従来技術の溶接部の第一の代替例を示す。
【図6】従来技術の溶接部の第二の代替例を示す。
【図7】本発明に記載の突き合せ溶接方法を示し、本法の融合操作を示す。
【図8】本発明に記載の突き合せ溶接方法を示し、本発明の圧縮操作を示す。
【図9】本発明に従う突き合せ溶接部を示す。
【図10】本発明に従うデバイスの断面を示す。
【図11】融合操作におけるデバイスの断面を示す。
【図12】重なりを用いる溶接方法を示し、融合操作を示す。
【図13】重なりを用いる溶接方法を示し、圧縮操作を示す。
【図14】本発明に従う重なりを用いる溶接部を示す。
【0026】
[図1〜9において使用された参照符号のリスト]
1.溶接棒
2.仕上型(調節可能な高さ)
3.内部ベルト(金属)
4.成形型
5.ベアリングパッド
6.外部ベルト
7.押出機ヘッド
8.積層体の第一の端部
9.積層体の第二の端部
10.溶接ゾーン
11.積層体(連続ストリップ)
12.押し出されたプラスチックストリング
13.バリア層
14.スペース
15.ストリング−積層体インターフェイス
16.積層体−積層体インターフェイス
17.外部圧縮エレメント
18.内部圧縮エレメント
19.積層体表面に対して直角な圧縮力
20.積層体表面に対して平行な圧縮力
21.溶接ゾーンの厚み
22.融合ゾーン
23.圧縮ゾーン
24.冷却ゾーン
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の方法は、溶接ストリング中に含まれるエネルギーを以下のために使用することにある:
・積層体の端部にストリングを溶接する、
・積層体の端部を互いに溶接する。
【0028】
溶接ゾーンは、このようにして、二つの明確な部分を含む:第一はストリング−積層体インターフェイスによって形成され、そして第二は積層体−積層体インターフェイスによって形成される。
【0029】
本発明の方法は少なくとも以下の操作を含む:
・積層体を巻いてチューブ状体を形成すること、
・積層体の端部を位置決めること、
・該端部上に溶接ストリングを押し出しそして付着すること、
・該ストリングのエネルギーを用いて該端部を融合すること、
・溶接ゾーンを圧縮すること、
・溶接ゾーンを冷却すること、
・チューブ状体を同じ長さの円筒状エレメントに切断すること。
【0030】
本発明の重要な工程を図7及び8において示す。図7は、溶接されるべき端部を軟化するために、溶接ストリングのエネルギーの部分が積層体に移される融合操作を示す。柔らかくされ、押し出された溶接ストリング12は積層体11の端部と接触させられる。ストリングと積層体の間のインターフェイス15は、溶接されるべき端部のみを加熱するために、狭くなったゾーンを有する。前記融合操作中、溶接ストリング12は積層体11の端部とのみ接触している。本発明の好ましい実施態様によると、積層体11の端部は融合操作中溶接ストリング12とのみ接触している。融合操作中溶接ストリング12及び積層体の端部との外部接触がないことが本発明の重要な特長である。融合操作の継続時間は、積層体の厚み並びに溶接ストリングの温度及び質量に依存する。融合操作の継続時間は一般的に、0.1秒より長く、そして溶接ストリングの温度は、その融点よりも少なくとも50℃高い。一般的に、溶接部の厚み並びに容器のコストを下げるために、溶接ストリングの質量を減じることが試みられる。最適質量は、溶融操作中ストリングが含むべき最小エネルギー、低減されるべき溶接部の厚み、及び最後に溶接ゾーンの性質の間の妥協から生まれる。これらのパラメーターは当業者によって調節される。積層体11が多層積層体であるとき、全ての層を柔らかくすることが常に可能でありそして有用でるとは限らない。この場合、突き合せ溶接に適する層を柔らかくするために、溶接ストリング12によって供給されるエネルギーが使用される。一般に、溶接ストリングを構成している樹脂は、積層体の溶接層と同じタイプのものである。溶接ストリング12が、積層体の溶接層を構成している樹脂のそれと等しいか又はそれより高い融点を有する樹脂を選択することは有利である。例えば、高密度ポリエチレンの溶接ストリングの使用は、低密度ポリエチレンの層を含む積層体を有するチューブを作るために有利である。融合操作は圧縮操作の前又は同時であってよい。
【0031】
積層体が、その厚み中に、溶接ストリングと積層体の溶接層の間の熱伝達を遅らせる層を含むことが起こり得る。例えば、アルミニウム層又は紙の層が著しく熱伝達を遅らせることが観察されてきた。溶接ストリングが下方の表面上に置かれる故に、積層体の上方表面の近くに置かれた層を柔らかくすることが時々困難になる。この困難を克服するために、融合操作中、積層体の外部表面に熱源を追加することが考えられ得る。この場合、接触によって又は熱風によって上方の表面を加熱することは有利である。
【0032】
融合操作に続いて又はそれと同時に、溶接ゾーンが圧縮される。図8において示された圧縮操作は以下からなる:
・溶接ストリングの厚みを減らし、そして積層体11と溶接ストリング12の間の軟化したインターフェイス15を押しつけること、
・両端の間のスペース14を減らし、そして積層体11の軟質化した端部の間のインターフェイス16を押しつけること。
【0033】
圧縮操作中、溶接ゾーン10は、直角と呼ばれる方向、及び横断と呼ばれる方向に沿って一緒に押圧される。直角方向は溶接ゾーンによって形成される面に対して直角である。横断と呼ばれる方向は溶接ゾーンによって形成される面に対してと平行であり、そして溶接軸に対して直角である。直角方向の圧力は、溶接ストリング10の厚みを低下させ、そしてストリング12と積層体11の間の溶接されたインターフェイスの凝集力(cohesion)を増大させる。直角方向の圧力は、積層体の外部表面と接触している外部圧力エレメント17及び溶接ストリングと接触している内部圧力エレメント18を用いて提供される。圧縮エレメント17及び18によってかけられた圧縮力19は溶接ストリングの厚みの低下を引き起こし、そしてそれを広げることを引き起こす。圧縮操作は溶接ゾーン10の冷却を避けるために非常に迅速でなければならず、それによってストリング12のつぶれが防がれるであろうし、そしてストリングと積層体の間で、品質が悪い溶接されたインターフェイス15の隆起が与えられるであろう。直角方向の圧縮の前に、一緒に、又は後に、積層体にかけられた横断圧縮力20の効果の下で、溶接ゾーンが横断的に押圧される。横断圧縮力20によって積層体の端部が一緒にされ、そして積層体11の軟化した端部が溶接されたインターフェイス16で押圧される。この横断圧縮によってインターフェイス16での溶接部の凝集力が改善される。横断圧縮力20は、低い強度を有し、そして積層体によってインターフェイス16に移される。インターフェイス16の圧縮は、溶接ゾーンの強度を実質的に増大させる効果を有し、そして溶接ゾーンにおける積層体のバリア性の連続性を改善する。
【0034】
図9は本方法の突き合せ溶接を示す。溶接ゾーン10は二つの明確な溶接ゾーンを有する:
・ストリング12と積層体11の下側の間のインターフェイス15、
・積層体の両端部の間のインターフェイス16。
【0035】
従来技術において述べられた方法及びデバイスを用いて得られた溶接部とは対照的に、積層体11の両端部の間のインターフェイス16が溶接される。バリア層の両端部の間の距離は60ミクロンより短く、そして好ましくは30ミクロンより短い。その結果、容器の性質は改善される。つまり:
・溶接ゾーンでのバリア性及び機械的性質のよりよい連続性、
・溶接部のより低い厚み。
従来技術の溶接部と比較して、溶接部の厚み21は低減できる。本発明に従う溶接部21の厚みは有利には積層体の厚みの2倍未満である。好ましくは、この厚みは積層体の厚みの1.8倍未満である。
【0036】
図10は本発明に記載のデバイスを示す。チューブは、成形型4を横切って最上部から最低部へと引っ張られた積層体11のストリップと、全周に亘って溶接棒1を次第に包むことによって連続的に形成される。PE又はPP(または他の材料)(単層又は多層)の積層体11は、次いでチューブの内側に軟化したプラスチックストリング12を付着することによって縦方向に溶接される。図10において示される通り、溶接棒1は垂直に位置決めされる。このようにして、やはり垂直に動くストリング12は溶接棒1と接触せず、直接、積層体11と接触するようになる。
【0037】
デバイスは、本方法の融合操作を実行するための融合ゾーンと呼ばれるゾーン22を含む。ゾーン22の長さは、積層体の厚み及び積層体の走行速度に従って定義される。融合ゾーン22において、積層体の端部及び軟化した溶接ストリング12は接触状態に保持される。ストリング12及び積層体の端部は、融合ゾーン22におけるデバイスのエレメントとは全くその他の接触をしない。
【0038】
デバイスは、圧縮操作を実行するための圧縮ゾーンと呼ばれるゾーン23を含む。圧縮操作は短い継続期間でなければならない故に、ゾーン23はより短い。ゾーン23において、溶接ゾーンは、直角と呼ばれる方向に沿って、そして横断と呼ばれる方向に沿って一緒に押圧される。溶接ストリング12を押しつけ、そしてそれを広げることになる直角方向の圧縮が図10において示される。溶接ゾーンは、積層体の外面に圧力をかけているベアリングパッド5と溶接ストリングに圧力をかけている仕上型2の間に押圧される。圧縮ゾーン23は、圧縮操作が短い継続時間のものであるように、短い。図10において示されたもの以外の多くの他の圧縮手段が使用できる。プレスロールは、溶接ストリング12又は積層体の外部表面を構成している樹脂が圧縮ツール上に付着物を生みだすとき、有利であり得る。圧縮ツールは、好ましくは、冷却される。別の代替例は、積層体と同じ速度で走行し(travelling)、そして圧縮の時点で溶接ゾーンと接触するベルトを使用することである。この代替例は、圧縮操作及び冷却操作中、溶接ゾーンとツールの間の摩擦を避けるのに役立つ。幾つかのデバイスは、溶接部の外部又は内部の面上に置かれた単独のベルトを使用する。他のデバイスは、溶接ゾーンのどちらかの側上に位置決められ、そして圧縮操作の時点でのみ該ゾーンと接触することになる二つのベルトを有する。図10において示されたデバイスも、軟化した積層体の端部を押しつける横断圧縮力をかける。横断圧力は、圧縮ゾーンにおけるその幾何形状が、積層体の端部を徐々に押しつける効果を有する成形型4によってかけられる。有利なことに、圧縮ゾーンにおいて、成形型4の直径は、積層体11の外部表面によって形成されるチューブ状体の直径よりも少し小さい。
【0039】
デバイスは、冷却操作を実行するための冷却ゾーンと呼ばれるゾーン24を含む。このゾーンにおいて、溶接部はベアリングパッド5と仕上型2の間で冷却される。この冷却ゾーンにおいて、エレメントが、作り出されるチューブの丸さを改善するために加えられ得る。加熱されたゾーンが局部的であるので、冷却ゾーン24の長さは一般的に低減される。ゾーン24の長さは、積層体の厚み、溶接ストリングの厚み、及び溶接の走行速度に従って調節される。
【0040】
図11は融合ゾーン22でのデバイスの断面を示す。図11は、軟化した溶接ストリング12が積層体11の端部とのみ接触していることを示す。溶接ストリング12は、棒1及び成形型4と全く接触しない。デバイスの垂直位置取りは、チューブ状体の製作中に、そしてまた出発及び停止の段階中にも、溶接ストリング12がツールとの如何なる接触をも避けるために特に有利である。
【0041】
図12〜14は、積層体の端部が重なりを有して溶接される本発明の代替例を示す。
【0042】
図12は、融合と呼ばれる操作の時点での方法を示す。融合操作中、溶接ストリング12は積層体11の重なっている端部の間に位置決めされる。ストリング12のエネルギーの部分は、それらを柔らかくするために上記端部に移される。
【0043】
図13は、その最中に圧縮力19が積層体の表面に垂直にかけられる圧縮と呼ばれる操作を示す。この圧縮力はストリング12の厚みを低下させ、そして積層体11の端部を覆う効果を有する。
【0044】
図14は本発明に従って実行される重ね溶接を示す。溶接ゾーン10は、積層体の厚みの2倍未満、そして好ましくは積層体11の厚みの1.8倍未満の厚み21を有する。溶接ストリング12は溶接された端部で積層体の端部を覆う。
【0045】
(バリア材料をストリングの中心に有する)軟化した共押出溶接ストリングの使用は、溶接ゾーンでのバリア保護を改善するのに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の操作:
a.積層体(11)が巻かれる巻き操作、
b.積層体(11)の端部(8、9)が、互いに隣接して位置決めされる位置決め操作、
c.軟化した樹脂ストリング(12)が該端部(8、9)上に押し出され、そして付着される押出操作、
d.該端部(8、9)が該ストリング(12)を用いて融合される融合操作、
e.溶接ゾーン(10)が圧縮される圧縮操作、
f.溶接部が冷却される冷却操作、
を含む、チューブ状のプラスチック容器を溶接する方法。
【請求項2】
前記端部(8、9)が互いに当接して位置決めされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端部(8、9)が、上下に位置決めされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の方法であって、前記融合操作中、ストリング(12)が前記端部(8、9)とのみ接触していることを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記融合操作の継続時間が0.1秒より長い、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
融合操作が、ストリングを用いて及び第二の熱源によって一緒に実行される、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記圧縮操作中、溶接ゾーン(10)が前記端部(8、9)の方向に対して垂直方向及び横方向に沿って一緒に押圧されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記圧縮操作中、ストリング(12)が広げられ、そして溶接ゾーン(10)の厚みが減じられることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記圧縮操作中、前記端部(8、9)が互いに対して押圧されることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記押出操作中、一旦、押し出されたストリング(12)の第一の接触が、直接、積層体(11)と行われるように、ストリング(12)が、積層体(11)を支持するデバイスのエレメントに対して平行な方向に動かされることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
ストリング(12)が重力の方向に垂直に動かされる、請求項9に記載の加工方法。
【請求項12】
位置決め操作中、ストリング(12)が付着されることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
位置決め操作に続いて、ストリング(12)が付着されることを特徴とすることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に画成された方法によって得られるチューブ状容器。
【請求項15】
溶接部で、その厚みが積層体(11)の厚みの2倍未満であることを特徴とする、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
積層体(11)によって囲まれるように適合された溶接棒(1)、溶接棒(1)の外部表面と、該溶接棒(1)の回りに置かれた積層体(11)の間に軟化したプラスチックストリング(12)を押出して、置くための手段(7)を含み、請求項1〜12の何れか一項に画成された方法を実行するためのデバイスであって、溶接棒が垂直に位置決めされることを特徴とする、上記デバイス。
【請求項17】
前記軟化したストリング(12)が、コンベアベルト(3)と前記溶接棒(1)を取り囲んでいる積層体(11)の間に位置決めされるように、溶接棒(1)上に位置決めされた予備加熱された該コンベアベルト(3)を更に含む、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
外部駆動ベルト(6)、及び該外部駆動ベルト(6)と前記溶接棒(1)の間に位置決めされる積層体(11)及び軟化したプラスチックストリング(12)上に、前記溶接棒(1)の方向に圧力をかけるように位置決めされた調節可能なベアリングパッド(5)を含む、請求項16又は17に記載のデバイス。
【請求項19】
軟化したプラスチックストリング(12)を押し出し、そして位置決めするための前記手段(7)が、溶接棒(1)の上面側上に置かれる、請求項16〜18の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
軟化したプラスチックストリング(12)を押し出し、そして位置決めするための前記手段(7)が、溶接棒(1)の下面側上に置かれる、請求項16〜19の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項1】
少なくとも以下の操作:
a.積層体(11)が巻かれる巻き操作、
b.積層体(11)の端部(8、9)が、互いに隣接して位置決めされる位置決め操作、
c.軟化した樹脂ストリング(12)が該端部(8、9)上に押し出され、そして付着される押出操作、
d.該端部(8、9)が該ストリング(12)を用いて融合される融合操作、
e.溶接ゾーン(10)が圧縮される圧縮操作、
f.溶接部が冷却される冷却操作、
を含む、チューブ状のプラスチック容器を溶接する方法。
【請求項2】
前記端部(8、9)が互いに当接して位置決めされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端部(8、9)が、上下に位置決めされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の方法であって、前記融合操作中、ストリング(12)が前記端部(8、9)とのみ接触していることを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記融合操作の継続時間が0.1秒より長い、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
融合操作が、ストリングを用いて及び第二の熱源によって一緒に実行される、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記圧縮操作中、溶接ゾーン(10)が前記端部(8、9)の方向に対して垂直方向及び横方向に沿って一緒に押圧されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記圧縮操作中、ストリング(12)が広げられ、そして溶接ゾーン(10)の厚みが減じられることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記圧縮操作中、前記端部(8、9)が互いに対して押圧されることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記押出操作中、一旦、押し出されたストリング(12)の第一の接触が、直接、積層体(11)と行われるように、ストリング(12)が、積層体(11)を支持するデバイスのエレメントに対して平行な方向に動かされることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
ストリング(12)が重力の方向に垂直に動かされる、請求項9に記載の加工方法。
【請求項12】
位置決め操作中、ストリング(12)が付着されることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
位置決め操作に続いて、ストリング(12)が付着されることを特徴とすることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に画成された方法によって得られるチューブ状容器。
【請求項15】
溶接部で、その厚みが積層体(11)の厚みの2倍未満であることを特徴とする、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
積層体(11)によって囲まれるように適合された溶接棒(1)、溶接棒(1)の外部表面と、該溶接棒(1)の回りに置かれた積層体(11)の間に軟化したプラスチックストリング(12)を押出して、置くための手段(7)を含み、請求項1〜12の何れか一項に画成された方法を実行するためのデバイスであって、溶接棒が垂直に位置決めされることを特徴とする、上記デバイス。
【請求項17】
前記軟化したストリング(12)が、コンベアベルト(3)と前記溶接棒(1)を取り囲んでいる積層体(11)の間に位置決めされるように、溶接棒(1)上に位置決めされた予備加熱された該コンベアベルト(3)を更に含む、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
外部駆動ベルト(6)、及び該外部駆動ベルト(6)と前記溶接棒(1)の間に位置決めされる積層体(11)及び軟化したプラスチックストリング(12)上に、前記溶接棒(1)の方向に圧力をかけるように位置決めされた調節可能なベアリングパッド(5)を含む、請求項16又は17に記載のデバイス。
【請求項19】
軟化したプラスチックストリング(12)を押し出し、そして位置決めするための前記手段(7)が、溶接棒(1)の上面側上に置かれる、請求項16〜18の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
軟化したプラスチックストリング(12)を押し出し、そして位置決めするための前記手段(7)が、溶接棒(1)の下面側上に置かれる、請求項16〜19の何れか一項に記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−500878(P2013−500878A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522259(P2012−522259)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053346
【国際公開番号】WO2011/012930
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512024048)アイサパック・ホールディング・ソシエテ・アノニム (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053346
【国際公開番号】WO2011/012930
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512024048)アイサパック・ホールディング・ソシエテ・アノニム (1)
【Fターム(参考)】
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