説明

プリント配線板及びその製造方法

【課題】十分な生産効率を確保しながら、良好な電気特性を有する導体パターンを形成する。
【解決手段】プリント配線板の製造方法が、30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層を形成すること(ステップS11)と、絶縁樹脂層上に導体を形成すること(ステップS12)と、レーザ光を導体に照射することによって、導体を分断し又は導体の幅を細くすることで絶縁樹脂層上に導体パターンを形成すること(ステップS14)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁樹脂層上に導体パターンを有するプリント配線板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、セラミック基板上の導体膜にYAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ光を照射して、その導体膜を分断する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−102695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるプリント配線板の製造方法においては、YAGレーザやエキシマレーザを用いる。セラミック基板に代えて、樹脂基板を用いた場合、これらのレーザにより基板上の導体層をパターニングすると、以下の課題が生じ得る。YAGレーザは、銅への吸収率が約10%と低い。このため、十分な生産効率が得られないことが懸念される。また、エキシマレーザは、銅への吸収率と樹脂への吸収率との両方が70%以上と高い。このため、導体パターン下の樹脂に亀裂が生じたり、樹脂が炭化してショート(異常な導通)を引き起こしたりすることが懸念される。各材料へのレーザ光の吸収率は分光光度計により測定される値である。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、十分な生産効率を確保しながら、良好な電気特性を有する導体パターンを形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るプリント配線板の製造方法は、30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層を形成することと、前記絶縁樹脂層上に導体を形成することと、レーザ光を前記導体に照射することによって、前記導体を分断又は前記導体の幅を細くすることで前記絶縁樹脂層上に導体パターンを形成することと、を含む。
【0007】
前記絶縁樹脂層上の前記導体を構成する材料は、銅である、ことが好ましい。
【0008】
前記レーザ光の銅への吸収率が30〜65%の範囲にある、ことが好ましい。
【0009】
前記無機フィラーは、シリカ系フィラーである、ことが好ましい。
【0010】
前記レーザ光のシリカへの吸収率が20%以下である、ことが好ましい。
【0011】
前記絶縁樹脂層上の前記導体を構成する材料への前記レーザ光の吸収率は、前記無機フィラーへの前記レーザ光の吸収率よりも大きい、ことが好ましい。
【0012】
前記無機フィラーが前記レーザ光のストッパとして機能する、ことが好ましい。
【0013】
前記絶縁樹脂層上の前記導体の厚さは、5〜20μmの範囲にある、ことが好ましい。
【0014】
前記絶縁樹脂層上の前記導体は、金属箔である、ことが好ましい。
【0015】
前記絶縁樹脂層上の前記導体は、少なくとも無電解めっき膜と電解めっき膜とを含む、ことが好ましい。
【0016】
前記レーザ光は、350〜600nmの範囲にある波長を有する、ことが好ましい。
【0017】
前記レーザ光の照射では、YAGレーザ、YVOレーザ、アルゴンイオンレーザ、半導体レーザ、及び銅蒸気レーザのいずれかを光源とする、ことが好ましい。
【0018】
前記レーザ光は、YAGレーザ又はYVOレーザの第2高調波である、ことが好ましい。
【0019】
前記導体パターン間の空隙の幅は、20μm以下である、ことが好ましい。
【0020】
前記導体パターンの幅は、20μm以下である、ことが好ましい。
【0021】
前記無機フィラーの50wt%以上が、球形フィラーである、ことが好ましい。
【0022】
前記無機フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上かつ10μm以下である、ことが好ましい。
【0023】
前記無機フィラーの含有率は、50wt%以上である、ことが好ましい。
【0024】
前記絶縁樹脂層は、熱硬化性樹脂からなる、ことが好ましい。
【0025】
前記レーザ光の照射によって、前記絶縁樹脂層の少なくとも表面は削られる、ことが好ましい。
【0026】
さらに、前記絶縁樹脂層と前記導体パターン上に絶縁層を形成することを含む、ことが好ましい。
【0027】
本発明の第2の観点に係るプリント配線板は、30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層上に導体を形成し、レーザ光を該導体に照射することによって形成された導体パターンと、を有する。
【0028】
前記レーザ光の照射により前記絶縁樹脂層上の前記導体が部分的に除去されて形成される孔又は溝の、前記絶縁樹脂層側の開口の幅は、他側の開口の幅よりも小さい、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、十分な生産効率を確保しながら、良好な電気特性を有する導体パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】本発明の実施形態1に係るプリント配線板の製造方法により製造されるプリント配線板の第1の例を示す図である。
【図1B】本発明の実施形態1に係るプリント配線板の製造方法により製造されるプリント配線板の第2の例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るプリント配線板の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】絶縁層を準備する工程を説明するための図である。
【図4】絶縁層上に導体膜を形成する工程を説明するための図である。
【図5A】導体膜の構造の第1の例を示す図である。
【図5B】導体膜の構造の第2の例を示す図である。
【図5C】導体膜の構造の第3の例を示す図である。
【図6A】導体膜をパターニングするためのレーザ照射工程を説明するための図である。
【図6B】図6AのA−A断面図である。
【図7】レーザ(厳密にはその照準)を移動させる場合の条件の一例を説明するための図である。
【図8】各材料について、レーザの波長と吸収率との関係を示すグラフである。
【図9】レーザ照射工程においてフィラーがストッパとして機能する様子を示す図である。
【図10A】本発明の実施形態1に係るプリント配線板の製造方法により形成される導体パターンの一例を示す図である。
【図10B】図10AのA−A断面図である。
【図11】本発明の実施形態1に係る配線板の光学カラー写真をモノクロ化した図である。
【図12】本発明の実施形態1に係る配線板のSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。
【図13】異なる4つの無機フィラーを含む絶縁層に、それぞれグリーンレーザを照射した結果を示す図である。
【図14】本発明の実施形態2に係るプリント配線板の製造方法により製造されるプリント配線板の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態2に係るプリント配線板の製造方法を示すフローチャートである。
【図16A】コア基板を製造する第1の工程を説明するための図である。
【図16B】コア基板を製造する第2の工程を説明するための図である。
【図16C】コア基板を製造する第3の工程を説明するための図である。
【図16D】コア基板を製造する第4の工程を説明するための図である。
【図17A】第1層について、プレス工程を説明するための図である。
【図17B】第1層について、レーザ照射工程を説明するための図である。
【図18A】第2層について、プレス工程を説明するための図である。
【図18B】第2層について、レーザ照射工程を説明するための図である。
【図19】本発明の実施形態3に係るプリント配線板の製造方法を示すフローチャートである。
【図20A】プレス工程を説明するための図である。
【図20B】穴あけ工程を説明するための図である。
【図20C】めっき工程を説明するための図である。
【図21】本発明の実施形態4に係るプリント配線板の製造方法を示すフローチャートである。
【図22A】エッチング工程を説明するための図である。
【図22B】レーザ照射工程を説明するための図である。
【図23】本発明の実施形態5に係るプリント配線板の製造方法によりファイン化される前の導体パターンを示す図である。
【図24】レーザ照射工程を説明するための図である。
【図25A】ファイン化された導体パターンの一例を示す図である。
【図25B】図25AのA−A断面図である。
【図26A】導体パターンの第1の別例を示す図である。
【図26B】図26AのA−A断面図である。
【図27】導体パターンの第2の例を示す図である。
【図28】導体パターンの第3の例を示す図である。
【図29】レーザ光の照射部位に窪みが形成されない例を示す図である。
【図30】絶縁層の表層部にフィラー層を有する配線板の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図中、矢印Z1、Z2は、それぞれ配線板の主面(表裏面)の法線方向(又はコア基板の厚み方向)に相当する配線板の積層方向を指す。一方、矢印X1、X2及びY1、Y2は、それぞれ積層方向に直交する方向(配線板の主面に平行な方向)を指す。配線板の主面は、X−Y平面となる。また、配線板の側面は、X−Z平面又はY−Z平面となる。
【0032】
実施形態では、相反する法線方向を向いた2つの主面を、第1面(Z1側の面)、第2面(Z2側の面)という。すなわち、第1面の反対側の主面が第2面であり、第2面の反対側の主面が第1面である。積層方向において、コアに近い側を下層(又は内層側)、コアから遠い側を上層(又は外層側)という。
【0033】
導体パターンは、任意のパターンを有する導体(導体層)であり、導体回路を構成する配線(グランドも含む)、パッド、又はランド等を含む場合もあれば、導体回路を構成しないベタパターン等である場合もある。また、電子部品や他の配線板を内蔵する配線板では、その電子部品の電極や他の配線板のパッドも、導体パターンに含まれる。絶縁層には、層間絶縁層のほか、ソルダーレジスト等も含まれる。
【0034】
めっきとは、金属や樹脂などの表面に層状に導体(例えば金属)を析出させることと、析出した導体層(例えば金属層)をいう。めっきには、電解めっきや無電解めっき等の湿式めっきのほか、PVD(Physical Vapor Deposition)やCVD(Chemical Vapor Deposition)等の乾式めっきも含まれる。
【0035】
レーザ光は、可視光に限られない。レーザ光には、可視光のほか、紫外線やX線等の短い波長の電磁波や、赤外線等の長い波長の電磁波も含まれる。各材料へのレーザ光の吸収率は分光光度計により測定される値である。
【0036】
面に形成されるラインパターン(面上の配線又は面下の溝など)に関しては、ラインと直交する方向のうち、形成面と平行な方向の寸法を「幅」といい、形成面と直交する方向の寸法を「高さ」又は「厚さ」又は「深さ」という。また、ラインの一端から他端までの寸法を「長さ」という。ただし、他の寸法を指すことを明記している場合は、この限りでない。
【0037】
(実施形態1)
本実施形態において製造される配線板100は、例えば図1Aに示すような多層プリント配線板(両面リジッド配線板)である。
【0038】
配線板100は、基板200(コア基板)と、絶縁層101〜104(層間絶縁層)と、ソルダーレジスト105、106と、導体パターン113〜116と、を有する。基板200は、絶縁層100aと、導体パターン111、112と、を有する。本実施形態では、導体パターン111〜116の各々が、導体回路として機能する。また、各導体パターンは、層間絶縁層に形成された孔内の導体(例えばビア導体又はスルーホール導体など)によって相互に電気的に接続される。配線板100の片面又は両面に他の配線板や電子部品等が実装されることで、配線板100は、例えば携帯電話等の回路基板として使用することができる。
【0039】
配線板100は、例えば基板200に、絶縁層101〜104と、導体パターン113〜116と、を交互にビルドアップした後、最外層にソルダーレジスト105、106を設けることで、製造することができる。
【0040】
後述の図6A〜図10Bに示すパターニング方法は、外層の導体パターン116(領域R11)に適用してもよく、また、内層の導体パターン114(領域R12)に適用してもよく、さらにはコア基板の導体パターン112(領域R13)に適用してもよい。
【0041】
基板200は、例えば後述の図3〜図10Bの工程により製造することができる。その他、基板200として、両面銅張積層板を用いてもよい。絶縁層101〜104は、例えば樹脂フィルム(半硬化状態の接着シート)を用いた真空ラミネートにより、形成(積層)することができる。絶縁層101〜104及び導体パターン113〜116は、例えば後述の図3〜図10Bの工程により製造することができる。その他、例えばパネルめっき法、パターンめっき法、フルアディティブ法、セミアディティブ(SAP)法、サブトラクティブ法、及びテンティング法のいずれか1つ、又はこれらの2以上を任意に組み合わせた方法で、導体パターン113〜116を形成することもできる。ソルダーレジスト105、106は、例えばスクリーン印刷、スプレーコーティング、ロールコーティング、又はラミネート等により形成することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るプリント配線板の製造方法により、図1Bに示すような、基板200(コア基板)を有さない多層プリント配線板(両面リジッド配線板)を製造することもできる。図1Bの例では、導体パターン110を基準(コア位置)にして、第1面側に、2層の絶縁層101、103及び2層の導体パターン113、115が交互に積層され、第2面側に、2層の絶縁層102、104及び2層の導体パターン114、116が交互に積層されている。そして、第1面側の最外層(絶縁層103及び導体パターン115)は、ソルダーレジスト105で覆われ、第2面側の最外層(絶縁層104及び導体パターン116)は、ソルダーレジスト106で覆われている。
【0043】
上記配線板100、特に領域R11〜領域R13に示した構造(図1A又は図1B)は、例えば図2に示すような方法で製造される。
【0044】
まず、ステップS11で、図3に示すように、絶縁層10を準備する。絶縁層10は、絶縁樹脂層である。
【0045】
ここで、絶縁層10は、フィラー10aと、樹脂10bと、を含む。絶縁層10は、樹脂10bにフィラー10aを配合することによって、形成することができる。本実施形態では、フィラー10aを、絶縁層10の略全体に概ね均一に分散させている。ただしこれに限定されず、絶縁層10の表層部だけに、フィラー10aが埋め込まれていてもよい(後述の図30参照)。
【0046】
本実施形態では、樹脂10bが、絶縁性樹脂からなる。この絶縁性樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。本実施形態では、樹脂10bが、エポキシ樹脂からなる。このエポキシ樹脂は、熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂のほか、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、フッ素系樹脂、LCP(液晶ポリマー)、ポリエステル樹脂、イミド樹脂(ポリイミド)、BT樹脂、アリル化フェニレンエーテル樹脂(A−PPE樹脂)、又はアラミド樹脂などを用いることができる。
【0047】
絶縁層10は、30wt%以上の含有率でフィラー10aを含むことが好ましく、中でも、50wt%以上の含有率でフィラー10aを含むことがより好ましい。
【0048】
本実施形態では、フィラー10aが、無機フィラーからなる。これにより、プリント配線板の絶縁材料として普及している無機フィラーをそのまま使用することができるため、コスト面や品質面で有利になると考えられる。
【0049】
無機フィラーは、例えば白色系フィラーであることが好ましい。本実施形態の無機フィラーは、シリカ系フィラーである。シリカ系フィラーとしては、ケイ酸塩鉱物を用いることが好ましく、中でも、シリカ、タルク、雲母、カオリン、及びケイ酸カルシウムの少なくとも1つを用いることが好ましい。また、シリカとしては、球形シリカ、破砕シリカ、溶融シリカ、及び結晶シリカの少なくとも1つを用いることが好ましい。ただしこれに限られず、白色系フィラーとしては、炭酸カルシウムからなるフィラー(以下、炭酸カルシウムフィラーという)、硫酸バリウムからなるフィラー(以下、硫酸バリウムフィラーという)、又は水酸化アルミニウムからなるフィラー(以下、水酸化アルミニウムフィラーという)なども有効である。また、上記シリカ系フィラー、炭酸カルシウムフィラー、硫酸バリウムフィラー、及び水酸化アルミニウムフィラーの中から選択した2種類以上の白色系フィラーを、絶縁層10に含ませてもよい。中でも、シリカ系フィラーに加えて、炭酸カルシウムフィラー、硫酸バリウムフィラー、及び水酸化アルミニウムフィラーの少なくとも1つを含ませることが、絶縁層10の低コスト化に有利であると考えられる。
【0050】
フィラー10aの平均粒子径は、0.5μm以上かつ10μm以下であることが好ましい。フィラー10aの平均粒子径がこの範囲にある場合、フィラー10aが、レーザエネルギーにより絶縁層が損傷されるのを防止するストッパとして好適に機能するようになると考えられる。なお、無機フィラー以外に繊維状無機物でも同様の効果が期待できる。
【0051】
本実施形態では、フィラー10aの50wt%以上が、球形フィラー(球形シリカ)である。このようにフィラー10aの主成分(半分以上)が球形フィラーであると、後述のレーザ照射工程(図9参照)において、フィラー10aがストッパとして好適に機能するようになると考えられる。またその結果、絶縁層10上に導体や触媒等が残りにくくなると考えられる。ただしこれに限られず、フィラー10aの材質等は任意である。例えばフィラー10aは、球形フィラーを含んでいなくてもよい。
【0052】
絶縁層10の厚さT1は、5〜200μmの範囲にあることが好ましい。厚さT1がこの範囲内にあると、絶縁信頼性を確保しつつ、必要以上に絶縁層10を厚くしないという利点がある。
【0053】
続けて、図2のステップS12で、図4に示すように、例えばラミネートにより、絶縁層10上に、導体膜としての銅箔1001を形成する。銅箔1001の厚さT2は、5〜20μmの範囲にあることが好ましい。なお、導体膜を構成する材料は、銅に限られず、任意である。
【0054】
ここで、導体膜の構造は、先の図4に示した銅箔1001からなる1層のみの構造に限られず、例えば図5Aに示すように、絶縁層10上に、銅箔1001と、例えば銅からなる電解めっき膜1002とが、この順に積層された2層構造であってもよく、あるいは例えば図5Bに示すように、絶縁層10上に、銅箔1001と、例えば銅からなる無電解めっき膜1003と、電解めっき膜1002とが、この順に積層された3層構造であってもよい。さらに、銅箔1001を含まない導体膜であってもよい。例えば図5Cに示すように、絶縁層10上に、無電解めっき膜1003と、電解めっき膜1002とが、この順に積層された2層構造であってもよい。導体膜の層数は任意であり、例えば4層以上で構成される導体膜であってもよい。導体膜の構造は、基本的には任意である。
【0055】
続けて、図2のステップS13で、例えば黒色酸化処理法により、銅箔1001の表面(例えば全面)を黒化処理する。これにより、レーザの吸収性が高まり、レーザ工程の処理効率を向上させることができると考えられる。銅箔1001表面の酸化物は、レーザ工程の後、必要に応じて、酸洗浄や還元処理等により除去する。
【0056】
続けて、図2のステップS14で、グリーンレーザを銅箔1001に照射することによってその銅箔1001を分断し、導体パターン(導体回路)を形成する。
【0057】
具体的には、例えば図6A及び図6B(図6AのA−A断面図)に示すように、被照射体(絶縁層10等)の第2面側に、開口部1004aを有する遮光マスク1004を設けた状態で、被照射体の全面(詳しくは第2面全域)にグリーンレーザを照射することが好ましい。ここで、グリーンレーザとは、波長1064nmの基本波の第2高調波であって、波長532nmのレーザ光を指す。
【0058】
本実施形態では、略平行に配置される複数の直線からなる導体パターン(後述の図10A参照)を形成する。すなわち、遮光マスク1004もこれに対応して、図6Aに示すように、直線状のパターンを有する。ただし、導体パターンは、これに限定されず任意である(後述の図27、図28参照)。
【0059】
こうしたグリーンレーザを被照射体の全面に照射する場合には、例えば被照射体を固定してグリーンレーザ(厳密にはその照準)を移動させること、又は、逆にグリーンレーザ(厳密にはその照準)を固定して被照射体を移動させることが好ましい。グリーンレーザを移動させる場合には、例えばガルバノミラーによりグリーンレーザを移動させる(走査する)ことが好ましい。また、被照射体を移動させる場合には、例えばシリンドリカルレンズによりグリーンレーザをライン光として、これを所定の位置に照射しつつ、コンベアにより被照射体を移動させることが好ましい。また、レーザ照射によって生じる導体材料の飛散物(プルーム)が冷却して導体パターン上へ再付着するのを防止するためには、ピコ秒オーダーもしくはフェムト秒オーダーの極短パルスレーザによる非熱加工、レーザ照射部分の周囲を水などの液体に接触させながら行うこと、又はこれらの組み合わせが有効である。
【0060】
なお、レーザ強度(光量)の調整は、パルス制御で行うことが好ましい。具体的には、例えばレーザ強度を変更する場合には、1ショット(1回の照射)あたりのレーザ強度は変えずに、ショット数(照射回数)を変更するようにする。すなわち、1ショットでは所望のレーザ強度が得られない場合には、同じ照射位置に、再度レーザ光を照射する。こうした制御方法によれば、照射条件を変える時間を省略できるため、スループットが向上すると考えられる。ただしこれに限られず、レーザ強度の調整方法は任意である。例えば照射位置ごとに照射条件を決め、照射回数を一定(例えば1つの照射位置につき1ショット)にしてもよい。また、同じ照射位置に複数回のレーザ照射を行う場合において、ショットごとにレーザ強度を変えてもよい。さらに、レーザの焦点を照射部位と完全には一致させず、Z方向にずらしたピンボケ光で、銅箔1001をパターニングしてもよい。ピンボケ光を用いると、スポット径が大きくなる一方、レーザ強度が低下するため、ソフト加工が可能になる。
【0061】
ここで、ガルバノミラーによりグリーンレーザを移動させる場合の条件の一例を示す。図7中、レーザ光のスポット径d11は、例えば30μmである。この例では、レーザ光の走査方向を、X方向とする。X方向の単位移動量d12(隣り合うスポットの照射中心P間の距離)は、例えば20μmである。また、Y方向の単位移動量d13(隣り合うスポットの照射中心P間の距離)は、例えば15μmである。レーザ光の走査速度は、例えば3000mm/secである。すなわち、1ショットごとにレーザ光をX方向に20μm走査する場合には、レーザ光は、1秒間に15万ショット照射されることになる。
【0062】
以下、こうした条件でレーザ照射を行う場合を例にして、レーザ照射態様の一例について説明する。
【0063】
この例では、まず、被照射体のX−Y平面上の第1のライン、例えば(0,0)〜(XX,0)について、レーザ照射を行う。具体的には、最初の照射位置(0,0)に対してレーザ照射を行い、そのレーザ照射が終わったら、単位移動量d12だけX2側に移動し、次の照射位置(20,0)に対してレーザ照射を行う。そして、図6A中に矢印で示すように、レーザ照射及びX2側への移動を繰り返して、被照射体のX方向に設定された各照射位置に、順次レーザ照射を行っていく。こうして、被照射体のX方向全域についてグリーンレーザの照射が終わったら、第1のラインに対するレーザ照射は完了したことになる。
【0064】
続けて、被照射体のX−Y平面上の第2のライン、例えば(0,15)〜(XX,15)について、レーザ照射を行う。具体的には、グリーンレーザは、図6A中に矢印で示すように、第1のラインの最後の照射位置(XX,0)から、X座標を原点に戻すとともに、Y座標を単位移動量d13だけY1側に移動し、照射位置(0,15)から、再び第1のラインと同様、X2側に向かってレーザ光を走査する。こうして、各ラインについて順次レーザ照射を行うことで、被照射体の第2面(X−Y平面)全域にグリーンレーザを照射することができる。
【0065】
ここでは、導体パターンの長手方向(Y方向)と直交するX方向に沿ってレーザ光を走査する例を示したが、導体パターンの長手方向と平行なY方向に沿ってレーザ光を走査してもよい。また、点照射に限定されず、例えばシリンドリカルレンズを用いてX方向又はY方向のライン光にして、そのライン光をY方向又はX方向に沿って走査してもよい。さらに、遮光マスク1004を用いずに、非照射部分においてはレーザ照射を止めて、照射すべき部分のみにレーザ光を選択的に照射するようにしてもよい。その他、照射位置やレーザ強度の制御方法等も任意である。
【0066】
本実施形態では、レーザ照射によって、銅箔1001(導体膜)をパターニングするため、フォトリソグラフィによらず、導体パターンを形成することができる。その結果、サイドエッチやアンダーカット等が抑制され、良好な電気特性を有する導体パターンを形成することができると考えられる。また、ファインパターンの形成に有利になると考えられる。例えばL/S=10μm/10μmのファインパターンを高度なクリーンルームを必要とせずとも高い歩留りで形成することができると考えられる。しかも、このパターニングにグリーンレーザを用いることにより、十分な生産効率を確保しつつも、フィラー10aがストッパとなって、銅箔1001下の絶縁層10が過剰に除去されてしまうことを抑制できると考えられる。以下、図8等を参照して、このことについて、説明する。
【0067】
図8は、エポキシ樹脂(線L11)、銅(線L12)、及びシリカ(線L13)の各々にレーザ光を照射した場合における、レーザ光の波長と吸収率との関係を示すグラフである。なお、エポキシ樹脂を他の樹脂に代えても、また、シリカを他の無機フィラーに代えても、概ね同様の結果が得られると考えられる。
【0068】
まず、波長532nmのレーザ光LZ3(グリーンレーザ)と、波長10640nmのレーザ光LZ4とを比較する。レーザ光LZ4の光源としては、例えばCOレーザを用いることができる。
【0069】
図8に示されるように、レーザ光LZ4の吸収率は、エポキシ樹脂(線L11)及びシリカ(線L13)の両方で高いが、レーザ光LZ3の吸収率は、エポキシ樹脂(線L11)では高く、シリカ(線L13)では低い。特に、レーザ光LZ3では、シリカ(線L13)での吸収率を20%以下、具体的には10%程度に抑えることができる。本実施形態においては、絶縁層10に、樹脂10b(エポキシ樹脂)だけでなく、フィラー10a(シリカ系フィラー)も含まれているため、グリーンレーザを絶縁層10に照射した場合には、フィラー10aがストッパとなることによって、絶縁層10の分解反応(光化学反応)の進行が抑制されると考えられる。すなわち、例えば図9に示すように、フィラー10aは、グリーンレーザを反射し、照射部位の絶縁層10が過剰に除去されてしまうことを抑制してくれると考えられる。フィラー10aをストッパとして用いるためには、樹脂10bでのレーザ光の吸収率が、フィラー10aでのレーザ光の吸収率の7倍以上であることが好ましいと考えられる。
【0070】
また、銅(線L12)での吸収率は、レーザ光LZ4よりもレーザ光LZ3の方が高い。銅箔1001をパターニングするためのレーザ照射においては、銅でのレーザ光の吸収率が、ある程度高い方が好ましいと考えられる。導体(銅)を除去する効率が高くなるからである。ただし、銅でのレーザ光の吸収率が高過ぎると、銅が過剰に削られてしまうなどの不都合が生じるおそれがある。そこで、導体膜を構成する材料(銅)へのレーザ光の吸収率は、レーザ光が適度に銅に吸収される範囲、具体的には30〜65%の範囲にあることが好ましいと考えられる。この点、グリーンレーザの銅への吸収率は、50%であるため、導体層のパターニングに適している。
【0071】
また、1064nm以下の波長を有するレーザ光は、主に光化学反応により被照射体を分解し、1064nmよりも大きい波長を有するレーザ光は、主に熱反応により被照射体を分解すると考えられる。2つの反応を比較すると、光を熱に変換して使用する熱反応よりも、光をそのまま使用する光化学反応の方がエネルギー効率が高いと考えられる。このことから、グリーンレーザは、エネルギー効率の面でも優れていると考えられる。さらに、同じグリーンレーザであっても、パルス幅を極端に短くして、例えばピコ秒オーダー又はフェムト秒オーダーにして非熱加工を行うことで、一層エネルギー効率を高めることができると考えられる。
【0072】
次に、波長200nmのレーザ光LZ1と、波長355nmのレーザ光LZ2(UVレーザ)と、波長532nmのレーザ光LZ3(グリーンレーザ)とを比較する。なお、レーザ光LZ1の光源としては、例えばエキシマレーザを用いることができる。また、レーザ光LZ2としては、例えばYAGレーザの第3高調波を用いることができる。
【0073】
これらレーザ光LZ1〜LZ3は、主に光化学反応より被照射体を分解する点で共通すると考えられる。しかし、図8に示されるように、エポキシ樹脂(線L11)、銅(線L12)、及びシリカ(線L13)での吸収率については、レーザ光LZ1が最も高く、次にレーザ光LZ2が高く、レーザ光LZ3が最も低い。より詳しくみると、レーザ光LZ2、LZ3の吸収率は、高い方から、エポキシ樹脂(線L11)、銅(線L12)、シリカ(線L13)の順になっているが、レーザ光LZ1の吸収率は、高い方から、エポキシ樹脂(線L11)、シリカ(線L13)、銅(線L12)の順になっている。しかも、レーザ光LZ1では、エポキシ樹脂(線L11)での吸収率とシリカ(線L13)での吸収率との間にほとんど差がない。したがって、先のレーザ照射工程において、エキシマレーザを用いた場合には、フィラー10aがストッパとして機能しないと考えられる。他方、先のレーザ照射工程において、グリーンレーザを用いた場合には、フィラー10aがストッパとして機能するため、エポキシ樹脂が深く掘られる現象が生じにくいと考えられる。なお、銅(線L12)での吸収率とシリカ(線L13)での吸収率との比率(銅/シリカ)は、5以上であることが好ましいと考えられる。
【0074】
以上より、銅箔1001をパターニングするためのレーザ照射に用いるレーザ光は、主に光化学反応により被照射体を分解できるもの、すなわち1064nm以下の波長を有することが好ましいと考えられる。また、導体(銅)除去の効率を考慮すると、導体膜を構成する材料(銅)へのレーザ光の吸収率は、30〜60%の範囲にあることが好ましいと考えられる。そして、レーザ光の波長が350〜600nmの範囲(範囲R21)にあれば、レーザ光の吸収率は、30〜60%の範囲内の値になる。さらに、フィラー10aをストッパとして用いることや、導体を除去する効率等を考慮すると、500〜560nmの範囲(範囲R22)にあることがより好ましいと考えられる。
【0075】
光源は、固体レーザであっても、液体レーザであっても、気体レーザであってもよい。具体的には、YAGレーザ、YVOレーザ、アルゴンイオンレーザ、又は銅蒸気レーザが、光源として好ましいと考えられる。例えばYAGレーザ又はYVOレーザの第2高調波を用いることで、波長532nmのレーザ光が得られ、YAGレーザ又はYVOレーザの第3高調波を用いることで、波長355nmのレーザ光が得られる。また、アルゴンイオンレーザによれば、488〜515nmの範囲にある波長を有するレーザ光が得られる。また、銅蒸気レーザによれば、511〜578nmの範囲にある波長を有するレーザ光が得られる。ただし、光源はこれらに限られず任意であり、必要なレーザ光の波長に応じて適切なものを選定することが好ましい。
【0076】
次に、上記レーザを使用したパターニング方法と、エッチング液を用いた湿式法とを比較する。湿式法によれば、レーザを使用した場合のような異方性の加工(詳しくは、主にZ方向の加工)ではなく、略等方性の加工になるため、サイドエッチング等で導体が過剰に除去され易い。その結果、配線幅が、所望とする幅よりも減少してしまうおそれがある。この点、レーザを用いれば、局所的な線細りが抑制されることで、ファインパターンの設計が容易になり、また、インピーダンスの整合も図り易くなると考えられる。さらに、サイドエッチングの影響が少ないため、配線側面の平滑性が向上すると考えられる。
【0077】
また、湿式法では廃液が生じるため、環境面を考慮しても、レーザの方が好ましいと考えられる。
【0078】
以上説明したレーザ照射の結果、例えば図10A及び図10B(図10AのA−A断面図)に示すように、銅箔1001(導体膜)が分断され、直線状の導体パターン20が形成される。
図11、図12は、レーザ照射後の導体パターン20を示す写真である。
【0079】
レーザ光の照射により絶縁層10上の銅箔1001(図6B)が部分的に除去されることによって、導体パターン20中に形成される空隙R1(溝)の、絶縁層10側(Z1側)の開口の幅d11は、他側(Z2側)の開口の幅d12よりも小さい。すなわち、空隙R1は、絶縁層10側から他側に向かって拡径されるようにテーパしたテーパ形状を有する。これにより、空隙R1内に上層の絶縁層(樹脂)が流れこむ際、ボイドが残りにくくなると考えられる。
【0080】
図13は、異なる4つの無機フィラーを含む絶縁層10に、それぞれ平均出力5W、パルス幅がナノ秒オーダーのグリーンレーザを照射した結果を示す図表である。この実験では、樹脂10bとしてエポキシ樹脂を用い、フィラー10aとして、SiO粉末(シリカ系フィラー)、CaCO粉末(炭酸カルシウムフィラー)、BaSO粉末(硫酸バリウムフィラー)、又はAl(OH)粉末(水酸化アルミニウムフィラー)を用いた。また、SiO粉末については、フィラー10a含有量の異なる4つの絶縁層10に、それぞれグリーンレーザを照射した結果を示す。レーザ光の走査速度は、約50mm/secとした。レーザ強度は、製造工程時の約60倍とした。
【0081】
図13に示されるように、樹脂10bにSiO粉末を含有させなかった場合(約0wt%)、又は樹脂10bに15wt%のSiO粉末を含有させた場合には、それぞれレーザ照射面に樹脂10bの炭化が見られた。一方、樹脂10bに30wt%又は50wt%のSiO粉末を含有させた場合には、それぞれレーザ照射面に樹脂10bの炭化が見られなかった。この結果から、樹脂10bに30wt%以上のフィラー10aを含有させることで、樹脂10bの炭化が抑制されると推察される。また、炭酸カルシウムフィラー、硫酸バリウムフィラー、又は水酸化アルミニウムフィラーなど、他の無機フィラーについても、概ね同様の結果が得られると考えられる。
【0082】
上記レーザ照射による導体パターン20のパターニング方法は、配線密度の高いファインパターンを形成する場合に特に有効である。具体的には、導体パターン20を構成する導体(例えば導体ライン)間の空隙R1の幅d1(平均値)は、例えば20μm以下であるが、10μm以下にすることも可能である。一方、導体パターン20を構成する導体(例えば導体ライン)の幅d2(平均値)は、例えば20μm以下であるが、10μm以下にすることも可能である。ただしこれに限定されず、幅d1、d2は任意である(後述の図26A及び図26B参照)。
【0083】
本実施形態では、レーザ光の照射によって、銅箔1001(導体膜)を除去するだけにとどまらず、銅箔1001(図6B)下の絶縁層10の表面を削るようにしている。これにより、絶縁層10の表面の樹脂残渣が除去されるとともに、絶縁層10の表面には、窪みP1が形成される。ただし、窪みP1が形成されることは必須ではない(後述の図29参照)。
【0084】
その後、図2のステップS15で、絶縁層10上に上層絶縁層(例えば層間絶縁層又はソルダーレジスト等)を形成する。これにより、先の図1A又は図1Bに示した配線板100が完成する。こうして得られる配線板100において、導体パターン20中の隣り合う導体間は互いに絶縁される。すなわち、本実施形態に係るプリント配線板の製造方法によれば、導体間の絶縁信頼性を阻害することなく、導体パターンを形成することが可能になる。
【0085】
(実施形態2)
本実施形態において製造される配線板100は、例えば図14に示すような多層プリント配線板(両面リジッド配線板)である。
【0086】
配線板100は、基板200(コア基板)と、絶縁層101〜104(層間絶縁層)と、ソルダーレジスト105、106と、導体パターン113〜116と、スルーホール導体100cと、ビア導体101b〜104bと、ソルダーレジスト105、106と、外部接続端子105b、106bと、を有する。基板200は、絶縁層100aと、導体パターン111、112と、を有する。基板200には、スルーホール100bが形成されている。スルーホール導体100cは、スルーホール100bの側面に形成され、その内側には、例えば第1面側、第2面側の絶縁層101、102からそれぞれ流出した絶縁体100dが充填される。ソルダーレジスト105、106には、開口部105a、106aが形成される。外部接続端子105b、106bは、ソルダーレジスト105、106の開口部105a、106aに形成される。外部接続端子105b、106bは、例えば半田バンプからなる。
【0087】
上記配線板100は、例えば図15に示すような方法で製造される。
【0088】
まず、ステップS21で、コア基板(基板200)と、孔内に導体を有する絶縁層(絶縁層101、102)と、金属箔(銅箔2005、2006)と、を準備する(後述の図17A参照)。
【0089】
基板200は、例えば図16A〜図16Dに示すような方法で製造(準備)される。
【0090】
まず、図16Aに示すように、両面銅張積層板2000(出発材料)を準備する。この両面銅張積層板2000は、絶縁層100aと、銅箔2001及び2002と、を有する。絶縁層100aの第1面には銅箔2001が形成され、絶縁層100aの第2面には銅箔2002が形成される。絶縁層100aの材料は、例えばガラス繊維等の補強材入りのエポキシ樹脂である。
【0091】
続けて、図16Bに示すように、例えばレーザにより、両面銅張積層板2000にスルーホール100bを形成する。スルーホール100bは、両面銅張積層板2000を貫通する。その後、必要に応じて、デスミアやソフトエッチをする。
【0092】
続けて、図16Cに示すように、銅のパネルめっき(スルーホールめっき及び全面めっき)により、絶縁層100aの両面及びスルーホール100bの側面にめっき2003を形成する。めっき2003は、例えば無電解めっき及び電解めっきの2層からなる。ただし、2層構造であることは必須ではない。
【0093】
続けて、図16Dに示すように、例えばリソグラフィ技術により、絶縁層100aの両面の導体をパターニングする。これにより、絶縁層100aの第1面、第2面にそれぞれ、導体パターン111、112が形成される。その結果、基板200が完成する。
【0094】
またその一方で、図17Aに示すように、絶縁層101、102及び銅箔2005、2006を、別途準備する。銅箔2005、2006の厚さは、例えば12μmである。絶縁層101、102の材料及び厚さ等は、前述した実施形態1の絶縁層10と同一である。すなわち、絶縁層101、102も、30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層である。ただし、この段階では、絶縁層101、102は、プリプレグ(半硬化状態の接着シート)となっている。
【0095】
ここで、絶縁層101には孔101aが形成され、孔101a内には導体101cが形成される。絶縁層102には孔102aが形成され、孔102a内には導体102cが形成される。導体101c及び102cは、例えば導電性ペーストからなる。導電性ペーストとは、導電性のある微粒子を所定の濃度で粘性のあるバインダに混ぜたペーストをいう。バインダとは、粒子間のつなぎとなる樹脂等をいう。導電性ペーストは、めっきとは区別される。
【0096】
孔101a、102aはそれぞれ、例えばレーザにより、絶縁層101、102に形成される。また、導体101c、102c(導電性ペースト)はそれぞれ、例えば印刷により、孔101a、102aに充填される。
【0097】
続けて、図15のステップS22で、プレスする。
【0098】
例えば図17Aに示すように、基板200と、絶縁層101、102と、銅箔2005、2006と、を配置する。具体的には、基板200の第1面側に絶縁層101を配置し、基板200の第2面側に絶縁層102を配置する。さらに、絶縁層101の第1面側に銅箔2005を配置し、絶縁層102の第2面側に銅箔2006を配置する。
【0099】
続けて、図17Aに示すように配置された基板200等をプレスする。これにより、外側(銅箔2005、2006)から内側(基板200)に向かって圧力が加えられる。プレスは、例えば加熱しながら行う。このプレスにより、周囲の絶縁層(絶縁層101、102)から樹脂(絶縁体100d)が押し出され、スルーホール100b内に絶縁体100dが充填される(後述の図17B参照)。また、上記加熱により、プリプレグ(絶縁層101、102)は硬化し、隣接する部材に付着する。なお、上記プレス及び加熱処理は、複数回に分けて行ってもよい。また、加熱処理とプレスとは別々に行ってもよいが、同時に行った方が効率は良い。加熱プレスの後、別途一体化のための加熱処理を行ってもよい。
【0100】
続けて、図15のステップS23で、例えば図17Bに示すように、グリーンレーザを銅箔2005、2006に照射することによってその銅箔2005、2006を分断し、導体パターン113、114を形成する。このレーザ照射は、例えば実施形態1と同様、遮光マスクを設けた状態で、被照射体の全面に行う。ただしこれに限定されず、例えば遮光マスクを用いずに、非照射部分においてはレーザ照射を止めて、照射すべき部分のみにレーザ光を選択的に照射するようにしてもよい。
【0101】
続けて、図15のステップS24において、上記導体パターン113、114が形成された積層体に対してビルドアップする。
【0102】
例えば図18Aに示すように、積層体の第1面側に絶縁層103及び銅箔2007を配置し、積層体の第2面側に絶縁層104及び銅箔2008を配置する。銅箔2007、2008の厚さは、例えば12μmである。絶縁層103、104の材料及び厚さ等は、前述した実施形態1の絶縁層10と同一である。すなわち、絶縁層103、104も、30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層である。ただし、この段階では、絶縁層103、104は、プリプレグ(半硬化状態の接着シート)となっている。
【0103】
ここで、絶縁層103には孔103aが形成され、孔103a内には導体103cが形成される。絶縁層104には孔104aが形成され、孔104a内には導体104cが形成される。導体103c及び104cは、例えば導電性ペーストからなる。
【0104】
続けて、上記積層体を加熱プレスする。これにより、プリプレグ(絶縁層103、104)が硬化し、絶縁層103、104及び銅箔2007、2008が、上記積層体と一体化する。
【0105】
続けて、例えば図18Bに示すように、グリーンレーザを銅箔2007、2008に照射することによってその銅箔2007、2008を分断し、導体パターン115、116を形成する。このレーザ照射は、例えば実施形態1と同様、遮光マスクを設けた状態で、被照射体の全面に行う。ただしこれに限定されない。
【0106】
続けて、例えばスクリーン印刷、スプレーコーティング、ロールコーティング、又はラミネート等により、開口部105a、106aを有するソルダーレジスト105、106を形成する(図14参照)。その後、例えば半田ペーストの印刷やリフローなどにより、ソルダーレジスト105、106の開口部105a、106aに外部接続端子105b、106bを形成する(図14参照)。これにより、その外部接続端子105b、106bを通じて、配線板100を他の配線板と接続したり、配線板100に電子部品を実装したりすることが可能になる。また、必要に応じて、外形加工、反り修正、通電検査、外観検査、及び最終検査などを行う。以上の工程により、本実施形態の配線板100(図14)が完成する。
【0107】
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法によれば、実施形態1の方法と同様の効果又は準ずる効果が得られる。このため、十分な生産効率を確保しながら、良好な電気特性を有するプリント配線板を製造することができる。しかも、本実施形態では、層間を接続する導体(導体101c等)を予め導体性ペーストで形成しておき、この導体と下層との接続をプレスで行うため、導体101c等をめっきで形成する場合に比べて、製造工程を簡略化することができると考えられる。
【0108】
(実施形態3)
本実施形態において製造される配線板100は、実施形態2と同様、例えば図14に示すような多層プリント配線板(両面リジッド配線板)である。
【0109】
ただし、本実施形態では、例えば図19に示すような方法で配線板100が製造される。
【0110】
まず、ステップS31で、コア基板(基板200)と、絶縁層(絶縁層101、102)と、金属箔(銅箔3001、3002)と、を準備する(図20A)。銅箔3001、3002の厚さは、例えば3μmである。絶縁層101、102の材料及び厚さ等は、前述した実施形態1の絶縁層10と同一である。すなわち、絶縁層101、102も、30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層である。ただし、この段階では、絶縁層101、102は、プリプレグ(半硬化状態の接着シート)となっている。
【0111】
続けて、図19のステップS32で、プレスする。
【0112】
例えば図20Aに示すように、基板200と、絶縁層101、102と、銅箔3001、3002と、を配置し、前述した図15のステップS22と同様、これらを加熱プレスする。これにより、プリプレグ(絶縁層101、102)が硬化し、絶縁層101、102及び銅箔3001、3002が、基板200と一体化する。
【0113】
続けて、図19のステップS33で、穴あけする。具体的には、図20Bに示すように、例えばレーザにより、絶縁層101、102に孔101a、102aを形成する。その後、必要に応じて、デスミアやソフトエッチをする。
【0114】
続けて、図19のステップS34で、めっきする。具体的には、図20Cに示すように、銅のパネルめっきにより、絶縁層101、102上及び孔101a、102a内にめっき3003を形成する。めっき3003は、例えば無電解めっき及び電解めっきの2層からなる。ただし、2層構造であることは必須ではない。
【0115】
続けて、図19のステップS35で、前述した図15のステップS23と同様、絶縁層101、102上の導体にグリーンレーザを照射することによってその導体における所定の箇所を分断し、導体パターン113、114を形成する。このレーザ照射は、例えば実施形態1と同様、遮光マスクを設けた状態で、被照射体の全面に行う。ただしこれに限定されない。
【0116】
続けて、図19のステップS36において、前述した図15のステップS24と同様、上記導体パターン113、114が形成された積層体に対してビルドアップする。これにより、本実施形態の配線板100(図14)が完成する。
【0117】
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法によれば、実施形態1の方法と同様の効果又は準ずる効果が得られる。このため、十分な生産効率を確保しながら、良好な電気特性を有するプリント配線板を製造することができる。しかも、本実施形態では、層間を接続する導体(導体101c等)をめっきで形成するため、導体101c等を導体性ペーストで形成する場合よりも、低抵抗化することができると考えられる。
【0118】
(実施形態4)
本実施形態において製造される配線板100は、実施形態2と同様、例えば図14に示すような多層プリント配線板(両面リジッド配線板)である。
【0119】
ただし、本実施形態では、例えば図21に示すような方法で配線板100が製造される。
【0120】
まず、ステップS41〜S44で、図19のステップS31〜S34と同様、コア基板、絶縁層、及び金属箔を準備し、これらにプレス、穴あけ、めっきを施す。これにより、先の図20Cに示した状態になる。
【0121】
続けて、図21のステップS45で、絶縁層101、102上の導体を部分的にエッチングする。具体的には、例えば図22Aに示すように、リソグラフィ技術(前処理、ラミネート、露光、現像、エッチング、剥膜、内層検査等)により、粗めの導体パターン113a、114aを形成する。導体パターン113a、114aは、導体パターン113、114(図14)よりも粗い。
【0122】
続けて、図21のステップS46で、導体パターン113a、114a中の導体にグリーンレーザを照射することによってその導体パターン113a、114a中の導体を分断し、よりファインな導体パターンである導体パターン113、114を形成する。このレーザ照射は、例えば実施形態1と同様、遮光マスクを設けた状態で、被照射体の全面に行う。ただしこれに限定されず、例えば遮光マスクを用いずに、非照射部分においてはレーザ照射を止めて、照射すべき部分のみにレーザ光を選択的に照射するようにしてもよい。
【0123】
続けて、図21のステップS47において、前述した図15のステップS24と同様、上記導体パターン113、114が形成された積層体に対してビルドアップする。これにより、本実施形態の配線板100(図14)が完成する。
【0124】
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法によれば、実施形態1の方法と同様の効果又は準ずる効果が得られる。このため、十分な生産効率を確保しながら、良好な電気特性を有するプリント配線板を製造することができる。しかも、本実施形態では、段階的に導体パターンをファイン化するため、より精密な加工が可能になると考えられる。
【0125】
(実施形態5)
実施形態1〜4では、絶縁樹脂層上の導体にレーザ光を照射することによってその導体を分断する場合について言及したが、本実施形態では、レーザ光で導体の幅を細くする場合について言及する。
【0126】
まず、図23に示すように、絶縁層10と、導体パターン20a(太めの導体パターン)と、を有する基板(出発材料)を準備する。導体パターン20aは、絶縁層10上に形成される。絶縁層10の材料や厚さ等は、前述した実施形態1と同様である。すなわち、絶縁層10は、30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層である。導体パターン20aは、例えば直線状の導体パターンを有する。導体パターン20a中に形成される導体間の空隙R2(溝)の幅(平均値)は、幅d3である。導体パターン20a中に形成される導体ラインの幅(平均値)は、幅d4である。
【0127】
続けて、図24に示すように、導体パターン20a中の導体にグリーンレーザを照射することによってその導体の幅を細くし、よりファインな導体パターンである導体パターン20を形成する。このレーザ照射は、例えば実施形態1と同様、開口部1004aを有する遮光マスク1004を設けた状態で、被照射体の全面に行う。レーザ照射中、遮光マスク1004は、残すべき導体(導体パターン20aの配線よりも細いファインな配線)の上に設けられて、その導体を保護する。ただしこれに限定されず、例えば遮光マスク1004を用いずに、非照射部分においてはレーザ照射を止めて、照射すべき部分のみにレーザ光を選択的に照射するようにしてもよい。
【0128】
上記レーザ照射により、例えば図25A及び図25B(図25AのA−A断面図)に示すように、導体パターン20aよりも細い直線状の導体パターン20が形成される。導体パターン20中に形成される導体間の空隙R1(溝)の幅d1(平均値)は、幅d3(図23)よりも大きい。また、導体パターン20中に形成される導体ラインの幅d2(平均値)は、幅d4(図23)よりも小さい。本実施形態では、実施形態1と同様、グリーンレーザの照射によって、絶縁層10の表面を削る例を示している。これにより、絶縁層10の表面の樹脂残渣が除去されるとともに、絶縁層10の表面には、窪みP1が形成される。
【0129】
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法によれば、実施形態1の方法と同様の効果又は準ずる効果が得られる。しかも、本実施形態では、段階的に導体パターンをファイン化するため、より精密な加工が可能になると考えられる。また、本実施形態の方法は、実施形態2〜4に係るプリント配線板の製造方法(例えば図15のステップS23、図19のステップS35、図21のステップS46等)に適用することができる。このため、本実施形態の方法によって、十分な生産効率を確保しながら、良好な電気特性を有するプリント配線板を製造することができる。
【0130】
以上、本発明の実施形態に係るプリント配線板及びその製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0131】
導体パターン20における空隙R1の幅d1や導体の幅d2は任意である。例えば図26A及び図26B(図26AのA−A断面図)に示すように、導体パターン20は、空隙R1の幅d1が小さいパターン(高密度パターン)又は導体ラインの幅d2が大きいパターン(太い導体ライン)であってもよい。
【0132】
導体パターン20は、直線状のパターンに限られず任意である。
【0133】
例えば図27(図10Aに対応した平面図)に示すように、導体パターン20がU字状の導体パターンであってもよい。
【0134】
また、図28(図10Aに対応した平面図)に示すように、導体パターン20の空隙R1が、孔であってもよい。
【0135】
例えば図29に示すように、レーザ光の照射によって除去された銅箔1001下の絶縁層10の表面は、窪みP1(図10B)のない平坦な面であってもよい。
【0136】
フィラー10aを絶縁層10の略全体に分散させることは必須ではない。例えば図30に示すように、絶縁層10は、例えばフィラー10aを含まない第1層11(樹脂層)と、フィラー10aを含む第2層12(フィラー層)と、を有していてもよい。この例では、第1層11が主に樹脂10bからなり、第2層12が主にフィラー10a及び樹脂10bからなる。そして、第1層11上に第2層12が形成される。また、複数の樹脂層と複数のフィラー層とが交互に形成されてもよい。
【0137】
導体パターン20の材料として、銅以外の導体を用いてもよい。図8に示した関係に準ずる関係が得られれば、前述した効果に準ずる効果が得られると考えられる。
【0138】
その他の点についても、配線板100の構成、及びその構成要素の種類、性能、寸法、材質、形状、層数、又は配置等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更することができる。
【0139】
例えば製造対象とする配線板は、樹脂からなる絶縁層上に導体パターンを有する配線板であれば、基本的には任意である。したがって、リジッド配線板であっても、フレキシブル配線板であってもよい。また、両面配線板であっても、片面配線板であってもよい。導体パターン及び絶縁層の層数等も任意である。
【0140】
配線板100の製造方法は、上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に順序や内容を変更することができる。また、用途等に応じて、必要ない工程を割愛してもよい。
【0141】
上記各実施形態及び各変形例は、任意に組み合わせることができる。用途等に応じて適切な組み合わせを選ぶことが好ましい。
【0142】
例えば実施形態5の方法は、実施形態1の方法と組み合わせて用いることができる。すなわち、絶縁樹脂層上の導体にレーザ光を照射して、ある部分では導体を分断し、別の部分では導体の幅を細くしてもよい。
【0143】
また、例えば導体パターン20の空隙R1が孔である場合(図28参照)に、先の図12に示したテーパ形状等の構造を採用してもよい。
【0144】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、「請求項」に記載されている発明や「発明を実施するための形態」に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明に係るプリント配線板は、携帯電話などの回路基板に適している。本発明に係るプリント配線板の製造方法は、そうしたプリント配線板の製造に適している。
【符号の説明】
【0146】
10 絶縁層
10a フィラー
10b 樹脂
11 第1層
12 第2層
20 導体パターン
20a 導体パターン
100 配線板
100a 絶縁層
100b スルーホール
100c スルーホール導体
100d 絶縁体
101〜104 絶縁層
101a〜104a 孔
101b〜104b ビア導体
101c〜104c 導体
105、106 ソルダーレジスト
105a、106a 開口部
105b、106b 外部接続端子
110〜116 導体パターン
113a、114a 導体パターン
200 基板
1001 銅箔
1002 電解めっき膜
1003 無電解めっき膜
1004 遮光マスク
1004a 開口部
2000 両面銅張積層板
2001、2002、2005〜2008、3001、3002 銅箔
P1 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層を形成することと、
前記絶縁樹脂層上に導体を形成することと、
レーザ光を前記導体に照射することによって、前記導体を分断又は前記導体の幅を細くすることで前記絶縁樹脂層上に導体パターンを形成することと、
を含む、
ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁樹脂層上の前記導体を構成する材料は、銅である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
前記レーザ光の銅への吸収率が30〜65%の範囲にある、
ことを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
前記無機フィラーは、シリカ系フィラーである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
前記レーザ光のシリカへの吸収率が20%以下である、
ことを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁樹脂層上の前記導体を構成する材料への前記レーザ光の吸収率は、前記無機フィラーへの前記レーザ光の吸収率よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
前記無機フィラーが前記レーザ光のストッパとして機能する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁樹脂層上の前記導体の厚さは、5〜20μmの範囲にある、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁樹脂層上の前記導体は、金属箔である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁樹脂層上の前記導体は、少なくとも無電解めっき膜と電解めっき膜とを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項11】
前記レーザ光は、350〜600nmの範囲にある波長を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項12】
前記レーザ光の照射では、YAGレーザ、YVOレーザ、アルゴンイオンレーザ、半導体レーザ、及び銅蒸気レーザのいずれかを光源とする、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項13】
前記レーザ光は、YAGレーザ又はYVOレーザの第2高調波である、
ことを特徴とする請求項12に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項14】
前記導体パターン間の空隙の幅は、20μm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項15】
前記導体パターンの幅は、20μm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項16】
前記無機フィラーの50wt%以上が、球形フィラーである、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項17】
前記無機フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上かつ10μm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項18】
前記無機フィラーの含有率は、50wt%以上である、
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項19】
前記絶縁樹脂層は、熱硬化性樹脂からなる、
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項20】
前記レーザ光の照射によって、前記絶縁樹脂層の少なくとも表面は削られる、
ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項21】
さらに、前記絶縁樹脂層と前記導体パターン上に絶縁層を形成することを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項22】
30wt%以上の含有率で無機フィラーを含む絶縁樹脂層と、
前記絶縁樹脂層上に導体を形成し、レーザ光を該導体に照射することによって形成された導体パターンと、
を有する、プリント配線板。
【請求項23】
前記レーザ光の照射により前記絶縁樹脂層上の前記導体が部分的に除去されて形成される孔又は溝の、前記絶縁樹脂層側の開口の幅は、他側の開口の幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項22に記載のプリント配線板。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−69924(P2012−69924A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176108(P2011−176108)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】