説明

プラスミノーゲンアクチベーターインヒビターI阻害剤及びそれを配合してなる食品組成物

【課題】 食品として摂取可能な、植物成分により、プラスミノゲーンアクチベータインヒビター(PAI)を抑制する技術を提供する。
【解決手段】 ガジュツ(Curcuma zedoaria ROSC.)、ウコン(Curcuma longa L.)又はショウキョウ(Zingiber officinale ROSC.)等のショウガ科の植物エキスをPAI−1阻害剤として使用する。前記ショウガ科の植物のエキスは、含水エタノール抽出物より、極性部分を除去したものが好ましく、次に示す工程1〜3の内、工程2で得られるもの又は工程3でえられるものであることが好ましい。(工程1)ショウガ科の植物の植物体を50〜80%エタノール水溶液で抽出し、濃縮する。(工程2)工程1の成果物をノルマルヘキサンと水とで液液抽出を行い、ノルマルヘキサン相を得る。(工程3)工程2の水相に酢酸エチルを加え、所望により水を加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビターI(PAI−1)阻害剤及びそれを配合してなる食品組成物に関し、更に詳細には、ショウガ科の植物のエキスからなるPAI−1阻害剤及びそれを含有する食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食事体系の西欧化による、所謂生活習慣病の急増が社会問題として大きく取り上げられるようになっている。即ち、食生活の西欧化に伴い、動物性脂質の摂取量が急増し、これにより血中のコレステロール含量が増加し、余分なコレステロールを貪食した貪食細胞が血管壁に積層し、アテロームを形成し、血栓を形成せしめ、血流量を阻害し、血圧を上昇せしめると言う、循環器の増悪コースを形成する駆動力となっている。この様な増悪をくい止めるためには、血栓の形成を阻害することが重要な課題となる。この様な血栓の形成阻害をする薬剤は、現在幾つかは開発されて実用に供されているが、一度投与を始めると、途中中断が出来なくなるため、思いもかけぬ副作用の発現などが発生する可能性が存し、結果、血栓形成は抑制されても、延命効果やQOLの向上に結びつかない例も存し、通常の生活において、血栓形成を阻害する手段の開発が望まれていた。この様な手段としては、食事を介しての方法が特に期待されている。これは、この様な疾患そのものの発生が食事に起因するところが大きいことを勘案すれば当然のことと思われる。この様な食事を介しての血栓の形成阻害の手段としては、特定な食品成分によるプラスミノーゲンアクチベータなどの線溶酵素の活性を高める方法と、プラスミノーゲンアクチベータインヒビターなどの線溶酵素活性阻害物質の阻害作用を抑制する方法の2種が存在する。前者としては、ヒラタケや納豆などが知られている。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)しかしながら、後者については、食品成分では未だ有効なものが見出されていないのが現状である。
【0003】
一方、ショウガ科の植物のエキスの有している作用としては、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用、チロシナーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用(例えば、特許文献3を参照)、リパーゼ阻害作用(例えば、特許文献4を参照)、補血・活血作用(例えば、特許文献5を参照)、内臓脂肪型肥満、糖尿病、高脂血 症及び高血圧症等のマルチプル・リスク・ファクター症候群を予防又は改善する作用(例えば、特許文献6を参照)などが知られているが、PAI−1に対する作用、或いは、血栓の形成に対する作用は全く知られていない。
【0004】
【特許文献1】特開2003−116535号公報
【特許文献2】特開2002−065294号公報
【特許文献3】特開2005−104886号公報
【特許文献4】特開2005−8572号公報
【特許文献5】特開2000−103718号公報
【特許文献6】WO02/047699
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、食品として摂取可能な、植物成分により、プラスミノゲーンアクチベータインヒビター(PAI)を抑制する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この様な状況に鑑み、本発明者らは、プラスミノゲーンアクチベータインヒビター(PAI−1)を抑制する作用を有する植物成分を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、ショウガ科の植物のエキスにその様な作用が認められることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
(1)ショウガ科の植物のエキスからなるプラスミノーゲンアクチベーターインヒビターI(PAI−1)阻害剤。
(2)前記ショウガ科の植物が、ガジュツ(Curcuma zedoaria ROSC.)、ウコン(Curcuma longa L.)又はショウキョウ(Zingiber officinale ROSC.)である、(1)に記載のPAI−1阻害剤。
(3)前記ショウガ科の植物のエキスは、含水エタノール抽出物より、極性部分を除去したものであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のPAI−1阻害剤。
(4)前記ショウガ科の植物のエキスの、含水エタノール抽出物より、極性部分を除去する工程が、次に示す工程1〜3の内、工程2で得られるもの又は工程3でえられるものであることを特徴とする、(3)に記載のPAI−1阻害剤。
(工程1)ショウガ科の植物の植物体を50〜80%エタノール水溶液で抽出し、濃縮する。
(工程2)工程1の成果物をノルマルヘキサンと水とで液液抽出を行い、ノルマルヘキサン相を得る。
(工程3)工程2の水相に酢酸エチルを加え、所望により水を加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相を得る。
(5)PAI−1阻害作用の有効成分として、ゲルマクロン、クルジオン、クルクミン又は6−ギンゲロール含有することを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載のPAI−1阻害剤。
(6)(1)〜(5)何れか1項のPAI−1阻害剤を配合してなる食品組成物。
(7)血栓の形成予防及び/又は血栓による血流障害の改善の為の食品であることを特徴とする、(6)に記載の食品組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、食品として摂取可能な、植物成分により、プラスミノゲーンアクチベータインヒビター(PAI)を抑制する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のPAI−1阻害剤は、ショウガ科の植物のエキスからなることを特徴とする。ここで、エキスとは植物体、植物体の乾燥物、それらを細切などした加工物などを溶媒で抽出した抽出物、抽出物より溶媒を除去したもの、抽出物乃至はその溶媒除去物を液液抽出やカラムクロマトグラフィーで分画精製した分画精製物、植物体を圧搾して得られる圧搾液、蒸留や水蒸気蒸留により集められた揮発分画などの植物体が含有する成分を濃縮したものの総称を意味する。これらの中では、有効成分が特に豊富な抽出物、抽出物の溶媒除去物、これらの分画精製物が特に好ましい。
【0009】
抽出に当たっては、用いる溶媒としては、通常使用されているものであれば特段の限定なく使用でき、例えば、ノルマルヘキサンや石油エーテルのような炭化水素、酢酸エチルや蟻酸メチルなどのエステル類、クロロホルムや塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフランやジエチルエーテル等のエーテル類、ノルマルブタノール、イソプロパノール、エタノール、1,3−ブタンジオールなどのアルコール類、水などが好ましく例示できる。これらは唯一種を用いることもできるし、二種以上を混合して使用することもできる。
【0010】
本発明のPAI−1阻害剤としては、ショウガ科の植物のエキスとして、該植物体の抽出物、その溶媒除去物乃至は分画精製物の内、極性成分をのぞいた非極性成分を用いることが好ましく、この様な非極性成分においては、精油などの揮発成分を除くことが好ましく、この様な成分を得るためには次に示す手順に従うことが好ましい。
【0011】
即ち、例えば、含水エタノールの様な含水アルコール溶液などの極性溶剤で抽出することにより、前記精油成分のような非極性成分の抽出を抑制し、前記極性溶剤抽出物より、液液抽出により、極性成分を取り除き、極性を有しつつも、適度な非極性も有する成分を選別する。
【0012】
前記含水アルコール溶液としては、含水エタノールが特に好ましく、前記含水率としては、50〜80%が好ましい。これはアルコール含有率が低いと有効成分を抽出できない場合が存し、高いと非活性成分を多く抽出してしまう場合が存するためである。この様な溶媒を植物体、植物体の乾燥物或いは加工物に対して1〜20質量倍加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬することにより、抽出物を得ることができる。かかる抽出物は、所望により、濾過などで不溶物を取り除き、更に、減圧濃縮などにより溶媒を除去することができる。好ましい形態としては溶媒を除去し、分画精製することである。
【0013】
分画精製に当たっては、液液抽出やカラムクロマトグラフィーなどが好ましく用いられ、液液抽出で大まかな分画をした後、カラムクロマトグラフィーで精密に分画することが好ましい。分画に際しては、薄層クロマトグラフィーで画分の成分を比較し、同じ成分を含む画分は合一させ、更に分画を重ねることにより、より精密に分画することが行える。
【0014】
前記液液抽出の好ましい分画方法は、抽出物の有機溶剤を除去したものを、水とノルマルヘキサンで液液抽出し、ノルマルヘキサン層を濃縮し、ノルマルヘキサン画分とし、水層には、酢酸エチルと、所望により水を加えて、再度液液抽出を行い、酢酸エチル層を濃縮し、酢酸エチル画分とし、水層には、ノルマルブタノールと、所望により水を加えて、再度液液抽出を行い、ノルマルブタノール層を濃縮しノルマルブタノール画分とし、水層を濃縮し水層画分とする。
【0015】
前記の画分は、シリカゲルや、ODS等を担体として、シリカゲルであればノルマルエキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、メタノール等を溶出溶媒に、ODSであれば、含水メタノール、含水アセトニトリルなどを溶出溶媒としてカラムクロマトグラフィーで分画精製できる。精製は化合物のレベルまで精密に行うこともできる。ショウガ科の植物のエキスより、この様な分画精製によって得られたPAI−1阻害活性を有する化合物としては、ゲルマクロン、クルジオン、クルクミン、6−ギンゲロール等が存し、これらを有効成分として、含むことがエキスとしては好ましい。
【0016】
この様な、精製により、PAI−1阻害剤を製造するのに好ましい、ショウガ科の植物としては、ガジュツ(Curcuma zedoaria ROSC.)、ウコン(Curcuma longa L.)又はショウキョウ(Zingiber officinale ROSC.)が好ましく例示でき、使用部位としては、特段の限定はされないが、根茎が特に好ましく例示できる。
【0017】
この様なPAI−1阻害剤は次の工程に従って製造することが好ましく、かかる工程のノルマルヘキサン層の濃縮物、酢酸エチル層の濃縮物がPAI−1阻害剤としては好ましい。
(工程1)ショウガ科の植物の植物体を50〜80%エタノール水溶液で抽出し、濃縮する。
(工程2)工程1の成果物をノルマルヘキサンと水とで液液抽出を行い、ノルマルヘキサン相を得る。
(工程3)工程2の水相に酢酸エチルを加え、所望により水を加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相を得る。
以下に、本発明のPAI−1阻害剤の製造例を示す。
【0018】
<製造例1>
市販のガジュツ(ガジュツCurcuma zedoaria ROSC.の根茎)500gを70%含水エタノール6リットル中でホモジナイズし、ろ過、濃縮し、水溶液としたものをノルマルヘキサン、酢酸エチル、ノルマルブタノール各1.5リットルで3回ずつ順次液液分配し、それぞれ濃縮、乾燥し、ガジュツヘキサンエキス(PAI−1阻害剤1)7.7g、ガジュツ酢酸エチルエキス(PAI−1阻害剤2)8.2g、ガジュツブタノールエキス(PAI−1阻害剤3)2.4g、ガジュツ水エキス(PAI−1阻害剤4)6.2gを得た。
【0019】
前記ガジュツヘキサンエキス300mgを、シリカゲルカラムを装着した分取高速液体クロマトグラフィーで精製し、ゲルマクロン(germacrone;PAI−1阻害剤5)20mg、クルジオン(curdione;PAI−1阻害剤6)59mg、の他、ノルマルヘキサン−エタノール=99:5の移動相で溶出される画分A(PAI−1阻害剤7)16mgと画分B(PAI−1阻害剤8)43mgを得た。
【0020】
<製造例2>
市販のウコン(秋ウコンCurcuma longa L.の根茎)50gを70%含水エタノール500ミリリットル中でホモジナイズし、ろ過、濃縮し、水溶液としたものをノルマルヘキサン、酢酸エチル、ノルマルブタノール各300ミリリットルで3回ずつ順次液液分配し、それぞれ濃縮、乾燥し、ウコンヘキサンエキス(PAI−1阻害剤9)1.1g、ウコン酢酸エチルエキス(PAI−1阻害剤10)2.0g、ウコンブタノールエキス(PAI−1阻害剤11)0.3g、ウコン水エキス(PAI−1阻害剤12)1.4gを得た。
【0021】
ウコン酢酸エチルエキス300mgを、ODSカラムを装着した分取高速液体クロマトグラフィーで精製し、クルクミン(PAI−1阻害剤13)85mgを得た。
【0022】
<製造例3>
市販のショウキョウ(ショウガZingiber officinale ROSC.の根茎)50gを70%含水エタノール500ミリリットル中でホモジナイズし、ろ過、濃縮し、水溶液としたものをノルマルヘキサン、酢酸エチル、ノルマルブタノール各300ミリリットルで3回ずつ順次液液分配し、それぞれ濃縮、乾燥し、ショウキョウヘキサンエキス(PAI−1阻害剤14)1.7g、ショウキョウ酢酸エチルエキス(PAI−1阻害剤15)0.7g、ショウキョウブタノールエキス(PAI−1阻害剤16)0.2g、ショウキョウ水エキス(PAI−1阻害剤17)1.1gを得た。
【0023】
ショウキョウヘキサンエキス300mgを、シリカゲルカラムを装着した分取高速液体クロマトグラフィーで精製し、6−ギンゲロール(PAI−1阻害剤18)58mgを得た。
【0024】
斯くして得られたPAI−1阻害剤は、常法に従って、賦形剤、結合剤、崩壊剤、被覆剤、矯味矯臭剤、着色剤、糖衣剤などとともに処理して食品組成物へと加工することが出来る。本発明の経口投与組成物における、かかるPAI−1阻害剤の好ましい含有量は0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。かかる食品組成物は、食品として継続的に摂取することにより、血栓の形成予防作用或いは血栓による血流障害の改善作用を発揮し、この為の食品組成物として有用である。食品組成物の剤形としては、特段の限定はなく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、飲料などの形態の他、パンや焼き菓子などに加工して日常的に摂取することも可能である。本発明のPAI−1阻害剤の好ましい摂取量としては、一日あたり、100〜10000mgを1回乃至は数回に分けて摂取することが好ましい。
【0025】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみに限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0026】
前記製造例で得られた、本発明のPAI−1阻害剤1〜18について、PAIに対する作用を調べた。PAIとしては、PAI−1を用いた。即ち、市販のヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(Huvec、クラボウ)を培養したものを24 穴コラーゲンコートプレートに1x10 cells/wellでまき24時間インキュベートした。無血清培地に交換し、更に一晩インキュベートし、低血清培地に交換すると共に上記の上記PAI−1阻害剤をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かしたものを被検物として終濃度1μg/mLで添加し、同時にTNF−αを終濃度10 ng/mLで添加した。24時間後に培地を回収し、遠心(3000rpm)後上清について、市販のPAI−1 ELISAキットで培地中のPAI−1濃度を測定した。被検物のかわりにDMSOを添加したものをコントロールとして、コントロールのPAI−1量に対する100分率で各被検物のPAI−1産生抑制率を求めた。結果を表1に示す。本発明のPAI−1阻害剤は優れたPAI−1阻害活性を有していることがわかる。特に、ノルマルヘキサン分画に優れたPAI−1阻害活性が観察される。即ち、含水エタノール抽出物より、極性部分を除去したものが好ましいことがわかる。
【0027】
又、これらのPAI−1阻害剤を食品組成物に含有させて摂取した場合、このPAI−1阻害活性作用により、血栓において、血栓が溶解するの阻止するPAI−1を阻害し、以て血栓の溶解を促進することがわかる。又、血栓の形成に際しては、PAI−1を阻害し、血栓の形成を阻害することがわかる。
【0028】
【表1】

【実施例2】
【0029】
下記の処方に従って、本発明の食品組成物である錠剤1〜18を製造した。即ち、処方成分を混合した後、処方成分10質量部に対し、3質量部の水を噴霧しながら流動層造粒を行い、40℃で24時間乾燥させた後に、打錠機で打錠し、錠剤1〜18を得た。
【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
尚、ゲルマクロン、クルジオンはともに既知物質であり、下記の構造の化合物である。
【0033】
【化1】

ゲルマクロン
【0034】
【化2】

クルジオン
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、血栓の形成の予防、形成された血栓の改善に有用な食品組成物に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショウガ科の植物のエキスからなるプラスミノーゲンアクチベーターインヒビターI(PAI−1)阻害剤。
【請求項2】
前記ショウガ科の植物が、ガジュツ(Curcuma zedoaria ROSC.)、ウコン(Curcuma longa L.)又はショウキョウ(Zingiber officinale ROSC.)である、請求項1に記載のPAI−1阻害剤。
【請求項3】
前記ショウガ科の植物のエキスは、含水エタノール抽出物より、極性部分を除去したものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のPAI−1阻害剤。
【請求項4】
前記ショウガ科の植物のエキスの、含水エタノール抽出物より、極性部分を除去する工程が、次に示す工程1〜3の内、工程2で得られるもの又は工程3でえられるものであることを特徴とする、請求項3に記載のPAI−1阻害剤。
(工程1)ショウガ科の植物の植物体を50〜80%エタノール水溶液で抽出し、濃縮する。
(工程2)工程1の成果物をノルマルヘキサンと水とで液液抽出を行い、ノルマルヘキサン相を得る。
(工程3)工程2の水相に酢酸エチルを加え、所望により水を加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相を得る。
【請求項5】
PAI−1阻害作用の有効成分として、ゲルマクロン、クルジオン、クルクミン又は6−ギンゲロール含有することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載のPAI−1阻害剤。
【請求項6】
請求項1〜5何れか1項のPAI−1阻害剤を配合してなる食品組成物。
【請求項7】
血栓の形成予防及び/又は血栓による血流障害の改善の為の食品であることを特徴とする、請求項6に記載の食品組成物。

【公開番号】特開2007−230882(P2007−230882A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51414(P2006−51414)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】