説明

プログラム、情報記憶媒体及び画像生成装置

【課題】 タッチパネルディスプレイを用いたこれまでにない画像表現を実現できるプログラム、情報記憶媒体及び画像生成装置を提供すること。
【解決手段】 画像生成装置は、タッチパネルディスプレイに物体が接触する接触イベントが発生した場合に、物体の接触位置を取得する接触位置取得部と、サブ画面を発生させる処理を行うサブ画面制御部と、サブ画面の画像を含む画像を生成して、タッチパネルディスプレイに表示する画像生成部と、他の画像生成装置でゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報をネットワークを介して受信する処理を行う通信処理部を含む。サブ画面制御部は、接触イベントが発生した場合に、物体の接触位置と、受信した他のプレーヤのゲームプレイ情報とに基づいて、サブ画面の発生処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及び画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タッチパネルディスプレイを有する携帯型ゲーム装置などの画像生成装置が知られている。この画像生成装置では、タッチパネルディスプレイへのタッチ操作によって、プレーヤは操作情報を入力できる。具体的には、タッチパネルディスプレイ上に操作指示を行うための様々なアイコンを表示しておく。そしてプレーヤは、スタイラスペンや指により、これらのアイコンにタッチすることで、自身が所望する操作情報を入力する。
【0003】
しかしながら、これまでのタッチパネルディスプレイ型の画像生成装置では、タッチ操作は、操作情報の入力のためにだけ使用され、タッチ操作を用いた映像効果の演出は考えられていなかった。またタッチ操作は、指やスタイラスペンにより行われ、それ以外の物体によるタッチ操作は想定されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−122164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タッチパネルディスプレイを用いたこれまでにない画像表現を実現できるプログラム、情報記憶媒体及び画像生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、タッチパネルディスプレイに表示される画像を生成する画像生成装置であって、前記タッチパネルディスプレイに透明物体が接触する接触イベントが発生した場合に、前記透明物体の接触位置を取得する接触位置取得部と、前記接触イベントが発生した場合に、取得された前記接触位置に対応する表示領域にサブ画面を発生させる処理を行うサブ画面制御部と、前記サブ画面の画像を含む画像を生成して、前記タッチパネルディスプレイに表示する画像生成部とを含み、前記サブ画面制御部は、前記タッチパネルディスプレイ及び前記透明物体を平面視した場合における前記透明物体の輪郭領域内に、前記透明物体を介して見える前記サブ画面の画像が表示されるように、そのサイズが設定された前記サブ画面を、前記接触位置に対応する前記表示領域に発生させる処理を行う画像生成装置に関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0007】
本発明によれば、透明物体の接触イベントが発生すると、その接触位置が取得され、接触位置に対応する表示領域にサブ画面が発生する。そして発生したサブ画面の画像を含む画像が生成される。従って、透明物体を置く前には存在していなかったサブ画面画像が、透明物体を置くことで出現するようになり、これまでにない画像表現を実現できる。そして本発明では、平面視における透明物体の輪郭領域内に、透明物体を介して見えるサブ画面画像が表示されるように、サブ画面のサイズが設定される。従って、あたかも透明物体の内部にサブ画面画像が映し出されたかのように見える画像表現を実現できる。
【0008】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面の画像上に前記サブ画面を発生させ、前記タッチパネルディスプレイから前記透明物体が離れる離隔イベントが発生した場合に、発生した前記サブ画面を非表示にする処理を行ってもよい。
【0009】
このようにすれば、透明物体を取り外した場合に、サブ画面は非表示になるため、種明かしが直ぐにわかってしまう事態等を防止できる。
【0010】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、前記サブ画面に表示される文章をスクロールさせるテロップ処理を行ってもよい。
【0011】
このようにすれば、サブ画面を小さなサイズに設定した場合でも、多くの文字数の文章を透明物体を介して表示することが可能になる。
【0012】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面の拡大画像を前記サブ画面に表示する処理を行ってもよい。
【0013】
このようにすれば、透明物体をタッチパネルディスプレイに接触させるだけで、メイン画面の詳細な拡大画像をサブ画面を介して表示できるようになる。
【0014】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面に表示されるべきキャラクタの拡大画像を前記サブ画面に表示する処理を行ってもよい。
【0015】
このようにすれば、透明物体をタッチパネルディスプレイに接触させるだけで、メイン画面のキャラクタの拡大画像をサブ画面を介して表示できるようになる。
【0016】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記メイン画面での前記接触位置に応じて、異なったキャラクタの拡大画像を前記サブ画面に表示する処理を行ってもよい。
【0017】
このようにすれば、透明物体をタッチパネルディスプレイに接触させて、メイン画面のキャラクタを探すという楽しみを提供できる。
【0018】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面に表示されるキャラクタの透過表現画像を前記サブ画面に表示する処理を行ってもよい。
【0019】
このようにすれば、透明物体をタッチパネルディスプレイに接触させるだけで、メイン画面のキャラクタの透過表現画像をサブ画面を介して表示できるようになる。
【0020】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記メイン画面に表示される前記キャラクタの画像よりも小さなサイズの前記透過表現画像を前記サブ画面に表示する処理を行ってもよい。
【0021】
このようにすれば、キャラクタの画像と、透明物体を介して映る透過表現画像との位置関係に矛盾が生じず、不自然さのない画像を表示できる。
【0022】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面に表示されるべきキャラクタと前記接触位置とが一致したと判断された場合に、前記キャラクタの説明画像が表示されるサブ画面を発生させてもよい。
【0023】
このような説明画像のサブ画面を表示すれば、キャラクタを探してその説明を見るという図鑑等のような楽しみを、提供することができる。
【0024】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した後、所与のタイムラグ期間が経過した後に、前記表示領域に前記サブ画面を発生させる処理を行ってもよい。
【0025】
このようにすれば、透明物体が置かれていない状態で、タッチパネルディスプレイに指等でタッチして直ぐに離した場合に、サブ画面は表示されないため、種明かしがわかってしまう事態等を防止できる。
【0026】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、前記接触位置から離れた場所に設定された前記表示領域に前記サブ画面を発生させ、前記サブ画面が発生した後、前記サブ画面を前記接触位置に向かって移動させる処理を行ってもよい。
【0027】
このようにすれば、透明物体を置いた時に、透明物体の中心にサブ画面画像が突然現れるのではなく、サブ画面画像が徐々に例えば中心に向かって移動しながら現れるという画像表現を実現できる。
【0028】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した後、前記接触位置が移動した場合に、移動する前記接触位置に追従するように、前記サブ画面を移動させる処理を行ってもよい。
【0029】
このようにすれば、透明物体の輪郭領域内に表示されるサブ画面画像も、透明物体の移動に追従させることが可能になる。
【0030】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、プレーヤのゲーム成績を演算するゲーム成績演算部を含み(ゲーム成績演算部としてコンピュータを機能させ)、前記ゲーム成績演算部は、前記接触イベントが発生して、前記サブ画面が発生した後に、プレーヤが操作部を用いて所与の操作情報を入力した場合に、入力された操作情報に基づいてプレーヤのゲーム成績を演算してもよい。
【0031】
このようにすれば、接触イベントの発生により、単にサブ画面画像が出現するだけではなく、プレーヤがゲーム操作を行うことで、プレーヤのゲーム成績も演算されるようになる。
【0032】
また本発明は、タッチパネルディスプレイに表示される画像を生成する画像生成装置であって、前記タッチパネルディスプレイに物体が接触する接触イベントが発生した場合に、前記物体の接触位置を取得する接触位置取得部と、前記接触イベントが発生した場合に、取得された前記接触位置に対応する表示領域にサブ画面を発生させる処理を行うサブ画面制御部と、前記サブ画面の画像を含む画像を生成して、前記タッチパネルディスプレイに表示する画像生成部と、プレーヤのゲーム成績を演算するゲーム成績演算部とを含み、前記ゲーム成績演算部は、前記接触イベントが発生して、前記サブ画面が発生した後に、プレーヤが操作部を用いて所与の操作情報を入力した場合に、入力された操作情報に基づいてプレーヤのゲーム成績を演算する画像生成装置に関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0033】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面における前記接触位置での拡大画像を前記サブ画面に表示する処理を行い、前記ゲーム成績演算部は、前記接触イベントが発生して、前記サブ画面が発生した後に、プレーヤがシューティング操作を行った場合に、前記拡大画像に表示されるキャラクタに対するシューティングについてのプレーヤのゲーム成績を演算してもよい。
【0034】
このようにすれば、これまでにないシューティングゲームのゲーム処理を実現できる。
【0035】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、他の画像生成装置でゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報をネットワークを介して受信する処理を行う通信処理部を含み(通信処理部としてコンピュータを機能させ)、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、受信した前記他のプレーヤのゲームプレイ情報に基づいて、前記サブ画面を発生させる処理を行ってもよい。
【0036】
このようにすれば、通信処理との組み合わせにより、これまでにないゲーム処理を実現できる。
【0037】
また本発明は、タッチパネルディスプレイに表示される画像を生成する画像生成装置であって、前記タッチパネルディスプレイに物体が接触する接触イベントが発生した場合に、前記物体の接触位置を取得する接触位置取得部と、前記接触イベントが発生した場合に、取得された前記接触位置に対応する表示領域にサブ画面を発生させる処理を行うサブ画面制御部と、前記サブ画面の画像を含む画像を生成して、前記タッチパネルディスプレイに表示する画像生成部と、他の画像生成装置でゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報をネットワークを介して受信する処理を行う通信処理部とを含み、前記サブ画面制御部は、前記接触イベントが発生した場合に、受信した前記他のプレーヤのゲームプレイ情報に基づいて、前記サブ画面を発生させる処理を行う画像生成装置に関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0038】
また本発明に係る画像生成装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記サブ画面制御部は、前記他のプレーヤのゲームプレイ情報に基づいて、前記他のプレーヤの視点から見える画像が表示された前記サブ画面を発生させる処理を行ってもよい。
【0039】
このようにすれば、プレーヤは、他のプレーヤから見て、プレーヤ側がどのように見えるのかを覗き見することができ、これまでにない画像表現を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態の画像生成装置の外観図の例。
【図2】本実施形態の画像生成装置の機能ブロック図の例。
【図3】図3(A)、図3(B)は本実施形態により生成される画像の例。
【図4】本実施形態の手法の原理を説明するための図。
【図5】本実施形態の手法を実現する具体的な処理を説明するための図。
【図6】本実施形態の具体的な処理のフローチャート。
【図7】図7(A)、図7(B)は画像変化手法の説明図。
【図8】図8(A)、図8(B)は拡大画像表示手法の説明図。
【図9】図9(A)、図9(B)は拡大画像表示手法の説明図。
【図10】図10(A)、図10(B)は透過表現画像表示手法の説明図。
【図11】図11(A)、図11(B)は透過表現画像表示手法の説明図。
【図12】透過表現画像表示手法の説明図。
【図13】図13(A)、図13(B)は説明画像表示手法の説明図。
【図14】図14(A)、図14(B)は説明画像表示手法の説明図。
【図15】説明画像生成手法の処理のフローチャート。
【図16】図16(A)、図16(B)はサブ画面の移動手法の説明図。
【図17】図17(A)、図17(B)はサブ画面の移動手法の説明図。
【図18】図18(A)〜図18(D)はサブ画面の移動手法の説明図。
【図19】図19(A)、図19(B)はゲーム成績演算手法の説明図。
【図20】ゲーム成績演算手法の処理のフローチャート。
【図21】本実施形態のゲームシステムの構成例。
【図22】図22(A)、図22(B)は通信処理手法の説明図。
【図23】通信処理手法の処理のフローチャート。
【図24】図24(A)、図24(B)は通信処理手法の他の例の説明図。
【図25】図25(A)〜図25(F)は透明物体の種々の例。
【図26】図26(A)、図26(B)は本実施形態のフィギュアへの適用例。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0042】
1.構成
図1に、本実施形態の画像生成装置の外観図を示す。ここでは画像生成装置の一例として携帯型ゲーム装置を示している。なお本実施形態が適用される画像生成装置は、このような携帯型ゲーム装置に限定されず、例えば携帯型ゲーム装置以外のゲーム装置、携帯型情報端末、携帯電話機などのタッチパネルディスプレイを有する種々の電子機器に適用できる。
【0043】
図1の画像生成装置は、第1のディスプレイであるタッチパネルディスプレイ190と、第2のディスプレイであるディスプレイ191を有する。また操作部として機能する方向指示キー(十字キー)300、操作ボタン302や、音出力部として機能するスピーカ304、306を有する。また情報記憶媒体として機能するICカード310(ゲームカード、ゲームカートリッジ)が着脱自在に装着されるカードスロット312を有する。このICカード310には、ゲームプログラム(ゲームデータ)が記憶される。なおスタイラスペン320は、タッチパネルディスプレイ190へのタッチ操作を、プレーヤ(ユーザ)の指の代わりに行うためのものである。
【0044】
タッチパネルディスプレイ190、ディスプレイ191には種々の画像(ゲーム画像、表示物)が表示される。例えばキャラクタ、サブ画面、背景画像などが表示される。これらのタッチパネルディスプレイ190、ディスプレイ191は、TFTなどのカラー液晶ディスプレイにより構成できる。そしてタッチパネルディスプレイ190では、カラー液晶ディスプレイの上面(或いは下面)にタッチパネルが一体的に形成されており、これによりタッチ操作による操作入力が可能になる。
【0045】
図2に本実施形態の画像生成装置の機能ブロック図の例を示す。なお本実施形態の画像生成装置は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0046】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、方向指示キー、操作ボタン、或いはジョイスティックなどにより実現できる。記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(DRAM、VRAM)などにより実現できる。
【0047】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、ICカード(メモリーカード)、光ディスク(CD、DVD)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0048】
タッチパネルディスプレイ190(第1のディスプレイ)は、プレーヤ(ユーザ)が種々の操作を行ったり、本実施形態により生成された画像を表示するためのものであり、例えば、LCD、有機ELなどのディスプレイと、それに一体的に形成されたタッチパネルなどにより実現できる。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などがある。またタッチパネルディスプレイ190には、タッチ位置(接触位置)を、同時に1点のみ検出可能な1点検出型と、同時に複数点を検出可能な複数点検出型がある。
【0049】
ディスプレイ191(第2のディスプレイ)は、本実施形態により生成された画像を表示するためのものであり、例えばLCD、有機ELなどのディスプレイにより実現できる。なおディスプレイ191としてタッチパネル式のディスプレイを用いてもよい。
【0050】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォン端子などにより実現できる。
【0051】
補助記憶装置194(補助メモリ、2次メモリ)は、記憶部170の容量を補うために使用される記憶装置であり、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどのメモリーカードなどにより実現できる。この補助記憶装置194は脱着自在になっているが、内蔵されるものであってもよい。この補助記憶装置194は、ゲームの途中結果などのセーブデータや、プレーヤ(ユーザ)の個人的な画像データや音楽データなどを保存するために使用される。
【0052】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバ(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0053】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などを行う。処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0054】
処理部100は、接触位置取得部102、サブ画面制御部103、キャラクタ制御部104、ゲーム演算部106、ゲーム成績演算部108、通信処理部110、画像生成部120、音生成部130を含む。なおこれらの一部(例えばゲーム演算部、ゲーム成績演算部)を省略する構成としてもよい。
【0055】
接触位置取得部102は、タッチパネルディスプレイ190に物体(透明物体、指、スタイラスペン等)が接触(タッチ)した場合に、その接触位置(タッチ位置)を取得する処理を行う。例えば本実施形態では、タッチパネルディスプレイ190に透明物体(透過物体)が接触する接触イベント(タッチイベント)が発生すると、透明物体の接触位置を取得する。具体的には接触位置取得部102は、タッチパネルディスプレイ190(タッチパネル)から送られて来る接触位置のデータ(座標データ)を1フレームごとにポーリングして取得する。そして取得された接触位置のデータは、例えば所与の期間が経過するまで接触位置記憶部171に一次記憶される。
【0056】
サブ画面制御部103は、サブ画面(移動体)の発生制御、移動制御、表示制御などの種々の制御処理を行う。例えば、接触イベントなどのイベント発生時にサブ画面を発生させたり、離隔イベントなどのイベント発生時にサブ画面を消滅させたり、サブ画面を移動させたり、サブ画面の表示や表示位置を画像生成部120に指示する処理を行う。即ち、発生したサブ画面を、サブ画面情報記憶部162のサブ画面管理リスト163に登録したり、サブ画面管理リスト163を画像生成部120等に転送したり、消滅したサブ画面をサブ画面管理リスト163から削除するなどの処理を行う。
【0057】
サブ画面制御部103は、サブ画面を移動させるための処理を行う。即ちタッチパネルディスプレイ190や操作部160を用いてプレーヤが入力した操作データや、プログラムや、各種データなどに基づいて、サブ画面を移動させる処理を行う。更に具体的には、サブ画面の移動情報(位置、速度、或いは加速度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める処理を行う。なおフレームは、オブジェクトの移動制御処理や動作制御処理や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0058】
サブ画面制御部103によるサブ画面制御により求められたサブ画面の位置、速度等の移動情報は、サブ画面情報記憶部162のサブ画面移動情報記憶部164に記憶される。またサブ画面の表示制御の際に使用されるサブ画面の画像情報は、サブ画面情報記憶部162のサブ画面画像記憶部165に記憶される。
【0059】
そして本実施形態では、サブ画面制御部103は、タッチパネルディスプレイ190に透明物体(広義には物体)が接触(タッチ)する接触イベント(タッチイベント)が発生した場合に、取得された接触位置に対応する表示領域(接触位置により特定される表示領域、サブ画面発生領域)に、サブ画面を発生させる処理(表示する処理)を行う。例えばそのサブ画面を、表示すべきサブ画面としてサブ画面管理リスト163に登録したり、或いは、サブ画面管理リスト163におけるそのサブ画面の表示フラグをオンにする。
【0060】
具体的にはサブ画面制御部103は、透明物体の輪郭領域内(外形形状領域内)に、透明物体(透過物体)を介して見えるサブ画面の画像(サブ画面内の画像又はその主要部)が表示されるように、そのサイズ(スケール)が設定されたサブ画面を、接触位置に対応する表示領域に発生させる処理(表示する処理)を行う。ここで、輪郭領域は、タッチパネルディスプレイ190及び透明物体(タッチパネルディスプレイに接触した状態での透明物体)を平面視した場合(画面に対して垂直な視線で見た場合)における透明物体の輪郭(外形形状)により特定される領域である。
【0061】
またサブ画面制御部103は、接触イベントが発生した場合に、タッチパネルディスプレイ190のメイン画面の画像上(背景画像上)にサブ画面を発生させる処理(表示する処理)を行う。そしてタッチパネルディスプレイ190から透明物体(物体)が離れる離隔イベントが発生した場合に、発生したサブ画面を非表示にする処理(消去する処理)を行う。
【0062】
またサブ画面制御部103は、接触イベントが発生した場合に、サブ画面の画像を変化させる処理を行う。具体的には例えばサブ画面に表示される文章(文字)をスクロールさせるテロップ処理を行う。
【0063】
またサブ画面制御部103は、接触イベントが発生した場合に、タッチパネルディスプレイ190のメイン画面の拡大画像をサブ画面に表示する処理を行う。例えばメイン画面での接触位置における拡大画像を、サブ画面に表示する。具体的には、メイン画面に表示されるべきキャラクタの拡大画像をサブ画面に表示する。この場合に、メイン画面での接触位置に応じて、異なったキャラクタ(異なった種類のキャラクタ)の拡大画像をサブ画面に表示(描画)してもよい。なお、メイン画面に表示されるべきキャラクタとは、メイン画面に実際に表示されるキャラクタや、実際にはメイン画面には表示されていないが、その位置に存在することが想定されているキャラクタである。
【0064】
またサブ画面制御部103は、接触イベントが発生した場合に、タッチパネルディスプレイ190のメイン画面に表示されるキャラクタの透過表現画像をサブ画面に表示する処理を行う。具体的には、メイン画面に表示されるキャラクタの画像よりも小さなサイズの透過表現画像をサブ画面に表示する。そしてこの小さなサイズの透過表現画像は、球体等の透明物体のレンズ効果等により拡大されて表示されることで、メイン画面に表示されるキャラクタと同じサイズになる。なお透過表現画像は、キャラクタの内部を透過した場合に見えることが想定される画像であり、例えばキャラクタが動物である場合には、その骨格や内臓の画像である。またキャラクタが、ロボットや機械である場合には、その内部構造の画像である。
【0065】
またサブ画面制御部103は、タッチパネルディスプレイ190のメイン画面に表示されるべきキャラクタと接触位置とが一致したと判断された場合に、そのキャラクタの説明画像が表示されるサブ画面を発生させる。この場合の説明画像は、タッチパネルディスプレイ190に表示されるが、ディスプレイ191(第2のディスプレイ)に表示してもよい。
【0066】
なお描画バッファ176の第1の描画バッファ177には、タッチパネルディスプレイのメイン画面画像(背景画像等)が描画される。一方、第2の描画バッファ178には、サブ画面画像(透過表現画像)が描画される。例えばテロップ処理を行う場合には、この第2の描画バッファ178を利用して文章のスクロール処理を行えばよい。
【0067】
そしてサブ画面制御部103は、接触位置に基づいて、第2の描画バッファ178での画像の切り取り領域(矩形領域)を特定する。そして特定された切り取り領域の画像をサブ画面画像として、接触位置に対応する表示領域に表示する処理を行う。例えば切り取り領域の画像を、第1の描画バッファ177における接触位置に対応する表示領域に描画する。
【0068】
またサブ画面制御部103は、接触イベントが発生した後、接触位置が移動した場合に、移動する接触位置に追従するように、サブ画面を移動させる処理を行う。例えば接触位置(タッチ位置)の移動方向に対応する方向(同一方向)にサブ画面を移動させる。この場合に、接触位置の移動距離(移動速度)よりも短い移動距離(遅い移動速度)で、接触位置に追従するように、サブ画面を移動させることが望ましい。また接触位置が移動するにつれて、サブ画面を非表示にする処理(徐々に非表示にする処理、透明にする処理)を行ってもよい。
【0069】
キャラクタ制御部104は、キャラクタ(移動体)の発生制御、移動・動作制御、表示制御などの種々の制御処理を行う。具体的には、発生したキャラクタを、キャラクタ情報記憶部172のキャラクタ管理リスト173(オブジェクトリスト)に登録したり、キャラクタ管理リスト173を画像生成部120等に転送したり、消滅したキャラクタをキャラクタ管理リスト173から削除するなどの処理を行う。なおキャラクタは、例えば動物(人間、虫)、植物などの生き物や、惑星、星などの天体や、車、飛行機、船などの乗り物等を表す2次元又は3次元オブジェクトである。キャラクタは、2次元オブジェクトの場合には例えばドット画像により表すことができ、3次元オブジェクトの場合には例えば複数のポリゴン(プリミティブ面)により表すことができる。
【0070】
キャラクタ制御部104は、2次元又は3次元のオブジェクト空間であるゲームフィールドにおいてキャラクタ(2次元又は3次元のオブジェクト)を移動させるための処理を行う。即ちタッチパネルディスプレイ190や操作部160を用いてプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動アルゴリズム)や、各種データ(オブジェクトリスト)などに基づいて、キャラクタを移動させる処理を行う。更に具体的には、キャラクタの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める処理を行う。またキャラクタ制御部104は、キャラクタを動作させるための処理も行うことができる。即ちタッチパネルディスプレイ190や操作部160を用いてプレーヤが入力した操作データや、プログラム(動作アルゴリズム)や、各種データ(アニメーションデータ、モーションデータ)などに基づいて、キャラクタを動作(アニメーション、モーション)させる処理を行う。更に具体的には、キャラクタの動作情報(アニメーション情報、或いは各パーツオブジェクトの位置、回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める処理を行う。
【0071】
キャラクタ制御部104によるキャラクタ制御により求められたキャラクタの位置、回転角度、速度等の移動情報は、キャラクタ情報記憶部172のキャラクタ移動情報記憶部174に記憶される。またキャラクタの表示制御の際に使用されるキャラクタの画像情報(ドット画像、ポリゴンデータ等)は、キャラクタ情報記憶部172のキャラクタ画像記憶部175に記憶される。
【0072】
ゲーム演算部106はゲーム画像やゲーム音を生成するためのゲーム演算処理を行う。ゲーム演算処理としては、ゲームの内容やゲームモードを決定する処理、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0073】
ゲーム成績演算部108はプレーヤのゲーム成績(得点、ポイント、勝敗)の演算処理を行う。例えば、接触イベントが発生して、サブ画面が発生した後(サブ画面を表示した後)に、プレーヤが操作部160(例えば操作ボタン、十字キー)を用いて所与の操作情報を入力した場合(ゲーム操作を行った場合)に、入力された操作情報に基づいてプレーヤのゲーム成績を演算する。
【0074】
具体的にはサブ画面制御部103は、接触イベントが発生した場合に、タッチパネルディスプレイ190のメイン画面における接触位置での拡大画像をサブ画面に表示する。そして例えば接触イベントが発生して、サブ画面が発生した後に、プレーヤが操作部160を用いてシューティング操作を行った場合に、拡大画像に表示されるキャラクタに対するシューティングについてのプレーヤのゲーム成績を演算する。
【0075】
通信処理部110は、他の画像生成装置(ゲーム装置)でゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報(キャラクタ情報、プレイ操作情報、操作履歴情報、ゲーム成績情報、或いは個人情報等)をネットワーク(インターネット、LAN)を介して受信するための処理を行う。具体的には、例えば通信部196が受信したゲームプレイ情報を、記憶部170等を介して取得する。或いは、自身のプレーヤのゲームプレイ情報をネットワークを介して他の画像生成装置に送信するための処理を行う。具体的には、送信すべきゲームプレイ情報を用意して、通信部196に対して送信を指示する。
【0076】
そしてサブ画面制御部103は、接触イベントが発生した場合に、受信した他のプレーヤのゲームプレイ情報に基づいて、サブ画面を発生させる処理(表示する処理)を行う。具体的には、例えば他のプレーヤのゲームプレイ情報(視点情報等)に基づいて、他のプレーヤの視点から見える画像が表示されたサブ画面を発生させる処理を行う。或いは、接触位置と、ゲームプレイ情報に含まれる他のプレーヤのキャラクタの位置とを比較し、これらが一致した場合に、接触位置に対応する表示領域に、他のプレーヤのキャラクタが表示されたサブ画面を発生させる処理を行う。この場合に、他のプレーヤのキャラクタに対するヒット処理(破壊表現処理)などを行ってもよい。
【0077】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて、描画バッファ176への画像の描画処理を行い、これにより画像を生成して、タッチパネルディスプレイ190やディスプレイ191に出力する。この場合、画像生成部120が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。そして3次元画像を生成する場合には、まず、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、或いは透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を描画バッファ176(フレームバッファ、中間バッファなどのピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0078】
そして本実施形態では画像生成部120は、サブ画面画像を含む画像を生成して、タッチパネルディスプレイ190に表示する。或いは、接触イベントが発生して、サブ画面が発生した場合に、サブ画面に表示されるキャラクタの説明画像を生成する。
【0079】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0080】
2.本実施形態の手法
2.1 透明物体を用いた隠し絵表現
従来の画像生成装置では、タッチパネルディスプレイ190は、タッチ操作により操作情報を入力するために使用されるのが一般的であった。またタッチ操作は、指やスタイラスペンにより行われ、それ以外の物体によるタッチ操作は想定されていなかった。
【0081】
本実施形態では、タッチパネルディスプレイ190に例えば球体の透明物体を置いてその内部を覗くと、それまで見えなかったはずの画像が見えるという隠し絵表現に、タッチパネルディスプレイ190を利用している。
【0082】
即ち図3(A)では、タッチパネルディスプレイ190に、メイン画面の画像として例えば背景画像(真っ黒の画像や真っ白の画像を含む)が表示されている。そして図3(B)に示すように、水晶玉をイメージした球体の透明物体TOBをタッチパネルディスプレイ190に置いて、図3(B)の接触位置TPにおいて透明物体TOBがタッチパネルディスプレイ190に接触すると、隠し絵である文章等のサブ画面画像が透明物体TOBの内部に浮かび上がって見える画像が表示される。即ち図3(A)では存在しなかったサブ画面画像が、透明物体TOBを置くことで突然出現するため、プレーヤは、何故このようなサブ画面画像が出現したのか、その理由を理解できず、驚きを感じる。これにより、従来にはないインタラクティブな映像効果を提供できる。
【0083】
次に、図4を用いて本実施形態の手法の原理について説明する。図4では、透明物体TOBがタッチパネルディスプレイ190上に置かれて、タッチパネルディスプレイ190に透明物体TOBが接触する接触イベントが発生している。この場合に本実施形態では、接触位置取得部102が、透明物体TOBの接触位置TPを取得する。即ちタッチパネルディスプレイ190上での接触位置TPの座標を取得する。
【0084】
このように接触イベントが発生すると、サブ画面制御部103は、取得された接触位置TPに対応する表示領域(TPによりその位置が特定される領域、TPを含む領域、或いはTPから所与の距離だけ離れた領域)に、文章等が書かれたサブ画面SBを発生させる。例えば接触位置TPを含む表示領域にサブ画面画像を表示する。すると、このサブ画面画像が透明物体TOBのレンズ効果により拡大されてプレーヤに表示される。例えば透明物体TOBが球体である場合には、約3倍に拡大されて表示される。
【0085】
この場合に本実施形態では、タッチパネルディスプレイ190上には、人間の指で隠れてしまう程度の小さなサイズのサブ画面画像を表示する。例えば16×16ピクセル程度(或いは1cm×1cm以下)のサブ画面画像を表示する。
【0086】
具体的には、図3(B)のようにタッチパネルディスプレイ190及び透明物体TOBを平面視した場合における透明物体TOBの輪郭領域をERとする。透明物体TOBが球体である場合には、輪郭領域ERは円領域になる。この場合にサブ画面制御部103は、輪郭領域ER内に、透明物体TOBを介して見えるサブ画面画像(少なくともその主要部の画像、文字)が表示されるように、そのサイズが設定されたサブ画面SBを、接触位置TPに表示する。
【0087】
このようにすれば、図3(B)に示すようにサブ画面画像が透明物体TOBの輪郭領域ERからはみ出ずに表示されるため、あたかも透明物体TOBの内部にサブ画面画像が映し出されたかのような錯覚をプレーヤに与えることができる。またサブ画面SBをこのような小さなサイズに設定すれば、サブ画面画像の突然の発生を不思議に思ったプレーヤが、透明物体TOBを取り外して、図3(A)の接触位置TPに指でタッチした場合にも、サブ画面画像が指に隠れて見えないため、種明かしが直ぐにわかってしまう事態を防止できる。
【0088】
また本実施形態では、サブ画面制御部103は、プレーヤが透明物体TOBを取り外して、タッチパネルディスプレイ190から透明物体TOBが離れる離隔イベントが発生すると、発生したサブ画面SBを非表示(消去)にする。即ち図3(A)のように、接触位置TPにサブ画面画像が表示されないようにする。これにより、透明物体TOBをタッチパネルディスプレイ190に置くと、画像が表示され、取り外すと画像が消えるという映像効果を実現できる。このようにすれば、サブ画面画像の突然の発生を不思議に思ったプレーヤが、透明物体TOBを取り外した場合に、図3(A)のようにサブ画面SBは非表示になっているため、種明かしが直ぐにわかってしまう事態を防止できる。
【0089】
以上の本実施形態の手法によれば、透明物体TOBとして例えば球体を使用しているため、透明物体TOBが置かれた地点の画像(映像)を約3倍に拡大して映し出すことができる。また、球体の透明物体TOBとタッチパネルディスプレイ190との接触により、透明物体TOBを置いた位置の座標を、タッチパネルディスプレイ190の機能を利用して、簡単に取得できる。
【0090】
また、指やスタイラスペンなどの不透明物体でタッチすると、接触位置TP付近の画像が指やスタイラスペンにより隠れて、見えなくなってしまう。これに対して、本実施形態のように透明物体TOBを使用すれば、接触位置TP付近の画像が隠れてしまうことがなく、図3(B)のようなサブ画面画像をプレーヤに見せることができる。
【0091】
また透明物体TOBには、ある程度の重さ(例えば80g以上)があるため、押すという積極的な操作をしなくても、透明物体TOBをタッチパネルディスプレイ190に置くだけで、接触位置TP付近の座標を取得できる。また球体の透明物体TOBを用いれば、転がりによる軌跡も取得できる。
【0092】
次に本実施形態の手法を実現する具体的な処理について図5、図6を用いて説明する。図5のA1に示す背景画像(メイン画面画像)をIM1とし、A2に示すサブ画面画像をIM2とする。この背景画像IM1は図2の第1の描画バッファ177に描画され、サブ画面画像IM2は第2の描画バッファ178に描画される。
【0093】
そして図5のA3に示すように、タッチパネルディスプレイ190に透明物体TOBが接触して、タッチパネル入力があった時にだけ、接触位置TPの座標を中心とした場所(表示領域)にサブ画面画像IM2を配置して表示する。即ち背景画像IM1上の接触位置TPに対応する位置にサブ画面画像IM2を描画する。
【0094】
すると、図5のA4に示すように、透明物体TOBを通して見ることで、レンズ効果によって画像が約3倍に拡大されて見えるようになる。また透明物体TOBを持ち上げて、タッチパネル入力がなくなると同時に、サブ画面画像IM2は消去される。
【0095】
なお接触イベントが発生してタッチパネル入力があった際に、瞬時にサブ画面画像IM2を表示してもよいが、サブ画面画像IM2のスケールを、例えば0.0から1.0に徐々に変化させたり、サブ画面画像IM2の透明度を、例えば0.0(透明)から1.0(不透明)に徐々に変化させることで、演出的な効果をより高めることができる。
【0096】
図6は本実施形態の手法の処理を説明するためのフローチャートである。
【0097】
まずタッチパネルディスプレイ190のメイン画面画像である背景画像を描画する(ステップS1)。そして透明物体(水晶玉)TOBがタッチパネルディスプレイ190に接触したか否か(接触イベントが発生したか否か)を判断する(ステップS2)。そして接触した場合には、タッチパネルディスプレイ190の接触位置(タッチ位置)TPを取得する(ステップS3)。即ちタッチパネルディスプレイ190から出力される接触位置TPの座標を取得する。
【0098】
次に、所与のタイムラグ期間が経過したか否かを判断する(ステップS4)。そして経過した場合には、メイン画面画像(背景画像)上の接触位置TPに対応する表示領域にサブ画面画像を描画する(ステップS5)。そして、必要であればサブ画面画像の変化処理(映像演出処理)を行う(ステップS6)。即ち、例えばサブ画面画像のテロップ処理(スクロール処理)、アニメーション処理、拡大処理、或いは透明度変化処理などを行う。
【0099】
次に透明物体TOBがタッチパネルディスプレイ190から離れたか否か(離隔イベントが発生したか否か)を判断する(ステップS7)。離れていない場合にはステップS6に戻りサブ画面画像の変化処理を継続する。一方、離れた場合には、サブ画面画像を非表示(消去)にして(ステップS8)、ステップS2に戻る。
【0100】
図6のステップS4、S5では、接触イベントが発生した後、所与のタイムラグ期間が経過した後に、表示領域にサブ画面SBを発生させている。即ちサブ画面SBの発生を、接触イベント発生時から一定時間だけ遅らせている。
【0101】
例えば図3(B)のようにサブ画面画像が突然に現れたことを不思議に思ったプレーヤが、透明物体TOBを取り外して、図3(A)の接触位置TPに指でタッチしたとする。この場合に、図4に示すようにタッチパネルディスプレイ190に表示されるサブ画面画像のサイズは小さいため、サブ画面画像のほとんどはプレーヤの指に隠れてしまう。しかしながら、プレーヤが直ぐに指を離してしまうと、指に隠れていたサブ画面画像が見えてしまい、種明かしが直ぐにわかってしまう。
【0102】
この点、図6のステップS4のようにタイムラグ期間経過後にサブ画面画像を表示するようにすれば、プレーヤが接触位置TPに指でタッチした後に直ぐに離したとしても、サブ画面画像は未だ表示されていないため、種明かしがわかってしまう事態を防止できる。
【0103】
なおタイムラグ期間経過後にサブ画面を出現させる手法の代わりに、接触イベント発生後、徐々にサブ画面を大きくしたり、透明から不透明にする手法を採用してもよい。
【0104】
2.2 画像変化処理
図6のステップS6では、接触イベントが発生した後(ステップS2)、サブ画面制御部103は、サブ画面画像を変化させる処理を行っている。例えば図7(A)、図7(B)では、接触イベントが発生した場合に、サブ画面画像を変化させる処理として、サブ画面に表示される文章をスクロールさせるテロップ処理を行っている。
【0105】
図7(A)、図7(B)では、本実施形態の手法により水晶玉占いを実現している。例えば図7(A)では、プレーヤが透明物体TOBをタッチパネルディスプレイ190に置き、接触イベントが発生すると、まず、「運命の人は」と書かれたサブ画面SBが表示される。そして、その後、図7(B)に示すように文章が順次スクロールして、例えば「運命の人はあなたのすぐそばに居ます」という占いが文字テロップによりプレーヤに伝えられる。この場合に、プレーヤが違うタイミングで透明物体TOBをタッチパネルディスプレイ190に置くと、今度は、例えば「あなたの今日のラッキーカラーはオレンジです」、「あなたの愛が彼にはちょっと重いかも」というように、置くタイミングに応じて異なる占いの言葉がテロップ表示される。これによりプレーヤは水晶玉占いを疑似体験できる。
【0106】
例えば図4では、サブ画面画像が透明物体TOBの輪郭領域ER内に収まるように、サブ画面SBを小さなサイズに設定している。従って、サブ画面SBのピクセル数は少なく、多くの文章を一度にサブ画面SBに描くことは難しい。特に携帯型ゲーム装置では、タッチパネルディスプレイ190の解像度(ピクセル数)はそれほど高くないのが一般的であるため、サブ画面画像が輪郭領域ER内に収まるようにサブ画面SBのサイズを小さくすると、一度に表示できる文字数は限られる。
【0107】
この点、図7(A)、図7(B)のように、時間経過に応じて文章をスクロールさせるテロップ処理を行えば、サブ画面SBのサイズが小さい場合でも、多くの文字数の文章を透明物体TOBを介してプレーヤに提示することが可能になる。
【0108】
なおサブ画面画像を変化させる処理は、図7(A)、図7(B)のようなテロップ処理に限定されず、サブ画面画像のアニメーション処理を行ってもよい。例えばサブ画面に描いたキャラクタをアニメーションさせる処理を行ってもよい。具体的には、アニメーション用の複数のキャラクタ画像を、サブ画面SBに順次描画してアニメーション処理を実現する。
【0109】
或いは、接触イベントが発生した後、サブ画面SBのサイズを徐々に大きくする処理を行ってもよい。例えばサブ画面SBを非常に小さなサイズ(例えば1×1ピクセル)から、図4のサイズ(例えば16×16ピクセル)に変化させる。このようにすれば、タイムラグ期間経過後にサブ画面SBを発生させる手法と同様の効果を得ることができる。即ち、プレーヤが、透明物体TOBを取り外して、接触位置TPに指でタッチした後に直ぐに離したとしても、サブ画面画像は非常に小さなサイズ(1×1ピクセル)で表示されるため、種明かしがわかってしまう事態を防止できる。
【0110】
なお、接触イベント発生時に図4のサイズでサブ画面SBを表示した後、更にサブ画面SBのサイズを大きくする処理を行ってもよい。このようにすれば、出現したサブ画面SBのサイズが透明物体TOB内で更に大きくなって行くという映像表現を実現できる。
【0111】
また接触イベントが発生した後、サブ画面画像を、透明度の高い状態から透明度の低い状態に変化させる処理を行ってもよい。具体的には、例えばサブ画面画像を完全な透明状態から不透明状態に変化させる。このようにすれば、タイムラグ期間経過後にサブ画面SBを発生させる手法と同様の効果を得ることができる。即ち、プレーヤが、透明物体TOBを取り外して、接触位置TPに指でタッチした後に直ぐに離したとしても、サブ画面画像は透明な状態で表示されているため、種明かしがわかってしまう事態を防止できる。
【0112】
なお、接触イベントの発生後(例えばタイムラグ期間経過後)、サブ画面画像を例えば半透明状態で表示し、その後、サブ画面画像を徐々に不透明にしてもよい。このようにすれば、出現したサブ画面画像が透明物体TOB内において、徐々にその姿が現れてくるという映像表現を実現できる。
【0113】
またサブ画面画像の透明状態(半透明状態)を変化させる処理は、例えばα値を用いたαブレンディングなどにより実現できる。即ち、サブ画面画像を、透明度の高い状態から透明度の低い状態に変化させる場合には、サブ画面画像のα値を、透明度の高いα値から透明度の低いα値に変化させながら、背景画像とのαブレンディングを行えばよい。
【0114】
なお接触イベント発生後に行う画像変化処理として、ピクセル入れ替え処理、ピクセル平均化処理等のサブ画面画像に対する様々な画像フィルタリング処理を行ってもよい。
【0115】
或いは、接触イベントが発生した後、接触位置TPが移動した場合に、接触位置TPの移動に応じてサブ画面画像を変化させてもよい。例えば接触位置TPの移動距離や移動速度に基づいてサブ画面画像を変化させてもよい。
【0116】
2.3 拡大画像
次に、本実施形態を適用した拡大画像の表示手法について説明する。例えば図8(A)では、タッチパネルディスプレイ190に対して、惑星や星が見える夜空が描かれたメイン画面画像が表示されている。
【0117】
そしてプレーヤが透明物体TOB(或いは指、スタイラスペン等の物体)をタッチパネルディスプレイ190に置いて、TOBが接触位置TPに接触する接触イベントが発生すると、図8(B)に示すように惑星(土星)の画像がTOBを介して見えるようになる。即ち接触インベントが発生した場合に、図9(A)に示すようにタッチパネルディスプレイ190のメイン画面(夜空の画像)の拡大画像を、接触位置TPに発生したサブ画面SBに表示することで、図8(B)に示すような画像表現が実現される。
【0118】
具体的には接触インベントが発生した場合に、タッチパネルディスプレイ190のメイン画面に表示されるべきキャラクタの拡大画像をサブ画面SBに表示する。即ち図8(A)の夜空のメイン画面では、惑星や星が、メイン画面に表示されるべきキャラクタになる。従って、図9(A)では、メイン画面に表示されるべき惑星の拡大画像をサブ画面SBに表示し、図9(B)では、メイン画面に表示されるべき星の拡大画像をサブ画面SBに表示する。
【0119】
この場合に、メイン画面での接触位置TPに応じて異なったキャラクタ(異なった種類のキャラクタ)の拡大画像を、サブ画面SBに表示する。例えば図9(A)の接触位置TPでは惑星のキャラクタの拡大画像を表示し、図9(B)の接触位置TPでは星のキャラクタの拡大画像を表示する。即ち接触位置TPとキャラクタの存在位置を比較し、接触位置と一致する存在位置のキャラクタを表示する。
【0120】
このようにすれば、プレーヤに対して、夜空を眺めて色々な惑星や星を探索して発見するという楽しみを与えることができる。
【0121】
なお図8(A)のメイン画面画像に対して、例えばサイズが極めて小さな惑星、星等のキャラクタを予め表示しておき、そのキャラクタに透明物体TOBが接触した場合に、図8(B)のようにそのキャラクタの拡大画像を表示してもよい。或いは、図8(A)のメイン画面画像には、拡大画像に対応する惑星、星等については表示しないようにしてもよい。
【0122】
また本実施形態の拡大画像表示手法の適用例は図8(A)〜図9(B)に限定されない。例えばロールプレイングゲームやアクションゲームにおいて、メイン画面画像としてドア及びその鍵穴の画像を表示しておき、鍵穴の位置に透明物体TOB(物体)が接触した場合に、その拡大画像を表示してもよい。即ち、鍵穴の向こうに見える風景やそこにいるキャラクタの画像を表示する。このようにすることで、透明物体TOBを介して鍵穴の向こう側を覗くという、これまでにないゲーム表現を実現できる。
【0123】
2.4 透過表現画像
次に、本実施形態を適用した透過表現画像の表示手法について説明する。例えば図10(A)では、タッチパネルディスプレイ190に対して、人間のキャラクタCHが描かれたメイン画面画像が表示されている。
【0124】
そしてプレーヤが透明物体TOB(物体)をタッチパネルディスプレイ190に置いて、TOBが接触位置TPに接触する接触イベントが発生すると、図10(B)に示すように、キャラクタCHの透過表現画像である骨格画像がTOBを介して見えるようになる。即ち接触インベントが発生した場合に、図11(A)に示すように、メイン画面に表示されるキャラクタCHの透過表現画像を、接触位置TPに発生したサブ画面SBに表示することで、図10(B)に示すような画像表現が実現される。
【0125】
この場合に本実施形態では、図11(A)、図11(B)に示すように、メイン画面に表示されるキャラクタCHの画像よりも小さなサイズの透過表現画像を、サブ画面SBに表示している。
【0126】
例えば図11(A)でサブ画面SBに表示される透過表現画像は、キャラクタCHの骨格を表す画像であるが、キャラクタCHのサイズに比べて、小さな骨格の画像が表示されている。また図11(B)では、接触位置TPはキャラクタCHの肩の位置ではないが、肩の位置の骨格画像を表示している。
【0127】
即ち、球体の透明物体TOBを用いると、図4に示すように画像が約3倍に拡大される。従って、キャラクタCHの透過表現画像として、キャラクタCHと同じサイズの透過表現画像をサブ画面SBに表示してしまうと、メイン画面に映るキャラクタCHの画像と、透明物体TOBを介して映る透過表現画像との位置関係に矛盾が生じ、不自然な画像が生成されてしまう。
【0128】
この点、本実施形態では、キャラクタCHの画像よりも小さなサイズ透過表現画像をサブ画面SBに表示しているため、図10(A)に示すように、メイン画面に映るキャラクタCHの画像と、透明物体TOBを介して映る透過表現画像との位置関係に矛盾が生じず、不自然さのない画像が表示される。従って、あたかもキャラクタCHの体内を覗いているかのように見える画像を表示でき、これまでにない画像表現を実現できる。
【0129】
なお本実施形態の透過表現画像表示手法の適用例は図10(A)〜図11(B)に限定されない。例えば骨格ではなくて、内蔵が見える透過表現画像を表示してもよいし、服の透過表現画像を表示してもよい。或いは車や飛行機などの機械の内部が見える透過表現画像を表示してもよい。
【0130】
次に本実施形態の手法を実現する具体的な処理について図12を用いて説明する。図12において、B1に示すメイン画面画像をIM1とし、B2、B3に示すサブ画面画像である透過表現画像をIM2、IM3とする。ここで透過表現画像IM2は、メイン画面画像IM1と等倍の絵柄画像になっており、透過表現画像IM3は、メイン画面画像を1/3倍に縮小した絵柄画像になっている。このメイン画面画像IM1は図2の第1の描画バッファ177に描画され、サブ画面画像である透過表現画像IM2、IM3は第2の描画バッファ178に描画される。
【0131】
そして図12のB4、B5に示すように、タッチパネルディスプレイ190に透明物体TOBが接触して、タッチパネル入力があった時にだけ、接触位置TPの座標を中心とした場所(表示領域)に、透過表現画像IM2、IM3を表示(配置)する。即ちメイン画面画像IM1上の接触位置TPに対応する位置に透過表現画像IM2、IM3を描画する。
【0132】
すると、図12のB6、B7に示すように、透明物体TOBを通して見ることで、レンズ効果によって画像が約3倍に拡大されて見えるようになる。また透明物体TOBを持ち上げて、タッチパネル入力がなくなると同時に、透過表現画像IM2、IM3は消去される。
【0133】
この場合に、図12のB6とB7を比較すれば明らかなように、縮小された透過表現画像IM3を用いれば、キャラクタCHとその透過表現画像との間の位置関係に矛盾が生じるのを防止できる。
【0134】
なお、この場合に、位置関係の矛盾を無くすために、透過表現画像IM3の表示位置を、接触位置TPの座標に応じてスクロールさせる処理を行うことが望ましい。即ち図11(A)、図11(B)に示すように、接触位置TPの座標に応じて、サブ画面SBの表示位置を変更することが望ましい。
【0135】
2.5 説明画像の表示
次に、本実施形態を適用した説明画像の表示手法について説明する。例えば図13(A)では、タッチパネルディスプレイ190に対して、虫が生息する森が描かれた背景画像が表示されている。
【0136】
そしてプレーヤが透明物体TOB(物体)をタッチパネルディスプレイ190に置いて、TOBが接触位置TPに接触する接触イベントが発生すると、蝶のキャラクタ画像がTOBを介して見えるようになる。即ち図14(A)に示すように接触位置TPに蝶のキャラクタCHを発生させることで、図13(B)に示すような画像表現が実現される。
【0137】
この場合、プレーヤが、図13(A)とは異なる位置に透明物体TOB(物体)を接触させると、接触位置に応じて、例えばカマキリ、カブトムシなどの異なった種類の虫のキャラクタCHが発生して、表示されるようになる。
【0138】
このようにすれば、プレーヤに対して、森の中を探索して色々な虫を発見するという楽しみを与えることができる。なお図13(A)では蝶等のキャラクタは表示されていないが、例えばサイズが極めて小さな蝶等のキャラクタを背景画像上に予め表示しておき、そのキャラクタに透明物体TOBが接触した場合に、図13(B)のようにそのキャラクタの拡大画像を表示するような演出効果にしてもよい。このようすれば、虫の採集をプレーヤに対して擬似的に体験させることが可能になる。
【0139】
また図13(B)、図14(A)では、接触イベントが発生して、虫のキャラクタCHが発生した場合に、そのキャラクタCHの説明画像(キャラクタの特徴等を説明する画像)が表示されるサブ画面SBを発生させている。具体的には、タッチパネルディスプレイ190のメイン画面に表示されるべきキャラクタと接触位置TPとが一致したと判断された場合に、そのキャラクタの説明画像が表示されるサブ画面SBを発生させる。
【0140】
このような説明画像のサブ画面SBを表示すれば、虫を探してその説明を見るという図鑑のような楽しみを、プレーヤに与えることができる。即ちプレーヤは、虫の画像のみならず、その虫がどのような種類の虫で、どのような特徴を持つのかを知ることができ、プレーヤの知的好奇心を満足させることができる。
【0141】
なお図14(B)に示すように、キャラクタCHが発生した場合に、発生したキャラクタCHの説明画像193を生成して、ディスプレイ191(第2のディスプレイ)に表示してもよい。このように、ディスプレイ191に説明画像193を表示すれば、プレーヤは、透明物体TOBを介さずに直接に説明画像を見て読むことができるため、プレーヤの利便性を向上できる。
【0142】
なお説明画像の生成手法は図13(A)〜図14(B)の手法に限定されない。例えば魚(キャラクタ)が泳いでいる画像を生成し、泳いでいる魚に対して透明物体(或いは物体)でタッチすると、その魚の名前、大きさ等の説明画像のサブ画面を表示したり、その魚の内臓や骨などを表す透過表現画像を、説明画像のサブ画面として表示してもよい。
【0143】
図15に、図13(A)〜図14(B)の手法を実現する処理のフローチャートを示す。
【0144】
まず図13(A)に示すような森を表す背景画像を描画する(ステップS11)。そして透明物体TOB(物体)がタッチパネルディスプレイ190に接触したか否かを判断する(ステップS12)。そして接触した場合には、タッチパネルディスプレイ190の接触位置TPを取得する(ステップS13)。
【0145】
次に、接触位置TPにキャラクタCHが存在するか否かを判断する(ステップS14)。そして存在する場合には、その接触位置TPにそのキャラクタCH及びその説明画像のサブ画面SBを表示する(ステップS15)。即ち図13(A)の接触位置TPには蝶のキャラクタCHが存在するため、図13(B)ではその蝶のキャラクタCH及びその説明画像が透明物体TOBを介して表示されるようになる。
【0146】
次に、第2のディスプレイ191に、出現したキャラクタCHの説明画像を表示する(ステップS16)。例えば図14(B)では、蝶のキャラクタCHの説明画像が表示されている。
【0147】
次に透明物体TOBがタッチパネルディスプレイ190から離れたか否かを判断する(ステップS17)。そして離れた場合には、キャラクタCH及び説明画像のサブ画面を非表示にして(ステップS18)、ステップS12に戻る。
【0148】
2.6 サブ画面の移動処理
サブ画面SBの表示領域は、接触位置TPを中心とする領域であってもよいが、接触位置から所与の距離だけ離れた表示領域にサブ画面SBを発生させてもよい。
【0149】
例えば図16(A)では、サブ画面制御部103は、接触位置TPへの透明物体TOBの接触イベントが発生した場合に、接触位置TPから離れた場所に設定された表示領域にサブ画面SBを発生させている。そして図16(B)に示すように、サブ画面SBが発生した後、サブ画面SBを接触位置TPに向かって移動させる処理を行う。
【0150】
このようにすれば、透明物体TOBを置いた時に、TOBの中心にサブ画面画像が突然現れるのではなく、サブ画面画像がTOBの輪郭付近から中心に向かって移動しながら現れるという映像効果を実現できる。また、透明物体TOBの接触位置TPとは異なる位置からサブ画面画像が現れるため、接触位置TPへの接触イベントによりサブ画面SBが発生させたということが、プレーヤに気づかれず、種明かしがわかってしまう事態を防止できる。
【0151】
また図17(A)では、接触イベントが発生した後、接触位置TPが移動している。そしてこの場合には、サブ画面制御部103は、移動する接触位置TPに追従するように、サブ画面SBを移動させる処理を行う。具体的には図16(B)のように接触位置TPにサブ画面SBが移動した後、図17(A)のようにプレーヤが透明物体TOBを例えば左側に動かすと、これに伴いサブ画面SBも左側に移動する。
【0152】
このようにすれば、透明物体TOBの輪郭領域ER内に表示されるサブ画面画像も、透明物体TOBの移動に追従して移動するようになる。従って、あたかも透明物体TOBの中に占いの文章が存在していて、透明物体TOBの移動に伴い移動しているかのように見え、リアルな映像表現を実現できる。
【0153】
また図17(B)では、サブ画面制御部103は、接触位置TPが移動するにつれて、サブ画面SBを非表示にする処理を行っている。即ち接触位置TPを、図16(B)の位置から長い距離移動させると、サブ画面SBが徐々に非表示になる。例えば図16(B)のように接触位置TPが左側に移動した場合には、サブ画面SBの右側部分から徐々に非表示にする。逆に、接触位置TPが右側に移動した場合には、サブ画面SBの左部分から徐々に非表示にする。
【0154】
このようにすれば、透明物体TOBを大きく移動させた場合には、TOB内に見えるサブ画面画像は消えるようになる。具体的には図17(A)のように透明物体TOB(接触位置TP)を左側に動かすと、サブ画面画像はTOB内において右側に移動する。そして透明物体TOBを更に左側に動かすと、サブ画面画像がTOB内の右側の輪郭に到達した後、その右側部分から徐々に消えて行く画像表現を実現できる。
【0155】
例えば、透明物体TOBを左側に移動した場合に、図17(B)のようにサブ画面SBも左側に移動させると共に非表示にする手法を採用しないと、透明物体TOBを大きく左側に移動させた時に、TOBの下に存在したサブ画面SBが、TOBの右側に現れて表示されてしまい、種明かしがわかってしまう。この点、図17(B)の手法によれば、サブ画面SBが非表示になるため、このような事態を防止できる。
【0156】
以上のように本実施形態では、接触イベントが発生した場合に、図18(A)のように接触位置TPから離れた場所にサブ画面SBを発生する。その後、図18(B)に示すように、発生したサブ画面SBを接触位置TPに向かって移動させる。
【0157】
また図18(C)に示すように、接触位置TPを移動させると、TPに追従するようにサブ画面SBを移動させる。例えば接触位置TPが左側に移動した場合には、サブ画面SBも左側に移動し、接触位置TPが右側に移動した場合には、サブ画面SBも右側に移動する。
【0158】
この場合に図18(C)に示すように、接触位置TPの移動距離Lよりも短い移動距離L/N(N>1)で、サブ画面SBを移動させることが望ましい。或いは接触位置TPの移動速度よりも遅い移動速度でサブ画面SBを移動させる。
【0159】
このようにすれば、透明物体TOBを例えば左側に移動させた場合に、サブ画面画像が、TOBの中心から右側の輪郭に向かって移動して見える映像表現を実現できる。そして、透明物体TOBを更に左側に移動させた場合に、図18(D)のようにサブ画面SBを非表示にすれば、図17(B)のように透明物体TOBの右側の輪郭からサブ画面画像が徐々に消えて行く映像表現を実現できる。
【0160】
2.7 ゲーム成績の演算
次に、本実施形態を適用したゲーム成績の演算手法について説明する。例えば図19(A)では、プレーヤが透明物体TOB(或いは物体)をタッチパネルディスプレイ190に接触させて、接触イベントが発生すると、図19(B)に示すように、サブ画面SBが発生して表示される。
【0161】
具体的には図19(A)では、接触位置TPはビルの窓付近であり、この場合には図19(B)に示すように、この接触位置TP付近の拡大画像が生成される。そして、サブ画面SBには、窓の向こうにいるキャラクタCHの画像が表示される。
【0162】
そして、このようにサブ画面SBが発生した後に、プレーヤが操作部を用いて操作情報を入力すると、入力された操作情報に基づいてプレーヤのゲーム成績が演算される。具体的には図19(B)では、プレーヤは、操作ボタン302を押して、キャラクタCHを銃等でシューティングする指示を行っている。そして、キャラクタCHにショット(弾丸)がヒットすると、プレーヤの得点が加算されるゲーム成績演算が行われる。
【0163】
このように図19(A)、図19(B)の手法によれば、接触イベントの発生により、単にサブ画面SBが出現するだけではなく、プレーヤがゲーム操作を行うことで、プレーヤのゲーム成績も演算されるようになり、インタラクティブなゲームを実現できる。
【0164】
なお本実施形態のゲーム成績演算手法は図19(A)、図19(B)に限定されない。例えば接触イベント発生によりサブ画面SBが出現した後、サブ画面SBに表示されたクイズに答えたり、出現したサブ画面SBに表示されるキャラクタやカードとの対戦ゲームを行うことなどにより、ゲーム成績を演算してもよい。
【0165】
図20に、図19(A)、図19(B)の手法を実現する処理のフローチャートを示す。
【0166】
まず図19(A)に示すようなビル等が描かれた背景画像を描画する(ステップS21)。そして透明物体TOB(物体)がタッチパネルディスプレイ190に接触したか否かを判断し(ステップS22)、接触した場合には、タッチパネルディスプレイ190の接触位置TPを取得する(ステップS23)。
【0167】
次に、図19(B)に示すように接触位置TPの拡大画像のサブ画面SBを生成して、キャラクタCHを表示する(ステップS24)。そしてプレーヤが、シューティング等の所与の操作を行った否かを判断し(ステップS25)、行った場合には、プレーヤの得点等のゲーム成績を演算する(ステップS26)。
【0168】
2.8 通信処理
次に、本実施形態を適用した通信処理手法について説明する。図21に本実施形態の通信処理手法を実現するゲームシステムの構成例を示す。このゲームシステムは、複数の画像生成装置(ゲーム装置、ゲーム端末、情報端末)20-1〜20-nと、これらの画像生成装置装置20-1〜20-nにネットワーク12を介して接続されるサーバ10を含む。ここで、ネットワーク12(通信回線)は、データ授受が可能な通信路を意味する。即ち、ネットワーク12は、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0169】
サーバ(ゲームサーバ)10は、各種処理を実行する処理部、各種プログラムやデータを記憶する記憶部、ネットワーク12を介したデータの送受信のための通信部等を有する公知のサーバコンピュータシステムにより構成できる。このサーバ10は、例えば画像生成装置の製造メーカやゲームソフトの制作メーカが提供(設置)し、ゲームシステムの全体制御、各種データやネットワークゲームの管理等を行う。
【0170】
画像生成装置20-1〜20-nは、プレーヤがゲームプレイを行うための装置(端末)であり、各種処理を実行する処理部、各種プログラムやデータを記憶する記憶部、プレーヤが操作入力を行うための操作部、ゲーム画面等を表示するための表示部、ゲーム音等を出力する音出力部、ネットワーク12を介したデータの送受信のための通信部等を有する公知のコンピュータシステムにより構成できる。例えば、画像生成装置20-1〜20-nとしては、家庭に設置される家庭用ゲーム装置、店舗に設置される業務用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、或いは携帯電話機などの携帯端末装置等により実現できる。そして画像生成装置20-1〜20-nでプレイするプレーヤは、サーバ10にアクセスしてログインすることにより、サーバ10より提供される各種のサービス(オンライン・ネットワーク・サービス)を受けることができる。
【0171】
図21のようなゲームシステムにより、例えば画像生成装置20-1が有する通信処理部110は、他の画像生成装置20-2においてゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報をネットワーク12を介して受信することができる。
【0172】
ここでゲームプレイ情報は、プレーヤのゲームプレイにより得られる情報であり、例えばキャラクタの情報、ゲームプレイの操作情報や操作履歴情報、プレーヤのゲーム成績情報、或いはプレーヤの個人情報等である。またキャラクタ情報は、キャラクタの位置、回転角度(方向)又は速度等の移動情報、キャラクタの体力、ヒットポイント又はステータス等のパラメータ情報、キャラクタに関して発生したイベント情報、或いはキャラクタの画像情報などである。またゲームプレイの操作情報や操作履歴情報は、操作部160を用いてプレーヤが入力した操作情報や、その操作情報の履歴情報である。またプレーヤのゲーム成績情報は、プレーヤの得点、ポイント又は勝敗等の情報であり、プレーヤの個人情報は、プレーヤの名前、ニックネーム、性別、又は年齢等の情報である。
【0173】
そして本実施形態では、サブ画面制御部103は、接触イベントが発生した場合に、受信した他のプレーヤのゲームプレイ情報に基づいて、サブ画面を発生させる処理を行う。例えば、接触位置に対応する表示位置にサブ画面を発生させる。具体的には、他のプレーヤのキャラクタの位置情報に基づいて、その位置に対応するゲームフィールド上の位置に他のプレーヤのキャラクタが描かれたサブ画面を発生させる。或いは他のプレーヤの操作情報や操作履歴情報に基づいて、サブ画面を発生させたり、移動させたりする。或いは他のプレーヤのゲーム成績情報に基づいて、サブ画面を発生させたり、消滅させたりする。
【0174】
例えば図22(A)、図22(B)は、本実施形態の手法を潜水艦対戦ゲームに適用した場合の例である。
【0175】
プレーヤのタッチパネルディスプレイ190には、海の背景画像が表示されている。そしてプレーヤの攻撃ターンになると、ネットワークを介して、他のプレーヤが操作する潜水艦のキャラクタCHの位置情報を受信する。そして、プレーヤは、透明物体TOB(或いは指、スタイラスペン等の物体)を操作して、海の下に他のプレーヤの潜水艦キャラクタCHが隠れていないかを探索する。
【0176】
具体的には、プレーヤが操作する透明物体TOB(物体)が接触位置TPに接触した場合に、接触位置TPと、受信により得られた他のプレーヤが操作する潜水艦キャラクタCHの位置とを比較する。そして接触位置TPと潜水艦キャラクタCHの位置とが一致すると、サブ画面制御部103は、図22(B)に示すように、海面に隠れていた他のプレーヤの潜水艦キャラクタCHが描かれたサブ画面SBを発生させる。更に具体的には、潜水艦キャラクタCHにプレーヤの魚雷が命中して、破壊される演出画像を生成する。このようにすれば、いわゆる潜水艦による魚雷戦ゲームを実現できるようになる。
【0177】
図23に、図22(A)、図22(B)の手法を実現する処理のフローチャートを示す。
【0178】
まず図22(A)に示すような海等が描かれた背景画像を描画する(ステップS31)。また他の画像生成装置でゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報(他のプレーヤの情報)をネットワークを介して受信する(ステップS32)。
【0179】
次に、透明物体TOB(物体)がタッチパネルディスプレイ190に接触したか否かを判断し(ステップS33)、接触した場合には、タッチパネルディスプレイ190の接触位置TPを取得する(ステップS34)。そして接触位置TPと他のプレーヤのキャラクタCH(潜水艦)の位置が一致したか否かを判断し(ステップS35)、一致した場合には、図22(B)に示すように、破壊された他のプレーヤのキャラクタCHが表示されたサブ画面SBを接触位置TPに発生させて表示する(ステップS36)。
【0180】
なお本実施形態の通信処理手法は図22(A)〜図23の手法に限定されない。例えばサブ画面制御部103は、他のプレーヤのゲームプレイ情報に基づいて、他のプレーヤの視点から見える画像が表示されたサブ画面を発生させる処理を行ってもよい。
【0181】
例えば図24(A)では、プレーヤが操作するキャラクタCH1と、他のプレーヤが操作するキャラクタCH2が対戦している。この場合、プレーヤの画像生成装置(ゲーム装置)と他のプレーヤの画像生成装置は、図21に示すようにネットワーク12やサーバ10を介して通信接続されている。そして、プレーヤの視点位置や視線方向などのゲームプレイ情報が送受信される。
【0182】
そしてプレーヤが、タッチパネルディスプレイ190の接触位置に透明物体TOB(物体)を接触させると、図24(B)に示すようなサブ画面SBが発生する。そして、サブ画面SBには、受信した他のプレーヤの視点情報に基づいて、他のプレーヤの視点から見える画像が表示される。即ち他のプレーヤから見えるプレーヤ側の画像であるキャラクタCH1の画像が表示される。
【0183】
このようにすれば、プレーヤは、他のプレーヤから見て、自身のキャラクタCH1がどのように見えるのかを覗き見することができ、これまでにない画像表現を実現できる。
【0184】
なお図24(A)、図24(B)はキャラクタの対戦ゲームの例であるが、例えばレーシングゲームや飛行機ゲームに適用した場合には、他のプレーヤの運転席やコックピットの視点から見える画像を、サブ画面SBに表示すればよい。
【0185】
2.9 透明物体
次に、本実施形態で使用される透明物体(物体)の種々の例について説明する。図25(A)は球体形状の透明物体の例である。この透明物体としては、例えば直径40mm前後の透明なアクリル球、ガラス球、ゴム球などを使用できる。なお透明物体は無色であってもよいし、有色であってもよい。また透明物体は完全な透明である必要はなく、半透明であってもよい。
【0186】
図25(B)は、レンズ形状又は半球形状の透明物体の例である。このように透明物体は必ずしも球体である必要はなく、少なくともタッチパネルディスプレイと接触する部分が曲面であればよい。
【0187】
図25(C)は、柱体形状の透明物体の例である。図25(C)では、柱体形状の透明物体のうち、タッチパネルディスプレイに接触する部分である底面がレンズ形状になっている。なお柱体は、円柱であってもよいし、三角柱や四角柱などの角柱であってもよい。
【0188】
図25(D)は筒形状の透明物体(物体)の例である。図25(D)では、例えば筒形状の真ん中の穴を介して、タッチパネルディスプレイに表示されたサブ画面画像が映し出される。この場合に、例えば筒の底面部分に、少なくとも2つの突起を設ければ、2つの突起の中点が、タッチパネルディスプレイの接触位置(タッチ位置)として取得されることになる。
【0189】
また透明物体が例えば柱体形状等である場合に、図25(E)、図25(F)に示すように、その底面に少なくとも2つの突起を設ける。このようにしても、2つの突起の中点が、タッチパネルディスプレイの接触位置(タッチ位置)として取得されることになる。
【0190】
例えば図26(A)、図26(B)では、キャラクタ等を模したフィギュア(透明物体、物体)が、タッチパネルディスプレイ190に置かれている。この場合に、図26(A)のフィギュアの底面には図25(E)に示すような突起が設けられ、図26(B)のフィギュアの底面には図25(F)に示すような突起が設けられている。そしてフィギュアを置いた場合の向きを固定したとすると、同じ円内に置いた場合でも、図25(E)の突起を有する図26(A)のフィギュアを置いた場合の接触位置と、図25(F)の突起を有する図26(B)のフィギュアを置いた場合の接触位置は、異なった位置になる。従って、この接触位置を判定することで、どのような形状のフィギュアが置かれたのかを判定できる。また、この接触位置を判定することで、例えばタッチパネルディスプレイ190に発生させるサブ画面画像の種類や、サブ画面画像の発生のさせ方を異ならせるなどの制御も可能になる。例えば図26(A)のロボットを模したフィギュアを置いた場合には、このフィギュアに対応したロボットのキャラクタが表示されたサブ画面を発生させたり、図26(B)のウサギを模したフィギュアを置いた場合には、このフィギュアに対応したウサギのキャラクタが表示されたサブ画面を発生させたりすることが可能になる。
【0191】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語(物体等)として引用された用語(透明物体等)は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0192】
また、サブ画面の発生手法、表示手法、制御手法や、ゲーム成績の演算手法や、通信処理手法なども、本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含むことができる。例えば図5〜図26(B)等で説明した手法においては、図4で説明したようなサブ画面のサイズ設定を行わない変形実施も可能である。また透明物体の代わりに物体を用いて接触位置を取得する手法を採用することも可能である。
【0193】
また本発明は、本実施形態で説明したゲーム以外にも種々のゲームに適用できる。また本発明は、業務用ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々の画像生成装置に適用できる。
【符号の説明】
【0194】
100 処理部、102 接触位置取得部、103 サブ画面制御部、
104 キャラクタ制御部、106 ゲーム演算部、108 ゲーム成績演算部、
110 通信処理部、120 画像生成部、130 音生成部、
160 操作部、162 サブ画面情報記憶部、163 サブ画面管理リスト、
164 サブ画面移動情報記憶部、165 サブ画面画像記憶部、
170 記憶部、171 接触位置記憶部、
172 キャラクタ情報記憶部、173 キャラクタ管理リスト、
174 キャラクタ移動情報記憶部、175 キャラクタ画像記憶部、
176 描画バッファ、177 第1の描画バッファ、178 第2の描画バッファ、
190 タッチパネルディスプレイ、191 ディスプレイ、192 音出力部、
194 補助記憶装置、196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルディスプレイに表示される画像を生成する画像生成装置のためのプログラムであって、
前記タッチパネルディスプレイに物体が接触する接触イベントが発生した場合に、前記物体の接触位置を取得する接触位置取得部と、
サブ画面の発生処理を行うサブ画面制御部と、
前記サブ画面の画像を含む画像を生成して、前記タッチパネルディスプレイに表示する画像生成部と、
他の画像生成装置でゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報をネットワークを介して受信する処理を行う通信処理部として、
コンピュータを機能させ、
前記サブ画面制御部は、
前記接触イベントが発生した場合に、前記物体の前記接触位置と、前記通信処理部により受信した前記他のプレーヤの前記ゲームプレイ情報とに基づいて、前記サブ画面の発生処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記サブ画面制御部は、
前記他のプレーヤのキャラクタの位置情報に基づいて、前記位置情報に対応するゲームフィールド上の位置に、前記他のプレーヤのキャラクタが描かれた前記サブ画面を発生させる処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記サブ画面制御部は、
受信により得られた前記他のプレーヤの操作情報又は操作履歴情報に基づいて、前記サブ画面の発生処理又は移動処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記サブ画面制御部は、
受信により得られた前記他のプレーヤのゲーム成績情報に基づいて、前記サブ画面の発生処理又は消滅処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記サブ画面制御部は、
前記物体の前記接触位置と、受信により得られた前記他のプレーヤのキャクタの位置との比較処理を行って、前記サブ画面の発生処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記サブ画面制御部は、
前記他のプレーヤの前記ゲームプレイ情報に基づいて、前記他のプレーヤの視点から見える画像が表示された前記サブ画面を発生させる処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
プレーヤのゲーム成績を演算するゲーム成績演算部として、
コンピュータを機能させ、
前記ゲーム成績演算部は、
前記接触イベントが発生して、前記サブ画面が発生した後に、プレーヤが操作部を用いて所与の操作情報を入力した場合に、入力された操作情報に基づいてプレーヤのゲーム成績を演算することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7において、
前記サブ画面制御部は、
前記接触イベントが発生した場合に、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面における前記接触位置での拡大画像を前記サブ画面に表示する処理を行い、
前記ゲーム成績演算部は、
前記接触イベントが発生して、前記サブ画面が発生した後に、プレーヤがシューティング操作を行った場合に、前記拡大画像に表示されるキャラクタに対するシューティングについてのプレーヤのゲーム成績を演算することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記透明物体は、前記サブ画面の画像をレンズ効果により拡大表示するものであり、
前記サブ画面制御部は、
前記接触イベントが発生した場合には、前記接触イベントの発生後、所与のタイムラグ期間経過後に、前記タッチパネルディスプレイのメイン画面の画像上に前記サブ画面を発生させる、或いは、前記接触イベントの発生後、前記メイン画面の画像上の前記サブ画面の画像を徐々に大きくする、或いは、前記接触イベントの発生後、前記メイン画面の画像上の前記サブ画面の画像を、透明度の高い状態から透明度の低い状態に変化させる処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9において、
前記サブ画面制御部は、
前記タッチパネルディスプレイから前記透明物体が離れる離隔イベントが発生した場合に、発生した前記サブ画面を非表示にする処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項12】
タッチパネルディスプレイに表示される画像を生成する画像生成装置であって、
前記タッチパネルディスプレイに物体が接触する接触イベントが発生した場合に、前記物体の接触位置を取得する接触位置取得部と、
サブ画面の発生処理を行うサブ画面制御部と、
前記サブ画面の画像を含む画像を生成して、前記タッチパネルディスプレイに表示する画像生成部と、
他の画像生成装置でゲームプレイする他のプレーヤのゲームプレイ情報をネットワークを介して受信する処理を行う通信処理部と、
を含み、
前記サブ画面制御部は、
前記接触イベントが発生した場合に、前記物体の前記接触位置と、前記通信処理部により受信した前記他のプレーヤの前記ゲームプレイ情報とに基づいて、前記サブ画面の発生処理を行うことを特徴とする画像生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−120849(P2012−120849A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1554(P2012−1554)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2007−236891(P2007−236891)の分割
【原出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】