説明

プラズマトーチ

【課題】超高真空環境下でもアウトガスを発生させず、移行および非移行型の兼用可能なプラズマトーチを提供する。
【解決手段】略円筒形の導電性のアノード10と、アノード10の内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管20と、アノード10に接しないように、絶縁管20の内側に挿入された棒状のカソード30とを有し、アノード10とカソード30にそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する構成のプラズマトーチとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマトーチに関し、特に超高真空チャンバー中で使用可能なプラズマトーチに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ熱源によれば、例えば5000〜30000℃の高温や100kW/cm2程度の高エネルギー密度が容易に得られ、これを利用した加熱では、加熱雰囲気や加熱状態の制御を容易に行うことができる。このため、材料の加熱蒸発、金属の還元や精錬などの冶金、溶接や切断などの材料加工、また石炭のアセチレン化やガス分解炉などの化学工業分野、あるいはその他の幅広い分野で活用されている。
【0003】
プラズマトーチは、大きく移行型と非移行型に分類できる。
図3(A)および(B)は、それぞれ従来例に係る移行型(transfer type)と非移行型(non−transfer type)のプラズマトーチの模式構成図である。
図3(A)に示すように、移行型のプラズマトーチは、略円筒形のプラズマチップ1の内側の中心部に、陰極となる棒状の内部電極3が挿入されて組み立てられている。被加熱物Sに正電圧、内部電極3に負電圧を印加することにより、被加熱物Sと内部電極3との間で放電してプラズマを発生させる。このときのプラズマにより被加熱物Sに電流を流して加熱する。
【0004】
一方、図3(B)に示すように、非移行型のプラズマトーチは、略円筒形のプラズマチップ1の内側の中心部に内部電極3が挿入されて、移行型と同様の構造となっているが、さらにプラズマガスGがプラズマチップ1と内部電極3の間から供給され、プラズマトーチ1に正電圧、内部電極3に負電圧を印加することにより、プラズマチップ1と内部電極3との間で放電してプラズマを発生させる。得られたプラズマガスを媒体として被加熱物Sを加熱する。
【0005】
移行型のプラズマトーチは、被加熱物に電流が流れてジュール熱を発生させるので、エネルギー効率が高いという利点があるが、プラズマを発生させ、被加熱物が溶けて導電性を持つまでプラズマを保持するための電極が必要であり、絶縁物を加熱、溶解するのに適していない。
一方、非移行型のプラズマトーチは、被加熱物に電流は流れないので、被加熱物の材質に影響されずにプラズマを発生させることができ、プラズマの始動性および安定性が高いという利点がある。
【0006】
ところで、非移行型のプラズマトーチはトーチ内に陽極(プラズマチップ)と陰極(内部電極)の2つの電極を有しており、これらは互いに絶縁される必要がある。このため、従来の非移行型プラズマトーチでは、上記の両電極間の絶縁を確保するためにベークライトなどの高分子系絶縁材料を用いている。
上記の高分子系絶縁材料およびその他のトーチ構成材料のために、従来の非移行型のプラズマトーチを超高真空環境で使用するとアウトガスが発生してしまう。
例えば超音速フリージェットPVD(物理蒸着)装置において、プラズマトーチで生成したプラズマにより蒸発源からナノ粒子を生成するような場合、得られたナノ粒子をアウトガスで汚染してしまうことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、従来の非移行型のプラズマトーチは、超高真空環境ではアウトガスを発生させるなどの問題を引き起こしてしまう点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプラズマトーチは、略円筒形の導電性のアノードと、前記アノードの内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管と、前記アノードに接しないように、前記絶縁管の内側に挿入された棒状のカソードとを有し、前記アノードと前記カソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する。
【0009】
上記の本発明のプラズマトーチは、アノードの内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管と、アノードに接しないように、絶縁管の内側に挿入された棒状のカソードとを有する。アノードとカソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する。
【0010】
上記の本発明のプラズマトーチは、好適には、前記カソードの先端近傍で、前記アノードと前記カソードの間に、前記アノードと前記カソードの相対位置を位置決めし、前記カソードに対して供給されるプラズマガスを均等に行き渡らせるセラミクスのプラズマガスディストリビュータが設けられている。
【0011】
上記の本発明のプラズマトーチは、好適には、前記カソードは、内部構造として、中心に配置された第1中空部と、前記第1中空部の外周に配置された第2中空部と、前記第2中空部の外周に配置された第3中空部とを有する3層構造となっている。
さらに好適には、前記カソードの前記第1中空部がプラズマガス供給管である。
さらに好適には、前記カソードの前記第2中空部が冷却媒の導入管であり、前記カソードの前記第3中空部が前記冷却媒の導出管である。
【0012】
上記の本発明のプラズマトーチは、好適には、前記アノードが冷却管を内蔵している。
【0013】
上記の本発明のプラズマトーチは、好適には、真空シールとしてVCR継ぎ手および/またはICFフランジが用いられている。
【0014】
上記の本発明のプラズマトーチは、好適には、前記アノードと前記カソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する方式と、加熱対象である被加熱物と前記カソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する方式とで切り替えまたは併用可能である。
【0015】
また、本発明のプラズマトーチは、略円筒形の導電性のアノードと、前記アノードの内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管と、前記アノードに接しないように、前記絶縁管の内側に挿入された棒状のカソードと、前記アノードの外周部に配置された保持管とを有し、前記保持管は、前記カソードに電気的に接続して前記カソードを機械的に保持する第1保持部材と、前記アノードに電気的に接続して前記カソードを機械的に保持する第2保持部材と、前記第1保持部材および前記第2保持部材を介して前記アノードおよび前記カソードを機械的に保持する第3保持部材とを有し、少なくとも前記第1保持部材と前記第2保持部材の間および前記第2保持部材と前記第3保持部材の間がセラミクスの絶縁部材に溶接によって接合され、前記第1保持部材、前記第2保持部材および前記第3保持部材が互いに絶縁しながら一体化されており、前記アノード、前記カソードおよび前記保持管の真空シールとしてVCR継ぎ手および/またはICFフランジが用いられており、前記プラズマチップと前記内部電極にそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する。
【0016】
上記の本発明のプラズマトーチは、アノードの内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管と、アノードに接しないように、絶縁管の内側に挿入された棒状のカソードと、アノードの外周部に配置された保持管とを有する。
保持管は、カソードに電気的に接続してカソードを機械的に保持する第1保持部材と、アノードに電気的に接続してカソードを機械的に保持する第2保持部材と、第1保持部材および第2保持部材を介してアノードおよびカソードを機械的に保持する第3保持部材とを有し、少なくとも第1保持部材と第2保持部材の間および第2保持部材と第3保持部材の間がセラミクスの絶縁部材に溶接によって接合され、第1保持部材、第2保持部材および第3保持部材が互いに絶縁しながら一体化されている。
また、アノード、カソードおよび保持管の真空シールとしてVCR継ぎ手および/またはICFフランジが用いられている。
上記の構成において、アノードとカソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のプラズマトーチは、アノードとカソードとを絶縁するために石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管を用いており、高分子系絶縁材料を用いていないので超高真空環境でもアウトガスを発生させずに使用することができる。
また、本発明のプラズマトーチは、アノードの外周にプラズマトーチ全体を保持し、アノードおよびカソードに所定の電位を印加する保持管を有することで、アウトガスを発生させないようにして超高真空環境に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明に係るプラズマトーチの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本実施形態に係るプラズマトーチの一部断面構造を示す模式構成図である。また、図2は図1中のA部の拡大図である。
本実施形態に係るプラズマトーチは、略円筒形の導電性のアノード10と、アノードの内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管20と、アノード10に接しないように絶縁管20の内側に挿入された棒状のカソード30とを有する。
【0020】
アノード10は、略円筒形状のアノード第1部材10aと、アノード第1部材10aの先端に設けられたアノード第2部材10bとが銅製のシール剤10cを介して接続されて組み立てられている。アノード第1部材10aおよびアノード第2部材10bは、例えば、ステンレス、銅、タングステンなどの金属材料から構成されている。
【0021】
アノード第1部材10aは、肉厚の略円筒形状であって部分的に中空構造となっており、冷却水導入口11aと冷却水導出口11bに接続されている水冷系統11が内部に埋め込まれて、冷却水11fにより冷却されている。
冷却系統11により、プラズマ生成で加熱されてしまうアノード10を効率的に冷却することができる。
【0022】
アノード第2部材10bは、略円筒形状のアノード第1部材10aの一端部に蓋をするように設けられており、その中心部に開口部10hを有する。アノード第2部材10bの内径は、例えば、アノード第1部材10aの内径から数段階で徐々に狭められている構造となっており、アノード第2部材10bの外径は、例えば、アノード第1部材10aの外径からなめらかに先端程狭められているテーパー状となっている。
このようにして、カソード30の先端近傍で、アノード10の径が狭められた形状となっている。
【0023】
絶縁管20は、石英あるいはマシナブルセラミクスからなり、超高真空環境下においてもアウトガスを実質的に出さない材料からなる。石英あるいはマシナブルセラミクスは、アウトガスを実質的に出さない材料からなり、本実施形態に用いるために管状の形状とするのに相対的に安価に用意することができる。特に石英管は様々なサイズのものが市販されており、容易に所望のサイズの絶縁管を容易することができる。
【0024】
上記のマシナブルセラミクスとは、機械的加工が容易なセラミクスであり、内部にマイカなどの層状構造物を含有するものと、微細なクラックが多数構造的に含まれているものに大別される。前者としては、例えばKMg3AlSi3102のフッ素金雲母などのマイカ結晶化ガラスがあり、また、後者としては、チタン酸アルミニウムなどがある。
【0025】
絶縁管20の外径は、アノード第1部材10aおよびアノード第2部材10bなどからなるアノード10の内径に適合するサイズとなっており、アノード第1部材10aを貫通して、アノード第2部材10bの内側の階段状の構造で係止されるようにアノード10の内側に挿入されている。
【0026】
カソード30は、先端部に設けられたカソード第1部材30aとカソード第1部材30aを支持するカソード第2部材30bが接続されて組み立てられている。カソード第1部材30aおよびカソード第2部材30bは、例えば、ステンレス、銅、タングステンなどの金属材料から構成されている。
【0027】
カソード第1部材30aは、根本をカソード第2部材30bに支持されるとともに、先端近傍をガストリビュータ21に係止するように保持されている。ガストリビュータ21は、アノード第2部材10bの内側の階段状の構造で係止されるように絶縁管20の先端に嵌め込まれて設けられている。
上記のガストリビュータ21は、例えばセラミックなどの非高分子系絶縁材料からなり、超高真空環境下においてもアウトガスを実質的に出さない材料からなり、カソードの先端近傍で、アノードとカソードの間に、アノードとカソードの相対位置を位置決めし、アノードとカソードが接しないようにして両者の短絡を防止するように設けられている。また、ガストリビュータ21には微細な開口部が設けられていて、カソードに対して供給されるプラズマガスを均等に行き渡らせることができる。
【0028】
カソード第2部材30bは、内部構造として、中心に配置された第1中空部31と、第1中空部の外周に配置された第2中空部32aと、第2中空部32aの外周に配置された第3中空部32bとを有する3層構造となっている
ここで、カソード第2部材30b内の第1中空部31がプラズマガス供給管である。ここから、上記のガストリビュータ21を介してアノード10およびカソード30の先端部分にプラズマガス31fを供給することができる。
【0029】
また、カソード第2部材30b内の第2中空部32aが冷却媒である冷却水32fの導入管であり、第3中空部32bが冷却水の導出管である。
第2中空部32aおよび第3中空部32bからなる冷却系統32というアノード10の冷却系統11と分離された冷却系統を有することで、熱伝導性の高くない絶縁管20に内側に挿入されたカソード30を効率的に冷却することができる。
【0030】
また、本実施形態のプラズマトーチにおいては、アノード10の外周部に保持管40が配置されている。
保持管40は、カソード30に電気的に接続してカソードを機械的に保持する第1保持部材41と、アノード10に電気的に接続してカソードを機械的に保持する第2保持部材42と、第1保持部材41および第2保持部材42を介してアノード10およびカソード30を機械的に保持する第3保持部材43とを有し、少なくとも第1保持部材41と第2保持部材42の間および第2保持部材42と第3保持部材43の間がセラミクスの絶縁部材(44,45)に溶接によって接合され、第1保持部材41、第2保持部材42および第3保持部材43が互いに絶縁しながら一体化されている。
【0031】
上記のように、本実施形態にプラズマトーチは、アノードおよびカソードはステンレスなどの金属材料からなり、それらを絶縁管によって絶縁している構造となっている。
さらに、本実施形態にプラズマトーチは、真空シールとしてVCR継ぎ手および/またはICFフランジが用いられている。
【0032】
アノード10およびカソード30の先端部分において、アノード第2部材10bの内壁とカソード第1部材30aの先端とが所定の距離で離間しており、この領域にプラズマガス31fを供給し、さらにアノードとカソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加することにより、アノードとカソード間の放電によってプラズマを発生させる。即ち、いわゆる非移行型のプラズマトーチとなっている。
得られたプラズマは、アノード先端の開口部10hからプラズマトーチの外部に供給することができる。
【0033】
上記のように、本実施形態に係るプラズマトーチは、従来のプラズマトーチのようにこれらを絶縁するためにベークライトなどの高分子系絶縁材料を用いていないので、超高真空環境で使用しても実質的にアウトガスを発生させることがない。
また、アノードの外周にプラズマトーチ全体を保持し、アノードおよびカソードに所定の電位を印加する保持管を有することで、アウトガスを発生させないようにして超高真空環境に対応することができる。
従って、例えば超音速フリージェットPVD装置において、プラズマトーチで生成したプラズマにより蒸発源からナノ粒子を生成する場合、本実施形態に係るプラズマトーチを用いることにより、アウトガスで汚染しないでナノ粒子を生成することができる。このように、本実施形態にプラズマトーチを超高真空環境下あるいはガス置換雰囲気下で使用することで、加熱対象物に不純物が混入することを防止できる。
また、本実施形態に係るプラズマトーチは、10-10torr程度の超高真空環境から大気圧下まで、幅広い雰囲気圧力で使用することができる。
【0034】
また、本実施形態に係るプラズマトーチは、CVD(化学蒸着)装置や廃棄物処理装置などの加熱蒸発により発生する有毒ガスなどのガスの装置外への微量な漏れも許容されない条件での加熱に応用することができる。
【0035】
本実施形態にプラズマトーチは、例えば、アノードとカソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する非移行型と、加熱対象である被加熱物とカソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する移行型とで、切り替えを行い、あるいは、2つの型を併用して、動作させることができるようになっている。
これらを切り替え、あるいは併用することで、移行型のエネルギー効率が高いという長所と、非移行型の非加熱物の材質に係わらず使用でき、プラズマの始動性や安定性が高く、制御性がよいという長所を享受でき、より効率的に加熱対象を加熱することができる。移行型と非移行型のいずれにおいても、超高真空環境下の使用で実質的にアウトガスを発生させることがない。
【0036】
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、上記の実施形態においては、アノードの外周に配置される保持管として第1〜第3保持部材が絶縁部材を介して互いに絶縁しながら一体化された構成しているが、これに限らず、アノードおよびカソードに所定の電位を印加可能とし、冷却系統やガス供給系統を実現しながら、高分子系絶縁材量を用いることなく、アノードおよびカソードを超高真空環境下に対応可能とする構成となっていればよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のプラズマトーチは、高真空環境あるいは閉鎖性が高くてガスの漏れの少ない環境で使用する加熱源に適用でき、例えば超音速フリージェットPVD装置において蒸発源からナノ粒子を生成するためのプラズマトーチに適用できる。
さらに、その他の各種のPVD装置、CVD装置、減圧溶射装置などにおける加熱手段などとして適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は本発明の実施形態に係るプラズマトーチの一部断面構造を示す模式構成図である。
【図2】図2は図1中のA部の拡大図である。
【図3】図3(A)および(B)は、それぞれ従来例に係る移行型と非移行型のプラズマトーチの模式構成図である。
【符号の説明】
【0039】
10…アノード
10a…アノード第1部材
10b…アノード第2部材
10c…シール剤
10h…開口部
11…冷却系統
11a…冷却水導入口
11b…冷却水導出口
11f…冷却水
20…絶縁管
21…ガストリビュータ
30…カソード
31…第1中空部
31f…プラズマガス
32…冷却系統
32a…第2中空部
32b…第3中空部
32f…冷却水
40…保持管
41…第1保持部材
42…第2保持部材
43…第3保持部材
44,45…絶縁部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒形の導電性のアノードと、
前記アノードの内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管と、
前記アノードに接しないように、前記絶縁管の内側に挿入された棒状のカソードと
を有し、
前記アノードと前記カソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する
プラズマトーチ。
【請求項2】
前記カソードの先端近傍で、前記アノードと前記カソードの間に、前記アノードと前記カソードの相対位置を位置決めし、前記カソードに対して供給されるプラズマガスを均等に行き渡らせるセラミクスのプラズマガスディストリビュータが設けられている
請求項1に記載のプラズマトーチ。
【請求項3】
前記カソードは、内部構造として、中心に配置された第1中空部と、前記第1中空部の外周に配置された第2中空部と、前記第2中空部の外周に配置された第3中空部とを有する3層構造となっている
請求項1に記載のプラズマトーチ。
【請求項4】
前記カソードの前記第1中空部がプラズマガス供給管である
請求項3に記載のプラズマトーチ。
【請求項5】
前記カソードの前記第2中空部が冷却媒の導入管であり、
前記カソードの前記第3中空部が前記冷却媒の導出管である
請求項3に記載のプラズマトーチ。
【請求項6】
前記アノードが冷却管を内蔵している
請求項1に記載のプラズマトーチ。
【請求項7】
真空シールとしてVCR継ぎ手および/またはICFフランジが用いられている
請求項1に記載のプラズマトーチ。
【請求項8】
前記アノードと前記カソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する方式と、加熱対象である被加熱物と前記カソードにそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する方式とで切り替えまたは併用可能である
請求項1に記載のプラズマトーチ。
【請求項9】
略円筒形の導電性のアノードと、
前記アノードの内側に挿入された石英あるいはマシナブルセラミクスからなる絶縁管と、
前記アノードに接しないように、前記絶縁管の内側に挿入された棒状のカソードと、
前記アノードの外周部に配置された保持管と
を有し、
前記保持管は、前記カソードに電気的に接続して前記カソードを機械的に保持する第1保持部材と、前記アノードに電気的に接続して前記カソードを機械的に保持する第2保持部材と、前記第1保持部材および前記第2保持部材を介して前記アノードおよび前記カソードを機械的に保持する第3保持部材とを有し、少なくとも前記第1保持部材と前記第2保持部材の間および前記第2保持部材と前記第3保持部材の間がセラミクスの絶縁部材に溶接によって接合され、前記第1保持部材、前記第2保持部材および前記第3保持部材が互いに絶縁しながら一体化されており、
前記アノード、前記カソードおよび前記保持管の真空シールとしてVCR継ぎ手および/またはICFフランジが用いられており、
前記プラズマチップと前記内部電極にそれぞれ正電圧と負電圧を印加してプラズマを形成する
プラズマトーチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−100078(P2006−100078A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283819(P2004−283819)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(800000080)タマティーエルオー株式会社 (255)
【Fターム(参考)】