説明

プラズマ処理システムのアーク検出装置

【課題】プラズマ処理装置で発生する被加工物の処理品質に悪影響を与える微小なアーク(ソフトアーク)を確実に検出する。
【解決手段】プラズマ処理装置に高周波電力を供給する周波数可変の高周波電源装置はソフトアークを検出するためのアーク検出部17を備える。アーク検出部17は、制御部12から出力周波数を変化させてインピーダンス整合動作を行う信号が入力される毎に、タイマ制御部171とタイマ172により前回の整合動作から今回の整合動作までの時間間隔Tmを計測する。更にカウンタ制御部173によりタイマ172で計測される時間間隔Tmのうち、所定の時間間隔Trよりも短い時間間隔Tmが連続する回数Cがカウントされ、その連続回数Cが基準回数Crを超えると、判定部174によりソフトアークが発生したと判定されてその判定結果をアーク処理部19に出力する。アーク処理部19ではソフトアーク発生報知などが行われ、これによりユーザはソフトアークの発生状況を把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、半導体製造工程に使用されるプラズマ処理システムのアーク検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラズマ処理システムとしては、図5に示すように、例えば高周波電力を出力するための高周波電源装置51と、この高周波電源装置51に伝送ケーブル52を介して接続され、高周波電源装置51の入力インピーダンスと負荷インピーダンスとを整合するためのインピーダンス整合器53と、このインピーダンス整合器53に負荷接続部54を介して接続され、例えば負荷としてのプラズマ処理装置55とで構成されている。
【0003】
高周波電源装置51は、プラズマ処理装置55に対して高周波電力を供給するための装置であり、例えば図示しない電力増幅回路や発振回路等を備え、所定の電力に設定された高周波電力をインピーダンス整合器53を介してプラズマ処理装置55に出力する。
【0004】
プラズマ処理装置55は、エッチングやCVD等の方法を用いて半導体ウェハや液晶基板等の被加工物を加工するための装置である。より詳細には、プラズマ処理装置55は、プラズマチャンバーの内部に備えられた真空容器に一対の電極を設けた構成とされ、その真空容器にプラズマ発生用の窒素ガス又はアルゴンガス等が導入され、一対の電極間に高周波電力を供給して上記ガスを電離させて、プラズマを発生させるものである。発生されたプラズマは、半導体ウェハや液晶基板等の被加工物を加工するために利用される。
【0005】
プラズマ処理装置55では、プラズマ処理中にアークが発生することがある。アークが発生すると、それによって半導体ウェハや液晶基板等の被加工物を損傷したり、アークが大きい場合は、プラズマ処理装置55を破損してしまうことがあるので、高周波電源装置51では、通常、アークの発生を事前に検出し、プラズマ処理装置55に対する高周波電力の供給量を低減したり、供給自体を停止させることが行われている。
【0006】
例えば、特開平8−167500号公報には、プラズマ処理装置への入射電力やプラズマ処理装置からの反射電力を検出し、その検出値の変化パターンからアーク発生を判別し、アーク発生と判別されたときには高周波電源装置51の出力を抑制したり、出力を停止したりすることが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開平8−167500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プラズマ処理装置55では、上記のように、真空容器に封入した窒素ガスやアルゴンガスに高周波電力を供給してこれらのガスをイオン化し、このイオン化したガスを被加工物に照射することにより所定のプラズマ処理を行うようになっているため、このプラズマ処理中のプラズマ処理装置55のインピーダンスは常に変動し、不安定な状態となっている。
【0009】
このため、可及的にプラズマ処理装置55のインピーダンスの変動に関係なく、高周波電源装置51から供給される高周波電力が効率良くプラズマ処理装置55に供給されるようにするため、インピーダンス整合器53が設けられている。
【0010】
プラズマ処理装置55で正常にプラズマ処理が行われる場合は、プラズマ処理装置55のインピーダンスが変動してもインピーダンス整合器53により効果的にインピーダンスの整合が図られるので、プラズマ処理装置55からの反射電力は極めて小さい。しかしながら、プラズマ処理装置55でアークが発生し、例えば1回の放電量で被加工物を損傷したり、プラズマ処理装置55を破損したりするようなアーク(以下、「ハードアーク」という。)の場合は、プラズマ処理装置55のインピーダンスが急変し、インピーダンス整合器53によるインピーダンス整合動作は追従できないので、プラズマ処理装置55からの反射電力が急増することになる。
【0011】
上記公報に記載される反射電力の変化に基くアーク検出方法は、プラズマ処理中にプラズマ処理装置55からの反射電力の変化率を監視し、所定の閾値以上の急激な反射電力の変化が生じたときにアーク放電が発生したと判別してアークの検出信号を出力するものであるが、主として、ハードアークの検出を目的とするため、所定の閾値は、その目的を達成し得るような適当な値に設定されているのが通常である。
【0012】
一方、アークの中には、1回の放電では被加工物を損傷するほどではないが、放電が連続して繰り返されると、被加工物に処理むらや焦げなどの加工品質に悪影響を与える微小なアーク(以下、「ソフトアーク」という。)が存在する。
【0013】
そして、近年は、被加工物の品質を可能な限り高精度に管理するために、プラズマ処理中のプラズマ処理装置55内のソフトアークの発生状態についても関心が高まっている。
【0014】
上記従来のアーク検出方法によれば、アーク発生を判別するための所定の閾値を小さくすれば、ソフトアークを検出することも可能になるが、ソフトアーク発生時の反射電力の変化量は微小であるので、通常のインピーダンス変動に基づく反射電力の変化量と区別できない場合が多く、所定の閾値を小さくしたことによって、返って通常のインピーダンス変動をアーク発生と誤検出することが多くなるという問題が生じる。
【0015】
上記したように、プラズマ処理システムにおいては、通常、アークの発生を検出した場合には、プラズマ処理装置55に対する高周波電力の供給量を抑制したり、停止させたりするので、アークの誤検出によってプラズマ処理システムが停止されると、液晶基板等の生産性を著しく低下させるという問題が生じる。
【0016】
ユーザにとっては、プラズマ処理中にプラズマ処理装置55内で生じるアークを検出し、プラズマ処理装置55等の損傷防止などのための適切な措置を速やかに行うことは重要であるが、その一方でアーク誤検出によるプラズマ処理の中断若しくは停止を防止することもプラズマ処理装置55等の損傷防止と同様に重要である。
【0017】
従って、従来のアーク検出方法を単純にソフトアークの検出に適用することはできず、確実にソフトアークを検出することのできる方法が要望されるが、従来、この種のアーク検出方法は全く提案されていない。
【0018】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、プラズマ処理装置において発生するソフトアークの発生を確実に検出することのできるプラズマ処理システムのアーク検出装置を提供することを、その課題とする。
【課題を解決るための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0020】
本願発明によって提供されるプラズマ処理システムのソフトアーク検出装置は、高周波電力を発生する周波数可変の高周波電力発生手段と、前記高周波電力発生手段から供給される高周波電力によりプラズマを発生させて被加工物に所定の加工処理を行うプラズマ処理手段と、前記高周波電力発生手段と前記プラズマ処理手段とのインピーダンスの不整合を検出する検出手段と、前記検出手段により前記インピーダンスの不整合が検出されると、前記高周波電力発生手段で発生される高周波電力の周波数を変化させて前記プラズマ処理手段とのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合手段とを備えるプラズマ処理システムのアーク検出装置であって、前記インピーダンス整合手段によるインピーダンス整合動作の時間間隔を計測する整合動作間隔計測手段と、前記整合動作間隔計測手段の計測結果を用いて、予め設定された所定の時間間隔よりも短い前記インピーダンス整合動作の時間間隔が連続する回数を検出する連続回数検出手段と、前記連続回数検出手段により検出される連続回数を所定の閾値と比較し、当該連続回数が所定の閾値を超えると、前記被加工物の加工品質に悪影響を与える微小なアークが発生したと判定してその判定結果を出力するアーク発生判定手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
【0021】
好ましい実施形態によれば、請求項1に記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置において、前記連続回数検出手段は、前記整合動作間隔計測手段により計測される時間間隔のうち、前記所定の時間間隔よりも短い時間間隔をカウントするためのカウンタと、前記整合動作間隔計測手段により計測される時間間隔が前記所定の時間間隔よりも短いか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により、前記計測された時間間隔が前記所定の時間間隔よりも短いと判別されると、前記カウンタのカウント値を1だけ増加させ、前記計測された時間間隔が前記所定の時間間隔以上であると判別されると、前記カウンタのカウント値を零にリセットするカウント制御手段とで構成される(請求項2)。
【0022】
他の好ましい実施形態によれば、請求項1又は2に記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置において、前記基準回数を変更する基準回数変更手段を更に備える(請求項3)。
【0023】
更に他の好ましい実施形態によれば、請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置において、前記所定の時間間隔を変更する時間間隔変更手段を更に備える(請求項4)。
【0024】
更に他の好ましい実施形態によれば、請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置において、前記アーク判定手段により微小なアークが発生したとの判定結果が出力されると、その判定結果を報知する報知手段を更に備える(請求項5)。
【0025】
更に他の好ましい実施形態によれば、請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置において、前記アーク検出装置は、前記高周波電力発生手段の内部に設けられている(請求項6)。
【0026】
本願発明に係るプラズマ処理システムのアーク検出装置によれば、プラズマ処理手段のインピーダンスが変化すると、高周波電力発生手段の周波数を変化させて当該高周波電力発生手段とプラズマ処理手段のインピーダンス整合が行われる。プラズマ処理中はプラズマ処理手段のインピーダンスが不規則に変化するので、インピーダンスの不整合が生じる度に上記のインピーダンス整合動作が行われる。
【0027】
インピーダンス整合動作が行われる毎に、前回のインピーダンス整合動作から今回のインピーダンス整合動作の時間間隔が測定され、その時間間隔が所定の時間間隔より短いか否かが判別される。更に、測定された時間間隔が所定の時間間隔よりも短い場合は、所定の時間間隔よりも短いインピーダンス整合動作の時間間隔が連続する回数が計数され、その連続回数が基準回数以上に達すると、被加工物の加工品質に悪影響を与える微小なアーク(ソフトアーク)が発生したと判定してその判定結果が出力され、例えばソフトアークの報知処理が行われる。
【0028】
従って、ユーザは、ソフトアークの発生状況のデータの収集や必要に応じてプラズマ処理の条件変更などの適切な措置を行うことができる。
【0029】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0031】
図1は、本願発明に係るアーク検出装置が適用されるプラズマ処理システムの一例を示す図である。このプラズマ処理システムは、半導体ウェハや液晶基板などの非加工物に対して高周波電力を供給して、例えばプラズマエッチングといった加工処理を行うものである。このプラズマ処理システムは、周波数可変の高周波電源装置1、伝送線路2、インピーダンス整合器3、負荷としてのプラズマ処理装置4で構成されている。
【0032】
高周波電源装置1には、例えば同軸ケーブルからなる伝送線路2を介してインピーダンス整合器3が接続され、インピーダンス整合器3には、プラズマ処理装置4が接続されている。
【0033】
高周波電源装置1は、高周波電力をプラズマ処理装置4に供給するものであって、例えば数百kHz以上の出力周波数を有する高周波電力を出力することができる電源装置である。一般に、プラズマ処理装置4のプラズマ処理で使用される周波数は2MHz若しくは13.56MHzであるので、高周波電源装置1は、プラズマ処理装置4に対しては、2MHz若しくは13.56MHzの高周波電力を供給するようになっている。また、本プラズマ処理システムでは、プラズマ処理中におけるプラズマ処理装置4のインピーダンス変動に対して高周波電源装置1の出力周波数fを上記の周波数foを中心として所定の周波数範囲±Δf(例えば、fo=2MHzの場合、Δf=0.2MHz,fo=13.56MHzの場合、Δf=0.68MHz)で変化させてインピーダンス整合を行うようになっている。
【0034】
より具体的には、例えば、プラズマ処理システムが50Ω系で構成されているとすると、すなわち、高周波電源装置1の出力端1aから高周波電源装置1側を見たインピーダンス(出力インピーダンス)が例えば50Ωに設計され、高周波電源装置1の出力端1aが特性インピーダンス50Ωの伝送線路2でインピーダンス整合器3の入力端に接続されているとすると、高周波電源装置1は、出力周波数を変化させて当該高周波電源装置1の出力端1aからプラズマ処理装置4側を見たインピーダンスを50Ωに整合させる。
【0035】
更に、高周波電源装置1には、出力周波数を変化させてインピーダンス整合を行う機能を利用してプラズマ処理中にプラズマ処理装置4内で発生するソフトアークを検出する機能が設けられている。このソフトアーク検出機能については後述する。
【0036】
インピーダンス整合器3は、高周波電源装置1とプラズマ処理装置4とのインピーダンスを整合させるものであり、図示しないが、インピーダンス素子であるキャパシタやインダクタ等を備えている。このインピーダンス整合装置3は、固定のインピーダンス素子によって構成され、プラズマ処理装置4のインピーダンス変動に追従して高周波電源装置1とプラズマ処理装置4とのインピーダンス整合を行う機能は有していない。プラズマ処理中の動的なインピーダンス整合動作は、上述したように、高周波電源装置1の出力周波数を中心周波数fo±Δfで変化させて行われる。
【0037】
インピーダンス整合器3は、上記の例でいうと、プラズマ処理中のインピーダンス整合器3の入力端からプラズマ処理装置4側を見たインピーダンスが略50Ωになるように伝送線路2の先端に接続される負荷のインピーダンスを変換する。なお、プラズマ処理装置4でプラズマ処理が開始されると、プラズマ処理の進行に応じて被加工物やプラズマの状態が変化し、これによりプラズマ処理装置4のインピーダンスが変化することになるが、正常にプラズマ処理が行われた場合のプラズマ処理装置4のインピーダンスの変化範囲は予め知ることができるので、このインピーダンスの変化範囲内の代表値をプラズマ処理装置4のインピーダンスとし、インピーダンス整合器3はこのインピーダンスの代表値に対してインピーダンス整合を行うように構成されている。
【0038】
プラズマ処理装置4は、半導体ウェハや液晶基板等の被加工物をエッチングやCVD等の方法を用いて加工するための装置である。プラズマ処理装置4は、プラズマを発生させるための窒素ガスやアルゴンガスなどの所定のガスを封入するための容器(チャンバー)41と、高周波電源装置1からの高周波電力を容器内のガスに供給するための一対の電極42,43を備えている。
【0039】
プラズマ処理装置4では、被加工物Bの加工目的に応じて各種の加工プロセスが実行される。例えば、被加工物に対してエッチングを行う場合には、そのエッチングに応じたガス種類、ガス圧力、高周波電力の供給電力値、及び高周波電力の供給時間等が適切に設定された加工プロセスが行われる。加工プロセスでは、被加工物が配置される容器41内に、例えば窒素やアルゴン等のプラズマ発生用ガスが封入され、電極42,43に高周波電力の供給が開始されると、電極42,43間に高周波電界Pが生じ、この高周波電界Pによりプラズマ発生用ガスがプラズマ状態になる。そして、プラズマ状態になったガスを用いて被加工物が加工される。
【0040】
次に、高周波電源装置1のソフトアーク検出機能について説明する。
【0041】
上述したように、プラズマ処理装置4でプラズマ処理が行われているときには、アークが発生することがあり、そのアークが被加工物Bやプラズマ処理装置4自体を破壊するほどに大きい場合(ハードアークの場合)には、プラズマ処理を継続できないので、例えば、反射電力の変化に基いてアーク発生を検出し、瞬時に高周波電源装置1を停止するなどしてプラズマ処理を緊急停止するのが通常である。本実施形態に係るプラズマ処理システムにも、説明は省略するが、ハードアーク検出機能が設けられている。
【0042】
しかし、1回の放電では被加工物を損傷することはないが、複数回連続して放電が継続すると、被加工物に焦げ跡が残るなどの処理品質に悪影響を与えるソフトアークは、放電量が微小であるため、ソフトアークの発生によってプラズマ処理装置4のインピーダンスが変化しても反射電力の変化はハードアークのように急峻に変化せず、上記のハードアーク検出機能によって検出されることはない。このため、本実施形態に係るプラズマ処理システムではハードアーク検出機能とは別にソフトアークを検出する機能が高周波電源装置1に設けられている。
【0043】
本実施形態で採用しているソフトアークの検出方法は、
(a)ソフトアーク発生に基くプラズマ処理装置4のインピーダンスの変動と通常のプラズマ処理で発生するプラズマ処理装置4のインピーダンスの変動とが判別し難く、プラズマ処理装置4のインピーダンスの微小変動を常にソフトアーク発生として検出すると誤検出の問題が生じる、
(b)微小なアークが数回連続して発生しても各アーク放電により被加工物が損傷したり、処理品質を著しく低下させたりすることはなく、誤検出防止の観点から微小なアークが一定の回数以上連続するものを被加工物の処理品質に悪影響を与えるソフトアークとして検出すべきである、
(c)プラズマ処理装置4のインピーダンスが変動すると、インピーダンス整合動作が行われるが、通常のプラズマ処理に基くインピーダンス変動に対するインピーダンス整合動作の時間間隔は数十秒〜数分程度の比較的長い時間間隔であるのに対し、ソフトアーク発生に基くインピーダンス変動に対するインピーダンス整合動作の時間間隔は1秒程度の短い時間間隔であり、このような短い時間間隔で頻繁にインピーダンス整合動作が繰り返される場合は、高い確率でソフトアークが発生していると推定することができる、
などを考慮したもので、特に(c)の経験に基くものである。
【0044】
図1に戻り、高周波電源装置1は、操作部11と、制御部12と、メモリ13と、発振部14と、増幅部15と、パワー検出部16と、アーク検出部17と、反射係数算出部18と、を備えている。そして、アーク検出部17により上述のソフトアーク検出機能が達成され、本願発明に係るアーク検出装置が構成されている。
【0045】
操作部11は、ユーザによって高周波電源装置1の出力条件(出力周波数や出力電力)を設定するためのものであり、図1では省略しているが、高周波電力の出力値を設定するための出力電力設定スイッチ、及び高周波電力の供給の開始を指示する出力開始スイッチ等の操作部材が設けられている。操作部11において設定された高周波電力の出力値や周波数値は、制御部12に出力される。
【0046】
制御部12は、本高周波電源装置1の制御中枢となるものであり、出力電力設定部11において設定された高周波電力の出力値に基づいて発振部14に周波数制御信号を出力することにより、プラズマ処理装置4に対して高周波電力を供給させる。また、制御部12は、反射係数算出部18から入力される反射係数Γを所定の閾値Γr(整合範囲を規定する閾値、例えば、Γr=0.1)と比較し、反射係数Γが閾値Γr以上であると、高周波電源装置1とプラズマ処理装置4とがインピーダンス不整合状態になったとして発振部14に発振周波数を変更する周波数制御信号を出力する。この周波数制御信号は、例えば、プラズマ処理の周波数が2MHzの場合は、現在の発振周波数fを2.2MHzまで所定の周波数ピッチで上昇させたのち、1.8MHzまで下降させるか、その逆の方向に発振部14の発振周波数を変化させる信号である。
【0047】
また、制御部12は、反射係数算出部18から入力される反射係数Γと所定の閾値Γrの比較結果を示す信号をアーク検出部17に出力する。この信号は、例えば、Γ>Γrであると、ハイレベルになり、Γ≦Γrであると、ローレベルになるパルス状の信号で、インピーダンスの整合状態を示す信号である。制御部12は、Γ>Γrになると、発振部14にインピーダンス整合のための周波数制御信号を出力することから、アーク検出部17では、インピーダンス整合状態を示す信号がハイレベルに変化するタイミングがインピーダンス整合動作の開始タイミングとして利用される。なお、インピーダンスの整合状態を示す信号が、Γ>Γrであると、ローレベルになり、Γ≦Γrであると、ハイレベルになるパルス状の信号であれば、ローレベルに変化するタイミングがインピーダンス整合動作の開始タイミングとして利用されることは言うまでもない。
【0048】
周波数制御信号により高周波電源装置1から出力される高周波電力の周波数が変化し、反射係数算出部18から出力される反射係数Γが所定の閾値Γrよりも小さくなると、制御部12は、高周波電源装置1とプラズマ処理装置4とがインピーダンス整合状態になったとして発振部14に出力している制御信号をロックし、そのインピーダンス整合状態を保持する。
【0049】
制御部12にはメモリ13が接続されており、そのメモリ13には、高周波電力をプラズマ処理装置4に供給するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ13には、インピーダンス整合動作を制御するための閾値Γrや、ソフトアークの発生を検出する処理で用いられる、インピーダンス整合動作の所定の時間間隔Trや、その時間間隔Tr以下の時間間隔Tmでインピーダンス整合動作が連続的に繰り返されたことによりソフトアーク発生と判定するための基準回数Crなどの各データがそれぞれ記憶されている。上記のインピーダンス整合動作の所定の時間間隔Tr及び基準回数Crについては後述する。
【0050】
発振部14は、高周波信号を発生するもので、電圧制御発振回路によって構成されてする。発振部14の発振出力と周波数は、それぞれ制御部12からの出力制御信号と周波数制御信号によって制御される。発振部14から出力される高周波信号は増幅部15に入力され、所定の出力レベルに増幅される。
【0051】
増幅部15は、発振部14からの高周波信号を増幅して出力するものである。増幅部15において増幅された高周波信号は、パワー検出部16を介してインピーダンス整合器3に出力される。
【0052】
パワー検出部16は、増幅部15から出力される高周波電力を検出するものであり、例えば、方向性結合器によって構成されている。パワー検出部16は、増幅部15からプラズマ処理装置4側に進行する高周波電力(入射波電力)と、プラズマ処理装置4側から反射してくる高周波電力(反射波電力)とを分離して、それらの電力値をそれぞれ検出するものである。パワー検出部16において検出された入射波及び反射波の電力値は、反射係数算出部18に出力される。
【0053】
反射係数算出部18は、パワー検出部16から入力される入射波電力及び反射波電力の各電力値Pf,Prをディジタル信号に変換した後、Pr/Pfの演算を行って反射係数Γ(=Pr/Pf)を算出するものである。この算出結果は、制御部12に入力される。
【0054】
アーク検出部17は、制御部12から入力されるインピーダンスの整合状態を示す信号を用いてインピーダンス整合動作の時間間隔Tmを監視し、この監視結果に基づいて、プラズマ処理装置4においてソフトアークが発生したか否かを検出するものである。この検出信号はアーク処理部19に出力される。
【0055】
図2は、アーク検出部17の内部構成を示すブロック図である。
【0056】
アーク検出部17は、タイマ制御部171、タイマ172、カウンタ制御部173及び判定部174により構成されている。タイマ制御部171は、タイマ172のカウント動作を制御するものである。タイマ制御部171は、制御部12から入力されるインピーダンスの整合状態を示す信号がΓ>Γrの状態を示すレベルに反転する毎に、すなわち、制御部12がインピーダンス整合動作を開始する毎に、タイマ172の計時時間Tmをゼロにリセットするとともに、新たに計時を開始させる。
【0057】
タイマ172は、制御部12のインピーダンス整合動作の時間間隔Tmを計時するものである。タイマ172で計時される前回のインピーダンス整合動作から今回のインピーダンス整合動作までの時間間隔Tmは、計時される毎にカウンタ制御部173に出力される。
【0058】
カウンタ制御部173は、タイマ172から入力されるインピーダンス整合動作の時間間隔Tmのうち、予め設定された所定の時間間隔Trよりも短いものを抽出し、その時間間隔Tr以下の時間間隔Tmの連続する回数Cを検出するものである。カウンタ制御部173は、タイマ172で計測されたインピーダンス整合動作の時間間隔Tmと予め設定された時間間隔Trを比較し、時間間隔Tmが所定の時間間隔Tr以上であれば、通常のプラズマ処理に基くインピーダンス変動に対する整合動作であると判断して、カウント値Cを“0”に初期化し、時間間隔Tmが所定の時間間隔Trよりも短い場合は、ソフトアークの発生に基くインピーダンス変動に対する整合動作の可能性が高いと判断して、カウント値Cを“1”増加する。このカウント値Cは判定部174に出力される。
【0059】
なお、所定の時間間隔Trは、上記の(c)の経験に基いて予め設定される時間で、例えば1秒程度の時間である。この所定の時間間隔Trはメモリ13に記憶されており、制御部12によりメモリ13から読み出されてカウンタ制御部173に設定される。なお、メモリ13内の所定の時間間隔Trは、ユーザが操作部11を操作して適宜変更できるようにしても良く、或いは、予め複数の時間間隔Trをメモリ13に記憶しておき、プラズマ処理の条件を変更する毎にユーザが操作部11を操作して適当な時間間隔Trを選択するようにしても良い。
【0060】
判定部174は、カウンタ制御部173から入力されるカウント値Cに基いて、ソフトアークが発生したか否かを判定するものである。この判定部174は、カウント値Cと予め設定された基準回数Crを比較し、カウント値Cが基準回数Crを超えると、ソフトアークが発生していると判断し、ソフトアーク検出信号を出力する。
【0061】
なお、基準回数Crも、上記の(c)の経験に基いて予め設定される回数で、例えば10回程度の回数である。この基準回数Crはメモリ13に記憶されており、制御部12によりメモリ13から読み出されて判定部174に設定される。なお、メモリ13内の基準回数Crもユーザが操作部11を操作して適宜変更できるようにしても良く、或いは、予め複数の基準回数Crをメモリ13に記憶しておき、プラズマ処理の条件を変更する毎にユーザが操作部11を操作して適当な基準回数Crを選択するようにしても良い。
【0062】
アーク処理部19は、アーク検出部17から出力されたソフトアーク検出信号に基いて所定の処理を行うものである。この処理には、ソフトアークが発生したことをユーザに報知する処理やその報知とともにソフトアークの検出頻度のデータ蓄積処理などが含まれる。報知方法としては、監視用モニタにメッセージ表示したり、警報や発光によって報知することが考えられる。これらの処理はユーザの選択によって適宜、設定することができる。また、ユーザが希望する場合は、高周波電源装置1の出力を低下してソフトアークの発生を抑えたり、場合によっては、高周波電源装置1の出力停止を可能にしてもよい。
【0063】
次に、プラズマ処理システムにおけるソフトアークの検出処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0064】
プラズマ処理システムが稼動されると、プラズマ処理装置4に対して高周波電源装置1から所定の周波数でかつ所定の出力の高周波電力が供給される。この高周波電力の供給開始時は高周波電源装置1とプラズマ処理装置4とはインピーダンス不整合状態にあるので、電力供給開始と同時に制御部12によりインピーダンス整合動作が行われる。このインピーダンス不整合状態では未だプラズマ処理が開始されているとは言えず、このインピーダンス整合動作が終了した時点からプラズマ処理が開始されることになる。
【0065】
図3に示すフローチャートは、上記のプラズマ処理が開始された後のソフトアークの検出処理を示すものである。
【0066】
まず、インピーダンス整合動作の時間間隔Tmをカウントするカウンタのカウント値D_Cntと、所定の時間間隔Tr(例えば、1秒)より短い時間間隔Tmが連続する回数をカウントするカウンタのカウント値T_Cntが“0”に初期化される(S1)。
【0067】
続いて、インピーダンス整合動作が開始されたか否かが判別され(S2)、インピーダンス整合動作が開始されていなければ(S2:NO)、カウント値D_Cntが“1”だけインクリメントされる(S3)。なお、このフローチャートは、予め設定された所定の周期t(例えば20ms)で実行されるので、カウント値D_Cntに所定の周期tを乗じた時間が前回のインピーダンス整合動作からの時間間隔Tmとなる。
【0068】
続いて、カウント値D_Cntが所定の時間間隔Trに相当するカウント値Dr以上であるか否かが判別され(S4)、D_Cnt≦Drであれば(S4:NO)、ステップS2に戻る。一方、D_Cnt>Drであれば(S4:YES)、カウント値D_CntがDrに修正される(S5)。
【0069】
ステップS2〜S5のループの処理は、インピーダンス整合動作の時間間隔Tmを計時するものであるが、本願発明に係るソフトアークの検出処理では、所定の時間間隔Trより短いインピーダンス整合動作の時間間隔Tmの連続回数に関心があり、所定の時間間隔Tr以上のインピーダンス整合動作の時間間隔Tmについては、その時間間隔の大きさに関係なく当該時間間隔Tmが生じたか否かしか意味を有しないので、時間間隔Tr以上の時間間隔Tmは、ステップS5で全て所定の時間間隔Trに固定し、ソフトアークの検出処理の負担を軽減するようにしている。
【0070】
ステップS2でインピーダンス整合動作が開始されたと判別されると(S2:YES)、更に、カウント値D_Cntが所定の時間間隔Trに相当するカウント値Drとなっているか否かが判別される(S6)。
【0071】
D_Cnt=Drであれば(S6:YES)、インピーダンス整合動作は、通常のプラズマ処理のインピーダンス変動に基くインピーダンス整合動作であると判断され、カウント値D_Cntとカウント値T_Cntが“0”に初期化された後(S7)、高周波電源装置1の出力周波数を変更することによるインピーダンス整合動作が行われて(S8、S9)、ステップS2に戻る。
【0072】
一方、ステップS6でD_Cnt<Drであれば(S6:NO)、インピーダンス整合動作は、ソフトアーク発生によるインピーダンス変動に基くインピーダンス整合動作である可能性があると判断され、カウント値T_Cntが“1”増加され、カウント値D_Cntが“0”にリセットされる(S10)。なお、カウント値D_Cntを“0”にリセットするのは、ステップS11→ステップS8→ステップS9→ステップS2に移行したとき、インピーダンス整合動作が行われるので、このインピーダンス整合動作の開始からの時間間隔Tmを新規に計測するためである。
【0073】
続いて、カウント値T_Cntが所定の連続回数Cr(例えば、10回)を超えているか否かが判別され(S11)、T_Cnt≦Crであれば(S11:NO)、ステップS8に移行し、高周波電源装置1の出力周波数を変更することによるインピーダンス整合動作が行われて(S8、S9)、ステップS2に戻る。
【0074】
一方、T_Cnt>Crであれば(S11:YES)、ソフトアークが発生していると判断され、アーク処理部19にソフトアーク検出信号が出力され(S12)、カウント値D_Cnt及びカウント値T_Cntが“0”に初期化された後(S13)、ステップS8に移行し、高周波電源装置1の出力周波数を変更することによるインピーダンス整合動作が行われて(S8、S9)、ステップS2に戻る。
【0075】
上記処理によれば、ステップS2→ステップS6→ステップS10→ステップS11→ステップS8→ステップS9→ステップS2→ステップS3〜S5→ステップS2のループ処理において、所定の時間間隔Trよりも短いインピーダンス整合動作の時間間隔Tmが連続していても、図4(a)に示すように、その連続回数が所定の連続回数Crに達するまでにインピーダンス整合動作の時間間隔Tmが所定の時間間隔Tr以上になると(図4(a)の5回目のインピーダンス整合動作参照))、ステップS6からステップS7に移行し、カウント値D_Cnt及びカウント値T_Cntが“0”に初期化されるので、ソフトアークの発生として検出されることはない(図4(a)の10回目のインピーダンス整合動作時のソフトアークの検出信号参照)。
【0076】
その一方、所定の時間間隔Trよりも短いインピーダンス整合動作の時間間隔Tmが所定の連続回数Crまで連続して発生すると、図4(b)に示すように、ステップS11からステップS12に移行し、ソフトアークの発生として検出されることになる(図4(b)の10回目のインピーダンス整合動作時のソフトアークの検出信号参照)。
【0077】
従って、本実施形態によれば、プラズマ処理システムにおいて、ソフトアークの発生を可及的に誤検出することなく確実に検出することができ、ユーザはプラズマ処理装置4におけるソフトアークの発生状況を比較的高い精度で把握することが可能になる。
【0078】
なお、上記実施形態では、ソフトアークの検出機能を高周波電源装置1の内部に設けたが、ソフトアークの検出装置を高周波電源装置1とは別体とし、高周波電源装置1の外部に設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本願発明に係るアーク検出装置が適用されるプラズマ処理システムの一例を示す図である。
【図2】アーク検出部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】プラズマ処理システムにおけるソフトアークの検出処理を示すフローチャートである。
【図4】インピーダンス整合動作の連続回数とソフトアークの検出動作との関係を示す図である。
【図5】従来の高周波電力供給システムの構成図である。
【符号の説明】
【0080】
1 高周波電源装置(高周波電力発生手段)
11 操作部(基準回数変更手段、時間間隔変更手段)
12 制御部(検出手段、インピーダンス整合手段)
13 メモリ
14 発振部
15 増幅部
16 パワー検出部
17 アーク検出部
171 タイマ制御部(整合動作間隔計測手段)
172 タイマ
173 カウンタ制御部(連続回数検出手段、判別手段、カウント制御手段)
174 判定部(アーク発生判定手段)
18 反射係数算出部
19 アーク処理部
3 インピーダンス整合器
4 プラズマ処理装置(プラズマ処理手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波電力を発生する周波数可変の高周波電力発生手段と、前記高周波電力発生手段から供給される高周波電力によりプラズマを発生させて被加工物に所定の加工処理を行うプラズマ処理手段と、前記高周波電力発生手段と前記プラズマ処理手段とのインピーダンスの不整合を検出する検出手段と、前記検出手段により前記インピーダンスの不整合が検出されると、前記高周波電力発生手段で発生される高周波電力の周波数を変化させて前記プラズマ処理手段とのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合手段とを備えるプラズマ処理システムのアーク検出装置であって、
前記インピーダンス整合手段によるインピーダンス整合動作の時間間隔を計測する整合動作間隔計測手段と、
前記整合動作間隔計測手段の計測結果を用いて、予め設定された所定の時間間隔よりも短い前記インピーダンス整合動作の時間間隔が連続する回数を検出する連続回数検出手段と、
前記連続回数検出手段により検出される連続回数を予め設定された基準回数と比較し、当該連続回数が基準回数を超えると、前記被加工物の加工品質に悪影響を与える微小なアークが発生したと判定してその判定結果を出力するアーク発生判定手段と、
を備えたことを特徴とするプラズマ処理システムのアーク検出装置。
【請求項2】
前記連続回数検出手段は、
前記整合動作間隔計測手段により計測される時間間隔のうち、前記所定の時間間隔よりも短い時間間隔をカウントするためのカウンタと、
前記整合動作間隔計測手段により計測される時間間隔が前記所定の時間間隔よりも短いか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、前記計測された時間間隔が前記所定の時間間隔よりも短いと判別されると、前記カウンタのカウント値を1だけ増加させ、前記計測された時間間隔が前記所定の時間間隔以上であると判別されると、前記カウンタのカウント値を零にリセットするカウント制御手段と、
からなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置において、前記基準回数を変更する基準回数変更手段を更に備えたことを特徴とするプラズマ処理システムのアーク検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置において、前記所定の時間間隔を変更する時間間隔変更手段を更に備えたことを特徴とするプラズマ処理システムのアーク検出装置。
【請求項5】
前記アーク判定手段により微小なアークが発生したとの判定結果が出力されると、その判定結果を報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ処理システムのアーク検出装置。
【請求項6】
前記アーク検出装置は、前記高周波電力発生手段の内部に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアーク検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−149597(P2007−149597A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345651(P2005−345651)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】