説明

プラスチック袋の製造方法および製袋機

【課題】プラスチック袋の製造にあたって、何らかの接着剤によって帯状シートを貼り付け、プラスチック袋の外面において、帯状シートによってハンドルを形成するとき、接着強度および養生時間の問題がないようにする。
【解決手段】帯状シート17とウエブ材が互いに対面し、押し付けられ、両者間に強力接着剤21と他の接着材25が介在し、他の接着剤25によって帯状シート17とウエブ材が仮止めされる。さらに、仮止め後、ウエブ材がロールに巻き取られ、強力接着剤21の養生時間の経過後、プラスチック袋を製造する製袋機において、ウエブ材がロールから供給され、ウエブ材によってプラスチック袋が製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラスチック袋の製造方法および製袋機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許第3733085号公報(特許文献1)に記載されているように、プラスチック袋にサイドガセット部分を形成することは一般的である。同公報のものでは、プラスチック袋を製造する製袋機において、ウエブ材がロールから供給され、ウエブ材によってプラスチック袋が製造される。そのプラスチック袋はサイドガセット袋と呼ばれ、胴部分およびサイドガセット部分を有し、サイドガセット部分は胴部分の両側縁に沿ってのび、胴部分の両層間に折り込まれ、2つ折りされる。したがって、サイドガセット部分によってプラスチック袋を拡げ、その容量を増大させることができる。
【0003】
なお、同公報のプラスチック袋は胴部分およびサイドガセット部分の他に、底部分を有する。そして、ウエブ材として胴材、サイドガセット材および底材が使用され、胴材、サイドガセット材および底材がロールから供給され、胴材によって胴部分が形成され、サイドガセット材によってサイドガセット部分が形成され、底材によって底部分が形成される。この他、ウエブ材として胴材とサイドガセット材を使用し、胴材およびサイドガセット材をロールから供給し、胴材によって胴部分および底部分を形成し、サイドガセット材によってサイドガセット部分を形成することもできる。特許第3655627号公報(特許文献2)に記載されているものがそれである。
【0004】
ところで、サイドガセット袋には大型のものが多く、内容物を充填し、収容したとき、その重量は相当大きい。このため、それを持ち運ぶことは容易ではなく、サイドガセット袋にハンドルを形成し、ハンドルによってサイドガセット袋をぶら下げ、持ち運ぶようにすることが要望されている。
【0005】
一方、特開平2−109868号公報(特許文献3)に記載されているように、プラスチックフィルムによって物品を包装し、それにハンドルを形成することは一般的である。同公報のものでは、帯状シートがプラスチックフィルムの外面に貼り付けられ、帯状シートによってハンドルが形成される。
【0006】
したがって、サイドガセット袋の製袋機において、同公報のものと同様、帯状シートをサイドガセット袋の外面に貼り付け、帯状シートによってハンドルを形成することも考えられるが、問題はその接着剤である。サイドガセット袋の場合、その重量が相当大きいことは前述したとおりであり、ホットメルト接着剤または瞬間接着剤によって帯状シートを貼り付けても、その接着強度が十分ではなく、帯状シートによってハンドルを形成し、サイドガセット袋をぶら下げたとき、重量によってハンドルが剥がれ、分離するおそれがある。
【0007】
一方、強力接着剤も一般に市販されている。ここで、強力接着剤とは大きい接着強度を有する接着剤のことである。ただし、強力接着剤は養生時間を要する種類のものが多い。この場合、強力接着剤を帯状シートの片面に塗布し、これをサイドガセット袋の外面に貼り付けても、その後、養生時間が経過するまで、接着強度はほとんどなく、帯状シートを強固に貼り付けることはできない。このため、たとえば、貼り付け後、少なくとも10分の間、帯状シートおよびサイドガセット袋を静止状態に保つ必要がある。その時間の経過前、サイドガセット袋を高速度で送ると、それによって帯状シートがずれることがあり、剥がれることもある。したがって、サイドガセット袋の製袋機において、養生時間を要する強力接着剤によって帯状シートを貼り付けることは現実的ではない。
【0008】
したがって、この発明は、プラスチック袋の製造にあたって、何らかの接着剤によって帯状シートを貼り付け、プラスチック袋の外面において、帯状シートによってハンドルを形成するとき、接着強度および養生時間の問題がないようにすることを目的としてなされたものである。
【特許文献1】特許第3733085号公報
【特許文献2】特許第3655627号公報
【特許文献3】特開平2−109868号公報
【発明の開示】
【0009】
この発明によれば、特別の構成の製造方法が新たに提供される。その製造方法では、強力接着剤と他の接着剤が帯状シートまたはウエブ材の片面に塗布される。強力接着剤は養生時間を要する種類のものである。さらに、帯状シートとウエブ材が互いに対面し、押し付けられ、両者間に強力接着剤と他の接着材が介在し、他の接着剤によって帯状シートとウエブ材が仮止めされる。さらに、仮止め後、ウエブ材がロールに巻き取られ、強力接着剤の養生時間の経過後、プラスチック袋を製造する製袋機において、ウエブ材がロールから供給され、ウエブ材によってプラスチック袋が製造され、プラスチック袋の外面において、帯状シートによってハンドルが形成される。
【0010】
好ましい実施例では、ウエブ材の一定長さ毎に、それぞれ帯状シートとウエブ材が対面し、押し付けられ、各シートとウエブ材間に強力接着剤と他の接着材が介在し、他の接着剤によって各シートとウエブ材が仮止めされる。
【0011】
他の接着剤はホットメルト接着剤または瞬間接着剤である。
【0012】
さらに、ウエブ材は基材とシーラントをラミネートしたラミネートフィルムからなる。そして、帯状シートが基材に仮止めされ、巻き取られたとき、シーラントが帯状シートに重ね合わされる。
【0013】
シーラントはポリエチレンまたはポリプロピレン層からなる。
【0014】
さらに、ウエブ材がロールから供給されるとき、基材が上向きに配置され、シーラントが下向きに配置され、その状態でウエブ材が送られる。さらに、ウエブ材にテンションが加えられ、シーラントが擦り落し手段に係合し、シーラントに強力接着剤または他の接着剤が付着しているとき、擦り落し手段によって付着した接着剤が擦り落とされ、その後、ウエブ材によってプラスチック袋が製造される。
【0015】
さらに、この発明によれば、特別の構成の製袋機が新たに提供される。その製袋機では、ウエブ材がロールから供給され、ウエブ材によってプラスチック袋が製造される。さらに、ウエブ材の一定長さ毎に、それぞれ帯状シートとウエブ材が対面し、押し付けられ、各シートとウエブ材間に強力接着剤と他の接着剤が介在する。強力接着剤は養生時間を要する種類のものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0017】
図1および図2はこの発明の実施例を示す。この実施例では、ハンドル材1がロール2から供給され、テンションローラ3を通り、送りローラ4に導かれ、送りローラ4によってハンドル材1が送られる。ハンドル材1はプラスチックフィルムからなり、送りローラ4は連続的に回転し、ハンドル材1は連続的に送られる。さらに、ハンドル材1がダンサローラ5、可動クランプ6、固定クランプ7、トムソン刃8、ミシン目形成刃9、接着剤塗布装置10、かす抜き装置11、可動クランプ12および切り離し装置13を通り、固定クランプ14に導かれる。さらに、エアシリンダなどの駆動機構によって可動クランプ6,12が閉じられ、固定クランプ7,14が開かれ、ハンドル材1が可動クランプ6,12にクランプされ、固定クランプ7,14から解放される。さらに、たとえば、可動クランプ6,12がタイミングベルトに支持されており、駆動モータによってタイミングベルトが駆動され、可動クランプ6,12が移動する。その移動方向はハンドル材1の長さ方向であり、可動クランプ6は固定クランプ7に向かって移動し、固定クランプ7に接近し、可動クランプ12は固定クランプ14に向かって移動し、固定クランプ14に接近する。その移動距離は互いに同一である。したがって、可動クランプ6,12によってハンドル材1が引っ張られ、送られる。その後、駆動機構によって固定クランプ7,14が閉じられ、可動クランプ6,12が開かれ、ハンドル材1が固定クランプ7,14にクランプされ、可動クランプ6,12から解放される。その後、可動クランプ6,12が逆方向に移動し、もとの位置に復帰する。その後、ハンドル材1が可動クランプ6,12にクランプされ、固定クランプ7,14から解放され、可動クランプ6,12が再度移動する。この工程が順次交互に繰り返され、ハンドル材1が間欠的に送られる。これにともない、テンションによってダンサローラ5が上昇し、下降し、ハンドル材1がダンサローラ5から供給され、ダンサローラ5に貯留される。
【0018】
さらに、ハンドル材1の間欠送り毎に、ハンドル材1が停止しているとき、トムソン刃8がハンドル材1および受け台15に押し付けられ、トムソン刃8によってハンドル材1が切断され、切断線16が形成され、ハンドル材1によって帯状シート17が形成される。これと同時に、ミシン目形成刃9がハンドル材1および受け台15に押し付けられ、図3に示すように、帯状シート17にミシン目18が形成される。したがって、帯状シート17もプラスチックフィルムからなる。さらに、切断線16は不連続のもので、複数のマイクロジョイントを有する。マイクロジョイントとは微小連結部分のことで、間隔を置いて形成される。さらに、帯状シート17は所定形状のもので、その両端部分19は大きい幅をもつ。したがって、間欠送り毎に、それぞれ帯状シート17およびかす20が形成され、マイクロジョイントによって各シート17およびかす20が連結され、その状態でハンドル材1が送られる。
【0019】
その後、間欠送り毎に、ハンドル材1が停止しているとき、強力接着剤21が塗布装置10から供給され、帯状シート17の片面に塗布される。さらに、かす抜き装置11がハンドル材1および受け台22に押し付けられ、かす抜き装置11によってかす20が押し下げられ、マイクロジョイントが引きちぎられ、かす20が抜かれ、落下する。さらに、かす抜き装置11がハンドル材1および受け台22に押し付けられると、ハンドル材1がかす抜き装置11と受け台22間に挟まれるが、その後、ハンドル材1がその状態に保たれ、固定クランプ14とかす抜き装置11間において、切り離し装置13がハンドル材1に押し付けられる。したがって、切り離し装置13によってハンドル材1が押し下げられ、マイクロジョイントが引きちぎられ、帯状シート17が次の帯状シートから分離される。
【0020】
さらに、帯状シート17の分離後、可動クランプ12が閉じられ、固定クランプ14が開かれると、帯状シート17が真空吸着ベルト23に吸着される。その後、駆動モータによって真空吸着ベルト23が駆動され、帯状シート17が送られる。帯状シート17は一定距離送られる。さらに、真空吸着ベルト23によって帯状シート17が送られているとき、帯状シート17が接着剤塗布装置24を通り、他の接着剤25が塗布装置24から噴射され、帯状シート17の片面に塗布される。
【0021】
なお、この実施例では、接着剤塗布装置10,24が帯状シート17の上方に配置されており、強力接着剤21および他の接着剤25は帯状シート17の上面に塗布される。さらに、押え板26が受け台27の上方に配置されており、真空吸着ベルト23によって帯状シート17が送られ、帯状シート17は押え板26と受け台27間に配置される。
【0022】
さらに、この実施例では、帯状シート17の両端部分19において、強力接着剤21が相当の領域にわたって塗布され、他の接着剤25が各コーナーに塗布される。強力接着剤21は養生時間を要する種類のものである。他の接着剤25はホットメルト接着剤または瞬間接着剤からなる。
【0023】
さらに、これと並行し、図5に示すように、ウエブ材28がロール29から供給され、テンションローラ30を通り、送りローラ31に導かれ、送りローラ31によってウエブ材28が送られる。送りローラ31は連続的に回転し、ウエブ材28は連続的に送られる。その後、ウエブ材28がダンサローラ32を通り、押え板26と受け台27間に導かれ、マークセンサ33を通り、送りローラ34に導かれ、送りローラ34によってウエブ材28が送られる。さらに、真空吸着ベルト23によって帯状シート17が送られ、これが押え板26と受け台27間に配置されることは前述したとおりであるが、押え板26と受け台27間において、帯状シート17はウエブ材28の下方に配置される。さらに、ウエブ材28の表面において、一定長さ毎に、それぞれマークが付されており、マークセンサ33によってマークが検出され、その検出信号にもとづき、制御装置によって送りローラ34が停止し、ウエブ材28が停止する。
【0024】
その後、駆動機構によって押え板26が押し下げられ、押え板26がウエブ材28、帯状シート17および受け台27に押し付けられる。したがって、帯状シート17とウエブ材28が互いに対面し、押し付けられ、両者間に強力接着剤21と他の接着剤25が介在し、他の接着剤25によって帯状シート17とウエブ材28が仮止めされる。この実施例では、帯状シート17がウエブ材28の下面に仮止めされる。さらに、押え板26がウエブ材28、帯状シート17および受け台27に押し付けられると、ウエブ材28および帯状シート17が押え板26と受け台27間に挟まれるが、その後、ウエブ材28および帯状シート17がその状態に保たれ、駆動機構によって受け台27が押し上げられ、押え板26が引き上げられる。したがって、受け台27および押え板26によってウエブ材28および帯状シート17が引き上げられ、帯状シート17が真空吸着ベルト23から引き離される。その後、押え板26および受け台27はもとの位置に復帰する。
【0025】
その後、制御装置によって送りローラ34が回転し、ウエブ材28が再度送られる。さらに、真空吸着ベルト23によって帯状シート17が送られ、その後、送りローラ34およびウエブ材28が再度停止し、帯状シート17が再度仮止めされる。したがって、送りローラ34が間欠的に回転し、ウエブ材28が間欠的に送られ、間欠送り毎に、ウエブ材28が停止しているとき、帯状シート17がウエブ材28の片面に仮止めされるものである。さらに、ウエブ材28が間欠的に送られるとき、それにともない、テンションによってダンサローラ32が上昇し、下降し、ウエブ材28がダンサローラ32から供給され、ダンサローラ32に貯留される。
【0026】
したがって、ウエブ材28の一定長さ毎に、それぞれ帯状シート17とウエブ材28が対面し、押し付けられるものである。そして、各シート17とウエブ材28間に強力接着剤21と他の接着剤25が介在し、他の接着剤25によって各シート17とウエブ材28が仮止めされる。
【0027】
なお、真空吸着ベルト23によって帯状シート17が送られるとき、帯状シート17はその幅方向に送られる。そして、送りローラ34によってウエブ材28が送られるが、その送り方向は帯状シート17の送り方向に垂直の方向である。したがって、ウエブ材28の片面に仮止めされたとき、帯状シート17はウエブ材28の長さ方向にのびる。
【0028】
その後、ウエブ材28がダンサローラ35を通り、ロール36に導かれる。さらに、たとえば、駆動モータがパウダクラッチおよび巻取軸37に連結されており、駆動モータおよびパウダクラッチによって巻取軸37が回転し、ウエブ材28がロール36に巻き取られる。巻取軸37は連続的に回転し、ウエブ材28は連続的に巻き取られる。それにともない、テンションによってダンサローラ35が上昇し、下降し、ウエブ材28がダンサローラ35から供給され、ダンサローラ35に貯留される。さらに、タッチローラ38がウエブ材28およびロール36に係合し、タッチローラ38によって接圧が加えられ、ウエブ材28が的確に巻き取られる。タッチローラ38によってロール36の外径を測定し、所定の外径に達したとき、制御装置によって駆動モータを停止させ、送りローラ31,34および巻取軸37を停止させることもできる。
【0029】
さらに、この実施例では、帯状シート17がウエブ材28の下面に仮止めされることは前述したとおりである。さらに、ウエブ材28は基材とシーラントをラミネートしたラミネートフィルムからなり、ウエブ材28が送られるとき、基材が下向きに配置され、シーラントは上向きに配置される。したがって、帯状シート17が基材に仮止めされ、巻き取られたとき、シーラントが帯状シート17に重ね合わされる。基材はナイロンまたはPET層からなり、シーラントはポリエチレンまたはポリプロピレン層からなる。
【0030】
そして、強力接着剤21の養生時間の経過後、図6に示すように、プラスチック袋を製造する製袋機において、ロール36がロール支持機構に支持され、ウエブ材28がロール36から供給され、製袋手段39に導かれる。たとえば、30分以上の時間の経過後、製袋機において、ロール36がロール支持機構に支持され、ウエブ材28がロール36から供給される。製袋手段39は送りローラ、ヒートシール装置およびカッタを有する。送りローラはウエブ材を送るためのものであり、ヒートシール装置はウエブ材をヒートシールするためのものであり、カッタはウエブ材をカットするためのものである。
【0031】
さらに、この実施例では、ウエブ材28がロール36から供給されるとき、基材が上向きに配置され、シーラントが下向きに配置され、その状態でウエブ材28が送られる。さらに、ウエブ材28がテンションローラ40に導かれ、ウエブ材28にテンションが加えられ、ウエブ材28が擦り落し手段41を通り、擦り落し手段42を通り、送りローラ43に導かれ、送りローラ43によってウエブ材28が送られ、シーラントが擦り落し手段41,42に係合する。送りローラ43は連続的に回転し、ウエブ材28は連続的に送られる。擦り落し手段41,42はクロムメッキを施したローラからなり、そのローラは回転しない。したがって、シーラントに強力接着剤21または他の接着剤25が付着しているとき、擦り落し手段41,42によって付着した接着剤が擦り落とされ、これが複数回繰り返され、その後、ウエブ材28がダンサローラ44を通り、製袋手段39に導かれる。さらに、ホッパ45が擦り落し手段41,42の下方に配置され、ブロワに接続されており、付着した接着剤が擦り落とされたとき、ホッパ45およびブロワによってそれが吸引され、排出される。
【0032】
図7に示すように、擦り落し手段41,42にクロムメッキを施したローラを使用し、これをウエブ材28の送り方向X1と逆の方向X2に回転させてもよい。この場合、低いテンションであっても、付着した接着剤を効果的に擦り落とすことができる。擦り落し手段41,42にブラシローラを使用してもよい。
【0033】
その後、ウエブ材28が製袋手段39に導かれ、送りローラによってウエブ材28が送られ、ヒートシール装置およびカッタによってそれがヒートシールされ、カットされ、ウエブ材28によってプラスチック袋が製造される。この実施例では、ウエブ材28はサイドガセット材である。そして、図8に示すように、サイドガセット材28の他に、ウエブ材として胴材46が使用され、これがロールから供給され、特許第3733085号公報のものと同様、サイドガセット材28が幅方向両側から2つ折りされ、一定長さに切断され、胴材46に供給される。サイドガセット材28は中心線47および2つ折り線48を有し、2つ折り線48に沿って2つ折りされる。2つ折りされるとき、帯状シート17はミシン目18に沿って2つ折りされる。そして、図9に示すように、胴材46によって胴部分が形成され、サイドガセット材28によってサイドガセット部分が形成される。ウエブ材として底材49を使用し、これをロールから供給し、底材49によって底部分を形成することもできる。特許第3655627号公報のもののように、胴材によって胴部分および底部分を形成し、サイドガセット材28によってサイドガセット部分を形成してもよい。
【0034】
さらに、サイドガセット材28と同様、胴材46および底材49も基材とシーラントをラミネートしたラミネートフィルムからなる。そして、基材によって袋の外面が形成され、シーラントによって袋の内面が形成される。したがって、プラスチック袋の外面において、帯状シート17によってハンドルが形成される。図9の実施例では、サイドガセット材28によってサイドガセット部分が形成され、サイドガセット部分の外面において、帯状シート17によってハンドルが形成される。
【0035】
したがって、この方法の場合、まず、他の接着剤25によって帯状シート17とウエブ材28が仮止めされ、これがロール36に巻き取られる。したがって、ロール36に巻き取られるまで、帯状シート17がウエブ材28から剥がれることはなく、問題はない。
【0036】
そして、ロール36に巻き取られると、帯状シート17がウエブ材28とウエブ材28間に挟まれ、その状態に保たれる。巻き取るとき、ウエブ材28にテンションを加え、帯状シート17をウエブ材28とウエブ材28間で圧縮することもできる。テンションによってその圧力を調節することもできる。したがって、帯状シート17とウエブ材28を互いに押し付け、その状態に保つことができるものである。そして、強力接着剤21の養生時間の経過後、プラスチック袋を製造する製袋機において、ウエブ材28がロール36から供給される。
【0037】
したがって、帯状シート17がウエブ材28の片面に貼り付けられ、これがロール36から供給される。しかも、他の接着剤25だけではなく、強力接着剤21によって帯状シート17が貼り付けられ、強力接着剤21の養生時間の問題はなく、その接着強度はきわめて大きい。したがって、帯状シート17によってハンドルを形成し、プラスチック袋をぶら下げたとき、接着強度の問題はなく、重量によってハンドルが剥がれ、分離するおそれはない。
【0038】
なお、ロール36に巻き取られると、帯状シート17がウエブ材28とウエブ材28間に挟まれ、帯状シート17のまわりにおいて、圧力によって強力接着剤21がはみ出すおそれがある。したがって、強力接着剤21を帯状シート17の片面に塗布するとき、その塗布領域を適宜選定し、圧力によって強力接着剤21がはみ出さないようにすることが好ましい。図4に示すように、他の接着剤25を強力接着剤21のまわりに塗布し、帯状シート17のまわりにおいて、他の接着剤25によって強力接着剤21がはみ出さないようにしてもよい。所定個所50で他の接着剤25を塗布せず、強力接着剤21が所定個所50を通り、帯状シート17の中央部分にはみ出すようにしてもよい。
【0039】
さらに、ウエブ材28がロール36に巻き取られたとき、シーラントが帯状シート17に重ね合わされることは前述したとおりである。この場合、帯状シート17のまわりにおいて、強力接着剤21がはみ出しても、問題はない。ウエブ材28がロール36から供給されるとき、シーラントは離型紙として作用し、はみ出した接着剤から剥がれる。したがって、ウエブ材28を円滑に巻き出し、供給することができる。特に、シーラントはポリエチレンまたはポリプロピレン層からなることは前述したとおりであるが、この場合、強力接着剤21がはみ出しても、シーラントが円滑に剥がれ、ウエブ材料28が円滑に巻き出され、供給されることは確かめられている。
【0040】
しかも、ウエブ材料28がロール36から供給されるとき、はみ出した接着剤がシーラントに付着することもない。付着したとしても、それは最小限にとどめられる。さらに、その後、擦り落し手段41,42によって付着した接着剤が擦り落とされることも前述したとおりである。したがって、その後、基材によって袋の外面が形成され、シーラントによって袋の内面が形成されたとき、付着した接着剤が袋内に残存することはない。
【0041】
なお、この実施例では、強力接着剤21と他の接着剤25が帯状シート17の片面に塗布されるが、反対に、強力接着剤と他の接着剤をウエブ材28の片面に塗布し、帯状シート17とウエブ材28を互いに対面させ、押し付けてもよい。帯状シート17をウエブ材の片面に貼り付け、そのウエブ材によってサイドガセット材ではなく、胴材または底材を構成し、これをロールから供給し、図10および図11に示すように、胴部分または底部分の外面において、帯状シート17によってハンドルを形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施例を示す平面図である。
【図2】図1のハンドル材、帯状シートおよびウエブ材の側面図である。
【図3】図1の帯状シートの拡大図である。
【図4】他の実施例を示す拡大図である。
【図5】図2のウエブ材の正面図である。
【図6】図5のウエブ材が供給される状態を示す説明図である。
【図7】他の実施例を示す説明図である。
【図8】図6のウエブ材がサイドガセット材として使用され、胴材に供給される状態を示す説明図である。
【図9】図6の製袋機で製造されたプラスチック袋の斜視図である。
【図10】他の実施例を示す斜視図である。
【図11】他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
17 帯状シート
21 強力接着剤
25 他の接着剤
10,13 塗布装置
26 押え板
28 ウエブ材
36 ロール
39 製袋手段
41,42 擦り落し手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
養生時間を要する強力接着剤と他の接着剤を帯状シートまたはウエブ材の片面に塗布する工程と、
前記帯状シートとウエブ材を互いに対面させ、押し付け、両者間に前記強力接着剤と他の接着剤を介在させ、前記他の接着剤によって前記帯状シートとウエブ材を仮止めする工程と、
仮止め後、前記ウエブ材をロールに巻き取る工程と、
前記強力接着剤の養生時間の経過後、プラスチック袋を製造する製袋機において、前記ウエブ材を前記ロールから供給し、前記ウエブ材によってプラスチック袋を製造し、前記プラスチック袋の外面において、前記帯状シートによってハンドルを形成する工程とからなるプラスチック袋の製造方法。
【請求項2】
前記ウエブ材の一定長さ毎に、それぞれ前記帯状シートとウエブ材を対面させ、押し付け、各シートとウエブ材間に前記強力接着剤と他の接着剤を介在させ、前記他の接着剤によって前記各シートとウエブ材を仮止めすることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記他の接着剤はホットメルト接着剤または瞬間接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ウエブ材は基材とシーラントをラミネートしたラミネートフィルムからなり、前記帯状シートを前記基材に仮止めし、巻き取ったとき、前記シーラントを前記帯状シートに重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記シーラントはポリエチレンまたはポリプロピレン層からなることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ウエブ材を前記ロールから供給するとき、前記基材を上向きに配置し、前記シーラントを下向きに配置し、その状態で前記ウエブ材を送り、前記ウエブ材にテンションを加え、前記シーラントを擦り落し手段に係合させ、前記シーラントに前記強力接着剤または他の接着剤が付着しているとき、前記擦り落し手段によって付着した接着剤を擦り落し、その後、前記ウエブ材によってプラスチック袋を製造することを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項7】
ウエブ材をロールから供給し、前記ウエブ材によってプラスチック袋を製造する製袋機であって、前記ウエブ材の一定長さ毎に、それぞれ帯状シートとウエブ材が対面し、押し付けられ、各シートとウエブ材間に強力接着剤と他の接着材が介在しており、前記強力接着剤は養生時間を要する種類のものであることを特徴とする製袋機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−131783(P2010−131783A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307792(P2008−307792)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000110192)トタニ技研工業株式会社 (31)
【Fターム(参考)】