説明

プラズマボンディングのための方法及びプラズマボンディングによって形成される接着構造物

電子デバイスは、第1の表面及び第2の表面を含む基板(110)と、第1の表面及び第2の表面を含む基板キャリア(105)と、基板(110)の第2の表面及び基板キャリア(105)の第2の表面を接着する無機材料(120)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマボンディングのための方法及びプラズマボンディングによって形成される接着構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
電子デバイスの市場では、低コストでより高い性能が絶えず求められている。これらの要件を満たすため、種々の電子デバイスを構成する部品は、より効率的に、且つより厳密な寸法公差で製造される必要がある。
【0003】
ある特定の電子デバイスでは、シリコン基板が別の基板又は基板キャリアに接着又は他の方法で結合され、完成品のデバイスが形成される。そのような事例では、電子デバイスは、過酷な条件及び腐食性物質に晒されることも多い。既知のデバイスでは、基板が、有機系、多くの場合にポリマー系の接着剤又は粘着剤を用いることによって基板キャリアに接着される。しかしながら、溶媒が存在し、それに接着剤が晒される等の環境条件に起因して、時間の経過とともに、その接着は部分的に損傷を受けるか、又は完全に破壊されることがある。さらには、この結果として、影響を受けやすい電子部品が環境に晒されることがある。その際、これらの部品が損傷を受けることになり、そのデバイスは機能しなくなることがある。
【0004】
基板がキャリアに接着される1つの応用形態は、インクジェットプリントヘッドのような流体吐出デバイスである。これらのデバイスでは、多くの場合、複数の流体吐出素子を含む基板が基板キャリアに接着される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、プラズマボンディングによって形成される接着構造物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の表面及び第2の表面を含む基板と、第1の表面及び第2の表面を含む基板キャリアと、前記基板の前記第2の表面及び前記基板キャリアの前記第2の表面を接着する無機材料とを備える、電子デバイスを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[図面の詳細な説明]
本明細書において、特定のフィーチャサイズ、形状及び配列の例が示される。しかしながら、本明細書において記述される本発明の方法及び装置を用いて、任意のタイプのフィーチャサイズ及び幾何学的形状を製造してもよい。
【0008】
図1を参照すると、電子デバイスの一実施形態の断面図が示される。電子デバイス100は、基板105と、基板に接着されるいくつかの他の基板110及び115とを備える。無機材料120の層が基板105の表面上に形成され、その後、基板105と無機材料との組み合わせが、基板110及び115と共にプラズマ処理にかけられる。プラズマ処理後に、基板110及び115が無機層120に接着され、それにより、基板110と無機材料120との間、及び無機材料120と基板105との間に共有結合が形成され、同様に基板115と無機材料120との間、及び無機材料120と基板105との間に共有結合が形成される。
【0009】
一実施形態では、保護材料130を、基板105に接着される基板110及び115の表面のうちの1つ又は複数の表面上に形成することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、プラズマボンディングを用いることによって、基板が、頑強なシロキサン共有結合で、原子レベルにおいて直に接合される。そのような実施形態では、基板105に用いられる材料に関係なく、無機材料120を利用することによって、そのような共有結合を形成できるようになる。無機材料が基板105の表面の全体に被着される必要はないことに留意されたい。無機材料120は、デバイスが形成され得るエリアに無機材料120が被着されないようにしながら、十分な接着強度が与えられるように、任意の幾何学的なパターンにおいて、たとえば基板105の周辺部に沿って形成することができる。
【0011】
基板105の接点と基板110及び115の接点(図示せず)との間に導電性経路を設けるために、接点125が無機材料120の中に形成されるか、又は別の方法で設けられる。接点125は一般的に、基板105及び無機材料120のプラズマ処理の前に形成される。別法では、基板110及び115のエリアに電気的に接続されることになる基板105のエリアは、電子材料を被着されないこともある。
【0012】
無機材料120は、プラズマ処理された後に、界面化学種の密度を高め、基板105と基板110及び115との間の接着を促進する任意の無機材料であり得る。いくつかの実施形態では、無機材料120は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化物、サファイア、インジウムリン、又はガラスフリット材料を用いることができる。
【0013】
基板105を形成するための材料(複数可)は、たとえば、製造される電子デバイスのタイプ、及びその電子デバイスが動作することになる環境を含む、種々の要因によって決まり得る。基板105は、セラミック、ガラス、半導体、金属、金属コーティングされた構造体、ポリマー、及びそれらの組み合わせ等であり得る。金属及び金属コーティングは、たとえば、アルミニウム、クロム、銅、金、鉛、ニッケル、プラチナ、はんだ、ステンレス鋼、スズ、チタン、それらの合金、それらの組み合わせ等を含んでもよい。セラミックは、たとえば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、それらの組み合わせ等を含んでもよく、別法では、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化シリコン、酸窒化シリコン、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0014】
電子デバイス100は、半導体デバイス、又は集積回路のような類似のデバイスが、チップキャリアのような基板に取り付けられる、任意の電子デバイスパッケージであり得る。電子デバイス100は、シングルチップモジュール、マルチチップモジュール、スタックチップモジュール又は別のデバイスの一部であってもよい。電子デバイスは、光電気、フォトニック、流体吐出、微小電気機械又は標準的な集積回路の用途において用いることができる。
【0015】
図2を参照すると、基板キャリアと接着されるプリントヘッドの一実施形態の断面図が示される。流体吐出デバイス200は、基板キャリア205及びプリントヘッド220を備える。基板キャリア205は、第1の表面210及び第2の表面215を備える。基板キャリア205内に形成される複数のインク供給経路245が、プリントヘッド220の中及び/又は上に形成されるインク供給スロット240に流体連通する。
【0016】
基板キャリア205の第2の表面215は、その上に配置される無機材料250を備える。無機材料250は、プラズマ処理後に、第1の表面230の反対側にある、プリントヘッド220の第2の表面225と結合される。
【0017】
図2では、プリントヘッド220の正面すなわち第1の側(又は表面)230上に、薄膜層(又は活性層、薄膜スタック、導電層又は微小電子部品を有する層)235を形成、たとえば堆積するか、又は成長させる。プリントヘッド220の第1の側230は、プリントヘッド220の第2の側(又は表面)225の反対側にある。薄膜層235は、プリントヘッド220上に形成される少なくとも1つの層を含み、ある特定の実施形態では、プリントヘッド220の第1の側230の少なくとも一部をマスクする。それとは別に、又はそれに加えて、薄膜層235のうちの1つ又は複数が、プリントヘッド220の第1の表面230の少なくとも一部を電気的に絶縁する。
【0018】
基板キャリア205は、セラミック、金属、金属コーティングされた構造体、ポリマー及びそれらの組み合わせ等であり得る。金属及び金属コーティングは、たとえば、アルミニウム、クロム、銅、金、鉛、ニッケル、プラチナ、はんだ、ステンレス鋼、スズ、チタン、それらの合金、それらの組み合わせ等を含んでもよい。セラミックは、たとえば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、それらの組み合わせ等を含んでもよく、別法では、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化シリコン、酸窒化シリコン及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0019】
一実施形態では、プリントヘッド220はシリコンである。種々の実施形態において、プリントヘッドは、以下の単結晶シリコン、多結晶シリコン、ガリウムヒ素、ガラス、シリカ、セラミック又は半導体材料のうちの1つであってもよい。用いることができる基板材料として列挙される種々の材料は必ずしも入れ替えることができるわけではなく、それらが用いられることになる用途に応じて選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、無機材料250は存在する必要はなく、基板キャリア205の第2の表面215をプリントヘッド220の第2の表面225と直に結合することができる。そのような実施形態では、基板キャリア205及びプリントヘッド220はいずれも半導体材料を含むことができる。
【0021】
図3A〜図3Eを参照すると、一実施形態による流体吐出デバイスを形成するための工程の複数のステップの断面図が示される。基板キャリア又は他の基板構造300が、第1の表面305と、第1の表面305の概ね反対側にある第2の表面310とを含む(図3A)。
【0022】
無機材料315が第2の表面32に被着される(図3B)。無機材料315は、いくつかの実施形態では、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、たとえばプラズマCVD,低温CVD、低圧CVD、又は電子ビーム堆積によって被着させることができる。
【0023】
堆積後に、無機材料315は平坦化され、1つ又は複数の接点320及び325がその中に形成され、基板構造300の第1の表面305の上又は中に形成される電気的接点と接触できるようにする。平坦化は、たとえば、知られているような化学機械研磨によって実行することができる。いくつかの実施形態では、化学機械研磨の結果として、無機材料315の表面330は、表面300のどの4平方ミクロンの面積をとっても、変動が2乗平均平方根値で2ナノメール以下である粗さを有することができる。
【0024】
平坦化後に、基板300上の無機材料315は、プラズマ処理工程を用いることによって処理される。一実施形態では、プラズマ処理工程は、誘導型プラズマチャンバを利用することを含み、基板構造が約120ワットにバイアスをかけられ、同時に、約500ワットの電力で、上流にある誘導性コイルによって高密度のプラズマが生成される。他の実施形態では、限定はしないが、コロナ放電処理、誘電体バリア放電処理及びグロー放電処理を含む、種々のタイプのプラズマ処理工程を用いることができる。グロー放電処理は、低気圧グロー放電又は大気圧グロー放電から選択されるプラズマを用いて実行することができる。いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、適当な大気圧プラズマ装置を用いる連続した工程において大気圧で実行することができる。他のプラズマ処理工程を用いることもできる。
【0025】
プラズマ処理のための厳密な条件は、材料の選択、プラズマ処理と接着との間の保管時間、用いられるプラズマ処理のタイプ及び方法、用いられるプラズマチャンバの設計等を含む種々の要因によって変わるであろう。しかしながら、いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、概ね大気圧までの圧力において実行することができる。
【0026】
一実施形態では、プラズマ処理は約100秒間続く。他の実施形態では、プラズマ処理の長さは、処理されるべき材料、選択される接触条件、プラズマ処理のモード(たとえば、バッチ、連続)及びプラズマ装置の設計を含む種々の要因によって決まる。プラズマ処理は、処理されるべき材料の表面を、高い密度の共有結合を形成するほど十分に反応させるだけの十分な時間にわたって実行される。
【0027】
一実施形態では、プラズマ処理中に利用される気体として、窒素、酸素、アルゴン又はそれらの組み合わせを用いることができる。他の実施形態では、プラズマ処理において用いられる気体は、空気、アンモニア、二酸化炭素、一酸化炭素、ヘリウム、水素、亜酸化窒素、オゾン、水蒸気、それらの組み合わせ等であり得る。さらに、用いられる気体は、空気、二酸化炭素、一酸化炭素、ヘリウム、窒素、亜酸化窒素、オゾン、水蒸気及びそれらの組み合わせから選択することができる。別法では、その気体は、空気、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、窒素、オゾン及びそれらの組み合わせから選択することができる。別法では、その工程においてかけられる圧力においてその気体の標準状態にあるか、又はそうでない場合には液体状態から適当なデバイスで気化された状態にある、ヘキサメチルジシロキサン、シクロポリジメチルシロキサン、シクロポリハイドロゲンメチルシロキサン(cyclopolyhydrogenmethylsiloxanes)、シクロポリハイドロゲンメチル−co−ジメチルシロキサン(cyclopolyhydrogenmethyl-co-dimethylsilo-xanes)、反応性シラン、それらの組み合わせ等の他のより反応性の高い有機気体又は蒸気を用いることができる。
【0028】
プラズマ処理後に、基板を洗浄するためのプラズマ処理及び接着のための親水化処理にかけられた1つ又は複数の表面に湿式処理が施される。いくつかの実施形態では、湿式処理は脱イオン水を含む液体を利用することができる。他の実施形態では、利用される液体はSC1を含むことができ、それは構造(25HO:2H:1NHOH)を有することができる。その表面はSC1流体に40秒間晒され、脱イオン水で洗浄され、その後、空気又は窒素内で乾かされる。SC1が利用されるとき、SC1は、表面を親水性にし、終端された−OH基を生成する。湿式処理を利用することによって、2つの親水性表面が室温で接触するとき、それらの基板が自然に水素結合を形成するという利点をもたらす。
【0029】
1つ又は複数の基板335及び340が設けられる(図3D)。基板335及び340は、それぞれの第1の表面350及び365上に形成される1つ又は複数の構造355及び370を備えることができる。これらの構造355及び370は、センサ、光学的構造、電気的構造又は電気機械的構造、あるいは所望のように種々の機能を実行する回路を含むことができる。その後、基板335及び340のそれぞれの第2の表面345及び360が、無機材料315及び基板構造300のために利用されるのと同様のプラズマ処理工程にかけられる。
【0030】
その後、基板335及び340は、基板300上の無機材料315と結合される。結合は、知られているようなピックアンドプレースツールを用いて、適当な位置合わせが達成されるように、基板335及び340と基板構造300とを位置決めすることができる。たとえば、基板335及び340内の接点又は流路が、無機材料315及び基板構造300内の対応する構造と適当に位置合わせされる。
【0031】
いくつかの実施形態では、基板335及び340と無機材料315及び基板構造300との結合は、無機材料315及び基板構造300上で湿式処理した直後に行うことができる。他の実施形態では、結合は、流体で処理してから概ね24時間以内に行うことができる。
【0032】
結合した後に、結合された構造がアニールされる。アニーリングは、概ね摂氏110度よりも高い温度において行うことができる。他の実施形態では、アニーリング温度は摂氏約200度であってもよい。いくつかの実施形態では、アニーリングによって、結合界面を通してウェーハから拡散するか、又は自然酸化物を通して拡散して、シリコン基板と反応することによって、水分子が、無機材料315と基板335及び340の第2の表面345及び360との間の界面から離れ始めることができるものと考えられる。そのような実施形態では、水分子が除去されるのに応じて、より強いシロキサン結合が形成され始める。たとえば、以下の化学式が成り立つ。
Si−OH HO−Si⇒Si−O−Si+(H2O)
【0033】
特定の実施形態、たとえばMEMSの応用形態では、アニーリング温度を摂氏約400度未満に維持し、パッケージ内に残留内部応力が発生するのを防ぐか、又はCMOSデバイスの劣化を避けることができるようにすることが望ましいことがある。
【0034】
図3A〜図3Eに関する記述は、プラズマ処理後の湿式処理を説明するが、そのような処置は利用しなくてもよい。他の実施形態では、湿式処理を用いることなく、基板335及び340並びに基板構造300をプラズマ処理及び接着して、それらを直に結合することもできる。代替的な実施形態では、プラズマ処理中に、又はプラズマ処理後に、その表面を加湿源に晒すことによって水和させることもできる。この手法は、パッケージに湿気を全く取り込まないので、特定のタイプのMEMSパッケージングのために好都合である場合がある。
【0035】
図3A〜図3Eに関して記述される手法は、頑強なシロキサン共有結合で原子レベルにおいて直に2つの基板を接合するような接着を可能にするものと考えられる。
【0036】
図4A〜図4Hを参照すると、一実施形態による流体吐出デバイスの部分を形成するための工程の複数のステップの断面図が示される。基板400が、第1の表面410上に形成される複数の薄膜層415を含む。薄膜層415内に多数のチャンバ430が形成される。チャンバ430は、薄膜層415に与えられる信号に基づいて吐出されることになる、ある量の流体を含む。基板400の処理中に薄膜層415を保護するため、薄膜層415上に保護層420が形成される。
【0037】
背面425の処理にかけられない部分を保護するため、基板400の第2の表面425上にも保護層435が設けられる。特定の実施形態では、第2の表面425は、保護層435を被着させる前に、たとえば、化学機械研磨工程によって平坦化される。他の実施形態では、基板400は、処理する前に両面を研磨されたウェーハを含む。いくつかの実施形態では、保護層435は、既知のように、窒化物層、炭化物層又は酸化物層を含んでもよい。
【0038】
図4Bでは、流体チャネル440及び445が、ある処理方法によって、第2の表面425の中に形成される。いくつかの実施形態では、レーザアブレーション、ウエットエッチング、ドライエッチング、並びに砥粒噴射加工及び鋸引き等の機械的に除去する工程、又はそれらの組み合わせのような工程が用いられる。
【0039】
図4Cでは、流体チャネル440及び445がさらに、所望の流体の流れと一致する所望の形状を有するように形成される。流体チャネル440及び445の形削りは、たとえば、ウエットエッチング工程によって実行することができる。さらに、流体チャネル440及び445が第1の表面410と第2の表面425との間に貫通チャネルを形成した後に、流体チャネル440及び445を形削りすることもできる。さらに、第2の表面425の中に流体チャネル440及び445を形成する前に、第1の表面410の流体チャネル440及び445が形成されることになる部分の中にトレンチを形成することができる。さらに、流体チャネルの形状及び幾何学的配列は、図4A〜図4Hに示されるものとは違うものにすることができる。
【0040】
図4Dでは、基板キャリア450がその中に、基板400の流路440及び445に流体を与えることになる流路470及び475を含む。流路470及び475は、基板キャリア450の第1の表面455と第2の表面465との間に流体が流れる経路を提供する。第2の表面465において、流路470及び475は、基板400上に形成されるチャンバ430から吐出するための流体を供給することになる流体供給源に流体連通する。
【0041】
基板キャリア450は、たとえば、セラミック、金属又は他の材料を含んでもよい。ウェーハ400及び基板キャリア450の接着を容易にするため、第1の表面455に無機材料460が被着される。特定の実施形態では、無機材料460は、数ある中でも、TEOS、酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化物、インジウムリン、サファイア及びガラスフリット材料を含むことができる。
【0042】
その後、無機材料460は平坦化され(図4E)、流路470及び475を遮断するように設けられていることがある任意の材料が除去される。特定の実施形態では、基板400と基板キャリア450との間の接着を強化するため、平坦化が実行される。いくつかの実施形態では、平坦化後の無機材料460の粗さは、どの4平方ミクロンの面積をとっても、変動が2乗平均平方根値で2ナノメートル程度である。
【0043】
図4F及び図4Gでは、基板キャリア450の第1の表面455上の無機材料460、及び基板400の第2の表面435が、プラズマ処理工程にかけられる。プラズマ処理工程は、図3A〜図3Eに関して記載され、説明された工程と同じようにすることができる。さらに、基板キャリア450の第1の表面455上の無機材料460及び基板400の第2の表面425のプラズマ処理は、同時に又は異なる時点で行うことができる。
【0044】
第2の表面425のプラズマ処理の前に保護層435が除去されることに留意されたい。
【0045】
プラズマ処理後に、接着するための洗浄及び親水化処理のために、無機材料460に対して湿式処理が施される。特定の実施形態では、湿式処理は、脱イオン水を含んでもよい液体を利用することができる。他の実施形態では、その液体はSC1を含んでもよく、それは構造(25HO:2H:1NHOH)を有してもよい。
【0046】
無機材料に対して湿式処理が施された後に、第2の表面425が、第1の表面455上の無機材料460に結合される(図4H)。結合は、たとえば、ピックアンドプレースツールによって実行することができる。その後、結合された構造がアニールされる。アニーリングは、摂氏約110度よりも高い温度において行うことができる。他の実施形態では、アニーリング温度は、摂氏約200度にすることができる。
【0047】
図5Aを参照すると、一実施形態による電子デバイスを形成するための工程が示される。ブロック500において、基板キャリア又は固定具の、基板が接着されることになる表面に無機材料が被着される。その後、ブロック505において、無機材料が平坦化される。一実施形態では、平坦化は、どの4平方ミクロンの面積をとっても、無機材料460の高さ変動が2乗平均平方根値で2ナノメール程度であるように実行される。他の実施形態では、同じ尺度又は異なる尺度を用いる他の高さ変動を利用することができる。
【0048】
ブロック510では、平坦化された無機材料が、プラズマ処理にかけられる。ブロック515では、基板キャリア又は固定具に接着されることになる基板又は基板もプラズマ処理される。基板及び基板キャリアの両方のプラズマ処理は、同じ又は異なる工程を用いることができ、同時に又は異なる時点で行うことができる。プラズマ処理後に、ブロック520では、基板洗浄及び親水化処理のために、無機材料に対して湿式処理が施される。いくつかの実施形態では、そのような湿式処理は、基板に対して施すこともできる。
【0049】
ブロック525では、プラズマ処理後に、その上に無機材料を有する基板キャリア表面と基板とが互いに結合される。その後、ブロック530では、無機材料と基板との間の共有結合を促進するため、結合された基板キャリア及び基板がアニールされる。
【0050】
図5Bを参照すると、微小電気機械デバイスを形成するための工程が示される。ブロック550では、MEMSデバイスが製造される。MEMSデバイスは、任意の既知の工程を利用して、又は既知の工程の任意の組み合わせを用いて製造することができる。その後、ブロック555では、キャリア又は支持構造に接着されることになるMEMSデバイスの1つ又は複数の表面に無機材料が被着される。ブロック560では、MEMSデバイスと接着されることになる構造の1つ又は複数の表面にも、同じ又は異なる無機材料が被着される。ブロック565及び575ではそれぞれ、どの4平方ミクロンの面積をとっても、無機材料の高さ変動が2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度になるように、平坦化を実行することができる。他の実施形態では、MEMSデバイスとキャリア又は支持構造との接着を容易にする構造の小さな面積、たとえば4平方ミクロンの面積にわたって所望の高さ変動を与える原子層又は他の堆積を利用することができる。
【0051】
ステップ585では、所望の高さ変動を有する、MEMSデバイスの無機材料がプラズマ処理にかけられる。ブロック580では、小さな面積にわたって所望の高さ変動を有する、キャリア又は支持構造の無機材料もプラズマ処理される。支持構造及びMEMSデバイスの両方のプラズマ処理は、同じ又は異なる工程を用いることができ、同時に又は異なる時点で行うことができる。ブロック585では、プラズマ処理された無機材料に対して湿式処理が施される。いくつかの実施形態では、そのような湿式処理は、基板に対しても施すことができる。
【0052】
ブロック590では、その上に無機材料を有するMEMSデバイスと支持基板とが互いに結合される。その後、ブロック595では、共有結合を促進するため、結合された構造がアニールされる。
【0053】
図5Cを参照すると、一実施形態による流体吐出デバイスを形成するための工程が示される。プリントヘッドのような流体吐出デバイスは、基板の表面上に形成される多数の流体吐出素子を含む。ブロック600では、流体吐出素子が形成される表面の反対側にある基板の表面がプラズマ処理される。また、ブロック605では、流体吐出素子への流路、及び制御デバイスへの電気的接続を提供することになる基板キャリアもプラズマ処理される。その処理は、基板の表面に接着されるべき表面を処理することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、互いに接着されることになる基板又は基板キャリアの表面のいずれかに無機材料が被着される必要はない。そのような実施形態では、基板キャリア及び基板は、シリコンのような半導体材料を含むことができる。
【0055】
その後、ブロック610では、プラズマ処理された基板の表面が湿式処理にかけられる。また、ブロック615では、プラズマ処理された基板キャリアの表面が湿式処理にかけられる。その湿式処理は、同時に行うことができるか、又は異なる時点において行うことができる。ブロック620では、基板の湿式処理された表面と基板キャリアの湿式処理された表面とが互いに結合される。その後、ブロック625では、結合された構造がアニールされる。
【0056】
いくつかの実施形態では、プラズマ処理にかけられることになる基板の表面及び基板キャリアの表面のうちの一方又は両方が、プラズマ処理の前に平坦化される場合があることに留意されたい。
【0057】
図6を参照すると、MEMSデバイスの一実施形態の断面図が示される。図6の実施形態では、微小電気機械デバイス600として、光電気デバイスを用いることができる。他の実施形態では、微小電気機械デバイス700として、互いに接着される複数の基板、又は基板キャリアに接着される基板を含む、圧力センサ、フォトニックデバイス、流体吐出デバイス、又は他の微小電気機械デバイスを用いることができる。
【0058】
図6では、光学デバイス705が、信号を受信するか、又は信号を送信するための電気部品、及び他の処理機能を含む基板710上に形成される。光学デバイス705を保護するために、光エネルギー透過性の無機材料715の膜が光学デバイス705を包囲することができる。その表面上に無機材料720を形成された透過性材料725が、無機材料715に接着される。
【0059】
一実施形態では、透過性材料725を配設して、光エネルギーを減衰させることができ、且つ/又は光学デバイス705を外部環境から保護することができる。いくつかの実施形態では、透過性材料725として、ガラス又はガラスの混合物及び1つ又は複数の他の材料を用いることができる。外部環境と相互作用する透過性材料725の1つ又は複数の表面に反射防止コーティング730を被着させることができる。
【0060】
微小電気機械デバイス700は、光学スイッチとして、ライトプロジェクタのミラー素子として、又は他の光学デバイスとして利用することができる。さらに、微小電気機械デバイス700は、機械的に変形可能な素子、信号伝送素子又はそれらの組み合わせを含む、フォトニックデバイスを含むことができる。
【0061】
図7を参照すると、プリンタの一実施形態の斜視図が示される。この実施形態では、印刷装置はプリンタ800を含む。ここで図示されるプリンタは、インクジェットプリンタの形で具現される。プリンタ800は、白黒及び/又はカラーで印刷することができる。用語「印刷装置」は、スロット付基板(複数可)を利用して、その機能の少なくとも一部を達成する任意のタイプの印刷装置及び/又は画像形成デバイスを指している。そのような印刷装置の例は、限定はしないが、プリンタ、ファクシミリ装置及び写真複写機を含むことができる。この例示的な印刷装置では、スロット付基板は、プリントカートリッジ内に組み込まれるプリントヘッドの一部を含み、そのプリントカートリッジの一例が以下に示される。
【0062】
図7は、一実施形態によるプリントカートリッジを有するプリンタを示す。一般的に、プリンタ800は、1つのタイプの流体吐出デバイスである1つ又は複数のプリントカートリッジ810を組み込むことができる。またプリンタ800は、印刷媒体を保持するためのトレイ805も備えることができる。印刷動作が開始されるとき、紙のような印刷媒体が、好ましくはシートフィーダ(図示せず)を用いて、トレイ805からプリンタ800内に供給される。その後、シートはU字方向に向きを変えて、出力トレイ815に向かって逆方向に進行する。直線の用紙経路のような他の用紙経路を用いることもできる。そのシートは、印刷ゾーン820において停止し、その後、1つ又は複数のプリントカートリッジ810を支持する走査キャリッジ825が、シート上に帯状のインクを印刷するため、そのシート上で走査される。一度又は何度も走査した後に、シートは、たとえば、ステッパモータ及びフィードローラを用いて、印刷ゾーン820内の次の位置まで漸進的にシフトされる。キャリッジ825は、次の帯状のインクを印刷するため、シートを再び走査する。その過程は、シート全体が印刷されるまで繰り返され、全体が印刷された時点で、シートが出力トレイ815に排出される。
【0063】
プリントカートリッジ810は、走査キャリッジ825に取外し可能に取り付けることができるか、又は永久的に取り付けることができる。また、プリントカートリッジ810は、内蔵式のインク容器を有することができる(たとえば、その容器は、プリントヘッドアセンブリ本体、たとえば、図1の流体吐出デバイス5の実施形態の中に配置することができる)。プリントカートリッジ810を再利用するために、内蔵式のインク容器にインクを補充することができる。別法では、各インクカートリッジ810は、可撓性の導管830を介して、インク供給源としての役割を果たす複数の固定インク供給源又は取外し可能インク供給源835のうちの1つに流体連通させることができる。さらに別の変形形態では、インク供給源835として、プリントヘッドアセンブリとは別個の、すなわち分離可能な1つ又は複数のインク容器を用いることができる。
【0064】
本発明の概念が、構造的な特徴及び方法のステップに特有の用語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲が、説明された具体的な特徴又はステップに限定されないことは理解されたい。むしろ、具体的な特徴及びステップは、本発明の概念を実現する好ましい形態として開示される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】電子デバイスの一実施形態の断面図である。
【図2】基板キャリアと接着されるプリントヘッドの一実施形態の断面図である。
【図3A】一実施形態による、1つの例示的な基板と基板キャリアとの接着を示す工程のステップの断面図である。
【図3B】一実施形態による、1つの例示的な基板と基板キャリアとの接着を示す工程のステップの断面図である。
【図3C】一実施形態による、1つの例示的な基板と基板キャリアとの接着を示す工程のステップの断面図である。
【図3D】一実施形態による、1つの例示的な基板と基板キャリアとの接着を示す工程のステップの断面図である。
【図3E】一実施形態による、1つの例示的な基板と基板キャリアとの接着を示す工程のステップの断面図である。
【図4A】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図4B】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図4C】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図4D】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図4E】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図4F】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図4G】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図4H】一実施形態による、流体吐出デバイスの部分を形成するための工程のステップの断面図である。
【図5A】一実施形態による、電子デバイスを形成するための工程を示す図である。
【図5B】一実施形態による、微小電気機械デバイスを形成するための工程を示す図である。
【図5C】一実施形態による、流体吐出デバイスを形成するための工程を示す図である。
【図6】MEMSデバイスの一実施形態の断面図である。
【図7】プリンタの一実施形態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面及び第2の表面を含む基板(110)と、
第1の表面及び第2の表面を含む基板キャリア(105)と、
前記基板の前記第2の表面及び前記基板キャリアの前記第2の表面を接着する無機材料(120)と
を備える、電子デバイス。
【請求項2】
前記無機材料(120)は、TEOS、酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化物、インジウムリン、サファイア及びガラスフリット材料からなる群から選択される請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記基板(110)がシリコンを含み、前記基板キャリア(105)がセラミックを含む請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記基板(110、115)の前記第2の表面に接着される前記無機材料(120)の表面は、該表面のうちのどの4平方ミクロンの面積をとっても、2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度の高さ変動を含む請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
第1の表面及び第2の表面を含む別の基板(115)をさらに備え、前記無機材料(120)は、前記第1の基板(110)の前記第2の表面の第1の部分を前記基板キャリア(105)の前記第2の表面に接着し、該基板キャリア(105)の該第2の表面の第2の部分を前記別の基板(115)の前記第2の表面に接着する請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記基板(110、115)がその上に形成される流体吐出素子を含む請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
光電気デバイス、フォトニックデバイス、流体吐出デバイス、及び微小電気機械デバイスのうちの1つである請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記基板キャリア(105)が、セラミック、金属、金属コーティングされている構造体、ポリマー及びそれらの組み合わせを含む請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
流体吐出デバイス(200)であって、
その上に形成される複数の流体吐出素子(230)を含む第1の表面と、第2の表面と、該第1の表面と該第2の表面との間にある少なくとも1つの流路(240)とを含む基板(220)と、
第1の表面及び第2の表面と、前記少なくとも1つの流路(240)と接続される少なくとも1つの流体排出口(245)とを含む基板キャリア(205)と、
前記基板(220)の前記第2の表面と前記基板キャリア(205)の前記第2の表面との間にあり、前記基板(220)の前記第2の表面と前記基板キャリア(205)の前記第1の基板とを接着する無機材料(250)と
を備える、流体吐出デバイス。
【請求項10】
前記無機材料は、TEOS,酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化物、インジウムリン、サファイア及びガラスフリット材料からなる群から選択される請求項9に記載の流体吐出デバイス。
【請求項11】
前記基板(220)がシリコンを含み、前記ハウジング(205)がセラミックを含む請求項9に記載の流体吐出デバイス。
【請求項12】
前記基板(220)の前記第2の表面に接着される前記無機材料(250)の表面は、該表面のうちのどの4平方ミクロンの面積をとっても、2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度の高さ変動を含む請求項9に記載の流体吐出デバイス。
【請求項13】
前記基板がプリントヘッドを含む請求項9に記載の流体吐出デバイス。
【請求項14】
前記基板(220)が前記インク吐出素子からインクを吐出するように構成される請求項9に記載の流体吐出デバイス。
【請求項15】
電子デバイスであって、
その上に形成される少なくとも1つの電子素子(230)を含む第1の表面と、第2の表面とを含む第1の基板(220)と、
第1の表面及び第2の表面を含む第2の基板(205)と、
前記第1の基板(220)の前記第2の表面と前記第2の基板(205)の前記第2の表面とを共有結合させる手段(250)と
を備える、電子デバイス。
【請求項16】
前記第1の基板(220)がシリコンを含み、前記第2の基板(205)がセラミックを含む請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記電子素子が流体吐出素子を含む請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記第1の基板(220)が電流に応答して構成を変更する材料を含む請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項19】
第1の表面及び第2の表面を含む第3の基板(220)をさらに備え、前記共有結合させる手段(250)が、前記第2の基板(205)の前記第2の表面の第1の部分を、前記第1の基板(220)の前記第2の表面に共有結合させ、前記第2の基板(205)の前記第2の表面の第2の部分を、前記第3の基板(220)の前記第2の表面に共有結合させる手段を含む請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項20】
電子デバイスを形成する方法であって、
プラズマ処理されている第1の基板(110)の少なくとも1つの表面を湿式処理するステップと、
前記プラズマ処理されている基板の前記表面を、プラズマ処理されている無機材料をその上に形成されている、第2の基板(105)の表面に結合するステップと、
結合後に前記第1の基板及び前記第2の基板をアニールするステップであって、それによって、該第1の基板の前記表面と該第2の基板の前記表面上の前記無機材料との間に共有結合を形成する、アニールするステップと
を含む、電子デバイスを形成する方法。
【請求項21】
前記プラズマ処理される第1の基板は、窒素、酸素及びアルゴンからなる群から選択される気体を利用してプラズマ処理される請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項22】
前記結合するステップがピックアンドプレースツールで結合することを含む請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項23】
前記結合するステップが概ね室温において結合することを含む請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項24】
前記プラズマ処理される第1の基板は、前記第1の基板に約120ワットでバイアスをかけること、及び約500ワットにおいて誘導性結合されるコイルによって生成される上流の高密度プラズマを用いることによってプラズマ処理される請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項25】
前記プラズマ処理される第1の基板が約40秒間プラズマ処理される請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項26】
前記プラズマ処理される第1の基板が、誘導性結合型プラズマチャンバを利用して該基板の前記表面をプラズマ処理することによりプラズマ処理される請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項27】
前記表面のうちのどの4平方ミクロンの面積をとっても、2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度の高さ変動を含むように、前記無機材料を平坦化するステップをさらに含む請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項28】
前記湿式処理するステップが、プラズマ処理中に、前記第1の基板を加湿源に晒すステップを含む請求項20に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項29】
電子デバイスを形成する方法であって、
基板キャリア(105)の1つの表面に無機材料(120)の層を被着させるステップと、
基板キャリア(105)の前記表面をプラズマ処理するステップと、
基板(110)の1つの表面をプラズマ処理するステップと、
少なくとも前記無機材料(120)を湿式処理するステップと、
前記基板(110)の前記表面を、前記基板キャリア(105)の前記表面上に形成される前記無機材料(120)と結合するステップと、
結合後に前記基板(110)及び前記基板キャリア(105)をアニールするステップであって、それによって、該基板の前記表面と、該基板キャリアの前記表面上の前記無機材料との間に共有結合(120)を形成する、ステップと
を含み、前記無機材料がプラズマ処理前に所望の高さ変動を有する、電子デバイスを形成する方法。
【請求項30】
前記プラズマ処理するステップが、窒素、酸素及びアルゴンからなる群から選択される気体を利用することを含む請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項31】
前記プラズマ処理するステップが、約120ワットでバイアスをかけること、及び約500ワットにおいて誘導性結合されるコイルによって生成される上流の高密度プラズマを用いることを含む請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項32】
前記プラズマ処理するステップが約100秒間プラズマ処理することを含む請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項33】
前記プラズマ処理するステップが、誘導性結合型プラズマチャンバを利用し、それによってプラズマ処理を実行する請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項34】
前記結合するステップがピックアンドプレースツールで結合することを含む請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項35】
前記結合するステップが概ね室温において結合することを含む請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項36】
前記無機材料が前記所望の高さ変動を有するように、該無機材料を平坦化するステップをさらに含む請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項37】
前記所望の変動は、結合する前の前記表面のうちのどの4平方ミクロンの面積をとっても、2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度の高さの変動である請求項36に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項38】
前記湿式処理するステップは、プラズマ処理中に、前記第1の無機材料を加湿源に晒すステップを含む請求項29に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項39】
第1の表面及び第2の表面を含む第1の基板(715)と、
第1の表面及び第2の表面を含む第2の基板(710)であって、該第2の基板(710)の該第1の表面が該第2の基板(710)の該第2の表面に接着される、該第2の基板と、
第1の表面及び第2の表面を含む第3の基板(725)と、
前記第3の基板(725)の前記第2の表面と前記第1の基板(715)の前記第1の表面とを接着する無機材料(720)と
を備える、微小電気機械デバイス。
【請求項40】
前記無機材料は、TEOS,酸化アルミニウム、アモルファスシリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化物、インジウムリン、サファイア及びガラスフリット材料からなる群から選択される請求項39に記載の微小電気機械デバイス。
【請求項41】
前記基板はシリコンを含み、前記基板キャリアはセラミックを含む請求項39に記載の微小電気機械デバイス。
【請求項42】
前記基板の前記第2の表面に接着される前記無機材料の表面は、該表面のうちのどの4平方ミクロンの面積をとっても、2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度の高さ変動を含む請求項39に記載の微小電気機械デバイス。
【請求項43】
第1の表面及び第2の表面を含む別の基板をさらに備え、前記無機材料は、前記第1の基板の前記第2の表面の第1の部分を前記基板キャリアの該第2の表面に接着し、該基板キャリアの前記第2の表面の第2の部分を前記別の基板の前記第2の表面に接着する請求項39に記載の微小電気機械デバイス。
【請求項44】
前記基板キャリアは、金属、セラミック、金属、金属コーティングされている構造体、ポリマー及びそれらの組み合わせを含む請求項39に記載の微小電気機械デバイス。
【請求項45】
流体吐出デバイスであって、
その上に形成される複数の流体吐出素子(230)を含む第1の表面と、プラズマ処理にかけられる第2の表面とを含む(220)基板と、
第1の表面と、前記基板の前記第2の表面に接着される、プラズマ処理にかけられる第2の表面とを含む基板キャリア(208)と
を備える、流体吐出デバイス。
【請求項46】
前記基板(220)がシリコンを含み、前記基板キャリア(205)がシリコンを含む請求項45に記載の流体吐出デバイス。
【請求項47】
前記基板キャリア(205)の前記第2の表面は、該第2の表面のうちのどの4平方ミクロンの面積をとっても、2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度の高さ変動を含む請求項45に記載の流体吐出デバイス。
【請求項48】
第1の表面及び第2の表面を含む別の基板(220)をさらに備え、前記基板キャリアの前記第2の表面の第1の部分が前記第1の基板の前記第2の表面に接着し、前記基板キャリア(205)の前記第2の表面の第2の部分が前記別の基板(220)の前記第2の表面に接着する請求項45に記載の流体吐出デバイス。
【請求項49】
前記基板キャリアは半導体材料を含む請求項45に記載の流体吐出デバイス。
【請求項50】
前記基板キャリアは、前記基板の前記第2の表面及び前記基板キャリアの前記第2の表面において流体連通する少なくとも1つのインク供給路(240)を含み、前記基板内に少なくとも1つのインク供給スロット(245)が形成される請求項45に記載の流体吐出デバイス。
【請求項51】
プラズマ処理されている第1の基板の少なくとも1つの表面に液体を被着させるステップと、
前記プラズマ処理されている基板の前記表面を基板キャリアの1つの表面と結合するステップと、
結合後、前記第1の基板及び前記第2の基板をアニールするステップであって、それによって、前記第1の基板と前記基板キャリアとの間に共有結合を形成する、アニールするステップと
を含む、電子デバイスを形成する方法。
【請求項52】
前記プラズマ処理させる第1の基板が、窒素、酸素及びアルゴンからなる群から選択される気体を用いてプラズマ処理される請求項51に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項53】
前記基板キャリアの前記表面に無機材料を被着させるステップをさらに含み、前記共有結合は、前記基板の前記表面、前記無機材料及び前記基板キャリアの前記表面の間に形成される請求項51に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項54】
プラズマ処理の前に、前記表面のうちのどの4平方ミクロンの面積をとっても、2乗平均平方根値で約2ナノメートル程度の高さ変動を含むように、前記無機材料を平坦化するステップをさらに含む請求項53に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項55】
前記液体を被着させるステップが湿式処理を施すことを含む請求項51に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項56】
前記プラズマ処理される第1の基板は、前記第1の基板に約120ワットでバイアスをかけること、及び約500ワットにおいて誘導性結合されるコイルによって生成される上流の高密度プラズマを用いることによってプラズマ処理される請求項51に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項57】
前記プラズマ処理される第1の基板が約40秒間プラズマ処理される請求項51に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項58】
前記プラズマ処理される第1の基板は、誘導性結合型プラズマチャンバを利用することであって、それによって、該基板の前記表面をプラズマ処理する、利用することによりプラズマ処理される請求項51に記載の電子デバイスを形成する方法。
【請求項59】
前記液体を被着させるステップは、プラズマ処理中に、前記第1の基板を加湿源に晒すことを含む請求項51に記載の電子デバイスを形成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−518470(P2008−518470A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538948(P2007−538948)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/035772
【国際公開番号】WO2006/047052
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】