説明

プランジャポンプ装置

【課題】 簡単な構成により、脈動を抑制した連続運転が可能な2連式プランジャポンプを提供する。
【解決手段】 このプランジャポンプ装置は、一対のプランジャポンプ10を並列に接続したものである。各プランジャポンプ10のプランジャ14をそれぞれが交互に前進するように連動させるカム機構50と、各プランジャ14をその後退時にカム機構50に向けて押圧する流体圧装置60と、流体圧装置の動作をプランジャの動作サイクルに応じて制御する制御部80とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、薬液を連続的に定流量で吐出する目的で使用するために使用されるプランジャポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プランジャポンプは、例えば、シリンダ内の空間を仕切ってポンプ室を形成し、ポンプ室にはそれぞれ吸入弁と吐出弁を介して吸入配管と吐出配管を接続し、仕切板を所定の駆動手段によって往復動させるように構成されている。吸入時は、吸入弁を開、吐出弁を閉として、仕切板をポンプ室が拡大する方向に移動させ、吐出時は、吸入弁を閉、吐出弁を開として、仕切板をポンプ室が収縮する方向に移動させる。1台のプランジャポンプでは、図23(a)に示すように間欠運転になる。
【0003】
そこで、連続運転が必要な場合には、2台のプランジャポンプを並列に設置したものが用いられている。この装置では、図23(b)に示すように、吐出の切換を180度の周期で単純に切り換えている。しかしながら、このような従来の2連式プランジャポンプでは、切換時に吐出が一時途切れてしまい、脈動が生じる。この欠点を補うために各プランジャにモータを付けて協調制御するものもあるが、全体が大きくなりシステムも煩雑になってしまう。また3連式にして脈動を抑えるものもあるが、本体の大きさが大きくなってしまう。
【0004】
例えば、従来の2連式プランジャポンプでは、駆動の伝達手段として溝カムを用いているが、加工が難しい上に精度が出にくく、さらには前進と後退の切り換えの際のガタを小さくする必要が有る等の欠点が有る。一方、端面カムのようなオープンなカムでは、一方向の動作しかできないので、カムに向けてプランジャを付勢するバネを併用する必要が有る。しかしながら、この場合には、プランジャを押し出す際にバネに付勢力に対する抗力が必要なため、モータ負荷が大きくなる欠点があった。
【0005】
また、プランジャポンプにおいては、吸入と吐出を切り換える際に、流れの状態や弁体の動作が不安定になやすく、その結果として脈動が起こることがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、簡単な構成により、脈動を抑制した連続運転が可能な2連式プランジャポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のプランジャポンプ装置は、一対のプランジャポンプを並列に接続したプランジャポンプ装置において、前記各プランジャポンプのプランジャをそれぞれが交互に前進するように連動させるカム機構と、前記各プランジャをその後退時に前記カム機構に向けて押圧する流体圧装置と、前記流体圧装置の動作を前記プランジャの動作サイクルに応じて制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明においては、カム機構が各プランジャポンプのプランジャを交互に前進させ、一方、流体圧装置が各プランジャをカム機構に向けて押圧するので、プランジャはカム機構で位置決めされつつ前後進し、ポンプ動作を行う。流体圧装置の動作は、制御部によってプランジャの動作サイクルに応じて制御されるので、カム機構との不必要な干渉を排除することができる。
【0009】
請求項2に記載のプランジャポンプ装置は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、各プランジャの前進時において、前記流体圧装置による押圧を停止させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、各プランジャの前進時において、カム機構と流体圧装置との不必要な干渉が排除される。
【0010】
請求項3に記載のプランジャポンプ装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記一対のプランジャポンプはそれぞれ吐出動作の初期と終期において増速過程と減速過程をそれぞれ行い、一方の増速過程と他方の減速過程が互いに重なるようにタイミングが設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、一対のプランジャポンプの吐出量の総和が一定に維持される。
【0011】
請求項4に記載のプランジャポンプ装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記各プランジャポンプは、前進と後退の間に一定の停止過程を行なうことを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、各プランジャポンプが前進と後退の間に一定の停止過程を行なうので、各プランジャポンプにおける流れや弁の動作が安定してから次の動作が始められる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1ないし請求項4に記載のプランジャポンプ装置によれば、簡単な構成により、脈動を抑制した連続運転が可能な2連式プランジャポンプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の実施の形態の2連式のプランジャポンプ装置1を示す図であり、例えば、マイクロリアクタに薬液を連続的に定流量で吐出する目的で使用される。このプランジャポンプ装置1は、同一構造の一対のプランジャポンプ10から構成されている。各プランジャポンプ10は、シリンダ12と、シリンダ12内を摺動可能に設けられたプランジャ14と、これらを往復移動させる駆動手段とを有している。シリンダ12の内部には、この空間を2つに分割する隔壁16が設けられており、ここでは、一方(この図では右側)をポンプ空間18、他方(この図では左側)をアクチュエータ空間20と称する。
【0014】
各プランジャ14は、ポンプ空間18に配置された円板状のピストン22と、これに連結されたロッド24により構成され、ロッド24は、隔壁16およびアクチュエータ空間20の端部壁20aを挿通して、シリンダ12の外部へ突出している。ポンプ空間18は、ピストン22によって端部側のポンプ室26と隔壁16側のバッファ室28に区画され、ピストン22とシリンダ12の内壁との間にはシール構造が設けられている。ポンプ室26の端部壁26aには、吐出ポート30および吸込ポート32とが設けられ、これらはそれぞれ逆止弁34,36を介して吐出ライン38および流体タンク40につながる供給ライン42に接続されている。これにより、薬液等の流体は、プランジャ14の後退動作(図1において左への移動)によって吸込ポート32からポンプ室26に吸い込まれ、プランジャ14の前進動作(図1において右への移動)によって吐出ポート30から吐出されるようになっている。プランジャ14をはじめとする接液部の材質は、腐食性や浸食性の薬液を扱う場合には、それに対応することができることが好ましく、例えば、サファイヤ、ルビー、アルミナ、セラミック、SUS、ハステロイ、チタン等を適宜に用いる。
【0015】
このプランジャポンプ装置1には、2種類の駆動手段が設けられている。第1の駆動手段は、シリンダ12の外側に設けられたカム機構50であり、各プランジャポンプ10のプランジャ14を交互に前進させるように連動させる。このカム機構50は、カムシャフト52を一定速度で回転させる駆動モータ54と、カムシャフト52に一体に設置された一対の板カム56と、各プランジャ14のロッド24の外端部に設けられたローラ(カムフォロワ)58とから構成されている。板カム56は所定形状の外形を有しており、回転に伴ってローラ58との接触位置が変化することにより、ロッド24が所定の変位パターンで往復動作するようになっている。
【0016】
第2の駆動手段は、シリンダ12のアクチュエータ空間20に形成された流体圧装置60(エアシリンダ)である。すなわち、各ロッド24の中央部には圧力板62が設けられ、圧力板62と隔壁16の間に圧力空気室64を形成している。圧力空気室64には、圧力空気導入用のポート66が設けられ、これはソレノイド弁である空気制御弁68を介して圧力空気源70とドレン72に切り換え可能に接続されている。圧力板62とアクチュエータ空間20の端部壁20aとの間の空間は、端部壁近傍の開口74を介して外部空間に通じている。また、バッファ室28は、隔壁16近傍のポート76および空気制御弁68を介してドレン72に通じており、万一ピストン22とシリンダ12内壁の隙間から流体がリークした場合でも外部に流出しないようになっている。
【0017】
空気制御弁68は、ソレノイドが非励磁の状態の第1の切換位置では、図1において上側のプランジャポンプ10について示すように、圧力空気室64およびバッファ空間のいずれもドレン72に接続され、プランジャ14はニュートラルの状態となる。一方、ソレノイドが励磁状態の第2の切換位置では、図1において下側のプランジャポンプ10について示すように、圧力空気室64が圧力空気源70に接続され、バッファ空間はドレン72に接続された状態となる。従って、プランジャ14はポンプ室26を拡大する方向に(図1において左方向に)押される。このように、ピストン22と圧力空気室64、ソレノイド弁、および加圧空気源によって、一方向のみ動作するエアシリンダ60が構成されている。圧力空気源70の空気圧は例えば3〜5kg/cm程度に設定する。
【0018】
これらの2つの駆動手段を連動させて制御するために、制御部80が設けられている。カムシャフト52にはエンコーダが設けら、その出力は制御部80に入力されている。これによりカムシャフト52の回転位置情報、すなわち各プランジャ14の往復動作位置情報が制御部80に入力されるようになっている。制御部80は、このエンコーダ82により与えられるプランジャ14の往復動作位置情報に基づいて、空気制御弁68のソレノイドのオンオフを切り換え、エアシリンダ60の動作を制御する。
【0019】
以下、上記のように構成されたプランジャポンプ装置1の動作について説明する。
まず、1つのプランジャポンプ10の動作について説明する。図2において線Aは、カムシャフト52を一定回転速度で回転させた場合のプランジャ14の速度線図であり、横軸はカムシャフト52の回転角度を、縦軸はプランジャ14の速度(+は前進方向、−は後退方向)をそれぞれ示す。吐出量はプランジャ14の速度に比例するので、縦軸は吐出量をも表す。また、横軸は時間軸でもある。線Bはカム機構50によるプランジャ14の押圧状態を、線Cはエアシリンダ60のオンオフを、線Dはポンプ室26の容積変化を、それぞれ表す。
【0020】
回転角度0〜15度の範囲において、板カム56の当接面は一定の加速度で所定の値(定常吐出速度)まで速度を上昇させつつ前進し、以降は15〜180度の範囲においてその定常吐出速度で前進する。この間、空気制御弁68は非励磁の状態の第1の切換位置にあるので、プランジャ14はニュートラルであり、プランジャ14には線Bに示すように板カム56からの力だけが作用し、プランジャ14は、線Aに示すように前進して吐出動作を行う。さらに回転角度180〜195度の範囲において、プランジャ14は一定の比率で0まで速度を低下させた後、回転角度195〜210度の範囲において速度は0となり吐出動作は停止される。
【0021】
回転角度0〜210度の間においては、線Cに示すように、プランジャ14はニュートラルであり、カム機構50はプランジャ14がポンプ動作を行うだけの仕事をすれば良い。上記のように、吐出動作において増速過程(回転角度0〜15度)と減速過程(回転角度180〜195度)がちょうど180度ずれている。また、吐出の全工程は回転角度0〜195度の範囲で行われる。
【0022】
次に、回転角度210〜225度の範囲において、板カム56の当接面は一定の加速度で所定の値(定常吸込速度)まで速度を上昇させつつ後退する。一方、エンコーダ82が回転角度210度を検出した時に、制御部80は空気制御弁68のソレノイドを励磁し、空気制御弁68は第2の切換位置となって、圧力空気室64に圧力空気が送られる。この結果、エアシリンダ60が作動状態となって、プランジャ14をカム機構50に向けて押圧し、後退する板カム56に追随させて移動させる。エアシリンダ60の圧力はプランジャ14が流体の吸込動作を行うのに充分な値に設定されているので、プランジャ14により吸込動作が行われる。カム機構50の剛性やモータ54の駆動力はエアシリンダ60による押圧力に耐えられるように設定されており、プランジャ14後退時におけるカム機構50の位置決め機能が損なわれることはない。
【0023】
以降、回転角度225〜330度の範囲においてプランジャ14は定常吸込速度で後退して吐出動作を行う。さらに回転角度330〜345度の範囲において、プランジャ14は一定の比率で0まで速度を低下させた後、回転角度345〜360度の範囲において速度が0となり、吸込動作は停止される。図1から明らかなように、吸込の時間の方が吐出の時間より短いので、定常吸込速度は定常吐出速度より大きくなる。
【0024】
上記の工程において、吐出動作の後(回転角度195〜210度の範囲)と吸込動作の後(回転角度330〜345度の範囲)にそれぞれ停止過程を設けている。従って、吐出ポート30又は吸込ポート32の逆止弁34,36の閉動作が確実に行われてから、あるいはこの部分での流れが落ち着いてから次の吸込又は吐出の動作が始まるので、逆止弁34,36からの逆流等による脈動が防止される。
【0025】
次に、プランジャポンプ装置1の全体の動作を、図3を参照して説明する。なお、図3においては、各過程の比率は誇張されている。また、過程の説明は実線で示したプランジャポンプ10についてされている。
【0026】
2つのプランジャポンプ10は、共通のカムシャフト52に位相が180度異なるように取り付けられた2つの板カム56により駆動されている。つまり、これらの動作は位相が180度異なっている。プランジャポンプ装置1全体の吐出量は並列接続された各プランジャポンプ10の和となって、図3の2点鎖線で表される。先に説明したように、吐出動作において増速過程(回転角度0〜15度)と減速過程(回転角度180〜195度)がちょうど180度ずれており、これらにおける増速率と減速率が等しいので、これらのプランジャポンプ10の吐出量の和は一定となり、動作の切り換えの際に脈動が生じないようになっている。
【0027】
さらに、このプランジャポンプ装置1では、プランジャ14が常にカム機構50に接触しているので、板カム56の当接面によってプランジャ14が確実に位置決めされる。従って、吐出量が高い精度で制御され、この点でも、脈動を抑制することができる。
【0028】
また、カム機構50に対してプランジャ14を押しつけるために、オンオフ動作が可能な第2の駆動手段を用いているので、カム機構50による前進動作の際にはこれをオフにすることで、カム機構50の負荷を減らすことができる。従って、カム機構50の駆動装置であるモータ54等のアクチュエータのコストを低減させるとともに、これらの部材の当接部における摩擦を軽減して、長寿命を可能としている。
【0029】
図4は、この発明の他の実施の形態を示すもので、カム機構50Aが板カム56ではなく端面カム56Aを用いたものである。これの動作は、基本的に前述した実施の形態と同様なので、説明を省略する。
【0030】
以上、本発明のプランジャポンプ装置を具体例を挙げながら詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。例えば、流体圧装置の作動源としては、圧力空気ではなく、圧力液体でもよい。
【0031】
次に、上述した本発明の一実施形態に係るプランジャポンプ装置を組み込んだ流体反応装置について説明する。図5ないし図7(b)はこの流体反応装置の全体構成を示す図である。なお、以下に述べる流体反応装置は、2種類またはそれ以上の液体を混合し、反応させるために用いられる装置である。
【0032】
図5,図6,図7(a),および図7(b)に示すように、流体反応装置は、全体が1つの設置スペースに設置されてパッケージ化されている。この構成例では、この設置スペースは長方形であり、長手方向に沿って4つの領域に区画される。すなわち、一端側の第1の領域は、原料液を貯留する複数の貯留容器110(図5では2つの貯留容器110A,110Bのみを示す)が設置された原料貯留部101であり、それに隣接する第2の領域は、貯留容器110の原料液を移送する2連式プランジャポンプ装置1A,1Bが設置された配液部102となっている。第2の領域に隣接する第3の領域は、原料液を混同させる混合部(混合チップ)140および混合された原料液を反応させる反応部(反応チップ)142を有する処理部103となっている。他端側の第4の領域は、処理の結果得られた生成物を導出して貯留する生成物貯留部(回収容器設置スペース)104である。
【0033】
また、この流体反応装置は、各部の動作の制御を行うコンピュータである動作制御部106と、温度調整ケース146に熱媒体を流して処理部103の温度調整を行う熱媒体コントローラ107を備えている。また、動作制御部106には、図5に示すように、液体の流量と温度をモニタできる流量モニタ270および温度モニタ272が搭載されている。なお、この構成例では、動作制御部106と熱媒体コントローラ107は流体反応装置と別置きになっているが、勿論一体でも良い。図6に示すように、第2〜第4の領域の床下部分には配管室105が形成され、ここには混合部140および反応部142へ加熱又は冷却用の熱媒体を送るための配管が設けられている。
【0034】
このように、上流側から下流側へと各部を配置することによって液体の流れを円滑にし、かつ装置全体をコンパクトにまとめることができる。この構成例では、各部の配列を直線状にしたが、例えば、全体が正方形に近いスペースであれば、各部を液体の流れがループを形成するように構成してもよい。
【0035】
図6において、符号250は装置下部に設けられた液溜めパンであり、符号252は液溜めパン250上に設置された漏液センサを示す。またこの装置例では、配液部102、処理部103、生成物貯留部104は隔壁254,256により区画されており、各部にはカバー258,260,262が取り付けられて装置外部とこれらを隔離している。符号264は排気ポートであり、図示しない排気ファンに接続されている。そして、装置内の圧力を装置外より負とすることで装置内の有毒ガスが外部に漏出することを防いでいる。
【0036】
図5に示す原料貯留部101には、2つの貯留容器110A,110Bが設置されているが、必要に応じて3つまたはそれ以上の貯留容器を使用してもよい。例えば、同じ液体を2つの貯留容器に収容し、これらを交互に切り換えて用いることにより、処理を継続的に行うことができる。なお、原料貯留部101に、ライン洗浄用のアセトンなどの有機溶剤、塩酸、純水などが入った洗浄液容器112や、パージ用の窒素ガスが封入された圧力源114を設けてもよい。また、廃液容器136を原料貯留部101に置いてもよい。
【0037】
配液部(導入部)102には、貯留容器110A,110Bに輸送管121A,121Bを介して接続されたプランジャポンプ装置1A,1Bが設置されている。また、配液部102は、プランジャポンプ装置1A,1Bの下流側に配置された流量調整装置300A,300B、リリーフ弁122A,122B、圧力測定センサ124A,124B、流路切換弁126A,126B、および逆洗ポンプ130を有している。流路切換弁126A,126Bは、輸送管121A,121Bの他に、洗浄液容器112や、圧力源114にそれぞれ接続されている。逆洗ポンプ130は、混合部140や反応部142の流路内が生成物によって閉塞した場合に用いられる。逆洗ポンプ130は洗浄液を貯留する洗浄液容器112に接続され、さらに流路切換弁132を介して反応部142の出口に接続される。逆洗ポンプ130により移送される洗浄液は通常の流れと逆に流れる。すなわち、洗浄液は、反応部142の出口から混合部140の入口に向かって流れ、流路切換弁126A,126Bを経て廃液口134から図示しない配管を通って廃液貯留容器136に入れられる。
【0038】
逆洗ポンプ130は吐出圧力が高く、洗浄液に脈動を起こさせて生成物を除去することが可能なように1本ピストン型のポンプが好ましい。洗浄液としては、有機溶剤、塩酸、硝酸、りん酸、有機酸、純水などが好適に用いられる。有機溶剤の例としては、アセトン、エタノール、メタノールなどが挙げられる。図5に示す導入口240は、外部から純水や水素水を導入する場合に設けられたもので、洗浄液容器112内の洗浄液の代わりに洗浄に使用できる。
【0039】
図8は、原料液の予備加熱(予備温度調整)と混合を行うための混合部140を示すもので、3枚の薄板状の基材である上板144a、中板144b、下板144cが接合されて全厚さ5mmの混合部140が形成されている。なお、以下に説明する流路はいずれも中板144bの表面に形成された溝である。上板144aを貫通して形成された2つの流入ポート147A,147Bは、中板144bの上面に形成されたそれぞれ2つの予備加熱流路148A,148Bに連通する。これらの予備加熱流路148A,148Bはそれぞれ途中で分岐しかつそれぞれ拡大し、再度合流する。さらに、予備加熱流路148A,148Bはそれぞれ出口流路150A,150Bに連通し、これらの出口流路150A,150Bは合流部152に通じている。出口流路150Aは、中板144bの上面に、出口流路150Bは中板144bの下面に形成されている。
【0040】
図9は図8に示す合流部の拡大図である。図9に示すように、合流部152は、出口流路150A,150Bに通じる円弧状の溝として中板144bの上下面にそれぞれ形成されたヘッダ部154,155と、このヘッダ部154,155から円弧の中心に向かって延びる複数の分液流路156,157と、これらの分液流路156,157が合流する合流空間158とを有している。分液流路156,157と合流空間158は中板144bの上面に形成され、分液流路156,157は交互に配置されている。下面側のヘッダ部155と分液流路157とは、中板144bを貫通する連絡孔157aにより連通している。合流空間158は、下流側に向けて幅が徐々に小さくなるように形成され、中板144bおよび下板144cを貫通して形成された流出ポート160に連通している。
【0041】
図9に示す例では、合流空間158の入口側の開口面159において分液流路156が5本、分液流路157が4本、交互に配置されている。分液流路156,157からそれぞれ流出した2種類の液体は、合流空間158内で縞状の流れを形成しつつ下流側に流れ、合流空間158の流路幅が徐々に縮小するに従い、強制的に両液が混合される。この例では、合流空間158の流路幅は最終的に40μmに達する。加工技術精度を上げれば、流路幅を10μmにすることも可能である。
【0042】
図10(a)は図5に示す反応部を示す平面図、図10(b)は図10(a)に示す反応部の断面図である。この例では、2枚の基材144d,144eが接合されて厚さ5mmの反応部142が構成されている。この反応部142では、反応流路162が蛇行しており、長い流路を効率的に提供している。反応流路162は、入口ポート164および出口ポート165にそれぞれつながる連絡部162a,162cと、連絡部162a,162cに連通する蛇行部分162bとを有しており、連絡部162a,162cの幅は狭く、蛇行部分162bの幅が広く形成されている。したがって、出入口部分では液体が急速に流れ、副生成物の付着を防止しており、蛇行部分162bでは緩やかに流れて、加熱と反応の時間を長く取ることができるようになっている。
【0043】
図11(a)および図11(b)に示すのは、反応流路の幅が除々に小さくなる部分163aと除々に大きくなる部分163bを持つ反応部の他の構成例である。この反応部142aには、基材144d,144eの間に、幅寸法が最大aから最小bの範囲で増減する反応流路163が形成されている。幅寸法の増減に合わせ、深さを増減させてもよい。この例では、反応流路163の断面積が一定になるよう深さが最大cから最小dの範囲で変化するようになっている。
【0044】
図11(c)は、反応流路の他の構成例を示す横断面図である。この反応部142bでは、反応流路163cは、その幅eが深さfより大きい扁平形状を有しており、熱触媒からの熱の伝達方向(矢印で表示)に交差する広い伝熱面を有するので、反応流路163c内の液体に熱の伝達が有効に行われる。なお、合流空間158や反応流路162,163に、適当な触媒を配置することは反応を促進するために有効である。このような触媒は反応の種類に応じて選択される。配置の仕方は、例えば、流路の内面に塗布したり、後述するような流路の障害物として配置することができる。
【0045】
混合部140および反応部142の少なくとも流路を形成する素材としては、例えば、SUS316、SUS304、Ti、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス等の硬質ガラス、PEEK(polyetheretherketone)、PE(polyethylene)、PVC(polyvinylchloride)、PDMS(Polydimethylsiloxane)、Si、PTFE(polytetrafluoroethylene)、PCTFE(PolyChloroTriFluoroEthylene)の内から、耐薬品性、耐圧性、熱伝導性、耐熱性等を考慮して、好ましいものを選択する。混合部140および反応部142の接液部の材質は、表面からの溶出が少なく表面触媒修飾が可能で、ある程度の耐薬品性を持ち、−40〜150℃の広い温度範囲に耐えるものが望ましい。
【0046】
図12は、混合部および反応部の温度を調整する温度調整ケースの構成を示す斜視図である。なお、以下の説明では、反応部142の温度を調整する温度調整ケース146についてのみ述べるが、混合部140のための温度調整ケース146も同様の構成を有しており、その重複する説明を省略する。温度調整ケース146は、内部に反応部142を収容する空間170が形成されたケース本体172と該空間170を覆う蓋部174とを備えており、これらの内面には、平行に延びる複数の熱媒体流路を構成する溝176が形成されている。ケース本体172には、溝176に連通する給液路178と排液路180(図5参照)が形成され、これらの給液路178と排液路180はそれぞれ熱媒体コントローラ107に接続されている。給液路178は、蓋部174の溝176に開口179を介して連通し、排液路180も蓋部174の溝176に図示しない開口を介して連通している。この例では、溝176を流れる熱媒体は反応部142の表裏面に直接接触し、反応部142は温度調整ケース146に完全に収容された状態で加熱(または冷却)される。
【0047】
図示しないが、熱媒体コントローラ107には、熱媒体の温度を制御する制御機構と熱媒体を移送するポンプが内蔵されている。図5に示すように、熱媒体は熱交換器182を通過後、混合部140および反応部142の温度調整ケース146に供給されるようになっている。熱交換器182は例えば冷却用の市水の量を変えることで混合部140および反応部142に供給される熱媒体の温度を独立に変えられるようになっている。
【0048】
図13(a)ないし図13(d)には、温度調整ケース146の他の例が示されており、ここでは、熱媒体流路192はケース本体172と蓋部174のそれぞれの内部に形成されている。給液路178は、図13(c)に示すように、給液配管188の先端が挿入された二重管の構成となっており、細い連通路190を介して熱媒体流路192に連通している。排液側も同様の構成である。図13(b)に示すように、混合部140を収容する温度調整ケース146と反応部142を収容する温度調整ケース146とは、ボルト194、ナット195およびスペーサ196を介して積層して結合されている。
【0049】
図13(b)には、温度調整ケース146に収容された混合部140および反応部142への液体の供給・排出の経路が示されている。すなわち、それぞれの液体は、温度調整ケース146を貫通して形成された流通路198を介して混合部140へ流出入する。また、混合部140と反応部142との間の液体の流通は、温度調整ケース146の流通路198を連絡する連絡通路200を介して行う。図13(d)には、反応部142の液の流入部と流出部の構造が説明されている。液の流れを下方向へ向かわせるために、通常は混合部140および反応部142の液の入口は上面に、出口は下面にそれぞれ形成する。
【0050】
図5に示すように、反応部142の流出口202は、回収配管204を介して生成物貯留部104に接続されている。生成物貯留部104には、冷却用の熱交換器206、流路切換弁132の下流側に回収容器208が設けられている。回収容器208が置かれる生成物貯留部104は、他の領域から温度等の影響を受けないように、また生成物から発生する可能性のある有毒ガスが外部に漏洩しないように隔離されている。
【0051】
図14は、生成物貯留部104の他の構成例を示すもので、複数の回収容器208が回転テーブル212上に設置されている。この例では、回収容器208は2個であり、回転テーブル212を移動させるアクチュエータ214は180度回転型ロータリーアクチュエータである。勿論、回収容器208の数やアクチュエータ214の種類は適宜に選択可能である。図5に示す動作制御部106は、回収容器208の液面を検知する液面検知センサ211bからの信号により、回収容器208の交換時期を判断し、流路切換弁132(図5参照)により液流を止め、回収口210の下流に設けた光学的流体検知センサ211aにより液流の停止を確認して、アクチュエータ214を作動させて他の回収容器208を回収口210の下方に移動させる。
【0052】
次に、上記のように構成された流体反応装置により、薬液等の液体(原料液)を反応させる工程について説明する。なお、流体反応装置の動作は基本的に動作制御部106によって自動制御される。まず、原料貯留部101において、原料液を貯留した貯留容器110A,110Bに用意しておく。熱媒体コントローラ107により熱媒体の温度を設定し、熱交換器182を通過させる市水の量を調整して各熱媒体の温度をそれぞれ調整し、混合部140および反応部142の温度調整ケース146へ熱媒体を流通させてこれらを所定の温度に維持する。熱媒体の温度は、温度調整ケース146の入口に設けた温度センサ216,218により測定される。
【0053】
この例では、原料液を処理部103に供給する前に、混合部140および反応部142内の流路に純水等の洗浄液を流して予め洗浄する。流路を洗浄している間、洗浄液の温度を混合部140の出口の温度センサ220および反応部142の出口の温度センサ222で測定し、洗浄液の温度を熱媒体コントローラ107にフィードバックする。このようにして、混合部140および反応部142を所定の温度に調整する。
【0054】
混合部140および反応部142の温度が調整され、流路の洗浄を終えてから、流路切換弁132を切り換え、プランジャポンプ装置1A,1Bを駆動して、貯留容器110A,110B内の原料液をそれぞれ移送する。原料液は、流量調整装置300A,300Bにより所定の流量に調整され、その後、混合部140、反応部142、流出口202、回収口210を経て回収容器208に至る。なお、流路切換弁132はアクチュエータにより作動する自動弁としており、この動作は自動運転も可能である。
【0055】
混合部140においては、原料液は予備加熱流路148A,148B(図8参照)において所定の温度に加熱された後、合流部152において合流し、混合する。その際、各液は、図9に示すように、ヘッダ部154,155から分液流路156,157を経由して合流空間158に流入する。合流空間158の断面は下流へ向かうに従い徐々に減少するので、マイクロサイズの流れが規則的に混在し、フィックの法則に則って迅速に混合する。その状態で、所定の温度に維持された反応部142の反応流路162に流入すると、反応は、物質移動や熱伝導の制約を受けずに迅速に進行する。したがって、量産手段として充分実用的であるとともに、反応速度の早い爆発性の反応でも低温下で行う必要がなくなる。また、この例では、反応流路162の幅が合流空間158の幅に比べて充分広く形成されているので、反応速度が遅い場合でも充分な時間をかけて行うことができ、高い収率を得ることができる。
【0056】
得られた生成物は、反応流路162の流出口202から回収配管204を経由して熱交換器206に送られ、ここで冷却されて、回収口210より回収容器208に流入する。貯留容器110A,110Bが空になったり、回収容器208が満杯になったら、動作制御部106によりプランジャポンプ装置1A,1Bの運転を停止させて処理を終了させる。この場合、貯留容器110A,110Bの他に、追加の貯留容器を原料貯留部101に予め用意しておけば、流路切換弁126A,126Bを切り換えることにより、運転を停止させることなく連続的な処理が可能である。なお、反応に時間が掛かる場合には、混合部140および反応部142内に液を一定時間閉じ込めてバッチ運転することも可能である。流路切換弁126A、126Bも自動弁であるのでこれらの動作は自動運転も可能である。
【0057】
バッチ運転の方法は、プランジャポンプ装置1A,1Bを一時停止してもよいし、流路切換弁126A,126Bを切り換えて、処理部103への液体の流入を停止させてもよい。これにより、液体の反応時間が長い場合でも反応流路162の長さを長くする必要がなくなる。バッチ運転の際は、合流空間158および/または反応流路162に液体が充満されたことを検知する充満検知手段を用いて運転制御を行うことが好ましい。これは、例えば、図14に示すような光学的流体検知センサが用いられる。これにより、合流空間158および/または反応流路162に液体が充満されたと判断した時点で、プランジャポンプ装置1A,1Bを停止させまたは第1の流路切換弁を切り換え、液体を反応終結時間に適応する一定時間合流空間158および/または反応流路162に滞留させておく。
【0058】
図15(a)および図15(b)は、混合部140における合流部の他の構成例を示すものである。この合流部152aは、Y字状の合流空間158aに、障害物224を一定間隔aで所定の距離Lに亘って配置したものである。この例では、直径50μm以下である柱状の障害物224を、合流点からL=5mmに亘って配置した。図15(b)に示すように、各障害物224は隣接するものが流れ方向にピッチの半分だけずれるように、千鳥状に配置されている。これによって液体Aおよび液体Bの界面125が蛇行するので2つの液体の界面面積(接触面積)を大きくすることができる。図16に示す合流部152bでは、合流空間158bの中央部に一列の障害物224を流れ方向に沿って千鳥状に配置したもので、同様に界面面積を大きくすることができる。これは、狭い合流空間158bで採用するのに好適である。
【0059】
図17は、流体反応装置の処理部103の他の構成例を示すものである。これは、図5の処理部103において、混合部140と反応部142との組み合わせをそれぞれ有する2系統R1,R2設け、さらに配液部102の流路切換弁126A,126Bを用いて2種類の原料液をいずれの系統R1,R2にも供給可能にしたものである。このように、2系統を用いることで、必要に応じて処理量を増やすことができるが、その他にも種々の使用方法が有る。例えば、反応生成物が固体粒子を析出しやすく、配管途中で詰まりやすい場合などでは、一方の系統を予備として使用する。また、流路切換弁126A,126Bで移送ラインを交互に切り換えて、上述したバッチ運転を連続的に行うことができる。勿論、3系統以上の移送ラインを適宜に並列して設けることができる。この場合も流路切換弁126A,126Bは自動操作が可能である。
【0060】
図18は、処理部103において反応部を複数直列に配置した例を示す。この例では、1つの混合部140と3つの反応部142a,142b,142cが直列に接続されており、それぞれに温度センサ220,222a,222b,222cが設けられている。この例では、反応の段階に応じて反応部142a,142b,142cを独立して温度制御することが可能となっている。この構成は、生化学反応のように反応時間と反応温度を大胆に且つ瞬時に変化させたい反応に適している。たとえば反応部142aでは100℃で反応させ、反応部142bでは−20℃で反応させるというような反応もこのシステムでは可能になる。
【0061】
図19は、処理部103において混合部を複数設けた例である。この構成例では、A液とB液を混合し反応させる第1の混合部140および反応部142が設けられ、この反応部142の下流側に第2の混合部140aが設けられている。この混合部140aではプランジャポンプ116Cから輸送された第3の原料液または反応剤であるC液がA液とB液と合流し、混合する。これらの2つの混合部140,140aと1つの反応部142の温度は個別に制御される。なお、C液は反応停止剤でもよい。
【0062】
この構成例では、インライン収率評価器226が第2の混合部140aの流出口202に直接接続されている。これにより、化学反応の結果の収率をリアルタイムで確認でき、直ぐにプロセスパラメータへフィードバックすることが可能となる。インライン収率評価器226としては、被測定物を分離せずに測定可能な方法として赤外分光、近赤外分光、紫外吸光等の方法がある。
【0063】
この構成例では、さらに、反応生成物の中から不要な物質と必要な物質を分離する分離抽出部228が第2の混合部140aの下流側に設けられている。図示するように、分離抽出部228は、Y字形の分離流路234を有している。第2の混合部140aからの液体は分離流路234により2つの流れに分岐され、1つは物質内の疎水性分子のみを通過させる疎水性壁面230から形成された流路に、他方は物質内の親水性分子のみを通過させる親水性壁面232から形成された流路に流れ込む。分離した物質は、それぞれ回収配管204,204aを介して回収容器208,208aに回収される。分離抽出部228としては、その他に、疎水性物質だけを吸着可能な膜やポーラスフリットを使用することも考えられる。
【0064】
図20は、混合・反応と分離抽出を繰り返して連続処理するための構成例である。すなわち、A液とB液を処理する混合部140a、反応部142a、および分離抽出部228aが上流側に配置され、分離抽出部228aから抽出された液体とC液を処理する混合部140b、反応部142b、および分離抽出部228bが下流側に配置されている。A液とB液が反応した後の不要物質は分離抽出部228aの排出口234aから系外に出され、C液を加えた第2の反応における不要物質は分離抽出部228bの排出口234bから系外に出される。さらに、分離抽出部228bから抽出された液体と第4の液であるD液を混合させる混合部140cが設けられている。なお、D液は反応停止剤でもよく、他の原料溶液でも良い。混合部140cの下流側にインライン収率評価器226を設けても良い。
【0065】
図21(a)には、図20の各部を積層化した構成が示されている。液体は下方へ流れる。混合部140a、反応部142a、分離抽出部228a、混合部140b、反応部142b、分離抽出部228b、および混合部140cは、温度調整ケース146にそれぞれ収容され、さらにボルト194、ナット195、スペーサ196によって所定の間隔をおいて積層化されている。各部間の液の移動は連絡通路200(図8(b)参照)を介して行われる。各部の間には空気を介在させ、空気の断熱性を利用して他の部の熱影響を受けないようにして、温度制御の精度を向上させている。図21(b)に示すように、各温度調整ケース146の周りを気泡を含んだクリーンなシリコン部材236等の断熱材で覆うのが好ましい。
【0066】
この流体反応装置に導入される流体は液体、気体であり、回収される物質は液体、気体、固体またはこれらの混合体である。導入物質が粉体などの固体の場合は原料貯留部101に粉体溶解器を設置することも可能である。図22は、2つの原料液のうち、一方が粉体を溶解した溶液、他方は元々液体の場合の原料貯留部101の構成例である。原料の粉体と溶媒は粉体溶解器240の原料導入口242から導入される。この例では、原料粉体をヒータ244による加熱と攪拌器246による攪拌によって溶解し、生成した原料液を、取出し口148に引き込まれた配管249より、プランジャポンプ116Aによって、混合部140および反応部142に送り込むようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の第1の実施の形態のプランジャポンプ装置を示す(a)全体図、(b)要部を示す図である。
【図2】1つのプランジャポンプの各部の動作を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態のプランジャポンプ装置の動作を示す図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態のプランジャポンプ装置を示す図である。
【図5】流体反応装置の全体を示す模式図である。
【図6】図5の流体反応装置の全体の構成を示す斜視図である。
【図7】図7(a)は図5の流体反応装置の全体の構成を示す平面図、図7(b)は正面図である。
【図8】図8(a)は混合部の構成を示す平面図、図8(b)は断面図である。
【図9】混合部の合流部を拡大して示す図である。
【図10】図10(a)は反応部の構成を示す平面図、図10(b)は断面図である。
【図11】図11(a)は反応部の他の構成を示す縦断面図、図11(b)は図11(a)におけるXVIII-XVIII線断面図、図11(c)は反応部のさらに他の構成を示す横断面図である。
【図12】温度調整ケースの構成を示す斜視図である。
【図13】図13(a)は処理部の平面断面図、図13(b)は側面断面図、図13(c)は図13(a)の部分拡大図、図13(d)は図13(b)の部分拡大図である。
【図14】生成物貯留部の他の構成を示す図である。
【図15】図15(a)は合流部の他の構成を示す平面図、図15(b)は図15(a)の要部を拡大して示す図である。
【図16】合流部のさらに他の構成を示す平面図である。
【図17】流体反応装置の他の構成を示す模式図である。
【図18】流体反応装置の他の構成を示す模式図である。
【図19】流体反応装置の他の構成を示す模式図である。
【図20】流体反応装置の他の構成を示す模式図である。
【図21】図20の処理部の構成を示す斜視図である。
【図22】流体反応装置の他の構成を示す模式図である。
【図23】(a),(b)はそれぞれ従来のプランジャポンプの動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0068】
1 プランジャポンプ装置
10 プランジャポンプ
12 シリンダ
14 プランジャ
16 隔壁
22 ピストン
24 ロッド
26 ポンプ室
28 バッファ室
30 吐出ポート
32 吸込ポート
34,36 逆止弁
50 カム機構
54 モータ
56 板カム
56A 端面カム
58 ローラ(カムフォロワ)
60 エアシリンダ(流体圧装置)
62 圧力板
64 圧力空気室
68 空気制御弁
70 圧力空気源
72 ドレン
80 制御部
82 エンコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のプランジャポンプを並列に接続したプランジャポンプ装置において、
前記各プランジャポンプのプランジャをそれぞれが交互に前進するように連動させるカム機構と、
前記各プランジャをその後退時に前記カム機構に向けて押圧する流体圧装置と、
前記流体圧装置の動作を前記プランジャの動作サイクルに応じて制御する制御部とを有することを特徴とするプランジャポンプ装置。
【請求項2】
前記制御部は、各プランジャの前進時において、前記流体圧装置による押圧を停止させることを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ装置。
【請求項3】
前記一対のプランジャポンプはそれぞれ吐出動作の初期と終期において増速過程と減速過程をそれぞれ行い、一方の増速過程と他方の減速過程が互いに重なるようにタイミングが設定されていることを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ装置。
【請求項4】
前記各プランジャポンプは、前進と後退の間に一定の停止過程を行なうことを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2007−113432(P2007−113432A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303849(P2005−303849)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】