説明

プラズマトーチ装置

【課題】プラズマジェットの調節を容易にし、かつ電極部の磨耗を抑制して装置の寿命を向上できるコンパクトなプラズマトーチ装置を提供する。
【解決手段】アノード54と電気的に通じる第1金属ボディ部20と、第1金属ボディ部20と組み立てられる絶縁ボディ部30と、絶縁ボディ部30に内在されてカソード52と電気的に通じる第2金属ボディ部40とを含む装置ボディ部10と、カソード52と、その前方にプラズマノズル部を形成するように間隔を置いて配置されるアノード54とを含み、放電を通じプラズマを発生させる電極部50と、装置ボディ部10に夫々備えられ、電極部50側にガスを供給し、及び装置を冷却するためのボディ一体型ガス通路60及び冷却水通路70と、を含みボディ一体型冷却水通路70は、装置ボディ部10の第1金属ボディ部20と、絶縁ボディ部30及び第2金属ボディ部40に備えられた冷却水路70と空間とを含んだ構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマトーチ装置及びプラズマを用いた返鉱処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、対象物を高熱で溶融させる溶射、溶融工程のためのプラズマトーチ(Plasma Torch)は高温、高速のプラズマジェットを発生させるのに適切な円錘形態のカソード及びアノード(ノズル)を備える電極と、電極の間の絶縁体と、気体を供給するための気体供給構造及びトーチの主要部を冷却するための冷却構造等で構成される。
【0003】
このようなプラズマ溶射、溶融工程は、プラズマジェットを用いて対象物、例えば、粉末や、高熱溶融物質(高熱が加わると溶融される物質)を瞬間的に溶融させる。
【0004】
しかし、今までに知られているプラズマトーチの大部分は、プラズマジェット、例えば、ジェットの大きさ(直径)や長さ等を装置によって簡単に変更するジェット制御が難しいものであった。
【0005】
また、従来のプラズマトーチに供給する媒質である気体の供給構造(通路)とプラズマトーチを冷却するための冷却水の通路(冷却水の供給、循環、排出構造)とをトーチボディと一体化していないため、全体的にプラズマトーチの構造が複雑であり、それだけコンパクトなトーチを提供することが困難であるという問題があった。
【0006】
そして、アークが発生するカソードとアノード間の磨耗が甚だしく発生しカソードとアノードを頻繁に交替しなければならないという問題もあった。
【0007】
一方、所定の粒度の返鉱をプラズマトーチ装置のプラズマを用いて返鉱塊に溶融結合させる返鉱処理方法があるが、周知のプラズマトーチ装置は返鉱処理時にプラズマジェット(火炎)の長さや大きさ(直径)の調整が困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消するために提案されたもので、その目的は、プラズマジェット(火炎)の長さと大きさ(直径)の調節を容易にし、冷却水とガス(媒質)通路を装置内部に一体化してコンパクトな装置を提供し、かつ電極部の磨耗を抑制して装置の寿命を向上できるコンパクトなプラズマトーチ装置を提供することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、上記プラズマトーチ装置によるプラズマを用いて所定の粒度の返鉱を返鉱塊に溶融結合する返鉱処理時に装置の電力消費を最省力化しながらも返鉱処理の効率を向上できる、プラズマを用いた返鉱処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための技術的な一側面の一実施例として、本発明は、装置ボディ部と、上記装置ボディ部に備えられ、放電を通じプラズマを発生させる電極部と、上記装置ボディ部に夫々備えられ、電極部側にガスを供給し、及び装置を冷却するためのボディ一体型ガス通路及び冷却水通路を含んで構成されたプラズマトーチ装置を提供する。
【0011】
また、技術的な一側面の他の実施例として、本発明は、装置ボディ部と、上記装置ボディ部に備えられ、放電を通じプラズマを発生させる電極部と、上記電極部の周辺に配置され、供給ガスをツイスティングさせて電極部の磨耗を防ぐように提供されたガスツイスティング手段と電子の流れを活性化させトーチ効率を向上させるように提供された磁石手段のうち少なくともいずれか1つを含んで構成されたプラズマトーチ装置を提供する。
【0012】
そして、上記ガスツイスティング手段と磁石手段を有するプラズマトーチ装置は、上記装置ボディ部に夫々備えられ、電極部側にガスを供給し、及び装置を冷却するためのボディ一体型ガス通路及び冷却水通路をさらに含むことができる。
【0013】
好ましくは、上記電極部は、上記装置ボディ部の内側に備えられるカソード及びその前方に放電するように間隔を置いて配置されて内側にはプラズマノズル部が形成されたアノードを含んで構成される。
【0014】
より好ましくは、上記装置ボディ部は、上記電極部のアノードと電気的に通じる第1金属ボディ部と、上記第1金属ボディ部と組み立てられる絶縁ボディ部と、上記絶縁ボディ部に内在されて上記電極部のカソードと電気的に通じる第2金属ボディ部を含んで構成される。
【0015】
この際、上記第1金属ボディ部は、装置の外縁を形成する第1ボディと、上記第1ボディの内側に組み立てられてアノードを支持しながら電気を印加するハウジングと、上記第1ボディの一側に組み立てられてアノードを固定する第1ケーシングを含んで構成される。
【0016】
そして、上記絶縁ボディ部は、上記第1金属ボディ部の第1ボディとハウジングにわたってその内側に組み立てられる第1絶縁ボディと、上記第1ボディと第1絶縁ボディの一側に固定して組み立てられる第2ケーシングである第2絶縁ボディを含んで構成されるのが好ましい。
【0017】
また、上記第2金属ボディ部は、上記絶縁ボディ部の第1及び第2絶縁ボディにわたってその内側に組み立てられるが、上記電極部に含まれたカソードに電気を印加するように組み立てられる第2ボディと、上記第2ボディに組み立てられ上記カソードの内側に締結される電気印加片を含んで構成されてもよい。
【0018】
好ましくは、上記ボディ一体型ガス通路は、上記金属ボディ部の第1ボディとハウジングに形成された第1及び第2ガス通路と、上記絶縁ボディ部の第1絶縁ボディと上記ハウジングの間に形成された空間及び上記第1絶縁ボディとハウジングの間に配置されるガスツイスティング手段に備えられた第3ガス通路を含んで構成される。
【0019】
そして、上記ガスツイスティング手段は、装置ボディ部を構成する第1金属ボディ部のハウジングと絶縁ボディ部の第1絶縁ボディの間にカソードの外縁に環形態で組み立てられて、その胴体を傾いて貫通する複数のガス通路を備えるのが好ましい。
【0020】
また、上記磁石手段は、中央のメイン磁石環と、その両側に組み立てられハウジングとアノードに支持される外縁環を含んで構成されるのが好ましい。
【0021】
より好ましくは、上記冷却水通路は、上記第1ボディとハウジングに形成された第1及び第2冷却水通路と、上記第1絶縁ボディに形成された第3冷却水通路と、上記第2ボディに形成された第4冷却水通路と、上記第2ボディとカソードの間に形成される空間と、上記第2ボディの内側に締結されるカソードの電気印加片に形成された第5冷却水通路と、上記第2ボディの内部に形成された第6冷却水通路を含み、装置を全体的に均一に冷却するように構成される。
【0022】
一方、技術的な他の側面として、本発明は、プラズマを発生させるプラズマトーチ装置に供給されるガス流量とトーチ装置に備えられた電極部のアノードのプラズマ放出ノズル部の内径を調整してプラズマジェットの長さと大きさを異なるように構成した2つ以上のプラズマトーチ装置を用いて返鉱を処理することを特徴とするプラズマを用いた返鉱処理方法を提供する。
【0023】
好ましくは、移送される返鉱の上部に、プラズマジェットの長さは縮小されるが直径は拡大された第1のプラズマジェットを有する第1列のプラズマトーチ装置を配置し、その後方には上記第1のプラズマジェットの長さよりは拡大されるが直径は縮小される第2のプラズマジェットを発生させる第2列のプラズマトーチ装置を上記第1列のプラズマトーチ装置の間に位置するようにし返鉱処理面積を増大させる。
【発明の効果】
【0024】
このような本発明のプラズマトーチ装置によると、プラズマジェット、即ち、プラズマ火炎の長さと大きさ(直径)等のサイズの調整を容易にする一方、冷却水とガス(媒質)通路を装置内部に一体化することで、さらにコンパクトなトーチ装置を提供し、なおかつ電極部の磨耗を抑制して装置の寿命を向上させることができる。
【0025】
また、本発明のプラズマを用いた返鉱処理方法によると、所定の粒度の返鉱をトーチ装置により返鉱塊に溶融結合させる返鉱処理時にプラズマ発生のために用いられる装置の電力消費を最省力化しながらも返鉱の生産性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるプラズマトーチ装置の全体の構成を図示した組み立て状態図である。
【図2】図1の本発明のプラズマトーチ装置を図示した分解斜視図である。
【図3】本発明の装置ボディ部を構成する第1金属ボディ部の第1ボディを図示した断面図である。
【図4】本発明の第1金属ボディ部のハウジングを図示した断面図である。
【図5】a及びbは本発明の第1金属ボディ部の第1ケーシングを図示した断面図及び正面図である。
【図6】a及びbは本発明の装置ボディ部を構成する絶縁ボディ部の第1絶縁ボディを図示した断面図及び正面図である。
【図7】本発明の絶縁ボディ部の第2絶縁ボディを図示した断面図である。
【図8】本発明の装置ボディ部を構成する第2金属ボディ部の第2ボディを図示した断面図である。
【図9】a及びbは、本発明の第2金属ボディ部の電気印加片を図示した側面及び正面図である。
【図10】a及びcは、本発明の電極部のカソードを図示した側面、正面及び後面図である。
【図11】a及びbは、本発明の電極部のアノードを図示した断面図及び正面図である。
【図12】a及びbは、本発明のガスツイスティング手段を図示した側面及び正面図である。
【図13】a乃至dは、本発明の磁石手段を図示した構造図である。
【図14】図2の第1金属ボディ部の第1ボディに取り付けられるガス/冷却水の連結ブロックを図示した平面構造図である。
【図15】a及びbは、本発明によるプラズマトーチ装置の組み立て状態を図示した斜視図である。
【図16】本発明によるプラズマ(トーチ装置)を用いた返鉱処理方法を説明するために図示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面に従い本発明の好ましい実施例を説明する。
【0028】
図1及び図2では、本発明のプラズマトーチ装置1の全体の構成を組み立て状態図及び分解斜視図で図示する。また、図3乃至図14では本発明の各構成部を図示する。また、図15では本発明のプラズマトーチ装置の組み立てられた状態の外観を図示する。さらに、図16では本発明によるプラズマ(トーチ装置)を用いた返鉱処理方法を図示する。
【0029】
先ず、図1及び図2で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置1は、基本的に装置ボディ部10(図3〜図9参照)と上記装置ボディ部10の内側に備えられ放電を通じてプラズマを発生させる電極部50(図10〜図11参照)を含んで構成されている。
【0030】
例えば、図1及び図2のように、装置ボディ部10を通じてガス(媒質)Gが供給されると、高電圧(高周波印加も可能)が印加された電極部50におけるアーク放電を通じて形成されるプラズマジェットによるプラズマフレーム(火炎)(図16のF1、F2参照)が発生されて対象物、即ち、返鉱等の溶融結合を可能にする。
【0031】
この際、本発明のプラズマトーチ装置では、ガスの種類としてはエアまたは窒素ガス(N)等を用いることができるが、以下では‘ガス’と一括して説明する。但し、窒素ガスは費用が負担になる虞があるが、本発明の装置ではエアを用いても所望の出力(加熱温度)を具現することができる。
【0032】
一方、図1及び2のように、本発明のプラズマトーチ装置1は、上記装置ボディ部10に夫々一体に備えられ、上記電極部50側にガスを供給するボディ一体型ガス通路60と装置を冷却させるボディ一体型冷却水通路70を含むことができる。
【0033】
さらに、本発明のプラズマトーチ装置1は、図1及び2のように上記電極部50の周辺に配置され、供給されてくるガスをツイスティングさせて電極部におけるアーク点の移動で電極部の磨耗を防ぐガスツイスティング手段80(図12参照)をさらに含むことができる。
【0034】
また、本発明のプラズマトーチ装置1は、図1及び2のように上記電極部50の周辺に配置され、電子の流れを調整してトーチ効率を向上させる磁石手段90(図13参照)をさらに含むことができる。
【0035】
このようなガス及び冷却水通路60及び70とガスツイスティング手段80及び磁石手段90については、後で再び詳細に説明する。
【0036】
一方、本発明のプラズマトーチ装置1において、上記電極部50は、図1及び2のように、装置ボディ部10の内側に備えられるカソード52(図10参照)とその前方に高電圧の印加時にアーク放電するように間隔を置いて配置され、特に、分解、組み立てが容易なアノード54(図11参照)で構成されている。
【0037】
このようなアノード54の装置の組み立て構造は、後ほど詳細に説明する。
【0038】
従って、ガスが供給されて、さらに高電圧がカソードとアノードに印加されると、プラズマ、即ち、供給されるガスの流量に従い可変されるプラズマジェット流を形成しながらアノード54のノズル部54aを通じてプラズマフレーム(火炎)(図16のF1、F2参照)を噴出させる。
【0039】
結局、本発明のプラズマトーチ装置1は、多様な因子を用いたプラズマジェットの制御ができるが、例えば、図11のように、プラズマジェットの長さと大きさ(直径)をアノード54のノズル部54aの内径を変更するか、或いは供給するガス(図1のG)の流量を変更することで簡単に調節することができる。
【0040】
例えば、ガス流量を少なくすると、プラズマジェットの長さは短くなり、広い範囲の加熱はできるが、その代わり温度は低くなる。
【0041】
逆に、ガス流量を増大させると、プラズマジェットの長さは長くなり、狭い範囲(面積)の加熱が可能で、温度は高くなる。
【0042】
従って、プラズマジェット(プラズマフレーム(火炎))の長さと大きさ(直径)の調節は次に説明する返鉱処理時に有用に適用させることができる。
【0043】
また、返鉱処理でなくても溶融または溶射させる対象物の状態に対応し効果的なプラズマ加熱処理を可能にする。
【0044】
例えば、大韓民国特許出願10−2006−0133199号に開示されたように、所定の粒度の返鉱をプラズマトーチ装置の火炎を用いて返鉱塊に溶融結合させる場合、返鉱処理に対する最適のプラズマジェットを具現することができる。例えば、返鉱処理に適当なガス流量は15〜17L/minである。
【0045】
この際、図1、2で図示したように、上記カソード52とアノード54の間隔を調整することでもプラズマジェットの形態を調節できる。
【0046】
一方、本発明のプラズマトーチ装置1は、全ての構成部品が簡単に分解及び組み立てられるため、図10及び図11で図示したカソード52と、これと間隔を置いて配置されるアノード54を所望の間隔に調整された状態に簡単に組み立てることができる。
【0047】
一方、図2、10で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置において、上記カソード52のチップ部分52aは、タングステンで形成するか、表面をタングステン処理することが好ましい。これはアーク放電が行われるカソードのチップ部分の磨耗を減らす。
【0048】
そして、図2、図11で図示したように、上記アノード54は、外縁が拡大される円筒体でその内部(中央)にプラズマノズル部54aが貫通して形成されている。
【0049】
従って、本発明のプラズマトーチ装置1はアノードノズル部54aの内径を様々な形態で形成させた複数のアノード54を用意し、プラズマ加熱条件に対応して簡単に組み立てて使用することができる。
【0050】
さらに、図11で図示したように、このような本発明のアノード54のノズル部54aには段差54bが形成されている。
【0051】
従って、本発明のアノードは、上記段差部分において、プラズマの過流(即ち、供給されるガスが段差部分を通過しながら形成される過流)を誘導することができ、プラズマジェットを拡張させるため、プラズマの熱効率をさらに高める。
【0052】
一方、図2及び11で図示したように、上記アノード54の外縁が拡大された部分には、組み立てるための組み立て突起54cが形成されるがこのような組み立て突起は図1及び5のように、装置ボディ部10を構成する第1金属ボディ部20の第1ケーシング26との組み立て時に固定される部分である。
【0053】
この際、図1及び図5のように、上記第1ケーシング26には組み立て時にスクリュー操作のための凹溝部26aが形成されている。つまり、第1ケーシング26にはスクリューSが形成され上記第1金属ボディ部20のハウジング24にスクリュー組み立て及び分解される。
【0054】
従って、図1及び2のように、上記第1ケーシング26をハウジング24から分解すれば、上記電極部アノード54も簡単に分解及び組み立てることができる。
【0055】
しかし、図4及び11のように、上記アノード54の先端部には、第1金属ボディ部20のハウジング24の内側の傾いた突出端24aと接触して支持される傾いた支持面54dが形成されている。
【0056】
従って、上記アノードは、ハウジングと堅固に密着して組み立てられると同時に、図1のように上記ハウジングの突出端に先端が傾いた支持面が密着されるため、アーク放電を通じてプラズマを発生するカソード52とアノード54間の間隔が一定に維持される。
【0057】
例えば、上記ハウジングの突出端24aとアノードの傾いた支持面54dが密着する深さ(長さ)を調整すると、カソードとアノード間の間隔の調整が精密に行われることになる。
【0058】
次いで、図1及び図2で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置1において、装置の枠を形成する装置ボディ部10は、上記電極部のアノード54と電気的に通じる第1金属ボディ部20(図3〜5)と、上記第1金属ボディ部20と組み立てられる絶縁ボディ部30(図6及び7)及び上記絶縁ボディ部30に内在されて上記電極部カソード52と電気的に通じる第2金属ボディ部40(図8及び9)に大きく分けることができる。
【0059】
例えば、上記絶縁ボディ部30を除いて上記第1及び第2金属ボディ部20及び40は金属材質、例えば、熱伝導率の高い黄銅等で製作される。
【0060】
このような第1及び第2金属ボディ部20及び40は、夫々アノード54及びカソード52と電気的に通じるように組み立てられて高電圧の印加を可能にする。
【0061】
一方、図1及び2のように、上記絶縁ボディ部30は、第1及び第2金属ボディ部20及び40の間に配置されて絶縁させる機能を提供する。
【0062】
従って、以下では本発明の装置ボディ部10を構成する第1及び第2金属ボディ部20及び40と絶縁ボディ部30に対して具体的に説明する。
【0063】
先ず、図1及び図2で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置にあって、上記第1金属ボディ部20は、装置の外縁を形成する第1ボディ22(図3参照)、上記第1ボディ22の内側に組み立てられて電極部のアノード54を支持しながら高電圧を印加するハウジング24(図4参照)及び上記第1ボディ22の一側に組み立てられて上述のように、電極部のアノード54を固定する第1ケーシング26(図5参照)を含んで構成される。
【0064】
例えば、図1及び2のように、上記第1ボディ22の内側にハウジング24が挿入され、上記ハウジング24に上記アノード54の突出端54c(図11参照)が支持された状態で上記第1ケーシング26が上記第1ボディ22にスクリューS形態で組み込まれる。
【0065】
このように、上記第1ケーシング26は、上記第1ボディ22にスクリュー形態で簡単に組み立てまたは分解される。
【0066】
この際、図面における図面符号‘S’は、構成部品同士の雄ネジと雌ネジが締結されるスクリュー締結部分を示す。
【0067】
次いで、図1及び図2で図示したように、上記絶縁ボディ部30は、上記第1金属ボディ部20の第1ボディ22とハウジング24にわたってその内側に組み立てられる第1絶縁ボディ32(図6参照)及び上記第1金属ボディ部20の第1ボディ22と上記第1絶縁ボディ32の一側にボルトで固定されて組み立てられる、第2ケーシングの役割をする第2絶縁ボディ34(図7参照)で構成される。
【0068】
この際、上記第2絶縁ボディ34は、第1金属ボディ部20の第1ボディ22と第1絶縁ボディ32の後端部を段差形態で圧迫して支持しながらボルト(不図示)で上記第1ボディ22に組み込まれる。
【0069】
従って、図1及び図2で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置の胴体部分は第1ボディ部22を備え、図面上その左右側にボルト及びスクリュー形態で第1絶縁ボディ32と第1ケーシング26が夫々組み込まれ、全体的には図15a及び図15bで図示した形態となるように組み立てられる。
【0070】
最終的には、図15に示されるように、本発明のプラズマトーチ装置1は、コンパクトな形態であることが分かる。これは図1及び2に示されるように、本発明の装置を構成する複数の部品が非常に緊密であり、空間を最小化した状態で組み立てられ、分解されるためである。
【0071】
次いで、図1及び2のように、上記第2金属ボディ部40は電極部50のカソード52に高電圧を印加させるように上記絶縁ボディ部30の内側に組み立てられる。具体的に、上記第2金属ボディ部40は、上記絶縁ボディ部30の第1及び第2絶縁ボディ32及び34にわたってその内側に組み立てられる。さらに、上記第2金属ボディ部40は、上記カソード52に高電圧を印加するように組み立てられる第2ボディ42(図8参照)及び上記第2ボディ42に組み立てられ、かつ上記カソード52の内側に締結される電気印加片44(図9参照)で構成される。
【0072】
従って、図1及び2、並びに図8及び9のように、上記第2ボディ42は、第1ボディ22にボルトで締結されるところの第2絶縁ボディ34で圧迫固定され、その内側に上記電気印加片44がスクリューS形態で組み立てられ、上記電気印加片44は上記カソード52の内側に組み立てられる。
【0073】
この際、図9のように、上記電気印加片44の先端部にはカソードを密着して締結するための突出端44aが所定の間隔で形成されている。
【0074】
そして、図1で図示したように、上記第2金属ボディ部40の第2ボディ42の後端部には、カソードに高電圧を印加するための締結ボルト110aが締結され、上記絶縁ボディ部30を介して絶縁された状態で上記第1ボディ22に締結されるところの支持ブロック120に他の電圧印加用締結ボルト110bが備えられ、夫々の締結ボルトに電圧印加用ケーブル(不図示)が連結される。
【0075】
従って、本発明のプラズマトーチ装置において、カソード52とアノード54には夫々第1及び第2金属ボディ部20及び40を通じて高電圧が印加されるようになり、その間に絶縁ボディ部30が介在されている。
【0076】
次いで、図1、図2及び図12で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置1は、上述のように、上記電極部50の周辺に配置されるところのガスツイスティング手段80をさらに備える。ガスツイスティング手段80は、供給されるガスGをツイスティングさせて電極部におけるアーク点の移動で電極部の磨耗を防ぐ。
【0077】
例えば、図2及び図12で図示したように、本発明のガスツイスティング手段80は、図4に示した第1金属ボディ部20のハウジング24と図6に示した絶縁ボディ部30の第1絶縁ボディ32の間に配置される環形態で提供され、電極部のカソード52の外縁に配置される。
【0078】
特に、図2及び図12で図示したように、このようなガスツイスティング手段80の環形態の胴体には、次に詳細に説明するガス通路60のうち1つの通路で形成される第3ガス通路60dが傾斜した状態で貫通して形成されている。
【0079】
従って、ガスが供給されると、上記ガスツイスティング手段80に傾いて形成されたガス通路60dにより、ガスは電極部カソード52とアノード54の間に均一に広がりツイスティング状態で供給される。
【0080】
一般的に、プラズマトーチ装置は、例えば電極部のアノードとカソードの間にガスが供給される状態でカソードとアノードに高電圧が印加されると、アーク放電を通じプラズマを発生させる原理であるため、電極部のアノードとカソード部分は簡単に磨耗する。
【0081】
そこで、本発明の電極部では、上記ガスツイスティング手段80により、カソードとアノードの間で発生するアーク点が、周知の従来のプラズマトーチとは異なり、局部的に形成されず、続けてアーク点を移動(変動)させることを可能にする。
【0082】
従来のように、電極部のカソードとアノードの磨耗が深刻になると、それ以上アーク放電を通じてアークを発生させることができないため、プラズマトーチ装置の稼動中断の原因になる。
【0083】
さらに、磨耗した電極部のカソードとアノードを頻繁に交替しなければならず、カソードとアノードの磨耗周期が短いほど、プラズマトーチ装置を用いた生産性は低下し、これは製造費用の上昇に繋がる。
【0084】
しかし、本発明では、上述したように、上記ガスツイスティング手段80がアーク発生点を続けて変動させるため、電極部のカソードとアノードの磨耗を抑制できる。
【0085】
本発明が電極部のカソードとアノードの磨耗を抑制するための作用の詳細は次の通りである。ガスがガスツイスティング手段80内に傾いた上体で貫通して形成されたガス通路60dを通過すると、環形態のガスツイスティング手段80はアノード54上で回転しているので、ガスはカソードとアノードの間に全体的に広がりながら供給され、アーク点が一部領域にのみ集中することを抑制し、アーク点の集中による電極部の磨耗を抑制する。
【0086】
次いで、図1、図2及び図13で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置1は、上記電極部50の周辺に配置されるところの磁石手段90をさらに備える。この磁石手段90は電子の流れを調整してトーチ効率を向上させることができる。
【0087】
この際、上記磁石手段90は、上記第1金属ボディ部20のハウジング24と電極部50のアノード54の間に配置されている。
【0088】
従って、上記磁石手段は、磁力を発生させるため、プラズマ形成時に電子の流れを活性化させプラズマトーチ装置の効率をより優れるようにする。
【0089】
一方、このような本発明の磁石手段90は、図2及び図13から分かるように、中央のメイン磁石環92とその両側に組み立てられるところの外縁環94、96を備える。この外縁環94及び96は、ハウジング及びアノード密着突起94a及び96aを備える。
【0090】
そして、上記外縁環94及び96は、上記メイン磁石環92の内径部に挿入され支持される段差部94b及び96bを備える。
【0091】
従って、図1、図2及び図13のように、メイン磁石環92と外縁環94及び96の3つの部品で構成された本発明の磁石手段90は、電極部のアノード54の外縁に配置されてアノードの組み立て時に密着突起が夫々ハウジングとアノードで支持され固定される。
【0092】
即ち、このような磁石手段90も、上述した第1ケーシング26の組み立て及び分解時にアノードと共に簡単に組み立てまたは分解できるので、本発明の実施例のプラズマトーチ装置1は磁石環の交替により磁力調整も容易にする。
【0093】
次いで、本発明のプラズマトーチ装置1は、図1で一点鎖線と二点鎖線で夫々表示したガス通路60と冷却水通路70を夫々含むが、特にこれら通路を装置ボディ部10の内部に一体化しながらも、図15に示すように、プラズマトーチ装置をコンパクトに構成したことに特徴がある。
【0094】
即ち、図1及び図15のように、本発明のプラズマトーチ装置1は、充分なガスと冷却水の供給を行いながらも全体的に非常にコンパクトなトーチ装置とすることができる。
【0095】
本発明の実施例のプラズマトーチ装置1は、全体的に非常にコンパクトなうえ、上述のいくつかの特徴的な構成により装置の稼動効率が著しく高くなり、さらに円滑な冷却が行われ、かつ装置の寿命も長くなる。
【0096】
また、カソード52とアノード54からなる電極部50も装置ボディ部10の第1及び第2金属ボディ部20及び40並びに絶縁ボディ部30に一体に組み込まれるため、よりコンパクトなプラズマトーチ装置を提供するようになる。
【0097】
このとき、図1で別途に符号で示していないが、本発明の各構成部分の間には冷却水の漏水を遮断するパッキン(図1には‘〇’で示される)を備える。
【0098】
一方、図1で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置1において、上記ガス通路60は、上述の第1ボディ22(図3参照)とハウジング24(図4参照)に形成された第1及び第2ガス通路60a及び60bと、第1絶縁ボディ32(図6参照)とハウジング24の間に形成された空間60c(図2に示すように、空間‘60c’はハウジング24の先端外縁の凹部により形成される)及び上記第1絶縁ボディ32とハウジング24の間に配置されるガスツイスティング手段80の第3ガス通路60d(図12参照)を1つの経路として形成される。
【0099】
そして、プラズマトーチ装置1は、最終的に、図1に示すように、上記ガス通路60を通したガスをアノードノズル部54aを通じてプラズマ火炎(図16のF1、F2参照)にして噴出する(図1において、一点鎖線の‘G’参照)。
【0100】
この際、図1、図14及び図15に示すように、上記第1ボディ22にはガス/冷却水通路の連結ブロック110が設けられ、上記連結ブロック110にはガス通路60の第1ガス通路60aと次に説明する冷却水通路70の第1冷却水通路70aと連通する通路60a’及び70a’(図14参照)が形成され、夫々冷却水供給管(ホース)(不図示)とガス供給管(不図示)を連結する連結口(不符号)に連結される。
【0101】
従って、図1のように、ガスGは上記第1ガス通路60a及び第2ガス通路60b、並びに空間60c及び第3ガス通路60dを通じ電極部のカソード52とアノード54の間に供給される。
【0102】
この際、上述のガスツイスティング手段80を通じ、ガスはアーク点を移動することができるように供給され、プラズマトーチ装置1は高電圧が印加されたカソードとアノードの間におけるアーク放電を通じプラズマを形成する。
【0103】
このように形成されたプラズマジェットは、アノード54の中央側に貫通して形成されたプラズマノズル部54aを通じて放出されるので、よって火炎で対象物の加熱が行われる。
【0104】
次いで、図1及び図2で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置1にあって、上記冷却水通路70は、上記第1ボディ22(図3参照)とハウジング24(図4参照)に形成された第1及び第2冷却水通路70a及び70bと、上記第1絶縁ボディ32(図6参照)に形成された第3冷却水通路70cと、第2ボディ42(図8参照)に形成された第4冷却水通路70dと、上記第2ボディ42とカソード52の間に形成される空間70e(図1参照)と、上記第2ボディ42の内側に締結されるカソードの電気印加片44に形成された第5冷却水通路70f(図1及び図9参照)及び上記第2ボディ42の内部の中央側に貫通して形成された第6冷却水通路70g(図8参照)からなる1つの経路で構成される。
【0105】
この際、図1及び図15で図示したように、上記第2ボディ42の第6冷却水通路70gには冷却水供給管(ホース)が連結される連結口42aが締結される。
【0106】
そして、図14及び図15で図示したように、ガス/冷却水通路の連結ブロック110には上記第1冷却水通路70aと連通され、連結通路70a’と連結される冷却水排出管(ホース)が連結される連結口(不符号)が締結される。
【0107】
従って、図1及び図15で図示したように、本発明のプラズマトーチ装置1において、冷却水W(図1の二点鎖線)は、上記第1及び第2金属ボディ部20及び40と絶縁ボディ部30の複数の構成部品に連通するように形成された上記第1−6冷却水通路と空間(第6冷却水通路→第1冷却水通路方向に冷却水は供給)に流入、循環、排出される。
【0108】
つまり、本発明の冷却水通路は、本発明のプラズマトーチ装置1のほぼ全ての構成部品を通過するため、より効果的にプラズマトーチ装置1を冷却できる。このような上記冷却水通路は、熱による装置の損傷を防ぎ、トーチ装置の寿命を延長させる。
【0109】
この際、上述のように、上記絶縁ボディ部を除いた第1及び第2金属ボディ部20及び40の複数の構成部品を熱伝導に優れた黄銅で製作すると、高温の熱が熱伝達に優れた黄銅を通じ持続的に供給及び排出される冷却水に伝達される。したがって、プラズマトーチ装置1は、冷却効率が高くなり冷却作用に優れたものとなる。
【0110】
以上に説明したように、本発明のプラズマトーチ装置1は、いくつかの特徴的な手段、即ち、電極部の周辺のガスツイスティング手段80と磁石手段90により電極部の磨耗を抑制しながらプラズマ効率を著しく向上させ、かつガスと冷却水通路を装置内部に一体化して具現するため、図15a及び図15bで図示したように、外形的にも装置の大きさをコンパクトにできる。
【0111】
次いで、プラズマを用いた返鉱処理方法について図16を参照して説明する。図16は、プラズマを用いた返鉱処理方法を図示しているが、具体的には今まで説明した本発明のプラズマトーチ装置1を用いることができる。
【0112】
先ず、返鉱処理に対して説明する。焼結鉱の主原料である各種鉄鉱石と、副原料である珪石、蛇紋岩、石灰岩及び燃料である無煙炭、コークス等を焼結工程を経て焼結鉱を生産する。この際、製造された焼結鉱はスクリーンにおいて粒度が6mm以下の返鉱(粒度6mm以下の焼結鉱を高炉に送らず再び焼結工程に回収される焼結鉱を通常‘返鉱(return ore)’という)とそれより大きい焼結鉱に分離される。
【0113】
即ち、高炉で用いることができる焼結鉱は、その粒度が約6〜50mmであるため、粒度が6mm以下の焼結鉱は、再び焼結鉱の製造工程に再投入される。
【0114】
一方、本件の出願人が出願した大韓民国特許出願10−2006−0133199では、所定の粒度の返鉱をプラズマにより溶融させ塊化し生産性を高めた、プラズマを用いた返鉱処理方法が開示されている。
【0115】
即ち、返鉱を再び焼結工程に再投入する返鉱再処理工程を省略し、既に焼結された返鉱を高炉に投入が可能な粒度(直径)6mmより大きい返鉱塊に生産すると、生産性や費用節減の側面で好ましい。
【0116】
この際、本発明の返鉱処理方法の特徴は、図16で図示したように、今まで説明した本発明のプラズマトーチ装置1を用い、供給されるガス流量とアノードノズル部(図11の54a)の内径を調整してプラズマジェット流(火炎)F1、F2の長さと直径を異なるように調節する。例えば少なくとも2つのトーチ装置1a、1bを配列し、返鉱を返鉱塊200a、200bに処理することにその特徴がある。
【0117】
即ち、図16で図示したように、移送コンベヤ210aに単位別に続けて設けられた返鉱移送手段である耐火ブロックボックス210に詰められ移送される返鉱の上部に、プラズマジェットの長さは縮小されるが、直径は拡大された第1のプラズマジェットF1を有する第1列のプラズマトーチ装置1a,1a,1a・・・を配置する。
【0118】
そして、上記第1列のプラズマトーチ装置1a,1a,1a・・・の後方には、プラズマジェットの長さは上記第1のプラズマジェットよりは拡大されるが、逆に直径は縮小される第2のプラズマジェットF2を形成する第2列のプラズマトーチ装置1b,1b,1b・・・を上記第1列のプラズマトーチ装置1a,1a,1a・・・の間に位置するように配置する。
【0119】
従って、従来同一のプラズマジェット(火炎)を有するプラズマ火炎(ジェット流)を用いて返鉱を塊化することに比べ、本発明では、加熱面積が広くて溶融面積が広い返鉱塊200aの間に、加熱面積は小さいが、温度の高い小さな返鉱塊200bが連係するため、全体的により広い面積の返鉱塊の生産を可能とする。この際、全体的には2列のプラズマトーチ装置で加熱溶融されないため、熱効率も優れる。
【0120】
上述のように、本発明のプラズマトーチ装置1は、プラズマジェットの長さと大きさ(直径)をガス流量とアノードノズル部の内径の調節を通じて簡単に調節することができるため、2種類のプラズマジェットを用いて返鉱のさらに多い面積を結合できる。すなわち、熱損失を減らしながらもより拡大された面積の返鉱の結合を可能にする。
【0121】
この際、プラズマトーチ装置は、返鉱処理の効率を向上させたものであるため、プラズマトーチ装置を用いることによる電力消費は減少する。
【0122】
例えば、本発明の出願人がラインに適用した結果、電力消費は同一のプラズマジェットを用いる既存の場合より、5−10%程度減らすことができ、溶融結合された返鉱塊の生産も既存の180Kg(生産単価は大体、18000ウォン)から220Kgまで増大させる一方、生産単価は、18000ウォンから13000ウォンにさらに落とすことができることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0123】
従って、今まで説明した本発明のプラズマトーチ装置1は、プラズマジェット(火炎)の長さと大きさ(直径)の調整を容易にし、冷却水とガス(媒質)通路を装置内部に一体化してコンパクトな装置を提供できる。
【0124】
さらに、電極部の磨耗を抑制し装置の寿命を向上させることを可能にする。
【0125】
また、このようなコンパクトなプラズマトーチ装置を用いて返鉱を処理する場合、装置の電力消費を最小化しながら返鉱処理の効率は向上させることを可能にするという利点を奏する。
【0126】
本発明は、今まで特性の実施例に関して図示し説明したが、上記の特許請求の範囲による本発明の思想や分野から外れない限度内で本発明が多様に改造及び変化されることができるということは当業界において通常の知識を有する者は容易に分かるということを明らかにする。
【符号の説明】
【0127】
1 プラズマトーチ装置
10 装置ボディ部
20 第1金属ボディ部
22 第1ボディ
24 ハウジング
26 第1ケーシング
30 絶縁ボディ部
32 第1絶縁ボディ
34 第2絶縁ボディ
40 第2金属ボディ部
42 第2ボディ
44 カソード電気印加片
50 電極部
52 カソード
54 アノード
60 ガス通路
70 冷却水通路
80 ガスツイスティング手段
90 磁石手段
110 ガス/冷却水の連結ブロック
120 支持ブロック
200a、200b 処理された返鉱
210、210a 返鉱移送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置ボディ部と、
前記装置ボディ部に備えられ、放電を通じプラズマを発生させる電極部と、
前記装置ボディ部に夫々備えられ、電極部側にガスを供給し、及び装置を冷却するためのボディ一体型ガス通路及び冷却水通路と、
を含んで構成されたプラズマトーチ装置。
【請求項2】
装置ボディ部と、
前記装置ボディ部に備えられ、放電を通じプラズマを発生させる電極部と、
前記電極部の周辺に夫々配置され、供給ガスをツイスティングさせて電極部の磨耗を防ぐように提供されたガスツイスティング手段と電子の流れを活性化させトーチ効率を向上させるように提供された磁石手段のうち、少なくともいずれか1つと、
を含んで構成されたプラズマトーチ装置。
【請求項3】
前記装置ボディ部に夫々備えられ、電極部側にガスを供給し、及び装置を冷却するためのボディ一体型ガス通路及び冷却水通路をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項4】
前記電極部は、前記装置ボディ部の内側に備えられるカソードと、
前記カソードの前方に、放電を発生するように間隔を置いて配置され内側にプラズマノズル部が形成されたアノードと、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載のプラズマトーチ装置。
【請求項5】
前記カソードのチップ部分は磨耗を防ぐようにタングステンで形成されるか、或いは表面処理され、
前記アノードのノズル部にはプラズマジェットの過流を誘導するように形成された段差がさらに含まれたことを特徴とする請求項4に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項6】
前記装置ボディ部は、前記電極部に備えられたアノードと電気的に通じる第1金属ボディ部と、
前記第1金属ボディ部と組み立てられる絶縁ボディ部と、
前記絶縁ボディ部に内在されて前記電極部に備えられたカソードと電気的に通じる第2金属ボディ部と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載のプラズマトーチ装置。
【請求項7】
前記第1金属ボディ部は、装置の外縁を形成する第1ボディと、
前記第1ボディの内側に組み立てられてアノードを支持しながら電気を印加するハウジングと、
前記第1ボディの一側に組み立てられてアノードを固定する第1ケーシングと、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項6に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項8】
前記絶縁ボディ部は、前記第1金属ボディ部の第1ボディとハウジングにわたってその内側に組み立てられる第1絶縁ボディと、
前記第1ボディと第1絶縁ボディの一側に固定して組み立てられる第2ケーシングである第2絶縁ボディと、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項6に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項9】
前記第2金属ボディ部は、前記絶縁ボディ部の第1及び第2絶縁ボディにわたってその内側に電極部に備えられたカソードに電気を印加するように組み立てられる第2ボディと、
前記第2ボディに組み立てられ前記カソードの内側に締結される電気印加片と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項6に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項10】
前記ボディ一体型ガス通路は、装置ボディ部を構成する第1金属ボディ部と、絶縁ボディ部及び第1金属ボディ部に内在されるガスツイスティング手段に備えられた冷却水通路と空間を含み、電極部のカソードとアノードの間にガスを供給するように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項11】
前記ガス通路は、前記金属ボディ部の第1ボディとハウジングに形成された第1及び第2ガス通路と、
前記絶縁ボディ部の第1絶縁ボディと前記ハウジングの間に形成された空間と、
前記第1絶縁ボディとハウジングの間に配置されるガスツイスティング手段に備えられた第3ガス通路と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項10に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項12】
前記第1ボディの第1ガス通路と連結されて前記第1ボディに固定される連結ブロックには、ガス供給用連結口が締結され、ガスは第1ガス通路に流入され、かつ第2及び第3ガス通路と空間を経て電極部のカソードとアノードの間に供給されることを特徴とする請求項11に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項13】
前記ガスツイスティング手段は、装置ボディ部を構成する第1金属ボディ部のハウジングと絶縁ボディ部の第1絶縁ボディの間にカソードの外縁に環形態で組み立てられ、胴体を傾いて貫通する複数のガス通路を備えることを特徴とする請求項2に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項14】
前記磁石手段は、前記装置ボディ部を構成する第1金属ボディ部のハウジングと電極部のアノードの間に組み立てられて配置され、電子の流れを磁力で活性化させることによりトーチ効率を向上させるように提供されたことを特徴とする請求項2に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項15】
前記磁石手段は、中央のメイン磁石環と、その両側に組み立てられてハウジングとアノードに支持される外縁環を含んで構成されたことを特徴とする請求項14に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項16】
前記ボディ一体型冷却水通路は、装置ボディ部を構成する第1金属ボディ部と、絶縁ボディ部及び第2金属ボディ部に備えられた通路と空間とを含み、一つの経路で構成されたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項17】
前記冷却水通路は、前記第1金属ボディ部の第1ボディとハウジングに形成された第1及び第2冷却水通路と、
前記絶縁ボディ部の第1絶縁ボディに形成された第3冷却水通路と、
前記第2金属ボディ部の第2ボディに形成された第4冷却水通路と、
前記第2ボディとカソードの間に形成される空間と、
前記第2ボディの内側に締結されるカソードの電気印加片に形成された第5冷却水通路と、
前記第2ボディの内部に形成された第6冷却水通路と、
を含み、装置を全体的に均一に冷却するように構成されたことを特徴とする請求項16に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項18】
前記第2ボディの第6冷却水通路には、冷却水供給用連結口が締結され、前記第1ボディの第1冷却水通路と連結される連結ブロックには、冷却水排出用連結口が締結され、冷却水は第6冷却水通路に流入されて通路と空間を経て第1冷却水通路から排出されることを特徴とする請求項17に記載のプラズマトーチ装置。
【請求項19】
プラズマを用いた返鉱処理方法において、
プラズマを発生させるプラズマトーチ装置に供給されるガス流量とトーチ装置に備えられた電極部アノードのプラズマ放出ノズル部の内径を調整してプラズマジェットの長さと大きさを異なるように構成した2つ以上のプラズマトーチ装置を用いて返鉱を処理することを特徴とするプラズマを用いた返鉱処理方法。
【請求項20】
移送される返鉱の上部に、プラズマジェットの長さは縮小されるが直径は拡大された第1のプラズマジェットを有する第1列のプラズマトーチ装置を配置し、その後方には、前記第1のプラズマジェットの長さよりは拡大されるが直径は縮小される第2のプラズマジェットを発生させる第2列のプラズマトーチ装置を、前記第1列のプラズマトーチ装置の間に位置するように配置して返鉱処理面積を増大させることを特徴とする請求項19に記載のプラズマを用いた返鉱処理方法。
【請求項21】
前記プラズマトーチ装置は、請求項4に記載のプラズマトーチ装置を用いることを特徴とする請求項20に記載のプラズマを用いた返鉱処理方法。
【請求項22】
前記プラズマトーチ装置は、請求項6に記載のプラズマトーチ装置を用いることを特徴とする請求項20に記載の返鉱処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−222502(P2011−222502A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69723(P2011−69723)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【分割の表示】特願2008−237996(P2008−237996)の分割
【原出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(592000691)ポスコ (130)
【Fターム(参考)】